JP6155061B2 - マンホールと下水道管の接続部分の耐震化工法と、該工法で用いる装置 - Google Patents

マンホールと下水道管の接続部分の耐震化工法と、該工法で用いる装置 Download PDF

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Description

本発明は、マンホールと下水道管との接続部分に耐震性を持たせるため下水道管の周りのマンホール側壁に環状の溝を形成し、形成した該溝に緩衝とシール機能を果たすシール材を充填することよりなる耐震化工法と、該工法で使用する装置に関する。
マンホールは、下水道管の検査や清掃のため人が出入りできるようにするために設けられ、図1に示すように下水道管1がマンホール2側壁に固定され、マンホール内に開口している。
図示するようなマンホールにおいて、地震により下水道管1が上下に、或いは前後左右に揺れると、マンホール側壁に固定される下水道管端部が破損するおそれがある。このため近年では、マンホール側壁と下水道管端部を接続する部分に可撓性を持たせて地震時の揺れを吸収できるようにしているが、こうした技術が施されていない既設のマンホールに対しては、マンホール側壁と下水道管端部との接続部分に耐震性を持たせるために下水道管の周りのマンホール側壁にドリル又はコアビットを用いて貫通し或いは貫通しない程度の孔を繰返しあけて下水道管の周りに連続した環状の溝を形成するか、或いはマンホール側壁に孔をあけるエンドミルカッター又はジェット水噴射ノズルを下水道管の周りに旋回させて前記エンドミルにより或いはジェット水により環状の溝を形成し、ついでこの溝に弾力性のあるゴムやプラスチック製の緩衝材を充填する工法が提案されている(特許文献1、2)。
前述する従来の工法においては、下水道管の周りに穿孔工具を旋回させるためのスペースを確保するため、図1に示すマンホール底部のインバート3を一旦撤去しなければならない。この撤去はハツリ作業によって行われるが、この作業には、作業員が長時間にわたってマンホール内に入って行わねばならないことから、作業者への負担や危険性をもたらすうえ、施工時間、施工費用もかさむ。またハツリ取ったインバートは元の状態に復旧せねばならず、復旧作業も作業者の負担となり、手間や費用がかかる。
またマンホールは円筒状のものが主流で、これにほぼ直交するように接続される下水道管も円筒状をなしている。図2はマンホール側壁に接続される下水道管1のマンホール内周面と同一面ないしほぼ同一面をなす管端面4の形状を示すもので、下水道管1の管端部の周りのマンホール内周面に環状の溝を形成する場合、該溝は図2に示す下水道管管端面4の形状と同様、三次元的に歪んだ環状のものとなる。図中、3はインバートを示す。このインバートは図示するように、下水道管管端面の下側部を覆い、表面が下水道管管端部の内周と段差のない円弧状をなしている。
本出願人は先にマンホール底部のインバートの撤去作業をなくして作業者の負担や危険性をなくし、施工時間や費用を低減させ、更には地震時の揺れにより発生する下水道管管端部の破損箇所からの地下水の流入を防止するため、エンドミルを用い、マンホール側壁に接続される下水道管のマンホール側壁に支持される管端部に対し、その内側から下水道管管端部にマンホール側壁に一定深さ食い込むまでの溝を管端部の全周にわたって形成する第1工程と、クランクアームと直交して突出するクランクピンを軸状のミルとした形態をなす切削工具を用い、該切削工具のミルを回転させながら、管端部の内側に前述するようにして形成された環状溝の溝縁に径方向より切込みを入れ、ミルが管端部を突き切り、マンホール側壁に達すると、方向転換して管端部の周りに周方向に旋回させ、これにより管端部の周りのマンホール側壁を切削して管端部の周りに管端部と一定の間隔を存する環状の溝を形成する第2工程と、形成された環状の溝に弾力性のあるゴムや樹脂製のシール材を充填する第3工程とからなる耐震化工法及び該工法で用いる図3に示すような装置、すなわち下水道管内に下水道管と同軸をなしてボルト等の止着具により取外し可能に固定され、前述のエンドミルや切削工具が旋回可能に装着される旋回用レール6と、該旋回用レール6に対し管軸方向に取付けた多数のロッド8bにより固定され、切削工具に設けたならい用治具7がスライド可能に係合するガイド8aを備えたガイド8部材よりなり、前記ガイド8aは図2に示すマンホール内周面と同一面ないしほぼ同一面をなす下水道管管端面の歪んだ三次元形状と同一形状をなし、切削工具が旋回用レール6に沿って旋回する際、前記ならい用治具7がガイド8aに案内されてスライドすることにより切削工具が管軸方向に進退しながら旋回するようにした、前記第1及び第2工程で用いる装置について提案した(特許文献3)。
特開2002−227226号 特開2001−40751号 特開2010−203141号
特許文献3に開示される工法では、図4に示すようにエンドミルにより管端部1aの全周にわたってマンホール側壁2aに食い込む環状の溝11が形成され、ついでこの溝を利用して別の切削工具のミルにより作業溝11のマンホール外周側の側壁より管端部に沿って突出する溝12が管端部1aの周りに環状に形成されるが、溝11、12が形成された箇所は強度的に弱く、地震時の揺れにより下水道管1とマンホール2との間に相対的な変位を生ずると、前記溝11、12とくにマンホール外周近くの溝12が形成された箇所にクラックが入り易くなる。クラックが入ると、下水道管が地下深く埋設され、土被り厚さが大きな大口径管である場合、地下水が多量に流入する可能性があるが、溝11、12には図5に示すように弾力性のあるゴムや樹脂製のシール材13が充填され、このシール材13は地震時の揺れにより、マンホール2にクラックが入ったとき、緩衝材としての機能を果たして下水道管とマンホールの間の相対的な変位を吸収すると共に、シール機能を果たし、地下水の流入を防ぐことができるようにしている。このように前記溝11は、切削工具のミルで溝12を形成する際の作業溝としての機能を果たし(以下、この溝11を作業溝という)、溝12は、地震時の揺れにより下水道管1とマンホール2との間に相対的な変位を生じ、ずれを生じたときにクラックが入り易くなるように意図的に形成されている(そこで、この溝12を以下、クラック誘発溝という)。
エンドミルや別の切削工具のミルを用いて前述の作業溝11やクラック誘発溝12を切削するのに図3に示すようなガイド部材8を用いる場合には、事前にマンホール2の内径や肉厚、下水道管管端部1aの径や肉厚に関するデータを測定等により集めておき、このデータに基づいてマンホール内周面と同一面をなす下水道管管端面4の三次元曲線よりなる形状を求め、これより前記ガイド8aが管端面4の形状と合致するようにガイド部材8を組付けるが、この作業には手間がかかるうえ、下水道管1がマンホール2に偏心して取付けられていたり、傾斜して取付けられている場合、ガイド部材8を組付けたときのガイド8aの形状と管端面4の三次元曲線よりなる形状とにずれを生ずることがあり、これを調整するための調整は面倒で多大な手間を要する。
本発明は、マンホールと下水道管との接続部分に耐震性を持たせるための前述する耐震化工法及び装置において、下水道管管端部の周りのマンホール側壁に前述の作業溝やクラック誘発溝をサーボモータを使用し、これをコンピュータ制御することにより、前述するようなガイド部材を組付けることなく簡単に精度よく形成することができる工法及び装置を提供することを目的とする。
発明は、エンドミルよりなる第1の切削工具を用い、マンホール側壁に接続される下水道管の管端部に対し、前記エンドミルをマンホール側壁の内周面と同一ないしほぼ同一面をなす下水道管管端面の三次元曲線に沿うように管軸方向に進退させながら周方向に旋回させ、深さが下水道管管端部の内側から該管端部を径方向に突き切ってマンホール側壁に一定量食い込む環状の作業溝を前記管端部の周りに形成する第1工程と、該第1工程後、クランクアームと直交して突出するクランクピンを軸状のミルとした形態をなす第2の切削工具を用い、該切削工具のミルを管軸方向に向け、前記作業溝の溝縁から径方向に押込んで管端部を突き切るまで切込みを入れ、管端部を突き切ると、方向転換して前記管端部に沿うように管軸方向に移動させながら周方向に旋回させ、これにより管端部の周りのマンホール側壁を切削して管端部の周りに環状のクラック誘発溝を形成する第2工程と、該前記第1及び第2工程により形成された作業溝とクラック誘発溝のうち、少なくともクラック誘発溝に弾力性のあるゴムや樹脂製のシール材を充填する第3工程とからなる耐震化工法において、前記第1の切削工具のエンドミルは前記管軸方向への進退がサーボモータを含む直線運動機構により行われ、前記エンドミルを進退させるためのサーボモータの駆動は、マンホールや下水道管の径や肉厚、マンホールに接続された下水道管の偏心量や傾き等、マンホールや下水道管の各種データに基づいて制御装置により制御される耐震化工法に関する。
第1工程の作業溝を形成した後の第2の切削工具のミルによるクラック誘発溝の形成は、作業溝と同様、制御装置がサーボモータを制御することにより行われるが、制御装置によりサーボモータを制御してミルを管軸方向に進退させるのに代え、前述したガイド8aと同様、作業溝をガイドとし、該作業溝に倣わせて第2の切削工具のミルを管端部の回りに周回させることによっても形成することができる。

本発明工法により、図4に示すような作業溝11とクラック誘発溝12が形成されるが、前述するようにとりわけクラック誘発溝12は地震時の揺れによってクラックを生じ易くするために形成され、クラックを生じ易くするにはクラック誘発溝12とマンホール外周面との間隔(以下、remという)を狭くする必要がある。remは図4に示す例でいえば、ポイントPで最も小さくなるが、remは小さくなるほど、ミルによる切削時にクラックを生じたり、マンホール外周に穴があいたりするおそれがある。こうした問題を生ずることなく、地震時の揺れによりクラックを確実に生じさせるには、remを一定距離cにする必要があることが判明した(本発明者らの実験によれば、この距離cは50mm確保することが必要であることが判明した)。
図6はマンホール2の軸心oを通り、マンホールに偏心なく取付けられる下水道管の軸心を通る横軸をy軸、該y軸と直交する水平面内での縦軸をx軸、x軸及びy軸と直交し、紙面に垂直な鉛直方向をz軸として、下水道管1がマンホール2にy軸に対する偏心量Eで取付けられた例を示すもので、図7に示すようにポイントP(このPは、図6に示すようにクラック誘発溝12のうち、マンホール軸心oから最も離れ、マンホール外周に最も近い点である)が基準点の1例である図の最左点(基準点は、図の最左点以外に例えば下水道管の頂点など任意の位置で定められる)より矢印の周方向に角θ旋回したときのx座標x(θ)は下記数1式で表され、これよりy座標y(θ)は、下記数2式で表される。なお、図7においてy軸は、x軸及びz軸の交点である図面に対し垂直な軸で、図に点で示してある。
ここでRはマンホール外周までの半径、rは下水道管外周までの半径、aは下水道管1とクラック誘発溝12との間隔、wはクラック誘発溝12の溝巾、bはクラック誘発溝12の外周から作業溝11の溝底までの間隔、cは前述するように、地震時の揺れによってクラックを発生させると共に、ミルによるマンホールへの溝切削時にはマンホールにクラックや穴を開けない程度に必要とされる、溝からマンホール外周までの距離であるremを示す(図6参照)。またEは、マンホール2の軸心oを通るy軸からの偏心量である。
ポイントPでのrem1(θ)は下記数3式で示される。

またrem1(θ)=cとなるような作業溝11の溝巾中心PCでのy座標は下記数4式で求められる。
以上はポイントPでのremについて記述したが、下水道管の取付角度によっては作業溝11のなかでマンホール軸心oから最も離れ、マンホールの外周に最も近い点であるポイントPでのrem2の方がポイントPでの前記rem1より小さい場合もありうる。この場合には、ポイントPが基準点の1例である図7の最左点より周方向に角θ旋回したときのy座標y(θ)及びx座標x(θ)が前記数1式及び数2式と同様、数5式で求められ、この場合のポイントPでのrem2(θ)は下記数6式で求められる。

そしてrem2(θ)が前記cとなるような作業溝11の溝巾中心PCでのy座標は下記数7式で求められる。
以上のように、作業溝11の溝巾中心PCのy座標が数4式又は数7式を満足するように、y軸方向に進退しながら管軸の周りを旋回するエンドミルのy軸方向への動きを制御すれば、rem1(θ)又はrem2(θ)がcとなり、地震時の揺れにより作業溝11やクラック誘発溝12の形成箇所付近でマンホール側壁へのクラックを生じ易くし、またマンホール側壁に穴をあけることなく作業溝11及びクラック誘発溝12を形成することができる。
以上は下水道管1がマンホール2の軸心oを通るy軸より偏心量Eで偏心してマンホール2に取付けられた場合について述べたが、下水道管1がマンホール2に偏心しないで取付けられている場合には、数1及び数5式のE=0として数4及び数7式のy(θ)が求められる。
次に下水道管がマンホールに傾斜して取付けられている場合について説明する。
図8は、下水道管1が右に角α振られて横断面が矩形のマンホール14に取付けられている場合に形成される作業溝11と、マンホール外周までの前記距離remcを確保したクラック誘発溝12を示すもので、マンホール内側面と下水道管1の軸心であるy軸との交点を原点Gとすると、該原点Gからy軸方向にL離れ、かつ管内周の頂部における作業溝11の巾方向中央におけるy軸座標y(o)は、下記数8式で表される。
ここでTはマンホール14の肉厚、lはクラック誘発溝12のy軸方向の長さであり、l=(w/2)tanαである。
また前記y(o)点から図8の右方向に角θ旋回したときのy座標y(θ)は、下記数8式で表される。
ここでδ=r・sinθ・tanαである。
下水道管1が角α傾いてマンホール2に取付けられた場合においては、数9式に従って作業溝11及びクラック誘発溝12を形成すれば、クラック誘発溝12からマンホール側壁外周までのremcが確保される。
前述する作業溝11及びクラック誘発溝12は、エンドミル及びミルを下水道管1の周りに時計回り或いは反時計周りに一周させて形成することもできるし、半周ずつ逆向きに旋回させて形成することもできる。図8に示す例において、下水道管1の右半分に前記数8式に従って作業溝11及びクラック誘発溝12を形成したのち、下水道管1の左半分に作業溝11を逆向きに形成する場合は、作業溝11及びクラック誘発溝12は下記数10式に従って形成される。
ここでδは数9式と同様、δ=r・sinθ・tanαである。
以上はマンホール14が横断面矩形である場合の演算式を示したが、マンホールの横断面が円形である場合も同様にして前記y(θ)を求めることができる。
請求項1〜3に係る発明は、以上の技術事項に基づいてなされたもので、請求項に係る発明は、エンドミルよりなる第1の切削工具を用い、マンホール側壁に接続される下水道管の管端部に対し、前記エンドミルをマンホール側壁の内周面と同一面をなす下水道管管端面の三次元曲線に沿うように管軸方向に進退させながら周方向に旋回させ、深さが下水道管管端部の内側から該管端部を径方向に突き切ってマンホール側壁に一定量食い込む環状の作業溝を前記管端部の周りに形成する第1工程と、該第1工程後、クランクアームと直交して突出するクランクピンを軸状のミルとした形態をなす第2の切削工具を用い、該切削工具のミルを管軸方向に向け、前記作業溝の溝縁から径方向に押込んで管端部を突き切るまで切込みを入れ、管端部を突き切ると、方向転換して前記管端部に沿うように管軸方向に移動させながら周方向に旋回させ、これにより管端部の周りのマンホール側壁を切削して管端部の周りに環状のクラック誘発溝を形成する第2工程と、該前記第1及び第2工程により形成された作業溝とクラック誘発溝のうち、少なくともクラック誘発溝に弾力性のあるゴムや樹脂製のシール材を充填する第3工程とからなる耐震化工法において、前記第1の切削工具のエンドミルは前記管軸方向への進退がサーボモータを含む直線運動機構により行われ、前記エンドミルを進退させるためのサーボモータの駆動は、マンホールや下水道管の径や肉厚、マンホールに接続された下水道管の偏心量や傾き等、マンホールや下水道管の各種データに基づいて制御装置により制御される耐震化工法であって、前記第2工程におけるミルによりクラック誘発溝を切削する際、下水道管の任意の基準点から下水道管の周方向に角θ旋回したときのクラック誘発溝からマンホール外周までの最短距離であり、かつrem1(θ)=R−√〔x(θ)+y(θ)〕で表される
rem1(θ)が切削時にマンホールにクラックを生じさせたり、マンホール外周に穴があかないようにし、かつ地震時の揺れにより前記クラック誘発溝でクラックを確実に生じさせるのに必要な所定量cとなるように、作業溝の巾方向中央でのy(θ)座標が下記数4式を満たすクラック誘発溝を形成することを特徴とする。

但し、y1(θ)=√〔(R−c)−{(r+a+w)cosθ+E}
ここでR:マンホール外周の半径、r:下水道管外周の半径、a:下水道管とクラック誘発溝との間隔、W:作業溝の溝巾、w:クラック誘発溝の溝巾、E:下水道管の偏心量である。
請求項に係る発明は、エンドミルよりなる第1の切削工具を用い、マンホール側壁に接続される下水道管の管端部に対し、前記エンドミルをマンホール側壁の内周面と同一面をなす下水道管管端面の三次元曲線に沿うように管軸方向に進退させながら周方向に旋回させ、深さが下水道管管端部の内側から該管端部を径方向に突き切ってマンホール側壁に一定量食い込む環状の作業溝を前記管端部の周りに形成する第1工程と、該第1工程後、クランクアームと直交して突出するクランクピンを軸状のミルとした形態をなす第2の切削工具を用い、該切削工具のミルを管軸方向に向け、前記作業溝の溝縁から径方向に押込んで管端部を突き切るまで切込みを入れ、管端部を突き切ると、方向転換して前記管端部に沿うように管軸方向に移動させながら周方向に旋回させ、これにより管端部の周りのマンホール側壁を切削して管端部の周りに環状のクラック誘発溝を形成する第2工程と、該前記第1及び第2工程により形成された作業溝とクラック誘発溝のうち、少なくともクラック誘発溝に弾力性のあるゴムや樹脂製のシール材を充填する第3工程とからなる耐震化工法において、前記第1の切削工具のエンドミルは前記管軸方向への進退がサーボモータを含む直線運動機構により行われ、前記エンドミルを進退させるためのサーボモータの駆動は、マンホールや下水道管の径や肉厚、マンホールに接続された下水道管の偏心量や傾き等、マンホールや下水道管の各種データに基づいて制御装置により制御される耐震化工法であって、エンドミルにより作業溝を切削する際、下水道管の任意の基準点から下水道管の周方向に角θ旋回したときの作業溝からマンホール外周までの最短距離であり、かつrem2(θ)=R−√〔x(θ)+y(θ)〕で表されるrem2(θ)が切削時にマンホールにクラックを生じさせたり、マンホール外周に穴があかないようにし、かつ地震時の揺れにより前記作業溝でクラックを確実に生じさせるのに必要な所定量cとなるように、作業溝の巾方向中央でのy(θ)座標が下記数7式を満たす作業溝を形成することを特徴とする。

但し、y(θ)=√〔(R−c)−{(r+a+w+b)cosθ+E}
ここでR:マンホール外周の半径、r:下水道管外周の半径、a:下水道管とクラック誘発溝との間隔、W:作業溝の溝巾、w:クラック誘発溝の溝巾、b:クラック誘発溝の外周から作業溝の溝底までの間隔、E:下水道管の偏心量である。
請求項に係る発明は、エンドミルよりなる第1の切削工具を用い、マンホール側壁に接続される下水道管の管端部に対し、前記エンドミルをマンホール側壁の内周面と同一面をなす下水道管管端面の三次元曲線に沿うように管軸方向に進退させながら周方向に旋回させ、深さが下水道管管端部の内側から該管端部を径方向に突き切ってマンホール側壁に一定量食い込む環状の作業溝を前記管端部の周りに形成する第1工程と、該第1工程後、クランクアームと直交して突出するクランクピンを軸状のミルとした形態をなす第2の切削工具を用い、該切削工具のミルを管軸方向に向け、前記作業溝の溝縁から径方向に押込んで管端部を突き切るまで切込みを入れ、管端部を突き切ると、方向転換して前記管端部に沿うように管軸方向に移動させながら周方向に旋回させ、これにより管端部の周りのマンホール側壁を切削して管端部の周りに環状のクラック誘発溝を形成する第2工程と、該前記第1及び第2工程により形成された作業溝とクラック誘発溝のうち、少なくともクラック誘発溝に弾力性のあるゴムや樹脂製のシール材を充填する第3工程とからなる耐震化工法において、前記第1の切削工具のエンドミルは前記管軸方向への進退がサーボモータを含む直線運動機構により行われ、前記エンドミルを進退させるためのサーボモータの駆動は、マンホールや下水道管の径や肉厚、マンホールに接続された下水道管の偏心量や傾き等、マンホールや下水道管の各種データに基づいて制御装置により制御される耐震化工法であって、下水道管がマンホールに角α傾斜して取付けられており、作業溝が該溝の巾方向中央でのy(θ)座標が下記数9式を満たすように形成されることを特徴とする。

但し、L={(T−c)/cosα}−(W/2+l+l
δ=r・sinθ・tanα
ここでT:マンホールの肉厚、l:クラック誘発溝の長さ、l=(w/2)tanαである。
請求項に係る発明は、請求項1に係る発明を実施する装置に関するもので、前記下水道管内に下水道管と同軸をなして取外し可能に固定される環状の旋回用レールと、該旋回用レールに周方向に旋回可能に装着され、かつエンドミルを管軸のy軸方向に進退可能に支持するベースと、モータを駆動源として前記ベースを旋回用レールに沿って旋回させる旋回機構と、サーボモータを備え、前記ベースにy軸方向に進退可能に支持される前記エンドミルをy軸方向に進退させる直線運動機構と、前記エンドミル、前記旋回機構のモータ及び直線運動機構のサーボモータを制御する制御装置とからなり、該制御装置は切削のプログラム及び各種演算式を格納する記憶部と、マンホールや下水道管の各種データを入力する入力部と、前記旋回用レールを旋回するベースの旋回角度θを読取る読取手段と、前記記憶部に格納されたプログラムに基づいて前記エンドミルによる切削を行い、かつ前記入力部に入力されたデータにより前記記憶部に格納された演算式を演算し、この演算値に基づいて前記直線運動機構のサーボモータを制御する制御部とからなる請求項1記載の耐震化工法で用いられる装置であって前記記憶部に格納される演算式が作業溝の巾方向中央でのy(θ)座標に関する下記数4式を有することを特徴とする。

但し、y1(θ)=√〔(R−c)−{(r+a+w)cosθ+E}
ここでR:マンホール外周の半径、r:下水道管外周の半径、a:下水道管とクラック誘発溝との間隔、W:作業溝の溝巾、w:クラック誘発溝の溝巾、E:下水道管の偏心量
請求項に係る発明は、請求項に係る発明において、前記記憶部に格納される演算式が作業溝の巾方向中央でのy(θ)座標に関する下記数7式を有することを特徴とする。

ここでy(θ)=√〔(R−c)−{(r+a+w+b)×cosθ+E}
請求項に係る発明は、請求項4に係る発明において、下水道管がマンホールに角α傾斜して取付けられ、前記記憶部に格納される演算式が作業溝の巾方向中央でのy(θ)座標に関する下記数9式を有することを特徴とする。

但し、L={(T−c)/cosα}−(W/2+l+l
δ=r・sinθ・tanα
ここでT:マンホールの肉厚、l:クラック誘発溝の長さ、l=(w/2)tanα
請求項1及びに係る発明によると、エンドミルの管軸(y軸)方向への進退が直線運動機構を構成するサーボモータを制御装置で制御することにより簡単に精度よく行われ、下水道管がマンホールに偏心して取付けられていたり、傾斜して取付けられていても制御装置が偏心量や傾斜角の入力データに基づいてエンドミルを管軸方向に制御することで簡単に対処することができ、また下水道管が横断面円形のマンホールに偏心量Eで取付けられている場合のクラック誘発溝の切削成形時にrem1(θ)=cを確保し、地震時の揺れにより、作業溝やクラック誘発溝の形成箇所でクラックを発生し易くすると共に、ミルによる切削時にマンホールにクラックを発生させたり、穴あきが発生するのを防ぐことができる。
請求項及びに係る発明によると、作業溝の切削時においてもrem2(θ)=cを確保し、地震時の揺れにより、作業溝やクラック誘発溝の形成箇所でクラックを発生し易くすると共に、ミルによる切削時にマンホールにクラックを発生させたり、穴あきが発生するのを防ぐことができる。
請求項及びに係る発明によると、下水道管が横断面矩形のマンホールに傾き角αで傾斜して取付けられている場合のクラック発生溝の切削時において、rem1(θ)=cを確保し、地震時の揺れにより、クラック誘発溝の形成箇所でクラックを発生し易くすると共に、ミルによる切削時にマンホールにクラックを発生させたり、穴あきが発生するのを防ぐことができる。
マンホールの断面図。 マンホール側壁に接続される下水道管の接続部を示す斜視図。 下水道管に取付けた旋回用レールとガイド部材を示す図。 作業溝とクラック誘発溝のサイズを示す図。 図4に示す作業溝とクラック誘発溝にシール材を充填した断面図。 マンホールに偏心して取付けられた下水道管の断面図。 下水道管管端部の旋回角度θを示す模式図。 下水道管がマンホールに傾斜して取付けられた場合の模式図。 本発明に係る装置の正面図。 同平面図。 制御装置のブロック図。 作業溝形成のフローチャート。 クラック誘発溝形成のフローチャート エンドミルにより切込みを入れた状態を示す図。 エンドミルにより作業溝が形成された状態を示す断面図。 ミルを備えた第2の切削工具により切り込みが開始されるときの状態を示す断面図。 同ミルが管端部を突き切ってマンホール側壁まで切削した状態を示す断面図。 同ミルによりクラック誘発溝を形成した状態を示す断面図。
以下、本発明の実施形態に係る装置について説明する。
下水道管1の管端部1aには、前述の図3に示す装置と同様、請求項1に係わる発明の第1又は第2工程で使用する旋回用レール18が下水道管1と同軸をなしてボルト等の止着具により取外し可能に固定される。
図9は、請求項1に係わる発明の第1工程において、環状の作業溝11を形成するのに使用され、エンドミル19を備えた第1の切削工具21の正面図、図10は同平面図で、切削工具21は前記旋回用レール18に周方向にスライド可能に装着され、旋回用レール18に沿って旋回するベース22と、該ベース22に管軸(y軸)方向にスライド可能に支持されるカッターアーム23と、該カッターアーム23に昇降可能に支持され、図示しない昇降用モータにより昇降するカッターヘッド24と、該カッターヘッド24に着脱可能に取着されるエンドミル19と、サーボモータ25を備え、カッターヘッド24をy軸方向に進退させる直線運動機構と、旋回用サーボモータ26を備え、前記ベース22を旋回用レール18に沿って旋回させる旋回機構27とからなり、前記直線運動機構は、カッターアーム23よりy軸方向に突設され、ベース22にy軸方向にスライド可能に嵌挿される一対のガイドレール28と、該ガイドレール28と平行をなしてガイドレール28と共にカッターヘッド24より突設され、ベース22に捩じ込まれるボールネジ29と、前記サーボモータ25と、該サーボモータ25の動力をボールネジ29に伝達し、ボールネジ29を回転させる動力伝動機構31とからなり、サーボモータ25によりボールネジ29を正逆に回転させると、カッターアーム23がカッターヘッド24と共にy軸方向に進退するようになっている。
ベース22を旋回用レール18に沿って旋回させる前記旋回機構としては、例えば旋回用レール18に沿って取付けられる環状のラックと、該ラックと噛合し、前記旋回用サーボモータ26によって回転駆動されるピニオンよりなるピニオンラック機構を用いることができ、ベース22の旋回角度θを読取る読取手段としては、例えばサーボモータ26の回転数を読取るエンコーダ36(図11参照)が用いられる。
カッターヘッド24をカッターアーム23に沿って昇降させる昇降機構に関しても同様にカッターヘッド24に取付けられる図示しない昇降用モータを駆動源とするピニオンラック機構或いはボールネジよりなるネジ機構を用いることができ、これら各機構のサーボモータ25、26、昇降用モータとドリル駆動モータ43や後述する第2の切削工具のドリル駆動モータ47は図11に示す制御装置33によって制御されるようになっている。
制御装置33は、図6に示すマンホール2や下水道管1の各種データ、例えばマンホール2外周の半径R及び肉厚T、下水道管1外周の半径r及び肉厚t、マンホール2の軸心oを通るy軸からの偏心量E、図8に示す矩形断面のマンホール32の側壁に対する下水道管1の傾き角α、地震時の揺れによりクラックを発生させるようにすると共に、ミルによるクラック誘発溝12の切削時、マンホール2にクラックや穴が開かない程度に設定されるクラック誘発溝12とマンホール外周までの距離であるremc、下水道管1とクラック誘発溝12との間隔a、クラック誘発溝12の溝巾w、クラック誘発溝12の外周から作業溝11の溝底までの間隔b、作業溝11の溝巾W、クラック誘発溝12のy軸方向の長さlなどの各種データを入力する入力部34と、各種操作ボタン(図11には、このうちのスタートボタン35のみを示している)と、前記下水道管11とマンホール32の該データ更には切削のプログラムや前記エンコーダ36で読取ったサーボモータ26の回転数から旋回用レール18を旋回するベース22の旋回角度θを求める演算式及び前述の数1〜数8式等の各種演算式を格納する記憶部37と、該記憶部37に格納された前記演算式よりベース22の旋回角度θを算出し、また記憶部37に格納された下水道管1及びマンホール2の前記諸データと数1〜数8式の各種演算式より各旋回角度でのy(θ)を算出する演算部38と、該演算部38で算出されたy(θ)に基づいてサーボモータ25を制御し、カッターヘッド24に取付けられるエンドミル19及び後述する第2の切削工具のミルをy軸方向に進退させ、また前記記憶部に格納されたプログラムに基づいて旋回用サーボモータ26の起動停止及び昇降用モータの起動、停止を制御する制御部39を有している。
本装置は以上のように構成され、第1工程においてマンホールに取付けられる下水道管1の管端部1aに図に示すような作業溝11を形成する場合、先ず、下水道管管端部1aに旋回用レール18を取付ける。
旋回用レール取付後、第1の切削工具21を旋回用レール18に取付ける。この切削工具21は予め旋回用レール18に取付けておいてもよい。
次に第1工程により形成される作業溝11の前記制御装置33による形成過程について図12に示すフローチャートに従って説明する。
切削開始時には先ず、スタートボタン35(図11参照)を押し、切削を開始する(S1)。すると制御装置33は、記憶部37に格納されるプログラムに従って、先ず第1の切削工具21のエンドミル19をy軸方向に進退させる直線運動機構のサーボモータ25を起動し(S2)、該モータ25を制御してカッターヘッド24をエンドミル19と共にy軸方向に沿って管端部1a側に移動させ(S3)、エンドミル19を図9に示すようにマンホール側壁に位置する切削予定箇所の切込み開始位置に設定する(S4)。
切込み開始位置の位置決めは、エンドミル19によって形成される作業溝11の巾方向中心のy座標y(θ)が数5式を満たすように行われ、切込み開始位置に位置決め後、サーボモータ25は一旦停止される(S5)(図9)。
次に制御装置33はドリル駆動モータ43及び該ドリル駆動モータ43の昇降用モータを起動し(S6)、エンドミル19を回転させながら径方向外方(図の下方向)に送り(S7)、下水道管1の管端部内周面に押込んで切込みを開始する(S8)。
エンドミル19による切込み開始後、エンドミル19による切込み量が下水道管1の肉厚t+設定距離に達し、管端部1aを突き切ってマンホール側壁まで所要量切込まれると(S9)(図14)、前記昇降用モータを停止させると共に、ベース22を旋回させる旋回機構27のサーボモータ26を起動する(S10)。これにより管端部の周方向への切削が行われる(S11)。この切削時において制御装置33はエンコーダ36により読取ったサーボモータ25の回転数からベース22の旋回角度θを算出すると共に、算出された各旋回角度θごとに記憶部37に格納される数1〜数8式より求めたy(θ)からエンドミル19のy座標を算出し(S12)、該算出したy座標に合致するようにエンドミル19をy軸方向にフィードバック制御する(S13)。
ベース22が旋回用レール18を1周旋回し終えるまで、制御装置33による前記エンドミル19のy軸方向の制御が行われ、1周し終えると(S14)、前記エンドミル19の昇降用モータが起動されて該モータを逆回転させ、エンドミル19を形成された周方向の作業溝11より一旦引き上げ(S15)、図15に示すように元の位置まで引上げられると(S16)、昇降用モータ及びドリル駆動モータ43が停止される(S17)。
前述の作業溝11は、一度に形成しないで数回に分けて形成することもできる。すなわち時計回り或いは反時計回りに半周ずつ逆向きに形成したり、エンドミル19の切込量を少なくしてエンドミル19を周方向に旋回させ、一周したのち、切込量を多くして作業溝11の深さを段階的に深くしていくこともでき、またy軸方向に数分割し、管端部の周りに一定巾の溝巾の作業溝を形成すると、エンドミル19をy軸方向にずらし、作業溝を同様に順次繰返して形成することもできる。
以上で第1工程が終了し、第2工程が次のようにして行われる。
先ずカッターヘッド24からエンドミル19を取外し、カッターヘッド24用の第2の切削工具41をカッターヘッド24に付け替える(図16)。この第2の切削工具41は図示するようにカッターヘッド24に取外し可能に取付けられるブラケット42と、該ブラケット42の一側上部に取付けられるドリル駆動モータ47と、ブラケット42の他側下部に取付けられるクランクピンの形態をなし、管軸のy軸方向を向いてドリル駆動モータ43により回転駆動される軸状のミル44とよりなっており、クラック誘発溝12を形成するときには、ブラケット42端は前記第1工程により形成された作業溝11内に嵌挿されるようになっている。
カッターヘッド24端に第2の切削工具41を取付けたのち、第2工程開始の図示しないボタンを押す(S18)。これにより制御装置33はミル44のy軸方向における切削開始位置への位置決めを前述したエンドミル19の位置決めと同様にして行い(S19〜S21)、位置決め後サーボモータ25を一旦停止したのち、制御装置33はドリル駆動モータ47を駆動し、かつ昇降用モータを起動して(S22)ミル44を回転させながら径方向外方に送り、マンホール側壁に支持される管端部1aの作業溝11溝縁に当てる。そしてそのまま押込んで径方向に押し切りを行う(S23)(図17)。
ミル44の径方向外方への送りは、前述のエンドミル19の場合と同様、ミル44が管端部1aを突き切り、該管端部1aから一定距離a(図4参照)のマンホール側壁に食い込むまで行われ、管端部19から一定距離aに達すると(S24)、昇降用サーボモータを停止させると共に、旋回用サーボモータ26を起動させる(S25)。
サーボモータ26の起動により第2の切削工具41のミル44は前述のエンドミルと同様、管端部の周りを旋回しながら制御装置33によりy軸方向に制御されて切削を行うが(S26)、y軸方向への進退は制御装置でエンドミル19を制御して作業溝11を形成するのと異なり、前述のガイド8aと同様、作業溝11に案内されて行うようにしてもよい。この場合にはしたがって制御装置による制御は行われず、第2の切削工具41のブラケット42が作業溝に倣って旋回し、好ましくは該ブラケット42に作業溝11にスライド可能に係合するならい用治具を設けて作業溝11に案内されて旋回するようにされる。
ミル44が以上のように、管端部1aの周りを一周りして切削を行うことでマンホール側壁に管端部1aと一定距離a離れた環状のクラック誘発溝12を形成する。
形成されたクラック誘発溝12とマンホール外周面までの最短距離(図4に示すポイントP1とマンホール外周面までの距離)は、前述のremcが確保され、そのため切削時にマンホール側壁にクラックが入ったり、穴が開いたりすることはないうえ、地震時には揺れの程度によってクラックが入り易くなり、後述のシール材による緩衝作用を行うことができるようになる。なお、マンホール2にクラックが入ってもシール材がシール機能を果たし、下水道管1が地下深く埋設されていても、地下水が多量に流入するのを防ぐことができる。
ミル44が管端部1aの周りを一周してクラック誘発溝12を形成後(S27)、ドリル駆動モータ47の回転を停止させ、かつ前記昇降用モータによりミル44が切込み時にy軸と直行する方向に形成された溝45を通して引上げられる(S28)。ミル44が切込開始位置まで引き上げられると(S29)(図18)、昇降用モータ及びドリル駆動モータ47が停止される(S30)。
以上のようにして請求項1に係わる発明の第2工程が終了する。
前述する例では、下水道管1の管端部1aの全周にわたって形成される作業溝11及びクラック誘発溝12は、前述するようにy軸方向にも変位した三次元的な形状をなすが、マンホール2が大径で、下水道管1が小径である場合、前述する作業溝11及びクラック誘発溝12は円周方向だけでy軸方向に変位しない二次元的な形状であればよいことが多い。二次元的な形状である場合にはしたがって、エンドミル19及びミル44はy軸方向に進退しないで旋回のみすればよいことになる。
第2工程終了後、図5に示すように形成された作業溝11及びクラック誘発溝12内に弾力性のあるゴム又は樹脂製の流動性のあるシール材13が充填され、ついでゴム又は樹脂製のベルト状の栓48が作業溝11の全周にわたって装填され、シール材13を覆い保護する。
以上により請求項1に係わる発明の第3工程が終了する。
1・・下水道管
1a・・下水道管管端部
2、14・・マンホール
11・・作業溝
12・・クラック誘発溝
13・・シール材
18・・旋回用レール
19・・エンドミル
21・・第1の切削工具
22・・ベース
23・・カッターアーム
24・・カッターヘッド
25・・サーボモータ
26・・旋回用サーボモータ
27・・旋回機構
28・・ガイドレール
29・・ボールネジ
31・・動力伝達機構
33・・制御装置
34・・入力部
35・・スタートボタン
36・・エンコーダ
37・・記憶部
38・・演算部
41・・第2の切削工具
42・・ブラケット
43、47・・ドリル駆動モータ
44・・ミル
45・・溝

Claims (6)

  1. エンドミルよりなる第1の切削工具を用い、マンホール側壁に接続される下水道管の管端部に対し、前記エンドミルをマンホール側壁の内周面と同一面をなす下水道管管端面の三次元曲線に沿うように管軸方向に進退させながら周方向に旋回させ、深さが下水道管管端部の内側から該管端部を径方向に突き切ってマンホール側壁に一定量食い込む環状の作業溝を前記管端部の周りに形成する第1工程と、該第1工程後、クランクアームと直交して突出するクランクピンを軸状のミルとした形態をなす第2の切削工具を用い、該切削工具のミルを管軸方向に向け、前記作業溝の溝縁から径方向に押込んで管端部を突き切るまで切込みを入れ、管端部を突き切ると、方向転換して前記管端部に沿うように管軸方向に移動させながら周方向に旋回させ、これにより管端部の周りのマンホール側壁を切削して管端部の周りに環状のクラック誘発溝を形成する第2工程と、該前記第1及び第2工程により形成された作業溝とクラック誘発溝のうち、少なくともクラック誘発溝に弾力性のあるゴムや樹脂製のシール材を充填する第3工程とからなる耐震化工法において、前記第1の切削工具のエンドミルは前記管軸方向への進退がサーボモータを含む直線運動機構により行われ、前記エンドミルを進退させるためのサーボモータの駆動は、マンホールや下水道管の径や肉厚、マンホールに接続された下水道管の偏心量や傾き等、マンホールや下水道管の各種データに基づいて制御装置により制御される耐震化工法であって、前記第2工程におけるミルによりクラック誘発溝を切削する際、下水道管の任意の基準点から下水道管の周方向に角θ旋回したときのクラック誘発溝からマンホール外周までの最短距離であり、かつrem1(θ)=R−√〔x (θ) +y (θ) 〕で表されるrem1
    (θ)が切削時にマンホールにクラックを生じさせたり、マンホール外周に穴があかないようにし、かつ地震時の揺れにより前記クラック誘発溝でクラックを確実に生じさせるのに必要な所定量cとなるように、作業溝の巾方向中央でのy(θ)座標が下記数4式を満たすクラック誘発溝を形成することを特徴とする耐震化工法。

    但し、y 1 (θ)=√〔(R−c) −{(r+a+w)cosθ+E}
    ここでR:マンホール外周の半径、r:下水道管外周の半径、a:下水道管とクラック誘発溝との間隔、W:作業溝の溝巾、w:クラック誘発溝の溝巾、E:下水道管の偏心量
  2. エンドミルよりなる第1の切削工具を用い、マンホール側壁に接続される下水道管の管端部に対し、前記エンドミルをマンホール側壁の内周面と同一面をなす下水道管管端面の三次元曲線に沿うように管軸方向に進退させながら周方向に旋回させ、深さが下水道管管端部の内側から該管端部を径方向に突き切ってマンホール側壁に一定量食い込む環状の作業溝を前記管端部の周りに形成する第1工程と、該第1工程後、クランクアームと直交して突出するクランクピンを軸状のミルとした形態をなす第2の切削工具を用い、該切削工具のミルを管軸方向に向け、前記作業溝の溝縁から径方向に押込んで管端部を突き切るまで切込みを入れ、管端部を突き切ると、方向転換して前記管端部に沿うように管軸方向に移動させながら周方向に旋回させ、これにより管端部の周りのマンホール側壁を切削して管端部の周りに環状のクラック誘発溝を形成する第2工程と、該前記第1及び第2工程により形成された作業溝とクラック誘発溝のうち、少なくともクラック誘発溝に弾力性のあるゴムや樹脂製のシール材を充填する第3工程とからなる耐震化工法において、前記第1の切削工具のエンドミルは前記管軸方向への進退がサーボモータを含む直線運動機構により行われ、前記エンドミルを進退させるためのサーボモータの駆動は、マンホールや下水道管の径や肉厚、マンホールに接続された下水道管の偏心量や傾き等、マンホールや下水道管の各種データに基づいて制御装置により制御される耐震化工法であって、 前記第1工程におけるエンドミルにより作業溝を切削する際、下水道管の任意の基準点から下水道管の周方向に角θ旋回したときの作業溝からマンホール外周までの最短距離であり、かつrem2(θ)=R−√〔x(θ)+y(θ)〕で表されるrem2(θ)が切削時にマンホールにクラックを生じさせたり、マンホール外周に穴があかないようにし、かつ地震時の揺れにより前記作業溝でクラックを確実に生じさせるのに必要な所定量cとなるように、作業溝の巾方向中央でのy(θ)座標が下記数7式を満たす作業溝を形成することを特徴とする耐震化工法。

    但し、y(θ)=√〔(R−c)−{(r+a+w+b)cosθ+E}
    ここでR:マンホール外周の半径、r:下水道管外周の半径、a:下水道管とクラック誘発溝との間隔、W:作業溝の溝巾、w:クラック誘発溝の溝巾、b:クラック誘発溝の外周から作業溝の溝底までの間隔、E:下水道管の偏心量
  3. エンドミルよりなる第1の切削工具を用い、マンホール側壁に接続される下水道管の管端部に対し、前記エンドミルをマンホール側壁の内周面と同一面をなす下水道管管端面の三次元曲線に沿うように管軸方向に進退させながら周方向に旋回させ、深さが下水道管管端部の内側から該管端部を径方向に突き切ってマンホール側壁に一定量食い込む環状の作業溝を前記管端部の周りに形成する第1工程と、該第1工程後、クランクアームと直交して突出するクランクピンを軸状のミルとした形態をなす第2の切削工具を用い、該切削工具のミルを管軸方向に向け、前記作業溝の溝縁から径方向に押込んで管端部を突き切るまで切込みを入れ、管端部を突き切ると、方向転換して前記管端部に沿うように管軸方向に移動させながら周方向に旋回させ、これにより管端部の周りのマンホール側壁を切削して管端部の周りに環状のクラック誘発溝を形成する第2工程と、該前記第1及び第2工程により形成された作業溝とクラック誘発溝のうち、少なくともクラック誘発溝に弾力性のあるゴムや樹脂製のシール材を充填する第3工程とからなる耐震化工法において、前記第1の切削工具のエンドミルは前記管軸方向への進退がサーボモータを含む直線運動機構により行われ、前記エンドミルを進退させるためのサーボモータの駆動は、マンホールや下水道管の径や肉厚、マンホールに接続された下水道管の偏心量や傾き等、マンホールや下水道管の各種データに基づいて制御装置により制御される耐震化工法であって、前記下水道管がマンホールに角α傾斜して取付けられており、作業溝が該溝の巾方向中央でのy(θ)座標が下記数9式を満たすように形成されることを特徴とする耐震化工法。

    但し、L={(T−c)/cosα}−(W/2+l+l
    δ=r・sinθ・tanα
    ここでT:マンホールの肉厚、l:クラック誘発溝の長さ、l=w/2tanα
  4. 前記下水道管内に下水道管と同軸をなして取外し可能に固定される環状の旋回用レールと、該旋回用レールに周方向に旋回可能に装着され、かつエンドミルを管軸のy軸方向に進退可能に支持するベースと、モータを駆動源として前記ベースを旋回用レールに沿って旋回させる旋回機構と、サーボモータを備え、前記ベースにy軸方向に進退可能に支持される前記エンドミルをy軸方向に進退させる直線運動機構と、前記エンドミル、前記旋回機構のモータ及び直線運動機構のサーボモータを制御する制御装置とからなり、該制御装置は切削のプログラム及び各種演算式を格納する記憶部と、マンホールや下水道管の各種データを入力する入力部と、前記旋回用レールを旋回するベースの旋回角度θを読取る読取手段と、前記記憶部に格納されたプログラムに基づいて前記エンドミルによる切削を行い、かつ前記入力部に入力されたデータにより前記記憶部に格納された演算式を演算し、この演算値に基づいて前記直線運動機構のサーボモータを制御する制御部とからなる請求項1記載の耐震化工法で用いられる装置であって、前記記憶部に格納される演算式が作業溝の巾方向中央でのy(θ)座標に関する下記数4式を有することを特徴とする請求項1記載の耐震化工法で用いられる装置。

    但し、y1(θ)=√〔(R−c)−{(r+a+w)cosθ+E}
    ここでR:マンホール外周の半径、r:下水道管外周の半径、a:下水道管とクラック誘発溝との間隔、W:作業溝の溝巾、w:クラック誘発溝の溝巾、E:下水道管の偏心量
  5. 前記記憶部に格納される演算式が作業溝の巾方向中央でのy(θ)座標に関する下記数7式を有することを特徴とする請求項記載の装置。

    ここでy(θ)=√〔(R−c)−{(r+a+w+b)×cosθ+E}
  6. 下水道管がマンホールに角α傾斜して取付けられ、前記記憶部に格納される演算式が作業溝の巾方向中央でのy(θ)座標に関する下記数9式を有することを特徴とする請求項5記載の装置。

    但し、L={(T−c)/cosα}−(W/2+l+l
    δ=r・sinθ・tanα
    ここでT:マンホールの肉厚、l:クラック誘発溝の長さ、l=(w/2)tanα
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