JP6154867B2 - 検査方法および検査システム - Google Patents

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本発明は、金属層の両面に絶縁層が積層されてなる積層フィルムの欠陥を検査する検査方法および検査システムに関する。
近年、環境保護運動の高まりを背景として、電気自動車(EV)およびハイブリッド電気自動車(HEV)の開発が進められている。これらのモータ駆動用電源として、繰り返し充放電可能なリチウムイオン二次電池が注目されている。リチウムイオン二次電池は、シート状の正極と負極とがセパレータを介して複数積層されてなる発電要素が、絶縁性の外装部材に収容されて形成される。絶縁性の外装部材は、金属層の両面に絶縁層が積層されてなる絶縁性の積層フィルムが貼り合わされて形成される。
これに関連する技術として、フィルム状の絶縁性部材の信頼性を向上させる見地から、下記の特許文献1に示すような検査装置が提案されている。特許文献1に開示されている検査装置は、検査対象である絶縁性部材を載置する第1電極と、絶縁性部材の上部に電解液を供給する電解液供給部と、絶縁性部材の表面に接触する第2電極とを有する。このような構成によれば、絶縁性部材に貫通孔が形成されている場合、第1電極と第2電極との間に電圧を印加すれば、電解液により第1電極と第2電極とが通電するため、絶縁性部材を貫通するピンホールや傷等の欠陥を検知することができる。
特開2006−275816号公報
しかしながら、上記の検査装置では、絶縁性部材の表面側および裏面側に第1および第2電極がそれぞれ配置される。このため、上記の検査装置では、金属層の両面に絶縁層が積層されてなる絶縁性の積層フィルムについて、ピンホールや傷等の欠陥を検知することができないという問題がある。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものである。したがって、本発明の目的は、金属層の両面に絶縁層が積層されてなる積層フィルムについて、欠陥を検査することができる検査方法および検査システムを提供することである。
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
本発明の検査方法は、金属層の両面に絶縁層が積層されてなる積層フィルムが貼り合わされて形成された外装部材に発電要素が収容されて構成される二次電池の前記積層フィルムの欠陥を検査する検査方法であって、前記金属層の外側に積層された前記絶縁層は、前記金属層を保護する第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層と前記金属層との間に形成された第2の絶縁層とを有し、前記検査方法は、電圧印加工程および検知工程を有する。前記電圧印加工程は、前記二次電池前記積層フィルムの前記第1の絶縁層の表面に、前記第2の絶縁層を構成する材料に浸透する導電性の液体を供給しつつ、当該液体が供給される前記第1の絶縁層の表面に接触する第1の電極と前記積層フィルムの端面から露出する前記金属層の端部に接触する第2の電極との間に電圧を印加する。前記検知工程は、前記電圧が印加される第1および第2の電極間の通電状態を検知する。
本発明の検査システムは、金属層の両面に絶縁層が積層されてなる積層フィルムが貼り合わされて形成された外装部材に発電要素が収容されて構成される二次電池の前記積層フィルムの欠陥を検査する検査システムであって、前記金属層の外側に積層された前記絶縁層は、前記金属層を保護する第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層と前記金属層との間に形成された第2の絶縁層とを有し、前記検査システムは、液体供給部、第1の電極、第2の電極、電圧印加部、検知部、および判断部を有する。前記液体供給部は、前記二次電池の前記積層フィルムの前記第1の絶縁層の表面に、前記第2の絶縁層を構成する材料に浸透する導電性の液体を供給する。前記第1の電極は、前記液体が供給される前記第1の絶縁層の表面に接触する。前記第2の電極は、前記積層フィルムの端面から露出する前記金属層の端部に接触する。前記電圧印加部は、前記第1および第2の電極間に電圧を印加する。前記検知部は、前記電圧が印加される第1および第2の電極間の通電状態を検知する。前記判断部は、前記液体が前記第2の絶縁層に浸透して前記金属層に到達することにより、前記検知部により前記第1および第2の電極間が絶縁状態から通電状態に変化することが検知される場合、前記第1の絶縁層を貫通して前記第2の絶縁層の一部にまで達している欠陥が前記積層フィルムに存在すると判断する。
本発明によれば、積層フィルムの表面と積層フィルムの端面から露出する金属層の端部との間の通電状態が検知されるため、二次電池を形成した状態において、積層フィルムの欠陥を検査することができる。
本発明の一実施形態にかかる検査システムにより検査される積層フィルムおよび積層フィルムの欠陥を説明するための図である。 本発明の一実施形態にかかる検査システムの概略構成を示す図である。 図2の部分拡大図である。 図2に示す検査システムにより実行される検査処理の手順を示すフローチャートである。 第1および第2プローブ間のチャタリングを説明するための図である。 電極液の浸透時間と欠陥の深さとの関係を示す図である。 変形例にかかる検査処理の手順を示すフローチャートである。 低い電圧が印加された場合の第1および第2プローブ間のインピーダンス波形を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。本実施形態では、本発明の検査システムおよび検査方法を用いて、リチウムイオン二次電池の積層フィルムに存在する欠陥の種類および深さを検査する場合を例にとって説明する。なお、図中、同様の部材には同一の符号を用いた。
図1は、本発明の一実施形態にかかる検査システムにより検査される積層フィルムおよび積層フィルムの欠陥を説明するための図である。図1に示すとおり、本実施形態の積層フィルム10は、金属層20と、金属層20の一方の面に形成されるシール層30と、金属層20の他方の面に形成される保護層40とを有する。
金属層20は、電解液やガスを遮断するものであり、アルミニウムにより形成される。シール層30は、2枚の積層フィルム10を相互に溶着するためのものであり、ポリプロピレン(PP)により形成される。
保護層40は、金属層20を保護する第1絶縁層41と、第1絶縁層41と金属層20との間に形成される第2絶縁層42とを有する。第1絶縁層41は、ポリエチレンテレフタレート(PET)により形成される。第2絶縁層42は、第1絶縁層41と金属層20との接合性を向上させるためのものであり、ナイロンにより形成される。なお、金属層20、シール層30、第1絶縁層41、および第2絶縁層42を構成する材料は、上記の材料に限定されるものではない。
このように構成される積層フィルム10には、ピンホールや傷等の欠陥50a,50b,50cが形成され得る。これらの欠陥50a,50b,50cは、その深さに応じて、3種類に分類される。
ここで、第1の欠陥は、第1絶縁層41を貫通していない欠陥50aであり(図1(A)参照)、第2の欠陥は、第1絶縁層41を貫通して第2絶縁層42の一部にまで達している欠陥50bである(図1(B)参照)。第3の欠陥は、第1および第2絶縁層41,42を貫通して金属層20に達している欠陥50cである(図1(C)参照)。
積層フィルム10が貼り合わされて形成される外装部材に、シート状の正極と負極とがセパレータを介して複数積層されてなる発電要素を収容することにより、リチウムイオン二次電池200(図2参照)が形成される。本実施形態では、リチウムイオン二次電池200表面の積層フィルム10の欠陥が検査される。以下、上記の積層フィルム10の欠陥を検査する検査システムについて説明する。
図2は、本発明の一実施形態にかかる検査システムの概略構成を示す図であり、図3は、図2の部分拡大図である。図2および図3に示すとおり、本実施形態の検査システム100は、第1および第2プローブ110,120、電圧印加装置130、および演算装置140を備える。
第1プローブ110は、導電性の液体を供給しつつ、積層フィルム10の表面に接触するものである。第1プローブ110は、タンク部111、電極固定部112、および多孔質ゴム部113を有する。タンク部111は、エタノールを主成分とする導電性の液体(以下、電極液と称する)を収容する。電極固定部112は、フェライトにより形成され、内部に銅線(不図示)を保持している。また、電極固定部112は、タンク部111からの電極液の揮発や垂れ流しを防止する。多孔質ゴム部113は、多孔質のゴム材により形成され、電極液を保持する。多孔質ゴム部113は、積層フィルム10の表面に押し当てられ(図3(A)参照)、積層フィルム10の表面に電極液を供給する。
第2プローブ120は、積層フィルム10の端面10eから露出する金属層20の端面20e(図3(B)参照)に接触するものである。第2プローブ120は、V字状の溝部を有する導電性ゴム材により形成され、リチウムイオン二次電池200の端部を挟持して、積層フィルム10の端面10eから露出する金属層20の端面20eに接触する。
電圧印加装置130は、第1プローブ110と第2プローブ120との間に一定の電圧を印加する。電圧印加装置130のプラス側には第1プローブ110が接続されており、電圧印加装置130のマイナス側には第2プローブ120が接続されている。また、電圧印加装置130は、インピーダンス測定機としての機能を有し、第1および第2プローブ110,120間のインピーダンス値を測定することができる。
演算装置140は、積層フィルム10に存在する欠陥を検知する。演算装置140は、第1および第2プローブ110,120間のインピーダンス値から、積層フィルム10に存在する欠陥の種類を特定する。また、演算装置140は、リチウムイオン二次電池200の表面に第1プローブ110が接触してから、第1および第2プローブ110,120間のインピーダンス値にチャタリングが発生するまでの時間(以下、チャタリング開始時間と称する)を検出する。演算装置140には、欠陥の深さとチャタリング開始時間との関係を示す欠陥深さ−チャタリング開始時間変換テーブルが格納されており、チャタリング開始時間から欠陥の深さを算出することができる。
以上のとおり構成される検査システム100では、第1および第2プローブ110,120間の通電状態を検知することにより、積層フィルム10の欠陥の種類および深さが検査される。以下、図4〜図6を参照しつつ、本実施形態における検査システム100において、リチウムイオン二次電池200表面の欠陥を検査する方法について説明する。
図4は、検査システムにより実行される検査処理の手順を示すフローチャートである。図4に示す検査処理に先立って、リチウムイオン二次電池の外観検査がカメラを用いて行われ、欠陥が観察されるリチウムイオン二次電池と欠陥が観察されないリチウムイオン二次電池とが仕分けされる。本実施形態の検査処理では、欠陥が観察されたリチウムイオン二次電池について、当該欠陥の種類および深さが検査される。
まず、第2プローブ120がリチウムイオン二次電池200の端部に接触される(ステップS101)。本実施形態では、V字状の溝部を有する導電性ゴム材よりなる第2プローブ120が、リチウムイオン二次電池200の端部を挟持する。第2プローブ120がリチウムイオン二次電池200の端部を挟持することにより、積層フィルム10の端面10eから露出する金属層20の端面20eと第2プローブ120とが接触する。
続いて、第1プローブ110がリチウムイオン二次電池200の表面に接触される(ステップS102)。本実施形態では、第1プローブ110の多孔質ゴム部113が、積層フィルム10の欠陥を含む領域に押し当てられる。多孔質ゴム部113は、電極液を保持しているため、多孔質ゴム部113が積層フィルム10に押し当てられることにより、多孔質ゴム部113から電極液が染み出して積層フィルム10の表面に供給される。第1プローブ110がリチウムイオン二次電池200の表面に接触されるとともに、電圧印加装置130により第1および第2のプローブ110,120間に一定の電圧が印加される。
続いて、第1および第2プローブ110,120間のインピーダンス値が所定値以下であるか否かが判断される(ステップS103)。本実施形態では、一定の電圧が印加されている第1および第2プローブ110,120間のインピーダンス値が測定され、インピーダンス値が所定値(判定レベル)以下であるか否かが判断される。ここで、所定値は、第1および第2プローブ110,120間の通電状態/絶縁状態を判定するための値であり、たとえば、50Ωである。
第1および第2プローブ110,120間のインピーダンス値が所定値以下でないと判断される場合(ステップS103:NO)、第1および第2プローブ110,120間が絶縁状態にあるとして、ステップS105の処理に移行する。
一方、第1および第2プローブ110,120間のインピーダンス値が所定値以下であると判断される場合(ステップS103:YES)、不良品の判断がなされ(ステップS104)、処理が終了される。本実施形態では、第1および第2プローブ110,120間が通電状態にあり、第1および第2絶縁層41,42を貫通して金属層20に達している欠陥50c(図1(C)参照)が積層フィルム10に存在すると判断される。金属層20まで達している欠陥50cが存在するリチウムイオン二次電池200は、不良品と判断される。
以上のとおり、図4のステップS101〜S104に示す処理によれば、第1および第2プローブ110,120間の通電状態が検知される。第1および第2プローブ110,120間の通電状態が検知されることにより、第1および第2絶縁層41,42を貫通して金属層20に達している欠陥50cが積層フィルム10に存在することが検知される。
一方、ステップS103に示す処理において、第1および第2プローブ110,120間のインピーダンス値が所定値以下でないと判断される場合(ステップS103:NO)、チャタリングが発生したか否かが判断される(ステップS105)。本実施形態では、第1および第2プローブ110,120間のインピーダンス値が大きく変動するチャタリングが発生したか否かが判断される。
図5は、第1および第2プローブ間のチャタリングを説明するための図である。図5(A)は、チャタリングが発生していないインピーダンス波形を示す図であり、図5(B)は、チャタリングが発生しているインピーダンス波形を示す図である。図5(A)および図5(B)の縦軸はインピーダンス値であり、横軸は時間である。チャタリングは、第1絶縁層41を貫通して第2絶縁層42の一部にまで達している欠陥50b(図1(B)参照)が積層フィルム10に存在する場合に発生する。エタノールを主成分とする電極液は、ナイロンよりなる第2絶縁層42に浸透するため、電極液が第2絶縁層42に浸透して金属層20に到達すれば、第1および第2プローブ110,120間が絶縁状態から通電状態に変化する。第1および第2プローブ110,120間が絶縁状態から通電状態に変化するとき、チャタリングが発生する。電極液は時間をかけて第2絶縁層42に浸透し、一定時間(たとえば、数分)経過すれば、第1および第2プローブ110,120間のインピーダンス値はほぼゼロとなる。チャタリングは、金属層20と第2絶縁層42との間の剥離状態に起因している。
ステップS105に示す処理において、チャタリングが発生していないと判断される場合(ステップS105:NO)、ステップS109の処理に移行する。
一方、チャタリングが発生したと判断される場合(ステップS105:YES)、チャタリング発生時間が検出される(ステップS106)。本実施形態では、第2絶縁層42の一部にまで達している欠陥50bの深さを算出するために、リチウムイオン二次電池200の表面に第1プローブ110が接触してからチャタリングが発生するまでの時間(チャタリング開始時間)が検出される。
続いて、欠陥50bの深さが算出される(ステップS107)。本実施形態では、ステップS106に示す処理で検出されたチャタリング開始時間から、第2絶縁層42の一部にまで達している欠陥50bの深さが算出される。
図6は、電極液の浸透時間と欠陥の深さとの関係を示す図である。図6の縦軸は欠陥の深さであり、横軸は電極液の浸透時間である。図6に示すとおり、第2絶縁層42の一部にまで達している欠陥50bの深さと、電極液の第2絶縁層42への浸透時間とは、欠陥50bの深さが深いほど浸透時間が短くなる関係を有する。したがって、欠陥の深さとチャタリング開始時間との関係を示す欠陥深さ−チャタリング開始時間変換テーブルを予め作成しておくことにより、ステップS106に示す処理で検出されたチャタリング開始時間から、欠陥50bの深さを算出することができる。
続いて、リペアが指示され(ステップS108)、処理が終了される。本実施形態では、第2絶縁層42の一部にまで達している欠陥50bが積層フィルム10に存在するとして、リペアが指示される。なお、第2絶縁層42の一部にまで達している欠陥50bが積層フィルム10に存在する場合、十分な水分遮断特性が得られない。
以上のとおり、図4のステップS105〜ステップS108に示す処理によれば、電極液が第2絶縁層42を透過して金属層20に到達することにより、第1および第2プローブ110,120間が絶縁状態から通電状態に変化することが検知される。第1および第2プローブ110,120間が絶縁状態から通電状態に変化することが検知されることにより、第2絶縁層42の一部にまで達している欠陥50bが積層フィルム10に存在することが検知される。加えて、チャタリング開始時間が検出されることにより、欠陥50bの深さが算出される。
一方、ステップS105に示す処理において、チャタリングが発生していないと判断される場合(ステップS105:NO)、所定時間経過したか否かが判断される(ステップS109)。ここで、所定時間は、第1および第2プローブ110,120間にチャタリングが発生しないことを確認するのに十分な時間であり、たとえば、5分である。
所定時間経過していないと判断される場合(ステップS109:NO)、ステップS105の処理に戻る。
一方、所定時間経過したと判断される場合(ステップS109:YES)、リペアが指示され(ステップS110)、処理が終了される。本実施形態では、第1および第2プローブ110,120間が絶縁状態に維持されており(図5(A)参照)、第1絶縁層41を貫通していない欠陥50a(図1(A)参照)が積層フィルム10に存在するとして、リペアが指示される。
以上のとおり、図4のステップS109およびS110に示す処理によれば、第1および第2プローブ110,120間の通電状態が検知されないことにより、第1絶縁層41を貫通していない欠陥50aが積層フィルム10に存在することが検知される。
そして、本実施形態の検査システムおよび検査方法によれば、積層フィルム10の表面と積層フィルム10の端面10eから露出する金属層20の端面20eとの間の通電状態を検知することにより、積層フィルム10の欠陥が検査される。具体的には、第1および第2絶縁層41,42を貫通して金属層20に達している欠陥50c、第1絶縁層41を貫通して第2絶縁層42の一部にまで達している欠陥50b、ならびに第1絶縁層41を貫通していない欠陥50aが検査される。
(変形例)
上述した実施形態では、第1および第2プローブ110,120間のチャタチングを利用することにより、第1絶縁層41を貫通して第2絶縁層42の一部にまで達している欠陥50bの深さが算出された。しかしながら、欠陥50bの深さを算出する処理は省略されてもよい。
図7は、変形例にかかる検査処理の手順を示すフローチャートである。変形例にかかる検査処理では、上述した実施形態における印加電圧(たとえば、50V)よりも低い印加電圧(たとえば、25V)が第1および第2プローブ110,120間に印加される。低い電圧が印加されることにより、突入電流が小さくなり、第1および第2プローブ110,120間にチャタリングが発生しなくなる。
ステップS201〜S204に示す処理は、図4のステップS101〜S104に示す処理と同様であるため、説明は省略する。図7のステップS201〜S204に示す処理によれば、第1および第2絶縁層41,42を貫通して金属層20に達している欠陥50c(図1(C)参照)が積層フィルム10に存在することが検知される。
一方、ステップS203に示す処理において、インピーダンス値が所定値以下でないと判断される場合(ステップS203:NO)、リペアが指示され(ステップS205)、処理が終了される。本変形例では、第1絶縁層41を貫通して第2絶縁層42の一部にまで達している欠陥50b(図1(B)参照)、または、第1絶縁層41を貫通していない欠陥50a(図1(A)参照)が積層フィルム10に存在するとして、リペアが指示される。
図8は、低い電圧が印加された場合の第1および第2プローブ間のインピーダンス波形を示す図である。第2絶縁層42の一部にまで達している欠陥50bが積層フィルム10に存在する場合、第1および第2プローブ110,120間に電圧が印加されれば、第1および第2プローブ110,120間が絶縁状態から通電状態に変化する(図8(B)参照)。本変形例では、第1および第2プローブ110,120間に低い電圧を印加することにより、第1および第2プローブ110,120間が絶縁状態から通電状態に変化するとき、チャタリングの発生が防止される。なお、第1絶縁層41を貫通していない欠陥50aが積層フィルム10に存在する場合には、第1および第2プローブ110,120間は、絶縁状態に維持される(図8(A)参照)。
このような構成によれば、チャタリングが発生せず、安定したインピーダンス波形が得られるため、不良品またはリペアの判断を短時間(たとえば、1秒以内)で精度よく行うことができる。
以上のとおり、説明した本実施形態は、以下の効果を奏する。
(a)本実施形態の検査システムおよび検査方法では、積層フィルムの表面と積層フィルムの端面から露出する金属層の端面との間の通電状態が検知されるため、積層フィルムの欠陥を検査することができる。
(b)第1および第2プローブ間の通電状態が検知される場合、第1および第2絶縁層を貫通して金属層に達している欠陥が存在すると判断される。したがって、積層フィルムを貫通することなく金属層に達している欠陥を検査することができる。
(c)電極液が第2絶縁層に浸透して金属層に到達することにより、第1および第2プローブ間が絶縁状態から通電状態に変化することが検知される場合、第1絶縁層を貫通して第2絶縁層の一部にまで達している欠陥が存在すると判断される。したがって、金属層に達していない欠陥を検査することができる。
(d)積層フィルムの表面に電極液の供給を開始してからチャタリングが発生するまでの時間を検出することにより、欠陥の深さが算出される。したがって、積層フィルムを破壊することなく、第1絶縁層を貫通して第2絶縁層の一部にまで達している欠陥の深さを算出することができる。
(e)第1および第2プローブ間にチャタリングの発生を防止するように電圧が印加される。したがって、第1および第2絶縁層を貫通して金属層に達している欠陥と、金属層に達していない欠陥とを短時間で精度よく検査することができる。その結果、リチウムイオン二次電池の組み立て工程におけるインライン検査に適用することが可能になる。
(f)第1プローブは、電極液を保持する多孔質ゴム部を含むため、第1プローブの多孔質ゴム部を積層フィルムの表面に押し当てることにより、積層フィルムに電極液を供給することができる。
(g)第2プローブは、積層フィルムの端部を挟持するV字状の溝部を有する導電性の弾性部材であるため、積層フィルムの端部を傷つけることなく、積層フィルムの端面から露出する金属層の端面に接触することができる。
以上のとおり、説明した一実施形態において、本発明の検査システムおよび検査方法を説明した。しかしながら、本発明は、その技術思想の範囲内において当業者が適宜に追加、変形、および省略することができることはいうまでもない。
たとえば、上述した実施形態では、カメラを用いた外観検査により欠陥が予め確認された積層フィルムに対して、本発明の検査システムにより欠陥の種類および深さの検査が行われた。しかしながら、カメラによる外観検査を行うことなく、本発明の検査システムにより、欠陥の有無を直接検査してもよい。
また、上述した実施形態では、第1および第2プローブ間のインピーダンス値が測定されることにより、第1および第2プローブ間の通電状態が検知された。しかしながら、第1および第2プローブ間の電流値が測定されることにより、第1および第2プローブ間の通電状態が検知されてもよい。
また、上述した実施形態では、積層フィルムの端部の端面から露出する金属層の端部の端面に第2プローブが接触された。しかしながら、積層フィルムの端部の第1および第2絶縁層を除去して積層フィルムの端部から金属層の端部を露出させ、金属層の端部に第2プローブが接触されてもよい。
また、上述した実施形態では、第1プローブは、タンク部および多孔質ゴム部を有し、積層フィルムの表面に電極液を供給した。しかしながら、第1プローブとは別に液体供給装置を設け、液体供給装置から積層フィルムの表面に電極液を供給してもよい。
また、上述した実施形態では、第2プローブは、V字状の溝部を有する導電性ゴム材により形成された。しかしながら、第2プローブは、金属製プローブであってもよい。
また、上述した実施形態では、導電性の液体として、エタノールが利用された。しかしながら、導電性の液体はエタノールに限定されるものではなく、導電性を有する種々の液体が利用され得る。
10 積層フィルム、
20 金属層、
30 シール層(絶縁層)、
40 保護層(絶縁層)、
41 第1絶縁層(第1の絶縁層)、
42 第2絶縁層(第2の絶縁層)、
50a,50b,50c 欠陥、
100 検査システム、
110 第1プローブ(第1の電極、液体供給部)、
111 タンク部、
112 電極固定部、
113 多孔質ゴム部(多孔質部材)、
120 第2プローブ(第2の電極)、
130 電圧印加装置(電圧印加部、検知部)、
140 演算装置(判断部)。

Claims (7)

  1. 金属層の両面に絶縁層が積層されてなる積層フィルムが貼り合わされて形成された外装部材に発電要素が収容されて構成される二次電池の前記積層フィルムの欠陥を検査する検査方法であって、
    前記金属層の外側に積層された前記絶縁層は、前記金属層を保護する第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層と前記金属層との間に形成された第2の絶縁層とを有し、
    前記検査方法は、
    前記二次電池の前記積層フィルムの前記第1の絶縁層の表面に、前記第2の絶縁層を構成する材料に浸透する導電性の液体を供給しつつ、当該液体が供給される前記第1の絶縁層の表面に接触する第1の電極と前記積層フィルムの端面から露出する前記金属層の端部に接触する第2の電極との間に電圧を印加する電圧印加工程と、
    前記電圧が印加される第1および第2の電極間の通電状態を検知する検知工程と、
    を有することを特徴とする検査方法。
  2. 前記液体が前記第2の絶縁層に浸透して前記金属層に到達することにより、前記検知工程において前記第1および第2の電極間が絶縁状態から通電状態に変化することが検知される場合、前記第1の絶縁層を貫通して前記第2の絶縁層の一部にまで達している欠陥が前記積層フィルムに存在すると判断されることを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
  3. 前記第1の電極は、前記液体を保持する多孔質部材を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の検査方法。
  4. 前記第2の電極は、前記積層フィルムの端部を挟持するV字状の溝部を有する導電性の弾性部材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の検査方法。
  5. 金属層の両面に絶縁層が積層されてなる積層フィルムが貼り合わされて形成された外装部材に発電要素が収容されて構成される二次電池の前記積層フィルムの欠陥を検査する検査システムであって、
    前記金属層の外側に積層された前記絶縁層は、前記金属層を保護する第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層と前記金属層との間に形成された第2の絶縁層とを有し、
    前記検査システムは、
    前記二次電池の前記積層フィルムの前記第1の絶縁層の表面に、前記第2の絶縁層を構成する材料に浸透する導電性の液体を供給する液体供給部と、
    前記液体が供給される前記第1の絶縁層の表面に接触する第1の電極と、
    前記積層フィルムの端面から露出する前記金属層の端部に接触する第2の電極と、
    前記第1および第2の電極間に電圧を印加する電圧印加部と、
    前記電圧が印加される第1および第2の電極間の通電状態を検知する検知部と、
    前記液体が前記第2の絶縁層に浸透して前記金属層に到達することにより、前記検知部により前記第1および第2の電極間が絶縁状態から通電状態に変化することが検知される場合、前記第1の絶縁層を貫通して前記第2の絶縁層の一部にまで達している欠陥が前記積層フィルムに存在すると判断する判断部と、
    を有することを特徴とする検査システム。
  6. 前記第1の電極は、前記液体を保持する多孔質部材を含むことを特徴とする請求項5に記載の検査システム。
  7. 前記第2の電極は、前記積層フィルムの端部を挟持するV字状の溝部を有する導電性の弾性部材であることを特徴とする請求項5または6に記載の検査システム。
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