JP6154580B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子、及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、並びに電子機器 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子、及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、並びに電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子、及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、並びに有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた電子機器に関する。
陽極と陰極との間に発光層を含む有機薄膜層を備え、陽極から発光層に注入された正孔と陰極から発光層に注入された電子とが有機薄膜層で再結合し、その再結合によって生じる励起子(エキシトン)エネルギーによって発光を得る有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という場合がある。)が知られている。
有機EL素子においては、自発光型素子としての利点を活かし、発光効率、画質、消費電力、さらには薄型のデザイン性に優れた発光素子として期待されている。
有機EL素子の光学設計において、発光効率を向上させるために、光学干渉距離の調整が行われている。正孔輸送層などの有機層の膜厚を調整することで、実効的な発光効率の向上や発光スペクトルの変調が可能であり、素子設計において不可欠な手法となっている。
しかしながら、光学干渉距離の調整だけでは素子内部に閉じ込められた光を取り出すことはできない。そこで、素子内部に閉じ込められた光を効率良く取り出すための構造が提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
特許文献1には、特定の形状の五面体構造の光学素子がマトリックス状に配置された光学シートを、基板の光出射面に設けた有機EL素子が記載されている。
特許文献2には、断面三角形の複数本のストライプ状の周期構造単位を有する拡散板を、基板に接着した有機EL光源装置が記載されている。特許文献2の有機EL光源装置では、この拡散板の他、拡散板と同様の形状の反射板が封止基板側に設けられている。
また、従来、図15に示すような光取り出し構造も提案されている。図15は、有機EL素子100の透光性基板130における面状の発光領域110に対応させて、半球レンズ120を取り付けた構造を示す断面図である。なお、図15においては、電極や発光層は省略する。
特開2007−5277号公報 特開2009−266429号公報
特許文献1に記載された光学シートや、特許文献2に記載された拡散板によれば、有機EL素子内部に閉じ込められた光を素子外部へと取り出すことが可能になるものの、有機EL素子を照明装置や表示装置等の電子機器の光源に採用するにあたっては、更なる光取り出し効率の向上と、均一な光取り出しが必要である。
また、図15に示すような光取り出し構造としての半球レンズ120の場合、発光領域110からの光は、様々な角度の方向に向けて放射される。外部に出射される光の強度は、半球レンズ120の中心から離れた位置の方が、半球レンズ120の中心、またはその近傍に対応する位置と比べて、弱くなる。これは、半球レンズ120の中心から離れた位置で入射した放射光は、半球レンズ120内部で反射して効率的に外部へと出射しないためと考えられる。ここで、図16は、上述の図15に示す構造を稠密構造で配列した状態を、透光性基板130面の法線方向で見た時の平面図である。図16においては、半球レンズ120から出射された光の強度を色の濃淡で表現しており、半球レンズ120の中心、すなわち、円の中心部から外周に向かうに従って徐々に色が薄くなっている。図16に示すように、半球レンズ120の中心から離れるほど強度が弱くなっており、複数の半球レンズ120を稠密構造で配列したとしても、均一な光取り出しが難しい。
本発明の目的は、光取り出し効率を向上させること、および素子外部へ取り出す光の均一性を向上させることのできる有機EL素子を提供すること、およびその有機EL素子の製造方法を提供すること、並びに、当該有機EL素子を備えた電子機器を提供することである。
本発明の一実施形態の有機EL素子は、
第一電極と、
前記第一電極と対向して設けられる第二電極と、
前記第一電極と前記第二電極との間に設けられ、発光層を有する有機化合物層と、
前記第二電極の前記第一電極と対向する面とは反対側に設けられる透光性基板と、
前記透光性基板の前記第二電極と対向する面、及び前記透光性基板の前記第二電極と対向する面とは反対側の面の少なくともいずれかに隣接して設けられる光取出層と、を備え、
前記光取出層は、前記発光層から放射される放射光の光取り出し方向に突出する複数の凸部を有し、
前記凸部は、前記透光性基板の厚さ方向の少なくとも一つの断面が左右非対称に形成され、かつ前記透光性基板面の法線方向に対してn回対称ではなく(ただしnは2以上の整数である)、
一つ又は複数の前記凸部で構成される凸部ユニットが複数形成され、
前記複数の凸部ユニットは、前記透光性基板面の法線方向に対して回転対称に配置されていることを特徴とする。
本発明の一実施形態の有機EL素子では、発光層から放射された放射光は、透光性基板を通じて有機EL素子外部へと放射される。その際、当該放射光は、特定形状の複数の凸部を有し、特定配列パターンで凸部ユニットが形成された光取出層に入射される。凸部は、少なくとも一つの断面で左右非対称の形状であり、透光性基板面の法線方向に対して1回対称に形成されている(回転対称性が無い)。そのため、半球レンズのように回転対称性のある構造と比べて、発光面に対して法線方向から臨界角に至る放射角の放射光と、臨界角以上の角度に放射される放射光とを、少ない反射損失で素子外部へ取り出すことができる。さらに、凸部ユニットが透光性基板面の法線方向に対して回転対称に配置されているので、指向性の少ない光取り出しができる。
よって、本発明の一実施形態によれば、光取り出し効率を向上させること、および素子外部へ取り出す光の均一性を向上させることのできる有機EL素子を提供することが出来る。
なお、左右非対称とは、断面視で、凸部の底辺の二等分線によって区分される凸部の右側部分と左側部分との形状が非対称であることをいい、凸部をある断面で切り出したときに左右非対称に形成されていればよく、すべての断面において、左右非対称に形成されていなくてもよい。
また、凸部が1回対称に形成されているとは、透光性基板面の法線方向に回転軸を取り、平面内で360度回転させたときに、凸部の形状が回転前の形状と重なるような回転軸が存在する形状のことをいう。
また、凸部ユニットが回転対称に配置されるとは、凸部ユニットを区画する領域内のある点を透光性基板面の法線方向に通過する軸を回転中心軸として平面内で回転させ、360度/n回転させると元の凸部ユニットの形状に重なることをいい、nは2以上の整数である。
また、本発明の一実施形態の有機EL素子では、前記凸部は、湾曲面を少なくとも一部に有することが好ましい。
本発明の一実施形態の有機EL素子では、光取出層の凸部は、湾曲面を少なくとも一部に有している。そのため、発光層からの放射光のうち、発光面に対して法線方向から臨界角に至る放射角の放射光を、より少ない反射損失で素子外部へと取り出すことができる。
よって、本発明の一実施形態の有機EL素子によれば、光取り出し効率をさらに向上させることができる。
また、本発明の一実施形態の有機EL素子では、前記凸部は、起立部を有し、前記透光性基板面の法線方向と、前記起立部との成す角度が、0度以上45度以下であることが好ましい。透光性基板内部に閉じ込められた光の放射角と、前記起立部面の法線の成す角が、ブリュスター角の近傍となり、基板内部に閉じ込められた光がP−偏光成分を多量に含む事と相まって、少ない反射損失で光を取り出すことが可能となる。
本発明の一実施形態の有機EL素子では、光取出層の凸部は、上述の湾曲面に加え、所定角度で起立する起立部を有する。そのため、発光層からの放射光のうち、臨界角以上の角度に放射される放射光を、少ない反射損失で素子外部へ取り出すことができる。
よって、本発明の一実施形態の有機EL素子によれば、光取り出し効率をさらに向上させることができる。
本発明の一実施形態の有機EL素子の製造方法は、
金型転写により複数の凸部を樹脂フィルムに形成する工程と、
前記複数の凸部が形成された樹脂フィルムを、前記凸部の突出方向が外側を向くように透光性基板の一方の面に貼り付ける工程と、
前記透光性基板の前記樹脂フィルムが貼り付けられる面とは反対側の面に、第二電極、少なくとも発光層を有する有機化合物層、および第一電極をこの順序で積層する工程と、を備え、
前記樹脂フィルムに形成された凸部は、前記透光性基板の厚さ方向の少なくとも一つの断面が左右非対称に形成され、かつ前記透光性基板面の法線方向に対してn回対称ではなく(ただしnは2以上の整数である)
一つ又は複数の前記凸部で構成される凸部ユニットが複数形成され、
前記複数の凸部ユニットは、前記透光性基板面の法線方向に対して回転対称に配置されていることを特徴とする。
この有機EL素子の製造方法によれば、光取出層が透光性基板の光取り出し面側に設けられた形態の上述の本発明の一実施形態の有機EL素子を製造できる。
また、本発明の一実施形態の有機EL素子の製造方法は、
金型転写により複数の凹部を樹脂フィルムに形成する工程と、
前記複数の凹部が形成された樹脂フィルムを、前記凹部の開口部が外側を向くように透光性基板の一方の面に貼り付ける工程と、
前記凹部に前記樹脂フィルムよりも高い屈折率を有する高屈折率材料を充填して高屈折率層を形成する工程と、
前記高屈折率層を平坦化する工程と、
平坦化された前記高屈折率層の面に、第二電極、少なくとも発光層を有する有機化合物層、および第一電極をこの順序で積層する工程と、を備え、
前記高屈折率材料が前記樹脂フィルムの凹部に充填されることで形成される凸部は、前記透光性基板の厚さ方向の少なくとも一つの断面が左右非対称に形成され、かつ前記透光性基板面の法線方向に対してn回対称ではなく(ただしnは2以上の整数である)
一つ又は複数の前記凸部で構成される凸部ユニットが複数形成され、
前記複数の凸部ユニットは、前記透光性基板面の法線方向に対して回転対称に配置されていることを特徴とする。
この有機EL素子の製造方法によれば、光取出層が透光性基板と第二電極との間に設けられた形態の上述の本発明の一実施形態の有機EL素子を製造できる。
本発明の一実施形態の電子機器は、上述の本発明の有機EL素子を用いる。
この本発明の一実施形態の電子機器によれば、用いる有機EL素子の光取り出し効率および素子外部へ取り出す光の均一性が向上するので、良好な光源を備えた電子機器を得ることができる。
第一実施形態に係る有機EL素子の基板厚さ方向の断面概略図である。 (A)は、光取出層の一例についての、基板の厚さ方向の一部拡大断面図であり、(B),(C)は、光取出層が有する凸部の一例の斜視図であり、(D)は、(A)とは異なる形状の光取出層についての部拡大断面図である。 (A)は、凸部の一例の平面図であり、(B)は、凸部ユニットの一例の平面図であり、(C)は、凸部グループの一例の平面図である。 図3(B)の凸部ユニットを複数個、配置したパターンを示す平面図である。 図3(C)の凸部グループを2つ配置して凸部ユニットを構成したパターンを示す平面図である。 第二実施形態に係る有機EL素子の基板厚さ方向の断面概略図である。 第二実施形態に係る光取出層についての、基板の厚さ方向の一部拡大断面図である。 第三実施形態に係る有機EL素子の基板厚さ方向の断面概略図である。 実施例で用いた光取出層の形状を示す平面図である。 (A)は、比較例で用いた光取出層の形状を示す平面図であり、(B)は、(A)において示した矢印方向で見た場合の断面図である。 有機EL素子から放射される光の配光分布の評価方法を説明する概略図である。 実施例および比較例に係る有機EL素子から放射される光の配光分布図である。 実施例に係る有機EL素子から放射される光の配光分布を透光性基板面法線方向から見た図である。 参考例に係る有機EL素子から放射される光の配光分布図である。 従来の光取り出し構造を示す断面図である。 図15に示す従来の光取り出し構造を稠密構造で配列した状態を示す平面図である。
<第一実施形態>
以下、本発明の第一の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔有機エレクトロルミネッセンス素子〕
図1は、第一実施形態に係る有機EL素子1の基板厚さ方向の断面概略図である。
有機EL素子1は、第一電極10と、有機化合物層20と、第二電極30と、透光性基板40と、光取出層50と、を第一電極10側からこの順に積層されて構成される。
(透光性基板)
透光性基板40は、第一電極10と、有機化合物層20と、第二電極30と、光取出層50と、を支持するための平滑な板状の部材である。有機EL素子1は、有機化合物層20から放射された放射光の光取出し方向が、透光性基板40側となる、いわゆるボトムエミッション型の素子である。そのため、透光性基板40は、透光性の部材が用いられ、400nmから700nmまでの可視領域の光の透過率が50%以上であることが好ましい。具体的には、ガラス板、ポリマー板等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等が挙げられる。またポリマー板としては、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリエーテルサルファイド系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、トリアジン系樹脂等を原料として用いてなるものを挙げることができる。透光性基板40としては、板状に限定されず、フィルム状であっても良い。
透光性基板40の屈折率nは、透光性基板材料と透明電極材料の屈折率を考慮し、1.3以上2.5以下とするのが好ましい。
(第一電極)
第一電極10は、有機化合物層20に隣接して設けられ、電極用材料が用いられる。
第一電極10は、ボトムエミッション型の素子においては、光を反射させる材料で構成されることが好ましく、例えば、Al、Cu、Ag、Au等の金属や合金等で構成される。
第一電極10は、一層で構成してもよいし、複数層で構成してもよい。光を反射させる材料で構成される層同士を積層させてもよいし、透明な導電性部材で構成される層と光を反射させる材料で構成される層とを積層させてもよい。
(第二電極)
第二電極30は、有機化合物層20と透光性基板40との間に隣接して設けられ、また、有機化合物層20を挟んで第一電極10と対向して設けられている。上述のとおり本実施形態では、有機化合物層20から放射された放射光を透光性基板40側から素子外部へ取り出すため、第二電極30を透明電極とする。この場合、第二電極30の可視領域の光の透過率を10%より大きくすることが好ましい。また、第二電極30のシート抵抗は、数百Ω/□(オーム/スクエア)以下が好ましい。第二電極30の厚さ寸法は、材料にもよるが、通常10nm以上1μm以下、好ましくは10nm以上200nm以下の範囲で選択される。
本実施形態では、第二電極30が陽極となり、第一電極10が陰極となる。なお、第二電極30を陰極とし、第一電極10を陽極としてもよい。
第二電極30には、電極用材料が用いられ、例えば、ITO(インジウム錫酸化物)や、IZO(酸化インジウム亜鉛。ただし、「IZO」は、登録商標である。)、ZnO(酸化亜鉛)等の透明電極材料が用いられる。第二電極30の屈折率nは、1.7以上2.2以下とするのが好ましい。
(有機化合物層)
有機化合物層20は、第一電極10と第二電極30との間に設けられる。有機化合物層20は、一層又は複数層で構成される。有機化合物層20のうち少なくとも1層は、発光層である。そのため、有機化合物層20は、例えば、一層の発光層で構成されていてもよいし、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、正孔障壁層、電子障壁層等の有機EL素子で採用される層を有していてもよい。また、有機化合物層20は、無機化合物を含んでいてもよい。本実施形態では、有機化合物層20は、面状の発光領域を構成する。
発光層にはAlq(tris(8-hydroxyquinolinato)aluminium)等の発光材料が用いられ、赤色、緑色、青色、黄色等の単色光を示す構成のものや、それらの組み合わせによる発光色、例えば、白色発光を示す構成のもの等が用いられる。また、発光層を形成するにあたっては、ホスト材料に、ドーパント材料として発光材料をドーピングするドーピング法が知られている。ドーピング法で形成した発光層では、ホスト材料に注入された電荷から効率よく励起子を生成することができる。そして、生成された励起子の励起子エネルギーをドーパント材料に移動させ、ドーパント材料から高効率の発光を得ることができる。また、本発明の一実施形態では、発光層を、一重項励起子による発光を利用する蛍光型発光層、または三重項励起子による発光を利用する燐光型発光層とすることができる。
有機EL素子1の有機化合物層20において、上述の例示した化合物以外に有機EL素子において使用される材料の中から任意の化合物を選択して用いることができる。
(光取出層)
光取出層50は、有機化合物層20の発光層から放射された放射光を効率的に有機EL素子1の外部へ取り出すために、透光性基板40に取り付けられている。
本実施形態では、光取出層50は、図1に示すように、透光性基板40の第二電極30が設けられている面とは反対側の面に隣接して設けられる。
光取出層50は、発光層からの放射光の光取出し方向に突出する複数の凸部を有する。
図2(A)は、透光性基板40の厚さ方向の光取出層50の断面図であり、図2(B)および図2(C)は、光取出層50が有する凸部52の斜視図である。
図2(A)に示されているように、光取出層50は、透光性基板40の光取り出し側の面に隣接させて配置されるベース部51と、このベース部51から光取出し方向に向かって突出する複数の凸部52を有する。
凸部52は、
(i)透光性基板40の厚さ方向の少なくとも一つの断面が左右非対称に形成され、
(ii)透光性基板40面の法線方向に対して1回対称に形成され、
(iii)光取出層50において、一つ又は複数の凸部52で構成される凸部ユニットが複数形成され、複数の凸部ユニットは、透光性基板40面の法線方向に対して回転対称に配置されている。
・凸部断面の非対称性
凸部52は、透光性基板40の厚さ方向(基板面法線方向)の少なくとも一つの断面が左右非対称に形成されている。図2(A)に示されているように、凸部52の底辺の二等分線によって区分される凸部52の右側部分52bと左側部分52aとで形状が異なる。凸部52は、少なくとも左右非対称の断面を有すればよく、すべての断面において左右非対称に形成されていなくてもよい。
上述したような凸部52の断面が左右非対称となる形状としては、例えば、図2(B)に示されているような球体を4分の1に分割した形状(以下、4分の1球形状という場合がある。)や、図2(C)に示されているような4分の1球形状をさらに半分に分割した形状(以下、8分の1球形状という場合がある。)が挙げられる。もちろん、凸部52の断面が左右非対称となる形状としては、ここに示した例に限定されない。8分の1球形状をさらに分割した形状、例えば、16分の1球形状であってもよいし、半球を3分割した形状であってもよいが、半球状のものは含まない。そして、球体を分割した形状でなくてもよく、多面体を分割した形状であっても良い。
凸部52は、湾曲面52cを少なくとも一部に有することが好ましい。例えば、図2(B)に示された4分の1球形状の凸部52や、図2(C)に示された8分の1球形状であれば、湾曲面52cを有している。この湾曲面52cは、凸部52の少なくとも一部に形成されていれば良いため、複数の湾曲面52cが連続して波打ったような形状であっても良い。
また、凸部52の湾曲面52cは、湾曲面52cの弧に対して内側から発光層からの放射光が入射するように形成されていることが好ましい。
凸部52は、ベース部51から光取出し方向に向かって起立する起立部52dを有する。図2(D)は、図2(A)とは異なる形状の凸部52を有する光取出層50の、透光性基板40の厚さ方向における断面図であり、起立部52dと、透光性基板40面の法線方向との成す角度θが、0度以上45度以下であることが好ましい。

例えば、凸部52が、4分の1球形状や8分の1球形状である場合、図2(A)に示すように、起立部52dと透光性基板40面の法線方向との成す角度θは0度となる。つまり、透光性基板40面に対して、起立部52dは、垂直に起立している。本実施形態のように、垂直に起立する起立部52dがより好ましい。起立部52dは、垂直に起立する部分を少なくとも一部に有すると好ましく、全体にわたって垂直であるとさらに好ましい。
凸部52の寸法は、発光層から放射された放射光の波長に対して、3倍以上の大きさであることが好ましく、サブミクロン程度の微細な周期構造を有する回折格子と比べて大きな寸法で形成されていることが好ましい。回折格子のようにサブミクロン程度の周期性及び突出高さを有する構造だと、白色光が分光され易くなるからである。そのため、有機EL素子1によれば、回折性の小さい良好な白色発光を得ることができ、照明装置や電子機器の光源に適している。凸部52の寸法は、光取出層50を構成する材料の屈折率も考慮し、放射光の光路長換算で、約3μm以上であることが好ましい。
例えば、本実施形態のように、8分の1球形状の凸部52であれば、ベース部51からの高さ寸法や縦横寸法が約3μm以上となることが好ましい。また、均一な発光を考慮して凸部52の当該寸法は10mm以下であることが好ましい。
光取出層50に形成された複数の凸部52同士の間隔は、光の回折を防止するために3μm以上であることが好ましい。また、凸部52の間隔は光源より均一な放射光を得るために10mm以下であることが好ましい。また、凸部52同士が隣接していてもよいが、この場合においては、隣接した凸部を一つの凸構造と見なし、その間隔が3μm以上であることが好ましい。
・凸部平面視の非回転対称性
図3は、光取出層50の凸部52を透光性基板40面の法線方向で見た場合の平面図である。図3(A)は、複数形成されている内の一つの凸部52に着目して示した平面図である。図3(B)は、いくつかの凸部52がまとまって構成される凸部ユニット53の平面図であり、後に詳述する。図3(A)には、図2(C)で示した8分の1球形状の凸部52の平面図が示されており、凸部52の平面形状は、扇形状である。なお、図3以降において、凸部52の平面形状に重ねて記された矢印の方向は、凸部52の配置方向を便宜的に表現すために付すものであって、この矢印方向に当該配置方向は限定されない。本実施形態では、凸部52の当該矢印方向は、扇形状の円弧に向かう方向に付してある。また、説明の便宜上、凸部52の配置について、図面上で当該矢印だけで示す場合がある。
凸部52は、図3(A)のように透光性基板40面の法線方向に対して1回対称に形成されている。すなわち、凸部52は、透光性基板40面の法線方向に1回対称の回転軸を有する。例えば、凸部52を図3(A)で示す平面内で回転させ、360度回転させたときに凸部52の形状が回転前の形状と重なることを1回対称であるという。360度/n回転させると元の図形に重なる配置をその軸回りの回転に関してn回対称であるといい、nは2以上の整数である。本明細書において、このような凸部52の1回対称の平面形状について、平面視非回転対称性という場合がある。
・凸部ユニット
有機EL素子1の光取出層50には、一つの凸部52で構成される凸部ユニット、または複数の凸部52で構成される凸部ユニットが複数形成されている。
図3(B)には、複数の凸部52で構成される凸部ユニット53が示されている。
光取出層50において、凸部ユニット53は、透光性基板40面の法線方向に対して回転対称性を有する。凸部ユニット53は、凸部ユニット53を区画する領域内のある点を透光性基板40面の法線方向に通過する軸を回転中心軸として平面内で回転させ、360度/n回転させると元の凸部ユニットの形状に重なる。ただし、nは2以上の整数である。
凸部ユニット53は、例えば、図3(B)に示すように配列された4つの凸部52で構成され、90度回転させると、元の凸部ユニット53の形状に重なる。よって、図3(B)に示す凸部ユニット53は、4回対称の回転対称性を有する。
回転対称性を有する凸部ユニット53は、さらに、他の凸部ユニット53との関係で回転対称性を有することが好ましい。このような回転対称性を有する凸部ユニット53が光取出層50に形成されていることで、有機EL素子1の外部に取り出される光をより均一にすることが出来る。
例えば、図4に示すように、図3(B)に示された4回対称の回転対称性を有する凸部ユニット53Aが、さらに他の2つの凸部ユニット53B,凸部ユニット53Cとの関係で3回対称の回転対称性を有する。回転対称性は、光取出層50において、一つの種類に限定されず、凸部ユニット53が、他の凸部ユニット53との間で、複数種類の回転対称性を有しても良い。例えば、ある凸部ユニット53の組み合わせでは、3回対称となり、他の組み合せでは4回対称の回転対称性となる配置となっていても良い。
なお、図3(C)に示す平面図は、凸部52が複数集まって凸部グループ54が形成されている。この凸部グループ54は、回転対称性が無く、1回対称(平面視非回転対称性)であるから、上述の凸部ユニット53には当たらない。ただし、このような平面視非回転対称性の凸部グループ54であっても、凸部グループ54が、他の凸部グループ54との関係で回転対称性を有するように配置されることで、凸部ユニット53を形成してもよい。
例えば、図5は、光取出層50の凸部52を透光性基板40面の法線方向で見た場合の平面図であり、光取出層50の別の例を説明するものである。図5の平面図では、二つの凸部グループ54A,54Bが示されている。左側に図示された凸部グループ54Aを構成する凸部52は、いずれも同じ方向(矢印方向が右側)に向かって2列4段の計8個配置されている。そのため、凸部グループ54Aは、回転対称性を有さない(1回対称)。右側に図示された凸部グループ54Bを構成する凸部52は、凸部グループ54Aとは反対に矢印方向が左側に向かって2列4段の計8個配置されており、回転対称性を有さない(1回対称)。ところが、二つの凸部グループ54A,54Bをまとめて見ると、平面内で180度回転させたときに、凸部グループ54Aは、凸部グループ54Bの元の位置に重なり、凸部グループ54Bは、凸部グループ54Bの元の位置に重なる。ゆえに、凸部グループ54Aおよび凸部グループ54Bは、2回対称の回転対称に配置されており、凸部ユニット53を構成することになる。
よって、局所的には、凸部52が図3(C)に示す凸部グループ54を形成していても、より広いエリアで見た場合に、回転対称に配置されていれば、光取出層50は回転対称性を有する凸部ユニット53を備えていることになる。
なお、凸部52がランダムに配置された場合であっても、発光面全体の対称性は無限回転対称と見なせるため、均一な発光を得ることができる。
本実施形態で説明した凸部52および凸部ユニット53と、従来技術の凹凸構造とでは、以下の点で相違している。
特許文献1に記載された、五面体構造の光学素子(凸部に相当する。)は、断面で左右非対称性を有する。しかし、当該光学素子は、マトリックス状に配置され、いずれも同じ方向を向いて配置されているだけなので、複数の光学素子(凸部)からなる凸部ユニットには、平面視で回転対称性がない(1回対称性)。
また、特許文献2に記載されたストライプ状の断面三角形の凸部は、断面が左右非対称である。しかし、当該ストライプは、一定方向に延びるものだけで構成されるので、複数の凸部からなる凸部ユニットには、平面視で回転対称性がない(1回対称性)。
また、従来の半球レンズでは、断面が左右対称である。
・光取出層の構成材料
光取出層50を構成する材料としては、ガラス材料、ポリマー材料等が挙げられる。ガラス材料としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等が挙げられる。またポリマー材料としては、ポリエチレンナフタレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリエーテルサルファイド系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、トリアジン系樹脂等を原料として用いてなるものを挙げることができる。
光取出層50の屈折率nc2は、透光性基板40の屈折率と同等であることが好ましい。光取出層50の屈折率nc2と、透光性基板40の屈折率nとが同等であると、透光性基板40と光取出層50との界面で生じる光の反射損失を低減できる。通常、透光性基板として用いられるガラス基板の屈折率は1.5である。その他、有機EL素子用の透光性基板として用いられる材料の中で、比較的屈折率の低い材料としては、1.4程度であり、比較的屈折率の大きな材料としては、1.65程度、さらに屈折率の大きい材料としては2.0程度である。光取出層50の屈折率は、透光性基板40と同等が好ましいため、380nmから780nmまでの全波長領域屈折率の差を±0.3以内にすることが好ましい。
なお、光取出層50の凸部52を構成する材料を、ベース部51を構成する材料と異なるものとしてもよい。光取出層50は、ベース部51に凸部52を貼り合わせる構成であってもよい。また、ベース部51および凸部52の狙い厚さ寸法以上の厚さを有する上記材料で形成された板状部材を加工して、凸部52を形成した構成であってもよい。
(有機EL素子の製造方法)
・光取出層の形成
光取出層50の凸部ユニット53の形状および配置パターンを反転させた凹形状が形成されたモールドを加熱し、当該加熱されたモールドを、光取出層50を構成する材料で形成された熱可塑性樹脂フィルムに押し当てて軟化させ、当該モールドの形状を転写する(熱インプリント)。その後、モールドおよび熱可塑性樹脂フィルムを室温程度まで冷却する。光硬化性の樹脂を用いる場合はさらに紫外線露光による硬化を行ない、その後モールドを脱型すると凸部ユニット53を有する光取出層50が形成される。
・有機発光層および電極の形成
光取出層50を貼り付ける面とは反対側の透光性基板40面上に、第二電極30、有機化合物層20及び第一電極10を順次積層形成する。第一電極10や第二電極30の形成は、真空蒸着法やスパッタリング法等の形成方法を採用することができる。また有機化合物層20の形成は、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ法、イオンプレーティング法等の乾式成膜法やスピンコーティング法、ディッピング法、フローコーティング法、インクジェット法等の湿式成膜法等の形成方法を採用することができる。
次に、光取出層50を形成した熱可塑性樹脂フィルムを透光性基板40の一方の面(第二電極30等が形成された面とは反対側の面)に貼り付ける。例えば、光取出層50と同等の屈折率を有する接着剤で貼り付ける。光取出層50と透光性基板40との接着には、アクリル系やエポキシ系等の光学接着剤を用いることができる。
このようにして、光取出層50を備えた有機EL素子1を得ることができる。なお、先に透光性基板40に光取出層50を貼り付けた後に、第二電極30,有機化合物層20,第一電極10等の有機EL層を形成しても良い。
(第一実施形態の効果)
以上のような第一実施形態によれば、次のような効果を奏する。
有機EL素子1では、光取出層50の凸部52は、断面が左右非対称であり、透光性基板40面の法線方向に対して1回対称に形成されている。そのため、発光面に対して法線方向から臨界角に至る放射角の放射光と、臨界角以上の角度に放射される放射光とを、少ない反射損失で有機EL素子1の外部へ取り出すことができる。さらに、凸部ユニット53が透光性基板40面の法線方向に対して回転対称に配置されているので、指向性の少ない光取り出しができる。
よって、有機EL素子1によれば、光取り出し効率を向上させること、および素子外部へ取り出す光の均一性を向上させることが出来る。
有機EL素子1では、凸部52が湾曲面52cを有しているため、発光層からの放射光のうち、発光面に対して法線方向から臨界角に至る放射角の放射光を、当該湾曲面52cによって、少ない反射損失で有機EL素子1外部へと取り出すことができる。
さらに、有機EL素子1では、光取出層50の凸部52は、湾曲面52cに加え、所定角度で起立する起立部52dを有する。そのため、発光層からの放射光のうち、臨界角以上の角度に放射される放射光を、少ない反射損失で有機EL素子1外部へ取り出すことができる。
よって、有機EL素子1によれば、光取り出し効率をさらに向上させることができる。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態を図面に基づいて説明する。
(有機EL素子)
図6は、第二実施形態に係る有機EL素子2の基板厚さ方向の断面概略図である。
有機EL素子2は、光取出層が設けられた位置について、第一実施形態に係る有機EL素子1と相違する。有機EL素子2におけるその他の積層構成は、第一実施形態の有機EL素子1と同様である。第二実施形態の説明において第一実施形態と同一の構成要素は、同一符号や名称を付す等して説明を省略もしくは簡略にする。また、第二実施形態では、第一実施形態で説明したものと同様の材料や化合物を用いることができる。
有機EL素子2は、図6に示すように、第一電極10と、有機化合物層20と、第二電極30と、光取出層60と、透光性基板40と、を第一電極10側からこの順に積層されて構成される。なお、第二実施形態の光取出層60は、第二電極30と透光性基板40との間に配置されていることから、以下において、説明の便宜上、内側光取出層60と称する場合があり、第一実施形態の光取出層50は、外側光取出層50と称する場合がある。
・光取出層
図7は、透光性基板40の厚さ方向の光取出層60の断面図である。
図7に示されているように、光取出層60は、第二電極30側の面に隣接させて配置される電極側ベース部61と、この電極側ベース部61から光取出し方向に向かって突出する複数の凸部62と、透光性基板40に隣接させて配置され凸部62の形状に対応して窪む凹部を有する基板側ベース部65とを有する。
凸部62は、第一実施形態と同様に、
(iv)光性基板40の厚さ方向の少なくとも一つの断面が左右非対称に形成され、
(v)凸部62は、透光性基板40面の法線方向に対して1回対称に形成され、
(vi)光取出層60において、一つ又は複数の凸部62で構成される凸部ユニットが複数形成され、複数の凸部ユニットは、透光性基板40面の法線方向に対して回転対称に配置されている。
凸部62は、湾曲面62cを少なくとも一部に有することが好ましい。また、凸部62の湾曲面62cは、円弧に対して内側から発光層からの放射光が入射するように形成されていることが好ましい。
凸部62は、電極側ベース部61から光取出し方向に向かって起立する起立部62dを有する。起立部62dと、透光性基板40面の法線方向との成す角度θが、0度以上45度以下であることが好ましい。さらに、起立部62dは、垂直に起立していることが好ましい。
凸部62の寸法も、第一実施形態の凸部52と同様に形成されていることが好ましい。
光取出層60においても、第一実施形態の光取出層50における凸部ユニット53と同様の条件で凸部ユニットが形成されている。
・光取出層の構成材料
光取出層60の電極側ベース部61および凸部62を構成する材料としては、チタン系メタロキサンポリマーなど無機酸化物や、高屈折率を示すチタニア、ジルコニアなど無機酸化物等の微粒子を汎用樹脂に分散させたものや、エピスルフィド系樹脂材料、トリアジン系樹脂材料などを挙げることができる。
光取出層60の電極側ベース部61および凸部62の屈折率nは、1.8以上2.2以下とするのが好ましい。なお、電極側ベース部61を構成する材料と、凸部62を構成する材料とを異なるものとしてもよい。この場合、両者の屈折率を等しくするか、凸部62の方を低い屈折率の材料で構成するのが好ましい。また、基板側ベース部65を構成する材料よりも高い屈折率の材料で構成することが好ましい。なお、電極側ベース部61および凸部62からなる層は、本発明の一実施形態の有機EL素子の製造方法で説明した高屈折率層に相当する。
基板側ベース部65を構成する材料としては、ガラス材料、ポリマー材料等が挙げられる。ガラス材料としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等が挙げられる。またポリマー材料としては、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリエーテルサルファイド系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂等を原料として用いてなるものを挙げることができる。
基板側ベース部65の屈折率nは、1.4以上1.6以下とするのが好ましい。なお、基板側ベース部65からなる層は、上述の高屈折率層に対して低い屈折率を有するので、低屈折率層と称する場合がある。
(第二実施形態の有機EL素子の製造方法)
第二実施形態の光取出層60は、例えば、次のような方法で形成される。
光取出層60の凸部ユニットの形状および配置パターンに対応する凸形状が形成されたモールドを加熱し、当該加熱されたモールドを、基板側ベース部65を構成する材料で形成された熱可塑性樹脂フィルムに押し当てて軟化させ、当該モールドの形状を転写する(熱インプリント)。その後、モールドおよび熱可塑性樹脂フィルムを室温程度まで冷却する。光硬化性の樹脂を用いる場合はさらに紫外線露光による硬化を行ない、その後モールドを脱型すると、光取出層60の凸部ユニットの形状および配置パターンを反転させた形状の凹部を有する基板側ベース部65が形成される。
次に、基板側ベース部65を形成した熱可塑性樹脂フィルムを透光性基板40の一方の面に貼り付ける。例えば、基板側ベース部65と同等の屈折率を有する接着剤で貼り付ける。基板側ベース部65と透光性基板40との接着には、アクリル系やエポキシ系等の光学接着剤を用いることができる。
その後、基板側ベース部65に形成された凹部を埋めて平坦化することで電極側ベース部61および凸部62を形成する。例えば、チタン系メタロキサンポリマーなど無機酸化物をゾルゲル反応により成膜する手法がある。また,高屈折率を示すチタニア、ジルコニアなど無機酸化物等の微粒子を汎用樹脂に分散させスピンコート法などの塗布法により成膜する手法がある。
このようにして、透光性基板40の一方の面上に光取出層60が形成される。
ここで、高屈折率層(電極側ベース部61および凸部62)を形成する際には、平坦化処理を行うことが好ましい。例えば、高屈折率層を構成する材料を熱や紫外線照射等で硬化する前に、離型処理を施した平滑フィルムを電極側ベース部61に貼り合わせて、高屈折率層材料の塗布面を平滑化した後、硬化させる。
光取出層60の形成後は、光取出層60面上に、第二電極30、有機化合物層20及び第一電極10を順次積層形成することで、光取出層60を備えた有機EL素子2を得ることができる。
(第二実施形態の効果)
以上のような第二実施形態によれば、次のような効果を奏する。
有機EL素子2では、透光性基板40と第二電極30との間に光取出層60を備え、この光取出層60は、第一実施形態の有機EL素子1で用いた外側光取出層50と同様の形状の凸部62や凸部ユニットを有する。そのため、有機EL素子2では、従来、透光性基板40と第二電極30との界面で反射して、素子内部に閉じ込められていた光の成分を、透光性基板40内部へと効率的に導くことが出来る。さらに、有機EL素子2の凸部ユニットが透光性基板40面の法線方向に対して回転対称に配置されているので、指向性の少ない光取り出しができる。
よって、有機EL素子2によれば、光取り出し効率を向上させること、および素子外部へ取り出す光の均一性を向上させることが出来る。
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態を図面に基づいて説明する。
(有機EL素子)
図8は、第三実施形態に係る有機EL素子3の基板厚さ方向の断面概略図である。
有機EL素子3は、第一実施形態で説明した外側光取出層50と、第二実施形態で説明した内側光取出層60とを両方備えている点で、第一および第二実施形態に係る有機EL素子と相違する。有機EL素子3におけるその他の積層構成は、第一および第二実施形態の有機EL素子と同様である。第三実施形態の説明において第一および第二実施形態と同一の構成要素は、同一符号や名称を付す等して説明を省略もしくは簡略にする。また、第三実施形態では、第一および第二実施形態で説明したものと同様の材料や化合物を用いることができる。
有機EL素子3では、外側光取出層50および内側光取出層60のそれぞれが、上述の凸部ユニットを有するが、それぞれの層における凸部の形状や、配置パターンは同じでも、異なっていても良い。
(有機EL素子の製造方法)
有機EL素子3は、透光性基板40の一方の面に内側光取出層60を形成し、その後、第二電極30、有機化合物層20及び第一電極10を順次積層形成し、さらにその後、透光性基板40の他方の面に外側光取出層50を貼り付けることで製造することが出来る。
なお、初めに透光性基板40の一方の面に外側光取出層50を形成してから、透光性基板40の他方の面に内側光取出層60、第二電極30、有機化合物層20及び第一電極10を順次積層形成する方法でも有機EL素子3を製造することが出来る。
すなわち、有機EL素子3の一実施形態の製造方法は、
金型転写により複数の凸部52を第一樹脂フィルムに形成する工程と、
前記凸部52を形成する工程で用いた金型とは異なる金型を用い、金型転写により複数の凹部を第二樹脂フィルムに形成する工程と、
前記複数の凹部が形成された第二樹脂フィルムを、前記凹部の開口部が外側を向くように透光性基板40の他方の面に貼り付ける工程と、
前記凹部に前記第二樹脂フィルムよりも高い屈折率を有する高屈折率材料を充填して高屈折率層を形成する工程と、
前記高屈折率層を平坦化する工程と、
平坦化された前記高屈折率層の面に、第二電極30、少なくとも発光層を有する有機化合物層20、および第一電極10をこの順序で積層する工程と、
前記複数の凸部52が形成された前記第一樹脂フィルムを、前記凸部52の突出方向が外側を向くように透光性基板40の一方の面に貼り付ける工程と、を備え、
前記第一樹脂フィルムに形成された凸部52、並びに前記高屈折率材料が前記第二樹脂フィルムの凹部に充填されることで形成される凸部62は、それぞれ前記透光性基板40の厚さ方向の少なくとも一つの断面が左右非対称に形成され、かつ前記透光性基板40面の法線方向に対して1回対称に形成され、
一つ又は複数の前記凸部52で構成される凸部ユニット53が複数形成され、前記複数の凸部ユニット53は、前記透光性基板40面の法線方向に対して回転対称に配置され、
一つ又は複数の前記凸部62で構成される第二凸部ユニットが複数形成され、この複数の第二凸部ユニットは、前記透光性基板40面の法線方向に対して回転対称に配置されていることを特徴とする。
(第三実施形態の効果)
以上のような第三実施形態によれば、次のような効果を奏する。
有機EL素子3では、外側光取出層50および内側光取出層60を備える。そのため、内側光取出層60によって、発光層からの放射光を透光性基板40内部へと効率的に導き、外側光取出層50によって、透光性基板40内部へと入射した放射光を、少ない反射損失で有機EL素子3の外部へ取り出すとともに、指向性の少ない光取り出しができる。
よって、有機EL素子3によれば、光取り出し効率を向上させること、および素子外部へ取り出す光の均一性をさらに向上させることが出来る。
<実施形態の変形>
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記実施形態では、4分の1球状や8分の1球状の凸部を例に挙げて説明したが、これに限定されず、例えば、三角形や五角形などの多角形を連ねた多面体を分割して得られる断面左右非対称の凸部であっても良い。
上記実施形態では、光取出層50,60は、凸部52,62を支持するベース部51や電極側ベース部61を有する形態を例に挙げて説明したが、これに限られず、凸部が直接、透光性基板40に支持されたり、基板側ベース部65に支持されたりしていても良い。
凸部の配置パターンは、上記実施形態で説明したものに限定されない。例えば、図5に示した二つの凸部グループ54A,54Bでは、凸部52がそれぞれのグループで2列4段に整列されているが、1つまたは複数おきにずらして配置したパターンでもよく、凸部ユニット53として回転対称性を有していればよい。
第二実施形態の内側光取出層60の形成方法としては、上述の方法に限定されない。例えば、次のような方法であっても良い。
まず、透光性基板40上に基板側ベース部65を構成する低屈折率材料を均一に塗布する。ここでは、低屈折材料としてレジスト材料(例えば、新日鐵化学株式会社製のレジスト材等。)を用いる。次に、加熱したモールドを低屈折材料に押し当てて軟化させ、当該凹凸形状を転写する(熱インプリント)。その後、紫外線による露光硬化を行い、所定温度、所定時間(例えば、30分間180℃)で加熱した後、モールド及び低屈折材料を室温程度まで冷却し、モールドを脱型すると基板側ベース部65が透光性基板40上に形成される。
次に、透光性基板40上の基板側ベース部65に対して、電極側ベース部61および凸部62を構成する高屈折材料を均一に塗布する。ここでは、金属酸化物微粒子を樹脂バインダー中に均一に分散させたインク組成物をスピンコーティング法により塗布する。塗布回数を調整することによって、基板側ベース部65の凹部内に高屈折材料を充填して凸部62を形作るとともに、電極側ベース部61を形成する。その後、インク組成物を乾燥固化させることで、光取出層60が形成される。光取出層60に対してさらに高屈折率材料を塗布し、平坦化処理を行うことで、透明電極(第二電極30)を成膜させる側の表面は、高屈折率であり、かつ、表面粗さRaが2nm以下の面が得られる。
上記実施形態では、有機EL素子をボトムエミッション型素子として説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、トップエミッション型素子の場合にも適用し得る。
上記実施形態で説明した有機EL素子は、上述の例に限定されず、照明装置の光源として適用したり、パーソナルコンピュータ、携帯電話、プリンタヘッド等の電子機器等にも適用可能である。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例の記載内容に何ら制限されるものではない。
<1>有機EL素子の作製
図9および図10には、実施例および比較例で用いた光取出層の形状が示されている。
(実施例1)
図9には、実施例1で用いた光取出層50Aの形状が示されている。光取出層50Aは、16分の1球状の凸部52Aを4つ有し、4つの凸部52Aで構成される凸部ユニットが4回回転対称に配置された形状とした。凸部52Aの高さ寸法および半径は、4mmとした。
光取出層50Aの凸部52Aの形状および配置パターンを反転させた凹形状が形成されたモールドを加熱し、当該加熱されたモールドを、熱可塑性樹脂板(PMMA(Poly(methyl methacrylate))板。厚さ5mm。屈折率:1.48(波長:550nm)。)に押し当てて軟化させ、当該モールドの形状を転写した(熱インプリント)。その後、モールドおよび熱可塑性樹脂フィルムを室温程度まで冷却し、モールドを脱型し、光取出層50Aを形成した。
また、有機EL素子を構成する各層は、次にようにして形成した。
まず、光取出層50Aを貼り付けるガラス基板面とは反対側の面にIZOを蒸着し、膜厚110nmのIZO膜を成膜し、透明電極(第二電極)を形成した。ガラス基板(透光性基板)は、25mm×25mm×0.7mm厚(日本板硝子製、NA35)、屈折率:1.50(波長=550nm)のガラス基板を用いた。
このIZO膜上に、正孔注入性の化合物HI−1を蒸着し、膜厚5nmの正孔注入層を形成した。
この正孔注入層上に、正孔輸送性の化合物HT−1を蒸着し、膜厚120nmの第一正孔輸送層を形成した。
この第一正孔輸送層上に、正孔輸送性の化合物HT−2を蒸着し、膜厚85nmの第二正孔輸送層を形成した。
さらに、この第二正孔輸送層上に、ホスト材料として化合物RH−1と、リン光ドーパント材料として化合物RD−1とを共蒸着し、膜厚45nmの発光層を形成した。この発光層内における化合物RD−1の濃度は5質量%であった。化合物RD−1の極大発光ピーク波長は、602nmであった。
そして、この発光層上に、電子輸送性の化合物ET−1を蒸着し、膜厚5nmの第一電子輸送層を形成した。
次に、この第一電子輸送層上に、電子輸送性の化合物ET−2を蒸着し、膜厚10nmの第二電子輸送層を形成した。
次に、この第二電子輸送層上に、電子輸送性の化合物ET−3を蒸着し、膜厚5nmの第三電子輸送層を形成した。
そして、この第三電子輸送層上に、LiFを成膜速度0.1オングストローム/minで蒸着し、電子注入性電極(陰極)としての膜厚1nmのLiF膜を形成した。
このLiF膜上に、金属Alを蒸着し、膜厚80nmの金属陰極を形成した。
次に、透光性基板(ガラス基板)の有機EL素子の各層が積層された面とは反対側の面に、光取出層50Aが形成された熱可塑性樹脂フィルムを貼り付けた。熱可塑性樹脂フィルムの貼り付けには、イマージョンオイル(エドモンドオプティックス(株)製のイマージョンオイル(屈折率1.5))を用いた。
このようにして、実施例1の有機EL素子を作製した。
(比較例1)
比較例1として光取出層を備えていない有機EL素子を作成した。比較例1の有機EL素子は、光取出層を備えていないこと以外については、実施例1の有機EL素子と同様にして作製した。
(比較例2)
図10には、比較例2で用いた光取出層50Cの形状が示されており、図10(A)は、平面図であり、(B)は、(A)において示した矢印方向で見た場合の断面図である。光取出層50Cとしては、半球状の凸部52Cを1つ有するものを用いた。凸部52Cの高さ寸法および半径は、4mmとした。
比較例2の有機EL素子は、光取出層50Cの凸部52Cを形成するためのモールドを変更した以外は、実施例1の有機EL素子と同様にして作製した。
<2>駆動試験
有機EL素子の駆動試験条件としては、電流密度が10mA/cmとなるように有機EL素子に電圧を印加し、そのときのEL発光スペクトルを分光放射輝度計(CS−1000:コミカミノルタ社製)にて計測した。
外部量子効率は、全放射角度の放射光について測定して得られた分光放射輝度スペクトル(波長380nmから780nm)に基づいて算出した。
表1には、実施例1および比較例1,2の有機EL素子の光取り出し効率が示されている。表1において、光取り出し効率は、比較例1の有機EL素子を基準とした場合の各有機EL素子の外部量子効率(EQE)の相対値として示されている。
図11は、作製した有機EL素子から放射される光の配光分布の評価方法を説明する概略図である。
作製した有機EL素子の光取り出し面側から出射される放射光について、朝日分光株式会社製配光分布測定装置IMS−5000を用い、受光部9の角度を変化させながら測定した。図11に示すように、透光性基板40面の法線方向をθ=0度とし、−90度≦θ≦90度、面内回転角をφとし、−180度≦φ≦180度の範囲で5度おきに受光部9の測定位置を変化させて、それぞれの角度におけるEL発光スペクトルを計測した。EL素子は10mA/cmの電流密度で駆動させて、全光束測定を行った。
なお、図11については、比較例2の有機EL素子の場合の測定方法の概略を示している。また、透光性基板40の光取り出し面側には、光取出層50Cの半球状の凸部52Cの直径に合わせて円形に開口する遮光マスク81を設けた。各有機EL素子の発光面積は、10mm×10mmであり、遮光マスク81には、中心に直径8mmの穴(アパーチャー)を設けた。配光分布測定装置の受光部9の検出エリアの直径は10mmである。直径8mmのアパーチャーからの発光のみを、直径10mmの検出エリアで測定した。
実施例1および比較例1についても、比較例2と同じ直径で円形に開口する遮光マスク81を設けて測定した。つまり、実施例1および比較例1,2において同じ発光面積について配光分布を測定した。
表1に示されているように、実施例1と比較例1の結果より、光取出し層50Aにより全光束の発光効率が1.8倍に向上した。この値は、元の有機EL素子の配向分布において基板モードを多量に含むために、反射損失の少ない非対称光取出し構造の効果が著しく表れた結果によるものである。光取出し効率は素子自身の配向分布に強く依存するため、同じ光取出し構造を用いたとしても、必ずしも同様の値が得られるとは限らないが、本発明で提案した非対称構造の効果を十分に表すことができた。
また、表1に示されているように、実施例1の有機EL素子は、半球レンズを用いた比較例2の有機EL素子よりも光取出し効率が向上していることが分かった。
図12に実施例1および比較例1,2の有機EL素子から放射される光の配光分布図を示す。
図12(A)は、実施例1の有機EL素子の波長602nmにおける放射光についての配光分布図であり、放射角(−90度<θ<+90度),回転角φ=0度の条件である。実施例1の有機EL素子で用いた光取出し層50Aにおいては、凸部ユニットを構成する4つの凸部52A(1/16球プリズム)を、それぞれφ=±45度,±135度の位置に4回対称となるように配置した。凸部52Aの湾曲面は、光取出し層50Aをガラス基板面法線方向で見て、中心部の外側になるように配置した。
図12(B)は、比較例1の有機EL素子配光分布図であり、波長602nmにおける放射光について測定したものである。
図12(C)は、比較例2の有機EL素子の配光分布図であり、波長602nmにおける放射光について測定したものである。
図12(A)の配光分布図から、実施例1の有機EL素子から均一な放射が得られたことがわかる。図12(C)の配光分布図から、比較例2の有機EL素子からは、指向性の強い放射が得られたことがわかる。
図13には、実施例1の有機EL素子から放射される光の配光分布をガラス基板面法線方向から見た図であり、θ=35度とし、−180度≦φ≦180度の範囲で測定した場合の配光分布図である。図13に示されているように、実施例1で用いた光取出層50Aによれば、ガラス基板面法線方向で見た場合でも均一な光取り出しが可能であることが分かった。
図14には、参考例として、実施例1で用いた光取出層50Aの16分の1球状の凸部52Aを1つだけ備えた光取出層を用いた有機EL素子の配光分布図が示されている。図14の配光分布図も上記実施例と同様、波長602nmにおける放射光について測定したものである。図14に示されているように、凸部ユニットが形成されていない断面非対称の凸部52Aが1個だけでは、素子外部へ取り出す光の均一性を向上させることが出来なかった。
以上より、実施例1の有機EL素子は、光取り出し効率を向上させること、および素子外部へ取り出す光の均一性を向上させることが出来た。
本発明の有機EL素子は、面光源として利用できる。
1,2,3…有機EL素子
10…第一電極
20…有機化合物層
30…第二電極
40…透光性基板
50…光取出層
52…凸部
52c…湾曲面
52d…起立部
53…凸部ユニット
60…光取出層
62…凸部
62c…湾曲面
62d…起立部

Claims (6)

  1. 第一電極と、
    前記第一電極と対向して設けられる第二電極と、
    前記第一電極と前記第二電極との間に設けられ、発光層を有する有機化合物層と、
    前記第二電極の前記第一電極と対向する面とは反対側に設けられる透光性基板と、
    前記透光性基板の前記第二電極と対向する面、及び前記透光性基板の前記第二電極と対向する面とは反対側の面の少なくともいずれかに隣接して設けられる光取出層と、を備え、
    前記光取出層は、前記発光層から放射される放射光の光取り出し方向に突出する複数の凸部を有し、
    前記凸部は、前記透光性基板の厚さ方向の少なくとも一つの断面が左右非対称に形成され、かつ前記透光性基板面の法線方向に対してn回対称ではなく(ただしnは2以上の整数である)、
    一つ又は複数の前記凸部で構成される凸部ユニットが複数形成され、
    前記複数の凸部ユニットは、前記透光性基板面の法線方向に対して回転対称に配置されている
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記凸部は、湾曲面を少なくとも一部に有する
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記凸部は、起立部を有し、
    前記透光性基板面の法線方向と、前記起立部との成す角度が、0度以上45度以下である
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 金型転写により複数の凸部を樹脂フィルムに形成する工程と、
    前記複数の凸部が形成された樹脂フィルムを、前記凸部の突出方向が外側を向くように透光性基板の一方の面に貼り付ける工程と、
    前記透光性基板の前記樹脂フィルムが貼り付けられる面とは反対側の面に、第二電極、少なくとも発光層を有する有機化合物層、および第一電極をこの順序で積層する工程と、を備え、
    前記樹脂フィルムに形成された凸部は、前記透光性基板の厚さ方向の少なくとも一つの断面が左右非対称に形成され、かつ前記透光性基板面の法線方向に対してn回対称ではなく(ただしnは2以上の整数である)、
    一つ又は複数の前記凸部で構成される凸部ユニットが複数形成され、
    前記複数の凸部ユニットは、前記透光性基板面の法線方向に対して回転対称に配置されている
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  5. 金型転写により複数の凹部を樹脂フィルムに形成する工程と、
    前記複数の凹部が形成された樹脂フィルムを、前記凹部の開口部が外側を向くように透光性基板の一方の面に貼り付ける工程と、
    前記凹部に前記樹脂フィルムよりも高い屈折率を有する高屈折率材料を充填して高屈折率層を形成する工程と、
    前記高屈折率層を平坦化する工程と、
    平坦化された前記高屈折率層の面に、第二電極、少なくとも発光層を有する有機化合物層、および第一電極をこの順序で積層する工程と、を備え、
    前記高屈折率材料が前記樹脂フィルムの凹部に充填されることで形成される凸部は、前記透光性基板の厚さ方向の少なくとも一つの断面が左右非対称に形成され、かつ前記透光性基板面の法線方向に対してn回対称ではなく(ただしnは2以上の整数である)、
    一つ又は複数の前記凸部で構成される凸部ユニットが複数形成され、
    前記複数の凸部ユニットは、前記透光性基板面の法線方向に対して回転対称に配置されている
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  6. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた電子機器。
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