JP6154327B2 - ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の連続的な製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の連続的な製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の連続的な製造方法に関するものである。
ポリカーボネート系樹脂は、透明性、耐熱性、耐衝撃性に優れたポリマーであり、エンジニアリングプラスチックとして、現在広く工業分野で使用されている。
このポリカーボネート系樹脂の製造方法としては、ビスフェノールA等の芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとを直接反応させる方法(界面重合法)が、高品質なポリカーボネートを製造する方法として知られている。
界面縮重合法によるポリカーボネートの工業的な製造方法としては、ビスフェノール類のアルカリ水溶液にホスゲンを吹き込んで反応性のクロロホルメート基を有するポリカーボネートオリゴマーを生成させ、該ポリカーボネートオリゴマーの生成と同時に又は逐次的に、さらにポリカーボネートオリゴマーとビスフェノール類とを第三級アミンなどの重合触媒及びアルカリ水溶液の存在下、縮合反応(重合反応)を進める方法が採用される。該非水溶性有機溶媒としては、溶解度や取り扱い性などの観点から、工業的には主に塩化メチレンが使用されている。
一般的に、重合反応後の排水、洗浄工程で生じる排水、造粒工程で生じる排水は、塩化ナトリウム等の無機物や、フェノール類、ポリカーボネート等の有機物を含む。この有機物を水相から除去して排水を浄化するために、有機溶媒、好ましくは塩化メチレン等のポリカーボネート製造工程で使用するものと同じ非水溶性有機溶媒を用い、排水から有機物を抽出除去する。また、抽出除去されたフェノール類やポリマーを含む非水溶性有機溶媒は、重合反応工程に再利用される(特許文献1参照)。
なお、ポリカーボネート系樹脂の中でも、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン重合体(以下、「PC−POS」と称することがある。)は、高い耐衝撃性、耐薬品性及び難燃性を有することから注目されており、電気・電子機器分野、自動車分野等の様々な分野において幅広く利用が期待されている。該PC−POSの製造方法としては、二価フェノール系化合物とホスゲンとを反応させてポリカーボネートオリゴマーを製造し、該ポリカーボネートオリゴマーとポリオルガノシロキサンとを、塩化メチレン、アルカリ性化合物水溶液、二価フェノール系化合物及び重合触媒の存在下に重合させる方法が知られている(特許文献2参照)。
特開2009−285533号公報 特開平6−329781号公報
PC−POSの製造の場合も、従来の通常のポリカーボネート系樹脂の製造と同様に、塩化メチレン等のポリカーボネート製造工程で使用するものと同じ非水溶性有機溶媒を用いて排水から有機物(二価フェノール系化合物やPC−POS)を抽出除去し、こうして得られる二価フェノール系化合物やPC−POSを含む塩化メチレンを再利用することが、経済的及び環境的な観点から好ましい。
しかし、本発明者らの検討により、PC−POSの製造の場合には、洗浄工程において、排水中のPC−POS濃度が高くなるという、通常のポリカーボネート系樹脂の製造では起こらない現象が起こる傾向にあることが判明した。その結果、排水からの前記有機物の抽出に使われる非水溶性有機溶媒中のPC−POS濃度が高くなるが、PC−POS濃度の高い非水溶性有機溶媒を反応工程に再利用しようとした場合、非水溶性有機溶媒中の二酸化炭素除去用の脱揮塔内で泡立ちの発生や、その先に繋がったポンプや反応器等の回転機におけるキャビテーションの発生によって、安定的に生産することが困難となった。
そこで、本発明の課題は、経済的かつ安定的にポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、洗浄工程後に分離して得られる水相中のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体濃度を一定値以下に制御することによって、前記脱揮塔内での泡立ちや、ポンプや反応器等の回転機におけるキャビテーションが発生しなくなり、安定的にポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を製造し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[5]に関する。
[1]下記一般式(1)で表される二価フェノール系化合物、カーボネート前駆体及び下記一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンを、アルカリ性化合物水溶液及び非水溶性有機溶媒の存在下に重合して得られた重合反応液を、連続的又は断続的に反応器から抜き取る工程(A)、
工程(A)で抜き取った重合反応液を水相と非水溶性有機溶媒相とに分離する工程(B)、及び
工程(B)で分離した非水溶性有機溶媒相を酸性水溶液で洗浄した後、水相と非水溶性有機溶媒相とに分離する工程(C)、
を有するポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の連続的な製造方法であって、
工程(C)で分離した水相中のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の含有量が2質量%以下になるように制御し、かつ工程(C)で分離した水相を非水溶性有機溶媒で抽出して得られる抽出液の一部又は全部を工程(A)に再利用する、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の連続的な製造方法。
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。Xは単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−又は−CO−を示す。a及びbは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。]
[式中、R3〜R6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。Yは、単結合、脂肪族又は芳香族を含む有機残基を示す。nは平均繰り返し数である。Zは、ハロゲン原子、−R7OH、−R7−Z'−R8−OH、−R7COOH、−R7NH2、−COOH又は−SHを示し、前記R7は、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、又は置換もしくは無置換のアリーレン基を示す。前記R8は、環形成炭素数6〜12のアリーレン基を示し、前記Z'は、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基、炭素数5〜10のシクロアルキリデン基を示す。mは、0又は1を示す。]
[2]工程(B)において、分離した非水溶性有機溶媒相をさらにアルカリ水溶液で洗浄した後、水相と非水溶性有機溶媒相とに分離する、上記[1]に記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の連続的な製造方法。
[3]工程(C)において、分離した非水溶性有機溶媒相をさらに水で洗浄した後、水相と非水溶性有機溶媒相とに分離し、工程(C)で分離した水相を合わせたときの水相中のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の含有量が2質量%以下になるように制御する、上記[1]又は[2]に記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の連続的な製造方法。
[4]工程(C)において、洗浄温度を37℃以下とする、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の連続的な製造方法。
[5]工程(A)が下記工程(a−1)及び工程(a−2)からなり、工程(a−1)で得られる反応混合液を水相と非水溶性有機溶媒相とに分離し、得られた水相を前記工程(C)において酸性水溶液で洗浄した後に分離して得られる水相と混合したときの水相中のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の含有量が2質量%以下になるように制御し、かつ混合した水相を非水溶性有機溶媒で抽出して得られる抽出液を工程(A)に再利用する、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の連続的な製造方法。
工程(a−1):前記一般式(1)で表される二価フェノール系化合物とカーボネート前駆体とを、アルカリ性化合物水溶液及び非水溶性有機溶媒の存在下に反応させることによって下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネートオリゴマーを製造する工程。
工程(a−2):前記二価フェノール系化合物と、工程(a−1)で得たポリカーボネートオリゴマーと、前記一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンとを、アルカリ性化合物水溶液及び非水溶性有機溶媒の存在下に重合して得られた重合反応液を、連続的又は断続的に反応器から抜き取る工程。
(式中、R1、R2、X、a及びbは、前記定義の通りである。)
本発明によれば、非水溶性有機溶媒中の二酸化炭素除去用の脱揮塔内で泡立ちの発生や、その先に繋がったポンプや反応器等の回転機におけるキャビテーションの発生などを抑制することができ、経済的かつ安定的にポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を製造する方法を提供することができる。
試験例にて使用した検証実験装置の概略図である。
本発明は、下記一般式(1)で表される二価フェノール系化合物、カーボネート前駆体及び下記一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンを、アルカリ性化合物水溶液及び非水溶性有機溶媒の存在下に重合して得られた重合反応液を、連続的又は断続的に反応器から抜き取る工程(A)、
工程(A)で抜き取った重合反応液を水相と非水溶性有機溶媒相とに分離する工程(B)、及び
工程(B)で分離した非水溶性有機溶媒相を酸性水溶液で洗浄した後、水相と非水溶性有機溶媒相とに分離する工程(C)、
を有するポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の連続的な製造方法であって、
工程(C)で分離した水相中のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の含有量が2質量%以下になるように制御し、かつ工程(C)で分離した水相を非水溶性有機溶媒で抽出して得られる抽出液の一部又は全部を工程(A)に再利用する、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の連続的な製造方法である。
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。Xは単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−又は−CO−を示す。a及びbは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。]
[式中、R3〜R6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。Yは、単結合、脂肪族又は芳香族を含む有機残基を示す。nは平均繰り返し数である。Zは、ハロゲン原子、−R7OH、−R7−Z'−R8−OH、−R7COOH、−R7NH2、−COOH又は−SHを示し、前記R7は、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、又は置換もしくは無置換のアリーレン基を示す。前記R8は、環形成炭素数6〜12のアリーレン基を示し、前記Z'は、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基、炭素数5〜10のシクロアルキリデン基を示す。mは、0又は1を示す。]
一般式(1)中、R1及びR2がそれぞれ独立して示すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
1及びR2がそれぞれ独立して示すアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基(「各種」とは、直鎖状及びあらゆる分岐鎖状のものを含むことを示し、以下、同様である。)、各種ペンチル基、各種ヘキシル基が挙げられる。R1及びR2がそれぞれ独立して示すアルコキシ基としては、アルキル基部位が前記アルキル基である場合が挙げられる。
Xが表すアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基などが挙げられ、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましい。Xが表すアルキリデン基としては、エチリデン基、イソプロピリデン基などが挙げられる。Xが表すシクロアルキレン基としては、シクロペンタンジイル基やシクロヘキサンジイル基、シクロオクタンジイル基などが挙げられ、炭素数5〜10のシクロアルキレン基が好ましい。Xが表すシクロアルキリデン基としては、例えば、シクロヘキシリデン基、3,5,5−トリメチルシクロヘキシリデン基、2−アダマンチリデン基などが挙げられ、炭素数5〜10のシクロアルキリデン基が好ましく、炭素数5〜8のシクロアルキリデン基がより好ましい。
a及びbは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
一般式(2)中、R3〜R6がそれぞれ独立して示すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。R3〜R6がそれぞれ独立して示すアルキル基、アルコキシ基としては、R1及びR2の場合と同じものが挙げられる。R3〜R6がそれぞれ独立して示すアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
Yが示す脂肪族を含む有機残基としては、例えば、炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3)のアルキレン基などが挙げられる。また、Yが示す芳香族を含む有機残基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニルジイル基などの環形成炭素数6〜12のアリーレン基などが挙げられる。
一般式(2)中、Zが示すハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。これらの中でも塩素原子が好ましい。
Zが示す−R7OH、−R7−Z'−R8−OH、−R7COOH、−R7NH2中のR7が示すアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ペンタメチレン基などの炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のアルキレン基が挙げられる。また、R7が示すシクロアルキレン基としては、例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基などの環形成炭素数3〜10(好ましくは4〜8)のシクロアルキレン基が挙げられる。R7が示すアリーレン基としては、例えばフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニルジイル基などの環形成炭素数6〜12のアリーレン基が挙げられる。
7は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、環形成炭素数6〜12のアリール基などによって置換されていてもよい。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、各種ブチル基などが挙げられる。該アルコキシ基としては、アルキル基部位が前記アルキル基であるものが挙げられる。該アリール基としては、フェニル基などが挙げられる。
Z'が示すアルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基、シクロアルキリデン基としては、Xの場合と同じものが挙げられる。Z'としては、炭素数2〜8のアルキリデン基が好ましく、イソプロピリデン基がより好ましい。
ここで、一般式(1)で表される二価フェノール系化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔通称:ビスフェノールA〕、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−テトラメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;4,4’−ジヒドロキシフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテル等のジヒドロキシアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;4,4’−ジヒロキシジフェニルなどのジヒドロキシジフェニル類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンなどのジヒドロキシジアリールフルオレン類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタンなどのジヒドロキシジアリールアダマンタン類;4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、10,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−9−アントロン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2,3−ジオキサペンタエンなどが挙げられる。これらの中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔通称:ビスフェノールA〕が好ましい。
これらの二価フェノール系化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
カーボネート前駆体としては、例えばカルボニルハライド、炭酸ジエステル、ハロホルメート等が挙げられ、具体的には、ホスゲン、ジフェニルカーボネート、二価フェノール系化合物のジハロホルメート等が挙げられる。これらの中でも、ホスゲンが好ましい。
また、一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンは、オレフィン性の不飽和炭素−炭素結合を有するフェノール類(好ましくはビニルフェノール、アリルフェノール、オイゲノール、イソプロペニルフェノールなど)を、所定の重合度nを有するポリオルガノシロキサン鎖の末端にハイドロシラネーション反応させることにより容易に製造することができる。上記フェノール類は、アリルフェノール又はオイゲノールであることがより好ましい。この場合、一般式(2)におけるYがアリルフェノール又はオイゲノール由来の有機残基となる。
一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
前記一般式(3)〜(11)中、R3〜R6は一般式(1)中のR3〜R6と同様である。nは、一般式(2)中のnと同じである。また、cは正の整数を示し、好ましくは1〜6の整数、より好ましくは1〜3の整数、さらに好ましくは3である。
これらの中でも、一般式(3)に示すフェノール変性ポリオルガノシロキサンが、重合容易性の観点から好ましい。さらには一般式(4)に示す化合物中の一種であるα,ω−ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、又は一般式(5)に示す化合物中の一種であるα,ω−ビス[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサンが、入手容易性の観点から好ましい。
上記フェノール変性ポリオルガノシロキサンは、公知の方法により製造することができる。公知の製造法としては、例えば次のようなものがある。
シクロトリシロキサンとジシロキサンとを酸性触媒存在下で反応させ、α,ω−ジハイドロジェンオルガノポリシロキサンを合成する。このとき、シクロトリシロキサンとジシロキサンとの仕込み比を変えることで所望の平均繰り返し単位を持つα,ω−ジハイドロジェンオルガノポリシロキサンを合成することができる。次いで、ヒドロシリル化反応用触媒の存在下に、このα,ω−ジハイドロジェンオルガノポリシロキサンにアリルフェノールやオイゲノール等の不飽和脂肪族炭化水素基を有するフェノール化合物を付加反応させることで、所望の平均繰り返し単位を有するフェノール変性ポリオルガノシロキサンを製造することができる。
また、この段階では、低分子量の環状ポリオルガノシロキサンや過剰量の上記フェノール化合物が不純物として残存するために、減圧下で加熱し、これらの低分子化合物を留去する。
(ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体:PC−POS)
本発明の製造方法によって得られるPC−POSは、下記一般式(I)で表される繰り返し単位及び下記一般式(II)で表される構成単位を有する。
[式中、R1〜R6、X、Y、a、b及びnは、前記定義の通りである。]
PC−POSは、上記一般式(II)で表される構成単位の含有量に特に制限は無いが、好ましくは1〜25質量%であり、より好ましくは2〜10質量%である。1質量%以上であれば耐衝撃性に優れ、また25質量%以下であれば耐熱性が良好となる。
また、PC−POSにおいて、上記一般式(II)で表される構成単位における平均繰り返し数nは、好ましくは25〜120、より好ましくは30〜90、さらに好ましくは30〜60である。PC−POSにおいては、nが25以上であれば耐衝撃性に優れ、120以下であれば、透明性が良好である。
PC−POSの粘度平均分子量(Mv)に特に制限は無いが、好ましくは10,000〜30,000、より好ましくは13,000〜25,000、さらに好ましくは15,000〜23,000、特に好ましくは15,000〜21,000である。PC−POSの粘度平均分子量がこの範囲であれば、成形品の強度が十分となり、共重合体の粘度が大きくなり過ぎずに製造時の生産性が安定する。
[ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法]
本発明のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(PC−POS)の製造方法は、前記のとおり、工程(A)〜工程(C)を有する。
(工程(A))
工程(A)は、前記一般式(1)で表される二価フェノール系化合物、カーボネート前駆体及び前記一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンを、アルカリ性化合物水溶液及び非水溶性有機溶媒の存在下に重合して得られた重合反応液を、連続的又は断続的に反応器から抜き取る工程である。工程(A)では、必要に応じて重合触媒や分子量調節剤の存在下に重合することもできる。アルカリ性化合物水溶液、非水溶性有機溶媒、重合触媒及び分子量調節剤については後述する。
特に制限されるものではないが、該工程(A)は、PC−POSの透明性を高める観点から、下記工程(a−1)及び工程(a−2)からなることが好ましい。
工程(a−1):一般式(1)で表される二価フェノール系化合物とカーボネート前駆体とを、アルカリ性化合物水溶液及び非水溶性有機溶媒の存在下に反応させることによって一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネートオリゴマーを製造する工程。
工程(a−2):前記二価フェノール系化合物と、工程(a−1)で得たポリカーボネートオリゴマーと、一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンとを、アルカリ性化合物水溶液及び非水溶性有機溶媒の存在下に重合して得られた重合反応液を、連続的又は断続的に反応器から抜き取る工程。
(工程(a−1))
工程(a−1)において、二価フェノール系化合物とカーボネート前駆体との反応は、特に制限されるものではなく、公知の方法を採用でき、アルカリ性化合物水溶液及び非水溶性有機溶媒の存在下、界面重合法によって実施することが好ましい。必要に応じて、重合触媒の存在下に反応させることもでき、また、そうすることが好ましい。
アルカリ性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物などが挙げられる。これらの中でも、アルカリ金属水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウムがより好ましい。なお、二価フェノール系化合物は、該アルカリ性化合物水溶液と混合して用いることが好ましい。
非水溶性有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素が好ましく、塩化メチレンがより好ましい。
重合触媒としては、第三級アミンや第四級アンモニウム塩が挙げられる。第三級アミンとしては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等が挙げられる。第四級アンモニウム塩としては、例えばトリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。重合触媒としては、第三級アミンが好ましく、トリエチルアミンがより好ましい。
工程(a−1)では、必要に応じて分子量調節剤を添加してもよい。分子量調節剤としては、1価フェノールであれば特に制限は無く、例えば、フェノール、o−n−ブチルフェノール、m−n−ブチルフェノール、p−n−ブチルフェノール、o−イソブチルフェノール、m−イソブチルフェノール、p−イソブチルフェノール、o−t−ブチルフェノール、m−t−ブチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、o−n−ペンチルフェノール、m−n−ペンチルフェノール、p−n−ペンチルフェノール、o−n−ヘキシルフェノール、m−n−ヘキシルフェノール、p−n−ヘキシルフェノール、p−t−オクチルフェノール、o−シクロヘキシルフェノール、m−シクロヘキシルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、o−n−ノニルフェノール、m−ノニルフェノール、p−n−ノニルフェノール、o−クミルフェノール、m−クミルフェノール、p−クミルフェノール、o−ナフチルフェノール、m−ナフチルフェノール、p−ナフチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチルフェノール、2,5−ジクミルフェノール、3,5−ジクミルフェノール、p−クレゾール、ブロモフェノール、トリブロモフェノール、平均炭素数12〜35の直鎖状又は分岐状のアルキル基をオルト位、メタ位又はパラ位に有するモノアルキルフェノール、9−(4−ヒドロキシフェニル)−9−(4−メトキシフェニル)フルオレン、9−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−9−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、4−(1−アダマンチル)フェノールなどが挙げられる。これらの中でも、p−t−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、p−フェニルフェノールが好ましく、p−t−ブチルフェノールがより好ましい。
なお、分子量調節剤は、非水溶性有機溶媒に溶解し、濃度を好ましくは2〜20質量%、より好ましくは4〜15質量%、さらに好ましくは4〜12質量%にして用いることが好ましい。該非水溶性有機溶媒としては、前述同様のものが挙げられ、それらの中でも、塩化メチレンが好ましい。
反応の実施形態に特に制限は無いが、二価フェノール系化合物のアルカリ性化合物水溶液、非水溶性有機溶媒、カーボネート前駆体を反応器へ連続的又は断続的に供給し、反応液の温度を40℃以下に保ちながら、そこへ必要に応じて重合触媒水溶液を添加して反応させる方法が好ましい。
こうして得られるポリカーボネートオリゴマーの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは500〜3,000、より好ましくは700〜2,000、さらに好ましくは800〜1,500である。
工程(a−1)で得られた反応混合液は、水相と非水溶性有機溶媒相とに分離し、ポリカーボネートオリゴマーを含有する非水溶性有機溶媒相は、工程(a−2)に利用される。一方、水相にもポリカーボネートオリゴマーや二価フェノール系化合物が混入していることがある。そこで、水相については、非水溶性有機溶媒でそれらの有機物を抽出し、得られた抽出液を工程(a−2)で使用する非水溶性有機溶媒の一部又は全部として利用することが好ましい。抽出操作は、該水相を後述する工程(C)における酸性水溶液による洗浄後に分離して得られる水相と混合して行うことが好ましい。なお、本明細書では、このように水相を非水溶性有機溶媒で抽出する操作を、排水処理と称することがある。
(工程(a−2))
工程(a−2)は、前記二価フェノール系化合物と、工程(a−1)で得たポリカーボネートオリゴマーと、前記一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンとを、アルカリ性化合物水溶液及び非水溶性有機溶媒の存在下に重合して得られた重合反応液を、連続的又は断続的に反応器から抜き取る工程である。必要に応じて、重合触媒の存在下に反応させることもでき、また、そうすることが好ましい。
工程(a−2)における重合反応の実施形態に特に制限は無く、公知の方法を採用できるが、例えば、未反応のポリオルガノシロキサン量(POS量;特に、ポリジメチルシロキサン量の場合はPDMS量と称する。)を極力少なくする観点から、以下のように予備重合工程と本重合工程とに分けることが好ましい。
(予備重合工程)
前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネートオリゴマー及び非水溶性有機溶媒、前記一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサン、非水溶性有機溶媒、及びアルカリ性化合物水溶液を連続的又は断続的に供給して反応させる工程である。必要に応じて、重合触媒の存在下に反応させることもでき、また、そうすることが好ましい。
本工程では、前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネートオリゴマー及び非水溶性有機溶媒と、前記一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンとを供給して混合し、その後、必要に応じて重合触媒を供給し、次いでアルカリ性化合物水溶液を供給して混合する操作手順が好ましい。
(本重合工程)
予備重合工程で得られた予備重合液を25℃以下に冷却してから、そこへ前記一般式(1)で表される二価フェノール系化合物のアルカリ性化合物水溶液、及び分子量調節剤を連続的又は断続的に供給して混合して本重合を行ない、得られた重合反応液を連続的又は断続的に反応器から抜き取る工程である。必要に応じて、重合触媒の存在下に本重合させることもでき、また、そうすることが好ましい。
予備重合工程において、ポリオルガノシロキサン及びポリオルガノシロキサンと混合する際のポリカーボネートオリゴマーを、それぞれ非水溶性有機溶媒に溶解又は混合しておくことが好ましい。その場合、ポリオルガノシロキサンの濃度は、好ましくは10〜30質量%、より好ましくは15〜25質量%である。ポリカーボネートオリゴマー溶液は、固形分濃度を、好ましくは300g/L以下、より好ましくは170〜250g/L、さらに好ましくは180〜240g/Lにしておく。こうすることで、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の透明性を高くすることができる。これは、ポリオルガノシロキサンとポリカーボネートオリゴマーは相溶性が低いため、ポリオルガノシロキサン濃度やポリカーボネートオリゴマー濃度(固形分濃度)が高すぎると、ポリオルガノシロキサンは分散状態でポリカーボネートオリゴマー中に存在する傾向にあり、ポリオルガノシロキサン濃度を10〜30質量%、ポリカーボネートオリゴマー濃度を300g/L以下にすることで、ポリオルガノシロキサンをポリカーボネートオリゴマー溶液にすばやく十分に溶解させ易くなるため、重合反応の均一性が向上し、結果として透明性に優れたポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体が得られる傾向にある。
前記ポリカーボネートオリゴマーの供給速度と前記ポリオルガノシロキサンの供給速度との供給比率[ポリカーボネートオリゴマー:ポリオルガノシロキサン]は、製造するPC−POSの組成を考慮して適宜設定すればよい。
予備重合工程において、重合触媒は、反応の均一性を向上させ、得られるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の透明性を高める観点から、非水溶性有機溶媒の溶液として用いることが好ましい。該非水溶性有機溶媒としては、前述と同じものが挙げられ、それらの中でも、重合触媒の分散性向上の観点から、塩化メチレンが好ましい。重合触媒溶液における重合触媒の濃度としては、好ましくは0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
予備重合工程において、アルカリ性化合物は、アルカリ性化合物水溶液として使用することが好ましい。また、その場合、アルカリ性化合物水溶液の濃度(アルカリ濃度)を2〜15質量%とすることが好ましい。予備重合の際、アルカリ性化合物は、(1)ポリカーボネートオリゴマーとポリオルガノシロキサンとの反応、(2)ポリカーボネートオリゴマーのクロロホルメート基と水酸基との反応、(3)ポリカーボネートオリゴマーのクロロホルメート基の分解反応の3つの反応にて消費される。供給するアルカリ性化合物水溶液のアルカリ濃度が15質量%以下であれば、反応速度面から前記(3)の反応の進行を抑制でき、未反応のポリオルガノシロキサン量の増加を抑制できる。予備重合時に供給するアルカリ性化合物水溶液のアルカリ濃度は、ポリオルガノシロキサンの反応効率及びポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の透明性の観点から、好ましくは3〜15質量%、より好ましくは3〜12質量%である。
なお、予備重合は界面重合反応によって実施される。通常、界面重合反応の場合、連続相を水相とする場合と非水溶性有機溶媒相とする場合の2通りがあるが、透明性に優れたPC−POSを得るには、非水溶性有機溶媒相を連続相とするのが好ましい。透明性を発現するためにはポリオルガノシロキサンとポリカーボネートオリゴマーとの反応の均一性を高めるために、ポリオルガノシロキサン及びポリカーボネートオリゴマーはいずれも非水溶性有機溶媒相に存在するため、非水溶性有機溶媒相を連続相として撹拌することで、両者の均一性を高めることができる。
本重合工程では、予備重合工程で得られた予備重合液を一旦25℃以下(好ましくは15〜20℃程度)に冷却するのが好ましい。その後、前記一般式(1)で表される二価フェノール系化合物のアルカリ性化合物水溶液、及び分子量調節剤(末端停止剤)、そして必要に応じて重合触媒を連続的又は断続的に供給して混合し、本重合を行う。
アルカリ性化合物、分子量調節剤(末端停止剤)及び重合触媒については、前述したものと同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。なお、分子量調節剤は、非水溶性有機溶媒に溶解して、濃度を好ましくは2〜20質量%、より好ましくは4〜15質量%、さらに好ましくは4〜12質量%にして用いることが好ましい。該非水溶性有機溶媒としては、前述同様のものが挙げられ、それらの中でも、塩化メチレンが好ましい。
こうして得られた重合反応液を、連続的又は断続的に反応器から抜き取り、工程(B)へ移行する。
(工程(B))
工程(B)は、工程(A)で抜き取った重合反応液(但し、工程(A)が工程(a−1)及び工程(a−2)からなる場合は、工程(a−2)後に抜き取った重合反応液を指す。)を水相と非水溶性有機溶媒相とに分離する工程である。分離する方法に特に制限は無く、静置分離でもよいが、水相と非水溶性有機溶媒相との分離状態を良好にする観点から、遠心分離を行なうことが好ましい。遠心分離条件に特に制限は無いが、通常、回転速度は1000〜3000rpm程度であることが好ましい。
上記分離後に得られた非水溶性有機溶媒相は、微量の二価フェノール性化合物を含有していることが多いため、該非水溶性有機溶媒相をアルカリ水溶液で洗浄(以下、アルカリ洗浄と称することがある。)することが好ましい。アルカリ水溶液に用いるアルカリ性化合物は、工程(A)にて使用したものと同じものが挙げられ、同じものを使用することが好ましい。アルカリ水溶液で洗浄した後、水相と非水溶性有機溶媒相とに分離する。この際も、分離する方法に特に制限は無く、静置分離でもよいが、水相と非水溶性有機溶媒相との分離状態を良好にする観点から、前記回転速度にて遠心分離を行なうことが好ましい。洗浄に使用するアルカリ水溶液の量に特に制限は無いが、洗浄効果と排水発生量低減の観点から、全液体中の5〜40体積%程度であることが好ましく、より好ましくは5〜30体積%、さらに好ましくは10〜20体積%である。40体積%以下であれば、連続相が有機相から水相に転換せず、有機相からの抽出効率を高く維持することができる。
工程(B)で得られた水相には、二価フェノール性化合物やアルカリ性化合物が含まれているため、製造コストの観点から、該水相を工程(A)、特に前記工程(a−1)に再利用することが好ましい。
(工程(C))
工程(C)は、工程(B)で分離した非水溶性有機溶媒相を酸性水溶液で洗浄(以下、酸洗浄と称することがある。)した後、水相と非水溶性有機溶媒相とに分離する工程である。該酸洗浄によって、工程(B)で分離した非水溶性有機溶媒相に含まれることのある重合触媒や微量のアルカリ性化合物を除去することができる。なお、分離する方法に特に制限は無く、静置分離でよい。酸性水溶液の調製に用いる酸としては、例えば塩酸、リン酸等が挙げられ、塩酸が好ましいが、特にこれらに制限されるものではない。
上記分離によって得られる非水溶性有機溶媒相には、洗浄で用いた酸や無機物が含まれる傾向にあるため、1回以上水によって洗浄(以下、水洗と称することがある。)することが好ましい。ここで、非水溶性有機溶媒相の清浄度は、洗浄後の水相の電気伝導度により評価できる。目標とする電気伝導度は、好ましくは1mS/m以下、より好ましくは0.5mS/m以下である。水で洗浄した後、水相と非水溶性有機溶媒相とに分離する。この際も、分離する方法に特に制限は無く、静置分離でよい。
工程(C)で分離した水相(水洗後の水相も含む。)には、PC−POSや場合によっては重合触媒等が含まれているため、非水溶性有機溶媒にてこれを抽出し、抽出液の一部又は全部を、適宜、二酸化炭素除去のための脱揮工程や蒸留精製工程を経てから、工程(A)、特に前記工程(a−2)に再利用する。脱揮工程については、特開2005−60599号公報に記載の方法を採用できる。抽出に用いた非水溶性有機溶媒を再利用する際、通常、非水溶性有機溶媒を送液ポンプで輸送することになるため、該送液ポンプでのキャビテーションの発生等を抑制する観点及び脱揮操作を安定的に実施する観点から、非水溶性有機溶媒中のPC−POS濃度を一定値以下にしておくことが好ましく、そのためには非水溶性有機溶媒にて抽出される前の水相中のPC−POS濃度を一定値以下にする必要がある。つまり、本工程(C)では、酸洗浄後に得られる水相と、水洗後に得られる水相とを合わせた水相において、PC−POS濃度を2質量%以下とする必要があり、1.5質量%以下とすることが好ましく、1質量%以下とすることがより好ましい。また、酸洗浄後に得られる水相、水洗後に得られる水相それぞれにおいて、水相中のPC−POS濃度を2質量%以下とすることが好ましく、1.5質量%以下とすることがより好ましく、1質量%以下とすることがさらに好ましい。
さらに、本発明では、前記工程(a−1)で得られる反応混合液を水相と非水溶性有機溶媒相とに分離し、得られた水相を本工程(C)において酸性水溶液で洗浄した後に分離して得られる水相と混合したときの水相中のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の含有量が2質量%以下(好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1質量%以下)になるように制御し、かつ混合した水相を非水溶性有機溶媒で抽出して得られる抽出液の一部又は全部を工程(A)に再利用することが好ましい。
詳細な理由は不明であるが、本発明者らによる観察の結果、洗浄工程にてPC−POSを含む非水溶性有機溶媒と洗浄水とを攪拌した際に非水溶性有機溶媒相がガスを巻込み、そのガスを巻込んだ非水溶性有機溶媒相が、静置分離の際にガスを同伴して水相中を浮上して水相中に滞留し易い状態となると推定され、それにより、水相中のPC−POS濃度が高くなり、ひいては抽出に用いた非水溶性有機溶媒中のPC−POS濃度が高くなることがわかった。当該現象はPC−POSに特有のものであり、通常のポリカーボネート系樹脂(一般式(I)で表される繰り返し単位を有し、一般式(II)で表される構成単位を有さないポリカーボネート樹脂)では起こらない現象である。例えば、洗浄を行なう際の洗浄温度を37℃以下(好ましくは36℃以下、より好ましくは34℃以下、より好ましくは30℃以下、さらに好ましくは29℃以下、特に好ましくは28℃以下)に維持することで、当該現象を低減し、工程(C)で得られる水相中のPC−POS濃度を前記好ましい範囲に制御することが容易となり、その結果、非水溶性有機溶媒中のPC−POS濃度を前記所定値以下とすることが容易となる。撹拌熱や機器や配管への日射による輻射熱の影響もあるため、必要に応じて、上記所定値以下になるように冷却する。また、日射を遮ることも有効である。洗浄温度の下限値は、通常5℃程度(好ましくは10℃)である。なお、PC−POS以外の通常のポリカーボネート樹脂(一般式(I)で表される繰り返し単位を有し、一般式(II)で表される構成単位を有さないポリカーボネート樹脂)の場合、洗浄温度が高い方が水相と非水溶性有機溶媒相との分離速度が速くなるために好ましく、通常は、非水溶性有機溶媒として用いられる塩化メチレンの沸点40℃を超えない範囲で高い温度とすることが好ましい点で本発明とは異なる。
その他に、再利用する非水溶性有機溶媒中のPC−POS濃度を前記所定値以下とするためには、静置分離槽内に分離板を設ける方法や、遠心分離、膜分離等の方法をとり、分離される水相中のPC−POS濃度を低減しておくことも有効である。
工程(C)を経た非水溶性有機溶媒相を濃縮し[濃縮工程]、粉砕し[粉砕工程]、乾燥する[乾燥工程]ことによって、又はさらに造粒する[造粒工程]ことによって、PC−POSを得ることができる。濃縮工程にて除去された非水溶性有機溶媒は、工程(A)に再利用したり、洗浄工程において分離された水相からPC−POS等の有機物を抽出する溶媒として再利用することが好ましい。乾燥工程では、通常、減圧下に80〜160℃程度で乾燥させることが好ましい。
なお、本明細書中、好ましいと記載したものは、それぞれ任意に組み合わせることができ、好ましいと記載したもの同士の組み合わせはより好ましいと言える。
本発明の実施例をさらに説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。ここで、各例において、ポリジメチルシロキサン(PDMS)残基の量、粘度数、粘度平均分子量(Mv)、未反応PDMS量、及びPDMSの反応率は、以下の方法によって求めた。
なお、下記実施例では、便宜上、バッチ方式での製造によって本発明の効果を確認する手段をとった。
(1.ポリジメチルシロキサン(PDMS)残基の量)
NMR測定によって、PDMSのメチル基のプロトンに着目して求めた。
(2.粘度数)
ISO1628−4(1999)に準拠して粘度数を測定した。
(3.粘度平均分子量(Mv)の測定方法)
ウベローデ型粘度管にて、20℃における塩化メチレン溶液の極限粘度〔η〕を測定し、次の関係式(Schnellの式)より計算した。
〔η〕=1.23×10-5×Mv0.83
(4.未反応PDMS量の算出方法)
(i)各例で得られたポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体6gを塩化メチレン50mlに溶解した溶液に、アセトン50ml及びn−ヘキサン150mlを添加して混合した後、30分間静置した。
(ii)濾紙(No.5A)を用いて吸引ろ過によりろ液を回収し、回収したろ液を濃縮乾固し、得られた乾固物の重量を測定した。得られた乾固物を重クロロホルムに溶解し、1H−NMR測定を行なった。未反応のフェノール変性ポリジメチルシロキサンの水酸基のオルト位のプロトン(δ6.7ppm)の積分値x、メチレン鎖に帰属されるプロトン(δ0.6ppm)の積分値yから、下記式により、未反応PDMSの割合z(%)を算出した。
z=2×x÷y×100
(iii)一方、ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体にフェノール変性ポリジメチルシロキサンを150〜2,000ppm添加した標準試料を別途用意し、上記同様の操作を行なうことで、zと未反応PDMS量(ppm,=フェノール変性ポリジメチルシロキサン添加量)との関係式を求めた。
前記(ii)で求めたzと前記(iii)で求めた関係式から、未反応PDMS量(ppm)を算出した。
(5.PDMSの反応率)
下記計算式に従ってPDMSの反応率を算出した。
PDMSの反応率(質量%)=(1−未反応PDMS量(質量%)÷PDMS残基の量(質量%))×100
<合成例1>ポリカーボネートオリゴマー溶液の製造(工程(A)−工程(a−1))
5.6質量%水酸化ナトリウム水溶液に、後から溶解するビスフェノールAに対して2000質量ppmの亜二チオン酸ナトリウムを加え、これにビスフェノールA濃度が13.5質量%になるようにビスフェノールAを溶解し、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。
このビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液40L/hr、塩化メチレン15L/hrの流量で、ホスゲンを4.0kg/hrの流量で、内径6mm、管長30mの管型反応器に連続的に通した。管型反応器はジャケット部分を有しており、ジャケットに冷却水を通して反応液の温度を40℃以下に保った。
管型反応器を出た反応液は、後退翼を備えた内容積40Lのバッフル付き槽型反応器へ連続的に導入され、ここにさらにビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液2.8L/hr、25質量%水酸化ナトリウム水溶液0.07L/hr、水17L/hr、1質量%トリエチルアミン水溶液を0.64L/hrの流量で添加して反応を行なった。槽型反応器から溢れ出る反応液を連続的に抜き出し、静置することで水相を分離除去し、塩化メチレン相を採取した。
このようにして得られたポリカーボネートオリゴマー溶液(塩化メチレン溶液)は、濃度318g/L、クロロホーメート基濃度0.75mol/Lであった。また、ポリカーボネートオリゴマーの重量平均分子量(Mw)は、1,190であった。
なお、重量平均分子量(Mw)は、展開溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を用い、GPC〔カラム:TOSOH TSK−GEL MULTIPORE HXL−M(2本)+Shodex KF801(1本)、温度40℃、流速1.0ml/分、検出器:RI〕にて、標準ポリスチレン換算分子量(重量平均分子量:Mw)として測定した。
<実施例1、6、7及び比較例1>PC−PDMS−1の製造
(工程(A)−工程(a−2))
邪魔板、パドル型撹拌翼を備えた内容積1Lの槽型反応器に、合成例1で製造したポリカーボネートオリゴマー(PCO)溶液377mL、塩化メチレン(MC)222mL、ジメチルシロキサン単位の繰返し数nが40であるアリルフェノール末端変性ポリジメチルシロキサン(PDMS−1)9.87g及びトリエチルアミン220μLを仕込み、撹拌しながら6.4質量%水酸化ナトリウム水溶液35.4gを加え、10分間、ポリカーボネートオリゴマーとアリルフェノール末端変性PDMSとの反応(予備重合)を行った。
得られた重合液に、p−t−ブチルフェノール(PTBP)の塩化メチレン溶液(PTBP3.49gを塩化メチレン20mLに溶解したもの。)及びビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム14.7gと亜二チオン酸ナトリウム58mgを水215mLに溶解した水溶液に、ビスフェノールA29.0gを溶解させたもの。)を添加し、50分間重合反応(本重合)を行った。
(工程(B):分離工程、アルカリ洗浄工程)
工程(A)で得られた重合液に塩化メチレン120mlを加えて希釈してから10分間攪拌した後、ポリカーボネートを含む塩化メチレン相と過剰のビスフェノールA及び水酸化ナトリウムを含む水相とに遠心分離し、塩化メチレン相を単離した。
次いで、重合反応に使用したものと同じ槽型反応器に、単離した塩化メチレン相720mlに0.03mol/L水酸化ナトリウム水溶液127mlを加え、500rpmで10分間攪拌した後、ポリカーボネートを含む塩化メチレン相と水相とに遠心分離し、塩化メチレン相を単離した。
(工程(C):酸洗浄工程、水洗工程)
単離した塩化メチレン相700mlと、0.2mol/L塩酸124mlとをそれぞれ表1に示す温度に調整した。
重合反応に使用したものと同じ槽型反応器に両液を入れ、表1に示す温度に保持しながら、500rpmで10分間攪拌した後、攪拌を停止し、20分間静置した後、水相上面に浮遊した塩化メチレン相を含有した水相(1)を回収し、該水相(1)中のポリマー濃度を測定した。結果を表1に示す。
水相上面に浮遊した有機相と水相を除去した後に残った塩化メチレン相650ml、純水115mlをそれぞれ表1に示す温度に調整後、同様の1L槽型反応器に温度調整した両液を入れ、表1に示す温度を保持しながら、500rpmで10分間攪拌した後、攪拌を停止し、20分間静置後、水相上面に浮遊した塩化メチレン相を含有した水相(2)を回収し、該水相(2)中のポリマー濃度を測定した。結果を表1に示す。
なお、比較例1の場合には、塩化メチレン相と水相は分離しながらも、水相上面には塩化メチレン相の一部が浮上する割合が多いことが確認された。
(排水処理)
邪魔板、パドル型攪拌翼を備えた1L攪拌槽に、前記水相(1)及び水相(2)の両排水を準備した。そこに、工程(A)で使用する量に相当する塩化メチレン222mlを加え、240rpmで10分間攪拌した後、攪拌を停止した。60分間静置分離した後、塩化メチレン相を単離した。単離した塩化メチレン相(3)中のPC−PDMS濃度を測定した。結果を表1に示す。
(PC−PDMSの回収)
ポリマー性状を確認するために、洗浄後の水相中の電気伝導度が0.1mS/m以下になるまで、水相上面に浮遊した塩化メチレン相と水相を除去した後に残った塩化メチレン相を、その溶液に対して15体積%の水で洗浄した。洗浄により得られたPC−PDMSの塩化メチレン溶液を濃縮及び粉砕し、得られたフレークを減圧下に120℃で乾燥した。
上記のようにして得られたポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体(PC−PDMS−1)は、ポリジメチルシロキサン残基の量が6.3質量%、粘度数が47.0であり、粘度平均分子量(Mv)は17,500であった。また、未反応のPDMS−1の量は150ppm以下であり、PDMS−1の反応率は99.5%以上であった。
<実施例2>PC−PDMS−2の製造
実施例1において、ジメチルシロキシ単位の繰返し数が40である2−アリルフェノール末端変性PDMS(PDMS−1)の使用量を5.76gとした以外は同様に操作を行ない、ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体(PC−PDMS−2)の製造を行った。
得られたポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体(PC−PDMS−2)は、ポリジメチルシロキサン残基の量が3.5質量%、粘度数が47.5であり、粘度平均分子量(Mv)は17,700であった。また、未反応のPDMS−1の量は150ppm以下であり、PDMS−1の反応率は99.5%以上であった。
<比較例2>PC−PDMS−2の製造
実施例2において、酸洗浄温度及び水洗温度を表1に記載の温度に変更した以外は同様に操作を行ない、ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体(PC−PDMS−2)の製造を行った。
得られたPC−PDMS−2は、ポリジメチルシロキサン残基の量が3.5質量%、粘度数が47.5であり、粘度平均分子量(Mv)は17,700であった。また、未反応のPDMS−1の量は150ppm以下であり、PDMS−1の反応率は99.5%以上であった。
なお、比較例2の洗浄工程では、塩化メチレン相と水相は分離しながらも、水相上面には塩化メチレン相の一部が浮上する割合が多いことが確認された。
<実施例3>PC−PDMS−3の製造
実施例1において、ジメチルシロキシ単位の繰返し数が40である2−アリルフェノール末端変性PDMS(PDMS−1)の代わりにジメチルシロキシ単位の繰返し数が50である2−アリルフェノール末端変性PDMS(PDMS−2)を使用した以外は同様に操作を行ない、ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体(PC−PDMS−3)の製造を行なった。
得られたPC−PDMS−3は、ポリジメチルシロキサン残基の量が6.1質量%、粘度数が47.3であり、粘度平均分子量(Mv)は17,600であった。また、未反応のPDMS−1の量は150ppm以下であり、PDMS−1の反応率は99.5%以上であった。
<実施例4>PC−PDMS−4の製造
実施例1において、ジメチルシロキシ単位の繰返し数が40である2−アリルフェノール末端変性PDMS(PDMS−1)の代わりにジメチルシロキシ単位の繰返し数が30である2−アリルフェノール末端変性PDMS(PDMS−3)を使用した以外は同様にしてポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体(PDMS−PC−4)の重合工程、洗浄工程、ポリマー回収工程を実施した。
得られたPC−PDMS−4は、ポリジメチルシロキサン残基の量が6.0質量%、粘度数が47.5であり、粘度平均分子量(Mv)は17,700であった。また、未反応のPDMS−1の量は150ppm以下であり、PDMS−1の反応率は99.5%以上であった。
<比較例3>PC−PDMS−4の製造
実施例4において、酸洗浄温度及び水洗温度を表1に記載の温度に変更した以外は同様に操作を行ない、ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体(PC−PDMS−4)の重合工程、洗浄工程、ポリマー回収工程を実施した。
なお、比較例3の洗浄工程では、塩化メチレン相と水相は分離しながらも、水相上面には塩化メチレン相の一部が浮上し易いことが確認された。
得られたPC−PDMS−4は、ポリジメチルシロキサン残基の量が6.0質量%、粘度数が47.5であり、粘度平均分子量(Mv)は17,700であった。また、未反応のPDMS−1の量は150ppm以下であり、PDMS−1の反応率は99.5%以上であった。
<実施例5>PC−PDMS−5の製造
実施例1において、p−t−ブチルフェノール(PTBP)の使用量を3.49gから3.03gに変えた以外は同様に操作を行ない、ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体(PC−PDMS−5)の製造を行なった。
得られたPC−PDMS−5は、ポリジメチルシロキサン残基の量が6.0質量%、粘度数が51.6であり、粘度平均分子量(Mv)は19,500であった。また、未反応のPDMS−1の量は150ppm以下であり、PDMS−1の反応率は99.5%以上であった。
<参考例1>BPA−PCの製造
邪魔板、パドル型攪拌翼を備えた内容積1Lの槽型反応器に、合成例1で製造したポリカーボネートオリゴマー溶液377mL、塩化メチレン222mL、p−t−ブチルフェノール(PTBP)3.49g及びトリエチルアミン40μLを仕込み、攪拌下でここに、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液[水酸化ナトリウム15.8gと亜二チオン酸ナトリウム58mgを水232mLに溶解した水溶液にビスフェノールA29.0gを溶解させたもの]を添加し、50分間重合反応を実施した。
以降の工程は実施例1と同様に実施し、ビスフェノールAを用いたポリカーボネート系樹脂(BPA−PC)を製造した。
表1中の注釈について以下に説明する。
*1:Mv=17,500のPC−PDMS(n=40、PDMS残基の量=6.3質量%)
*2:Mv=17,700のPC−PDMS(n=40、PDMS残基の量=3.5質量%)
*3:Mv=17,600のPC−PDMS(n=50、PDMS残基の量=6.1質量%)
*4:Mv=17,700のPC−PDMS(n=30、PDMS残基の量=6.0質量%)
*5:Mv=19,500のPC−PDMS(n=40、PDMS残基の量=6.0質量%)
*6:Mv=17,700のBPA−PC
*7:酸洗浄温度と水洗温度は同じである。
*8:0.01質量%未満
<試験例1〜7、比較試験例1〜3、参考試験例1>排水処理で発生した塩化メチレン相(3)の工程(A)への再利用
前記各例の排水処理で発生した塩化メチレン相(3)を工程(A)に再利用することを想定し、以下の検証実験を行なった。該検証実験では、脱揮塔の運転安定性、脱揮塔から重合工程への連続的な塩化メチレンの供給安定性について、下記評価基準に従って評価を行った。
良:丸底フラスコ内の塩化メチレンが透明であり、泡立ちも起こらず、フラスコ内から塩化メチレンを安定して抜き出せた。
不良:時間の経過と共に塩化メチレン中にガスを噛み込んで白濁していき、フラスコ内からの塩化メチレンの安定抜き出しが困難となった。
なお、検証実験には比較的多量の塩化メチレン相(3)を必要とするため、以下のモデル液(4)を調製して行なった。
(モデル液(4)の調製)
前記ポリマー回収で得た各PC−PDMSを塩化メチレンに溶解した。調製時の配合量とPC−PDMS濃度は表2に示す通りである。なお、参考試験例1では、塩化メチレン中のBPA−PC濃度を意図的に高く設定した。
(検証実験)
図1のような装置を準備して検証実験を行なった。充填塔は、内径30mm、充填層の高さ1070mmであり、充填物には直径3mmの「ディクソンパッキン SUS304」(竹中金網株式会社製)を用いた。
調製したモデル液(4)を、20℃、常圧、18L/hrの条件で、充填塔に上部から供給した。充填塔の下部から窒素ガスを1.7NL/minの流量で供給し、塩化メチレンと向流接触させた。充填塔下部には、あらかじめ塩化メチレンを入れておいた丸底フラスコを設置しておき、液レベルが一定になるように塩化メチレンを日本精密科学株式会社製「ダイアフラムポンプNP−GX−400U」で連続的に塩化メチレンを抜出した。
実施例1〜7及び参考例1に相当するモデル液(4)を用いた時(試験例1〜7及び参考試験例1)は、いずれも丸底フラスコ内の塩化メチレンは透明であるとともに、泡立ち等も起こらなかった。また、抜出し流量は18L/hr程度で安定していた。
一方、比較例1〜3に相当するモデル液(4)を用いた時(比較試験例1〜3)は、時間の経過とともに、丸底フラスコ内の液面上部に泡立ちが発生するとともに、塩化メチレン中にガスを噛み込んで白濁し始めた。その後、抜出し流量が18L/hrから4L/hr程度まで急低下して丸底フラスコ内の液レベルは上昇し始め、フラスコ内の塩化メチレンの安定抜き出しが困難となり、実験を中止した。抜き出し流量の低下は、ポンプ内にガスが噛み込み、チェッキ弁が作動不良になったためと考察した。
なお、参考試験例1が示すように、BPA−PCの場合にはPC−PDMSの場合のようなポリマー濃度の影響が無かった。
本発明により得られるポリオルガノシロキサン−ポリカーボネート共重合体は、電気・電子機器分野、自動車分野等様々な分野において幅広く利用が期待されている。特に、携帯電話、モバイルパソコン、デジタルカメラ、ビデオカメラ、電動工具などの筐体の材料、その他の日用品の材料などとしても利用可能である。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される二価フェノール系化合物、カーボネート前駆体及び下記一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンを、アルカリ性化合物水溶液及び非水溶性有機溶媒の存在下に重合して得られた重合反応液を、連続的又は断続的に反応器から抜き取る工程(A)、
    工程(A)で抜き取った重合反応液を水相と非水溶性有機溶媒相とに分離する工程(B)
    工程(B)で分離した非水溶性有機溶媒相を酸性水溶液で洗浄した後、水相と非水溶性有機溶媒相とに分離する工程(C)、及び
    工程(C)で分離した水相を非水溶性有機溶媒で抽出する工程、
    を有するポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の連続的な製造方法であって、
    工程(C)で分離した水相中のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の含有量が2質量%以下であり、かつ工程(C)で分離した水相を非水溶性有機溶媒で抽出して得られる抽出液の一部又は全部を工程(A)に再利用する、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の連続的な製造方法。

    [式中、R及びRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。Xは単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO−、−O−又は−CO−を示す。a及びbは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。]

    [式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。Yは、単結合、脂肪族又は芳香族を含む有機残基を示す。nは平均繰り返し数である。Zは、ハロゲン原子、−ROH、−R−Z'−R−OH、−RCOOH、−RNH、−COOH又は−SHを示し、前記Rは、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、又は置換もしくは無置換のアリーレン基を示す。前記Rは、環形成炭素数6〜12のアリーレン基を示し、前記Z'は、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基、炭素数5〜10のシクロアルキリデン基を示す。mは、0又は1を示す。]
  2. 工程(B)において、分離した非水溶性有機溶媒相をさらにアルカリ水溶液で洗浄した後、水相と非水溶性有機溶媒相とに分離する、請求項1に記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の連続的な製造方法。
  3. 工程(C)において、分離した非水溶性有機溶媒相をさらに水で洗浄した後、水相と非水溶性有機溶媒相とに分離し、工程(C)で分離した水相を合わせたときの水相中のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の含有量が2質量%以下になるように制御する、請求項1又は2に記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の連続的な製造方法。
  4. 工程(C)において、洗浄温度を37℃以下とする、請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の連続的な製造方法。
  5. 工程(A)が下記工程(a−1)及び工程(a−2)からなり、工程(a−1)で得られる反応混合液を水相と非水溶性有機溶媒相とに分離し、得られた水相を前記工程(C)において酸性水溶液で洗浄した後に分離して得られる水相と混合したときの水相中のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の含有量が2質量%以下であり、かつ混合した水相を非水溶性有機溶媒で抽出して得られる抽出液を工程(A)に再利用する、請求項1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の連続的な製造方法。
    工程(a−1):前記一般式(1)で表される二価フェノール系化合物とカーボネート前駆体とを、アルカリ性化合物水溶液及び非水溶性有機溶媒の存在下に反応させることによって下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネートオリゴマーを製造する工程。
    工程(a−2):前記二価フェノール系化合物と、工程(a−1)で得たポリカーボネートオリゴマーと、前記一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンとを、アルカリ性化合物水溶液及び非水溶性有機溶媒の存在下に重合して得られた重合反応液を、連続的又は断続的に反応器から抜き取る工程。

    (式中、R、R、X、a及びbは、前記定義の通りである。)
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