以下、コネクタの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、コネクタユニット100の構成について、図面を参照して説明する。図1に示すコネクタユニット100は、例えば、電流や電圧などの物理量を検出するセンサの電気ケーブルの終端部に接続されて、センサから出力された電気信号を測定装置等の電子機器に入力する際に用いられる器具であって、同図に示すように、コネクタ1と、コネクタ1が配設される筐体150とを備えて構成されている。
コネクタ1は、電子機器等に配設されている被連結コネクタとしてのBNC(Bayonet Neill Concelman )レセプタクル2(雌形コネクタ:以下単に「レセプタクル2」ともいう)に対する挿入および引き抜きによってレセプタクル2との連結および連結解除が可能に構成されている。この場合、レセプタクル2は、図8に示すように、円筒状に形成された被嵌合部21と、小径の円筒状に形成されて被嵌合部21の中央部に配設された被接続端子22とを備えて構成されている。また、被嵌合部21の外周面211における中心軸を挟んで対向する2つの位置(この例では、水平の位置)には、一対の突起部212が配設されている。
一方、コネクタ1は、図3,4に示すように、カバー10、第1嵌合部11、第2嵌合部12、規制部13a,13b(以下、区別しないときには「規制部13」ともいう)および回動機構14を備えて構成されている。
カバー10は、図4に示すように、先端部10aが円筒状に形成されると共に、基端部10bが直方体状に形成されて、第1嵌合部11、第2嵌合部12、規制部13a,13bおよび回動機構14を収容(取り付け)可能に構成されている。また、先端部10aには、レセプタクル2の被嵌合部21を挿入させるための開口部101aが形成された壁部101が設けられている。この場合、開口部101aには、被嵌合部21に配設されている突起部212を挿入させるための4つの切欠部101bが、先端部10aの中心軸(図示せず)を中心として互いに90°をなす位置(等間隔で離間する位置)に形成されている。また、基端部10bを構成する側壁102には、後述する回動機構14の押圧部42a,42b(図5,6参照)を支持するための支持孔102aが形成されている。
第1嵌合部11は、図4に示すように、筒状体111および端子112を備えて構成されている。筒状体111は、レセプタクル2の被嵌合部21の内側に嵌合(挿入)可能な円筒状に形成されている。端子112は、同図に示すように、先端部(同図における左側の端部)が円錐状をなす円柱状に形成されて、筒状体111の中央部に配設されている。この端子112は、コネクタ1とレセプタクル2との連結時においてレセプタクル2の被接続端子22に接続される。
第2嵌合部12は、嵌合部の一例であって、図4に示すように、第1嵌合部11の筒状体111よりも大径の円筒状に形成されて、図3に示すように、内側に第1嵌合部11の筒状体111が挿入された状態で(つまり、第1嵌合部11を取り囲むようにして)、カバー10の先端部10a内に収容されている。また、図4に示すように、第2嵌合部12の先端部(同図における左側の端部)には、4つの切込部121が形成されている。この場合、各切込部121は、中心軸X1を中心として互いに90°をなす位置(等間隔で離間する位置)に形成されており、第2嵌合部12がカバー10の先端部10a内に配設されたときに、先端部10aの壁部101に形成されている4つの切欠部101bに各切込部121がそれぞれ対向する。
また、切込部121は、レセプタクル2の被嵌合部21に配設されている突起部212の挿入を可能とするために、突起部212の直径よりも広い幅に形成されている。また、図4に示すように、第2嵌合部12の基端部(同図における右側の端部)には、カバー10の先端部10a側の内部に配設される際にカバー10の基端部10b側に係合させて第2嵌合部12を固定するための係合部122が配設されている。
規制部13a,13bは、図5に示すように、第2嵌合部12の中心軸X1を中心として回動可能に第2嵌合部12の外側にそれぞれ配設されている。なお、同図および後述する図6,9〜15,18では、発明の理解を容易とするため、カバー10を取り外した状態でコネクタ1を図示している。また、規制部13a,13bは、図4に示すように、円筒体の一部を切り取った形状にそれぞれ形成されて、図5,10,11,13に示すように、第2嵌合部12の外側に配設された状態において、いずれかの位置に隙間S1が生じる円筒体をなすように構成されている。
また、図4に示すように、各規制部13a,13bにおける先端部131(同図における左側の端部)の内周面132には、それぞれ2つ(コネクタ1全体としては、4つ)の閉塞部133が形成されている。この場合、閉塞部133は、同図に示すように、先端部131側に向かうほど幅が狭くなる(傾斜面133aを有する)三角柱状に構成されている。また、各規制部13a,13bの基端部(同図における右側の端部)には、後述する回動機構14の各押圧部42a,42bにおける腕部141cの先端部が係合する係合部134が形成されている。各規制部13a,13bは、第1位置P1に位置している状態(図5,9に示す状態)において第2嵌合部12の切込部121に対するレセプタクル2の突起部212の挿入および引き抜きを規制すると共に、第2位置P2に位置している状態(図13,14に示す状態)において切込部121に対する突起部212の挿入および引き抜きを許容する機能を有している。具体的には、各規制部13a,13bは、第1位置P1に位置している状態において、図9に示すように、第2嵌合部12の切込部121の先端部121a(同図における左側の端部)を閉塞部133によって閉塞し、第2位置P2に位置している状態において、図13に示すように、閉塞部133による切込部121の先端部121aの閉塞状態を解除する(先端部121aを開放する)。
回動機構14は、規制部13を第1位置P1と第2位置P2との間で回動させる機構であって、図4に示すように、ノブ41、押圧部42a,42b(以下、区別しないときには「押圧部42」ともいう)および一対のスプリング(コイルスプリング)43を備えて構成されている。ノブ41は、規制部13を回動させる操作を行う際に用いられる操作用のノブであって、第2嵌合部12の中心軸X1に沿う方向(図5に示す矢印A,Bの向き)に移動(スライド)可能に(移動操作(スライド操作)が可能に)カバー10における基端部10bの上部に配設されている(図3参照)。
また、図2に示すように、ノブ41は、筐体150を長さ方向に沿って切断した縦断面における上部の角部が直角(ほぼ直角)となる形状に形成されている。また、同図および図4に示すように、ノブ41の前面41a(操作の際に指先が当たる面)には、筋状の凹凸部41bで構成された滑り止めが設けられている。このコネクタ1では、このような形態のノブ41を採用することで、後述する取り外し操作の際に、ノブ41の前面41aに当接させた指先の滑り(ノブ41からの外れ)を防止することが可能となっている。
押圧部42は、図4,6に示すように、T字状に接合した3つの腕部141a,141b,141cを備えて構成されている。また、押圧部42の中央部(各腕部141a,141b,141cの接合部分)には、支持軸142が設けられている。また、腕部141bの先端部には、スプリング43を係合させるための係合用突起143が設けられている。また、押圧部42は、カバー10における基端部10bの側壁102に形成されている支持孔102aに支持軸142が挿入されることによって支持軸142を中心として回動可能にカバー10の基端部10b内に取り付けられている。
これらの押圧部42は、ノブ41に対して矢印Aの向き(図6参照)への移動操作がされたときに、腕部141aの先端部にノブ41が当接して、ノブ41の移動に伴って矢印Cの向き(同図参照)に回動(作動)する。また、押圧部42は、同図に示すように、矢印Dの向きに回動するように、腕部141bがスプリング43によって付勢されており、ノブ41に対する移動操作がされていない初期状態では(または、ノブ41に対して矢印Bの向きへの移動操作がされたときには)、スプリング43の付勢力によって矢印Dの向きに回動(作動)する。
また、押圧部42は、図6に示すように、腕部141cの先端部が規制部13の係合部134に係合しており、矢印Cの向きに回動したときに、腕部141cの先端部によって係合部134を矢印Eの向き(規制部13が第2位置P2に向かう第2の向き)に押圧して規制部13を矢印Eの向きに回動させる。また、押圧部42は、矢印Dの向きに回動したときに、腕部141cの先端部によって係合部134を矢印Fの向き(規制部13が第1位置P1に向かう第1の向き)に押圧して規制部13を矢印Fの向きに回動させる。
スプリング43は、付勢部の一例であって、押圧部42の腕部141bに設けられている係合用突起143が一端部に挿入された状態で係合用突起143に係合すると共に(図6参照)、他端部がカバー10の基端部10bに形成されている図外の係合部に係合した状態で基端部10bに収容されている。このスプリング43は、押圧部42が上記した第1の向き(同図に示す矢印Fの向き)に規制部13を押圧するように押圧部42を付勢する(同図における右向きに腕部141bを付勢する)。
筐体150は、図2,7に示すように、第1本体部151a、第2本体部151b(図2では図示を省略する)、天板152および基端部側部材153を備え、図2,7に示すように、先端部150aにコネクタ1を配設可能に構成されている。
第1本体部151aおよび第2本体部151bは、図7に示すように、筐体150の主要部分を構成する部材であって、互いに嵌合可能に構成されて、嵌合状態において(以下、嵌合状態の第1本体部151aおよび第2本体部151bを「本体部151」ともいう)、先端部(筐体150の先端部150a(図2も参照)に相当する)および上部(筐体150の上部150d(図2参照)に相当する)が開口する略直方体をなす形状に形成されている。天板152は、略矩形に形成されて本体部151の上部の開口部に嵌め込まれる。
基端部側部材153は、本体部151の基端部(筐体150の基端部150b(図2参照)に相当する)に取り付け可能に構成されている。また、基端部側部材153における後端部の上部の縁部(筐体150の基端部150bにおける上部150dの縁部であって、同図における右上の縁部)には、係合部154が形成されている。つまり、係合部154は、ノブ41の配置位置よりも筐体150の基端部150b側の位置に設けられている。この係合部154は、後述する取り外し操作の際に指先を係合させてコネクタユニット100を支持するのに用いられる。具体的には、この係合部154とコネクタ1における回動機構14のノブ41とに指先を1本ずつ係合させて挟持することで(図19参照)、ノブ41を移動させつつコネクタユニット100を支持することが可能となっている。
また、係合部154は、図2に示すように、筐体150を長さ方向に沿って切断した縦断面における上部150dの角部が鋭角となる形状に形成されて、上部150dに向かうに従って前方(同図における右側)に迫り出すように構成されている。また、係合部154の表面には、筋状の凹凸部155で構成された滑り止めが設けられている。このコネクタユニット100では、このような形態の係合部154を採用することで、取り外し操作の際に、係合部154に当接させた指先の滑り(係合部154からの外れ)を防止することが可能なため、指先のみによるコネクタユニット100の取り外し操作を容易に行うことが可能となっている。
次に、コネクタユニット100の使用方法(コネクタユニット100のコネクタ1とレセプタクル2との接続方法)について、図面を参照して説明する。
一例として、図8に示す電子機器600に取り付けられているレセプタクル2にコネクタユニット100のコネクタ1を連結する(コネクタユニット100をレセプタクル2に取り付ける)ときには、筐体150の基端部150bや中間部150cを掴み、図9に示すように、コネクタ1をレセプタクル2に近づける。次いで、コネクタ1におけるカバー10の先端部10aの壁部101に形成されている開口部101a(図4参照)とレセプタクル2の被嵌合部21の先端部とを対向させる。この際に、被嵌合部21に配設されている突起部212が開口部101aに形成されている切欠部101bに対向するようにレセプタクル2に対してコネクタ1を位置合わせする。
続いて、コネクタユニット100をレセプタクル2に向けて押しつけて、レセプタクル2における被嵌合部21の先端部をコネクタ1のカバー10の開口部101aに挿入させる。この際に、開口部101aに挿入された被嵌合部21の先端部が、コネクタ1の第2嵌合部12における先端部の内側に挿入される。つまり、第2嵌合部12の先端部が被嵌合部21の外側に嵌合する。また、これに伴って、コネクタ1の第1嵌合部11における筒状体111の先端部が、被嵌合部21の内側に嵌合(挿入)される。
次いで、コネクタユニット100をレセプタクル2に向けてさらに押しつける。この際に、被嵌合部21が第2嵌合部12内にさらに挿入され、被嵌合部21に配設されている突起部212が、カバー10の切欠部101bを通ってコネクタ1内に挿入される。ここで、このコネクタ1では、ノブ41に対する移動操作がされていないときには、規制部13が第1位置P1に位置しており、この状態では、切欠部101bに対向する第2嵌合部12の切込部121の先端部121aを規制部13の閉塞部133が閉塞している。このため、切欠部101bを通ってコネクタ1内に挿入された突起部212が、図10に示すように、閉塞部133の傾斜面133aに当接する。なお、同図および図11では、発明の理解を容易とするため、レセプタクル2における被嵌合部21の図示を省略して突起部212のみを図示している。
続いて、コネクタユニット100をレセプタクル2に向けてさらに押しつけたときには、図11,12に示すように、レセプタクル2の突起部212が、閉塞部133の傾斜面133aを押圧しつつコネクタ1規制部13の奥側に向かって挿入される。これにより、図12に示すように、回動機構14の押圧部42を介して矢印Fの向きに規制部13を付勢するスプリング43の付勢力に抗して、規制部13が矢印Eの向きに回動させられる。また、この規制部13の回動に伴い、規制部13の係合部134に腕部141cが係合している押圧部42が矢印Cの向きに回動させられる。
次いで、コネクタユニット100をレセプタクル2に向けてさらに押しつけたときには、図13に示すように、レセプタクル2の突起部212が、閉塞部133の傾斜面133aを押圧しつつコネクタ1規制部13の奥側にさらに挿入され、これにより、同図および図14に示すように、規制部13が第2位置P2に位置させられる。この状態では、図13に示すように、閉塞部133による切込部121の先端部121aの閉塞状態が解除されて、切込部121に対する突起部212の挿入が可能となる。このため、突起部212が切込部121に挿入されつつ被嵌合部21が第2嵌合部12内にさらに挿入される。続いて、図15に示すように、突起部212が切込部121における基端部側(奥側)の端部に当接した時点で、レセプタクル2に対するコネクタユニット100の押しつけを終了する。これにより、被嵌合部21の外側に第2嵌合部12が嵌合され、被嵌合部21の内側に第1嵌合部11の筒状体111が嵌合される。また、第1嵌合部11の端子112がレセプタクル2の被接続端子22に接続される。
また、突起部212が切込部121に挿入されたときには、閉塞部133の傾斜面133aに対する突起部212による押圧が解除される。このため、図15に示すように、スプリング43の付勢力によって押圧部42が矢印Dの向きに回動させられて、この押圧部42の回動に伴って規制部13が矢印Fの向きに回動させられる結果、規制部13が第1位置P1に位置する。この状態では、同図に示すように、切込部121の先端部121aが規制部13の閉塞部133によって閉塞されて、切込部121からの突起部212の引き抜きが規制される。これにより、コネクタ1とレセプタクル2とが連結された状態を維持する。
次に、コネクタユニット100(図16に示すコネクタユニット100a)をレセプタクル2から取り外すときには、次のようにして取り外し操作を行う。まず、筐体150の先端部150aに配設されているコネクタ1の回動機構14におけるノブ41の前面41a(図2参照)と、筐体150の基端部150bに設けられている係合部154(同図参照)とに指先を1本ずつ係合させる。一例として、ノブ41の前面41aに人差し指を係合させ、係合部154に親指を係合させる。次いで、図19に示すように、2本の指先(この例では、片手の2本の指先)でノブ41および係合部154を挟持する。この際に、ノブ41が図15に示す矢印Aの向きに移動する。なお、両手の指先を1本ずつ使ってノブ41および係合部154を挟持してもよい。
また、この際に、押圧部42の腕部141aの先端部がノブ41に当接して、ノブ41の移動に伴って押圧部42が図15に示す矢印Cの向きに回動させられる。また、この押圧部42の回動に伴い、押圧部42の腕部141cの先端部が規制部13の係合部134を矢印Eの向きに押圧する。これにより、規制部13が矢印Eの向きに回動させられて、図13に示すように、規制部13が第2位置P2に位置する。この状態では、同図に示すように、規制部13の閉塞部133による切込部121の先端部121aの閉塞状態が解除されて、切込部121からの突起部212の相対的な引き抜き、つまりレセプタクル2の相対的な引き抜きが可能となる。
次いで、2本の指先で支持しているコネクタユニット100(図16に示すコネクタユニット100a)を同図に示す矢印Aの向きに移動させて、コネクタユニット100をレセプタクル2から引き離す。この際に、被嵌合部21が突起部212と共にコネクタ1から相対的に引き抜かれ、これによってコネクタ1の端子112とレセプタクル2の被接続端子22との接続が解除されると共に、第1嵌合部11および第2嵌合部12と被接続端子22との嵌合状態が解除される。続いて、コネクタユニット100をレセプタクル2からさらに引き離す。
ここで、このコネクタユニット100では、筐体150の基端部150bに係合部154が設けられているため、ノブ41および係合部154にそれぞれ係合させた2本の指先だけでコネクタユニット100を支持することが可能となっている。このため、図16に示すように、並設された複数のレセプタクル2にコネクタユニット100のコネクタ1がそれぞれ連結され、取り外し対象のコネクタユニット100(例えば、同図に示すコネクタユニット100a)の両脇が他のコネクタユニット100によって挟まれていて、そのコネクタユニット100aの筐体150を掴むことが困難な場合においても、上記したように2本の指先でノブ41および係合部154を挟持することで、レセプタクル2とコネクタ1との連結を解除し、各指先で支持しているコネクタユニット100をレセプタクル2から引き離すことができる。このため、このコネクタユニット100では、コネクタ1をレセプタクル2に連結させた状態において筐体150に指先しか届かないような狭い場所におけるレセプタクル2からのコネクタユニット100の取り外しを容易に行うことが可能となっている。
また、このコネクタユニット100では、筐体150を長さ方向に沿って切断した縦断面における上部150dの角部が鋭角となる形状に係合部154が形成されている。この場合、断面の角部が直角または鈍角となる形状に係合部を形成した構成では、係合部に係合させている指先が滑りやすく挟持し難いため、指先のみによるコネクタユニット100の取り外し操作が困難となる。これに対して、このコネクタユニット100では、係合部154に係合させている指先にこの鋭角の角部が引っ掛かるため、指先の滑り(係合部からの指先の外れ)を防止することが可能な結果、指先のみによるコネクタユニット100の取り外し操作を容易に行うことが可能となっている。
また、このコネクタユニット100では、滑り止めとして機能する凹凸部155が係合部154に設けられているため、取り外し操作の際に、係合部154に当接させた指先の滑り(係合部154からの外れ)を防止することが可能となっている。
続いて、ノブ41および係合部154に対する挟持を緩めて、ノブ41に対する移動状態を解除する。この際に、スプリング43の付勢力により、図9に示すように、押圧部42が矢印Dの向きに回動させられて、この押圧部42の回動に伴って規制部13が矢印Fの向きに回動させられる結果、規制部13が第1位置P1に位置して初期状態に復帰する。
この場合、カバー10の先端部10aに4つの切欠部101bが等間隔で形成され、第2嵌合部12の先端部に4つの切込部121が等間隔で形成されている。このため、図17に示すように、2つの突起部212が垂直方向に沿って位置するように配設されたレセプタクル2とコネクタユニット100のコネクタ1とを連結する場合においても、図18に示すように、コネクタユニット100を回動(90°回動)させることなく、コネクタ1を上記したレセプタクル2との接続時の姿勢と同じ姿勢に維持して、コネクタユニット100をレセプタクル2に押しつけることで連結を行うことができる。
このように、このコネクタユニット100によれば、コネクタ1のノブ41の配置位置よりも筐体150の基端部150b側の位置に設けられて指先を係合可能な係合部154を備え、係合部154およびノブ41に指先をそれぞれ係合させて挟持したときにノブ41が移動しかつコネクタユニット100を支持可能に筐体150を構成したことにより、係合部154およびノブ41に係合させた2本の指先だけでコネクタユニット100を支持することができる。このため、このコネクタユニット100によれば、コネクタ1をレセプタクル2に連結させた状態において筐体150に指先しか届かないような狭い場所においても、2本の指先で係合部154およびノブ41を挟持することで、レセプタクル2とコネクタ1との連結を解除し、続いて、各指先で支持しているコネクタユニット100をレセプタクル2から引き離すことができる。したがって、このコネクタユニット100によれば、狭い場所におけるレセプタクル2からのコネクタユニット100の取り外しを容易に行うことができる。
また、このコネクタユニット100によれば、筐体150の基端部150bの縁部に係合部154を設けたことにより、基端部150bの縁部の形状を指先の係合が可能な形状とするだけでコネクタユニット100を支持する機能を筐体150に付加することができるため、例えば、筐体150の中間部150cに係合部154を設ける構成と比較して、筐体150を簡易な構成とすることができる
また、このコネクタユニット100では、断面の角部が鋭角となる形状に係合部154が形成されている。この場合、断面の角部が直角または鈍角となる形状に係合部を形成した構成では、係合部に係合させている指先が滑りやすく挟持し難いため、指先のみによるコネクタユニット100の取り外し操作が困難となる。これに対して、このコネクタユニット100によれば、係合部154に係合させている指先に鋭角の角部が引っ掛かるため、指先の滑り(係合部からの指先の外れ)を確実に防止することができる結果、指先のみによるコネクタユニット100の取り外し操作を容易に行うことがきる。
また、このコネクタユニット100によれば、係合部154に滑り止めとして機能する凹凸部155を設けたことにより、取り外し操作の際に、係合部154に当接させた指先の滑り(係合部154からの外れ)を防止することができるため、レセプタクル2からのコネクタユニット100の取り外しを確実に行うことができる。
また、このコネクタユニット100によれば、係合部154およびノブ41に片手の2本の指先をそれぞれ係合させて挟持可能な位置に係合部154を設けたことにより、片手の2本の指先だけでコネクタユニットを支持することができるため、狭い場所における被連結コネクタからのコネクタユニットの取り外しをさらに容易に行うことができる。
なお、コネクタの構成や使用方法は、上記の構成および方法に限定されない。例えば、筐体150を構成する基端部側部材153に係合部154を設けた例、つまり筐体150の基端部150bに係合部154を設けた例について上記したが、図20に示すコネクタユニット200のように、基端部以外の位置に係合部を設ける構成を採用することもできる。なお、以下の説明において、上記したコネクタユニット100と同じ構成要素については、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
このコネクタユニット200では、図20に示すように、筐体250の中間部250cに凹部250eが形成され、この凹部250eを構成する部材250fにおける筐体250の先端部250a側の縁部250gに係合部254が形成されている。この場合、係合部254は、同図に示すように、縦断面における上部の角部が鋭角となる形状に形成されて、上部に向かうに従って同図における右側に迫り出すように構成されている。また、係合部254には、滑り止めとして機能する筋状の凹凸部255が設けられている。この構成においても、係合部254およびノブ41に指先をそれぞれ係合させて挟持したときに、ノブ41が移動されてレセプタクル2とコネクタ1との連結が解除されたコネクタユニット200を2本の指先だけで支持することができる。このため、このコネクタユニット200においても、狭い場所におけるレセプタクル2からのコネクタユニット200の取り外しを容易に行うことができる。また、このコネクタユニット200によれば、コネクタユニット200(筐体250)の長さが、例えば2本の指(例えば、人差し指と親指)の指先の間隔よりも長い場合においても、係合部254およびノブ41に指先をそれぞれ係合可能な任意の位置に係合部254を設けることができる。
また、図21に示すコネクタユニット300を採用することもできる。このコネクタユニット300では、同図に示すように、上記したノブ41が、上記したコネクタユニット100におけるノブ41の配置位置と同様の位置に配置されている。また、このコネクタユニット300では、筐体350の基端部350bと中間部350cとの間に段部350eが設けられ、この段部350eの縁部350fに係合部354が設けられている。この場合、係合部354は、上記したコネクタユニット100の係合部154と同様にして、縦断面における上部の角部が鋭角となる形状に形成されて、上部に向かうに従って前方(同図における右側)に迫り出すように構成されている。また、係合部354には、滑り止めとして機能する筋状の凹凸部355が設けられている。この構成においても、上記したコネクタユニット100,200と同様の効果を実現することができる。
また、図22に示すコネクタユニット400を採用することもできる。このコネクタユニット400では、同図に示すように、ノブ41が、上記したコネクタユニット100におけるノブ41の配置位置よりも筐体450の基端部450b側の中間部450cに配置されている。また、筐体450における基端部450bの縁部450fには、係合部454が設けられている。この場合、係合部454は、上記したコネクタユニット100の係合部154と同様にして、縦断面における上部の角部が鋭角となる形状に形成されて、上部に向かうに従って前方(同図における右側)に迫り出すように構成されている。また、係合部454には、滑り止めとして機能する筋状の凹凸部455が設けられている。この構成においても、上記したコネクタユニット100〜300と同様の効果を実現することができる。
さらに、図23に示すコネクタユニット500を採用することもできる。このコネクタユニット500では、同図に示すように、上記したコネクタユニット400と同様にして、ノブ41が、筐体550の中間部550cに配置されている。また、上記したコネクタユニット300と同様にして、筐体550の基端部550bと中間部550cとの間に段部550eが設けられ、この段部550eの縁部550fに係合部554が形成されている。この場合、係合部554は、上記したコネクタユニット100の係合部154と同様にして、縦断面における上部の角部が鋭角となる形状に形成されて、上部に向かうに従って前方(同図における右側)に迫り出すように構成されている。また、係合部554には、滑り止めとして機能する筋状の凹凸部555が設けられている。この構成においても、上記したコネクタユニット100〜400と同様の効果を実現することができる。
また、滑り止めとして機能する筋状の凹凸部155(255,355,455,555)を係合部154(254,354,454,554)に設けた例について上記したが、平面視が円形、楕円形、多角形等の形状の凸部を係合部154(254,354,454,554)に設ける構成を採用することもできる。また、滑り止めとして機能するシボ加工を係合部154(254,354,454,554)の表面に施す構成を採用することもできる。
また、縦断面における上部の角部が鋭角となる形状に係合部154(254,354,454,554)を形成しかつ係合部154(254,354,454,554)に滑り止めを設けた構成例について上記したが、これらの一方だけを備えた係合部154(254,354,454,554)を採用することもできる。具体的には、縦断面における上部の角部が鋭角となる形状に係合部154(254,354,454,554)を形成して滑り止めを設けない構成や、縦断面における上部の角部が直角または鈍角となる形状に係合部154(254,354,454,554)を形成しかつ係合部154(254,354,454,554)に滑り止めを設けた構成を採用することができる。
また、縦断面における上部の角部が直角となる形状にノブ41を形成した構成例について上記したが、縦断面における上部の角部が鋭角となる形状に形成されて、上部に向かうに従って前方(図2,21〜23における左側)に迫り出すように構成したノブ41を採用することもできる。この場合、このように縦断面における上部の角部が鋭角となる形状にノブ41を形成して、ノブ41に滑り止めを設けない構成を採用することもできるし、縦断面における上部の角部が鋭角となる形状にノブ41を形成し、かつノブ41に滑り止めを設ける構成を採用することもできる。また、係合部154(254,354,454,554)およびノブ41のいずれか一方だけを、縦断面における上部の角部が鋭角となる形状に形成したり、係合部154(254,354,454,554)およびノブ41のいずれか一方だけに滑り止めを設けたりする構成を採用することもできる。
また、コイルスプリングで構成されたスプリング43を付勢部として用いる例について上記したが、他の付勢部(例えば、板ばねや、ねじりコイルばね)を用いる構成を採用することもできる。また、押圧部42の腕部141bを付勢する例について上記したが、腕部141aや腕部141cなどの他の部位を付勢する構成を採用することもできる。また、ノブ41と押圧部42とを連結部材等を介して連結して、付勢部によってノブ41を付勢する構成を採用することもできる。さらに、付勢部による付勢を行わずに、ノブ41に対する移動操作だけで規制部13を回動させる構成を採用することもできる。
また、上記したコネクタユニット100では、筐体150を構成する基端部側部材153に係合部154が形成されているが、係合部154を基端部側部材153(筐体150)とは別体に形成して取り付ける構成を採用することもできる。また、上記したコネクタユニット200では、凹部250eを構成する部材250fに係合部254が形成されているが、係合部254をこの部材250fとは別体に形成して取り付ける構成を採用することもできる。また、上記したコネクタユニット300〜500においても、係合部354〜554を筐体350〜550に形成する構成、および係合部354〜554を筐体350〜550とは別体に形成して取り付ける構成のいずれも採用することができる。
また、円筒状に形成されると共に外周面211に突起部212が配設された被嵌合部21を有するレセプタクル2を被連結コネクタの一例として挙げて、このレセプタクル2との連結および連結解除が可能なコネクタユニット100〜500に適用した例について上記したが、他の構成の被連結コネクタとの連結および連結解除が可能なコネクタユニットに適用することもできる。例えば、柱状(円柱状や断面が多角形の柱状)に形成された被嵌合部を有する被連結コネクタ、外周面に突起部211が形成されていない被嵌合部を有する被連結コネクタ、および突起部211に代えて凹部などが形成された被嵌合部を有する被連結コネクタ等との連結および連結解除が可能なコネクタユニットに適用することができる。また、解除操作(上記の例ではノブ41の移動操作)を行わないと被連結コネクタとの連結状態が解除されないように構成したコネクタユニット100〜500に適用した例について上記したが、解除操作を行うことなく被連結コネクタとの連結状態の解除が可能なコネクタユニットに適用することもできる。具体的には、例えば、コネクタユニットの先端部を被連結コネクタに押し込んで両者を連結させたときに、コネクタユニットの先端部が被連結コネクタの外周面を押圧し、これによって被連結コネクタからのコネクタユニットの抜けを防止し、コネクタユニットを強く引き抜くことで被連結コネクタとの連結状態が解除されるように構成したコネクタユニットに適用することもできる。