JP6153059B2 - 注液式空気電池 - Google Patents

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Description

本発明は、酸素を正極活物質として利用する空気電池に関し、とくに、使用時に電解質用液体を注入するようにした注液式空気電池に関するものである。
従来の注液式空気電池としては、例えば、特許文献1に記載されたものがあった。特許文献1に記載の注液式空気電池は、真空のセルスタック領域を形成するケーシングに、ベローズを収容したカップが摺動可能に装着してある。ベローズは、電解質が充填してあると共に、ポートを介してケーシングと接続してある。また、ポートは、ある程度の圧力で破損するように設計されたダイアフラムで閉塞してある。
上記の注液式空気電池は、手動によりカップをケーシング側へ押し込むことで、カップ内部のベローズを加圧し、その圧力でダイアフラムを破損させてポートを開放する。このようにして、注液式空気電池は、ベローズ内の電解質をポートからケーシング内に注入し、同電解質をセルスタックに供給して発電を開始するものとなっている。
特表2011−514638号公報
しかしながら、上記したような従来の注液式空気電池は、手動でカップを押圧してベローズ内の電解質を加圧注入する構成であるから、例えば、自動車用の補助電源等に使用する場合、走行中に注液を行って速やかに発電を開始することが困難である。
本発明は、上記従来の状況に鑑みて成されたものであって、電解質用液体の注液の自動化が容易であって、自動車用の補助電源等に使用した場合でも、走行中に注液を行って速やかに発電を開始することができる注液式空気電池を提供することを目的としている。
本発明の注液式空気電池は、空気極と負極金属との間に電解質用液体の収容部を有する単セルを複数配列してなるセル集積体と、電解質用液体を貯留した貯液タンクを備えると共に、貯液タンクから各単セルの収容部に電解質用液体を注入し得るように、セル集積体と貯液タンクとを注液可能に接続している。そして、注液式空気電池は、貯液タンクが、筐体に収縮変形可能な内部タンクを収容した構造を有しており、内部タンクの一部を開放するタンク開放手段と、内部タンクを加圧して収縮変形させるタンク加圧手段を備えている。
また、本発明の注液式空気電池は、前記貯液タンクとセル集積体とを、前記セル集積体を下側にして上下に配置すると共に、前記タンク開放手段が、内部タンクの下部を開放する手段であり、さらに、前記タンク加圧手段が、筐体内部に空気を導入することにより内部タンクを加圧して収縮変形させる手段であることを特徴としており、貯液タンク内の電解質用液体をタンク加圧手段による加圧力と重力によりセル集積体に注入する。
上記の構成において、電解質用液体は、電解液そのものや、電極構造体の内部に混入させた電解質を溶融するための液体(水)などを含むものである。
本発明の注液式空気電池は、上記構成を採用したことから、電解質用液体の注液の自動化が容易であって、自動車用の補助電源等に使用した場合でも、走行中に注液を行って速やかに発電を開始することができる。
また、注液式空気電池は、貯液タンクとセル集積体とを、前記セル集積体を下側にして上下に配置すると共に、内部タンクの下部を開放するタンク開放手段を採用したことから、タンク加圧手段による電解質用液体の加圧作用に加えて重力も作用することとなり、注液速度のさらなる向上や、起動時間のさらなる短縮化を実現することができる。
さらに、注液式空気電池は、筐体の内部に空気を導入することにより内部タンクを加圧して収縮変形させるタンク加圧手段を採用したことから、複雑なバルブ制御や可動機構が不要であり、構造の簡略化や製造コストの低下などを実現することができる。
本発明の注液式空気電池の第1実施形態において、電解質用液体の注入前の状態を示す断面図(A)、及び図A中のA−A線に基づく断面図(B)である。 図1A中のB−B線に基づく断面図(A)、タンク開放手段の可動板及び開封口金を説明する平面図(B)、開封口金の拡大平面図(C)、及び側面図(D)である。 図1に示す注液式空気電池の電解質用液体の注入後の状態を示す断面図(A)、及び図A中のA−A線に基づく断面図(B)である。 本発明の注液式空気電池の第2実施形態において、電解質用液体の注入前の状態を示す断面図(A)、図A中のA−A線に基づく断面図(B)、及び図A中のC−C線に基づく断面図(B)である。 図4A中のB−B線に基づく断面図(A)、及び電解質用液体の注入後の状態を示す断面図(B)である。 本発明の注液式空気電池の第3実施形態を説明する断面図(A)、及び図A中のC−C線に基づく断面図(B)である。 本発明の注液式空気電池の第4実施形態を説明する電解質用液体の注入前の断面図(A)、及び電解質用液体の注入後の断面図(B)である。
〈第1実施形態〉
図1〜図3に示す注液式空気電池C1は、単セル1を複数配列してなるセル集積体Sと、電解質用液体2を貯留した貯液タンクTを備えると共に、セル集積体Sと貯液タンクTとを注液可能に接続した構造になっている。貯液タンクTは、筐体3に収縮変形可能な内部タンク4を収容した構造である。
また、注液式空気電池C1は、内部タンク4の一部を開放するタンク開放手段と、内部タンク4を加圧して収縮変形させるタンク加圧手段を備えている。ここで、説明の都合上、図1〜図3中に示す矢印Pを空気流通方向とし、後記する実施形態も同様とする。
単セル1は、図1に示すように、平板状の空気極1Aと、同じく平板状の金属負極1Bとの間に、電解質用液体2の収容部1Cを有しており、複数枚の単セル1と、これらを保持するセルフレームFによってセル集積体Sを構成している。セル集積体Sにおける各単セル1は、図1(B)に示すように、空気流通方向Pに直交する方向に所定間隔をおいて配列され、隣接する単セル1同士の間に空気流路Afを形成している。これらの空気流路Afには、隣接する単セル1同士を電気的に接続する集電体(図示略)を形成する。このようなセル集積体Sは、組電池と称することもある。
フレームFは、各単セル1の上端部及び下端部、空気流通方向Pの前後端部、並びに隣接する単セル1同士の上端部間を液密的(水密的)に閉塞すると共に、上端部の中央に、各単セル1の収容部1Cに連通する注液口Hが配列してある。これにより、各単セル1の収容部1Cは、上下及び空気流通方向Pの前後においてフレームFにより閉塞され、夫々の注液口Hにより上側のみに開放されている。
単セル1を構成する空気極1Aは、詳細な図示を省略したが、正極部材と、最外層に配置した液密通気部材で構成してある。正極部材は、例えば、触媒成分、及び触媒成分を担持する導電性の触媒担体を含むものである。
正極用触媒成分としては、具体的には、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、 イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)等の金属及びこれらの合金、これらの金属の酸化物、複合酸化物、硫化物、ポルフィリン型有機金属、フタロシアニン型有機金属、WC、Mo2C、カーボンブラックや活性炭などの炭素など公知のものを使用することができる。触媒成分の形状や大きさは、特に限定されるものではなく、従来公知の触媒成分と同様の形状及び大きさを採用することができる。
触媒担体は、上述した触媒成分を担持するための担体、及び触媒成分と他の部材との間での電子の授受に関与する電子伝導パスとして機能する。触媒担体としては、触媒成分を所望の分散状態で担持させるための比表面積を有し、充分な電子伝導性を有しているものであればよく、公知のカーボンを使用することができる。
液密通気部材は、電解質用液体に対して液密性を有し、且つ酸素に対して通気性を有する部材である。この液密通気部材は、電解質用液体が外部へ漏出するのを阻止し得るように、ポリオレフィンやフッ素樹脂などの撥水膜を用いており、一方、正極部材に酸素を供給し得るように多数の微細孔を有している。
単セル1を構成する金属負極1Bは、標準電極電位が水素より卑な金属単体又は合金から成る負極活物質を含むものである。標準電極電位が水素より卑な金属単体としては、例えば亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、バナジウム(V)などを挙げることができる。また、合金としては、これらの金属元素に1種以上の金属元素又は非金属元素を加えたものを挙げることができる。しかしながら、これらに限定されるものではなく、空気電池に適用される従来公知の材料を適用することができる。
電解質用液体2は、電解液そのものや、単セル1の内部に混入させた固体の電解質を溶融するための液体(水)などを含むものである。電解液の場合には、例えば塩化カリウム、塩化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水溶液を適用することができるが、これらに限定されるものではなく、空気電池に適用する従来公知の電解液を用いることができる。
貯液タンクTを構成する筐体3は、この実施形態では、やや扁平な直方体形状であり、上側に、筐体3の内部に空気を導入するための導入管3Aを有すると共に、空気流通方向Pの下流側(図1(A)中で左側)に、筐体3の内部の空気を排出するための排出管3Bを有している。導入管3Aは、入口側に、加圧用空気を送風するブロワBw1を備えると共に、中間に、開閉弁10を備えている。
また、筐体3は、図2(A)にも示すように、底面に、フレームFの注液口Hの上側に相対向する開口部3Cを有し、この開口部3Cに、タンク開放手段を構成する可動板5が組み付けてある。開口部3Cは、筐体3の底面の幅方向(空気流通方向Pに直交する方向)にわたる水平部と、筐体3の両側面に連続する垂直部を有している。他方、可動板5は、開口部3Cの幅に対応する幅寸法と、筐体3の底面の幅よりも長い長手寸法を有する板部材であり、中央に、スリット5Aを有している。この可動板5は、開口部3Cの両側の垂直部で上方移動が規制され、図1(A)に示すように、筐体3の底部を貫通した状態になる。
内部タンク4は、例えば樹脂製の袋体である。この場合、使用する樹脂は、自在に変形可能なものであれば特に制限はないが、電解質用液体(電解液)2がアルカリ水溶液である場合には、少なくとも電解質用液体2と接触する部分に耐アルカリ性樹脂を用いる必要がある。具体例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、及びテフロン(登録商標)などが挙げられる。この内部タンク4は、変形した際に破けて液漏れが起きるような材質であってはならない。
この実施形態の内部タンク4は、電解質用液体2を貯留すると共に、図1(A)に示すように、筐体3の開口部3Cに組み付けた可動板5により、部分的に持ち上げられた状態で筐体3に収容されている。また、内部タンク4は、例えば、ベローズ状に成形したり適当な折り目を設けたりして収縮変形し易い構成にし、収縮変形した際に容積が極力小さくなる構成であることが非常に有効である。さらに、内部タンク4は、この実施形態のように上側から加圧される場合には、その上面を硬く形成して、側部に折り畳み用の折り目などを設けた構成にすることがより望ましい。なお、上記の内部タンク4の収縮変形とは、その容積を減少させるように変形することであり、伸縮性を有する素材を必須要件としたものではない。
上記のセル集積体S及び貯液タンクTは、セル集積体Sを下側にして上下に配置してあると共に、注液可能に接続してある。具体的には、双方は、図1に示すマニホルド6により接続してある。マニホルド6は、貯液タンクTとセル集積体Sとを液密的に接続する変形自在な環状体であって、電解質用液体2に対する耐性を確保するために、内部タンク4と同じ材料で形成することができる。
図示例のマニホルド6は、上端部全周が内部タンク4の底面に接合してあると共に、可動板5のスリット5Aを通過して、下端部全周がセル集積体SのフレームFの上端部外周に接合してあり、その内部に注液用の閉空間を形成している。これにより、貯液タンクTの電解質用液体2は、外部に漏れることなくセル集積体Sに注液可能である。
タンク開放手段は、この実施形態では、貯液タンクTの内部タンク4の下部を開放する手段であって、前記可動板5、一対の電磁アクチュエータ7,7、及び複数の開封口金8により構成してある。電磁アクチュエータ7,7は、図1(B)に示すように、空気流通方向Pに対して筐体3の左右両側に固定してあり、下向きにした出力軸を可動板5の端部に連結して、可動板5を上昇限に保持している。
開封口金8は、図2(B)〜(D)に示すように、角筒状の部材であり、上端部に鋸刃状の切刃8Aを有している。開封口金8は、セル集積体SのフレームFの上面において、可動板5のスリット5Aに対応する範囲内に複数個(図示例では5個)が直列配置してある。ここで、スリット5Aは、先述した筐体3の開口部3Cと可動板5との位置関係により、フレームFの注液口Hの範囲内にある。また、開封口金8は、切刃8Aが可動板5の上面よりも下位側に位置している。この際、内部タンク4は、先述の如く可動板5により部分的に持ち上げられているので、開封口金8の切刃8Aとは離間している。なお、図1(B)には、一部の開封口金8のみを拡大して図示している。
タンク加圧手段は、筐体3の内部に空気を導入することにより内部タンク4を加圧して収縮変形させる手段である。この実施形態のタンク加圧手段は、筐体3に設けた空気の導入管3A及び排出管3B、並びに導入管3AのブロワBw1及び開閉弁10で構成してある。なお、ブロワBw1に代えて、コンプレッサやエアポンプ類を使用してもよい。
また、この実施形態の注液式空気電池C1は、図1及び図2に基本構成を示したが、少なくともセル集積体Sを収容する適当なケース、セル集積体Sに発電用空気を送風するためのブロワBw2(図1に示す)、両電磁アクチュエータ7や各ブロワBw1,Bw2を作動させるためのコントローラ、及び操作用のスイッチ類などを含むものである。
上記構成を備えた注液式空気電池C1は、例えば、自動車の補助電源として車載され、運転席近傍に配置したスイッチにより起動させる。すなわち、注液式空気電池C1は、スイッチにより両電磁アクチュエータ7を作動させると、両電磁アクチュエータ7の出力軸が下方に移動して可動板5を下降させる。すると、電解質用液体2の重量により、可動板5とともに内部タンク4の底部が下がり、可動板5の下降動作に相対してスリット5Aから開封口金8が突出し、内部タンク4の底部を開封口金8の切刃8Aにより切断して開放する。これにより、注液式空気電池C1は、内部タンク4内の電解質用液体2が下方に流出し、フレームFの注液口Hからセル集積体Sにおける各単セル1の収容部1Cへの注液が開始される。
また、注液式空気電池C1は、上記の注液開始と同時に、開放弁10を開放するとともに加圧用空気を送風するブロワBw1を作動させ、導入管3Aから筐体3の内部に空気を導入し、図3に示すように、導入空気の圧力により内部タンク4を加圧して収縮変形させ、これにより電解質用液体2を押し出して、セル集積体Sへの注液をより一層促進させる。このようにして、注液式空気電池C1は、各単セル1の収容部1Cに電解質用液体2が供給される。
さらに、注液式空気電池C1は、開放弁10の開放及び加圧用空気のブロワBw1の起動の前後、あるいはそれらと同時に、発電用空気を送風するブロワBw2を起動し、空気流路Afに面している空気極1Aに空気(酸素)を供給して、速やかに発電(放電)を開始する。このとき、開放弁10や各ブロワBw1,Bw2の起動順序はとくに限定されないが、発電用空気のブロワBw2を早期に起動させると、空気極1Aからセル内の空気が抜けやすくなり、注液速度が上がる利点がある。
上記の注液式空気電池C1は、セル集積体Sと貯液タンクTとを注液可能に接続し、貯液タンクTが、筐体3と内部タンク4を備えた構造を有すると共に、タンク開放手段(5,7,8)と、タンク加圧手段(3A,3B)を備えたことから、電解質用液体2の注液の自動化が容易であって、自動車用の補助電源等に使用した場合でも、走行中に注液を行って速やかに発電を開始することができる。
また、注液式空気電池C1は、とくに、タンク加圧手段(3A,3B)を備えたことで、注液速度が向上し、注液開始から発電開始までの起動時間を短縮することができ、これによって注液工程中に生じる自己放電損失を低減し、発電容量の低下を防ぐことができる。
さらに、注液式空気電池C1は、貯液タンクTとセル集積体Sとを上下に配置すると共に、内部タンク4の下部を開放するタンク開放手段を採用したことから、タンク加圧手段による電解質用液体2の加圧作用に加えて重力も作用することとなり、注液速度のさらなる向上や、起動時間のさらなる短縮化を実現することができる。
さらに、注液式空気電池C1は、筐体3の内部に空気を導入することにより内部タンク4を加圧して収縮変形させるタンク加圧手段(3A,3B)を採用したことから、複雑なバルブ制御や可動機構が不要であり、構造の簡略化や製造コストの低下などを実現することができる。なお、このタンク加圧手段としては、例えば、アクチュエータ類や弾性体などを用いて内部タンク4を機械的に加圧する機構を採用することも可能であるが、上記実施形態のように空気を加圧媒体にすれば、構造が簡単なものになる。
さらに、注液式空気電池C1は、セル集積体Sと貯液タンクTとをマニホルド6により注液可能に接続し、タンク開放手段として、内部タンク4を保持する可動板5、可動板5を駆動する電磁アクチュエータ7、及びマニホルド6内に配置した開封口金8を採用したことから、完全な閉空間において電解質用液体2の注液が行われる。したがって、注液式空気電池C1は、強アルカリ性の電解質用液体2を用いる高出力の空気電池への適用に非常に有効である。
〈第2実施形態〉
図4及び図5は、本発明に係わる注液式空気電池の第2実施形態を説明する図である。なお、以下の各実施形態において、先の第1実施形態と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図4に示す注液式空気電池C2は、先の実施形態と同等の基本構成に加えて、空気の導入口11A及び排出口11Bを有し且つ貯液タンクT及びセル集積体Sを収容する分配ケース11を備えている。図示例の分配ケース11は、貯液タンクTの筐体3の上面のみを露出させた状態で、貯液タンクT及びセル集積体Sを収容している。
分配ケース11は、空気流通方向Pの上流側(図4(A)中で右側)に、空気の導入口11Aを有すると共に、他方側に、排出口11Bを有している。図示例の分配ケース11は、導入口11Aと排出口11Bが同軸線上に配置してある。そして、導入口11A及び排出口11B内に、筐体3の導入管3A及び排出管3Bを配置している。
分配ケース11は、その内部に、導入口11Aから筐体3の導入管3A、筐体3の内部、及び筐体3の排出管3Bを経て排出口11Bに至る加圧空気用の経路と、導入口11Aからセル集積体Sにおける単セル1同士の間の空気流路Afを経て排出口11Bに至る発電空気用の経路を形成している。また、分配ケース11は、導入口11Aの入口側に、筐体3の導入管3A及び排出管3Bとともにタンク加圧手段を構成するブロワBw2等を配置することができる。この実施形態におけるブロワBw2は、加圧用空気と発電用空気の送風を行うものである。
上記構成を備えた注液式空気電池C2は、第1実施形態と同様に、電解質用液体2の注液の自動化を実現する。そして、スイッチにより起動され、ブロワBw2により空気が分配ケース11に導入され、タンク開放手段(5,7,8)により、内部タンク4の下部を開放すると共に、タンク加圧手段(3A,3B)により、図5(B)に示すように、内部タンク4を加圧して収縮変形させる。
このとき、この実施形態の注液式空気電池C2は、分配ケース11の導入口11Aから空気を導入し、加圧空気用の経路(11A,3A,3,3B,11B)と、発電空気用の経路(11A,Af,11B)とに、圧力損失がほぼ同等になる流量の空気を分配して流通させる。また、夫々の経路を並流した空気は、共に排出口11Bから排出される。
このようにして、注液式空気電池C2は、加圧空気用の経路に流通する空気により貯液タンクTの内部タンク4を加圧して収縮変形させ、これにより電解質用液体2の注液を促進させる。その一方で、空気流路Afを含む発電空気用の経路により、セル集積体Sの各単セル1の空気極1Aに空気(酸素)を供給する。
上記の注液式空気電池C2は、先の実施形態と同様に、自動車用の補助電源等に使用した場合でも、走行中に注液を行って速やかに発電を開始することができると共に、起動時間の短縮、注液工程中に生じる自己放電損失の低減、並びに発電容量の低下防止などを実現する。
しかも、この実施形態の注液式空気電池C2は、分配ケース11を採用したことから、発電に不可欠である空気を導入して、その一部を内部タンク4の加圧媒体として利用するものとなっている。これにより、注液式空気電池C2は、非常に簡単な構造であるうえに、電解質用液体2の注液を促進する機能と、各単セル1への充分な空気(酸素)供給の機能とを両立させることができる。
なお、上記の注液式空気電池C2では、電解質用液体2の注液後には、筐体3の内部を流れる空気が発電に寄与しないリーク流量分になるので、注液時に内部タンク4を加圧し得る最小流量となるように、排出管3Bの管径を設定することがより望ましい。
〈第3実施形態〉
図6に示す注液式空気電池C3は、第2実施形態と同様の構成を備えているうえに、貯液タンクTを構成する筐体3の排出管3Bに、空気流量を調整する調圧弁15を備えたものとなっている。
上記の注液式空気電池C3は、先の実施形態と同様の作用及び効果を得ることができ、とくに、調圧弁15を開放状態にして起動する。これにより、注液式空気電池C3は、第2実施形態と同様に、分配ケース11の導入口11Aから空気を導入し、加圧空気用の経路(11A,3A,3,3B,11B)と、発電空気用の経路(11A,Af,11B)とに空気を分配して流通させる。この際、注液式空気電池C3は、調圧弁15の開度を調整することで、電解質用液体2の流量や注液速度を制御することも可能である。
また、この実施形態の注液式空気電池C3は、電解質用液体2の注液が終了したところで、調圧弁15を絞り、又は閉塞する。つまり、先述したように、電解質用液体2の注液後において筐体3の内部を流れる空気が発電に寄与しないリーク流量分になるので、この注液式空気電池C3では、調圧弁15を絞る又は閉塞することで、空気のリーク量を減少又は無くし、導入した空気をセル集積体Sに効率良く供給する。
しかも、上記の注液式空気電池C3は、導入した空気のリーク量を大幅に減少させることで、導入口11Aの入口側に配置したブロワBw2に加わる補機損失を低減し、システム効率を向上させることができる。さらに、セル集積体Sが、隣接する単セル1同士の間のピッチ(L)を狭くして、出力密度(kW/L)や発電密度(kWh/L)を高めた高密度セル集積体である場合でも、簡便な機構により、注液の調整や、発電時における空気のリーク量の抑制を行うことができる。
〈第4実施形態〉
図7に示す注液式空気電池C4は、第2実施形態(図4及び図5参照)と同等の基本構成を有するものであるが、第2実施形態とは構造の異なる筐体23及び分配ケース21を備えている。
分配ケース21は、空気の導入口21A及び排出口21Bを有し且つ貯液タンクT及びセル集積体Sを収容している。第2実施形態の分配ケース(11)では、導入口(11A)及び排出口(11B)を同軸線上に配置したのに対して、図示の分配ケース21は、導入口21Aが、排出口21Bよりも一段高い位置に設けてある。この導入口21Aは、導入方向の奥部下側で分配ケース21内に連通し、その奥部に、貯液タンクTを構成する筐体23が配置してある。
筐体23は、電解質用液体2を充填した内部タンク4を収容しており、導入口21Aの入口に向けて開放された導入部23Aと、分配ケース21内に向けて下方に開放された開口部23Cを有している。開口部23Cには、タンク開放手段を構成する可動板5及び開封口金8や、マニホルド6が配置してあり、セル集積体Sと貯液タンクTとを注液可能に接続している。
また、注液式空気電池C4は、分配ケース21内に、導入口21Aからセル集積体Sにおける単セル1間の空気流路Afを経て排出口21Bに至る経路を形成する。さらに、注液式空気電池C4は、内部タンク4が、電解質用液体2を貯留した状態で空気の導入口21Aとセル集積体Sとの間(開口部23C)を閉塞し、且つ収縮変形に伴って空気の導入口21Aとセル集積体Sとの間(開口部23C)を開放する構成になっている。
上記の注液式空気電池C4は、注液前においては、図7(A)に示すように、内部タンク4により筐体23の開口部23Cを閉塞し、これにより、導入口21Aとセル集積体Sとの間を閉塞している。
また、注液式空気電池C4は、先の各実施形態と同様に、電解質用液体2の注液の自動化を実現してスイッチにより起動され、タンク開放手段により、内部タンク4の下部を開放すると共に、タンク加圧手段により、内部タンク4を導入口21Aの奥部へ向けて加圧して収縮変形させる。これにより、注液式空気電池C4は、図7(B)に示すように、内部タンク4の収縮変形に伴って筐体23の開口部23Cを開放し、導入した空気(酸素)を分配ケース21内のセル集積体Sに供給する。
上記の注液式空気電池C4にあっても、先の実施形態と同様に、自動車用の補助電源等に使用した場合でも、走行中に注液を行って速やかに発電を開始することができると共に、起動時間の短縮、注液工程中に生じる自己放電損失の低減、並びに発電容量の低下防止などを実現する。
しかも、この実施形態の注液式空気電池C4は、起動時には、導入した空気の殆どが内部タンク4の加圧に用いられるので、注液速度のさらなる向上や起動時間のさらなる短縮を実現することができる。また、注液後には、導入した空気の全てがセル集積体Sに供給され、それ以外に流れることがないので、発電時のブロワBw2の損失を大幅に低減することができる。
さらに、注液式空気電池C4は、分配ケース21内において、注液前の内部タンク4の収容空間を空気流路として有効に利用することができるので、内部タンク4の占有空間が小さくなり、全体構造の小型化や軽量化に貢献することができる。
本発明の注液式空気電池は、その構成が上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各部位の形状、個数及び材料などの構成の細部を適宜変更することが可能である。タンク開放手段は、電解質用液体の種類等によっては、切刃を駆動して内部タンクを開放する構成にすることも可能である。また、タンク加圧手段は、例えば、筐体における導入管及び排出管の数や配置を変更したり、空気以外の加圧媒体を使用したりすることも可能である。
Bw1,Bw2 ブロワ(タンク加圧手段)
C1〜C4 注液式空気電池
S セル集積体
T 貯液タンク
1 単セル
1C 収容部
2 電解質用液体
3,23 筐体
4 内部タンク
5 可動板(タンク開放手段)
7 電磁アクチュエータ(タンク開放手段)
8 開封口金(タンク開放手段)
3A 導入管(タンク加圧手段)
3B 排出管(タンク加圧手段)
15 調圧弁
11,21 分配ケース
11A,21A 導入口
11B、21B 排出口

Claims (5)

  1. 電解質用液体の収容部を有する単セルを複数配列してなるセル集積体と、電解質用液体を貯留した貯液タンクを備えると共に、セル集積体と貯液タンクとを注液可能に接続し、
    貯液タンクが、筐体に収縮変形可能な内部タンクを収容した構造を有しており、
    内部タンクの一部を開放するタンク開放手段と、内部タンクを加圧して収縮変形させるタンク加圧手段を備え
    前記貯液タンクとセル集積体とを、前記セル集積体を下側にして上下に配置すると共に、 前記タンク開放手段が、内部タンクの下部を開放する手段であり、
    前記タンク加圧手段が、筐体内部に空気を導入することにより内部タンクを加圧して収縮変形させる手段であることを特徴とする注液式空気電池。
  2. 前記タンク加圧手段が、筐体内部に空気を導入するための導入管と、筐体内部の空気を排出するための排出管を備えていることを特徴とする請求項に記載の注液式空気電池。
  3. 前記筐体の排出管に、空気流量を調整する調圧弁を備えたことを特徴とする請求項に記載の注液式空気電池。
  4. 空気の導入口及び排出口を有し且つ貯液タンク及びセル集積体を収容する分配ケースを備え、
    前記分配ケース内に、導入口から筐体の導入管、筐体内部及び筐体の排出管を経て排出口に至る加圧空気用の経路と、導入口からセル集積体における単セル間の空気流路を経て排出口に至る発電空気用の経路を形成したことを特徴とする請求項2又は3に記載の注液式空気電池。
  5. 空気の導入口及び排出口を有し且つ貯液タンク及びセル集積体を収容する分配ケースを備え、
    分配ケース内に、導入口からセル集積体における単セル間の空気流路を経て排出口に至る経路を形成すると共に、
    内部タンクが、電解質用液体を貯留した状態で空気の導入口とセル集積体との間を閉塞し、且つ収縮変形に伴って空気の導入口とセル集積体との間を開放することを特徴とする請求項に記載の注液式空気電池。
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