JP6152810B2 - 乗物用シート - Google Patents

乗物用シート Download PDF

Info

Publication number
JP6152810B2
JP6152810B2 JP2014044883A JP2014044883A JP6152810B2 JP 6152810 B2 JP6152810 B2 JP 6152810B2 JP 2014044883 A JP2014044883 A JP 2014044883A JP 2014044883 A JP2014044883 A JP 2014044883A JP 6152810 B2 JP6152810 B2 JP 6152810B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seat
cover
portions
pad
occupant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014044883A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015167716A (ja
Inventor
まどか 勝田
まどか 勝田
知己 新
知己 新
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Boshoku Corp
Original Assignee
Toyota Boshoku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Boshoku Corp filed Critical Toyota Boshoku Corp
Priority to JP2014044883A priority Critical patent/JP6152810B2/ja
Publication of JP2015167716A publication Critical patent/JP2015167716A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6152810B2 publication Critical patent/JP6152810B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、乗物用シートに関する。詳しくは、シートカバーの隣り合うカバーピース同士の縫合部がシートパッド内に引き込まれて設けられる乗物用シートに関する。
従来、乗物用シートにおいて、シートカバーがシートパッドの表面に一体発泡されて設けられた構成が知られている(特許文献1)。上記一体成形により、シートカバーがシートパッドの表面に広く密着した状態に張設された状態とされている。上記シートカバーは、そのカバーピース同士の縫合部が、シートパッド内に引き込まれて、シートカバーの表面に筋状に凹んだ縫製ラインを形成した状態となって設けられている。
特開平11−225846号公報
しかし、上記従来技術では、シートカバーのカバーピース同士の縫合部をシートパッド内の深い位置に設定すると、縫合部の引き込み形状が開いてしまい、シート表面の見栄えが損なわれてしまう。また、上記縫合部をシートパッド内の浅い位置に設定すると、車両の後突発生などによってシートバックに乗員の背凭れ荷重が大きくかけられた際に、シートカバーが突張って底付きしやすくなってしまう。このような大荷重の作用時には、乗員の背部をシートバック内に深く沈み込ませて乗員の身体に負荷をかけにくくすることが好ましい。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、シートカバーのカバーピース同士の縫合部をシートパッド内の深い位置に設けても、シート表面の見栄えを損なわないようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の乗物用シートは次の手段をとる。
第1の発明は、シートカバーの隣り合うカバーピース同士の縫合部がシートパッド内に引き込まれて設けられる乗物用シートである。この乗物用シートは、上述したシートパッド内に引き込まれる隣り合うカバーピースの引込部同士を縫合部よりもシートカバーの表面に近い領域で互いに結合させた状態に保持することのできる結合構造を有する。上記結合構造は、縫合部よりも弱い結合力で引込部同士を結合している。上記結合構造は、シートカバーに乗員の着座による体圧がかけられても引込部同士を結合させた状態に保持するが、乗物の衝突発生によりシートカバーに乗員からの体圧が強くかけられて引込部同士を無理に引き離す大荷重が入力されることにより破断し、乗員の身体を縫合部まで受け入れられるようにする構成となっている。
この第1の発明によれば、カバーピースの引込部同士が、通常時、結合構造によって縫合部よりもシートカバーの表面に近い領域で互いに結合された状態に保たれることにより、引込部間の開きが抑えられて、シート表面の見栄えが損なわれないようにすることができる。なお且つ、シートカバーに大荷重が入力された時には、結合構造が破断して、乗員の身体を縫合部まで深く沈み込ませられるようにすることができる。このように、結合構造を設けることで、カバーピース同士の縫合部をシートパッド内の深い位置に設けても、通常時のシート表面の見栄えを損なわないようにすることができる。
第2の発明は、上述した第1の発明において、次の構成とされているものである。結合構造が引込部同士を縫糸により縫合して結合した構造となっている。
この第2の発明によれば、結合構造が引込部同士を縫糸の縫合により結合する構造となっていることにより、通常時、乗員に結合構造自体の異物感をほとんど感じさせることなく、引込部同士を強く結束して引込部間の隙間を外部に見せないようにすることができる。また、結合構造が大荷重の入力によって破断しても、縫糸がどちらかのカバーピースに通された引込部に引掛かりやすくなるため、破片を散らばらせにくくすることができる。
第3の発明は、上述した第1の発明において、次の構成とされているものである。結合構造が引込部同士を挟持部材により弾性的に挟み込んで結合した構造となっている。
この第3の発明によれば、結合構造が引込部同士を挟持部材の弾性的な挟持力により結合する構造となっていることにより、シート表面に表れる引込部間の隙間のライン(意匠ライン)を、上記挟持力によってヨタらせる(蛇行させる)ことなく真っ直ぐに保持することができる。
実施例1の乗物用シートの概略構成を表す斜視図である。 シートバックの正面図である。 図2のIII-III線断面図である。 シートバックに乗員の体圧がかけられて結合構造が破断した状態を表す断面図である。 上記図4の状態の斜視図である。 シートカバーをシートパッドの発泡成形型内にセットして発泡樹脂原料を注入し型締めした状態を表す断面図である。 成形型内でシートパッドを発泡成形した状態を表す断面図である。 実施例2の乗物用シートの概略構成を表す斜視図である。 図8のIX-IX線断面図である。 シートバックに乗員の体圧がかけられて結合構造が破断した状態を表す断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
始めに、実施例1のシート1の構成について、図1〜図7を用いて説明する。図1に示すように、本実施例のシート1は、自動車の助手席として構成されており、着座乗員の背凭れとなるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、頭凭れとなるヘッドレスト4と、を備えた構成となっている。上記シートバック2は、シートクッション3の後端部に連結されて設けられている。また、シートクッション3は、フロア上に連結されて設けられている。また、ヘッドレスト4は、シートバック2の上部に連結されて設けられている。
上述したシートバック2は、その内部の骨格を構成する金属製のバックフレーム2F(図3〜図4にサイドフレーム2Fsのみ図示。)と、バックフレーム2Fに上方側から全体を覆うように被せ付けられて乗員の背凭れ荷重を軟らかく受け止める発泡ウレタン製のバックパッド10と、バックパッド10の表面全体に被せ付けられた合成皮革製のバックカバー20と、を有して構成されている。ここで、バックパッド10が本発明の「シートパッド」に相当し、バックカバー20が本発明の「シートカバー」に相当する。上述したバックカバー20は、図6〜図7に示すように、バックパッド10の発泡成形時に、成形型40内にセットされてバックパッド10の発泡成形が行われることにより、バックパッド10の表面部に一体的に接着されて設けられた状態とされている(表皮一体発泡成形)。
具体的には、上述したバックカバー20は、次のようにバックパッド10の表面部に一体的に接着された状態とされている。先ず、バックパッド10を発泡成形する成形型40の下型42上にバックカバー20をセットし、その上部にバックパッド10の発泡樹脂原料となるポリウレタン樹脂原料PUを注入する。次に、上型41を閉めて、型内部のキャビティ空間43内でポリウレタン樹脂原料PUを加熱発泡させる。これにより、ポリウレタン樹脂原料PUがキャビティ空間43の形に沿った形状に加熱発泡されると共に、その表面部(図示下面部)がバックカバー20の裏面部(図示上面部)に含浸して硬化した状態となり、成形されたバックパッド10の表面部(図示下面部)にバックカバー20が一体的に接着されて設けられた状態となる。
ここで、上述したバックカバー20は、図1〜図2に示すように、バックパッド10の各側面の形に合わせて形成された複数枚のカバーピース21が一枚に繋ぎ合わされて構成されている。上記各カバーピース21は、それぞれ、図3に示すように、裏面部に発泡ウレタン製の薄いカバーパッド22が積層状に一体的に接着されて設けられた構成となっている。上記各カバーピース21は、上述した各カバーパッド22を間に介してバックパッド10の表面部に一体的に接着されることにより、各カバーパッド22によってバックパッド10よりも更に軟らかく内側から支えられた状態とされている。上記構成により、シートバック2は、乗員の背凭れ荷重を、各カバーパッド22が撓む初期の撓み領域では非常に軟らかく受け止め、各カバーパッド22が潰れきった後のバックパッド10が撓む途中の撓み領域からは適度な反発力を発揮させて軟らかく受け止めることができる構成とされている。
上述したバックカバー20は、その上述した各カバーピース21同士の繋ぎ部が、それぞれ、バックパッド10との一体発泡によりバックパッド10(引込溝11)内に引き込まれて設けられた状態とされている。また、図1及び図3に示すように、上記各カバーピース21のうち、シートバック2の背凭れ面上に被せ付けられる各カバーピース21同士は、それぞれ、それらの隣り合う縁部同士となるバックパッド10内に引き込まれた引込部21A同士が、第1の縫合部21Bと第2の縫合部21Cとによって浅い位置と深い位置との2箇所の位置で互いに縫合された状態とされている。
具体的には、上記バックカバー20は、着座乗員の背部を後方側から受け止めるシートバック2の中央支持部2Aに被せ付けられたカバーピース21とその左右両サイドの前方側に山状に膨らんだ形に形成された各サイド支持部2Bに被せ付けられた各カバーピース21との結合部、それに中央支持部2Aの上側中央支持部2A1に被せ付けられたカバーピース21と下側中央支持部2A2に被せ付けられたカバーピース21との結合部が、それぞれ、上述した2重の縫合構造(第1の縫合部21Bと第2の縫合部21C)によって浅い位置と深い位置との2箇所の位置で互いに縫合された状態とされている。上記各サイド支持部2Bは、それらの前方側に山状に膨らんだ形状によって、着座乗員の腰部や両側部を両外側から支持するように機能するものとなっている。
上述した第1の縫合部21Bと第2の縫合部21Cとによって縫合された各結合部は、それぞれ、バックパッド10内に引き込まれた構成とされている。これにより、シートバック2の背凭れ面上には、H字状を描く形に凹んだ溝形状2Hが形成された状態とされている。なお、その他のカバーピース21同士は、それぞれ、バックパッド10内に引き込まれる深さ方向の1箇所での単純な縫合によって結合された状態とされている。
上述した各カバーピース21の引込部21A同士を浅い位置で縫合する第1の縫合部21Bは、第2の縫合部21Cよりも細い糸で縫い合わされており、乗員がシート1に着座する前の状態(初期状態)や着座による背凭れ荷重を受けた状態では、引込部21A同士を結合させた状態に保持することができるようになっている。しかし、上述した第1の縫合部21Bは、図4〜図5に示すように、車両の後部衝突発生によりバックカバー20に乗員からの体圧が強くかけられて引込部21A同士を無理に引き離す大荷重が入力されることにより、各カバーピース21間に互いに引き離される方向の強いテンションがかけられて破断するようになっている。これにより、バックカバー20の実質的な周長が第2の縫合部21Cを表面とする形に拡張された状態となり、乗員の背部をバックカバー20を突張らせることなくシートバック2の深い位置まで受け入れられる状態となる。なお、上記第2の縫合部21Cは、上記のような大荷重の作用を受けても破断することのない高い構造強度を備えた太めな糸で縫い合わされている。
このように、バックパッド10内に引き込まれた各カバーピース21の引込部21A同士は、通常時は、第1の縫合部21Bによってバックカバー20の表面に近い領域で互いに結合された状態とされるため、引込部21A間の開き(溝形状2Hの開き)を小さく抑えた状態でバックパッド10の一体発泡を行うことができる。したがって、バックパッド10を、上記開きの少ない見栄えの良い形に成形することができる。なお且つ、バックカバー20に大荷重が入力された時には、乗員の身体を第1の縫合部21Bの破断によってシートバック2の深い位置まで沈み込ませることができる。したがって、車両の後部衝突が発生した際に、乗員の背部をシートバック2内に深く沈み込ませて、乗員の頭部のヘッドレスト4への初期拘束を早めることができる。
また、シートバック2の中央支持部2Aに大荷重が入力された際に、バックカバー20において前後方向の相対的な変位量が大きくなる中央支持部2Aと両サイド支持部2Bとの間の結合部に、それぞれ第1の縫合部21Bと第2の縫合部21Cとを組み合わせた2重の縫合構造を設けたことにより、大荷重入力時に第1の縫合部21Bを効果的に変形させてバックカバー20の突っ張りをより起こさせにくくすることができる。
このように、本実施例の構成によれば、カバーピース21の引込部21A同士が、通常時、第1の縫合部21B(結合構造)によって第2の縫合部21C(縫合部)よりもバックカバー20(シートカバー)の表面に近い領域で互いに結合された状態に保たれることにより、引込部21A間の開きが抑えられて、シート表面の見栄えが損なわれないようにすることができる。なお且つ、バックカバー20に大荷重が入力された時には、第1の縫合部21Bが破断して、乗員の身体を第2の縫合部21C(縫合部)まで深く沈み込ませられるようにすることができる。このように、第1の縫合部21Bを設けることで、第2の縫合部21Cをバックパッド10(シートパッド)内の深い位置に設けても、通常時のシート表面の見栄えを損なわないようにすることができる。
また、上記大荷重作用時に破断する結合構造が縫糸の縫合による結合構造(第1の縫合部21B)によって構成されていることにより、通常時、乗員に結合構造(第1の縫合部21B)自体の異物感をほとんど感じさせることなく、引込部21A同士を強く結束して引込部21A間の隙間を外部に見せないようにすることができる。また、第1の縫合部21Bが大荷重の入力によって破断しても、その縫糸がどちらかのカバーピース21に通された引込部21Aに引掛かりやすくなるため、破片を散らばらせにくくすることができる。
続いて、実施例2のシート1の構成について、図8〜図10を用いて説明する。本実施例では、図8〜図9に示すように、バックカバー20の隣り合うカバーピース21の縁部(引込部21A)同士をバックカバー20の表面に近い領域(浅い位置)で互いに結合させた状態に保持する結合構造(大荷重作用時に破断する結合構造)が、これら引込部21A同士を通常時に弾性的に挟み込んで密着させた状態に保持する構造とされた樹脂製の長尺な挟持部材30によって構成されている。
上述した挟持部材30は、図8に示すように、バックカバー20の背凭れ面上に形成されるH字状の溝形状2Hにおける左右両サイドの中央の交点2H1と左右の上端部2H2とを残す縦横の中間領域5箇所において、それぞれ、高さ方向或いは幅方向に隣り合う各カバーピース21の引込部21A同士を互いに広い範囲に亘って弾性的に挟み込んで密着させた状態として設けられている。上述したH字の左右両サイドの中央の交点2H1と左右の上端部2H2では、3枚のカバーピース21同士が互いに繋ぎ合わされる交差する領域となっているため、このような箇所を残して挟持部材30を設けることで、挟持部材30の構造を複雑にすることなく挟持部材30を広い範囲に亘って適切に設けることができるようになっている。
上述した各挟持部材30は、図8〜図9に示すように、それぞれ、上述した隣り合う各カバーピース21のバックパッド10内に引き込まれた引込部21A同士を両外側から挟み込むように挟持できる左右一対の挟持部31とこれらを繋ぐ基部32とを備えた横断面略U字形状の長尺な樹脂部材によって構成されている。各挟持部材30は、それらの自由状態では、各挟持部31の間を閉じた形(或いは閉じた状態に近い形)とする形状となっている。各挟持部材30は、上述した各挟持部31の間に各カバーピース21の縁部(引込部21A)を挟み込ませることで、各引込部21Aを各挟持部31によって第2の縫合部21Cよりも浅い位置で互いに押し付けて密着させた状態とすることにより、通常時における引込部21A間の開きを抑えて、シート表面の見栄えを損なわない状態に保持することができるようになっている。
上述した各挟持部材30は、上述したバックカバー20にバックパッド10を一体発泡させて一体成形することにより、それらの横断面のU字の外周部にバックパッド10が一体的に覆い被された状態に満たされた状態とされている。また、各挟持部材30は、それらの挟持部31が、各カバーピース21の裏面に接着されたカバーパッド22をそれぞれ押し付けてカバーパッド22内に埋め込まれた状態として設けられており、カバーピース21に対して位置ズレしにくいように強く密着した状態に設けられた状態とされている。このような構成となっていることにより、各挟持部材30は、常時は、それら自体によって発揮される弾発力により、各カバーピース21の引込部21A同士を各挟持部31によって互いに強く密着させた状態に保持することができるようになっていると共に、各挟持部31がバックパッド10によって両外側に開きにくいように弾性的に支えられて上記の挟持力を強く発揮することができる状態とされている。
上述した各カバーピース21の引込部21A同士を浅い位置で密着させた状態に保持する各挟持部材30は、乗員がシート1に着座する前の状態(初期状態)や着座による背凭れ荷重を受けた状態では、引込部21A同士を互いに密着させた状態に保持することができる構造強度を備えた構成となっている。しかし、各挟持部材30は、図10に示すように、車両の後部衝突発生によりバックカバー20に乗員からの体圧が強くかけられて引込部21A同士を無理に引き離す大荷重が入力されることにより、各カバーピース21間に互いに引き離される方向の強いテンションがかけられて破断するようになっている。
具体的には、上記各挟持部材30は、上記のような引込部21A同士が互いに引き離される方向に作用する大荷重の入力を受けることにより、各挟持部31が各引込部21Aからの力を受けて基部32を基点に無理に開かれる負荷を受けて、基部32が集中的な曲げモーメントの作用を受けて逆V字状に折り曲げられる形で破断されるようになっている。これにより、バックカバー20の実質的な周長が第2の縫合部21Cを表面とする形に拡張された状態となり、乗員の背部をバックカバー20を突張らせることなくシートバック2の深い位置まで受け入れられる状態となる。なお、上記第2の縫合部21Cは、上記のような大荷重を受けても破断することのない高い構造強度を備えた太めな糸で縫い合わされている。
このように、バックパッド10内に引き込まれた各カバーピース21の引込部21A同士は、通常時は、各挟持部材30によってバックカバー20の表面に近い領域で互いに結合された状態とされるため、引込部21A間の開き(溝形状2Hの開き)を小さく抑えた状態でバックパッド10の一体発泡を行うことができる。したがって、バックパッド10を、上記開きの少ない見栄えの良い形に成形することができる。なお且つ、バックカバー20に大荷重が入力された時には、乗員の身体を各挟持部材30の破断によってシートバック2の深い位置まで沈み込ませることができる。したがって、車両の後部衝突が発生した際に、乗員の背部をシートバック2内に深く沈み込ませて、乗員の頭部のヘッドレスト4への初期拘束を早めることができる。
また、シートバック2の中央支持部2Aに大荷重が入力された際に、バックカバー20においてカバーピース21間の前後方向の相対的な変位量が大きくなる領域となる中央支持部2Aと両サイド支持部2Bとの間の結合部に、それぞれ挟持部材30を設けたことにより、大荷重入力時に挟持部材30を効果的に変形させてバックカバー20の突っ張りをより起こさせにくくすることができる。なお、その他の構成については、実施例1で示した構成と同じとなっている。
このように、本実施例の構成によれば、カバーピース21の引込部21A同士が、通常時、挟持部材30(結合構造)によって第2の縫合部21C(縫合部)よりもバックカバー20(シートカバー)の表面に近い領域で互いに結合(押し付けられて密着)された状態に保たれることにより、引込部21A間の開きが抑えられて、シート表面の見栄えが損なわれないようにすることができる。なお且つ、バックカバー20に大荷重が入力された時には、挟持部材30が破断して、乗員の身体を第2の縫合部21Cまで深く沈み込ませられるようにすることができる。このように、挟持部材30を設けることで、第2の縫合部21Cをバックパッド10(シートパッド)内の深い位置に設けても、通常時のシート表面の見栄えを損なわないようにすることができる。
また、上記大荷重作用時に破断する結合構造が、引込部21A同士を弾性的な挟持力により密着させた状態に保持する挟持部材30の挟持構造によって構成されていることにより、シート表面に表れる引込部21A間の隙間のライン(溝形状2Hの意匠ライン)を、上記挟持力によってヨタらせる(蛇行させる)ことなく真っ直ぐに保持することができる。
以上、本発明の実施形態を2つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、本発明の「乗物用シート」は、自動車の助手席以外のシートにも適用することができるほか、鉄道等の自動車以外の車両に適用されるシートであってもよく、また、航空機、船舶等の様々な乗物用に供されるシートにも広く適用することができるものである。また、本発明の構成は、シートバックのほか、シートクッションやヘッドレストにも適用することができるものである。
また、「結合構造」は、通常時、隣り合うカバーピースの引込部同士を縫合部よりもシートカバーの表面に近い領域で互いに結合させた状態に保持し、大荷重入力時に破断するようになっているものであればよく、縫合や樹脂製の挟持部材による挟持構造の他、金属部材による挟持構造や、カバーピース間に何らかの結合構造を備えた部材を介在させる構成から成るものであってもよい。
また、「シートカバー」は、皮革(本皮や合成皮革や人工皮革など)の他、ファブリック(生地や織物など)から成るものであってもよい。また、「シートカバー」は、素材の異なるカバーピース同士を繋ぎ合わせて構成したものであってもよい。また、「シートカバー」は、シートパッドと一体発泡されて接着された状態に設けられるものに限らず、シートパッドの表面に被せ付けられて設けられるものであってもよい。すなわち、「シートカバー」は、その隣り合うカバーピース同士の結合部がシートパッド内に引き込まれて設けられるものであればよい。
1 シート
2 シートバック
2A 中央支持部
2A1 上側中央支持部
2A2 下側中央支持部
2B サイド支持部
2H 溝形状
2H1 交点
2H2 上端部
2F バックフレーム
2Fs サイドフレーム
3 シートクッション
4 ヘッドレスト
10 バックパッド(シートパッド)
11 引込溝
PU ポリウレタン樹脂原料
20 バックカバー(シートカバー)
21 カバーピース
21A 引込部
21B 第1の縫合部(結合構造)
21C 第2の縫合部(縫合部)
22 カバーパッド
30 挟持部材(結合構造)
31 挟持部
32 基部
40 成形型
41 上型
42 下型
43 キャビティ空間

Claims (3)

  1. シートカバーの隣り合うカバーピース同士の縫合部がシートパッド内に引き込まれて設けられる乗物用シートであって、
    前記シートパッド内に引き込まれる前記隣り合うカバーピースの引込部同士を前記縫合部よりも前記シートカバーの表面に近い領域で互いに結合させた状態に保持することのできる結合構造を有し、
    前記結合構造は、前記縫合部よりも弱い結合力で前記引込部同士を結合しており、前記シートカバーに乗員の着座による体圧がかけられても前記引込部同士を結合させた状態に保持するが、乗物の衝突発生により前記シートカバーに乗員からの体圧が強くかけられて前記引込部同士を無理に引き離す大荷重が入力されることにより破断し、乗員の身体を前記縫合部まで受け入れられるようにする構成となっていることを特徴とする乗物用シート。
  2. 請求項1に記載の乗物用シートであって、
    前記結合構造が前記引込部同士を縫糸により縫合して結合した構造となっていることを特徴とする乗物用シート。
  3. 請求項1に記載の乗物用シートであって、
    前記結合構造が前記引込部同士を挟持部材により弾性的に挟み込んで結合した構造となっていることを特徴とする乗物用シート。
JP2014044883A 2014-03-07 2014-03-07 乗物用シート Expired - Fee Related JP6152810B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014044883A JP6152810B2 (ja) 2014-03-07 2014-03-07 乗物用シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014044883A JP6152810B2 (ja) 2014-03-07 2014-03-07 乗物用シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015167716A JP2015167716A (ja) 2015-09-28
JP6152810B2 true JP6152810B2 (ja) 2017-06-28

Family

ID=54201016

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014044883A Expired - Fee Related JP6152810B2 (ja) 2014-03-07 2014-03-07 乗物用シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6152810B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4013526B2 (ja) * 2001-11-01 2007-11-28 トヨタ紡織株式会社 ネットシート
JP5372542B2 (ja) * 2009-02-04 2013-12-18 テイ・エス テック株式会社 乗物用シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015167716A (ja) 2015-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9707917B2 (en) Vehicle seat
US9987959B2 (en) Seat cover and vehicle seat
JP6276042B2 (ja) 乗物用シート
JP6013530B2 (ja) 乗物用シート
US10029592B2 (en) Cushion body
JP6098616B2 (ja) 車両用シート
JP2017217984A (ja) 車両用シート
JP6639333B2 (ja) 車両用シート
JP6660803B2 (ja) 車両用シート
JP6292100B2 (ja) 乗物用シート
JP6152810B2 (ja) 乗物用シート
JP2015154805A (ja) 乗物用シート
US9428091B2 (en) Vehicle seat
JP2015167672A (ja) 乗物用シート
CN117397960A (zh) 座椅垫和座椅垫制造方法
JP5565622B2 (ja) 自動車用シート
JP2019188973A (ja) 乗物用シート構成部材の製造方法
JP2016022191A (ja) シートの表皮構造およびシートの表皮縫製方法
JP5883422B2 (ja) 乗物用シート
US11312327B2 (en) Vehicle seat and method for manufacturing the same
JP5683145B2 (ja) 車両用シート
JP7337559B2 (ja) シートバック
JP2007229306A (ja) 車両用シートバック
JP6291331B2 (ja) ヘッドレスト表皮及びヘッドレスト装置
JP2014148307A (ja) 車両用シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160721

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170502

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170515

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6152810

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees