JP6151793B2 - ダブルショルダ型ツールジョイント - Google Patents
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Description
(ツールジョイント及びドリルパイプの全体構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るダブルショルダ型のツールジョイント、及び、ドリルパイプの全体を示す図である。このダブルショルダ型のツールジョイント1は、ドリルパイプ4の一端に形成され雌ネジ部23を備えたボックス2と他端に形成され雄ネジ部33を備えたピン3とを有するドリルパイプ4であって、他の同様のドリルパイプ4のボックス2の雌ネジ部23又はピン3の雄ネジ部33と螺合して順次接続される管継手である。ドリルパイプ4は、ボックス2とピン3とを備えるツールジョイント1により順次ドリルパイプ4を接続するように構成されている。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るダブルショルダ型のツールジョイントの図1の管軸に沿う断面であって、ピンとボックスがネジ噛合していない断面図である。図3は、本発明の第1の実施の形態に係るダブルショルダ型のツールジョイントの図1の管軸に沿う断面であって、ピンとボックスがネジ噛合している断面図である。このツールジョイント1は、雌ネジ部23を有するボックス2と、雄ネジ部33を有するピン3とから構成される。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態においてピン3にのみガード部(ピンガード部30)を有する構成である。したがって、重複する説明を省略し、第2の実施の形態に基づいて、ドリルパイプ4の内部と外部の水密性を保つためのシール性能等を説明する。
上記示した各部の寸法例は、例えば、ドリルパイプ4の全長〜13500mm、パイプ外径60.2mm〜168.3mm、内径38.1mm〜127.0mm、ピンノーズ長12.7mm〜38.1mmのドリルパイプに適用することができる。
ボックス2とピン3は、雌ネジ部23と雄ネジ部33によりネジ噛合され、ネジ噛合により締め付けた際、ボックス入口スリーブ端面21と外面肩部端面35、ボックスシール面28とピンシール面39、内面肩部端面25bとピンノーズ端面31が順次接触するようそれぞれの接触面の寸法が設定されている。このような寸法に設定されたツールジョイント1を用いて複数のドリルパイプ4を接続するには、まず、ボックス2とピン3とを対向させ、ボックス2の開口の中にピン3の先端を入れ、ボックス2とピン3の両方あるいは一方を回転させ、ボックス入口スリーブ端面21と外面肩部端面35が接触し、次に、ボックスシール面28とピンシール面39が接触し、さらに、内面肩部端面25bとピンノーズ端面31が順次接触するまで締結する。
本発明の実施の形態に係るツールジョイント1、すなわちシールありタイプのダブルショルダ型のドリルパイプの性能評価を、ピンシール面とボックスシール面を有さないシールなしタイプのダブルショルダ型のドリルパイプと比較しながら行なった。
ここで、ドリルパイプ、ツールジョイントは、以下のような仕様である。
ドリルパイプ:外径88.9mm×肉厚11.40mm グレードG105(API 5DPより)
ツールジョイント:DSTJ−SST39
試験条件としては、図10に示すVMEカーブに沿って、LP(Load Point)1からLP13まで内圧を上昇させた際の継手からのリーク発生ポイントを調査する。なお、LP2→LP2Bへ荷重をかける際、曲げ荷重(7.5°/100ft)のみでLP2Bまで負荷をかける。以降、内圧を2000psi/stepで上昇させる。
[試験体No.1(シール有り)]
図9Aに示す試験体No.1(本発明に係るダブルショルダ型のツールジョイント)はリーク発生せず。
最終LP13:Total axial load 289.0kips(131tonf)、引張荷重 150.1kips(68tonf)、内圧 27000psi(186.2MPa)
試験設備FSTの限界により、試験を終了した。
図9Bに示す試験体No.2(従来のダブルショルダ型のツールジョイント)は、LP6にてリークが発生した。
LP6 :Total axial load 474.5kips(215tonf)、引張荷重 397.3kips(180tonf)、内圧 15000psi(103.4MPa)
実際には一歩手前のLP5(引張荷重:483.5kips、内圧:13000psi)にて、圧力降下がみられた。
(1)シール面であるピンシール面39をピンノーズ端面31から後退した部位(別の面)に設ける構成としたので、ピンシール面39はパイプの端面受圧面に連続していないためにパイプをリグ上の床面に立て掛けても、シール面がぶつかって損傷することはなく、また、側面からの損傷を受けにくくなっている。
(2)内面受圧面として機能する内面肩部端面25bとピンノーズ端面31の接触面とは別に、ピンシール面39とボックスシール面28が確実に接触する構成とされているので、半径方向の締め代管理の為の厳しい寸法管理等の必要性がない。さらに、シール面が管軸に直角となっている為、球形あるいは斜形のシール面ではなく製造時の寸法測定が容易で特殊な測定器具を準備する必要がない。
(3)DSTJ(ダブルショルダ型ツールジョイント)技術において、従来同様の締め付けトルクにより、まず外面の受圧面(ボックス入口スリーブ端面21と外面肩部端面35の接触する外面受圧面)があたり、続いて内面の受圧面(内面肩部端面25bとピンノーズ端面31の接触する内面受圧面)が当たる。このとき、本発明のピンシール面39とボックスシール面28の接触面であるシール面は、限りなく内面受圧面に近い部位に位置する。これにより、ピン先端の強度を保ちつつ損傷を受けにくい構造とし、かつ、内圧の上昇によるリークを確実に抑制できる。これにより、ツールジョイントのシール面(ピンノーズ先端部)が損傷を受けにくく、連結して使用した場合の水密性に優れたダブルショルダ型のツールジョイントを提供することができる。
(4)シール幅:1mmから2mm、内面受圧面からシール面までの段差:2mmから5mm、シール面の粗さ:32S以内とすることにより、平均掘削ドリリングマッド圧7000psiの内圧に耐えうるツールジョイント、ドリルパイプが可能となる。
(5)水孔は隙間や疲労き裂などの貫通疵を漏洩ルートとし水圧圧力により侵食を繰り返し大きな開口部になり、圧力損失によるドリルパイプ先端ビットの掘削効率の低減、あるいは水孔部の破断につながり大きな操業トラブル及び時間ロスになる。しかし、内面受圧面と別に、ピンシール面39とボックスシール面28によるシール面を有する構成であるので、シール性能によって水孔発生を抑制でき、リグの大きな操業トラブル防止、休止時間の短縮及びドリルパイプ自身の寿命向上を図ることが可能となる。
本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の形態においてボックス2にガード部(ボックスガード部20)を有する構成である。したがって、重複する説明を省略し、ピン3がピンガード部30を有し、かつ、ボックス2がボックスガード部20を有する構成について、図11に基づいて説明する。
本発明は、完全かつ明瞭な開示のために特定の実施の形態に関連して説明されているが、添付の特許請求の範囲は上記の実施の形態に限定されず、当業者が本願明細書に記載の基本的な教示に基づき想到しうるあらゆる改良及び代替的構造を内包するように解釈されるものとする。
2…ボックス
3…ピン
4…ドリルパイプ
20…ガード部(ボックスガード部)
20a…内周面
20b…ボックス入口ガード面(第5面)
21…ボックス入口スリーブ端面(第1面)
22…ボックス入口スリーブ
22a…内周面
23…雌ネジ部
24…ボックス奥部スリーブ
24a…内周面
25a…内周面
25b…内面肩部端面(第7面)
26…ボックス外径部
27…ボックス側テーパショルダ
28…ボックスシール面(第2面)
30…ガード部(ピンガード部)
31…ピンノーズ端面(第6面)
32…ピンノーズ
32a…外周面
33…雄ネジ部
34…ピンベース
34a…外周面
35…外側肩部端面(第3面)
36a…内周面
36b…外側肩部ガード端面(第8面)
37…ピン外径部
38…ピン側テーパショルダ
39…ピンシール面(第4面)
40…管外径部
41…管内径部
50…管軸
Claims (7)
- 管軸と直交する第1の接触面を有するボックス入口スリーブ、前記管軸に対して所定のテーパを有する雌ネジ部、前記管軸と直交する第2の接触面を有するボックス奥部スリーブを有するボックスと、
前記第1の接触面に接触する第3の接触面を有するピンベース、前記雌ネジ部にネジ係合する雄ネジ部、前記第2の接触面に接触する前記管軸と直交する第4の接触面を有するピンノーズを有するピンと、を有し、
前記ボックスの先端部に前記第1の接触面から前進した部位に第5の接触面を、及び前記ピンの先端部に前記第4の接触面から前進した部位に第6の接触面を備えて突出して形成されたガード部を更に有し、
前記ピンと前記ボックスは、前記雄ネジ部と前記雌ネジ部によりネジ係合され、前記ネジ係合により締め付けた際、外面受圧を確保する前記第1の接触面と前記第3の接触面が最初に接触するようそれぞれの前記接触面の寸法が設定されていることを特徴とするダブルショルダ型ツールジョイント。 - 前記ピンの先端部に形成された前記ガード部は、前記第6の接触面が、前記ボックス奥部スリーブの前記第2の接触面から後退して形成された第7の接触面と接触する請求項1に記載のダブルショルダ型ツールジョイント。
- 前記ボックスの先端部に形成された前記ガード部は、前記第5の接触面が、前記ピンベースの前記第3の接触面から後退して形成された第8の接触面と接触する請求項1又は2に記載のダブルショルダ型ツールジョイント。
- 前記ピンと前記ボックスは、前記雄ネジ部と前記雌ネジ部によりネジ係合され、前記ネジ係合により締め付けた際、前記第1の接触面と前記第3の接触面、前記第2の接触面と前記第4の接触面、前記第6の接触面と前記第7の接触面が順次接触するようそれぞれの接触面の寸法が設定されている請求項2に記載のダブルショルダ型ツールジョイント。
- 前記第4の接触面と前記第2の接触面とのシール幅は、1mmから2mmに形成されている請求項2又は4に記載のダブルショルダ型ツールジョイント。
- 前記第4の接触面は、前記ピンノーズの前記第6の接触面から2mmから5mmだけ後退した位置に形成されている請求項2又は4に記載のダブルショルダ型ツールジョイント。
- 前記第2の接触面と前記第4の接触面は、それぞれ表面粗さ32S以下に形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載のダブルショルダ型ツールジョイント。
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