JP6151206B2 - 無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、てこクランク機構を用いた四節リンク型の無段変速機に関する。
従来、車両に設けられたエンジン等の駆動源からの駆動力が伝達される入力軸と、該入力軸と平行に配置された出力軸と、入力軸に設けられた複数の偏心機構と、出力軸に揺動自在に軸支される複数の揺動リンクと、一方の端部に偏心機構に回転自在に外嵌される大径環状部を有し、他方の端部が揺動リンクの揺動端部に連結されるコネクティングロッドとを備えた四節リンク型の無段変速機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のものでは、各偏心機構は、入力軸に偏心して設けられたカムディスクと、このカムディスクに偏心して回転自在に設けられた回転ディスクとからなる。また、揺動リンクと出力軸との間には、一方向クラッチが設けられている。一方向クラッチは、揺動リンクが出力軸に対して一方側に相対回転しようとするときに、出力軸に揺動リンクを固定し、他方側に相対回転しようとするときに、出力軸に対して揺動リンクを空転させる。
入力軸には、ピニオンシャフトが挿入されるとともに、カムディスクの偏心方向に対向する個所に切欠孔が形成され、この切欠孔からピニオンシャフトが露出している。回転ディスクには入力軸及びカムディスクを受け入れる受入孔が設けられている。この受入孔を形成する回転ディスクの内周面には内歯が形成されている。
内歯は、入力軸の切欠孔から露出するピニオンシャフトと噛合する。入力軸とピニオンシャフトとを同一速度で回転させると、偏心機構の偏心量が維持される。入力軸とピニオンシャフトの回転速度を異ならせると、偏心機構の偏心量が変更されて、変速比が変化する。
入力軸を回転させることにより偏心機構を回転させると、コネクティングロッドの大径環状部が回転運動して、コネクティングロッドの他方の端部と連結される揺動リンクの揺動端部が揺動する。揺動リンクは、一方向クラッチを介して出力軸に設けられているため、一方側に回転するときのみ出力軸に回転駆動力(トルク)を伝達する。
各偏心機構のカムディスクの偏心方向は、夫々位相を異ならせて入力軸周りを一周するように設定されている。従って、各偏心機構に外嵌されたコネクティングロッドによって、揺動リンクが順にトルクを出力軸に伝達するため、出力軸をスムーズに回転させることができる。
特表2005−502543号公報
上記のようなてこクランク型の無段変速機では、コネクティングロッドの回転運動によってリンクを揺動させるために、コネクティングロッドの端部と揺動リンクとが連結ピンで連結されている。
このような連結構造では、コネクティングロッドの端部から揺動リンクへ確実にトルクを伝達することと、リンクの揺動運動に対して摩擦を最小限にすることが要求される。また、連結部分に大きな負荷がかかるので、耐久性に優れた連結構造であることも要求される。
本発明は、以上の点に鑑み、てこクランク型の無段変速機において、コネクティングロッドから揺動リンクへのトルク伝達を確実に行う一方、リンクの揺動運動に対して摩擦を最小限にすることができるコネクティングロッドと揺動リンクとの連結構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、車両用駆動源からの駆動力が伝達される入力軸と、前記入力軸と平行に配置された出力軸と、前記入力軸の回転中心軸線を中心として回転可能な回転部の回転半径を調節自在な回転半径調節機構、揺動端部が設けられ前記出力軸に揺動自在に軸支された揺動リンク、及び一方の端部が前記回転半径調節機構の回転部に回転自在に接続され、他方の端部が前記揺動リンクの揺動端部に連結ピンで回転自在に連結されたコネクティングロッドを有し、前記入力軸の回転運動を前記揺動リンクの揺動運動に変換するてこクランク機構と、前記揺動リンクが前記出力軸に対して第1の回転方向に相対回転しようとするときに前記出力軸に前記揺動リンクを固定し、前記揺動リンクが前記出力軸に対して前記第1の回転方向とは逆の第2の回転方向に相対回転しようとするときに前記出力軸に対して前記揺動リンクを空転させる一方向回転阻止機構とを備え、前記回転部の回転半径を変化させることによって変速比が変化する無段変速機であって、
前記コネクティングロッドは、前記揺動リンクを前記第1の回転方向に相対回転させる第1の運動方向、及び前記揺動リンクを前記第2の回転方向に相対回転させる第2の運動方向に運動可能であり、前記コネクティングロッドが前記第2の運動方向に運動する際の前記コネクティングロッドと前記連結ピンとの接触面積が、前記コネクティングロッドが前記第1の運動方向に運動する際の前記コネクティングロッドと前記連結ピンとの接触面積よりも小さく、前記連結ピンは、前記揺動リンクに固定され、前記コネクティングロッドが前記第2の運動方向に運動するときに前記他方の端部の内壁面と接触する前記連結ピンの側面に切欠き部を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、コネクティングロッドが揺動端部を出力軸にトルクが伝達されない方向に揺動させる際のコネクティングロッドと連結ピンとの接触面積が小さくなるため、コネクティングロッドと連結ピンとの摩擦抵抗を適切に低減させることができる。
本発明において、前記連結ピンは柱形状であり、前記コネクティングロッドが前記第2の運動方向に運動するときに前記他方の端部の前記連結ピンと接触する側の内壁面の、前記連結ピンの長さ方向の幅が、前記コネクティングロッドが前記第1の運動方向に運動するときに前記他方の端部の前記連結ピンと接触する側の内壁面の、前記連結ピンの長さ方向の幅よりも小さくなるようにするとよい。かかる構成によれば、簡単な構成変更により、コネクティングロッドと連結ピンとの接触面積を小さくして摩擦抵抗を適切に低減することができる。
また、本発明において、前記連結ピンを前記揺動リンクに固定し、前記コネクティングロッドが前記第2の運動方向に運動するときに前記他方の端部の内壁面と接触する前記連結ピンの側面に切欠き部を形成している。かかる構成によれば、コネクティングロッドと連結ピンとの接触面積を小さくして、前記切欠き部において潤滑油を一時的に保持させることで、コネクティングロッドと前記連結ピンとの摩擦抵抗をより低減することができる。
本発明の実施形態に係る無段変速機の一部を示す断面図。 図1の無段変速機のてこクランク機構の構成を軸方向から示す説明図。 図1の無段変速機のてこクランク機構の入力側支点の回転半径の変化を示す説明図であり、3Aは回転半径が「最大」、3Bは回転半径が「中」、3Cは回転半径が「小」、3Dは回転半径が「0」の場合を示す。 図1の無段変速機のてこクランク機構の入力側支点の回転半径の変化に対する出力側支点の揺動範囲の変化を示す説明図であり、4Aは揺動範囲が「最大」、4Bは揺動範囲が「中」、4Cは揺動範囲が「小」、4Dは揺動範囲が「0」の場合を示す。 実施例1の無段変速機の偏心機構の偏心量の変化に対する揺動リンクの角速度ω2の変化を示すグラフ。 実施例1の無段変速機において、夫々60度ずつ位相を異ならせた6つのてこクランク機構により出力軸が回転される状態を示すグラフ。 実施例1の無段変速機の作動状態を示す図。 (a)は実施例1の無段変速機の小径環状部の上面図、(b)はその側面図。 実施例1の無段変速機の図2のIX−IX線に沿った部分断面図。 実施例2の図9と同様な部分断面図。 実施例2の無段変速機の連結ピンの斜視図。 他の実施形態の無段変速機の図9と同様な部分断面図。 他の実施形態の無段変速機の図9と同様な部分断面図。 他の実施形態の無段変速機の図9と同様な部分断面図。
以下、本発明の無段変速機の実施形態を説明する。本実施形態の無段変速機は、変速比h(h=入力軸の回転速度/出力軸の回転速度)を無限大(∞)にして出力軸の回転速度を「0」にできる変速機、所謂インフィニティ・バリアブル・トランスミッション(Infinity Variable Transmission(IVT))の一種である。
(実施例1)
図1及び図2に示すように、実施例1の無段変速機1は、図示省略した内燃機関であるエンジンや電動機等の車両用駆動源からの回転動力を受けることで回転中心軸線P1を中心に回転する中空の入力軸2と、入力軸2に平行に配置され、図外のデファレンシャルギアやプロペラシャフト等を介して車両の駆動輪(図示省略)に回転動力を伝達させる出力軸3と、入力軸2に設けられた6つの回転半径調節機構4とを備える。各回転半径調節機構4は、カムディスク5と回転ディスク6とで前述のような偏心機構を構成している。
カムディスク5は、円盤状であり、回転中心軸線P1から偏心して入力軸2と一体的に回転するように入力軸2に2個1組で夫々設けられている。各1組のカムディスク5は、夫々位相を60度異ならせて、6組のカムディスク5で入力軸2の周方向を一回りするように配置されている。
カムディスク5には、入力軸2の回転中心軸線P1方向に貫通し、カムディスク5の中心P2に対して偏心した位置に穿設された貫通孔5aが形成されている。また、カムディスク5には、入力軸2の回転中心軸線P1を挟んでカムディスク5の中心P2と反対側となる領域に、カムディスク5の外周面と貫通孔5aの内周面とを連通させる切欠孔5bが形成されている。
2個1組のカムディスク5同士は,ボルト(図示省略)で固定されている。2個1組のカムディスク5の一方は、隣接する回転半径調節機構4が有する他の2個1組のカムディスク5の他方と一体的に形成され、一体型カム部を構成している。
回転ディスク6は、図2に示すように、その中心P3から偏心した位置に受入孔6aが設けられた円盤状であり、入力軸2の回転中心軸線P1に対して回転可能に設けられている。その受入孔6aには、各1組のカムディスク5が、回転自在に嵌め込まれている。また、回転ディスク6の受入孔6aには、図1に示すように、1組のカムディスク5の間となる位置に、内歯6bが設けられている。
上記回転ディスク6の受入孔6aは、入力軸2の回転中心軸線P1からカムディスク5の中心P2(受入孔6aの中心)までの距離Raと,カムディスク5の中心P2から回転ディスク6の中心P3までの距離Rbとが同一となるように、カムディスク5に対して偏心している。
入力軸2には、1組のカムディスク5の間に位置させて、カムディスク5の偏心方向に対向する個所に内周面と外周面とを連通させる切欠孔2aが形成されている。また、中空の入力軸2内には、入力軸2と同心に配置され、回転ディスク6と対応する個所に外歯7aを備えるピニオンシャフト7が入力軸2と相対回転自在となるように配置されている。ピニオンシャフト7の外歯7aは、入力軸2の切欠孔2aを介して、回転ディスク6の内歯6bと噛合する。
ピニオンシャフト7には、差動機構8が接続されている。差動機構8は、遊星歯車機構で構成されており、サンギア9と、入力軸2に連結された第1リングギア10と、ピニオンシャフト7に連結された第2リングギア11と、サンギア9及び第1リングギア10と噛合する大径部12aと、第2リングギア11と噛合する小径部12bとから成る段付きピニオン12を自転及び公転自在に軸支するキャリア13とを備える。
サンギア9には、ピニオンシャフト7用の電動機から成る駆動源14の回転軸14aが連結されている。駆動源14の回転速度を入力軸2の回転速度と同一にすると、サンギア9と第1リングギア10とが同一速度で回転することとなり、サンギア9、第1リングギア10、第2リングギア11及びキャリア13の4つの要素が相対回転不能なロック状態となって、第2リングギア11と連結するピニオンシャフト7が入力軸2と同一速度で回転する。
駆動源14の回転速度を入力軸2の回転速度よりも遅くすると、サンギア9の回転数をNs、第1リングギア10の回転数をNr1、サンギア9と第1リングギア10のギア比(第1リングギア10の歯数/サンギア9の歯数)をjとして、キャリア13の回転数が(j・Nr1+Ns)/(j+1)となる。そして、サンギア9と第2リングギア11のギア比((第2リングギア11の歯数/サンギア9の歯数)×(段付きピニオン12の大径部12aの歯数/小径部12bの歯数))をkとすると、第2リングギア11の回転数が{j(k+1)Nr1+(k−j)Ns}/{k(j+1)}となる。
カムディスク5が固定された入力軸2の回転速度とピニオンシャフト7の回転速度とが同一である場合には、回転ディスク6はカムディスク5と共に一体に回転する。入力軸2の回転速度とピニオンシャフト7の回転速度とに差がある場合には、回転ディスク6はカムディスク5の中心点P2を中心にカムディスク5の周縁を回転する。
図2に示すように、回転ディスク6は、カムディスク5に対して距離Raと距離Rbとが同一となるように偏心されているため、回転ディスク6の中心点P3を回転中心軸線P1と同一軸線上に位置するようにして、回転中心軸線P1と中心点P3との距離、即ち偏心量R1を「0」とすることもできる。
回転ディスク6の周縁には、一方の端部に大径の大径環状部15aを備え、他方の端部に大径環状部15aの径よりも小径の小径環状部15bを備えるコネクティングロッド15の大径環状部15aが、ローラベアリング16を介して回転自在に外嵌されている。出力軸3には、一方向回転阻止機構としての一方向クラッチ17を介して、揺動リンク18がコネクティングロッド15に対応させて6個設けられている。
揺動リンク18は、環状に形成されており、その上方には、コネクティングロッド15の小径環状部15bに連結される揺動端部18aが設けられている。揺動端部18aには、小径環状部15bを軸方向で挟み込むように突出した一対の突片18bが設けられている。一対の突片18bには、小径環状部15bの内径に対応する貫通孔18cが穿設されている。貫通孔18c及び小径環状部15bには柱状の連結ピン19が挿入されている。すなわち、小径環状部15bは、柱状の連結ピン19を挿入する孔18cを有する。そして、揺動リンク18の揺動端部18aは、図9に示すように、孔18cの両端部の内側に、連結ピン19の長さ方向両端部を抜け止めするC字状の弾性部材22を嵌め込む溝を備えている。この構成により、コネクティングロッド15と揺動リンク18とが連結される。
図3は、回転半径調節機構4の偏心量R1を変化させた状態のピニオンシャフト7と回転ディスク6との位置関係を示す。図3Aは、偏心量R1を「最大」とした状態を示しており、回転中心軸線P1と、カムディスク5の中心点P2と、回転ディスク6の中心点P3とが一直線に並ぶように、ピニオンシャフト7と回転ディスク6とが位置する。このときの変速比hは最小となる。
図3Bは、偏心量R1を図3(a)よりも小さい「中」とした状態を示しており、図3Cは、偏心量R1を図3(b)よりも更に小さい「小」とした状態を示している。変速比hは、図3Bでは、図3Cの変速比hよりも大きい「中」となり、図3Cでは、図3Bの変速比hよりも大きい「大」となる。図3Dは、偏心量R1を「0」とした状態を示しており、回転中心軸線P1と、回転ディスク6の中心点P3とが同心に位置する。このときの変速比hは無限大(∞)となる。
図2に示すように、実施例1の回転半径調節機構4、コネクティングロッド15及び揺動リンク18によって、てこクランク機構20が構成される。実施例1の無段変速機1は、合計6個のてこクランク機構20を備えている。偏心量R1が「0」でないときに、入力軸2を回転させると共に、ピニオンシャフト7を入力軸2と同一速度で回転させると、各コネクティングロッド15が60度ずつ位相を変えながら、偏心量R1に基づき入力軸2と出力軸3との間で出力軸3側に押したり、入力軸2側に引いたりを交互に繰り返して揺動する。
コネクティングロッド15の小径環状部15bは、出力軸3に一方向クラッチ17を介して設けられた揺動リンク18に連結されている。そのため、揺動リンク18がコネクティングロッド15によって押し引きされて揺動すると、揺動リンク18が押し方向側又は引張り方向側の何れか一方に揺動リンク18が揺動するときだけ、出力軸3にトルクが伝達する。そして、揺動リンク18が他方に揺動するときには、出力軸3に揺動リンク18の揺動運動の力が伝達されず、揺動リンク18が空回りする。
実施例1の無段変速機1では、一方向クラッチ17は、揺動リンク18の揺動端部18aが入力軸2から離れる方向に向かう回転方向のときに、揺動リンク18の揺動速度が出力軸3の回転速度よりも速い場合には、コネクティングロッド15のトルクが出力軸3に伝達される。逆に、一方向クラッチ17は、揺動リンク18の揺動端部18aが入力軸2に近づく方向に向かう回転方向のときに、コネクティングロッド15から出力軸3へのトルク伝達を阻止して揺動リンク18が出力軸3に対して空転する。
従って、実施例1の無段変速機1では、コネクティングロッド15の往復運動において、コネクティングロッド15が揺動リンク18の揺動端部18aを押圧する方向(以下、押圧方向ともいう)に運動するときに、出力軸3にトルクが伝達され得る。そして、コネクティングロッド15が揺動端部18aを引っ張る方向(以下、引張方向ともいう)に運動するときには出力軸3にトルクは伝達されない。なお、各回転半径調節機構4は、60度毎に位相を変えて配置されているため、出力軸3は各回転半径調節機構4で順に回転させられる。
図4は、回転半径調節機構4の回転ディスク6の中心P3(入力側支点)の回転半径(偏心量R1)と、揺動リンク18の揺動運動の揺動範囲θ2との関係を示す図である。
図4Aは、偏心量R1が図3Aの「最大」である場合(変速比hが「最小」である場合)、図4Bは、偏心量R1が図3Bの「中」である場合(変速比hが「中」である場合)、図4Cは、偏心量R1が図3Cの「小」である場合(変速比hが「大」である場合)、図4Dは、偏心量R1が図3Dの「0」である場合(変速比hが「無限大(∞)」である場合)を示す。
ここで、R2は、揺動リンク18の長さである。より具体的には、R2は、出力軸3の回転中心軸線P5からコネクティングロッド15と揺動端部18aとの連結点、すなわち、連結ピン19の中心(出力側支点P4)までの距離である。また、θ1は、回転半径調節機構4の回転ディスク6の位相である。
この図4から明らかなように、偏心量R1が小さくなるにつれ、揺動リンク18の揺動範囲θ2が狭くなり、偏心量R1が「0」になった場合には、揺動リンク18は揺動しなくなる。
図5は、無段変速機1の回転半径調節機構4の回転角度θを横軸、揺動リンク18の角速度ωを縦軸として、回転半径調節機構4の偏心量R1の変化に伴う角速度ωの変化の関係を示す。図5から明らかなように、偏心量R1が大きい(変速比hが小さい)ほど揺動リンク18の角速度ωが大きくなることが分かる。
図6は、60度ずつ位相を異ならせた6つの回転半径調節機構4を回転させたとき(入力軸2とピニオンシャフト7とを同一速度で回転させたとき)の回転半径調節機構4の回転角度θに対する、各揺動リンク18の角速度ωを示している。図6から、6つのてこクランク機構20により出力軸3がスムーズに回転されることが分かる。
図7(a)及び(b)は、無段変速機1の作動時の揺動リンク18の揺動端部18a周辺の拡大図である。図7において、(a)はコネクティングロッド15によって揺動端部18aが押圧を受けているとき、(b)は引っ張りを受けているときの状態を示している。
上述のように、実施例1の無段変速機1では、コネクティングロッド15が揺動リンク18の揺動端部18aを押圧する方向に運動するときに、出力軸3にトルクが伝えられ得る。従って、図7(a)に示すように、コネクティングロッド15が揺動リンク18の揺動端部18aを押圧するときに接触する連結ピン19と小径環状部15bの内壁面21の入力軸2側(近位側)壁面との接触面には、トルク伝達のための大きな力が作用し得る。
そのため、小径環状部15bの内壁面21の近位側壁面は、コネクティングロッド15が揺動端部18aを押圧する際のトルク伝達のための力を受けるために連結ピン19との十分な接触面積を有することが必要である。
その一方、図7(b)に示すように、コネクティングロッド15が揺動リンク18の揺動端部18aを引っ張る方向に運動する際には、出力軸3にトルクが伝えられることはない。従って、コネクティングロッド15が揺動リンク18の揺動端部18aを引っ張る際には、連結ピン19と小径環状部15bの内壁面21の入力軸2と反対側(遠位側)壁面との間で出力軸3へのトルクの伝達は行われない。従って、コネクティングロッド15が揺動リンク18の揺動端部18aを引っ張る際に接触する小径環状部15bの内壁面21の遠位側壁面は、内壁面21の近位側壁面ほどの面積は必要ない。
図8(a)は、実施例1の無段変速機1のコネクティングロッド15の小径環状部15b周辺の上面図である。図8(b)は、コネクティングロッド15の小径環状部15b周辺の側面図である。図8(a)及び(b)に示すように、実施例1の無段変速機1では、各コネクティングロッド15の先端部に狭窄部23が形成されている。
すなわち、各コネクティングロッド15の小径環状部15bの内壁面21の遠位側壁面を形成する部分が、内壁面21の近位側壁面を形成する部分の幅Wより狭い幅Wを有する狭窄部23となっている。従って、小径環状部15bの内壁面21の幅は、遠位側の壁面の方が近位側の壁面よりも小さくなっている。
換言すれば、実施例1の無段変速機1において、各コネクティングロッド15の小径環状部15bの内壁面21の引張方向を臨む壁面、すなわち引っ張り力を受ける壁面を形成する部分が狭窄部23となっている。また、連結ピン19の長さ方向における小径環状部15bの内壁面21の幅は、引張方向を臨み引っ張り力を受ける壁面のほうが押圧方向を臨み押圧力を受ける壁面よりも小さくなっている。
図9は、図2のIX−IX線(P4を通って連結ピン19の中心軸に垂直に交わる直線)に沿った断面図である。図示のように、実施例1の無段変速機1では、コネクティングロッド15が揺動端部18aを押圧する方向に運動する際の、小径環状部15bの内壁面21と連結ピン19との接触部分Aの接触面積より、コネクティングロッド15が揺動端部18aを引っ張る方向に運動する際の、小径環状部15bの内壁面21と連結ピンとの接触部分Bの接触面積が小さくなる。
上記のように、実施例1の無段変速機1では、コネクティングロッド15が揺動端部18aを押圧する方向に運動してトルクを伝達する際は、小径環状部15bの内壁面21の幅の広い近位側壁面と連結ピン19が接触して十分なトルク伝達が行われる。一方、出力軸3へのトルク伝達に寄与しないコネクティングロッド15の小径環状部15bの内壁面21の遠位側壁面を形成する領域に、狭窄部23を形成している。
従って、コネクティングロッド15が揺動端部18aを引っ張る方向に運動するとき、すなわちトルクの伝達が行われない際には、狭窄部23によって形成される小径環状部15bの内壁面21の幅の狭い遠位側壁面と連結ピン19が接触して、摩擦抵抗が低く保たれつつ揺動端部18aが引っ張られることとなる。
従って、コネクティングロッド15から出力軸3への十分なトルク伝達を保証しつつ、コネクティングロッド15と揺動リンク18との間の摩擦抵抗を低減することができる。
(実施例2)
次に、本発明の実施例2の無段変速機1について説明する。実施例2の無段変速機1は、コネクティングロッド15の小径環状部15bの形状及び連結ピン19の形状が異なる以外は、実施例1の無段変速機1と同様の構成を有している。よって、以下の説明においては、必要に応じて図2を参照しながら説明する。
図10に示すように、実施例2の無段変速機1では、実施例1の無段変速機1と異なり、コネクティングロッド15の小径環状部15bに、図9に示された狭窄部23は形成されていない。また、図11に示すように、連結ピン19の側面の入力軸2と反対側の(遠位側)側面、すなわち引張方向と対向し、引っ張り力を受ける側面に切欠き25が形成されている。
切欠き25は、コネクティングロッドの小径環状部15bの幅Wよりも小さい幅Wで形成されている。この場合、連結ピン19は、揺動端部18aの貫通孔18c内で回転しないように固定具27によって固定されている。従って、連結ピン19の切欠き25は、連結ピン19の遠位側壁面に常時位置することになる。
これにより、図10に示すように、コネクティングロッド15が揺動端部18aを押圧する方向に運動してトルク伝達が行われる際の小径環状部15bの内壁面21と連結ピン19との接触部分Aの接触面積が確保される。その一方で、コネクティングロッド15が揺動端部18aを引っ張る方向に運動する際、すなわちトルク伝達が行われない際の小径環状部15bの内壁面21と連結ピン19との接触部分Bの面積が接触部分Aの面積より小さくなされ、この際の摩擦抵抗を低減することが可能である。
従って、コネクティングロッド15から出力軸3への十分なトルク伝達を保証しつつ、コネクティングロッド15と揺動リンク18との間の摩擦抵抗を低減することが可能である。
また、実施例2の無段変速機1では、オイル供給機構(図示せず)により、貫通孔18c、連結ピン19及び小径環状部15bにオイルが供給されて潤滑が行われる場合に、切欠き25に当該供給されたオイルが一時的に留まる。そのため、貫通孔18c、連結ピン19及び小径環状部15bの潤滑をより良好に行うことが可能となる。
なお、切欠き25の位置または個数は、図示のものに限定されず、小径環状部15bと連結ピン19とが円滑に回動可能である位置または個数で設けることが可能である。
上記実施形態の無段変速機は、コネクティングロッド15で揺動端部18aを押圧するときに出力軸3に回転駆動力(トルク)が伝達されるものとして説明した。しかし、本発明が適用される無段変速機は、これに限らず、コネクティングロッドが揺動端部を引っ張る方向に運動するときに出力軸に回転駆動力が伝達され得、コネクティングロッドが揺動端部を押圧する方向に運動するときには出力軸に回転駆動力が伝達されないものであってもよい。
この場合、実施例1のように、コネクティングロッド15に狭窄部23を設ける場合には、他の形態として、図12に示すように、狭窄部23を小径環状部15bの内壁面21の近位側壁面を形成する部分に設ければよい。すなわち、狭窄部23を小径環状部15bの内壁面21の押圧方向を臨み、押圧力を受ける壁面を形成する部分に設けてもよい。
また、実施例2のように連結ピン19に切欠き25を設ける場合には、他の形態として、図13に示すように、切欠き25を連結ピン19の側面の近位側に設ければよい。すなわち、切欠き25を連結ピン19の側面の押圧方向に対向し、押圧力を受ける側面に設ければよい。
また、上記実施例では、狭窄部23または切欠き25のいずれかを設ける構成を例に説明したが、他の形態として、図14に示すように狭窄部23及び切欠き25の両方を設けることとしてもよい。この場合、切欠き25に狭窄部23が嵌合しないように、狭窄部23の幅Wを切欠き25の幅Wより大きくとるのが好ましい。
また、上記実施例においては、一方向回転阻止機構として、一方向クラッチを用いているが、本発明の一方向回転阻止機構は、これに限らず、揺動リンクから出力軸にトルクを伝達可能な揺動リンクの出力軸に対する回転方向を切換自在に構成される二方向クラッチ(ツーウェイクラッチ)で構成してもよい。
1…無段変速機、2…入力軸、2a…切欠孔、3…出力軸、4…回転半径調節機構、5…カムディスク、6…回転ディスク、6a…受入孔、6b…内歯、7…ピニオンシャフト、7a…外歯、8…差動機構(遊星歯車機構)、9…サンギア、10…第1リングギア、11…第2リングギア、12…段付きピニオン、12a…大径部、12b…小径部、13…キャリア、14…駆動源(電動機)、14a…回転軸、15…コネクティングロッド、15a…大径環状部、15b…小径環状部、16…ローラベアリング、17…一方向クラッチ(一方向回転阻止機構)、18…揺動リンク、18a…揺動端部、18b…突片、18c…貫通孔、19…連結ピン、20…てこクランク機構、21…内壁面、23…狭窄部、25…切欠き、27…固定具、P1…回転中心軸線、P2…カムディスクの中心点、P3…回転ディスクの中心点、Ra…P1とP2の距離、Rb…P2とP3の距離、R1…偏心量(P1とP3の距離)、θ2…揺動範囲、W…小径環状部の内壁面の近位側面を形成する部分の幅、W…狭窄部の幅、W…小径環状部の幅、W…切欠きの幅。

Claims (2)

  1. 車両用駆動源からの駆動力が伝達される入力軸と、
    前記入力軸と平行に配置された出力軸と、
    前記入力軸の回転中心軸線を中心として回転可能な回転部の回転半径を調節自在な回転半径調節機構、揺動端部が設けられ前記出力軸に揺動自在に軸支された揺動リンク、及び一方の端部が前記回転半径調節機構の回転部に回転自在に接続され、他方の端部が前記揺動リンクの揺動端部に連結ピンで回転自在に連結されたコネクティングロッドを有し、前記入力軸の回転運動を前記揺動リンクの揺動運動に変換するてこクランク機構と、
    前記揺動リンクが前記出力軸に対して第1の回転方向に相対回転しようとするときに前記出力軸に前記揺動リンクを固定し、前記揺動リンクが前記出力軸に対して前記第1の回転方向とは逆の第2の回転方向に相対回転しようとするときに前記出力軸に対して前記揺動リンクを空転させる一方向回転阻止機構とを備え、
    前記回転部の回転半径を変化させることによって変速比が変化する無段変速機であって、
    前記コネクティングロッドは、前記揺動リンクを前記第1の回転方向に相対回転させる第1の運動方向、及び前記揺動リンクを前記第2の回転方向に相対回転させる第2の運動方向に運動可能であり、前記コネクティングロッドが前記第2の運動方向に運動する際の前記コネクティングロッドと前記連結ピンとの接触面積が、前記コネクティングロッドが前記第1の運動方向に運動する際の前記コネクティングロッドと前記連結ピンとの接触面積よりも小さく、
    前記連結ピンは、前記揺動リンクに固定され、前記コネクティングロッドが前記第2の運動方向に運動するときに前記他方の端部の内壁面と接触する前記連結ピンの側面に切欠き部を設けたことを特徴とする無段変速機。
  2. 前記連結ピンは柱形状であり、前記コネクティングロッドが前記第2の運動方向に運動するときに前記他方の端部の前記連結ピンと接触する側の内壁面の、前記連結ピンの長さ方向の幅が、前記コネクティングロッドが前記第1の運動方向に運動するときに前記他方の端部の前記連結ピンと接触する側の内壁面の、前記連結ピンの長さ方向の幅よりも小さくなるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の無段変速機。
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