JP6151102B2 - アタッチメント - Google Patents
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Description
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、既設の開閉器のブッシングに容易に取り付け可能であり、例えば鳥が運んできた金属線材が充電部に接触することによって起こる配電線故障を防止するアタッチメントを提供することにある。
C字状のフレームは、周方向の一部に形成された開口の幅を広げるように弾性変形可能である。
把持部は、フレームの開口に対して周方向の反対側において径外方向に突出する。
複数の碍子側リブは、フレームの径内方向に突出し、ブッシングに取り付けられたとき、碍子部の溝に係止する。
複数の端子側リブは、フレームの径内方向に突出し、内壁が端子カバーの端子被覆部相当の半径を有する円弧状に形成されており、ブッシングに取り付けられたとき、端子カバーの内側に嵌合する絶縁性の端子カバー座の外壁との間に端子カバーを挟持する。
このアタッチメントは、作業者が把持部を把持し端子カバーの外面に開口を当接させた状態で押圧することにより、フレームを弾性変形させてブッシングに取り付け可能であることを特徴とする。
最初に、当該アタッチメントが適用される開閉器について、図9を参照して説明する。開閉器7は、発電所や変電所から送電される電力の供給経路を開閉するものであり、箱形の本体70と、本体70から突出したブッシング80とからなる。ブッシング80は、絶縁性の碍子部81の先端に、電線89に接続される端子88が設けられている。碍子部81は、凸部83と溝84とが繰り返す凹凸形状をしており、表皮効果による電流が流れにくくなっている。
なお、端子カバー10の位置ずれは、最大でも図9(b)に示す端子カバー座87の位置までとなるように規制されているため、端子88まで露出するような事態は起こり得ない。
一方、既設の開閉器7のブッシング80については、後付けのアタッチメントを用いて対策することが求められる。このアタッチメントは、(1)ブッシング80の充電部86を覆う端子カバー10の位置がずれないように固定する機能、(2)仮に端子カバー10の位置がずれても、アタッチメント自体が充電部86を覆い絶縁性を確保する機能、が要求される。
さらに、(5)ブッシング80にアタッチメントを取り付け済みであるか否かが地上から容易に確認できることが好ましい。
本発明の第1実施形態によるアタッチメント、及び当該アタッチメントが取り付けられる開閉器の構成について、図1〜図5を参照して説明する。
図1に示すアタッチメント20は、例えばABS系の樹脂材料で形成されており、絶縁性である。アタッチメント20は、フレーム21、把持部22、碍子側リブ27、端子側リブ28等を有している。C字状のフレーム21は、周方向の一部に開口23が形成されている。また、板厚等を適切に設定することで、開口23の幅が広がるように弾性変形可能となっている。
把持部22は、フレーム21の開口23に対して反対側において径外方向に突出している。フレーム21の開口23に面する端部には、開口23の口元が端子カバー10の外面に当接しやすいようにカーブしたガイド24が形成されている。
碍子側リブ27は、径内方向への突出長さが比較的長く、且つ軸方向の幅が比較的大きく形成されている。端子側リブ28は、径内方向への突出長さが比較的短く、且つ軸方向の幅が比較的小さく形成されている。また、端子側リブ28の内壁は、端子カバー10の端子被覆部11(図2参照)相当の半径を有する円弧状に形成されている。
詳しくは図3、図4に示すように、アタッチメント20がブッシング80に取り付けられたとき、4箇所の碍子側リブ27は、碍子部81の溝84に嵌まり込んで係止される。また、3箇所の端子側リブ28は、軸方向において端子カバー座87と一致する位置で端子カバー10の外面に当接する。これにより、端子カバー10は、端子カバー座87の外壁と端子側リブ28との間に挟まれて固定される。
まず図5(a)のように、作業者は、アタッチメント20の開口23を地方向に向けて把持部22を持ち、天側から、ブッシング80の碍子部81及び端子カバー10の外面にガイド24を当接させる。そして、図5(b)のようにアタッチメント20を押し下げると、フレーム21が変形して開口23の幅が広がり、ガイド24が端子カバー10の外周に倣ってずり下がる。ガイド24が端子カバー10の直径を超えると、広がったフレーム21が元に戻ろうとする弾性力も加わって、アタッチメント20は、図5(c)の位置まで移行し、ブッシング80に取り付けられる。
(1)アタッチメント20は、ブッシング80に取り付けられたとき、端子カバー座87の外壁と端子側リブ28との間に端子カバー10を安定的に挟持する。これにより、端子カバー10の位置ずれによる充電部86の露出を防止することができる。
また、アタッチメント20は、碍子側リブ27が碍子部81の溝84に嵌まり込むことで碍子部81に係止される。碍子側リブ27は離散して複数設けられているため、碍子部81との接触を低減し、ブッシング80の絶縁性の低下を防ぐことができる。
次に、参考形態としての第2実施形態のアタッチメントについて、図6〜図8を参照して説明する。
図6に示すアタッチメント30は、ポリエチレン(PE)等のエラストマー系樹脂材料で形成されており、絶縁性且つ柔軟性を有している。アタッチメント30は、周方向に連ねたとき環状をなす略半円形の分割壁31、32、分割壁31、32の接続端を折り曲げ支点として分割壁31、32同士を結合するヒンジ部33、及び、分割壁31、32の開放端同士を結合可能な結合部341、342等を有している。
ボタン35をボタン穴36に嵌めるとき、ボタン35の頭部をボタン穴36の口元に押し付けると、ボタン穴36が変形して広がり、ボタン35の頭部が通過する。ボタン35がボタン穴36に嵌まると、結合部341、342が互いに結合した状態でアタッチメント20が固定される。
まず図8(a)のように、作業者は、ヒンジ部33を支点として分割壁31、32を開いた状態でアタッチメント30を持ち、ブッシング80に近づける。そして、図8(b)のようにアタッチメント30がブッシング80を跨いだ位置から、結合部341、342同士を合わせて、ボタン35をボタン穴36に嵌合させると、端子カバー10がブッシング80に固定された状態でアタッチメント30が取り付けられる(図8(c))。
また、アタッチメント30をブッシング80から取り外す場合には、ボタン35をボタン穴36から外し、結合部341、342を引っ張って離間させることで、容易に取り外すことができる。
また、アタッチメント30は、碍子側ヒダ37が碍子部81の溝84に嵌まり込むことで碍子部81に係止される。碍子側ヒダ37は碍子部81と全面的に接触しないため、碍子部81との接触を低減し、ブッシング80の絶縁性の低下を防ぐことができる。
アタッチメント30は絶縁性であり、ブッシング80に直接触れることなく取り付け可能であるため、活線作業においても安全に作業することができる。
(ア)上記第1実施形態における碍子側リブ27、端子側リブ28の数や配置は上記の例に限らない。
(イ)上記第2実施形態のアタッチメント30は、2つの分割壁31、32の接続端が1箇所のヒンジ部33を折り曲げ支点として接続されている。その他の実施形態では、周方向に連ねたとき環状をなす3つ以上の複数の分割壁を有し、分割壁同士の接続端がヒンジ部を折り曲げ支点として接続される構成としてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
20、30・・・アタッチメント、
7 ・・・開閉器、
80・・・ブッシング、
81・・・碍子部、
87・・・端子カバー座、
88・・・端子。
Claims (5)
- 電力供給経路を開閉する開閉器(7)のブッシング(80)において、前記ブッシングの碍子部(81)と、前記ブッシングの端子(88)を覆う絶縁性の端子カバー(10)とを跨いで径外方向から取り付けられるアタッチメント(20)であって、
絶縁材料で形成され、
周方向の一部に形成された開口(23)の幅を広げるように弾性変形可能なC字状のフレーム(21)と、
前記フレームの前記開口に対して周方向の反対側において径外方向に突出する把持部(22)と、
前記フレームの径内方向に突出し、前記ブッシングに取り付けられたとき、前記碍子部の溝(84)に係止する複数の碍子側リブ(27)と、
前記フレームの径内方向に突出し、内壁が前記端子カバーの端子被覆部(11)相当の半径を有する円弧状に形成されており、前記ブッシングに取り付けられたとき、前記端子カバーの内側に嵌合する絶縁性の端子カバー座(87)の外壁との間に前記端子カバーを挟持する複数の端子側リブ(28)と、
を有し、
作業者が前記把持部を把持し前記端子カバーの外面に前記開口を当接させた状態で押圧することにより、前記フレームを弾性変形させて前記ブッシングに取り付け可能であることを特徴とするアタッチメント。 - 前記碍子側リブは、前記端子側リブに比べ、径内方向への突出長さが長く、且つ軸方向の幅が大きく形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアタッチメント。
- 前記把持部と前記開口とを結ぶ方向を上下方向と定義すると、
前記碍子側リブは、前記フレームの中心から上下方向に対して斜め方向に4箇所設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のアタッチメント。 - 前記把持部と前記開口とを結ぶ方向を上下方向と定義すると、
前記端子側リブは、前記フレームの中心に対し、前記把持部の方向、及び、上下方向に直交する左右方向に3箇所設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のアタッチメント。 - 前記フレームの前記開口に面する端部に、前記開口から広がる方向にカーブしたガイド(24)が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のアタッチメント。
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