JP5804443B2 - 短絡接地工具 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、短絡接地工具、特に、ロードブレークエルボ型のケーブル終端部に嵌合して
用いる短絡接地工具に関する。
近年、都市における景観への配慮の観点から電力ケーブルの地中化が図られ、この地中
化された電力ケーブルは、地上用変圧器や多回路開閉器等の機器(以下、地上機器と呼ぶ
)に接続されている。図8に示すように、電力ケーブル810、820で接続された地上
機器830を取替える場合、誤通電、他の電路との混触又は他の電路からの誘導による感
電の危険を防止するため、地上機器830と電力ケーブル810,820で接続された隣
接する地上機器840,850において、電力ケーブル810,820を確実に短絡接地
する必要がある。この際、地上機器が舗道上に設置されており、公衆の安全を図るため扉
を閉め施錠する必要がある。
ここで、地上機器840,850(特に、地上用変圧器)と接続される電力ケーブル8
10,820の終端部の形状としてはロードブレークエルボ型のケーブル終端部(以下、
エルボ型終端部と呼ぶ)が用いられることがあり、他の型のケーブル終端部よりもコスト
が安いことが特徴である。
図7にエルボ型終端部200の構造図を示す。図7に示すように、エルボ型終端部20
0は、内側に電流を流す導体部210、その外側に内部半導電層220、さらに外側に絶
縁層230、最も外側に外部半導電層240を有する。背面には、エルボ型終端部200
を地上機器側から引き抜くための操作棒を装着するための操作用金具250の孔を有する
。エルボ型終端部200の嵌合孔の内周面にある突起部221は、エルボ型終端部200
が地上機器の接続部に嵌合されているとき、この突起部221と対応する地上機器の接続
部の溝と嵌合することにより、エルボ型終端部200と地上機器の接続部とを確実に固定
するためのものである。
このエルボ型終端部を接地する短絡接地工具として、「短絡接地金具」(特許文献1)
がある。この発明は、高圧電線側に接続する高圧電線クリップと、その高圧電線クリップ
を接続するコードと、コードに接続された接地クリップとからなり、高圧電線クリップの
電線路把持面が連続した滑らかな凹凸状に形成され、高圧電線クリップの端部にフックを
設けたことにより電線路を確実に把持するものである。
実開平5−61958号公報
しかし、この「短絡接地金具」の高圧電線クリップでエルボ型終端部200の導体部2
10を把持しても嵩張るため、短絡接地金具を取り付けたエルボ型終端部200を地上機
器内部に設置されている変圧器や開閉器、ケーブル等の隙間に収納出来ないおそれがあっ
た。また、たとえ収納できたとしても地上機器内部の隙間に押し込む必要があり、高圧電
線クリップがエルボ型終端部200の導体部210より脱落するおそれがあった。
したがって、本発明は、エルボ型終端部に取り付けた状態で地上機器内部に収納でき、
かつ、確実に短絡接地することができる短絡接地工具を提供することを目的とする。
請求項1の発明に係る短絡接地工具は、ロードブレイクエルボ型のケーブル終端部に嵌
合させる終端嵌合部材と、前記終端嵌合部材に接続されたケーブルと、前記ケーブルに接
続され接地端を把持する接地金具とを備え
前記終端嵌合部材を前記ケーブル終端部に固定する鉤形の固定金具が蝶番により
前記終端嵌合部材に結合されたことを特徴とする。
これによれば、終端嵌合部材をケーブル終端部に嵌合させることにより、終端嵌合部材と
ケーブル終端部との接続部分がコンパクトとなり、かつ、終端嵌合部材をケーブル終端部に確実に固定することができる
請求項2の発明に係る短絡接地工具は、請求項1に記載の短絡接地工具において、前記
終端嵌合部材を前記ケーブル終端部に嵌合させた場合、前記終端嵌合部材の嵌合部の先端
が前記ケーブル終端部の嵌合孔の内周面にある突起部に達しないことを特徴とする。
これによれば、終端嵌合部材の嵌合部の先端がケーブル終端部の嵌合孔の内周面にある
突起部に達しないことより、終端嵌合部材の着脱が容易となる。
請求項の発明に係る短絡接地工具は、請求項1又は請求項2に記載の短絡接地工具において、外側に孔の空いた凸部を有する前記固定金具と、前記凸部の孔および前記ケーブル終端部の操作用金具の孔に挿通し前記固定金具を前記ケーブル終端部に固定する固定ピンとを有することを特徴とする。
これによれば、鉤形の固定金具とケーブル終端部とをより確実に固定することができる
本発明によれば、終端嵌合部材をケーブル終端部に嵌合させることにより、終端嵌合部
材とケーブル終端部との接続部分がコンパクトとなり、かつ、終端嵌合部材をケーブル終端部に確実に固定することができる。そのため、エルボ型終端部に取り付けた状態で短絡接地工具を地上機器内部に収納をでき、かつ、確実に短絡接地することができる。
本発明の実施形態に係る短絡接地工具の全体図である。 本発明の実施形態に係る終端嵌合部材とエルボ型終端部の嵌合断面図である。 本発明の実施形態に係る終端嵌合部材の(a)平面図と(b)側面図である。 本発明の実施形態に係る終端嵌合部材とエルボ型終端部が嵌合した場合の(a)平面図と(b)背面図である。 本発明の実施例に係る短絡接地工具の全体図である。 本発明の実施例に係る終端嵌合部材の(a)平面図と(b)側面図である。 エルボ型終端部の構造図である。 短絡接地工具を使用する地上機器の概要図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。か
かる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするため
の例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書
および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を
付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する
図1は本発明の実施形態に係る短絡接地工具の全体図である。図1に示すように、エル
ボ型終端部に嵌合させる3個の終端嵌合部材110が、ケーブル120で接続されている
。これらの終端嵌合部材110の1個からケーブル121が伸び、接地端を把持する接地
金具130に接続されている。
この短絡接地工具を使用する場合、まず、短絡接地工具の接地金具130で地上機器内
部の接地端を把持する。次に、終端嵌合部材110を、地上機器から引き抜いたエルボ型
終端部に嵌合させる。その後、短絡接地工具全体を地上機器内部に収納し、扉を閉め施錠
する。
ここで、短絡接地工具は限られた地上機器内部の隙間に収納するため、変形可能なケー
ブルを使用するのが望ましい。
図2は本発明の実施形態に係る終端嵌合部材とエルボ型終端部の嵌合断面図である。図
2に示すように、終端嵌合部材110はエルボ型終端部の機器側に対応する既存のプラグ
ユニットと同様の構造をしており、エルボ型終端部200に嵌合させる。嵌合させること
により終端嵌合部材110がエルボ型終端部200に収納される形となるため、終端嵌合
部材110とエルボ型終端部200との接続部分がコンパクトとなり、かつ、接続が脱落
しにくくなる。その結果、エルボ型終端部200に短絡接地工具を取り付けた状態で地上
機器内部に収納をでき、かつ、確実に短絡接地することができる。
また、終端嵌合部材110をエルボ型終端部200に嵌合させた場合、終端嵌合部材1
10の嵌合部の先端がエルボ型終端部200の嵌合孔の内周面にある突起部221に達し
ない。このため、この突起部221と嵌合する終端嵌合部材110の嵌合部の溝が存在し
えず、終端嵌合部材110の着脱が容易となる。
図3は本発明の実施形態に係る終端嵌合部材の(a)平面図と(b)側面図、図4は本
発明の実施形態に係る終端嵌合部材とエルボ型終端部が嵌合した場合の(a)平面図と(
b)背面図である。
図3に示すように、鉤形の固定金具140が、蝶番150により終端嵌合部材110に
結合されている。この固定金具140は二股に分かれており、二股のそれぞれの外側には
固定金具の凸部141の孔があり、その孔に挿通される固定ピン160を有している。エ
ルボ型終端部200を終端嵌合部材110に嵌合させる場合、図4に示すように、まず固
定金具140を持ち上げて終端嵌合部材110をエルボ型終端部200に嵌合させた後、
固定金具140をエルボ型終端部200に被せる。これにより、固定金具140がエルボ
型終端部200の背面を支持するため、エルボ型終端部200が引っ張られても終端嵌合
部材110から脱落するのを防止できる。次に、固定ピン160をエルボ型終端部200
の操作用金具250の孔と固定金具の凸部141の孔に挿通する。これにより、固定金具
140がエルボ型終端部200に固定され、エルボ型終端部200と終端嵌合部材110
との接続がより確実となる。
なお、固定金具140は二股に分かれる必要はなく、固定ピン160をエルボ型終端部
の操作用金具250の孔と固定金具の凸部141の孔に挿通できればよい。
このように、終端嵌合部材110をエルボ型終端部200に嵌合させることにより、終
端嵌合部材110とエルボ型終端部200との接続部分がコンパクトとなり、かつ、接続
が脱落しにくくなる。終端嵌合部材110の嵌合部の先端がエルボ型終端部200の嵌合
孔の内周面にある突起部221に達しないため、終端嵌合部材110の着脱が容易となる
。固定金具140と固定ピン160により、エルボ型終端部200と終端嵌合部材110
との接続がより確実となる。
その結果、エルボ型終端部200に短絡接地工具を取り付けた状態で地上機器内部に収
納をでき、かつ、確実に短絡接地することができる。
本発明に係る短絡接地工具を試作し、エルボ型終端部に短絡接地工具を取り付けた状態
で、地上機器内部に収納でき、かつ確実に短絡接地できるか検証した。
図5は本発明の実施例に係る短絡接地工具の全体図である。図5に示すように、3本のケ
ーブル171を分岐端子170で1本の接地側ケーブル172にまとめている。
図6は本発明の実施例に係る終端嵌合部材の(a)平面図と(b)側面図である。図6
に示すように、第1の固定金具142が終端嵌合部材110に固定され、第1の固定金具
142と第2の固定金具143が蝶番150により結合されている。これにより、エルボ
型終端部に被せるために回動させる固定金具の可動部分が小さくなるため、終端嵌合部材
110の着脱がより容易となる。
この試作した短絡接地工具を、実際に地上機器のエルボ型終端部に取り付けて検証した
結果、地上機器内部に収納し、扉開閉、施錠ができることを確認した。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は
かかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載
された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、そ
れらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100 短絡接地工具
110 終端嵌合部材
120、121 ケーブル
130 接地金具
140 固定金具
141 固定金具の凸部
142 第1の固定金具
143 第2の固定金具
150 蝶番
160 固定ピン
170 分岐端子
171、172 ケーブル
200 エルボ型終端部
210 導体部
220 内部半導電層
230 絶縁層
240 外部半導電層
221 突起部
250 操作用金具
810、820 電力ケーブル

Claims (3)

  1. ロードブレイクエルボ型のケーブル終端部に嵌合させる終端嵌合部材と
    前記終端嵌合部材に接続されたケーブルと
    前記ケーブルに接続され接地端を把持する接地金具と、を備え
    前記終端嵌合部材を前記ケーブル終端部に固定する鉤形の固定金具が蝶番により
    前記終端嵌合部材に結合されたことを特徴とする短絡接地工具。
  2. 前記終端嵌合部材を前記ケーブル終端部に嵌合させた場合前記終端嵌合部材の嵌合部の
    先端が前記ケーブル終端部の嵌合孔の内周面にある突起部に達しないことを特徴とする
    請求項1に記載の短絡接地工具。
  3. 外側に孔の空いた凸部を有する前記固定金具と
    前記凸部の孔および前記ケーブル終端部の操作用金具の孔に挿通し前記固定金具を前記
    ケーブル終端部に固定する固定ピンと、
    を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の短絡接地工具。
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