JP6150216B2 - 電子機器及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、発生する音を制御する電子機器及びプログラムに関する。
一般に、発生する音を制御する電子機器(例えば、プリンタ装置)の動作時に、そのモータ音や接触音などの機械音(動作音)を発生し、静寂な環境では大きな騒音となるためにその動作音を抑制するようにした技術が知られている。例えば、印字開始前に騒音レベルを検出し、その検出レベルが閾値よりも小さければ、通常の給紙モードから静音給紙モードに切り替えるようにした技術(特許文献1参照)、又は周辺の音量を検出し、その音量が所定値を超えていなければ、静音モードを選択するようにした技術が知られている(特許文献2参照)。他方、発生する音を制御する電子機器としては、スマートフォンなどの携帯電話機のように着信報知時に周囲の音量レベルを検出して着信音の音量を制御するようにした技術が知られている(特許文献3参照)。
特開2010−132400号公報 特開2007−33569号公報 特開2012−65133号公報
しかしながら、上述のように周囲環境の音量レベルに応じて印字時の動作モードを制御する技術(特許文献1及び2)にあっては、周囲が静寂であれば、それに合わせて静音な動作モード(低速印字モード)を選択して印字することができるが、印字速度が低下することで印字時間が長くなり、音量を小さくすることで動作音の発生時間もそれだけ長くなってしまう。
ところで、同じ音量レベル(音圧)であっても高い音の場合や低い音の場合(周波数:音高)があるが、周囲が高い音のときに低い音で印字動作を行ったり、逆に、周囲が低い音のときに高い音で印字動作を行ったりすると、耳障りで不快感を与えてしまうことがある。更に、高い音が多いが周囲が静かな環境であれば、低速の印字モードが選択されるが、高い音が多い環境では低速動作による低音の発生よりも、むしろ高い音を発生する高速印字で動作した方が良い場合がある。このことは音高に限らず、音色、リズムであっても同様である。他方、注意喚起のために意図的に識別音を発生する技術(特許文献3)においても同様で、周囲が騒がしいために大音量で着信音を発生するよりも、電車や建物のように周囲に迷惑をかけない範囲内で注意喚起力を高めた方が良い場合がある。
本発明の課題は、発生する音を周囲の音に応じて適切に制御できるようにすることである。
上述した課題を解決するために本発明の電子機器は、
動作中に動作音を発生する電子機器であって、
周囲音を集音してその特性を特定する第1の特定手段と、
前記動作音の特性を特定する第2の特定手段と、
前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって特定された動作音特性を比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づいて動作状態を制御する動作制御手段と、
各種の動作モードの中から所定の動作モードを指定するモード指定手段と、
を備え、
前記第2の特定手段は、前記モード指定手段によって指定された動作モードに対応する動作音特性を、各種の動作モードに対応してその動作音特性を記憶する特性記憶手段から読み出すことによって動作音特性を特定する、
ことを特徴とする電子機器である。
また、上述した課題を解決するために本発明の電子機器は、
動作中に動作音を発生する電子機器であって、
周囲音を集音してその特性を特定する第1の特定手段と、
前記動作音の特性を特定する第2の特定手段と、
前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって特定された動作音特性を比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づいて動作状態を制御する動作制御手段と、
を備え、
前記第2の特定手段は、各種の動作モードに対応してその動作音特性を記憶する特性記憶手段から前記各種の動作モードに対応する動作音特性を順次読み出すことによって各動作モードの動作音特性を特定し、
前記比較手段は、前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって前記特性記憶手段から順次読み出された各動作モードの動作音特性を比較し、
前記動作制御手段は、前記比較手段による比較の結果、最も類似性の高い又は最も類似性の低い動作音特性の動作モードを選択してその動作モードに設定する、
ことを特徴とする電子機器である。
また、上述した課題を解決するために本発明の電子機器は、
動作中に動作音を発生する電子機器であって、
周囲音を集音してその特性を特定する第1の特定手段と、
前記動作音の特性を特定する第2の特定手段と、
前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって特定された動作音特性を比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づいて動作状態を制御する動作制御手段と、
を備え、
前記比較手段は、動作音を発生する動作の実行中に前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって特定された動作音特性を比較し、
前記動作制御手段は、動作音を発生する動作の実行中に前記比較手段による比較結果に基づいて動作中の動作状態を制御する、
ことを特徴とする電子機器である。
本発明によれば、発生する音を周囲の音に応じて適切に制御することができ、周囲への迷惑防止とユーザ側の都合の両方を満足させることが可能となる。
電子機器として適用したプリンタ装置の基本的な構成要素を示したブロック図。 動作音テーブル3cを説明するための図。 (1)〜(3)は、動作音テーブル3cに記憶されている内容を説明するための図。 電源投入に応じて実行開始されるプリンタ装置の動作(本実施形態の特徴的な動作)を説明するためのフローチャート。 動作音制御処理(図4のステップA9、A12)を詳述するためのフローチャート。 (1)〜(3)は、騒音時のデータ比較を例示した図。 (1)〜(4)は、通常時のデータ比較、静穏時のデータ比較を例示した図。 第2実施形態において電子機器として適用した携帯端末装置(スマートフォン)の基本的な構成要素を示したブロック図。 第2実施形態において識別音テーブル13cを説明するための図。 第2実施形態において電源投入に応じて実行開始される携帯端末装置(スマートフォン)の動作(本実施形態の特徴的な動作)を説明するためのフローチャート。 識別音制御処理(図9のステップC4、C13)を詳述するためのフローチャート。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
先ず、図1〜図7を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
本実施形態は、電子機器としてプリンタ装置に適用した場合を例示したもので、図1は、このプリンタ装置の基本的な構成要素を示したブロック図である。
プリンタ装置は、印字ヘッドのノズルから噴射されたインクを用紙上に付着させて印字を行う据え置き型のインクジェットプリンタである。このプリンタ装置の中核となるCPU1は、電源部2からの電力供給によって動作し、記憶部3内の各種のプログラムに応じてこのプリンタ装置の全体動作を制御するもので、この制御部1には図示しないCPU(中央演算処理装置)やメモリなどが設けられている。なお、プリンタ装置としては、インクジェットプリンタに限らず、サーマルプリンタ、レーザプリンタなどであってもよく、また、据え置き型のプリンタに限らず、携帯端末装置に備えられた内蔵型プリンタや携帯型のプリンタなどであってもよい。
記憶部3は、例えば、ROM、フラッシュメモリなどを有する構成で、後述する図4及び図5に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているプログラムメモリ3aと、このプリンタ装置が動作するために必要となる各種の情報(例えば、フラグなど)を一時的に記憶するワークメモリ3bと、後述する動作音テーブル3cを有している。なお、記憶部3は、例えば、SDカード、ICカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよく、図示しないが、通信機能を介してネットワークに接続されている状態においては所定のサーバ装置側の記憶領域を含むものであってもよい。
操作部4は、押しボタン式の各種のキーを備え、電源オン/オフキー、印字動作の開始/終了を指示する印字キー、印字条件を設定する設定キーなどを備えている。CPU1は、この操作部4から操作キーに対応して出力される入力操作信号に応じて、対応する処理を行うようにしている。表示部5は、高精細液晶ディスプレイあるいは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。プリンタ機構部6は、インクジェットプリンタを構成するキャリッジ6a、印字ヘッド6b、プラテン6cのほか、図示省略のインクカートリッジ、駆動モータ、用紙供給部などを備え、プリンタ機構部6の動作に応じてそのモータ音や接触音などの機械音(動作音)などが発生する。なお、動作音とは周囲に迷惑がかかるような可聴周波数領域の音で、プリンタ機構部6に限らず、プリンタ装置全体から発生する動作音である。
集音部7は、図示省略したが、周囲の音(騒音)を集音するマイクロフォン、A/D(アナログ/デジタル)変換部を有している。なお、複数個のマイクロフォンが反対側を向くように配設し、各マイクロフォンからの入力信号を合成した信号を得るようにしてもよい。この集音部7によって集音された周囲音(可聴周波数の範囲内の音)は、FFT(高速フーリエ変換 : Fast Fourier Transform)分析部8に与えられることにより、離散フーリエ変換(高速フーリエ変換)によって周囲音の特性を分析するようしている。この場合、周囲音を周波数分析してそのレベル(音圧)、周波数(音高)、波形(音色)を特定する。CPU1は、このFFT分析部8によって得られた周囲音のデータと動作音テーブル3cに記憶されている動作音の特性データとを比較し、その比較結果に応じてプリンタ装置の動作(音を発生する動作)を制御するようにしている。
図2は、動作音テーブル3cを説明するための図である。
動作音テーブル3cは、周囲音に応じて動作音を制御するために使用されるテーブルで、各種の動作モードに対応してその動作音の特性データを記憶するものである。動作音テーブル3cは、「動作モード」、「動作音の特性データ(レベル、周波数、波形)」の項目を有し、図示の例では、「動作モード」として“第1動作モード”〜“第5動作モード”が記憶されている。
この“第1動作モード”〜“第5動作モード”は、高速印字モード、中速印字モード、低速印字モード、高速用紙供給モード、低速用紙供給モードなどに対応しているが、動作モードは、これに限らず、高速印字モードの中でもキャリッジ6aのリターンを遅くしたモード、低速印字モードの中でもキャリッジ6aのリターンを速くしたモードなどであってもよい。「動作音の特性データ(レベル、周波数、波形)」は、例えば、製品出荷するまでに各種の「動作モード」でプリンタ機構部6を動作させた場合に発生する動作音を集音して、FFT分析部8で分析することにより得られる動作音の特性を示すデータである。
図3は、動作音テーブル3cの記憶内容を説明する図である。
図3(1)は、“高速印字モード”時における動作音の周波数データ(特性データ)を説明するための図である。図中、左側は、“高速印字モード”時において横軸を時間、縦軸を音圧(dB)とした場合の動作音の波形信号を示し、また、右側は、この波形信号をFFT分析して得られる周波数データA1を示し、横軸を周波数(Hz)、縦軸をレベルとした場合である。この場合、“高速印字モード”時での周波数データA1は、図示の例のように、低周波数領域のレベルが低く、高周波数領域のレベルが特に高いデータとなっている。
図3(2)は、“中速印字モード”時での動作音の周波数データを説明するための図である。図中、左側は、“中速印字モード”時において横軸を時間、縦軸を音圧(dB)とした場合の動作音の波形信号を示し、また、右側は、この波形信号をFFT分析して得られる周波数データA2を示し、横軸を周波数(Hz)、縦軸をレベルとした場合である。この場合、“中速印字モード”時の周波数データA2は、図示の例のように低周波数領域及び高周波数領域のレベルが低く、中周波数領域のレベルがやや高いデータとなっている。
同様に、図3(3)は、“低速印字モード”時での動作音の周波数データを説明するための図である。図中、左側は、“低速印字モード”時において横軸を時間、縦軸を音圧(dB)とした場合の動作音の波形信号を示し、また、右側は、この波形信号をFFT分析して得られる周波数データA3を示し、横軸を周波数(Hz)、縦軸をレベルとした場合である。この場合、“低速印字モード”時の周波数データA3は、図示の例のように低周波数領域から高周波数領域までのレベルが低いデータとなっている。
このように第1実施形態において電子機器(プリンタ装置)は、動作中に動作音を発生する電子機器であって、周囲音(騒音)を集音してその特性(レベル、周波数、波形)を特定する第1の特定手段(CPU1、プログラムメモリ3a、集音部7、FFT分析部8)と、前記動作音の特性を特定する第2の特定手段(CPU1、プログラムメモリ3a、動作音テーブル3c)と、前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって特定された動作音特性を比較する比較手段(CPU1、プログラムメモリ3a)と、前記比較手段による比較結果に基づいて動作状態を制御する動作制御手段(CPU1、プログラムメモリ3a、動作音テーブル3c、プリンタ機構部6)と、を備える構成となっている。
次に、第1実施形態における電子機器(プリンタ装置)の動作概念を図4及び図5に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなどの伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
図4は、電源投入に応じて実行開始されるプリンタ装置の動作(本実施形態の特徴的な動作)を説明するためのフローチャートである。
先ず、CPU1は、処理メニュー画面を表示させた状態においてユーザ操作で印字処理を指示するメニュー項目が選択されたかを調べ(ステップA1)、その他の処理メニュー項目が選択されたときには(ステップA1でNO)、その選択項目に対応する処理を行う(ステップA2)。例えば、周囲音に応じて動作音を制御する処理を印字開始前から実行すべきことがユーザ操作により指示されたときには、その旨を示すために印字前フラグをオンする処理を行う。その後、ステップA1に戻る。
いま、処理メニュー画面の中から印字処理の項目が指示されたときには(ステップA1でYES)、印字対象のデータを選択可能とするために各データの一覧画面を表示させた状態において、この一覧画面の中からユーザ操作により任意のデータが印字対象として選択されると(ステップA3)、その印字対象のデータを読み出し取得する処理(ステップA4)を行った後、印字条件を設定する操作が行われたかを調べ(ステップA5)、その設定操作が行われるまで待機状態となる。ここで、印字条件として部数、印字範囲などを設定する操作が行われたときには(ステップA5でYES)、その印字条件を設定する処理を行う(ステップA6)。
そして、動作音テーブル3c内の第1〜第5動作モードの中から所定の動作モード(例えば、高速印字モード)を初期モードとして選択して設定するモード設定処理(ステップA7)を行った後、上述の印字前フラグは“オン”されているかを調べる(ステップA8)。この印字前フラグは、上述したように周囲音に応じて動作音を制御する処理を印字開始前から実行すべきことを示すフラグで、そのフラグが“オン”されていれば(ステップA8でYES)、動作音制御処理に移る(ステップA9)。
図5は、周囲音に応じて動作音を制御する処理(図4のステップA9、A12)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、CPU1は、集音部7及びFFT分析部8が停止していれば、それらを起動して周囲音を集音する動作を開始すると共に(ステップB1)、この集音した周囲音がFFT分析部8に与えられて分析されると、その分析結果(周囲音のデータ)を取得して(ステップB2)、ワークメモリ3bに一時記憶(蓄積)させる処理(ステップB3)を行った後、このワークメモリ3bに周囲音のデータが所定時間(例えば、1秒)分蓄積されたかを調べる(ステップB4)。
最初は、周囲音のデータを蓄積した時間が所定時間に達していないので(ステップB4でNO)、図5のフローから抜けるが、所定時間に達したとき、つまり、周囲音のデータが所定時間蓄積されているときには(ステップB4でYES)、このワークメモリ3b内から所定時間分の周囲音データを読み出し取得すると共に、この周囲音データに基づいてその特性(レベル、周波数、波形)を特定する(ステップB5)。そして、動作音テーブル3cから各動作モード対応の動作音の特性データをそれぞれ読み出し取得する(ステップB6)。そして、周囲音の特性データと各動作音の特性データとを比較し(ステップB7)、周囲音特性に最も類似性の高い動作音特性(相似する特性)の動作モードを選択する(ステップB8)。
図6は、騒音時のデータ比較を例示した図である。
図6(1)は、騒音時の周囲音を示し、図中、左側は、横軸を時間、縦軸を音圧(dB)とした場合の周囲音の波形信号を示し、また、右側は、この波形信号をFFT分析して得られる周波数データB1を示し、横軸を周波数(Hz)、縦軸をレベルとした場合である。この場合、騒音時の周波数データB1は、図示の例のように低周波数領域のレベルが低く、高周波数領域のレベルが特に高いデータとなっている。図6(2)は、図3(1)で示した“高速印字モード”時の周波数データA1である。図6(3)は、“高速印字モード”時の周波数データA1と騒音時の周波数データB1とを重ね合わせた状態を示した図である。この場合、両データA1、B1の相関係数は“1”に近く、最も類似性が高く、両者が似ているので、騒音と似ている動作音を発生する高速印字を実行したとしてもその動作音が際立つことはなく、周囲環境に馴染む音であると判断される。
図7は、通常時のデータ比較、静穏時のデータ比較を例示した図である。
図7(1)は、通常時の周囲音を示している。なお、通常時とは騒音時、静穏時以外の状態、つまり、騒音と静穏の間の状態を示している。図中、左側は、横軸を時間、縦軸を音圧(dB)とした場合の周囲音の波形信号を示し、また、右側は、この波形信号をFFT分析して得られる周波数データB2を示し、横軸を周波数(Hz)、縦軸をレベルとした場合である。この場合、騒音時の周波数データB2は、図示の例のように低周波数領域のレベルが低く、中周波数領域及び高周波数領域のレベルがやや高いデータとなっている。図7(2)は、静穏時の周囲音を示し、図中、左側は、横軸を時間、縦軸を音圧(dB)とした場合の周囲音の波形信号を示し、また、右側は、この波形信号をFFT分析して得られる周波数データB3を示し、横軸を周波数(Hz)、縦軸をレベルとした場合である。この場合、騒音時の周波数データB3は、図示の例のように低周波数領域から高周波数領域までのレベルが低いデータとなっている。
図7(3)は、“中速印字モード”時の周波数データA3と通常時の周波数データB2とを重ね合わせた状態を示した図である。この場合、両データA2、B2は似ているので、通常時と似ている動作音を発生する中速印字を実行したとしてもその動作音が際立つことはなく、周囲環境に馴染む音であると判断される。図7(4)は、“低速印字モード”時の周波数データA3と静穏時の周波数データB3とを重ね合わせた状態を示した図である。この場合、両データA3、B3は似ているので静穏時と似ている動作音を発生する低速印字を実行したとしてもその動作音が際立つことはなく、周囲環境に馴染む音であると判断される。
このようにして周囲音特性に最も類似性の高い動作音特性を選択してその動作モードを特定すると(ステップB8)、この動作モードと設定中の動作モードとは不一致であるかを調べる(ステップB9)。ここで、両者(動作モード)が一致していれば(ステップB9でNO)、図5のフローから抜けるが、両者が不一致であれば(ステップB9でYES)、設定中の動作モードを今回選択した動作モード(周囲音に最も類似性の高い動作音特性の動作モード)に切り替える(ステップB10)。その後、図5のフローから抜ける。
このような動作音制御処理(図4のステップA9)から抜けると、印字開始を指示する操作が行われたかを調べ(ステップA10)、印字開始が指示されなければ(ステップA10でNO)、上述のステップA8に戻り、以下、印字開始が指示されるまで待機状態となるが、この場合、上述の印字前フラグがオンされていれば(ステップA8でYES)、動作音制御処理(ステップA9)を繰り返し実行しながら待機状態となる。いま、印字開始が指示されたときには(ステップA10でYES)、設定中の動作モード及び印字条件に応じて印字対象のデータを印字する動作を開始する(ステップA11)。そして、印字中でも動作音制御処理を実行するためにステップA12に移る。
このように動作音制御処理を行いながら印字動作を実行中において、印字終了を指示する操作が行われたかを調べ(ステップA13)、印字終了が指示されるまで印字処理(ステップA11)と共に動作音制御処理(ステップA12)を繰り返し実行する。ここで、印字終了が指示されると(ステップA13でYES)、印字動作を終了すると共に、集音部7及びFFT分析部8の動作を終了させる処理(ステップA14)を行った後、ステップA1に戻る。以下、印字が指定される毎に上述の動作を行う。
以上のように、第1実施形態においてプリンタ装置のCPU1は、集音部7から周囲音を集音してその特性を特定すると共にプリンタ機構部6の動作音特性を特定して、その周囲音特性と動作音特性を比較し、その比較結果に基づいてプリンタ機構部6の動作を制御するようにしたので、発生する音(動作音)を周囲音に応じて適切に制御することができ、周囲への迷惑防止とユーザ側の都合(印字速度の要望など)の両方を満足させることが可能となる。
周囲音を集音して周波数分析を行うことによりその周波数のレベル、周波数、波形を周囲音の特性として特定するようにしたので、音圧に限らず、音高、音色に応じて動作を制御することが可能となる。例えば、高い音が多いが静かな周囲環境であれば、低速印字による低音の発生よりも、高い音を発生する高速印字で動作させる方が周囲環境に馴染ませることができる。このことは音高に限らず、音色であっても同様であり、周囲音に応じて動作音を適切に制御することができる。
各種の動作モードに対応してその動作音の特性データを記憶する動作音テーブル3cを参照し、動作音の特性を特定するようにしたので、動作モードに応じてその動作音特性を容易に特定することが可能となる。
指定された動作モードによる動作の開始に先だって、周囲音特性と動作音特性とを比較するようにしたので、動作前に周囲環境に合った動作モードであるか否かを判別することができる。
所定の動作を開始するに先だって、周囲音特性と動作音特性とを比較することによって両者の類似性を判定し、両者が類似していなければ、動作音特性が周囲音特性に類似している動作モードに切り替えるようにしたので、動作音が際立つことはなく、周囲環境に馴染ませることが可能となるほか、周囲環境に合わない動作音の発生を未然に防ぐことができる。
動作モードによる動作が開始された際に、周囲音特性と動作音特性を比較するようにしたので、周囲環境が刻々と変化しても動作開始時にその環境に合っている動作モードであるか否かを判別することができる。
各種の動作モードに対応する動作音特性を動作音テーブル3cから順次読み出すことによって各動作モードでの動作音特性を特定し、周囲音特性と各動作モードでの動作音特性を比較することにより、最も類似性の高い動作音特性の動作モードを選択してその動作モードを設定するようにしたので、例えば、騒音と似ている動作音を発生する高速印字を実行したとしてもその動作音が際立つことはなく、周囲環境に馴染ませることが可能となる。
動作中に周囲音特性とその動作音特性を比較し、その比較結果に基づいて動作中の動作を制御するようにしたので、動作の途中で周囲音特性が変化したとしてもその変化に追従した動作制御が可能となる。例えば、低速印字モードから高速印字モードに切り替えたり、逆に高速印字モードから低速印字モードに切り替えたりすることができる。
なお、上述した第1実施形態においては、周囲音のFFT分析結果(周囲音のデータ)が所定時間分(例えば、1秒間)、ワークメモリ3bに蓄積されたときに、この所定時間分の周囲音に基づいて周囲音の特性(レベル、周波数、波形)を特定するようにしたが、例えば、10秒間蓄積された周囲音に基づいてその特性として周期性を特定するようにしてもよい。つまり、周囲音の周波数分析によってリズムを特定するようにしてもよい。例えば、2秒周期でのリズム、すなわち、最初は低音が徐々に高音に変化し、2秒後に最初の低音に戻り、徐々に高音になるというパターンを2秒毎に繰り返している状態をリズムとして特定するようにしてもよい。この場合、騒音のリズムに最も似ている動作音特性の動作モードを選択してその動作モードを設定するようにすれば、動作音が際立つことはなく周囲環境に馴染ませることができる。
上述した第1実施形態においては、各種の動作モードに対応する動作音の特性データを動作音テーブル3cから順次読み出すことによって各動作モードでの動作音特性を特定し、周囲音の特性と各動作モードでの動作音の特性を比較することにより、最も類似性の高い動作音特性の動作モードを選択してその動作モードを設定するようにしたが、これとは逆に、最も類似性の低い動作音特性の動作モードを選択してその動作モードを設定するようにしてもよい。これによって、例えば、騒音と似ていない動作音を発生させることができ、騒音を全体的な平準化させることができる。
上述した第1実施形態においては、各種の動作モードに対応してその動作音の特性データを記憶する動作音テーブル3cを設けるようにしたが、動作音を集音して周波数分析することによりその特性を特定するようにしてもよい。この場合、動作毎にその動作音を集音してもよいが、定期的(例えば、半年毎)に動作音を集音して特定するようにしてもよい。これによってプリンタ装置の経年変化によって動作音が変化したとしてもそれに対応することが可能となる。
上述した第1実施形態においては、動作音を制御する電子機器として、プリンタ装置を例示したが、それに限らず、例えば、ミシン、エアコン、扇風機、空気清浄器、ふとん乾燥機、ドライヤなどの家電製品であってもよく、動作時に音を発生する電子機器であれば、その種類は問わない。
(第2実施形態)
以下、この発明の第2実施形態について図8〜図11を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、周囲音に応じて動作音を制御する電子機器(プリンタ装置)に適用した場合を例示したが、この第2実施形態においては、周囲音に応じて識別音(着信音やアラーム音)を制御する電子機器(携帯端末装置)に適用した場合である。すなわち、第2実施形態は、出力音として動作音(無駄な音)とは逆の識別音(必要な音)を制御する場合である。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
図8は、第2実施形態において電子機器として適用した携帯端末装置(スマートフォン)の基本的な構成要素を示したブロック図である。
携帯端末装置(スマートフォン)は、通信機能としての通話機能・インターネット接続機能(Webアクセス機能)・電子メール機能のほか、現在日時を計時する時計機能、予め設定されているアラーム日時に到達した際にアラーム報知を行うアラーム機能などを備え、最寄りの基地局(図示省略)を介して他の携帯電話機(図示省略)に接続されると、この他の携帯電話機との間で通話可能な状態となり、また、無線通信網を介してインターネット(図示省略)に接続されると、電子メールの送受信が可能となったり、Webページを閲覧可能となったりする。
CPU11は、電源部12からの電力供給によって動作し、記憶部13内の各種のプログラムに応じてこの携帯端末装置の動作を制御する。記憶部13は、例えば、ROM、フラッシュメモリなどを有する構成で、後述する図10及び図11に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているプログラムメモリ13a、ワークメモリ13b、後述する識別音テーブル13cを有している。CPU11にはその入出力デバイスとして操作部14、タッチ表示部15、無線通信部16、電話部17、報知部18のほか、第1実施形態の集音部7、FFT分析部8と同様の集音部19、FFT分析部20が接続されている。
無線通信部16は、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能などの動作時に最寄りの基地局との間でデータの送受信を行うもので、通話機能の動作時には電話部15を介して音声の入出力を行い、また、着信時には報知部18を駆動して着信報知を行う。報知部18は、サウンドスピーカ18a、振動モータ(バイブレータ)18b、LED(発光部)18cを備え、CPU11は、電話着信や電子メール受信時又はアラーム時刻到達時にサウンドスピーカ18aから識別音(着信音又はアラーム音)を発生させたり、バイブレータ18bを駆動させてバイブレーションを発生たせたり、LED18cを駆動して光を点滅させたりする。
図9は、識別音テーブル13cを説明するための図である。
識別音テーブル13cは、周囲音に応じて識別音(着信音又はアラーム音)を制御する際に使用されるテーブルで、識別音毎にその特性データ(レベル、周波数、波形)と識別音を対応付けて記憶する構成となっている。この場合、識別音(着信音又はアラーム音)として図示の例では、“第1の識別音〜第5の識別音”が記憶されているが、その数は任意である。
図10は、第2実施形態において電源投入に応じて実行開始される携帯端末装置(スマートフォン)の動作(本実施形態の特徴的な動作)を説明するためのフローチャートである。
先ず、携帯端末装置のCPU11は、無線通信部16の着信時(電話着信や電子メール受信時)であるかを調べたり(ステップC1)、周囲音を集音するタイミング(例えば、1秒間隔)に到達したかを調べたり(ステップC2)、アラーム日時に到達したかを調べたりする(ステップC3)。
いま、集音タイミングであれば(ステップC2でYES)、集音部19及びFFT分析部20を起動して周囲音を集音する動作を開始すると共に(ステップC9)、この集音した周囲音がFFT分析部20によって分析されると、その分析結果を取得して(ステップC10)、その周囲音の特性(レベル、周波数、波形)を特定する(ステップC11)。そして、前回の集音タイミングで特定した周囲音の特性がワークメモリ13bに一時記憶されている状態において、前回の周囲音の特性を今回の集音タイミングで特定した周囲音の特性に更新する(書き換える)処理を行う(ステップC12)。その後、ステップC1に戻る。また、着信時(電話着信や電子メール受信時)を検出したときには(ステップC1でYES)、識別音制御処理に移る(ステップC4)。
図11は、識別音制御処理(図10のステップC4、C13)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、CPU11は、このワークメモリ13b内に更新記憶されている周囲音の特性データ、つまり、前回の集音タイミングで特定した最新の特性データを取得し(ステップD1)、この周囲音の特性データと識別音テーブル13c内の識別音特性データとを比較して(ステップD2)、第1の識別音〜第5の識別音の中から最も類似性の低い特性の識別音を選択する(ステップD3)。そして、この選択した識別音は、予め出力対象として設定されている識別音と一致しないかを調べ(ステップD4)、一致していれば(ステップD4でNO)、図11のフローから抜けるが、一致していなければ(ステップD4でYES)、選択した識別音を出力対象として設定する処理(ステップD5)を行った後、図11のフローから抜ける。
これによって識別音制御処理(図10のステップC4)が終わると、出力対象として設定されている識別音で着信報知を行う(ステップC5)。この場合、マナーモードと呼ばれる所定のモードでなければ、サウンドスピーカ18a及びLED18cを駆動して着信報知を行うが、サウンドスピーカ18aから着信音を発生させる際には、周囲音に応じて選択設定した識別音を着信音として発生させる。そして、受信待ち中か、つまり、電話着信の場合にはオフフック操作が行われたか、メール受信の場合には受信操作が行われたか又は所定時間が経過したかを調べる(ステップC6)。
ここで、受信待ち中であれば(ステップC6でYES)、識別音制御処理(ステップC4)を行いながら着信報知を継続する(ステップC5)。これによって周囲音の変化に応じて識別音(着信音)も変化するようになる。また、オフフック操作などによって受信待ちが解除されたときには(ステップC6でNO)、着信報知を停止すると共に、通話処理/メール処理を行う(ステップC7)。そして、オンフック操作など、受信終了が指示されたかを調べ(ステップC8)、終了が指示されるまでステップC7に戻って通話処理/メール処理を継続するが、終了が指示されると(ステップC8でYES)、最初のステップC1に戻る。
一方、アラーム日時に到達したときには(ステップC3でYES)、識別音制御処理に移る(ステップC13)。この場合も図11のフローにしたがって識別音制御処理を実行する。そして、周囲音に応じて選択設定した識別音をアラーム音として発生させ(ステップC14)、アラーム停止操作など、アラーム終了が指示されたかを調べ(ステップC15)、アラーム終了が指示されなければ(ステップC15でNO)、識別音制御処理(ステップC13)を行いながらアラーム報知を継続する(ステップC14)。これによって周囲音の変化に応じて識別音(アラーム音)も変化するようになる。その後、アラーム終了が指示されると(ステップC15でYES)、最初のステップC1に戻る。
以上のように、第2実施形態において携帯端末装置のCPU11は、集音部19から周囲音を集音してその特性を特定し、この周囲音特性と識別音テーブル13c内の各識別音特性とを比較し、周囲音特性とは類似性の低い特性の識別音を選択して出力するようにしたので、発生出力する識別音を周囲音に応じて適切に制御することができる。例えば、高い音が多い周囲に対して低い音で識別音を発生出力させたり、逆に低い音が多い周囲に対して高い音の識別音を発生出力させたりすることにより、音量を高めなくても識別音を際立たせることができ、識別力を高めることが可能となり、周囲への迷惑防止とユーザ側の都合(識別力)の両方を満足させることが可能となる。
識別音を出力する際に周囲音特性と各識別音特性とを比較する識別音制御処理を行うようにしたので、識別音発生時の周囲音に合わせて識別音を制御することができる。
集音タイミング毎に周囲音を集音してその特性を特定すると共に、前回の集音タイミングで特定した周囲音特性を今回の集音タイミングで特定した周囲音特性に更新する動作を繰り返し実行しておき、識別音を出力する際に、更新された最新の周囲音特性と各識別音特性とを比較するようにしたので、識別音を出力する際に周囲音の集音を開始しなくても、識別音の出力に先だって集音しておいた直近の周囲音に基づいて識別音を制御することができる。
周囲音を収集して周波数分析を行うことによりその周波数のレベル、周波数、波形を周囲音の特性として特定するようにしたので、音圧に限らず、音高、音色に応じて識別音を制御することが可能となる。例えば、高い音が多いが静かな周囲環境であれば、小さな低音のゆっくりした音色の識別音を発生させるように制御することが可能となる。
なお、上述した第2実施形態においては、周囲音の特性(レベル、周波数、波形)を特定するようにしたが、周囲音の周波数分析によってリズムを特定するようにしてもよい。この場合、騒音のリズムに最も似ていない識別音を選択して出力するようにすれば、識別音を際立たせることができ、識別力を高めることが可能となる。
上述した第2実施形態においては、識別音として着信音、アラーム音を例示したが、キーなどを操作した際に発生される操作音であってもよい。
また、第2実施形態においては、識別音を制御する電子機器として、携帯端末装置(スマートフォン)を例示したが、それに限らず、例えば、アラーム音を発生する目覚まし時計や電子辞書などの電子機器又は電子ゲームのように操作音を発生する電子機器であってもよい。
更に、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)のように静粛性の際立った車両では、歩行者が車両の接近に気づきにくい、歩行者との接触事故を招くおそれがあるために擬似エンジン音(一般道走行時の注意喚起音)を発生する場合、周囲音に応じて擬似エンジン音(識別音)を制御するようにしてもよい。これによって周囲環境に拘わらず、擬似エンジン音の識別力を高めることができ、より安全性を高めることが可能となる。
また、上述した各実施形態において示した“装置”や“部”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、
動作中に動作音を発生する電子機器であって、
周囲音を集音してその特性を特定する第1の特定手段と、
前記動作音の特性を特定する第2の特定手段と、
前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって特定された動作音特性を比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づいて動作状態を制御する動作制御手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器である。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の電子機器において、
前記第1の特定手段は、周囲音を集音して周波数分析を行うことにより少なくともその周波数のレベル、周波数、波形のいずれかを周囲音特性として特定する、
ことを特徴とする電子機器である。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の電子機器において、
前記第1の特定手段は、集音した所定時間分の周囲音から導き出される周期性を周囲音特性として特定する、
ことを特徴とする電子機器である。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子機器において、
各種の動作モードの中から所定の動作モードを指定するモード指定手段と、
各種の動作モードに対応してその動作音特性を記憶する特性記憶手段と、
を更に備え、
前記第2の特定手段は、前記モード指定手段によって指定された動作モードに対応する動作音特性を前記特性記憶手段から読み出すことによって動作音特性を特定する、
ことを特徴とする電子機器である。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の電子機器において、
前記比較手段は、前記モード指定手段によって指定された動作モードによる動作の開始に先だって、前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって前記特性記憶手段から読み出された動作音特性を比較する、
ことを特徴とする電子機器である。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の電子機器において、
前記比較手段は、前記モード指定手段によって指定された動作モードによる動作の開始に先だって、前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって前記特性記憶手段から読み出された動作音特性とを比較して両者の類似性を判定し、
前記動作制御手段は、前記比較手段による比較の結果、両者が類似していなければ、動作音特性が周囲音特性に類似している動作モードに切り替える、
ことを特徴とする電子機器である。
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、請求項請求項4に記載の電子機器において、
前記第1の特定手段は、前記モード指定手段によって指定された動作モードによる動作が開始された際に、周囲音を集音してその特性を特定し、
前記比較手段は、前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって特性された動作音特性を比較する、
ことを特徴とする電子機器である。
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子機器において、
各種の動作モードに対応してその動作音特性を記憶する特性記憶手段を更に備え、
前記第2の特定手段は、前記各種の動作モードに対応する動作音特性を前記特性記憶手段から順次読み出すことによって各動作モードの動作音特性を特定し、
前記比較手段は、前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって前記特性記憶手段から順次読み出された各動作モードの動作音特性を比較し、
前記動作制御手段は、前記比較手段による比較の結果、最も類似性の高い動作音特性の動作モードを選択してその動作モードに設定する、
ことを特徴とする電子機器である。
(請求項9)
請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子機器において、
各種の動作モードに対応してその動作音特性を記憶する特性記憶手段を更に備え、
前記第2の特定手段は、前記各種の動作モードに対応する動作音特性を前記特性記憶手段から順次読み出すことによって各動作モードでの動作音特性を特定し、
前記比較手段は、前記第1の特定手段によって特定された周囲音の特性と前記第2の特定手段によって前記特性記憶手段から順次読み出された各動作モードの動作音特性とを比較し、
前記動作制御手段は、前記比較手段による比較の結果、最も類似性の低い動作音特性の動作モードを選択してその動作モードに設定する、
ことを特徴とする電子機器である。
(請求項10)
請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子機器において、
前記比較手段は、動作音を発生する動作の実行中に前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって特定された動作音特性を比較し、
前記動作制御手段は、動作音を発生する動作の実行中に前記比較手段による比較結果に基づいて動作中の動作状態を制御する、
ことを特徴とする電子機器である。
(請求項11)
請求項11に記載の発明は、
複数種の識別音を選択的に出力可能な電子機器であって、
周囲音を集音してその特性を特定する特定手段と、
前記複数種の識別音に対応してその特性を記憶する特性記憶手段と、
前記特定手段によって特定された周囲音特性と前記特性記憶手段に記憶されている各識別音特性とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づいて周囲音特性とは類似性の低い特性の識別音を選択して出力する識別音制御手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器である。
(請求項12)
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の電子機器において、
前記比較手段は、前記識別音を出力する際に前記特定手段によって特定された周囲音特性と前記特性記憶手段に記憶されている各識別音特性とを比較する、
ことを特徴とする電子機器である。
(請求項13)
請求項13に記載の発明は、請求項11に記載の電子機器において、
前記特定手段は、集音タイミング毎に周囲音を集音してその特性を特定すると共に、前回の集音タイミングで特定した周囲音特性を今回の集音タイミングで特定した周囲音特性に更新する動作を繰り返し、
前記比較手段は、前記識別音を出力する際に前記特定手段によって更新された最新の周囲音特性と前記特性記憶手段に記憶されている各識別音特性とを比較する、
ことを特徴とする電子機器である。
(請求項14)
請求項14に記載の発明は、請求項11〜請求項13のいずれか1項に記載の電子機器において、
前記特定手段は、周囲音を収集して周波数分析を行うことにより少なくともその周波数のレベル、周波数、波形のいずれかを周囲音の特性として特定する、
ことを特徴とする電子機器である。
(請求項15)
請求項15に記載の発明は、請求項11〜請求項13のいずれか1項に記載の電子機器において、
前記特定手段は、集音した所定時間分の周囲音から導き出される周期性を周囲音の特性として特定する、
ことを特徴とする電子機器である。
(請求項16)
請求項16に記載の発明は、
動作中に動作音を発生する電子機器のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
周囲音を集音してその特性を特定する第1の特定手段、
前記動作音の特性を特定する第2の特定手段、
前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって特定された動作音特性を比較する比較手段、
前記比較手段による比較結果に基づいて動作状態を制御する動作制御手段、
として機能させるようにしたコンピュータ読み取り可能なプログラムである。
(請求項17)
請求項17に記載の発明は、
複数種の識別音を選択的に出力可能な電子機器のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
周囲音を集音してその特性を特定する特定手段、
前記複数種の識別音に対応してその特性を記憶する特性記憶手段、
前記特定手段によって特定された周囲音特性と前記特性記憶手段に記憶されている各識別音特性とを比較する比較手段、
前記比較手段による比較結果に基づいて周囲音特性とは類似性の低い特性の識別音を選択して出力する識別音制御手段、
として機能させるようにしたコンピュータ読み取り可能なプログラムである。
1、11 CPU
3、13 記憶部
3a、13a プログラムメモリ
3c 動作音テーブル
6 プリンタ機構部
7 集音部
8 FFT分析部
13c 識別音テーブル
18 報知部
18a サウンドスピーカ
19 集音部
20 FFT分析部

Claims (13)

  1. 動作中に動作音を発生する電子機器であって、
    周囲音を集音してその特性を特定する第1の特定手段と、
    前記動作音の特性を特定する第2の特定手段と、
    前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって特定された動作音特性を比較する比較手段と、
    前記比較手段による比較結果に基づいて動作状態を制御する動作制御手段と、
    各種の動作モードの中から所定の動作モードを指定するモード指定手段と、
    を備え、
    前記第2の特定手段は、前記モード指定手段によって指定された動作モードに対応する動作音特性を、各種の動作モードに対応してその動作音特性を記憶する特性記憶手段から読み出すことによって動作音特性を特定する、
    ことを特徴とする電子機器。
  2. 動作中に動作音を発生する電子機器であって、
    周囲音を集音してその特性を特定する第1の特定手段と、
    前記動作音の特性を特定する第2の特定手段と、
    前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって特定された動作音特性を比較する比較手段と、
    前記比較手段による比較結果に基づいて動作状態を制御する動作制御手段と、
    を備え、
    前記第2の特定手段は、各種の動作モードに対応してその動作音特性を記憶する特性記憶手段から前記各種の動作モードに対応する動作音特性を順次読み出すことによって各動作モードの動作音特性を特定し、
    前記比較手段は、前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって前記特性記憶手段から順次読み出された各動作モードの動作音特性を比較し、
    前記動作制御手段は、前記比較手段による比較の結果、最も類似性の高い又は最も類似性の低い動作音特性の動作モードを選択してその動作モードに設定する、
    ことを特徴とする電子機器。
  3. 動作中に動作音を発生する電子機器であって、
    周囲音を集音してその特性を特定する第1の特定手段と、
    前記動作音の特性を特定する第2の特定手段と、
    前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって特定された動作音特性を比較する比較手段と、
    前記比較手段による比較結果に基づいて動作状態を制御する動作制御手段と、
    を備え、
    前記比較手段は、動作音を発生する動作の実行中に前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって特定された動作音特性を比較し、
    前記動作制御手段は、動作音を発生する動作の実行中に前記比較手段による比較結果に基づいて動作中の動作状態を制御する、
    ことを特徴とする電子機器。
  4. 前記比較手段は、前記モード指定手段によって指定された動作モードによる動作の開始に先だって、前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって前記特性記憶手段から読み出された動作音特性を比較する、
    ことを特徴とする請求項に記載の電子機器。
  5. 前記比較手段は、前記モード指定手段によって指定された動作モードによる動作の開始に先だって、前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって前記特性記憶手段から読み出された動作音特性とを比較して両者の類似性を判定し、
    前記動作制御手段は、前記比較手段による比較の結果、両者が類似していなければ、動作音特性が周囲音特性に類似している動作モードに切り替える、
    ことを特徴とする請求項又は請求項に記載の電子機器。
  6. 前記第1の特定手段は、前記モード指定手段によって指定された動作モードによる動作が開始された際に、周囲音を集音してその特性を特定し、
    前記比較手段は、前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって特性された動作音特性を比較する、
    ことを特徴とする請求項に記載の電子機器。
  7. 前記第1の特定手段は、周囲音を集音して周波数分析を行うことにより少なくともその周波数のレベル、周波数、波形のいずれかを周囲音特性として特定する、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子機器。
  8. 前記第1の特定手段は、集音した所定時間分の周囲音から導き出される周期性を周囲音特性として特定する、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子機器。
  9. 所定の動作中に動作音が発生する電子機器であって、
    周囲音を集音して前記周囲音の特性を特定する第1の特定手段と、
    前記所定の動作を開始させるのに先立って、前記第1の特定手段により特定された前記周囲音の特性に類似した動作音で動作する動作モードに設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定された動作モードで前記所定の動作を実行させる制御手段と、
    を備えることを特徴とする電子機器。
  10. 前記動作モードは、予め登録されている複数の動作モードの中から選択し該選択した動作モードであることを特徴とする、
    請求項9に記載の電子機器。
  11. 動作中に動作音を発生する電子機器のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    周囲音を集音してその特性を特定する第1の特定手段、
    前記動作音の特性を特定する第2の特定手段、
    前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって特定された動作音特性を比較する比較手段、
    前記比較手段による比較結果に基づいて動作状態を制御する動作制御手段、
    各種の動作モードの中から所定の動作モードを指定するモード指定手段、
    として機能させ
    前記第2の特定手段は、前記モード指定手段によって指定された動作モードに対応する動作音特性を、各種の動作モードに対応してその動作音特性を記憶する特性記憶手段から読み出すことによって動作音特性を特定するコンピュータ読み取り可能なプログラム。
  12. 動作中に動作音を発生する電子機器のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    周囲音を集音してその特性を特定する第1の特定手段、
    前記動作音の特性を特定する第2の特定手段、
    前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって特定された動作音特性を比較する比較手段、
    前記比較手段による比較結果に基づいて動作状態を制御する動作制御手段、
    として機能させ、
    前記第2の特定手段は、各種の動作モードに対応してその動作音特性を記憶する特性記憶手段から前記各種の動作モードに対応する動作音特性を順次読み出すことによって各動作モードの動作音特性を特定し、
    前記比較手段は、前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって前記特性記憶手段から順次読み出された各動作モードの動作音特性を比較し、
    前記動作制御手段は、前記比較手段による比較の結果、最も類似性の高い又は最も類似性の低い動作音特性の動作モードを選択してその動作モードに設定するコンピュータ読み取り可能なプログラム。
  13. 動作中に動作音を発生する電子機器のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    周囲音を集音してその特性を特定する第1の特定手段、
    前記動作音の特性を特定する第2の特定手段、
    前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって特定された動作音特性を比較する比較手段、
    前記比較手段による比較結果に基づいて動作状態を制御する動作制御手段、
    として機能させ、
    前記比較手段は、動作音を発生する動作の実行中に前記第1の特定手段によって特定された周囲音特性と前記第2の特定手段によって特定された動作音特性を比較し、
    前記動作制御手段は、動作音を発生する動作の実行中に前記比較手段による比較結果に基づいて動作中の動作状態を制御するコンピュータ読み取り可能なプログラム。
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