JP6150199B2 - 樹木の伐倒装置 - Google Patents

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本発明は、樹木を伐り倒すための伐倒装置に係り、更に詳しくは、作業者が樹木から離れた状態で当該樹木を自動的に伐倒することでき、しかも、装置全体の小型化に資する構造を備えた樹木の伐倒装置に関する。
森林で樹木を伐倒する際に用いられる林業機械としては、チェーンソーやハーベスタ等が知られている。日本では、山中の地面の傾斜が急である上に起伏に富み、地面も強固でなく、山道の路網密度も非常に低い。従って、大型の林業機械の伐倒現場への搬入は困難な場合が多い。このため、実際の現場では、作業者がチェーンソーを把持しながら樹木を伐倒する古来の作業が依然多い。この作業においては、作業者の予期しない方向に樹木が倒れる虞がある等、安全性を十分に確保できないという問題がある。一方、ハーベスタは、大型の重機により構成されるため、適用可能な現場の条件が限られ、特に、前述した状況から、日本の山間部では、重機自体を現場に搬送することが困難な場合が多い。従って、作業者が離れた状態で樹木を伐倒可能にする林業機械の小型化が、以前から要請されている。
ところで、特許文献1には、チェーンソーを用いて任意の樹木を伐倒可能な伐採機が開示されている。この伐採機では、油圧を動力として樹木を掴む樹木掴み装置と、チェーンソーの押込み及び引抜動作が可能なチェーンソー切込み装置と、チェーンソー切込み装置を樹心に対して90度の旋回動作をさせるとともに、当該旋回動作に倣って切断位置を上下移動可能なチェーンソー旋回装置とを備えている。オペレータは、現場を撮像するカメラからの画像を地上で見ながら、伐採機を遠隔操作して樹木を伐倒するようになっている。また、特許文献2には、油圧シリンダーで駆動する固定装置で樹木を挟持した後、多数のドリルをその軸線方向に前進させて当該樹木を伐倒するドリル式立木伐倒装置が開示されている。
特開2002−209457号公報 特開昭52−14297号公報
しかしながら、前記特許文献1の伐採機にあっては、油圧を動力としていることから、装置全体が大型になっており、そのため、現場への運搬は、空中搬送装置により、空中からの吊り下げにより行われる。従って、現場への伐採機の搬送に多大な手間と時間がかかる上、伐採機が、現場への搬入時や搬出時に吊り下げられた状態で空中を移動することから、移動中に地上に落下する虞がある。前記伐採機は、刃物の付いた高重量物であり、空中から地上への伐採機の落下は大変危険であることから、使用は現実的に難しい。また、伐採機は、オペレータが現場のカメラ画像を地上で見ながら、遠隔操作がなされるため、現場でカメラの死角になる部位に伐採の障害等となるような事象が生じた場合、対応困難になり、これを防ぐにはより多くのカメラを現場に設置しなければならず、現場での伐倒作業に一層の手間がかかることになる。
また、前記特許文献2のドリル式立木伐倒装置にあっては、油圧を動力として使用しているとともに、ドリルを軸線方向に移動して樹木に穴を空けながら切削するようになっているため、短時間で作業を終了させるためには、多数のドリルを並列配置せざるを得ず、この場合も、装置全体の大型化を招来する。
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、作業者が離れた状態で樹木を伐倒可能となり、且つ、現場への搬送の制約や現場での設置の制約が低減される小型化を実現可能な樹木の伐倒装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、主として、樹木を伐り倒す伐倒装置であって、
自転しながら前記樹木を切削可能な切削具と、当該切削具を回転させながら移動可能に動作するマニピュレータと、当該マニピュレータの動作を制御する制御手段とを備え、
前記切削具は、その回転軸の延出方向に移動して樹木を切削するドリル切削と、前記回転軸に交わる方向となる横方向に移動して樹木を切削するエンドミル切削とを可能にする刃形状に設けられ、
前記制御手段では、予め設定された樹木の伐倒手順に従い、樹木の所定の表面部分に前記切削具の先端が接触した後に、切削具を自転させた状態で、前記切削具を前記樹木の内部に向かって前記回転軸の延出方向に移動してから前記横方向に移動するように、前記マニピュレータの動作を制御する、という構成を採っている。
本発明によれば、ドリル切削とエンドミル切削の双方を可能にする切削具を用い、切削具を回転軸の延出方向及び横方向に移動しながら、樹木の所定の高さ位置でその内部をくり抜くことができるため、樹木の伐倒作業時における切削具の動作をコンパクトにすることができる。従って、切削具を移動させるための機構として、小型のロボット機構で良く、装置全体の小型化を促進可能となる。この結果、複雑な地形や狭い林道、また、急な斜面の多い山間部の現場に搬送する際の制約や、当該現場での設置の制約を低減することができる。また、予め設定された移動軌跡に沿って切削具が自動的に移動して、樹木の切削が行われるため、作業者が樹木から離れたままで、樹木を伐倒させることができ、樹木が倒れる際の作業者の安全が確保されることになる。更に、マニピュレータに、切削具を回転させる動力となるエンジンと、切削具を移動させる動力となるモータとを備えた構成では、切削具の大きな回転トルクが必要となる樹木の切削のみにエンジンが用いられ、それ以外の切削具の移動にはモータが用いられることになり、大型の油圧機械を用いることなく、装置全体の小型化を一層促進することができる。
本実施形態に係る伐倒装置の概略斜視図。 部材を一部省略した第1の動力伝達機構の概略斜視図。 図2と異なる方向から見た前記第1の動力伝達機構の概略斜視図。 部材を一部省略した第2の動力伝達機構の概略斜視図。 部材を一部省略した第3の動力伝達機構の概略斜視図。 図5と異なる方向から見た前記第3の動力伝達機構の概略斜視図。 制御手段の構成を表すブロック図。 (A)〜(C)は、伐倒する際のマニピュレータの動作手順を説明するための模式的な概略平面図である。 (A)〜(C)は、図8(A)〜(C)の後のマニピュレータの動作手順を説明するための模式的な概略平面図である。 (A)〜(H)は、伐倒作業時における樹木に対する切削具の移動手順を説明するための模式的な概略平面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1には、本実施形態に係る樹木の伐倒装置の概略斜視図が示されている。この図において、伐倒装置10は、樹木Tの所定部分を切削するための棒状の切削具11と、切削具11を軸線回りに回転させながら所定空間内を移動可能に動作するマニピュレータ12と、マニピュレータ12の動作を制御する制御手段としての制御盤14とを備えて構成されている。
なお、以下の説明において、特に明示しない限り、位置或いは方向を示す用語は、次の意味で使用される。すなわち、「前後方向」は、図1に示された直交2軸のxy座標系におけるx軸方向を意味し、「左右方向」は、同座標系におけるy軸方向を意味する。また、図1における制御盤14側を「後側」と称し、x軸方向におけるその反対側を「前側」と称する。更に、「上」、「下」は、伐倒装置10を図1の姿勢で見たときの「上」、「下」を意味する。
前記切削具11は、外周面に螺旋状の溝刃が形成されており、1本でドリル及びエンドミルの機能を兼ね備えることのできる公知の刃形状となっている。すなわち、切削具11は、その軸線回りに回転、つまり自転しながら、樹木Tの内部に向かって、回転軸の延出方向に前進移動すると、樹木Tの内外間に穴を空けるドリル切削が可能となる。また、切削具11は、自転しながら回転軸に交わる横方向に沿って樹木Tの内部を横移動すると、樹木Tの内部に形成された穴を拡大するエンドミル切削が可能となる。
前記マニピュレータ12は、伐倒する対象の樹木Tの付近の地面に設置されて当該樹木Tに固定されるステージ16と、ステージ16に支持されるロボットアーム18と、ロボットアーム18の上側に一体的に取り付けられ、切削具11をその軸線回りに回転させる動力となるエンジン20とを備えている。
前記ステージ16は、ロボットアーム18及びエンジン20をx軸方向及びy軸方向に移動可能とするXYステージ構造が採用されている。すなわち、ステージ16は、地面側に位置するフレーム状のベース21と、ロボットアーム18が載るとともに、ベース21に対して前後方向に移動可能に設けられたスライダー23と、地面に立脚してベース21を支持する複数の脚部材24とにより構成されている。
前記ベース21は、脚部材24を支持する左右両側の縦フレーム26,26と、これら縦フレーム26,26の前後両側にそれぞれ配置される前後両側の横フレーム27,27と、これら横フレーム27,27の間で回転可能に支持された縦ボールねじ29と、後側の横フレーム27に支持されて縦ボールねじ29を回転させる第1のモータ31と、各縦フレーム26,26の前端側にそれぞれ回転可能に取り付けられ、伐倒対象となる樹木Tを把持する把持アーム32,32と、各縦フレーム26,26の上面側に固定された縦スライドレール34,34とを備えている。
前記把持アーム32は、縦フレーム26に対して片持ち状に支持されており、把持アーム32の先端側には、樹木Tの周面に刺して固定するための針部材36と、樹木Tに括り付けるための図示省略したベルト(ラッシングベルト)を通すベルト通し37とが設けられている。
前記ベース21の前端側の空間、つまり、左右両側の縦フレーム26,26の前方部分と、前側の横フレーム27と、各把持アーム32,32とで囲まれる空間は、伐倒対象となる樹木Tの根元部分が配置される部分である。そして、樹木Tの外径に合わせ、各把持アーム32,32を回転して樹木Tの外周部分に当接し、樹木Tに針部材36,36を刺し、各ベルト通し37、37にベルト(図示省略)を通して、その端部を締結することで、伐倒装置10が、脚部材24を地面に接地させた状態で樹木Tの根元側に固定される。
前記スライダー23は、前後両側に一対設けられてそれぞれ左右方向に延びる前後の横スライドレール39,39と、これら横スライドレール39,39の下方に固定され、前記縦スライドレール34,34に摺動可能に接合された左右両側の接合部材40,40と、横スライドレール39,39の下方に固定され、前記縦ボールねじ29に噛み合う縦ねじ用ナット42と、各横スライドレール39,39の間で左右方向に延びるとともに、回転可能な横ボールねじ43と、図1中手前側の部分に固定され、横ボールねじ43を回転させるための第2のモータ45と、前記各横スライドレール39,39に摺動可能に設けられ、ロボットアーム18が固定される載置プレート47と、載置プレート47の下面側に取り付けられ、横ボールねじ43に噛み合う横ねじ用ナット49とを備えて構成されている。
前記ベース21とスライダー23には、以上の構成により、送りねじ機構が採用されていることになる。このため、第1のモータ31が駆動すると、スライダー23全体が、各縦スライドレール34,34に沿って前後方向(x軸方向)に移動可能となり、その結果、ロボットアーム18及びエンジン20が前後方向に移動可能になる。一方、第2のモータ45が駆動すると、ロボットアーム18が載る載置プレート47が、各横スライドレール39、39に沿って左右方向(y軸方向)に移動可能となり、その結果、ロボットアーム18及びエンジン20が左右方向に移動可能になる。
前記脚部材24は、特に限定されるものではないが、左右二本ずつ設けられており、左右両側の縦フレーム26,26に対して上下方向に移動可能に取り付けられており、図示しないねじ等によって所望の高さで固定可能となる高さ調整機構を備えている。
前記ロボットアーム18は、載置プレート47の上面側に固定された固定基部51と、固定基部51に回転可能に支持された関節部52と、関節部52に対して回転可能に支持されるとともに、切削具11を保持するアーム部53とを備えて構成されている。
前記固定基部51は、箱形のカバー55と、カバー55の内部に設けられた第1の動力伝達機構56(図2及び図3参照)とを備えている。
前記第1の動力伝達機構56は、図2及び図3に示されるように、載置プレート47の上面側に起立した状態で固定された一対の起立板58,58と、図2中右側の起立板58に固定された第3のモータ59と、第3のモータ59からの回転駆動力を伝達する複数のプーリ60及びベルト61と、各起立板58,58の間に配置され、第3のモータ59から各プーリ60及びベルト61を介して伝達された回転駆動力により回転可能な波動歯車装置63と、波動歯車装置63に連結され、波動歯車装置63と一体回転可能に起立板58に支持された回転盤64(図3参照)とを備えている。
前記回転盤64は、図1に示されるように、関節部52に固定されており、第3のモータ59が駆動すると、関節部52が、固定基部51に対して同図中x軸回りの方向に回転するようになっている。
前記関節部52は、外側を覆うカバー66と、カバー66の内部に設けられた第2の動力伝達機構67(図4参照)とを備えている。
前記第2の動力伝達機構67は、図4に示されるように、エンジン20からの動力によって回転可能な同図中上端側のエンジン用プーリ69と、エンジン用プーリ69と相対回転可能に設けられ、前記アーム部53(図1参照)に設けられた後述する第4のモータ96(図5参照)の駆動によって回転するモータ用プーリ70と、モータ用プーリ70と一体回転可能に設けられるとともに、アーム部53側に固定される波動歯車装置75と、図中上下方向に延び、エンジン用プーリ69、モータ用プーリ70及び波動歯車装置75の各中心部分を貫通するように配置された支持シャフト71と、エンジン用プーリ69を回転させるエンジン動力伝達機構73とを備えている。
前記支持シャフト71は、エンジン用プーリ69に対して一体的に固定される一方、モータ用プーリ70及び波動歯車装置75との相対回転を許容するように配置されている。
前記エンジン動力伝達機構73は、ギア74、プーリ76、ベルト77等を適宜組み合わせて構成され、エンジン20の駆動によって回転するシャフト79の回転力が支持シャフト71を通じてエンジン用プーリ69に伝達され、エンジン用プーリ69を回転させるようになっている。なお、シャフト79は、固定基部51(図2等参照)の内側を相対回転可能に貫通しており、その一端側にプーリ80が固定されている。このプーリ80は、図1に示されるように、エンジン20の駆動によって回転されるプーリ81との間でベルト82が掛け回されており、エンジン20の駆動により、シャフト79がその軸線回りに回転されることになる。
前記アーム部53は、図1に示されるように、外側を覆うカバー84と、カバー84の内部に設けられた第3の動力伝達機構86(図5及び図6参照)とを備えている。
前記第3の動力伝達機構86は、図5及び図6に示されるように、関節部52のエンジン用プーリ69(図4参照)の回転によって切削具11をその軸線回りに回転させるためのエンジン動力伝達機構87と、アーム部53を関節部52に対して回転させるためのアーム回転機構88とを備えている。
前記エンジン動力伝達機構87は、エンジン用プーリ69(図4参照)に掛け回されたベルト89が掛け回されるプーリ90と、プーリ90の回転によってギア91を介して軸線回りに回転可能に設けられたシャフト92と、シャフト92によって回転され、当該回転駆動力を切削具11に伝達する複数のプーリ93及びベルト94とからなる。
前記アーム回転機構88は、図5中右側部分に固定された第4のモータ96と、第4のモータ96の回転によって回転可能に設けられたプーリ97(図6参照)と、このプーリ97と関節部52のモータ用プーリ70(図4参照)との間に掛け回されたベルト98とを備えている。従って、第4のモータ96が駆動すると、プーリ97及びベルト98を介してモータ用プーリ70が回転し、当該回転に伴って波動歯車装置75が一体的に回転し、アーム部53が関節部52に対して図1中の仮想軸線L回りに回転することになる。
前記制御盤14は、ハードウェア及びソフトウェアによって構成され、CPU等の演算処理装置、メモリやハードディスク等の記憶装置、及びこれら各装置を機能させるプログラムモジュール等から成り立っている。
前記制御盤14は、図7に示されるように、対象となる樹木Tの直径等の情報が入力される入力部101と、入力部101で入力された樹木Tの直径から、予め記憶された数式を用いて、後述する手順で樹木Tを切り込む際の切削具11の移動量を演算する演算部102と、演算部102で演算した移動量に基づき、切削具11が予め記憶された移動軌跡を移動するように、第1〜第4のモータ31,45,59,96の駆動を制御する制御部103とを備えている。
次に、前記伐倒装置10を使った樹木の伐倒手順について説明する。
先ず、作業者により、伐倒対象とする樹木Tの根元付近の地面に伐倒装置10を設置し、当該樹木Tの根元を抱え込むように一対の把持アーム32,32で樹木Tを押さえ、その先端側の針部材36を樹木Tに突き刺すとともに、各ベルト通し37,37にベルト(図示省略)を通し、当該ベルトの両端を締結することにより、当該ベルトを樹木Tに括り付けた状態で、伐倒装置10が樹木Tに固定される。
そして、樹木Tの直径が、所定の測定機器を用いて自動的に計測され、或いは、作業者の手によって計測され、それらの計測値が入力部101に自動或いは手動で入力されると、演算部102で、伐倒装置10の所定部位を原点とした座標系における切削具11の移動量が演算される。すなわち、ここでは、予め記憶された樹木Tの伐倒手法に対応した切り込み位置、切り込み量が演算によって決定される。そして、作業者が、図示しないスイッチを投入すると、マニピュレータ12が動作する。すなわち、エンジン20が駆動して切削具11が回転するとともに、制御部103での各モータ31,45,59,96の駆動制御によるロボットアーム18の移動及び回転により、切削具11が演算部102で決定した軌跡に沿って自動的に移動する。なお、この際、作業者は、樹木Tから離れて待機することができる。本実施形態では、自転する切削具11を使ったドリル切削及びエンドミル切削により、樹木Tに対し、いわゆる三つ紐伐りを行えるようになっている。すなわち、切削具11は、回転した状態で樹木Tの外側から中心に向かって回転軸の延出方向に前進してから、当該回転軸に交わる横方向にスライドさせることで、樹木Tの根元付近の所定の高さ位置で、樹木Tの内部が一部を除いてくり抜かれる。この動作は、図8〜図10に示されるように、樹木Tの断面領域の1/4単位で行われ、最終的に3つの弦が残ることになる。
具体的に、先ず、図8(A)に示されるように、切削具11は、その先端側が樹木Tに対向する姿勢で、樹木Tの同図中左横に配置される。そして、回転した状態の切削具11は、ステージ16の動作により、樹木Tの中心に向かって図10(A)中右方に移動するドリル切削を行い、続いて、同図(B)に示されるように、同図中下方にスライドするエンドミル切削が行われる。この時点で、樹木Tの断面のうち、同図中左下の約1/4の領域が切削される。
次に、切削具11は、ステージ16の動作により、一旦、図8(A)に示される樹木Tの外側位置に戻り、その後、アーム部53が関節部52に対して回転し、図8(B)に示されるように、先端側が樹木Tに対向する姿勢で、樹木Tの同図中上側に配置される。そして、回転した状態の切削具11は、ステージ16の動作により、樹木Tの中心に向かって図10(C)中下方に移動するドリル切削を行い、続いて、同図(D)に示されるように、同図中左方にスライドするエンドミル切削が行われる。この時点で、樹木Tの断面のうち、同図中約左半分の領域が切削される。
そして、切削具11は、ステージ16の動作により、一旦、図8(B)に示される樹木Tの外側位置に戻り、その後、関節部52が固定基部51に対して回転し、図8(C)に示される姿勢になる。この状態から、アーム部53が関節部52に対して回転し、図9(A)に示されるように、アーム部53が起立した姿勢となり、切削具11は、ステージ16の動作により、樹木Tの同図中下側を同図中右方に移動する。
次いで、前述と逆の手順により、関節部52に対するアーム部53の回転と、固定基部51に対する関節部52の回転とにより、図9(B)に示されるように、切削具11は、その先端側が樹木Tに対向する姿勢で、樹木Tの同図中上側に配置される。そして、回転した状態の切削具11は、ステージ16の動作により、樹木Tの中心に向かって図10(E)中下方に移動するドリル切削を行い、続いて、同図(F)に示されるように、同図中右方にスライドするエンドミル切削が行われる。この時点で、樹木Tの断面のうち、同図中右下の約1/4の領域を除いた領域が切削される。
そして、切削具11は、ステージ16の動作により、一旦、図9(B)に示される樹木Tの外側位置に戻り、その後、アーム部53が関節部52に対して回転し、図9(C)に示されるように、先端側が樹木Tに対向する姿勢で、樹木Tの同図中右側に配置される。そして、回転した状態の切削具11は、ステージ16の動作により、樹木Tの中心に向かって図10(G)中左方に移動するドリル切削を行い、続いて、同図(H)に示されるように、同図中下方にスライドするエンドミル切削が行われる。この結果、所定高さにおける樹木Tの断面のうち、三箇所の弦を残して、ほぼ全域がくり抜かれる。
最後に、ロボットアーム18の動作により、追い弦となる図10(H)中の最下部の弦が切削具11によって削り取られ、樹木Tが同図中の上方となる太矢印方向に倒れることになる。
従って、このような実施形態によれば、樹木Tの切削には、切削具11の回転トルクを小さいサイズで十分確保可能なエンジン20の動力が用いられ、切削具11の移動は、各モータ31,45,59,96を用いたロボットアーム構造が適用されるため、伐倒装置10全体の小型化を実現することができ、本発明者らの実験によれば、軽トラックの荷台に載る程度のサイズのものでも、現存する様々な樹木の伐倒が可能になることが実証された。
なお、前記マニピュレータ12は、前記実施形態の構造に限らず、切削具11を所望の空間内で予め記憶された軌跡に従って移動できる限りにおいて、自由度の数等は問わず、種々の構造を採用することができる。
また、前記制御盤14では、受け口追い口伐り等の他の伐倒手法での樹木の伐倒を実現できるように、伐倒手法の幾つかのパターンを予め記憶し、選択したパターンに基づき切削具11が移動するように、マニピュレータ12の動作制御を行うことも可能である。
その他、本発明における装置各部の構成は図示構成例に限定されるものではなく、実質的に同様の作用を奏する限りにおいて、種々の変更が可能である。
10 伐倒装置
11 切削具
12 マニピュレータ
14 制御盤(制御手段)
20 エンジン
31 第1のモータ
45 第2のモータ
59 第3のモータ
96 第4のモータ
101 入力部
102 演算部
103 制御部

Claims (3)

  1. 樹木を伐り倒す伐倒装置であって、
    自転しながら前記樹木を切削可能な切削具と、当該切削具を回転させながら移動可能に動作するマニピュレータと、当該マニピュレータの動作を制御する制御手段とを備え、
    前記切削具は、その回転軸の延出方向に移動して樹木を切削するドリル切削と、前記回転軸に交わる方向となる横方向に移動して樹木を切削するエンドミル切削とを可能にする刃形状に設けられ、
    前記マニピュレータは、前記切削具を回転させる動力となるエンジンと、前記切削具を前記回転軸の延出方向及び前記横方向に移動させる動力となるモータとを備え、
    前記制御手段では、予め設定された樹木の伐倒手順に従い、樹木の所定の表面部分に前記切削具の先端が接触した後に、切削具を自転させた状態で、前記切削具を前記樹木の内部に向かって前記回転軸の延出方向に移動してから前記横方向に移動するように、前記マニピュレータの動作を制御することを特徴とする樹木の伐倒装置。
  2. 前記制御手段は、伐倒対象となる前記樹木の直径が入力される入力部と、当該入力部で入力された前記直径から、予め記憶された数式を用いて、前記樹木の内部を切り込む際の前記切削具の移動量を演算する演算部と、当該演算部で演算された前記移動量に基づいて前記マニピュレータの動作を制御する制御部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の樹木の伐倒装置。
  3. 前記マニピュレータは、その一部が前記樹木に固定された状態で、前記切削具が前記樹木の周囲を移動可能に動作し、且つ、前記切削具が前記樹木の周囲から当該樹木の内部に移動可能に動作することを特徴とする請求項1又は2記載の樹木の伐倒装置。
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