JP6149886B2 - 表面実装型発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、照明器具、ディスプレイ、携帯電話のバックライト、動画照明補助光源、そ
の他の一般的民生用光源などに用いられる表面実装型発光装置及びそれに適した樹脂成形
体並びにそれらの製造方法に関する。
発光素子を用いた表面実装型発光装置は、小型で電力効率が良く鮮やかな色の発光をす
る。また、この発光素子は半導体素子であるため球切れなどの心配がない。さらに初期駆
動特性が優れ、振動やオン・オフ点灯の繰り返しに強いという特徴を有する。このような
優れた特性を有するため、発光ダイオード(LED)、レーザーダイオード(LD)など
の発光素子を用いる発光装置は、各種の光源として利用されている。
図11に従来の表面実装型発光装置を示す。従来の表面実装型発光装置は、発光素子2
10と、これを搭載する搭載用リードフレーム220と、発光素子210に導線を介して
接続される結線用リードフレーム230と、各リードフレームの大部分を覆う成形体24
0とを備えている(例えば、特許文献1参照)。この表面実装型発光装置は、その量産性
を優先するあまり、液晶ポリマー、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ナイロン等
の熱可塑性樹脂を遮光性樹脂として成形体240に用いる場合が多い。また、一般に、成
形体240に用いられる熱可塑性樹脂はリフロー半田熱に耐えうる耐熱性が必要なため、
半芳香族ポリアミド、液晶ポリマー、PPSと言ったエンジニアリングポリマーが使用さ
れている。一般に、熱可塑性樹脂は、射出成形により生産されている。この射出成形する
手法は生産性の良さから、安価に高出力の表面実装型発光装置を提供するための主流とな
っている。
特開平11−087780号公報(特許請求の範囲、[0020])
従来の表面実装型発光装置の成形体240に用いられるこれら熱可塑性エンジニアリン
グポリマーは、耐熱性に優れるものの分子内に芳香族成分を有するため耐光性に乏しい。
また、分子末端に接着性を向上させる水酸基等を有しないため、リードフレーム220、
230ならびに透光性封止樹脂250との密着が得られない問題を抱えている。さらに、
近年の発光素子の出力向上はめざましく、発光素子の高出力化が図られるにつれ、成形体
240の光劣化が顕著となってきている。特に透光性封止樹脂250と熱可塑性エンジニ
アリングポリマー240の接着界面は、密着性に乏しいことも伴い容易に破壊され剥離に
至る。また、剥離に至らずとも光劣化による変色が進行し、発光装置の寿命が大幅に短縮
化される。
これらの問題を解決するため、成形体を光劣化のない無機材料、例えばセラミックス、
とする技術もある。しかし、このセラミックスを用いた成形体は、熱伝導性良好なリード
フレームをインサートすることが難しく、熱抵抗値を下げることができない。また透光性
封止樹脂との膨張係数が1オーダー以上異なるため信頼性を得るに至っていない。
以上のことから、本発明は、高寿命で量産性に優れた表面実装型発光装置及びその表面
実装型発光装置に用いる成形体を提供することを目的とする。また、製造容易なそれらの
製造方法を提供することを目的とする。
上記の問題点を解決すべく、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに到
った。
本発明は、発光素子と、発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に
接続される第2のリードとを一体成形してなる第1の樹脂成形体と、発光素子を被覆する
第2の樹脂成形体と、を有する表面実装型発光装置であって、第1の樹脂成形体は、底面
と側面とを持つ凹部が形成されており、第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のリード
が露出されており、その露出部分に発光素子が載置されており、第1の樹脂成形体と第2
の樹脂成形体とは熱硬化性樹脂であり、第1の樹脂成形体は可能な限り分子内に芳香族成
分を有しないものであり、第1の樹脂成形体は、トランスファ・モールドにより成形され
ている表面実装型発光装置に関する。
本発明は、発光素子と、発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に
接続される第2のリードとを一体成形してなる第1の樹脂成形体と、発光素子を被覆する
第2の樹脂成形体と、を有する表面実装型発光装置であって、第1のリードは第1のイン
ナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており、第1のインナーリード部は発光
素子が載置されており、かつ、発光素子が持つ第1の電極と電気的に接続されており、並
びに第1のアウターリード部は第1の樹脂成形体から露出されており、第2のリードは第
2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており、第2のインナーリード
部は発光素子が持つ第2の電極と電気的に接続されており、並びに第2のアウターリード
部は第1の樹脂成形体から露出されており、第1の樹脂成形体は、底面と側面とを持つ凹
部が形成されており、第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のインナーリード部が露出
されており、その露出部分に発光素子が載置されており、第1の樹脂成形体と第2の樹脂
成形体とは熱硬化性樹脂であり、第1の樹脂成形体は可能な限り分子内に芳香族成分を有
しないものであり、第1の樹脂成形体は、トランスファ・モールドにより成形されている
表面実装型発光装置に関する。
発光素子が載置されている主面側と反対の第1のリードの裏面側は、第1の樹脂成形体
から露出されていることが好ましい。
発光素子が載置されている主面側と反対の第1のリード及び第2のリードの裏面側は、
第1の樹脂成形体から露出されていてもよい。
第1のリードの裏面側の露出部分と第2のリードの裏面側の露出部分とは、実質的に同
一平面上にあることが好ましい。
第1のインナーリード部の裏面側の露出部分は、放熱部材が接触するように配置されて
いてもよい。
第1の樹脂成形体は、発光素子からの光の30%以上を反射することが好ましい。
第1の樹脂成形体は、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコ
ーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種に
より形成されてなることが好ましい。
第1の樹脂成形体は、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質、遮光性物質か
らなる群から選択される少なくとも1種が混合されていてもよい。
第2の樹脂成形体は、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質からなる群から
選択される少なくとも1種が混合されていてもよい。
本発明は、第1のリードと第2のリードとを一体成形してなる樹脂成形体であって、第
1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており、第1の
インナーリード部は樹脂成形体中に配置されており、第1のアウターリード部は樹脂成形
体から露出されており、第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード
部とを有しており、第2のインナーリード部は樹脂成形体中に配置されており、第2のア
ウターリード部は樹脂成形体から露出されており、樹脂成形体は、底面と側面とを持つ凹
部が形成されており、樹脂成形体の凹部の底面から第1のインナーリード部及び第2のイ
ンナーリード部が露出されており、樹脂成形体は、熱硬化性樹脂であり、樹脂成形体は可
能な限り分子内に芳香族成分を有しないものであり、樹脂成形体は、トランスファ・モー
ルドにより成形されている樹脂成形体に関する。
本発明は、第1のリードと第2のリードとを一体成形してなる樹脂成形体であって、第
1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており、第1の
インナーリード部は樹脂成形体中に配置されており、第1のアウターリード部は樹脂成形
体から露出されており、第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード
部とを有しており、第2のインナーリード部は樹脂成形体に配置されており、第2のアウ
ターリード部は樹脂成形体から外部に露出されており、樹脂成形体は、底面と側面とを持
つ凹部が形成されており、樹脂成形体の凹部の底面から第1のインナーリード部及び第2
のインナーリード部が露出されており、凹部が形成されている主面側と反対の第1のイン
ナーリード部の裏面側は樹脂成形体から露出されており、樹脂成形体は、熱硬化性樹脂で
あり、樹脂成形体は可能な限り分子内に芳香族成分を有しないものであり、樹脂成形体は
、トランスファ・モールドにより成形されている樹脂成形体に関する。
第1のリードの裏面側の露出部分と第2のリードの裏面側の露出部分とは、実質的に同
一平面上にあることが好ましい。
熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン
樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である
ことが好ましい。
凹部は、開口方向に広口となる傾斜が設けられていることが好ましい。
樹脂成形体は、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質、遮光性物質からなる
群から選択される少なくとも1種が混合されていてもよい。
本発明は、第1のリードと第2のリードとを一体成形してなる、底面と側面とを持つ凹
部が形成されている可能な限り分子内に芳香族成分を有しない樹脂成形体の製造方法であ
って、上金型は樹脂成形体の凹部に相当する凹みを形成しており、第1のリードは第1の
インナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており、第2のリードは第2のイン
ナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており、樹脂成形体の凹部の底面に相当
する第1のインナーリード部と第2のインナーリード部並びに第1のアウターリード部と
第2のアウターリード部は上金型と下金型とで挟み込まれる第1の工程と、上金型と下金
型とで挟み込まれた凹み部分に熱硬化性樹脂をトランスファ・モールド工程により流し込
まれる第2の工程と、流し込まれた熱硬化性樹脂は加熱して硬化され、樹脂成形体が成形
される第3の工程と、を有する樹脂成形体の製造方法に関する。
本発明は、第1のリードと第2のリードとを一体成形してなる、底面と側面とを持つ凹
部が形成されている可能な限り分子内に芳香族成分を有しない第1の樹脂成形体と、第1
のリードに載置される発光素子と、発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と、を有する表
面実装型発光装置の製造方法であって、上金型は第1の樹脂成形体の凹部に相当する凹み
を形成しており、第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを
有しており、第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有し
ており、第1の樹脂成形体の凹部の底面に相当する第1のインナーリード部と第2のイン
ナーリード部並びに第1のアウターリード部と第2のアウターリード部は上金型と下金型
とで挟み込まれる第1の工程と、
上金型と下金型とで挟み込まれた凹み部分に第1の熱硬化性樹脂がトランスファ・モール
ド工程により流し込まれる第2の工程と、流し込まれた第1の熱硬化性樹脂は加熱して硬
化され、第1の樹脂成形体が成形される第3の工程と、上金型が取り外される第4の工程
と、発光素子は第1のインナーリード部に載置されるとともに、発光素子が持つ第1の電
極と第1のインナーリード部とが電気的に接続され、発光素子が持つ第2の電極と第2の
インナーリード部とが電気的に接続される第5の工程と、発光素子が載置された凹部内に
第2の熱硬化性樹脂が配置される第6の工程と、第2の熱硬化性樹脂は加熱して硬化され
、第2の樹脂成形体が成形される第7の工程と、を有する表面実装型発光装置の製造方法
に関する。
これにより、高寿命で量産性に優れた表面実装型発光装置及びその表面実装型発光装置
に用いる成形体を提供することができる。
第1の実施の形態に係る表面実装型発光装置を示す概略断面図である。 第1の実施の形態に係る表面実装型発光装置を示す概略平面図である。 第1の実施の形態に係る表面実装型発光装置の実装状態を示す概略断面図である。 第2の実施の形態に係る表面実装型発光装置を示す概略平面図である。 第3の実施の形態に係る表面実装型発光装置を示す概略断面図である。 第4の実施の形態に係る表面実装型発光装置を示す概略断面図である。 第5の実施の形態に係る表面実装型発光装置を示す概略断面図である。 第5の実施の形態に係る表面実装型発光装置の実装状態を示す概略断面図である。 第6の実施の形態に係る表面実装型発光装置を示す概略断面図である。 (a)〜(e)第1の実施の形態に係る表面実装型発光装置の製造工程を示す概略断面図である。 従来の表面実装型発光装置を示す概略平面図である。 従来の表面実装型発光装置を示す概略断面図である。
本発明は、発光素子と、発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に
接続される第2のリードとを一体成形してなる第1の樹脂成形体と、発光素子を被覆する
第2の樹脂成形体と、を有する表面実装型発光装置であって、第1の樹脂成形体は、底面
と側面とを持つ凹部が形成されており、第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のリード
が露出されており、その露出部分に発光素子が載置されており、第1の樹脂成形体と第2
の樹脂成形体とは熱硬化性樹脂である表面実装型発光装置に関する。この熱硬化性樹脂は
可能な限り分子内に芳香族成分を有しないものが好ましい。
これにより耐熱性、耐光性等に優れた表面実装型発光装置を提供することができる。
また、第1の樹脂成形体を熱硬化性樹脂にすることにより第2の樹脂成形体との界面の
剥離を防止することができる。これは熱可塑性樹脂と異なり、熱硬化性樹脂が表面に多数
の反応性官能基を有しているので第2の樹脂成形体と強固な接着界面を形成することがで
きるからである。そして第2の樹脂成形体を熱硬化性樹脂とすることにより第1の樹脂成
形体と同様な等方性の熱膨張・収縮挙動を得ることができるため、温度変化による接着界
面の熱応力を更に低減することができる。ついで第2の樹脂成形体を第1の樹脂成形体と
同種の熱硬化性樹脂とすることにより界面張力の低減による接着力の改善だけでなく、界
面にて硬化反応が進行し極めて強固な密着性を得ることが可能となる。耐光性については
3次元架橋している熱硬化性樹脂が耐熱性を損なうことなく容易に組成を変更できるため
耐光性の劣悪な芳香族成分を簡単に排除できる。かたや熱可塑性樹脂では耐熱性と芳香族
成分は事実上同義語であり、芳香族成分なくしてリフロー半田熱に耐えうる成形体を得る
ことができない。従って、第1の樹脂成形体と第2の樹脂成形体を熱硬化性樹脂にするこ
とにより本来強固な接着界面を有し、かつ光劣化の少ない耐剥離性に優れ、また経年変化
の少ない表面実装型発光装置を得ることができる。
第2の樹脂成形体は、発光素子が載置された凹部内に配置される。これにより容易に発
光素子を被覆することができる。また、発光素子の屈折率と空気中の屈折率とは大きく異
なるため、発光素子から出射された光は効率よく外部に出力されてこないのに対し、第2
の樹脂成形体で発光素子を被覆することにより、発光素子から出射された光を効率よく外
部に出力することができる。また、発光素子から出射された光は凹部の底面及び側面に照
射され、反射して、発光素子が載置されている主面側に出射される。これにより主面側の
発光出力の向上を図ることができる。さらに、第1の樹脂成形体で凹部底面を覆うよりも
、第1のリードは金属であるため発光素子からの光の反射効率を高めることができる。
例えば、第1の樹脂成形体にエポキシ樹脂を用い、第2の樹脂成形体に硬質のシリコー
ン樹脂を用いることができる。
本発明は、発光素子と、発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に
接続される第2のリードとを一体成形してなる第1の樹脂成形体と、発光素子を被覆する
第2の樹脂成形体と、を有する表面実装型発光装置であって、第1のリードは第1のイン
ナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており、第1のインナーリード部は発光
素子が載置されており、かつ、発光素子が持つ第1の電極と電気的に接続されており、並
びに第1のアウターリード部は第1の樹脂成形体から露出されており、第2のリードは第
2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており、第2のインナーリード
部は発光素子が持つ第2の電極と電気的に接続されており、並びに第2のアウターリード
部は第1の樹脂成形体から露出されており、第1の樹脂成形体は、底面と側面とを持つ凹
部が形成されており、第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のインナーリード部が露出
されており、その露出部分に発光素子が載置されており、第1の樹脂成形体と第2の樹脂
成形体とは熱硬化性樹脂である表面実装型発光装置に関する。この熱硬化性樹脂は可能な
限り分子内に芳香族成分を有しないものが好ましい。これにより耐熱性、耐候光性、密着
性に優れた表面実装型発光装置を提供することができる。また、熱硬化性樹脂を用いて第
1の樹脂成形体と第2の樹脂成形体とを成形するため、第1の樹脂成形体と第2の樹脂成
形体との界面の剥離を防止することができる。さらに、所定の長さを有する第1のリード
と第2のリードを折り曲げ等して用いるため、外部電極と電気的に接続し易く、既存の照
明器具等に実装してそのまま使用することができる。
発光素子が載置されている主面側と反対の第1のリードの裏面側は、第1の樹脂成形体
から露出されていることが好ましい。表面実装型発光装置に電流を投入すると発光すると
ともに発光素子は発熱する。本構成にすることにより、この熱を効率よく外部に放出する
ことができる。特に、発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるため、極めて効率
よく放熱することができる。
発光素子が載置されている主面側と反対の第1のリード及び第2のリードの裏面側は、
第1の樹脂成形体から露出されていてもよい。これにより、発光素子から発生する熱を効
率よく外部に放熱することができる。また、第1のリード及び第2のリードは電極として
機能しているため、外部電極と極めて容易に接続することができる。特に厚肉の第1のリ
ード及び第2のリードを用いた場合、これらのリードの折り曲げが容易でないものであっ
ても、実装容易な形態である。また、製造工程において、第1のリード及び第2のリード
を所定の金型で挟み込むため、バリの発生を低減することができ、量産性を向上させるこ
とができる。ただし、第1のリード及び第2のリードの裏面側の全面が露出している必要
はなく、バリ発生を抑制したい部位のみの露出でもよい。
第1のリードの裏面側の露出部分と第2のリードの裏面側の露出部分とは、実質的に同
一平面上にあることが好ましい。これにより、表面実装型発光装置の実装時の安定性を向
上することができる。また、露出部分が同一平面上にあることから、平板上の外部電極に
半田を用いて表面実装型発光装置を載置して実装すればよく、表面実装型発光装置の実装
性を向上させることができる。さらに、金型による成形が極めて容易となる。
第1のインナーリード部の裏面側の露出部分は、放熱部材が接触するように配置されて
いてもよい。表面実装型発光装置と別に、放熱部材を外部の部材として配置することがで
きる他、表面実装型発光装置と一体に放熱部材を取り付けることもできる。これにより、
発光素子から発生した熱が放熱部材を伝って外部に放熱されるため、さらに放熱性を向上
させることができる。また、放熱部材を外部の部材として配置する場合は、表面実装型発
光装置の実装位置を容易に決めることができる。
第1の樹脂成形体は、トランスファ・モールドにより成形されている。射出成形では複
雑な形状を形成することができないのに対し、トランスファ・モールドでは複雑な形状の
成形体を成形することができる。特に凹部を持つ第1の樹脂成形体を容易に成形すること
ができる。
第1の樹脂成形体は、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコ
ーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種に
より形成されてなることが好ましい。このうちエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリ
コーン樹脂が好ましく、特にエポキシ樹脂が好ましい。これにより耐熱性、耐光性、密着
性、量産性に優れた表面実装型発光装置を提供することができる。また、第1の樹脂成形
体に熱可塑性樹脂を用いる場合よりも、第1の樹脂成形体に熱硬化性樹脂を用いる方が、
第1の樹脂成形体の劣化を低減することができるため、表面実装型発光装置の寿命を延ば
すことができる。
第1の樹脂成形体は、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質、遮光性物質か
らなる群から選択される少なくとも1種が混合されていてもよい。第1の樹脂成形体の要
求に応じて種々の物質を添加する。例えば、透光性の高い樹脂を第1の樹脂成形体に用い
、第1の樹脂成形体に蛍光物質を混合する場合である。これにより発光素子の側面若しく
は底面側に出射された光を蛍光物質が吸収して波長変換して出射するため、表面実装型発
光装置全体として所望の発光色を実現することができる。例えば、出射された光を均一に
分散するために、発光素子の側面若しくは底面側にフィラーや拡散剤、反射性物質等を添
加しておいてもよい。例えば、表面実装型発光装置の裏面側から出力される光を低減する
ために、遮光性樹脂を混合しておいてもよい。特に、第1の樹脂成形体はエポキシ樹脂中
に酸化チタン及びシリカ、アルミナを混合しているものが好ましい。これにより耐熱性に
優れた表面実装型発光装置を提供することができる。
第2の樹脂成形体は、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質からなる群から
選択される少なくとも1種が混合されていてもよい。第2の樹脂成形体の要求に応じて種
々の物質を添加する。例えば、第2の樹脂成形体に蛍光物質を混合することにより、発光
素子から射出される発光色と異なる発光色を実現することができる。例えば、青色に発光
する発光素子と、黄色に発光する蛍光物質とを用いることにより、白色光を実現すること
ができる。また、光を均一に出射するために、フィラーや拡散剤などを混合しておくこと
もできる。
本発明は、第1のリードと第2のリードとを一体成形してなる樹脂成形体であって、第
1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており、第1の
インナーリード部は樹脂成形体中に配置されており、第1のアウターリード部は樹脂成形
体から露出されており、第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード
部とを有しており、第2のインナーリード部は樹脂成形体中に配置されており、第2のア
ウターリード部は樹脂成形体から露出されており、樹脂成形体は、底面と側面とを持つ凹
部が形成されており、樹脂成形体の凹部の底面から第1のインナーリード部及び第2のイ
ンナーリード部が露出されており、樹脂成形体は、熱硬化性樹脂である樹脂成形体に関す
る。これにより熱可塑性樹脂を用いて樹脂成形体を成形した場合よりも、耐熱性、耐光性
、密着性等に優れた樹脂成形体を提供することができる。また、発光素子を載置しやすい
構造とすることができる。
本発明は、第1のリードと第2のリードとを一体成形してなる樹脂成形体であって、第
1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており、第1の
インナーリード部は樹脂成形体中に配置されており、第1のアウターリード部は樹脂成形
体から露出されており、第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード
部とを有しており、第2のインナーリード部は樹脂成形体に配置されており、第2のアウ
ターリード部は樹脂成形体から外部に露出しており、樹脂成形体は、底面と側面とを持つ
凹部が形成されており、樹脂成形体の凹部の底面から第1のインナーリード部及び第2の
インナーリード部が露出されており、凹部が形成されている主面側と反対の第1のインナ
ーリード部の裏面側は樹脂成形体から露出されており、樹脂成形体は、熱硬化性樹脂であ
る樹脂成形体に関する。これにより熱可塑性樹脂を用いて樹脂成形体を成形した場合より
も、耐熱性、耐光性、密着性等に優れた樹脂成形体を提供することができる。また、発光
素子を載置しやすい構造とすることができる。また、樹脂成形体から延びる第1のアウタ
ーリード部を露出することによって、発光素子から発生する熱を外部に放熱することがで
きる。
第1のリードの裏面側の露出部分と第2のリードの裏面側の露出部分とは、実質的に同
一平面上にあることが好ましい。これにより安定性が良く実装し易い樹脂成形体を用いた
表面実装型発光装置を提供することができる。さらに金型による成形もしやすい。
熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン
樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である
ことが好ましい。これにより安価に、量産性の良い、耐熱性、耐光性に優れた樹脂成形体
を提供することができる。
樹脂成形体は、トランスファ・モールドにより成形されている。これにより射出成形で
は成形困難な複雑な形状の凹部を形成することができる。
樹脂成形体は、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質、遮光性物質からなる
群から選択される少なくとも1種が混合されていてもよい。これにより要求に応じた樹脂
成形体を提供することができる。例えば、光を拡散する作用を有する樹脂成形体を望む場
合は、フィラーや拡散剤を混合する。また、波長を変換して所望の色調を有する表面実装
型発光装置を望む場合は、蛍光物質を混合する。また、発光素子からの光を主面側に効率
よく取り出すため、裏面側への光の透過を抑制することを望む場合は、遮光性物質を混合
する。
本発明は、第1のリードと第2のリードとを一体成形してなる、底面と側面とを持つ凹
部が形成されている樹脂成形体の製造方法であって、上金型は樹脂成形体の凹部に相当す
る凹みを形成しており、第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード
部とを有しており、第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部と
を有しており、樹脂成形体の凹部の底面に相当する第1のインナーリード部と第2のイン
ナーリード部並びに第1のアウターリード部と第2のアウターリード部は上金型と下金型
とで挟み込まれる第1の工程と、上金型と下金型とで挟み込まれた凹み部分に熱硬化性樹
脂をトランスファ・モールド工程により流し込まれる第2の工程と、流し込まれた熱硬化
性樹脂は加熱して硬化され、樹脂成形体が成形される第3の工程と、を有する樹脂成形体
の製造方法に関する。
これにより、第1の工程で第1のインナーリード部と第2のインナーリード部とを上金
型と下金型で挟み込むため、トランスファ・モールド成形する際の、これらリードのばた
つきを抑制することができ、バリの発生がない樹脂成形体を製造することができる。また
、発光素子が載置する部分に相当する第1のインナーリード部を露出することができる。
さらに、凹部の底面に相当する第1のインナーリード部の主面側及び裏面側が露出するた
め、発光素子を載置したとき裏面側から放熱することができ、放熱性を向上させることが
できる。
また、熱硬化性樹脂をトランスファ・モールド成形するため、複雑な形状の凹部を有す
る樹脂成形体を製造することができる。また、量産性、耐熱性、耐光性、密着性等に優れ
た樹脂成形体を製造することができる。なお、熱可塑性樹脂は、溶融する温度まで加熱し
て、冷却することにより固化される。よって、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とは、冷却の
工程が異なり、可逆的に硬化が行えるかどうかも異なる。また、熱可塑性樹脂は加工時の
粘度が高く複雑な形状を成形することができない。
本発明は、第1のリードと第2のリードとを一体成形してなる、底面と側面とを持つ凹
部が形成されている第1の樹脂成形体と、第1のリードに載置される発光素子と、発光素
子を被覆する第2の樹脂成形体と、を有する表面実装型発光装置の製造方法であって、上
金型は第1の樹脂成形体の凹部に相当する凹みを形成しており、第1のリードは第1のイ
ンナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており、第2のリードは第2のインナ
ーリード部と第2のアウターリード部とを有しており、第1の樹脂成形体の凹部の底面に
相当する第1のインナーリード部と第2のインナーリード部並びに第1のアウターリード
部と第2のアウターリード部は上金型と下金型とで挟み込まれる第1の工程と、上金型と
下金型とで挟み込まれた凹み部分に第1の熱硬化性樹脂がトランスファ・モールド工程に
より流し込まれる第2の工程と、流し込まれた第1の熱硬化性樹脂は加熱して硬化され、
第1の樹脂成形体が成形される第3の工程と、上金型が取り外される第4の工程と、発光
素子は第1のインナーリード部に載置されるとともに、発光素子が持つ第1の電極と第1
のインナーリード部とが電気的に接続され、発光素子が持つ第2の電極と第2のインナー
リード部とが電気的に接続される第5の工程と、発光素子が載置された凹部内に第2の熱
硬化性樹脂が配置される第6の工程と、第2の熱硬化性樹脂は加熱して硬化され、第2の
樹脂成形体が成形される第7の工程と、を有する表面実装型発光装置の製造方法に関する
。これにより量産性の良い表面実装型発光装置を製造することができる。特に第1の樹脂
成形体と第2の樹脂成形体とに熱硬化性樹脂を用いるため、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂
とを用いた場合よりも、第1の樹脂成形体と第2の樹脂成形体との密着性を向上すること
ができる。また、トランスファ・モールド成形で第1の樹脂成形体を製造する際、樹脂流
動性が良好なためバリ発生が問題となるが上金型と下金型でこれらリードをしっかり挟み
込むためバリが発生しない。そして、挟み込んだリードは露出するので、この露出部分に
発光素子を載置したり、発光素子が持つ電極とリードとをワイヤ等で接続したりすること
ができる。
熱硬化性樹脂、第1の熱硬化性樹脂、第2の熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、変性エポ
キシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂から
なる群から選択される少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。これにより量産性の
良い表面実装型発光装置を製造することができる。また、流動性に富み、加熱、硬化し易
いため、成形性に優れ耐熱性、耐光性に優れた表面実装型発光装置を提供することができ
る。
以下、本発明に係る表面実装型発光装置、樹脂成形体及びそれらの製造方法を、実施の
形態及び実施例を用いて説明する。だたし、本発明は、この実施の形態及び実施例に限定
されない。
<第1の実施の形態>
<表面実装型発光装置>
第1の実施の形態に係る表面実装型発光装置について図面を用いて説明する。図1は、
第1の実施の形態に係る表面実装型発光装置を示す概略断面図である。図2は、第1の実
施の形態に係る表面実装型発光装置を示す概略平面図である。図1は、図2のI−Iの概
略断面図である。
第1の実施の形態に係る表面実装型発光装置は、発光素子10と、発光素子10を載置
する第1の樹脂成形体40と、発光素子10を被覆する第2の樹脂成形体50とを有する
。第1の樹脂成形体40は、発光素子10を載置するための第1のリード20と、発光素
子10と電気的に接続される第2のリード30と、を一体成形している。
発光素子10は、同一面側に正負一対の第1の電極11と第2の電極12とを有してい
る。本明細書においては、同一面側に正負一対の電極を有するものについて説明するが、
発光素子の上面と下面とから正負一対の電極を有するものを用いることもできる。この場
合、発光素子の下面の電極はワイヤを用いずに、電気伝導性のあるダイボンド部材を用い
て第1のリード20と電気的に接続する。
第1のリード20は第1のインナーリード部20aと第1のアウターリード部20bと
を有している。発光素子10は、第1のインナーリード部20a上にダイボンド部材を介
して載置されている。第1のインナーリード部20aは、発光素子10が持つ第1の電極
11とワイヤ60を介して電気的に接続されている。第1のアウターリード部20bは第
1の樹脂成形体40から露出している。第1のリード20は、第1の樹脂成形体40の側
面外側に第1のアウターリード部20bを有しているだけでなく、第1の樹脂成形体40
の裏面側に露出している部分を第1のアウターリード部20bと呼ぶ場合もあり、第1の
アウターリード部20bは、外部電極と電気的に接続される部分であればよい。第1のリ
ード20は外部電極と接続するため、金属部材を用いる。
第2のリード30は第2のインナーリード部30aと第2のアウターリード部30bと
を有している。第2のインナーリード部30aは、発光素子10が持つ第2の電極12と
ワイヤ60を介して電気的に接続されている。第2のアウターリード部30bは第1の樹
脂成形体40から露出している。第2のリード30は、第2の樹脂成形体40の側面外側
に第2のアウターリード部30bを有しているだけでなく、第2の樹脂成形体40の裏面
側に露出している部分を第2のアウターリード部30bと呼ぶ場合もあり、第2のアウタ
ーリード部30bは、外部電極と電気的に接続される部分であればよい。第2のリード3
0は外部電極と接続するため、金属部材を用いる。第1のリード20と第2のリード30
とが短絡しないように、裏面側における第1のリード20と第2のリード30との近接す
る部分に絶縁部材90を設ける。
第1の樹脂成形体40は、底面40aと側面40bとを持つ凹部40cを形成している
。第1のリード20の第1のインナーリード部20aは、第1の樹脂成形体40の凹部4
0cの底面40aから露出している。この露出部分にダイボンド部材を介して発光素子1
0を載置している。第1の樹脂成形体40は、トランスファ・モールドにより成形する。
第1の樹脂成形体40は、熱硬化性樹脂を用いている。凹部40cの開口部は、底面40
aよりも広口になっており、側面40bには傾斜が設けられていることが好ましい。
第2の樹脂成形体50は、発光素子10を被覆するように凹部40c内に配置している
。第2の樹脂成形体50は、熱硬化性樹脂を用いている。第2の樹脂成形体50は蛍光物
質80を含有する。蛍光物質80は、第2の樹脂成形体50よりも比重の大きいものを使
用しているため、凹部40cの底面40a側に沈降している。
本明細書において、発光素子10が載置されている側を主面側と呼び、その反対側を裏
面側と呼ぶ。
第1の樹脂成形体40と第2の樹脂成形体50とは熱硬化性樹脂を用いており、膨張係
数などの物理的性質が近似していることから密着性が極めて良い。また、上記構成にする
ことにより、耐熱性、耐光性等に優れた表面実装型発光装置を提供することができる。
以下、各構成部材について詳述していく。
<発光素子>
発光素子10は、基板上にGaAlN、ZnS、ZnSe、SiC、GaP、GaAl
As、AlN、InN、AlInGaP、InGaN、GaN、AlInGaN等の半導
体を発光層として形成させたものが用いられる。半導体の構造としては、MIS接合、P
IN接合やPN接合を有したホモ構造、ヘテロ構造あるいはダブルへテロ構成のものが挙
げられる。半導体層の材料やその混晶度によって発光波長を紫外光から赤外光まで種々選
択することができる。発光層は、量子効果が生ずる薄膜とした単一量子井戸構造や多重量
子井戸構造としても良い。
屋外などでの使用を考慮する場合、高輝度な発光素子を形成可能な半導体材料として窒
化ガリウム系化合物半導体を用いることが好ましく、また、赤色ではガリウム・アルミニ
ウム・砒素系の半導体やアルミニウム・インジュウム・ガリウム・燐系の半導体を用いる
ことが好ましいが、用途によって種々利用することもできる。
窒化ガリウム系化合物半導体を使用した場合、半導体基板にはサファイヤ、スピネル、
SiC、Si、ZnOやGaN単結晶等の材料が用いられる。結晶性の良い窒化ガリウム
を量産性良く形成させるためにはサファイヤ基板を用いることが好ましい。窒化物系化合
物半導体を用いた発光素子10例を示す。サファイヤ基板上にGaN、AlN等のバッフ
ァー層を形成する。その上にN或いはP型のGaNである第1のコンタクト層、量子効果
を有するInGaN薄膜である活性層、P或いはN型のAlGaNであるクラッド層、P
或いはN型のGaNである第2のコンタクト層を順に形成した構成とすることができる。
窒化ガリウム系化合物半導体は、不純物をドープしない状態でN型導電性を示す。なお、
発光効率を向上させる等所望のN型窒化ガリウム半導体を形成させる場合は、N型ドーパ
ントとしてSi、Ge、Se、Te、C等を適宜導入することが好ましい。
一方、P型窒化ガリウム半導体を形成させる場合は、P型ドーパンドであるZn、Mg
、Be、Ca、Sr、Ba等をドープさせる。窒化ガリウム系半導体は、P型ドーパント
をドープしただけではP型化しにくいためP型ドーパント導入後に、炉による加熱、低電
子線照射やプラズマ照射等によりアニールすることでP型化させる必要がある。こうして
形成された半導体ウエハーを部分的にエッチングなどさせ正負の各電極を形成させる。そ
の後半導体ウエハーを所望の大きさに切断することによって発光素子を形成させることが
できる。
こうした発光素子10は、適宜複数個用いることができ、その組み合わせによって白色
表示における混色性を向上させることもできる。例えば、緑色系が発光可能な発光素子1
0を2個、青色系及び赤色色系が発光可能な発光素子10をそれぞれ1個ずつとすること
が出来る。なお、表示装置用のフルカラー発光装置として利用するためには赤色系の発光
波長が610nmから700nm、緑色系の発光波長が495nmから565nm、青色
系の発光波長が430nmから490nmであることが好ましい。本発明の表面実装型発
光装置において白色系の混色光を発光させる場合は、蛍光物質からの発光波長との補色関
係や透光性樹脂の劣化等を考慮して発光素子の発光波長は400nm以上530nm以下
が好ましく、420nm以上490nm以下がより好ましい。発光素子と蛍光物質との励
起、発光効率をそれぞれより向上させるためには、450nm以上475nm以下がさら
に好ましい。なお、比較的紫外線により劣化されにくい部材との組み合わせにより400
nmより短い紫外線領域或いは可視光の短波長領域を主発光波長とする発光素子を用いる
こともできる。
発光素子10の大きさは□1mmサイズが実装可能で、□600μm、□320μmサ
イズ等のものも実装可能である。
<第1の樹脂成形体>
第1の樹脂成形体40は、底面40aと側面40bとを持つ凹部40cを有している。
第1の樹脂成形体40は、凹部40cの底面aから外側に延びる第1のリード20及び第
2のリード30を一体成形している。第1のリード20の第1のインナーリード部20a
は、凹部40cの底面40aの一部を形成している。第2のリード30の第2のインナー
リード部30aは、凹部40cの底面40aの一部を形成しており、第1のインナーリー
ド部20aと所定の間隔離れている。凹部40cの底面40aに相当する第1のインナー
リード部20aに発光素子10を載置する。凹部40cの底面40aに相当する第1のイ
ンナーリード部20aと、凹部40cの底面40aに相当する第2のインナーリード部3
0aと、第1のアウターリード部20b、第2のアウターリード部30bは、第1の樹脂
成形体40から露出している。裏面側の第1のリード20及び第2のリード30は露出し
ている。これにより裏面側から電気接続することができる。
凹部40cは、開口方向に広口となるように傾斜を設ける。これにより前方方向への光
の取り出しを向上することができる。ただし、傾斜を設けず、円筒形状の凹部とすること
もできる。また、傾斜は滑らかな方が好ましいが凹凸を設けることもできる。凹凸を設け
ることにより第1の樹脂成形体40と第2の樹脂成形体50との界面の密着性を向上する
ことができる。凹部40cの傾斜角度は、底面から測定して95°以上150°以下が好
ましいが、100°以上120°以下が特に好ましい。
第1の樹脂成形体40の主面側の形状は矩形であるが、楕円、円形、五角形、六角形等
とすることもできる。凹部40cの主面側の形状は、楕円であるが、略円形、矩形、五角
形、六角形等とすることも可能である。所定の場合に、カソードマークを付けておく。
第1の樹脂成形体40の材質は熱硬化性樹脂である。熱硬化性樹脂のうち、エポキシ樹
脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレ
タン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種により形成することが好ましく、特に
エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂が好ましい。例
えば、トリグリシジルイソシアヌレート(化1)、水素化ビスフェノールAジグリシジル
エーテル(化2)他よりなるエポキシ樹脂と、ヘキサヒドロ無水フタル酸(化3)、3−
メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(化4)、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(化5
)他よりなる酸無水物とを、エポキシ樹脂へ当量となるよう溶解混合した無色透明な混合
物100重量部へ、硬化促進剤としてDBU(1,8-Diazabicyclo(5,4,0) undecene-7)(
化6)を0.5重量部、助触媒としてエチレングリコール(化7)を1重量部、酸化チタ
ン顔料を10重量部、ガラス繊維を50重量部添加し、加熱により部分的に硬化反応させ
Bステージ化した固形状エポキシ樹脂組成物を使用することができる。
Figure 0006149886
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第1の樹脂成形体40は、パッケージとしての機能を有するため硬質のものが好ましい
。また、第1の樹脂成形体40は透光性の有無を問わないが、用途等に応じて適宜設計す
ることは可能である。例えば、第1の樹脂成形体40に遮光性物質を混合して、第1の樹
脂成形体40を透過する光を低減することができる。一方、表面実装型発光装置からの光
が主に前方及び側方に均一に出射されるように、フィラーや拡散剤を混合しておくことも
できる。また、光の吸収を低減するために、暗色系の顔料よりも白色系の顔料を添加して
おくこともできる。このように、第1の樹脂成形体40は、所定の機能を持たせるため、
フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質、遮光性物質からなる群から選択される
少なくとも1種を混合することもできる。
<第1のリード及び第2のリード>
第1のリード20は、第1のインナーリード部20aと第1のアウターリード部20b
とを有する。第1のインナーリード部20aにおける第1の樹脂成形体40の凹部40c
の底面40aは露出しており、発光素子10を載置する。この露出された第1のインナー
リード部20aは、発光素子10を載置する面積を有していればよいが、熱伝導性、電気
伝導性、反射効率などの観点から広面積の方が好ましい。第1のインナーリード部20a
は、発光素子10の第1の電極11とワイヤ60を介して電気的に接続されている。第1
のアウターリード部20bは、発光素子10が載置されている部分を除く、第1の樹脂成
形体40から露出している部分である。第1のアウターリード部20bは、外部電極と電
気的に接続されるとともに熱伝達する作用も有する。
第2のリード30は、第2のインナーリード部30aと第2のアウターリード部30b
とを有する。第2のインナーリード部30aにおける第1の樹脂成形体40の凹部40c
の底面40aは露出している。この露出された第2のインナーリード部30bは、発光素
子10の第2の電極12と電気的に接続する面積を有していればよいが、反射効率の観点
から広面積の方が好ましい。裏面側の第1のアウターリード部20bと第2のアウターリ
ード部30bとは露出しており、実質的に同一平面を形成している。これにより表面実装
型発光装置の実装安定性を向上することができる。また半田付け時に第1のインナーリー
ド部20aと第2のインナーリード部30aの裏面間が半田により短絡することを防止す
るため、電気絶縁性の絶縁部材90を薄くコーティングすることもできる。絶縁部材90
は樹脂などである。
第1のリード20及び第2のリード30は、鉄、リン青銅、銅合金等の電気良導体を用
いて構成することができる。また、発光素子10からの光の反射率を向上させるため、第
1のリード20及び第2のリード30の表面に銀、アルミニウム、銅や金等の金属メッキ
を施すこともできる。また、第1のリード20及び第2のリード30の表面の反射率を向
上させるため、平滑にすることが好ましい。また、放熱性を向上させるため第1のリード
20及び第2のリード300の面積は大きくすることができる。これにより発光素子10
の温度上昇を効果的に抑えることができ、発光素子10に比較的多くの電気を流すことが
できる。また、第1のリード20及び第2のリード30を肉厚にすることにより放熱性を
向上することができる。この場合、第1のリード20及び第2のリード30を折り曲げる
などの成形工程が困難であるため、所定の大きさに切断する。また、第1のリード20及
び第2のリード30を肉厚にすることにより、第1のリード20及び第2のリード30の
たわみが少なくなり、発光素子10の実装をし易くすることができる。これとは逆に、第
1のリード20及び第2のリード30を薄い平板状とすることにより折り曲げる成形工程
がし易くなり、所定の形状に成形することができる。
第1のリード20及び第2のリード30は、一対の正負の電極である。第1のリード2
0及び第2のリード30は、少なくとも1つずつあれば良いが、複数設けることもできる
。また、第1のリード20に複数の発光素子10を載置する場合は、複数の第2のリード
30を設ける必要もある。
<第2の樹脂成形体>
第2の樹脂成形体50は、外部環境からの外力や埃、水分などから発光素子10を保護
するために設ける。また、発光素子10から出射される光を効率よく外部に放出すること
ができる。第2の樹脂成形体50は、第1の樹脂成形体40の凹部40c内に配置してい
る。
第2の樹脂成形体50の材質は熱硬化性樹脂である。熱硬化性樹脂のうち、エポキシ樹
脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレ
タン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種により形成することが好ましく、特に
エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂が好ましい。第
2の樹脂成形体50は、発光素子10を保護するため硬質のものが好ましい。また、第2
の樹脂成形体50は、耐熱性、耐候性、耐光性に優れた樹脂を用いることが好ましい。第
2の樹脂成形体50は、所定の機能を持たせるため、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質
、反射性物質からなる群から選択される少なくとも1種を混合することもできる。第2の
樹脂成形体50中には拡散剤を含有させても良い。具体的な拡散剤としては、チタン酸バ
リウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素等を好適に用いることができる。また
、所望外の波長をカットする目的で有機や無機の着色染料や着色顔料を含有させることが
できる。さらに、第2の樹脂成形体50は、発光素子10からの光を吸収し、波長変換す
る蛍光物質80を含有させることもできる。
(蛍光物質)
蛍光物質80は、発光素子10からの光を吸収し異なる波長の光に波長変換するもので
あればよい。例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光
体・酸窒化物系蛍光体・サイアロン系蛍光体、Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金
属系の元素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類
金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類ケイ酸
塩、アルカリ土類硫化物、アルカリ土類チオガレート、アルカリ土類窒化ケイ素、ゲルマ
ン酸塩、又は、Ce等のランタノイド系元素で主に付活される希土類アルミン酸塩、希土
類ケイ酸塩又はEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び有機錯体等から選
ばれる少なくともいずれか1以上であることが好ましい。具体例として、下記の蛍光体を
使用することができるが、これに限定されない。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体は、MSi
:Eu、CaAlSiN:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる
少なくとも1種以上である。)などがある。また、MSi:EuのほかMSi
10:Eu、M1.8Si0.2:Eu、M0.9Si0.110:E
u(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。)な
どもある。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される酸窒化物系蛍光体は、MSi
:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上で
ある。)などがある。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活されるサイアロン系蛍光体は、Mp/2
Si12−p−qAlp+q16−p:Ce、M−Al−Si−O−N(Mは、S
r、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。qは0〜2.5、
pは1.5〜3である。)などがある。
Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土
類ハロゲンアパタイト蛍光体には、M(POX:R(Mは、Sr、Ca、Ba、
Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ば
れる少なくとも1種以上である。Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1以上であ
る。)などがある。
アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体には、MX:R(Mは、Sr、Ca
、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、Cl、Br、I
から選ばれる少なくとも1種以上である。Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1
以上である。)などがある。
アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体には、SrAl:R、SrAl14
:R、CaAl:R、BaMgAl1627:R、BaMgAl16
:R、BaMgAl1017:R(Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1以
上である。)などがある。
アルカリ土類硫化物蛍光体には、LaS:Eu、YS:Eu、Gd
S:Euなどがある。
Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体には、Y
12:Ce、(Y0.8Gd0.2Al12:Ce、Y(Al0.8
0.212:Ce、(Y,Gd)(Al,Ga)12の組成式で表される
YAG系蛍光体などがある。また、Yの一部若しくは全部をTb、Lu等で置換したTb
Al12:Ce、LuAl12:Ceなどもある。
その他の蛍光体には、ZnS:Eu、ZnGeO:Mn、MGa:Eu(M
は、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、
Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種以上である。)などがある。
上述の蛍光体は、所望に応じてEuに代えて、又は、Euに加えてTb、Cu、Ag、
Au、Cr、Nd、Dy、Co、Ni、Tiから選択される1種以上を含有させることも
できる。
また、上記蛍光体以外の蛍光体であって、同様の性能、効果を有する蛍光体も使用する
ことができる。
これらの蛍光体は、発光素子10の励起光により、黄色、赤色、緑色、青色に発光スペ
クトルを有する蛍光体を使用することができるほか、これらの中間色である黄色、青緑色
、橙色などに発光スペクトルを有する蛍光体も使用することができる。これらの蛍光体を
種々組み合わせて使用することにより、種々の発光色を有する表面実装型発光装置を製造
することができる。
例えば、青色に発光するGaN系化合物半導体を用いて、YAl12:Ce若し
くは(Y0.8Gd0.2Al12:Ceの蛍光物質に照射し、波長変換を行う
。発光素子10からの光と、蛍光体60からの光との混合色により白色に発光する表面実
装型発光装置を提供することができる。
例えば、緑色から黄色に発光するCaSi:Eu、又はSrSi
:Euと、蛍光体である青色に発光する(Sr,Ca)(POCl:Eu、赤色
に発光する(Ca,Sr)Si:Euと、からなる蛍光体60を使用することに
よって、演色性の良好な白色に発光する表面実装型発光装置を提供することができる。こ
れは、色の三源色である赤・青・緑を使用しているため、第1の蛍光体及び第2の蛍光体
の配合比を変えることのみで、所望の白色光を実現することができる。
(その他)
表面実装型発光装置には、さらに保護素子としてツェナーダイオードを設けることもで
きる。ツェナーダイオードは、発光素子10と離れて凹部40cの底面40aの第1のリ
ード20に載置することができる。また、ツェナーダイオードは、凹部40cの底面40
aの第1のリード20に載置され、その上に発光素子10を載置する構成を採ることもで
きる。□280μmサイズの他、□300μmサイズ等も使用することができる。
ワイヤ60は、発光素子10の第2の電極12と第2のリード30、発光素子10の第
1の電極11と第1のリード20、を電気的に接続するものである。ワイヤ60は、発光
素子10の電極とのオーミック性、機械的接続性、電気伝導性及び熱伝導性が良いものが
求められる。熱伝導率として0.01cal/(S)(cm)(℃/cm)以上が好ま
しく、より好ましくは0.5cal/(S)(cm)(℃/cm)以上である。発光素
子10の直上から、メッキを施した配線パターンのワイヤボンディングエリアまで、ワイ
ヤを張り、導通を取っている。
以上の構成を採ることにより、本発明に係る表面実装型発光装置を提供することができ
る。
<表面実装型発光装置の実装状態>
上記表面実装型発光装置を用いて、外部電極と電気的に接続した実装状態を示す。図3
は、第1の実施の形態に係る表面実装型発光装置の実装状態を示す概略断面図である。
表面実装型発光装置の裏面側に放熱接着剤100を介して放熱部材110を設けること
ができる。この放熱接着剤100は、第1の樹脂成形体40の材質よりも熱伝導性が高い
ものが好ましい。放熱接着剤100の材質は、電気絶縁性のエポキシ樹脂、シリコーン樹
脂などを用いることができる。放熱部材110の材質は熱電導性の良好なアルミ、銅、タ
ングステン、金などが好ましい。このほか、第1のリード20のみに接触するように放熱
接着剤109を介して放熱部材110を設けることにより、放熱接着剤として更に熱電導
性の良い半田を含む共晶金属を用いることができる。表面実装型発光装置の裏面側は平坦
となっていることから、放熱部材110への実装時の安定性を保持することができる。特
に、発光素子10と最短距離をとるように第1のリード20及び放熱部材110を設けて
いるため、放熱性は高い。
第1のリード20の第1のアウターリード部20b及び第2のリード30の第2のアウ
ターリード部30bは外部電極と電気的に接続する。第1のリード20と第2のリード3
0は厚肉の平板であるため、外部電極と放熱部材90とで挟み込むように電気的に接続す
る。第1のアウターリード部20b、第2のアウターリード部30bと外部電極との電気
的接続には鉛フリー半田を用いる。この他、外部電極に第1のアウターリード部20b等
を載置するように電気的接続することもできる。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態に係る表面実装型発光装置について説明する。第1の実施の形態に係
る表面実装型発光装置と同様な構成を採る部分については説明を省略する。図4は、第2
の実施の形態に係る表面実装型発光装置を示す概略平面図である。
この表面実装型発光装置は、第1のリード21及び第2のリード31に凹凸を設け、第
1の樹脂成形体40との接触面積を拡げている。これにより第1の樹脂成形体40から第
1のリード21及び第2のリード31が抜脱するのを防止することができる。
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態に係る表面実装型発光装置について説明する。第1の実施の形態に係
る表面実装型発光装置と同様な構成を採る部分については説明を省略する。図5は、第3
の実施の形態に係る表面実装型発光装置を示す概略断面図である。
この表面実装型発光装置は、第1のリード22及び第2のリード32に薄肉に平板を用
いている。これによりより小型かつ薄型の表面実装型発光装置を提供することができる。
薄肉の平板状は、第1の実施の形態に示すような矩形状とすることができるほか、第2の
実施の形態に示すような凹凸を設けた形状とすることもできる。
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態に係る表面実装型発光装置について説明する。第3の実施の形態に係
る表面実装型発光装置と同様な構成を採る部分については説明を省略する。図6は、第4
の実施の形態に係る表面実装型発光装置を示す概略断面図である。
この表面実装型発光装置は、第1のリード23及び第2のリード33を主面側に折り曲
げている。これは第1のリード23及び第2のリード33を薄肉にしているため、容易に
折り曲げることができる。これにより実装時に、折り曲げた第1のアウターリード部23
b及び第2のアウターリード部33bに半田が這い上がり、強固に固着することができる
。第1の樹脂を流し込むトランスファ・モールド工程において、上金型と下金型で第1の
インナーリード部23a及び第2のインナーリード部33bを挟み込んでいるため、第1
のインナーリード部23a及び第2のインナーリード部33bが薄肉であっても、バリを
生じることがない。
<第5の実施の形態>
第5の実施の形態に係る表面実装型発光装置について説明する。第3の実施の形態に係
る表面実装型発光装置と同様な構成を採る部分については説明を省略する。図7は、第5
の実施の形態に係る表面実装型発光装置を示す概略断面図である。図8は、第5の実施の
形態に係る表面実装型発光装置の実装状態を示す概略断面図である。
この表面実装型発光装置は、第1のアウターリード部24b及び第2のアウターリード
部34bを主面側に折り曲げ、さらに外側に折り曲げている。これにより、放熱部材90
と外部電極とで表面実装型発光装置を挟み込めるため実装しやすくなっており、実装安定
性を向上することができる。また、第1のリード24及び第2のリード34と放熱部材9
0との固着位置よりも、第1のリード24及び第2のリード34と外部電極との接続位置
を高くすることができる。これにより実装基板上より発光面を除く表面実装型発光装置全
体を隠すことができるため実装基板そのものを効率良く反射材として利用することができ
る。
<第6の実施の形態>
第6の実施の形態に係る表面実装型発光装置について説明する。第3の実施の形態に係
る表面実装型発光装置と同様な構成を採る部分については説明を省略する。図9は、第6
の実施の形態に係る表面実装型発光装置を示す概略断面図である。
この表面実装型発光装置は、放熱部材91を第1の樹脂成形体41に組み込んでいる。
放熱部材91は、第1のインナーリード部25aの裏面に配置する。これにより放熱部材
91を一体的に持つ表面実装型発光装置を提供することができる。また、別部材として放
熱部材91を設ける必要がなく、表面実装型発光装置と放熱部材91との接着を考慮しな
くてよい。また、放熱部材91を第1の樹脂成形体41の裏面側とほぼ同一平面とするこ
とができ、表面実装型発光装置の安定性を向上することができる。第1のアウターリード
部25bと第2のアウターリード部35bは、所定の形状に折り曲げられている。
この表面実装型発光装置は、第1のインナーリード部25aと第2のインナーリード部
35aとを上金型と下金型とで挟み込んで、所定の凹部を第1のインナーリード部25a
と第2のインナーリード部35aとの主面側と裏面側に設けている。これにより、より効
果的に第1のインナーリード部25aと第2のインナーリード部35aの抜脱を防止する
ことができる。また、所定の厚みを持つ表面実装型発光装置を提供することができる。
<表面実装型発光装置の製造方法>
本発明に係る表面実装型発光装置の製造方法について説明する。本製造方法は、上述の
表面実装型発光装置についてである。図10(a)〜(e)は、第1の実施の形態に係る
表面実装型発光装置の製造工程を示す概略断面図である。
第1の樹脂成形体40の凹部40cの底面40aに相当する第1のインナーリード部2
0aと第2のインナーリード部30a並びに第1のアウターリード部20bと第2のアウ
ターリード部30bとを、上金型120と下金型121とで挟み込む(第1の工程)。
上金型120は第1の樹脂成形体の凹部に相当する凹みを形成している。第1の樹脂成
形体40の凹部40cの底面40aに相当する上金型120の部分は、第1のインナーリ
ード部20a及び第2のインナーリード部30aとを接触するように形成されている。
上金型120と下金型121とで挟み込まれた凹み部分に第1の熱硬化性樹脂がトラン
スファ・モールド工程により流し込む(第2の工程)。
トランスファ・モールド工程は、所定の大きさを有するペレット状の第1の熱硬化性樹
脂を所定の容器に入れる。その所定の容器に圧力を加える。その所定の容器から繋がる上
金型120と下金型121とで挟み込まれた凹み部分に、溶融状態の第1の熱硬化性樹脂
が流し込む。上金型120と下金型121とを所定の温度に温め、その流し込まれた第1
の熱硬化性樹脂を硬化する。この一連の工程をトランスファ・モールド工程という。
第1のインナーリード部20a及び第2のインナーリード部30aを挟み込むため、第
1の熱硬化性樹脂を流し込む際に第1のインナーリード部20a及び第2のインナーリー
ド部30aがばたつくことがなく、バリの発生を抑制できる。
流し込まれた第1の熱硬化性樹脂は加熱して硬化され、第1の樹脂成形体40を成形す
る(第3の工程)。
これにより、熱硬化性樹脂を用いた第1の樹脂成形体40を成形する。これにより耐熱
性、耐光性、密着性等に優れたパッケージを提供することができる。また、底面40aと
側面40bとを持つ凹部40cを有する熱硬化性樹脂を用いた第1の樹脂成形体40を提
供することができる。
上金型120及び下金型121を取り外す(第4の工程)。
発光素子10を載置するため、上金型120及び下金型121を取り外す。硬化が不十
分な場合は後硬化を行い作業上問題が発生しない程度に樹脂成形体40の機械強度を向上
させる。
発光素子10は第1のインナーリード部20aに載置する。発光素子10が持つ第1の
電極11と第1のインナーリード部20aとを電気的に接続する。発光素子10が持つ第
2の電極12と第2のインナーリード部20bとを電気的に接続する(第5の工程)。
第1の電極11と第1のインナーリード部20aとはワイヤ60を介して電気的に接続
する。ただし、発光素子10が上面と下面に電極を持つ場合は、ワイヤを用いず、ダイボ
ンディングのみで電気的接続をとる。次に第2の電極12と第2のインナーリード部30
aとはワイヤ60を介して電気的に接続する。
発光素子10が載置された凹部40c内に第2の熱硬化性樹脂を配置する(第6の工程
)。
この第2の熱硬化性樹脂を配置する方法は、滴下手段や射出手段、押出手段などを用い
ることができるが、滴下手段を用いることが好ましい。滴下手段を用いることにより凹部
40c内に残存する空気を効果的に追い出すことができるからである。第2の熱硬化性樹
脂は、蛍光物質80を混合しておくことが好ましい。これにより表面実装型発光装置の色
調調整を容易にすることができる。
第2の熱硬化性樹脂は加熱して硬化され、第2の樹脂成形体を成形する(第7の工程)
これにより容易に表面実装型発光装置を製造することができる。また、第1の樹脂成形
体40と第2の樹脂成形体50とを熱硬化性樹脂で成形することができ、密着性の高い表
面実装型発光装置を提供することができる。また、第1の樹脂成形体40と第2の樹脂成
形体50との界面の剥離が生じず、耐熱性、耐光性、密着性性等に優れた表面実装型発光
装置を提供することができる。
実施例1に係る表面実装型発光装置は図1及び図2に示す。第1の実施の形態に係る表
面実装型発光装置と同様の構成を採るところは説明を省略する。
実施例1に係る表面実装型発光装置は、発光素子10と、発光素子10を載置する第1
の樹脂成形体40と、発光素子10を被覆する第2の樹脂成形体50とを有する。第1の
樹脂成形体40は、発光素子10を載置するための第1のリード20と、発光素子10と
電気的に接続される第2のリード30と、を一体成形している。第1の樹脂成形体40は
底面40aと側面40bとを持つ凹部40cを有しており、凹部40cの開口部は底面4
0aよりも広口になっており、側面40bには傾斜が設けられている。
発光素子10は青色に発光するGaN系のものを使用する。発光素子10は同一面側に
第1の電極11と第2の電極12とを有しており、ダイボンド樹脂(銀入りのエポキシ樹
脂)を用いてフェイスアップで第1のリード20に接着されている。第1の電極11は金
ワイヤ60を用いて第1のリード20と電気的に接続されている。第2の電極11も金ワ
イヤ60を用いて第2のリード30と電気的に接続されている。第1のリード20及び第
2のリード30は母材に銅を用い、第1の樹脂成形体40から露出する部分に銀メッキを
施している。第1のリード20及び第2のリード30はやや厚板(約0.5mm)のもの
を用い、第1のリード20及び第2のリード30の裏面側は露出している。第1の樹脂成
形体40はトリグリシジルイソシアヌレートよりなるエポキシ樹脂とヘキサヒドロ無水フ
タル酸よりなる酸無水物とを当量比用いてなる混合物100重量部と、DBU0.5重量
部、エチレングリコール1重量部、酸化チタン顔料10重量部、ガラス繊維50重量部を
添加したものを用いる。第2の樹脂成形体50はシリコーン樹脂を用いる。第2の樹脂成
形体50には(Y0.8Gd0.2Al12:Ceの組成を有するYAG系蛍光
体80を均一に混合している。底面40aと側面40bとを持つ凹部40cに第2の樹脂
成形体50を配置しており、第2の樹脂成形体50の表面は凹部40cの上面と一致する
。これにより製品毎のYAG系蛍光体80の量を均一にしている。第1のリード20と第
2のリード30の裏面側に所定の厚さのエポキシ樹脂シートなる絶縁部材90を貼着して
いる。
実施例1に係る表面実装型発光装置は以下の工程により製造される。図10は実施例1
に係る表面実装型発光装置の製造工程を示す概略断面図である。
所定のリードフレームに打ち抜きを行い、複数個の第1のリード20と第2のリード3
0とを設ける。約150℃に加熱した下金型121へリードフレームを固定する。同様に
約150℃に加熱した上金型120でリードフレームを挟み込む。挟み込みは第1のリー
ド20と第2のリード30のインナーリード部20a、30a、アウターリード部20b
、30bに相当する部分である。第1の樹脂成形体40に相当する上記のエポキシ樹脂組
成物を打錠し得たタブレットを金型シリンダー部に配置する。このタブレットをピストン
により金型内へ流し込む(トランスファ・モールド)。この流し込まれたエポキシ樹脂を
金型内で約150℃約3分間の加熱を行い仮硬化する。次に上金型120と下金型121
とを分割して上記のエポキシ樹脂組成物の半硬化物を金型内から取り出す。取り出した後
、さらに約150℃約3時間の加熱を行い本硬化する。これによりリードフレームと一体
成形された上記のエポキシ樹脂組成物の完全硬化物にて、第1の樹脂成形体40を成形し
たリードフレームを得る。第1の樹脂成形体40は底面40aと側面40bとを持つ凹部
40cを形成しており、底面40aはリードフレームが露出している。このリードフレー
ムのアウターリード部20b、30bに相当する部分にメッキ処理を施す。
次に、凹部40cの底面40aに発光素子10をダイボンドする。発光素子10の持つ
第1の電極11と第1のリード20の第1のインナーリード部20a、第2の電極12と
第2のリード30の第2のインナーリード部30aとをそれぞれワイヤ60を用いて電気
的に接続する。
次にYAG系蛍光体80を均一に混合した、第2の樹脂成形体50に相当するシリコー
ン樹脂を凹部40cの上面まで滴下する。シリコーン樹脂の粘度等により、YAG系蛍光
体80が沈降する。YAG系蛍光体80が沈降することにより発光素子10の周辺にYA
G系蛍光体を配置することができ、所定の色調を有する表面実装型発光装置を提供するこ
とができる。シリコーン樹脂を滴下後、硬化して、第2の樹脂成形体50を形成する。
最後に所定の位置でリードフレームを切り出して、第1のアウターリード部20bと第
2のアウターリード部30bとを形成する。これにより実施例1に係る表面実装型発光装
置を製造することができる。
本発明の表面実装型発光装置は、照明器具、ディスプレイ、携帯電話のバックライト、
カメラのフラッシュライト、動画照明補助光源などに利用することができる。
10 発光素子
11 第1の電極
12 第2の電極
20 第1のリード
20a 第1のインナーリード部
20b 第1のアウターリード部
30 第2のリード
30a 第2のインナーリード部
30b 第2のアウターリード部
40 第1の樹脂成形体
40a 底面
40b 側面
40c 凹部
50 第2の樹脂成形体
60 ワイヤ
70 フィラー
80 蛍光物質
90 絶縁部材
100 放熱接着剤
110 放熱部材
120 上金型
121 下金型
210 発光素子
220 搭載用のリードフレーム
230 結線用のリードフレーム
240 成形体
250 透光性封止樹脂

Claims (11)

  1. 主面とその反対側の裏面を有する第1のリードと、
    主面とその反対側の裏面を有する第2のリードと、
    前記第1のリードと前記第2のリードとを一体成形してなり、前記第1のリードの主面の一部及び前記第2のリードの主面の一部が底面の一部を形成する凹部を有し、白色系の顔料が混合された熱硬化性樹脂から形成されてなる第1の樹脂成形体と、
    前記凹部の底面の前記第1のリードの主面と電気的に接続され且つ当該主面上にダイボンド部材を介して載置され、前記凹部の底面の前記第2のリードの主面とワイヤを介して電気的に接続された発光素子と、
    前記発光素子からの光を吸収し異なる波長の光に波長変換する蛍光物質が混合された熱硬化性樹脂から形成されてなり、前記発光素子を被覆するように前記凹部内に配置された第2の樹脂成形体と、を備え、
    前記第1の樹脂成形体は、トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物との混合物と前記白色系の顔料とガラス繊維とを有しており、第2の樹脂成形体はシリコーン樹脂であり、
    前記第1のリードの前記発光素子が載置されている領域の裏面側は、前記発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように、前記第1の樹脂成形体の前記熱硬化性樹脂から露出されており、
    前記凹部の底面に相当する前記第1のリードと前記第2のリードとの裏面の全面が前記第1の樹脂成形体の前記熱硬化性樹脂から露出されており、
    前記第1のリードの裏面側の露出部分と、前記第2のリードの裏面側の露出部分と、前記第1のリードと前記第2のリードとの間の前記第1の樹脂成形体の前記熱硬化性樹脂と、は実質的に同一平面上にあり、
    前記第1の樹脂成形体は、前記発光素子からの光を前方及び側方に出射されるように前記白色系の顔料が含有されており、
    前記蛍光物質が前記凹部の底面側に沈降した表面実装型発光装置。
  2. 前記第1のリード及び前記第2のリードは、平板状である請求項1に記載の表面実装型発光装置。
  3. 当該表面実装型発光装置の裏面側は平坦である請求項1又は2に記載の表面実装型発光装置。
  4. 前記凹部の側面には、開口方向に広口となる傾斜が設けられている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表面実装型発光装置。
  5. 前記凹部の底面を上方から見る平面視において、前記第1のリード及び前記第2のリードは、前記凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延び且つ当該延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされており、当該凹凸に前記第1の樹脂成形体が接触している請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表面実装型発光装置。
  6. 前記発光素子は、サファイヤ基板と、前記サファイヤ基板上に形成された窒化ガリウム系化合物半導体の発光層と、を有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表面実装型発光装置。
  7. 前記蛍光物質は、Ceで賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体を含む請求項1乃至6のいずれか一項に記載の表面実装型発光装置。
  8. 前記蛍光物質は、Eu又はCeで賦活される窒化物系蛍光体を含む請求項1乃至7のいずれか一項に記載の表面実装型発光装置。
  9. 前記蛍光物質は、Eu又はCeで賦活されるサイアロン系蛍光体を含む請求項1乃至8のいずれか一項に記載の表面実装型発光装置。
  10. 前記発光素子の発光波長は、420nm以上490nm以下である請求項1乃至9のいずれか一項に記載の表面実装型発光装置。
  11. 前記白色系の顔料は、酸化チタンである請求項1乃至10のいずれか一項に記載の表面実装型発光装置。
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