JP6149261B2 - クロスカット試験装置およびクロスカット方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基材上に設けられた塗膜の付着耐性を評価するため、塗膜に碁盤目状の切り込みを形成するクロスカット試験装置およびクロスカット方法に関する。
基材上に設けられた被膜の付着性の評価手法としては、JIS「K−5400」などに代表される種々の試験方法がある。JIS「K−5400」の方法によれば、試験片上の塗膜に対して、鋭利な刃物を貫通して基材(素地)に到達するまでの切り込みが形成される。そして、塗膜の切れ目における傷の広がりの大小から、塗膜のもろさや基材への付着性の良否が判定される。また、必要があれば、以上のようにして形成された塗膜の傷に対し、JIS「Z−1552」で規定された手法によってセロハンテープ剥離試験が施され、付着の良否が数値化される。
従来のクロスカット方法は、被試験塗膜に対して、試験方法に応じて決められた本数の傷をカッターナイフとクロスカットガイドを用いて形成した後、傷が碁盤目になるようにクロスカットガイドを90°回転してから再びガイドに沿って決められた本数の切り込みを形成する方法が一般的である。(例えば、特許文献1参照)。
このようなクロスカットガイドを用いたクロスカット方法は、頻繁にブレードを交換する必要があった。理由としては、クロスカットガイドは隙間が非常に狭いため、カッターナイフの切っ先が金属製のクロスカットガイドに接触する頻度が高く、それにより切っ先が損傷しやすいためである。また、同じ場所に2回以上切り込みを入れてしまう、あるいは一部に切り込みが形成されない等の切り込みミスが生じる場合があり、このようなミスに注意しながらの作業は、極めて煩雑であり改善が求められていた。
上記した問題に対し、刃厚方向に所定の間隔で配置された複数のカッター刃で一度に複数の切り込みを同時に形成することができる被膜カット工具が提案されている(例えば、特許文献2〜4)。このような複数の刃を用いて同時に切り込みを形成する場合、各刃の被膜に対する付勢力を均一に保ちながら切り込みを入れることは非常に難しい。特に膜厚が20μmに満たない塗膜の場合は、切り込み深さの不足や過剰により、正確な評価を行うことが困難であった。
このような問題を解決する方法として、本発明者は、塗膜の反対面側に設けた磁石の吸引力を利用して、複数のブレードを刃先方向に吸引し、ブレードの切っ先を塗膜に付勢した状態で接点を相対的に移動させることにより、複数の切り込みを同時に形成する方法を提案している(特許文献5)。複数のブレード全てに磁石の吸引力が働くため、それぞれブレードが独立して刃幅方向(上下方向)に可動し、塗膜の形状に沿って接地するため、10μm以下の塗膜に対しても、複数の切り込みを安定して形成することが可能となった。
実公平2−33157号公報 特開平8−843号公報 特開平8−215444号公報 特開平9−101254号公報 特開2012−18142号公報
前記特許文献5に例示の試験装置は、被試験塗膜の基材が次の場合に、塗膜に複数の切り込みを同時に安定して形成することが困難であった。
(A)軟磁性材料等の基材裏面からの磁力が働かない場合。
(B)基材の厚みが数ミリメートル以上の場合や被試験材料が立体物の場合。
(C)基材が樹脂フィルム等の切断されやすい材料であって、基材を切断させない弱い力で切り込みを形成する場合。
(D)基材がレンズのような曲面の場合であって磁力による吸引力が不足する場合。また、次に示す課題もあった。
(E)切り込み間隔に誤差が生じやすく、0.2mm以上の誤差が生じる場合があった。
(F)ブレードの交換が煩雑であった。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものである。
本発明の上記課題は以下の発明により解決された。
(1)係合孔を有する複数枚のブレードを備え、前記ブレードを刃厚方向に平行に軸着する支点軸を備え、前記支点軸に軸着された前記ブレードを収納するブレードホルダーを備え、前記ブレードの刃先と被試験塗膜の間に磁石を配置し、前記磁石の磁力で前記ブレードを刃先方向に吸引することを特徴とするクロスカット試験装置。
(2)前記ブレードの少なくとも片側の側面に凸部を有することが好ましい。
(3)前記被試験塗膜を付勢するマグネットローラーを備えることが好ましい。
(4)係合孔を有する複数枚のブレードをブレードホルダー内で刃厚方向に平行になるよう軸着し、前記ブレードの刃先と被試験塗膜の間に設置した磁石の吸引力によって、前記ブレードの各切っ先を前記ブレードホルダーの外に引出し、前記ブレードの切っ先を被試験塗膜に圧接し、前記切っ先と前記被試験塗膜の接点を相対的に移動させることで前記被試験塗膜に複数本の切り込みを形成することを特徴とするクロスカット方法。
本発明のクロスカット試験装置は、簡単な操作で、安定した条件の下に、高精度の間隔と深さで塗膜の付着性試験用の切り込みを安全に形成すること、およびブレード交換が容易であり、更に、曲面の基材に設けられた塗膜に対しても、塗膜の付着性試験用の複数の切り込みを同時に形成することが可能なクロスカット試験装置およびクロスカット方法を提供する。
図1は本発明のクロスカット試験装置の一例を示す分解斜視図である。
図2は図1に示したクロスカット試験装置の透視側面図である。
図3は本発明に用いられるスペーサープレートを有するクロスカット試験装置の一例を示す分解斜視図である。
図4は本発明に係わる片側の側面に凸部を有するブレードおよび車輪状磁石を有するクロスカット試験装置の一例を示す分解斜視図である。
図5は図4に示したクロスカット試験装置の透視側面図である。
図6は図4に示したクロスカット試験装置の底面斜視図である。
図7は本発明に係わる両側の側面に凸部を有するブレードの一例を示す透視側面図である。
図8は図7に示したブレードの正面図である。
図9は図4のクロスカット試験装置で球面状被試験塗膜に切り込みを入れる状態を示す拡大正面図である。
図10は図4のクロスカット試験装置の応用例を示す斜視図である。
図11は図10に示したクロスカット試験装置の側面図である。
図12は図10のクロスカット試験装置を試験台に収納した状態を示す側面図である。
図13はクロスカット試験装置の実施方法を示す透視側面図である。
図14はクロスカット試験装置の実施方法を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明のクロスカット試験装置の基本構成を示す分解斜視図の一例であり、図2は図1の透視側面図である。図1および図2において、長さ方向の後端部に係合孔11を有する帯状のブレード10は刃先12が下になるように11枚を平行に配置し、各係合孔11は支点軸25に軸着され、ブレードホルダー内に収納される。ブレード付勢用の磁石30は磁石カバー内で刃先12に近設される。ブレード10の切っ先13は、磁石30の吸引力によって、ブレードホルダー20の外に引き出される。磁石30は吸引力の強い磁石が好ましく、特に、中央に穴を有した外形が20mm〜30mmの角形ネオジム磁石は11本のブレード60に加わる吸引力の誤差が小さいため好ましい。図1に示したクロスカット試験装置を使ったクロスカット方法は、切っ先13が押し込まれるようにブレードホルダー20を被試験塗膜に圧接し、ブレード10が被試験塗膜に対して25〜35°になるように保ちながら切っ先13と該被試験塗膜の接点を相対的に移動させることで該被試験塗膜に11本の切り込みを同時に形成することができる。次に、被試験用塗膜を90°回転し、先に形成した11本の切り込みに直交するように同様の操作を行い、100マスの切り込みを形成する。
クロスカットの切り込み深さは磁石30の磁力の他に支点軸25からの磁石30の距離によっても調整することができる。支点軸11を支点、磁石30に近接する刃先12を力点、切っ先13を作用点とすると、切っ先13を被試験塗膜に押し付けた際の切っ先13の反発力は、テコの原理により、磁石30を支点軸25に近づけると小さくなり、切っ先の方に近づけると大きくなる。クロスカットする際の切り込みを被試験塗膜の基材に達し、かつ支持基材を切断しない切り込み深さに調整する方法としては、磁石30の位置を切り込みが浅い場合は切っ先方向に、切り込みが深い際は支点軸25の方向にスライドさせる。磁石カバー29はブレードホルダー20に着脱可能に装着される。磁石30はブレード10と磁力で引き合うことによって、磁石カバー29内での位置を維持することができるが、ボルト等の固定手段で磁石カバー内に固定しても良い。
前記11枚のブレード10は、それぞれが独立して可動する。切り込み深さのバラツキを小さくするためには、ブレード10の側面と接触する部分の摩擦抵抗は小さい程良い。ブレード10の側面と接触する部分との摩擦係数は、磁石30の磁界により磁化した状態で0.6以下であることが好ましく、より好ましくは0.3以下である。ブレード10の側面と摩擦抵抗を小さくする方法としては、金属メッキ、スパッタリング、樹脂コーティング、DLCコーティング等が挙げられ、これらを組み合わせても良い。また、磁化された両サイドのブレード10の側面がブレードホルダー20の内面に吸着することで切り込み深さにバラツキが生じることを防止するため、ブレード10と接触する部分のブレードホルダー20の素材は非磁性材料であることが好ましい。
ブレード10の厚みはブレード側面に加わる圧力と切り込み間隔の精度に影響する。切っ先に加わる圧力のバラツキが小さく、且つ、実用上の切り込み間隔の精度が得られるブレード10の好ましい厚みは、クロスカット試験における規定の切り込み間隔の85〜95%である。ブレード10の切っ先13は刃先12に近接された磁石30の吸引力を利用して、被試験塗膜に圧接される。そのため、ブレード10は少なくとも磁石30の吸引力が及ぶ範囲に軟磁性体部分を有する必要がある。磁石の吸引力が十分に得られる構成であれば、刃先や切っ先部分はジルコニア、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、およびダイヤモンド等の非磁性材料で構成されても良い。
図3は図1に示したブレードホルダー20を用いて25マスの碁盤目状の切り込みを形成することができるクロスカット試験装置の一例を示す分解斜視図である。図3に示すクロスカット試験装置は、切っ先13をブレードホルダー内に固定するブレードストッパー50、および任意のブレード10をピックアップすることを容易にするピックアッププレート40を有する。ブレード10とスペーサープレート80は、交互に配置され、係合孔11と係合孔81は支点軸25に軸着される。更に、スペーサープレート80の係止孔82、83、84はそれぞれピックアッププレート支点軸26、係止軸27、係止軸33に軸着される。
スペーサープレート80の側面とブレード10の側面との摩擦係数は、小さい程好ましく、特にブレード10が磁石30により磁化した状態での摩擦係数が0.6以下であることが好ましい。0.6以下であればブレード間の切り込み深さの誤差が小さくなる。より好ましくは0.3以下である。摩擦係数を小さくする方法としては、金属蒸着、メッキ処理、樹脂コーティング等が挙げられ、特にPTFEコーティングが好ましい。スペーサープレート80の厚みおよび枚数は、切り込み間隔やブレードの厚みに応じて選択することができる。
ブレードストッパー50はブレードホルダー20の係止軸28に軸着される。係止軸28を軸にブレードストッパー50が刃先方向に回転されるとブレード10の後端部上端がカムに押され、支点軸25を支点にしてテコの原理で切っ先13が持ち上がり、ブレード10はブレードホルダー20内に固定される。図3のクロスカット試験装置を用いたクロスカット方法は、ブレード10がブレードホルダー20内に固定された状態で被試験塗膜に対して25〜35°角度を保ち、ブレードホルダー20の先端を前記被試験塗膜に押し付ける。次に、ブレードストッパー50をゆっくり回転して固定されていたブレード10を解放すると切っ先13が前記被試験塗膜に接地する。次に、ブレードホルダー20が持ち上がらないように前記被試験塗膜との接点を相対的に移動させることで、前記被試験塗膜に6本の切り込みが同時に形成される。前記被試験用塗膜を90°回転し、先に形成した6本の切り込みに直交するように同様の操作を行い、25マスの切り込みが形成される。クロスカットの切り込みの深さは、図1のクロスカット試験装置と同様に、磁石30の磁力と位置によって調整される。
ピックアッププレート40はブレード10の後端部に近設される。ピックアッププレート40とブレード10の後端部との隙間の大きさによって、ブレード10の回転角度の自由度が制限され、ブレードホルダー20からブレード10の引き出される量が調整される。また、摩耗や破損等により、十分な切り込みができなくなったブレード10は、対応するピックアッププレート40を使うことで簡単に交換される。具体的には、支点軸25および係止軸27を外し、交換するブレード10に対応するピックアッププレート40の突起部44を下方向に押し下げることにより、ピックアッププレート支点軸26を支点にピックアッププレートの爪41がブレード10の後端部を持ち上げることでピックアップされる。更に、隣接するピックアッププレートの突起部44の位置をずらすことで、交換するブレード10が容易にピックアップされる。
図4は片側側面に半円柱状の凸部64を有するブレード60を備えたクロスカット試験装置の一例を示す分解斜視図である。また、図5は図4の透視側面図であり、図6は図4の底面斜視図である。更に、図12は図4のクロスカット試験装置で球面状被試験塗膜に切り込みを入れる状態を示す拡大正面図である。本発明に係わるブレード60はスペーサーの代わりに凸部64によって、ブレード間隔を一定に保つため、ブレード側面の摩擦抵抗の影響を受けず複数の切り込みを同時に安定して形成することが可能となった。その結果、50μm以下の樹脂フィルム基材に設けられた被試験塗膜に対しても、小さい付勢力での安定した碁盤目状の切り込みが可能となった。図4に示したスペーサー80は、半円柱凸部64と同程度の厚みを有し、ブレード60の半円柱凸部64の無いブレード側面とブレードホルダー20との隙間と摩擦抵抗の調整に用いられる。従来のクロスカット方法では(JIS「K−5400」等)で規定され、一般的にも市販されている0.38mm厚のブレード(刃先角度約22°)を用いる。従来のクロスカット方法は、ブレード間にスペーサーを介することによって、切り込み間隔を規定する方法が一般的であった。前述の方法は、例えば被試験塗膜の基材が樹脂等の場合であって、1枚のブレードに加える力が0.3N程度の小さい付勢力で切り込みを形成する必要がある場合には、スペーサーとブレード間の摩擦力の影響がブレードに加える力に対して相対的に大きくなり、切り込み深さのバラツキが生じていた。
本発明に係わる少なくとも片側の側面に凸部を有するブレードは、ブレードホルダーの支点軸に軸着した際に、ブレード間隔を一定に保つことができ、クロスカットに必要なブレードの可動を妨げなければ、凸部の形状や材質は特に限定されない。ブレード凸部の形状としては、ブレード側面との摩擦抵抗の少ない半円柱状の凸部や半球状の凸部、又はこれらの組み合わせ等が好ましい例として挙げられる。図7は両側の側面に半球状の凸部74を有するブレード70の一例を示す透視側面図であり、図8は図7の正面図である。ブレード70の半球状の凸部74、75は、支点軸25を軸とした回転方向の動きを阻害しないように、ブレード70の側面に非対称に形成される。本発明に係わるブレード凸部の材質としては、ブレード側面を傷つけず、磁化したブレード側面との摩擦抵抗が小さい非磁性材料が好ましく、特にフッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂等の樹脂やアルミニウム等の非磁性金属等が好ましい例として挙げられる。本発明に係わる凸部の厚みとしては、ブレード間の隙間の80〜95%が好ましい。この範囲であれば、切り込み間隔は、0.2mm未満の誤差に制御可能である。半円柱状の凸部64および半球状の凸部74、75の厚みとしては、0.5〜0.6mmが好ましい。本発明に係わる凸部の厚みのバラツキは被試験塗膜への切り込み間隔の精度に影響するため、0.05mm以下であることが好ましい。凸部を有するブレードの製造方法としては、ブレード側面に接着剤で凸部の形状を貼付ける方法、易接着加工を施したブレード側面に溶融状態の樹脂又は金属を直接積層して形成する方法等が挙げられる。従来技術のスペーサーの間にブレードを挿入したクロスカット試験方法は、ブレードを交換する際に1mm以下の極わずかな隙間にブレードの切っ先を傷つけないように挿入することが煩雑であった。ブレード60は切っ先63が破損又は摩耗した際に、支点軸25を抜くことで容易に交換することができる。更にブレード70は複数枚のブレードを平行に合わせて同時に持った際に、ブレード70の束がずれてバラバラになることをブレード側面の半球状の凸部74、75によって防止できる。
図4、図5、図6、図9において、ブレードホルダー20は先端部に二対のマグネットローラ31、32を備える。前記マグネットローラー31、32は磁力によって引き出された切っ先63を囲うように配置される。二対のマグネットローラ31、32は、被試験塗膜面に接地した際に、前記被試験塗膜面とブレードホルダー20との角度が25〜35°になる配置が好ましい。図4に示すクロスカット試験装置を用いたクロスカット方法はブレード60をブレードストッパー50で固定した状態で、マグネットローラー31、32の4輪が被試験塗膜に接地される。次に、ブレードストッパー50をゆっくり回転して固定されていたブレード10が解放され、切っ先13が前記被試験塗膜に接地される。次に、二対のマグネットローラー31、32が前記被試験塗膜表面から離れないように前記被試験塗膜との接点を相対的に移動させることで、ブレード角度を一定に保った状態で前記被試験塗膜に11本の切り込みを同時に入れることができる。被試験塗膜の基材が軟磁性材料である場合は、二対のマグネットローラーが被塗膜面に吸着され、クロスカット装置が自立するため、よりクロスカットが容易になる。また、被試験塗膜が非磁性材料の場合は、被試験被膜の反対面に軟磁性材料を設けることにより、基材が軟磁性材料の場合と同様の効果が得られる。被試験材料とマグネットローラーの吸引力は、複数のブレードとプレード付勢用磁石との吸引力よりも強い力であることが好ましく、例えばネオジム磁石が好ましい。複数のブレードとプレード付勢用磁石との吸引力よりも強い力で、二対のマグネットローラー31、32が被試験基材に吸着することで、二対のマグネットローラー31、32が基材からはなれること無く、ブレード60と被試験用被膜の角度を一定に保ちながら切り込みを形成することが可能となる。マグネットローラー31、32の両側面には、それぞれ必要に応じてアーク35を設けることができる。アーク35によりマグネットローラー31の磁力線が被膜方向に集中し、より強い吸引力が得られる。
図9は図4のクロスカット試験装置で球面状試験検体の被試験塗膜210に11本の切り込み211が形成される状態を示す拡大正面図である。被試験塗膜210へのクロスカット方法としては、ブレード60をブレードホルダー20内に固定した状態で左右のマグネットローラー31の内側アーク35を被試験塗膜210に接地した後、ブレードストッパー50を回転して固定状態を解除すると11本の全てのブレードが独立して被試験塗膜210に接地する。クロスカット装置を被試験塗膜210の表面に沿って、後方に移動することで11本の切り込み211が形成される。被試験塗膜210を90°回転し、先に形成した11本の切り込み211に直交するように同様の操作を行い、被試験塗膜210に100マスの切り込みが形成される。11本のブレード60の切っ先63が凸型球面形状に接地した状態において、刃先62と付勢用磁石30の距離は、中央に位置するブレード60程大きくなる。磁石の吸引力は距離の2乗に反比例するため、磁石30の位置は、刃先62からは1mm以上離し、更に、支点軸25に近づけることで、被試験塗膜の曲面の影響が小さくなり、クロスカット試験の精度がより向上する。
図10は本発明のクロスカット試験装置の応用例として、車型のクロスカット試験装置および試験台の一例を示し、可動試料台130上の被試験塗膜に切り込みを形成している状態を示す斜視図である。図10に示す車型のクロスカット装置は、基本的な構成としてブレードホルダー20、側面に凸部を有するブレード60、ピックアッププレート40、ブレードストッパー52、マグネットローラー31、32を備え、更に、底板97、水平可動ステージ92、フレーム90、4つのマグネットローラー94、カバー95を備える。磁石30は、磁石カバー29の代わりに水平可動ステージ92の任意の高さに固定され、マイクロメーター93によって精密にブレードとの距離が調整される。支点軸25はブレード60と底板97との角度が25〜35°になる位置でフレーム90の係合部に支持され、カバー95の係合部96により固定される。フレーム90は底板97の後端部の係合軸91に任意の角度で保持できる機構で軸着される。底板97の後方底面に突設された4つのマグネットローラー94は、磁性材料に吸着した状態で回転可能である。そのため、軟磁性材料の上で被試験塗膜に切り込みを形成する際には、車型のクロスカット試験装置を水平方向後方に引くだけで、一定の刃先角度を保った状態で安定して切り込みを形成することができる。上記の特徴から車型のクロスカット試験装置は、平面状の被試験塗膜を試験する際に適している。
図10に示す試験台100は主にレール台101、可動試料台130、収納部103から構成される。レール台101はマグネットローラー94に係合する凹レール102を備える。レール台101の材質としては、少なくとも凹レール102の底面部は磁性材料からなり、レール台101全体が磁性材料で構成されても良い。凹レール102の底面部が硬磁性材料の場合はマグネットローラー94と接触する面が引き合うように面を配置する。
図10に示す可動試料台130はヘリコイド昇降ステージ110上にアリ機構ステージ120、121と回転台131を備える。ヘリコイド昇降ステージ110は昇降レバー111および固定ねじ112を備え、被試験検体の塗膜面200とレール台101と同じ高さになるように昇降レバー111で調整される。前記アリ機構ステージ120、121はヘリコイド昇降ステージ110の上面にメスアリステージ120が固定される。メスアリステージ120の上にオスアリステージ121が積層され、オスアリステージ121はクロスカット試験装置の可動方向と直交する方向に可動する。アリ機構ステージ120、121は碁盤目状切り込み201を複数形成する際に有用である。回転台131を囲む非回転部分はオスアリステージ121に固定され、回転台131は回転台レバー132を使って90°回転することが可能である。
次に図10に示した車型のクロスカット試験装置と可動試料台130を用いたクロスカット方法について説明する。被試験塗膜200を有する試験検体は可動試料台130の回転部131に固定され、被試験塗膜200とレール台110が同じ高さになるように、昇降レバー111で調整される。固定方法としては、再剥離可能な粘着テープ、トグルクランプ等を用いることができ、作業者が指で押さえても良い。試験検体が重い場合や同一形状の試験検体を複数個試験する場合は、固定ねじ112で可動試料台130の高さを固定してもよい。車型のクロスカット試験装置はブレードストッパー52(図4に示したブレードストッパー50から交換可能)を刃先方向に倒して、ブレード60を固定した状態でクロスカット開始位置まで動かした後、ブレードストッパー52をゆっくり回転して切っ先63を被試験塗膜200に接地する。その状態で、底板97を下方向に押さえながら、前記車型のクロスカット試験装置を必要な長さ後方に引くことで11本の切り込みが形成される。ブレードストッパー52を用いてブレード60を固定し、回転台レバー132を使って試験検体を90°回転した後、先に形成した切り込みと90°交差するように同様の切り込み操作を行うことで、碁盤目状の切り込み201が形成される。
図12は車型のクロスカット試験装置が試験台に収納された状態を示す側面図である。図10に示した試験台の収納部103にマグネットローラーを固定する固定部104を備え、固定部104はマグネットローラーと係合する凹部と磁性材料からなる吸着部を有し、車型のクロスカット試験装置の飛び出しを防止し、安全に収納することができる。
図13は本発明のクロスカット試験装置の実施例1を示す透視側面図である。25、30、31、32は図4と同様である。スライド式のブレードストッパー52はホルダー90にスライド可能に軸着される。ブレードストッパー52を切先63から離れる方向にスライドさせることにより、切先63を上に持ち上げることができる。ブレード60は0.38mm厚の折る刃式ブレードにABS樹脂製のスペーサー(0.5mm厚で幅1mm)を図4のスペーサー64と同様の位置に樹脂系接着時で固定した。
図14は図13の斜視図である。
実施例1のクロスカット試験装置を用いて、直径50mmの飲料用スチール缶の側面(曲面)の印刷に対して11本の切り込みを同時に簡単に安定して形成することができた。また、約20μmの食品包装用樹脂フィルムに印刷された印刷物に対しては、ベーズフィルムを切断すること無く、11本の切り込みを同時に簡単に安定して形成することができた。
10、60、70 ブレード
11、61、71 係合孔
12、62 刃先
13、63、73 切っ先
20、90 ブレードホルダー
25 支点軸
30 磁石
31、32 マグネットローラー
50、52 ブレードストッパー
64、74、75 凸部
80 スペーサープレート
200、210 被試験塗膜
201、211 切り込み

Claims (4)

  1. 係合孔を有する複数枚のブレードを備え、前記ブレードを刃厚方向に平行に軸着する支点軸を備え、前記支点軸に軸着された前記ブレードを収納するブレードホルダーを備え、前記ブレードの刃先と被試験塗膜の間に磁石を配置し、前記磁石の磁力で前記ブレードを刃先方向に吸引することを特徴とするクロスカット試験装置。
  2. 前記ブレードの少なくとも片側の側面に、切り込み間隔に応じた厚みの凸部を有することを特徴とする請求項1記載のクロスカット試験装置。
  3. 前記被試験塗膜を付勢するマグネットローラーを備えることを特徴とする請求項1または2記載のクロスカット試験装置。
  4. 係合孔を有する複数枚のブレードをブレードホルダー内で刃厚方向に平行になるよう軸着し、前記ブレードの刃先と被試験塗膜の間に設置した磁石の吸引力によって、前記ブレードの各切っ先をブレードホルダーの外に引出し、前記切っ先を前記被試験塗膜に圧接し、前記切っ先と前記被試験塗膜の接点を相対的に移動させることで前記被試験塗膜に複数本の切り込みを形成することを特徴とするクロスカット方法。
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