JP6148950B2 - 融雪リング、及び、電線取り付け用リング - Google Patents

融雪リング、及び、電線取り付け用リング Download PDF

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Description

本発明は、融雪リング、及び、電線取り付け用リングに関する。
従来、電線に取り付けられる磁性体の融雪リングが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の融雪リングは、電線の電流によって生じる磁界の変化で発熱し、融雪リング上の雪を溶かすことで雪を分断させる。これにより、電線に付着した雪が分断されて落雪のサイズが小さくなり、落雪被害を防止できる。特許文献1の融雪リングは、磁界の変化で発熱する強磁性体リングと電線との間に断熱層を備えるため、強磁性体リングの熱が電線に奪われることを断熱層で抑制でき、雪を効果的に溶かすことができる。
特開2008−21483号公報
しかし、上記従来の融雪リングでは、電線にギャロッピングやスリートジャンプが発生し、融雪リングが、隣接する他の電線や他の電線の融雪リングに接触すると、融雪リングを介して電線間で短絡し、電流が流れ難い断熱層で局部的に絶縁破壊が起こることがある。そして、絶縁破壊によって生じたアーク放電が断熱層を貫通すると、電線が溶損してしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、断熱層により融雪リングを効果的に温度上昇させることができ、且つ、アーク放電による電線の溶損を防止できる融雪リング、及び、電線取り付け用リングを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、電線の外周面との間に断熱層を挟んで嵌合される強磁性体からなるリングを備え、前記断熱層は、導電性材料で構成されるとともに、前記リングよりも高い断熱性を備えることを特徴とする融雪リングを提供する。
本発明によれば、融雪リングを介して電線間で短絡が発生した際、電流は、導電性材料で構成される断熱層の全体を通って融雪リングから電線に流れる。このため、断熱層で局所的に絶縁破壊が起こることを防止でき、アーク放電の発生を防止できるため、アーク放電による電線の溶損を防止でき、且つ、断熱層により融雪リングを効果的に温度上昇させることができる。
また、上記構成において、前記断熱層は、体積抵抗率が103Ωcm未満の導電性材料で構成されている構成としても良い。
この場合、断熱層は、体積抵抗率が103Ωcm未満の導電性材料で構成されているため、短絡の際の電流は、断熱層をスムーズに流れる。このため、アーク放電の発生を防止でき、アーク放電による電線の溶損を防止できる。
また、上記構成において、前記断熱層は、熱伝導率が10W/mK以下である構成としても良い。
この場合、断熱層は、熱伝導率が10W/mK以下であるため、断熱層によってリングを電線から効果的に断熱でき、融雪リングを効果的に温度上昇させることができる。
さらに、上記構成において、前記断熱層は、導電性を有する樹脂材料である構成としても良い。
この場合、断熱層は、導電性を有する樹脂材料であり、導電性及び断熱性を備えるため、断熱層により融雪リングを効果的に温度上昇させることができ、且つ、アーク放電による電線の溶損を防止できる。
また、本発明は、圧縮加工によりリング形状に成型可能な強磁性体からなるリング部材と、リング形状とされた場合に内側となる面に装着された断熱部材とを有し、当該断熱部材は、導電性材料で構成されるとともに、前記リング部材よりも高い断熱性を備えることを特徴とする電線取り付け用リングを提供する。
本発明によれば、電線取り付け用リングを電線に取り付けた状態で、電線取り付け用リングを介して電線間で短絡が発生した際、電流は、導電性材料で構成される断熱部材の全体を通って電線取り付け用リングから電線に流れる。このため、断熱部材で局所的に絶縁破壊が起こることを防止でき、アーク放電の発生を防止できるため、アーク放電による電線の溶損を防止でき、且つ、断熱部材により電線取り付け用リングを効果的に温度上昇させることができる。
本発明に係る融雪リング及び電線取り付け用リングでは、断熱層により融雪リング及び電線取り付け用リングを効果的に温度上昇させることができ、且つ、アーク放電による電線の溶損を防止できる。
本発明の実施の形態に係る融雪リングを電線に取り付けた状態を示す図である。 図1のII−II断面図である。 電線に取り付けられる前の融雪リングを示す正面図である。 電線に取り付けられる前の融雪リングを示す平面図である。 図2のV−V断面図である。 融雪リングの参考例を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る融雪リングを電線に取り付けた状態を示す図である。図2は、図1のII−II断面図である。
融雪リング10(電線取り付け用リング)は、鉄塔間に架設される電線30の外周に嵌合されて取り付けられる。融雪リング10は、電線30の長手方向に所定間隔をあけて複数配置され、電線30を流れる電流による交番磁界によって発熱し、融雪リング10に付着した雪を溶かす。電線30に付着した雪は、融雪リング10が取り付けられた箇所で分断されるため、電線30からの落雪のサイズが小さくなる。
融雪リング10は、例えば、断面積で160〜1520mm2程度のサイズの電線に装着される。
電線30は、鋼線等により構成される心線(不図示)と、この心線の外周に複数のアルミ線をらせん状に撚り合わせて形成される導体部30aとを備え、断面略円形に構成される。ここで、図2では、電線30の内部構造の図示は省略されている。
融雪リング10は、強磁性体からなるリング11(リング部材)と、リング11と電線30との間に挟んで設けられる一対の断熱層12,12(断熱部材)とを備える。
図3は、電線30に取り付けられる前の融雪リング10を示す正面図である。図4は、電線30に取り付けられる前の融雪リング10を示す平面図である。
図1〜図4を参照し、リング11は、帯状に形成された金属の板材を曲げ加工等して形成される。リング11は、例えば、キュリー点が低くかつ高強度な鉄−ニッケル合金で構成されている。
リング11は、電線30に取り付けられる前は、開放部Wを備えた略C型のリング状に形成されており、電線30に取り付けられると、開放部側の両端に形成された係合部13,14が互いに係合して閉じた円環状のリングとなる。
リング11は、電線30の外形に合わせて円弧状に形成される一対の取付部15,15と、係合部13,14と、取付部15,15間を繋ぐ曲げ部16とを備える。
係合部13は、リング11の開放部W側の一方の端部において、幅方向の一方側の半部を突出させた突出部である。係合部13の先端部には、係合部13を尖らせる斜面部13aと、係合部14側に幅方向に突出する突起部13bとが形成されている。斜面部13aは、リング11の幅方向の外端が先端となるように傾斜している。
係合部14は、リング11の他方の端部において、幅方向の他方側の半部を突出させた突出部である。係合部14の先端部には、係合部14を尖らせる斜面部14aと、係合部13側に幅方向に突出する突起部14bとが形成されている。斜面部14aは、リング11の幅方向の外端が先端となるように傾斜している。
係合部13,14は、リング11が電線30に取り付けられた状態では、曲げ部16に対向する。曲げ部16は、リング11を閉じて電線30に取り付ける際に大きく曲げられる部分である。
断熱層12,12は、リング11の形状に合わせて曲面状に形成された板材であり、リング11の取付部15,15の内周部に取り付けられる。断熱層12,12は、導電性を備えた材料で構成され、例えば、カーボンブラックが配合された樹脂材料からなる。
断熱層12,12の幅は、リング11の幅よりも大きく形成されており、断熱層12,12の幅方向の端部18,18は、リング11の幅方向の側面部19,19よりも幅方向に突出する。ここで、リング11及び断熱層12,12の幅は、電線30の軸方向におけるリング11及び断熱層12,12の長さを指す。
断熱層12,12は、電線30の導体部30aに密着して取り付けられる内周部17に、導体部30a側に突出するリブ20を有する。リブ20は、格子状に形成されており、リング11によって断熱層12,12が圧縮された状態では潰れる。
融雪リング10を取り付ける際には、融雪リング10は、開放部Wを介して電線30の外周部を囲うようにセットされ、リング11の外周部を押圧する冶具によって圧縮される。圧縮力によって主として曲げ部16が変形してリング11が閉じられて行き、係合部13,14が係合する。詳細には、係合部13,14は、斜面部13a,14aが互いに当接することで、リング11の幅方向に開き、さらに圧縮工程が進むと突起部13b,14bが係合する。
係合部13,14及び曲げ部16には、断熱層12,12は設けられておらず、この部分では、リング11と電線30との間には隙間Sが形成される。このように、係合部13,14及び曲げ部16に断熱層12,12を設けないため、電線30への取り付けの際に断熱層12,12が邪魔にならず、作業性が良い。
図5は、図2のV−V断面図である。
図5に示すように、リング11は、厚さ方向よりも幅方向に大きい略矩形の断面を備える。リング11は、外周部側の幅方向の両端に曲面状の角部21(いわゆるR面取部)を備える。
断熱層12,12は、厚さ方向よりも幅方向に大きい略矩形の断面を備える。断熱層12,12は、外周部側の幅方向の両端に曲面状の角部22(いわゆるR面取部)を備える。角部22は、角部21よりも曲率が小さく、緩やかである。
断熱層12,12は、射出成型等の樹脂成型によって形成されるため、断熱層12,12には、曲率の小さな角部22を容易に形成できる。一方、リング11は、金属であり断熱層12,12よりも加工が困難であることから、加工量を小さくするために、角部21の曲率は大きく設定されている。
断熱層12,12の外周部には、リング11の取付部15,15の内周部が嵌合する溝23が形成されている。溝23は、断熱層12,12の幅方向の中央部に形成され、断熱層12,12の全長に亘って略同一の深さで形成されている。溝23は、リング11の内周部との間に隙間ができないように、リング11の形状に対応した形状に形成されている。断熱層12,12の溝23に取付部15,15が嵌合すると、リング11の側面部19,19の一部は、端部18,18によって覆われる。
断熱層12,12は、溝23を介して、例えば、接着剤により、リング11の内周面に固着される。
電線30に融雪リング10を取り付けた場合、融雪リング10の形状や材質に応じて、融雪リング10の周辺の等電位線の分布が変化し、電位傾度にも偏りが生じる。特に、エッジの部分では等電位線が密集するため、リング11及び断熱層12,12の角部21及び角部22では、電位傾度が高くなる。このため、角部21及び角部22では、コロナ放電が発生し易い。
図5に示すように、本実施の形態では、断熱層12,12の幅がリング11の幅よりも大きく、リング11の角部21と電線30の外表面との間には端部18,18が存在し、等電位線の歪曲は、断熱層12,12の角部22及びリング11の角部21に沿って緩やかになる。このため、コロナ放電の発生を抑制できる。
また、本実施の形態では、リング11の側面部19,19は、断熱層12,12の端部18,18によって高さ方向に一部覆われており、断熱層12,12の外周部からのリング11の角部21の高さが小さくなっている。これにより、角部22及び角部21に沿う等電位線の歪曲は緩やかになるため、コロナ放電の発生を抑制できる。
ところで、3相交流を送電する送電線では、上下方向に、上相、中相及び下相の電線が設けられており、鉄塔間には、上相、中相及び下相に対応する3本の各電線30が架設される。
ギャロッピング現象またはスリートジャンプ現象が発生すると、電線30が上下に振動し、隣接する電線同士が接触した場合、相間に電流が流れて短絡が起こる。また、電線30が上下に振動し、電線30とこれに隣接する他の電線30に設けられた融雪リング10とが接触した場合、及び、互いに隣接する電線30に設けられた融雪リング10同士が接触した場合にも同様に短絡が起こる。この場合、短絡の電流は、リング11から断熱層12,12を介して電線30に電流が流れることになる。
融雪リング10では、リング11を電線30から断熱するために断熱層12,12が設けられるが、高い断熱性を有する一般的な樹脂材料は、金属に比して導電性が低い半導電材料または絶縁材料であり、その体積抵抗率は、106Ωcm以上である。そして、半導電材料または絶縁材料の断熱層を備えた融雪リングを介して相間に短絡が発生した場合、断熱層では電流が流れ難いために、断熱層で局部的に絶縁破壊が起こり、絶縁破壊で生じたアーク放電が断熱層を貫通すると、電線が溶損してしまう。さらに、断熱層の幅方向の内側でアーク放電が発生した場合、溶損した箇所が断熱層及びリングによって隠れてしまい、溶損箇所を外側からの検査で発見し難いという問題もある。
そこで、本実施の形態では、断熱層12,12を、体積抵抗率が103Ωcm未満の導電性材料で構成した。このように、断熱層12,12を導電性材料で構成することで、短絡の電流は、断熱層12,12の全体をスムーズに流れ、断熱層12,12での局部的な絶縁破壊を防止でき、アーク放電の発生を防止できる。
また、断熱層12,12を構成する導電性樹脂材料は、鉄−ニッケル合金で構成されるリング11よりも高い断熱性を備えている。
本発明者らは、本実施形態の融雪リング10において、体積抵抗率の異なる断熱層12,12を用いて融雪リング10を複数製作し、放電試験を行うことで、体積抵抗率とアーク放電の発生の状況との相関を調査した。
この放電試験では、電線30としての鋼心アルミ撚線(ACSR810mm2(外径38.4mm))に融雪リング10を取り付け、融雪リング10から所定距離だけ離して空気絶縁された球ギャップに50kVの電圧を印加し、融雪リング10に放電した。その後、電線30から融雪リング10を取り外し、電線30の表面の状態から、アーク放電の発生の状況を判断した。球ギャップの放電の条件は、50±1kVの電圧で、放電時間は0.6秒である。
断熱層12,12の体積抵抗率は、100、101、102、103、及び、104Ωcmの5種類である。断熱層12,12を構成する導電性樹脂材料は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)であり、所定の体積抵抗率が得られるように、カーボンブラック等の導電性付与剤の添加量が調整されている。ここで、導電性付与剤は、カーボンブラックに限らず、例えば、炭素繊維や金属粉末等であっても良い。また、融雪リング10は、180℃程度まで達するため、導電性樹脂材料は、少なくとも180℃以上の耐熱性を有することが必要であり、上記PPSの他、例えば、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)やフッ素樹脂であっても良い。また、導電性樹脂材料は、耐熱性を確保できれば、ポリカーボネイトやナイロン、または、ゴムで構成されても良い。
断熱層12,12のサイズは、幅15mm、厚み2mmである。
この放電試験の結果を表1に示す。
Figure 0006148950
表1に示したように、断熱層12,12の体積抵抗率が102Ωcm以下の場合、断熱層12,12に孔等は発生せず、上記放電試験後の電線30の表面には、焦げ跡は発生していなかった。このことから、体積抵抗率が102Ωcm以下の場合、断熱層12,12の全体を電流が流れ、断熱層12,12に絶縁破壊は起こらず、アーク放電は生じていないと判断される。
また、体積抵抗率が103Ωcmの場合、放電試験後の電線30の表面には、微小な焦げ跡しか発生していなかった。また、断熱層12,12に生じた孔も微小であった。このことから、体積抵抗率が103Ωcm未満の場合、断熱層12,12の全体を電流が流れ、断熱層12,12に絶縁破壊は起こらず、アーク放電は生じないと判断される。
体積抵抗率が104Ωcmの場合、断熱層12,12の一部に孔が開き、放電試験後の電線30の表面には、体積抵抗率が103Ωcmの場合よりも大きな焦げ跡が発生した。このことから、体積抵抗率が104Ωcm以上の場合、断熱層12,12に局部的に絶縁破壊が起こり、アーク放電が生じると判断される。
このように、断熱層12,12を導電性材料とすることで、短絡の電流は、断熱層12,12の全体をスムーズに流れ、断熱層12,12での局部的な絶縁破壊を防止して、アーク放電の発生を防止できる。特に、断熱層12,12の体積抵抗率を103Ωcm未満とすることで、アーク放電の発生を効果的に防止できる。さらに、断熱層12,12の体積抵抗率を102Ωcm以下とすることで、アーク放電の発生をより確実に防止できる。
体積抵抗率が103Ωcmの断熱層12,12を構成する導電性樹脂材料の熱伝導率は、5W/mK以下であり、リング11の熱伝導率よりも小さい。このため、リング11を電線30から断熱でき、リング11を高温に維持して効果的に融雪できる。ここで、断熱層12,12は、10W/mK以下の熱伝導率を有していれば、リング11を電線30から十分に断熱することができる。体積抵抗率を103Ωcmよりも大幅に小さくすると、電流が流れ易くなり、アーク放電を防止する効果が高いが、熱伝導率が10W/mKよりも大きくなるため、断熱層としては適さなくなる。熱伝導率は、例えば、レーザーフラッシュ法で測定される。
また、断熱層12,12を導電性材料とすることで、断熱層12,12の全体に短絡の電流が流れるため、断熱層12,12の内側での局所的なアーク放電の発生を防止できる。このため、過大な電流により電線30に溶損が発生したとしても、外側から目視で溶損を確認でき、溶損を早期に発見できる。
さらに、断熱層12,12を導電性材料で構成したため、融雪リング10の表面に沿う等電位線の偏りを抑制でき、コロナ放電の発生も抑制できる。
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、融雪リング10は、電線30の外周面との間に断熱層12,12を挟んで嵌合される強磁性体からなるリング11を備え、断熱層12,12は、導電性材料で構成されるとともに、リング11よりも高い断熱性を備える。これにより、融雪リング10を介して隣接する電線30間で短絡が発生した際、電流は、導電性材料で構成される断熱層12,12の全体を通って融雪リング10から電線30に流れる。このため、断熱層12,12で局所的に絶縁破壊が起こることを防止でき、アーク放電の発生を防止できるため、アーク放電による電線30の溶損を防止でき、且つ、断熱層12,12によりリング11を効果的に温度上昇させることができる。
また、断熱層12,12は、体積抵抗率が103Ωcm未満の導電性材料で構成されているため、短絡の際の電流は、断熱層12,12をスムーズに流れる。このため、アーク放電の発生を防止でき、アーク放電による電線30の溶損を防止できる。
また、断熱層12,12は、熱伝導率が10W/mK以下であるため、断熱層12,12によってリング11を電線30から効果的に断熱でき、リング11を効果的に温度上昇させることができる。
さらに、断熱層12,12は、導電性を有する樹脂材料であり、導電性及び断熱性を備えるため、断熱層12,12によりリング11を効果的に温度上昇させることができ、且つ、アーク放電による電線30の溶損を防止できる。
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態では、断熱層12,12は、リング11と電線30との間に挟んで一対設けられるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、断熱層をリング状に形成し、この第2のリングをリング11と電線30との間に挟んでも良い。
図6は、融雪リングの参考例を示す断面図である。図6は、この参考例において図5中の上部の部分に対応する一部を拡大した図である。この参考例において、上記実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
融雪リング110は、リング11と、断熱層112,112とを備える。断熱層112,112は、上記実施の形態の断熱層12,12と略同一形状を有しているが、絶縁性樹脂材料で構成されている。また、断熱層112,112は、絶縁性樹脂材料であることから、熱伝導率が低く、リング11よりも高い断熱性を有している。
さらに、断熱層112,112の表面の全体には、導電性材料からなる導電性被覆層112aがメッキ等の方法により形成されている。導電性被覆層112aの体積抵抗率は103Ωcm未満である。
ここで、断熱層112,112は、半導電性樹脂材料で構成されても良い。また、断熱層112,112は樹脂材料に限らず、例えば、セラミックス等で構成されても良い。
隣接する電線30間で融雪リング110を介して短絡が発生した際、電流は、断熱層112,112の表面の導電性被覆層112aを通って融雪リング110から電線30に流れる。このため、断熱層112,112で局所的に絶縁破壊が起こることを防止でき、アーク放電の発生を防止できるため、アーク放電による電線30の溶損を防止できる。また、導電性被覆層112aの内側の断熱層112,112は、絶縁材料であり高い断熱性を有するため、リング11を電線30から断熱でき、リング11を効果的に温度上昇させることができる。
10 融雪リング(電線取り付け用リング)
11 リング(リング部材)
12,12 断熱層(断熱部材)
30 電線

Claims (5)

  1. 電線の外周面との間に断熱層を挟んで嵌合される強磁性体からなるリングを備え、前記断熱層は、体積抵抗率が10 Ωcm未満の導電性材料で構成されるとともに、前記リングよりも高い断熱性を備えることを特徴とする融雪リング。
  2. 電線の外周面との間に断熱層を挟んで嵌合される強磁性体からなるリングを備え、前記断熱層は、導電性材料で構成されるとともに、前記リングよりも高い断熱性を備え、熱伝導率が10W/mK以下であることを特徴とする融雪リング。
  3. 前記断熱層は、導電性を有する樹脂材料であることを特徴とする請求項1または2に記載の融雪リング。
  4. 圧縮加工によりリング形状に成型可能な強磁性体からなるリング部材と、リング形状とされた場合に内側となる面に装着された断熱部材とを有し、当該断熱部材は、体積抵抗率が10 Ωcm未満の導電性材料で構成されるとともに、前記リング部材よりも高い断熱性を備えることを特徴とする電線取り付け用リング。
  5. 圧縮加工によりリング形状に成型可能な強磁性体からなるリング部材と、リング形状とされた場合に内側となる面に装着された断熱部材とを有し、当該断熱部材は、導電性材料で構成されるとともに、前記リング部材よりも高い断熱性を備え、熱伝導率が10W/mK以下であることを特徴とする電線取り付け用リング。
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