JP6148814B2 - ヘルスブース - Google Patents

Description

本発明は、ユーザの又は人々の健康を築く測定を得るためのヘルスブース（health booth）に関する。

人の健康を確立するには、医療関係者の監督下で多くの測定が行われることが必要とされる（体重、心拍、体温等）。

これらの測定は、時々、それらが時間とともにどのように変化するのかを追跡するために定期的に繰り返されなければならない。

医療従事者の義務的な存在は、多くの問題を引き起こす。

まず第一に、医療従事者の密度が低い開発途上国では、特に疫学的な危険性が存在する緊急事態発生時に、医療活動を行うことが困難であることは明らかである。

他の地域では、大規模に個別に又は集合的に精密検査を行うことに対する主たる障害は、上記の医療従事者の存在に伴う比較的高い費用である。

上記の問題に制限をかけるよう、具体的に米国特許第５５５４６４９号明細書（特許文献１）から、患者が電話通信ネットワークを介して遠隔で医師又は他の医療従事者と連絡を取る「テレメディスン（telemedicine）」方法が知られており、患者自身が、ネットワークを介して医師へ送信される多数の測定を行う。

米国特許第５５５４６４９号明細書

留意すべきは、この解決方法は、たとえ遠く離れた場所にあっても、測定が行われる場合に医療従事者の存在を必要とすることから、実際には十分ではない。

必然的に思い付く１つの解決法は、患者自身が、医療関係者と何らの連絡も取らずに、例えば家で、測定を行って、その測定を後の処理のためにリモートセンター（remote center）へ送信することである。

しかし、医用測定はそれが行われる条件（特に、患者のストレス又は疲労、並びに測定を行う時点での気象、音響及び光の環境）と強く結びついていることが知られているので、このようなプロシージャを想定することは困難である。

言い換えると、この情報が知られていない場合は、測定は、十分な信頼性を有して医師によって使用され得ない。

本発明は、主に、上記の欠点を解消することを目的とする。

この目的を達成するよう、本発明は、外郭構造と、少なくとも１つの椅子と、ユーザの健康に関するデータを測定する少なくとも１つの測定手段とを有するヘルスブースに関する。このヘルスブースは、
・測定時に該測定が行われる少なくとも１つの条件を決定する決定手段、及び
・前記条件とともに測定結果をデータ構造に格納する記憶手段
を有する。

本発明との関連で、語「ヘルスブース」は幅広く解釈されるべきであり、ユーザ自身が、遠く離れた場所でさえ、医療関係者が存在する必要性を伴わずに、自身の健康に関する多くの測定を行うことができる、外郭構造（shell）によって定められたあらゆる空間を指す。

本発明という意味のヘルスブースは、例えば、所与の場所に一時的に設置され得るように、可搬型であってよい。本発明との関連で、ヘルスブースは、具体的に、ドナーから血液を回収するために用いられるような乗り物又は移動住宅から成ってよい。

本発明との関連で、ヘルスブースは、また、人々が通る場所（例えば、空港又はホテル）に設置されることを意図された固定構造物から成ってよい。

本発明のヘルスブースと既知の設置物との間の相違は、測定を行う時点での環境条件が測定結果とともにデータ構造に格納されるという事実にある。

従って、医療従事者が測定結果を知らされる場合に、この医療従事者は、その測定が行われた条件を十分に認識しており、データを十分に利用することができる。

本発明の実施例で、前記決定手段は、
・前記ユーザの位置、
・前記外郭構造の内側及び／又は外側の温度、
・前記外郭構造の内側及び／又は外側の音響レベル、
・前記外郭構造の内側及び／又は外側の湿度、並びに
・前記外郭構造の内側及び／又は外側の輝度レベル
の中から少なくとも１つのデータ項目を測定するのに適する。

実際に、これらのデータ項目は少なくとも１つの医用測定の適切な解釈のために必要であることが知られる。

具体的に、ユーザの位置は、測定される血圧に大いに影響を与える。血圧は、着席した状態で、テーブルに腕を置いて、膨張式血圧計バンドを心臓と同じ高さで腕に取り付けられて測定されることが推奨されている。

また、測定される血圧は、血圧を上昇させる傾向がある事象、具体的に、寒さ、騒音、及び身体的努力によって大いに影響を及ぼされることが知られている。

また、環境ストレス及び高温は心拍に大いに影響を与えることが知られている。

また、血中酸素飽和レベルは、周囲の光レベルによって、又は皮膚が曝されている相対湿度によって、大いに影響を及ぼされることが知られている。

一般的に、上記のデータを測定する手段は、計算手段と組み合わされた適切なセンサから成ってよい。

例えば、血圧測定時にユーザが安心して着席していることを確実にするよう、ヘルスブース内の椅子の座部及び背もたれに取り付けられた圧力センサを使用することが考えられてよい。

ユーザの腕が適切な位置にあることを確実にするよう、センサは、ヘルスブース内の椅子の肘掛けに取り付けられてよい。

温度計、マイクロフォン、湿度計、及び光電セルは、外郭構造の内側又は外側の温度、音響レベル、相対湿度及び輝度を測定するために使用されてよい。

好ましい実施形態で、ヘルスブースは、所与の条件が少なくとも１つの所定の基準を満たす場合に医用測定が行われることを確認する手段を有する。

この特徴は、医用測定が最適な条件下で行われ得ることを意味する。

例えば、患者が少なくとも５分間着席しているまで血圧を測定しないと決められてよい。

本発明の一実施例で、特に自然災害後に、たとえ測定条件が最適条件を下回るとしても、緊急措置を行うために多数の医用測定を行うことが重要でありうるから、これらの制御手段は任意的である。

他の実施例で、制御手段は体系的に使用されてよい。

好ましい実施形態で、本発明のヘルスブースの外郭構造は、当該ヘルスブースを少なくとも１つの他のヘルスブースへ連結する少なくとも１つの開口部を有する。

これは、相互接続されているヘルスブースから成る「病院」を形成する。

この特徴は、特に、同じ区域に設置された多数のヘルスブースで或る所定の条件を保証するのに有利である。

例えば、特に暑い地域で、より容易に、個々のヘルスブースでお互いと通信を行う多数のブース内で温度を下げることができる。

有利に、この特徴は、複数のヘルスブースで又は本発明の意味範囲内にある病院で記録されるデータ構造を収集することをより容易にする。

具体的な実施例で、本発明のヘルスブースは電源手段を有する。

この電源手段は、太陽エネルギ、例えば、あるいは開ループ及び／又は閉ループ熱力学サイクルを使用してよい。それらは、ヘルスブースに電気を供給するとともに、ヘルスブース内の温度を調整するために使用される。

かかる電源手段の更なる詳細に関しては、当業者は、仏国特許発明第２４６２５８４号明細書及び仏国特許発明第２５８８６４５号明細書を参照することができる。

本発明の一実施例に従うヘルスブースを表す。 図１のヘルスブースで使用されるコンピュータの接続を示す。 病院を形成するよう相互接続されている本発明の多数のヘルスブースを示す。

本発明の他の特徴及び利点については、図面及び添付の表１を参照して、以下の記載から明らかになる。なお、図面は、本発明の限定されない例を示す。また、添付の表１は、図１のヘルスブースによって生成されるデータ構造の一例を与える。

図１は、本発明の実施例に従うヘルスブース１０を表す。

ヘルスブース１０の主たる構成要素は、外郭構造２０及び椅子３０である。

本発明の別の実施例では、ヘルスブース１０は多数の椅子３０を有してよい。

ヘルスブース１０は、ユーザの健康に関するデータを測定する多数の手段を有する。

ここで記載される実施例では、これらの測定手段は、
・ユーザの血圧を測定するようユーザの腕に取り付けられる血圧計バンド３１（血圧計バンド３１は心拍センサ（図示せず。）を更に有する。）、
・椅子３０に着席した場合にユーザの体重を測定するスケール３２、
・立った姿勢でユーザの身長を測定する高さ測定器３３、及び
・ユーザの血中酸素飽和レベルを測定する酸素濃度計３４
を有する。

ここで記載される実施例で、酸素濃度計３４は、椅子３０の一方の肘掛け３５の端部に固定されている。

本発明に従って、ヘルスブース１０は、医用測定が行われる条件を決定する多数のセンサを有する。

ここで記載される実施例では、これらのセンサは、
・ヘルスブースの扉２５が開いているのか、あるいは閉じられているのかを決定するセンサ４１、
・ユーザが着席しているのかどうかを検出する、椅子３０の座部上の圧力センサ４２、
・ユーザが椅子３０に深く腰掛けているのかどうかを決定する、椅子３０の背もたれにある圧力センサ４３、
・ユーザが足置きに両足を置いているのかどうかを検出する、椅子３０に取り付けられた足置き上の２つのセンサ４４、
・高さ測定器３３により身長を測定し、又は膨張式血圧計バンド３１を用いて立った姿勢で血圧を測定する場合に、ユーザが正確に位置しているのかどうかを決定する、高さ測定器３３の下に配置された２つのセンサ４５、
・外郭構造２０の外側の温度を測定する温度計４６、
・外郭構造２０の内側の温度を測定する温度計４７、
・外郭構造２０の外側の相対湿度を測定する湿度計４８、
・外郭構造２０の内側の相対湿度を測定する湿度計５３、
・ヘルスブース１０の内側の音響レベルを測定するマイクロフォン５０、及び
・外郭構造２０の外側の輝度レベルを測定する光電セル５４
を有する。

ここで記載される実施例で、ヘルスブース１０は、扉２５が閉じられた状態で外郭構造２０の内側の輝度が医用測定を行うのに最適であるように、ヘルスブース１０の内側で所定の輝度を生ずるランプ５５を有する。

本発明に従って、医用測定が行われる場合に、測定が行われた条件は、測定結果とともにデータ構造に格納される。

ここで記載される実施例で、このデータ構造はコンピュータファイルである。

ヘルスブース１０は、上述されたセンサ及び測定器具の夫々が図２に示されるように接続されるコンピュータ６０を有する。

このコンピュータ６０は、下記の表１に示されるファイルを生成するとともに、そのファイルを電話通信ネットワークＲを介してリモートセンター１００へ送信するよう構成される。

ここで記載される実施例で、コンピュータ６０は、外郭構造２０の厚み範囲内に組み込まれている。

ここで記載される具体的な実施例で、コンピュータ６０及びヘルスブース１０の全ての電気設備は、外郭構造２０の厚み範囲内に設置され且つソーラーパネル７１へ接続されているモータ７０によって電力を供給される。

ソーラーパネル７１は、パイプ７２を介してモータ７０に注入される流体を加熱する。モータ７０は、この熱エネルギを用いて、ヘルスブース１０の電気器具が動作するのに必要な電源を生成するとともに、他の流体を圧縮することで冷却を行うことができる。

従って、モータ７０は、具体的に、暖かい空気をヘルスブース１０内に格子７２を介して注入することによって、ヘルスブース１０の内側の温度を調整するよう構成される。

ここで記載されるヘルスブース１０は、更に、換気格子２９と、ユーザとのやり取りのためのタッチセンサ式画面８０とを有する。

以下では、添付の表１に示される形でユーザに対してヘルスファイルを確立するようヘルスブース１０を使用するためのシナリオについて記載する。

ユーザは、扉２５を介してヘルスブース１０に入り、扉２５を開いたままとする。これは、センサ４１によって検出される。

タッチセンサ式画面８０は、ユーザに自身の年齢を入力するよう促すメッセージを示す。この実施例では、医用測定は、このデータ項目が入力されるまで開始することができない。次いで、年齢が表１のファイルに格納される。

ユーザの年齢が入力されると、タッチセンサ式画面８０上のメッセージは、ユーザに高さ測定器３３を用いて自身の身長を測定するよう促す。

ユーザが、センサ４５に位置を合わせられているマーク上に正確に自身の足を置くまで、メッセージはユーザに新たな位置につくよう促す。

次いで、身長が表１のファイルに格納される。

ユーザの身長が測定されると、ユーザは、立った姿勢で血圧を測定するために上記マーク上に立ったままでいるよう促される。血圧計バンド３１にあるセンサは、血圧計バンド３１が正確に取り付けられていることを検出する。

これが検出される場合に、コンピュータ６０はカウンタを起動し、夫々１分後及び５分後に二度の血圧測定を行う。これらの測定の夫々の結果１１．８及び１１．６は、表１のファイルに格納される。

次いで、ユーザは、椅子３０に座るよう促される。

ユーザの体重を測定する前に、ユーザが両足を足置きに置いた状態（センサ４４によって検出される足の位置）で着席していることが（センサ４２によって）確認される。

ユーザの着席が確認された場合は、体重がスケール３２によって測定され、表１のファイルに格納される（８１ｋｇ）。

次いで、タッチセンサ式画面８０上のメッセージは、ユーザに、着席した状態で再び自身の血圧を測定するために血圧計バンド３１を付けるよう促す。

ここで記載される実施例で、血圧測定を最適化するよう、ユーザは、着席して（これはセンサ４２によって検出される。）、腕を肘掛け３５に置いた状態（これは２つの位置センサ８３によって検出される。）で椅子３０に深く腰掛ける（これはセンサ４３によって検出される。）よう求められる。

コンピュータ６０は、この位置を登録すると、ユーザに５分間待つよう求める。

この例では、５分間の遅延時間が過ぎた時に、ユーザは、あいにく、自身の腕を肘掛け３５から外している。

測定される血圧１２．７は、ユーザは着席して深く腰掛けてはいたが、ユーザの腕は肘掛けになかったという事実を表す情報とともに、データ構造に格納される。

血圧計バンド３１を用いてユーザの心拍を測定する時点で、マイクロフォンは非常に高い騒音レベル、すなわち、削岩機によって引き起こされた１２０ｄＢの騒音レベルを検出する。

騒音レベルは心拍に大いに影響を与えることが知られている。

結果として、タッチセンサ式画面８０は、ユーザに、扉２５を閉じるよう促す。これは、センサ４１によって自動で検出される。

次いで、５０ｄＢの騒音レベルが、ヘルスブース１０の内側で測定される。

扉２５が閉じられると、ランプ５５は、１２０ｃｄの最適な輝度レベルを生ずる。

測定が行われる場合に、ヘルスブース１０の内側の温度は１９℃である。

タッチセンサ式画面８０は、ユーザに１分間待つよう促し、次いで、６０ｂｐｍの心拍が表１のファイルに格納される。

最後に、メッセージは、ユーザに、肘掛け３５の端部にある酸素濃度計３４の中に人差し指を置くことによって血中酸素飽和を測定するよう促す。

測定された輝度（１２０ｃｄ）及び相対湿度（４％）は、このＳｐＯ_２血中酸素飽和測定：９５％とともに格納される。

次いで、コンピュータ６０は、ファイルを自動的にリモートセンサ１００へ電話通信ネットワークＲを介して送信する。

ここで記載される実施例で、ヘルスブース１０は、２つの向かい合った取り外し可能な扉９０を有する。

図３に示されるように、これらの扉は、２つのヘルスブースを並んで位置付けて、２つのヘルスブースの間にエアロック通路を作るように取り外し可能な扉９０を除くことによって、「病院」が形成されることを可能にする。

好ましい実施例で、この特定の配置におけるヘルスブース１０は、気密シール９２によってつなぎ合わされている。

Claims (5)

1. 外郭構造と、コンピュータと、少なくとも１つの椅子と、ユーザの健康に関するデータを測定する少なくとも１つの測定手段とを有するヘルスブースであって、
   測定時に該測定が行われる少なくとも１つの条件を決定する決定手段と、
   前記条件とともに測定結果を前記コンピュータ内のデータ構造に格納する記憶手段と、
   前記データ構造をリモートセンターへ送る手段と、
   を有し、
   前記測定結果が前記条件による影響を受けているかどうかを前記リモートセンターの医療従事者が判断するために、前記条件は決定され且つ前記リモートセンターまで前記データ構造において前記測定結果とともに送られ、
   前記決定手段は、前記椅子及び／又は高さ測定器に対する前記ユーザの位置を測定するのに適することを特徴とするヘルスブース。
2. 前記決定手段は、さらに、
   ・前記外郭構造の内側及び／又は外側の温度、
   ・前記外郭構造の内側及び／又は外側の音響レベル、
   ・前記外郭構造の内側及び／又は外側の湿度、並びに
   ・前記外郭構造の内側及び／又は外側の輝度レベル
   の中から少なくとも１つのデータ項目を測定するのに適する、
   ことを特徴とする請求項１記載のヘルスブース。
3. 前記条件が少なくとも１つの所定の基準を満たす場合に前記測定が行われる、ことを特徴とする請求項１又は２記載のヘルスブース。
4. 前記外郭構造は、当該ヘルスブースを少なくとも１つの他のヘルスブースへ接続する少なくとも１つの開口部を有する、
   ことを特徴とする請求項１乃至３のうちいずれか一項記載のヘルスブース。
5. 電源手段を有する、ことを特徴とする請求項１乃至４のうちいずれか一項記載のヘルスブース。

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