JP6148275B2 - 高温用エアフィルタとその製造方法 - Google Patents

高温用エアフィルタとその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6148275B2
JP6148275B2 JP2015065522A JP2015065522A JP6148275B2 JP 6148275 B2 JP6148275 B2 JP 6148275B2 JP 2015065522 A JP2015065522 A JP 2015065522A JP 2015065522 A JP2015065522 A JP 2015065522A JP 6148275 B2 JP6148275 B2 JP 6148275B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
viscosity
sealing material
filter
low
frame
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015065522A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016182587A (ja
Inventor
恒太郎 杉野
恒太郎 杉野
比呂志 鈴木
比呂志 鈴木
貴博 今野
貴博 今野
英雄 峠
英雄 峠
淳二 青根
淳二 青根
藍 上原
藍 上原
美幸 竹内
美幸 竹内
靖弘 原岡
靖弘 原岡
真吾 古畑
真吾 古畑
大輔 高崎
大輔 高崎
忠之 菅原
忠之 菅原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinwa Corp
Original Assignee
Shinwa Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shinwa Corp filed Critical Shinwa Corp
Priority to JP2015065522A priority Critical patent/JP6148275B2/ja
Publication of JP2016182587A publication Critical patent/JP2016182587A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6148275B2 publication Critical patent/JP6148275B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Gasket Seals (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)

Description

本発明は高温用エアフィルタとその製造方法に関する。
気体のろ過を行うために、ガラス繊維等からなるフィルタろ材を有するエアフィルタが広く用いられている。具体的には、微細なガラス繊維等からなるシート材が、ろ過すべき気体の流れ方向に見て上流側に凸の部分と下流側に凸の部分とが交互に位置するように繰り返し折り返されることによってフィルタろ材が構成されている。そのフィルタろ材の折り返し部の内側に、横方向(気体の流れ方向に直交する方向)にジグザグ状に屈曲している波形状のセパレータがそれぞれ挿入されて、フィルタパックが構成されている。このフィルタパックが、ステンレス等からなる枠体(フレーム)内に収容されてエアフィルタが構成されている。
このようなエアフィルタが、例えば、陶磁器の乾燥等に用いられる業務用オーブンの排気口や、焼却炉の排気口や、塗装設備の乾燥炉の吸気口などにおいて、高温(例えば300℃〜600℃)の気体のろ過を行うために用いられる場合がある。通常の空調設備用エアフィルタを高温の空気のろ過に用いると、金属製の枠体やセパレータの熱膨張(伸び)と、ガラス繊維等からなるフィルタろ材の熱膨張(伸び)の差から、フィルタろ材の変形や破損などが生じるおそれがある。その結果、フィルタろ材が擦れることによる塵の発生や、枠体とフィルタろ材との間に隙間が生じることによる不純物のリークなどろ過機能の低下の問題が起こることがある。
特許文献1には、フィルタパックのフィルタろ材と下流側セパレータとが直接接触せず、セラミック接着剤を介して固定されている構成の高温用エアフィルタが提案されている。また、特許文献2には、フィルタろ材の破断伸び率が、枠体を構成するステンレスなどの金属の伸び以上であり、金属製の枠体の伸びによってフィルタろ材が破損することを抑えた高温用エアフィルタが提案されている。特許文献3,4には、フィルタろ材およびセパレータからなるフィルタパックと枠体との間に、ガラス繊維からなるシート材が介在している構成の高温用エアフィルタが開示されている。
一方、特許文献5には、一般的なシール材の一例が示されている。さらに、特許文献6には、フィルタパックと枠体との間に、互いに異なる2種類のシール材(シール部材と塗布剤)が配置された構成のエアフィルタが開示されている。
特開2005−13796号公報 特開2005−21760号公報 特開2009−247963号公報 特開2012−240042号公報 特開2008−120966号公報 特開2014−226570号公報
特許文献1に記載の高温用エアフィルタでは、フィルタパックと枠体とが接着剤で接着されている。すなわち、熱膨張率の異なる2つの部材(フィルタろ材と枠体)が接着剤で固定されているため、熱膨張(伸び)の差によってフィルタろ材と枠体が破損しなくても、両者の間に介在する、強度があまり高くない接着剤が引っ張られて破損するおそれがある。接着剤が破損すると、その破損部分から不純物を含む気体がリークし、ろ過性能が低下するおそれがある。特に、例えば0.3μm程度の微小な粒子を捕捉する高性能のHEPAフィルタ等では、フィルタろ材と枠体とを固定する接着剤が破損すると、十分なろ過性能が得られなくなる。そして、高温用エアフィルタでは、熱による気化や軟化を生じないように、気化温度の高いシリカ等を主成分とする無機系接着剤が用いられることがあるが、無機系接着剤は、枠体を構成するステンレス等の金属との熱膨張率の差が大きいため、破損を生じ易い。
特許文献2に記載の高温用エアフィルタでは、フィルタろ材は枠体に接着されていないため、フィルタろ材と枠体の間に隙間が生じて、不純物を含む気体がリークしてろ過性能が低下するおそれがある。特に、枠体の各部材を固定するボルトの遊びや緩みによってフィルタろ材と枠体の間に僅かな隙間が生じ、例えばHEPAフィルタとして十分なろ過性能が得られなくなるおそれがある。
特許文献3に記載の高温用エアフィルタでは、フィルタパックと枠体との間に、ガラス繊維等からなるシート材が配置されている。この高温用エアフィルタでは、フィルタパックとシート材との間に接着剤が存在しないため、接着剤の破損によるリークを考慮する必要はない。しかし、接着剤が存在せず、フィルタパックとシート材と枠体とがいずれも固定されていないため、これらの間に隙間が生じる可能性がある。
特許文献4に記載の高温用エアフィルタでは、フィルタパックと枠体との間に、ガラス繊維等からなるシート材(パッキン材)と、接着剤とが配置されている。この構成によると、フィルタパックと枠体との間にパッキン材が介在することによって、フィルタパックと枠体の熱膨張の差の影響が緩和されている。しかし、接着剤にひびなどの破損が生じないようにするための対策はとられていない。
特許文献5に記載されているシール材は、80℃〜170℃程度で軟化する熱可塑性ゴム重合体組成物からなり、前述したように例えば300℃〜600℃のガスのろ過を行う業務用オーブンの排気口や、焼却炉の排気口や、塗装設備の乾燥炉の吸気口などに設置されるエアフィルタには使用できない。
特許文献6に記載されているフィルタには、高温で軟化する熱可塑性材料を含有した塗布剤が用いられており、この塗布剤も、例えば300℃〜600℃のガスのろ過を行う業務用オーブンの排気口や、焼却炉の排気口や、塗装設備の乾燥炉の吸気口などに設置されるエアフィルタには使用できない。そもそも特許文献6に記載されているフィルタは、廃棄時の分解のために塗布剤を高温で軟化させて分解可能にしてフィルタろ材を取り外すことを意図しており、高温でも各部材の破損や分解を生じることなくろ過機能を発揮できるようにする高温用エアフィルタとは、正反対の技術的思想を有している。
本発明の目的は、前記した問題点を解決して、高温にさらされても各部材の破損や分解を生じることなく、ろ過機能を発揮し得る高温用エアフィルタとその製造方法を提供することにある。
本発明の特徴は、フィルタろ材とセパレータとから構成されたフィルタパックと、フィルタパックを収容する枠体と、フィルタパックの下端部および上端部と枠体の内面との間にそれぞれ位置する緩衝材と、粘度が異なる2つの非熱可塑性のシール材と、を有する高温用エアフィルタの製造方法において、枠体の底板部の上に緩衝材を配置し、緩衝材の上に、2つのシール材のうち高粘度のシール材を供給し、高粘度のシール材の上にフィルタパックを配置してから、高粘度のシール材緩衝材の内部の一部にしか浸透せず緩衝材と枠体の内面との間には到達しない状態で、高粘度のシール材を乾燥して固化させ、固化した高粘度のシール材の上であってフィルタパックの周囲の位置に、2つのシール材のうち低粘度のシール材を供給してから、低粘度のシール材が、高粘度のシール材に阻止されて緩衝材を透過して緩衝材と枠体の内面との間に到達することはない状態で、低粘度のシール材を乾燥して固化させることを含むところにある。
また、本発明のもう1つの特徴は、フィルタろ材とセパレータとから構成されたフィルタパックと、フィルタパックを収容する枠体と、フィルタパックの下端部および上端部と枠体の内面との間にそれぞれ位置する緩衝材と、粘度が異なる2つの非熱可塑性のシール材と、を有する高温用エアフィルタの製造方法において、枠体の底板部の上に緩衝材を配置し、緩衝材の上に、2つのシール材のうち高粘度のシール材を供給し、高粘度のシール材が乾燥する前に、高粘度のシール材の上に、2つのシール材のうち低粘度のシール材を供給してその後にフィルタパックを配置し、高粘度のシール材が緩衝材の内部の一部にしか浸透せず緩衝材と枠体の内面との間には到達しない状態で、かつ低粘度のシール材が、高粘度のシール材に阻止されて、緩衝材を透過して緩衝材と枠体の内面との間に到達することはない状態で、2つのシール材を乾燥して固化させることを含むところにある。
本発明によると、非熱可塑性の高粘度シール材および非熱可塑性の低粘度シール材を用いることにより、低粘度シール材がフィルタろ材と枠体の接触面に行き渡りつつ、高温でもシール材が軟化せず、高粘度シール材による接着の信頼性が見込めるため、良好なろ過機能を発揮できる。
本発明の一実施形態の高温用エアフィルタの斜視図である。 図1に示す高温用エアフィルタの一部を省略した斜視図である。 図1に示す高温用エアフィルタの要部を拡大して模式的に示す正面断面図である。 図1に示す高温用エアフィルタの要部を拡大して模式的に示す側面断面図である。 本発明の一実施形態の高温用エアフィルタの製造方法の各工程を順番に示す正面断面図と側面断面図である。 本発明の一実施形態の高温用エアフィルタの製造方法の、図4に示す工程に続く各工程を順番に示す正面断面図と側面断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の高温用エアフィルタ1の斜視図であり、図2はその一部(後述する枠体3の天板部3cおよび2つの側板部3bと天板部3c側の緩衝材6)を省略して示す斜視図であり、図3,4はその要部を拡大して模式的に示す正面断面図と側面断面図である。各図面においては、見やすくするために、各部材間の隙間やシール材の寸法(特に厚さ)等を比較的大きく示しているが、実際にはこれらの寸法は微小であり、不純物を含んだ気体がリークすることはない。
高温用エアフィルタ1は、フィルタパック2が枠体3の内部に収容された構成である。フィルタパック2は、フィルタろ材4とセパレータ5とからなる。フィルタろ材4は、例えばガラス繊維からなるシート材が、ろ過すべき気体の流れ方向Fに見て上流側に凸の部分と下流側に凸の部分とが交互に位置するように繰り返し折り返されたものである。セパレータ5はステンレス等の金属からなり、フィルタろ材4の折り返し部の内側にそれぞれ挿入され、下端部と上端部との間で両側方に交互に屈曲を繰り返す波形状に形成されている。すなわち、フィルタパック2は、平面的に見て略ジグザグ状に形成されているフィルタろ材4の内部に、ろ過すべき気体の流れ方向Fに沿って見てジグザグ状に形成されている複数のセパレータ5が配置された構成である。セパレータ5はフィルタろ材4に固着されていない。
本実施形態では、このフィルタパック2が、四角形の枠体3の内部に固着されている。フィルタパック2の下端部と枠体3の底板部3aの内面との間と、フィルタパック2の上端部と枠体3の天板部3cの内面との間とには、それぞれ緩衝材6が配置されている。緩衝材6は、フィルタろ材4と同様にガラス繊維からなる複数のシート材からなり、本実施形態では、2つ折りにされた2枚のシート材が互い違いに配置されている。すなわち、一方のシート材の一端部が、隣り合うシート材の折り返し部の内側に入り込むように配置されている。
枠体3の底板部3aおよび天板部3cの内面と、緩衝材6と、フィルタパック2とが、図3に示す非可塑性の高粘度シール材7と非可塑性の低粘度シール材8とによって固定されている。具体的には、枠体3の底板部3aおよび天板部3cの内面上に緩衝材6が載置され、その上に非熱可塑性の高粘度シール材7が供給されている。さらに、高粘度シール材7の上にフィルタパック2が配置され、高粘度シール材7の上であってフィルタパック2の周囲(特に側方)の位置に非熱可塑性の低粘度シール材8が配置されている。言い換えると、低粘度シール材8は、高粘度シール材7のフィルタパック2側の面に重ねて形成されている。なお、本明細書の説明における「上」および「下」とは、高温用エアフィルタ1を製造するために底板部3aまたは天板部3cに緩衝材6を重ねて載置したりシール材7,8を供給したりする工程中の上下関係を示しており、完成状態の高温用エアフィルタ1における上下関係と必ずしも一致するものではない。
高粘度シール材7は、互い違いに配置された2枚のシート材からなる緩衝材6に浸透していくことはできず、枠体3の内面までは到達しない。また、高粘度シール材7は、上方に置かれたフィルタパック2のフィルタろ材4の内部にある程度浸透するものの、凹状の部分の隅々にまで十分に浸透することはできない。図面中では、高粘度シール材7がフィルタろ材4の一部にのみ浸透して全体にわたって浸透できないことを、2点鎖線を用いて模式的に示している。一方、低粘度シール材8は、フィルタろ材4の周囲からフィルタろ材4の内部に浸透し、凹状の部分の隅々にまで浸透している。従って、固化した高粘度シール材7および低粘度シール材8によって、緩衝材6とフィルタろ材4が強固に接着されている。ただし、緩衝材6と枠体3の内面との間には高粘度シール材7が浸透していないので、緩衝材6は枠体3に固定されていない。なお、金属製のセパレータ5は緩衝材6に線接触した状態で高粘度シール材7によって固定されている。以上説明した構成は、フィルタパック2の上端および下端に共通である。
フィルタパック2の側面にはフィルタろ材4が位置しており、フィルタパック2の側面には、側面接着用部材9が供給されて枠体3に接着されている。側面接着用部材9は、枠体3の底板部3aおよび天板部3cに供給されたのと同じ高粘度シール材7または低粘度シール材8であってもよく、その他の接着剤であってもよい。
本実施形態では、枠体の底板部3aと天板部3cにおいて、高粘度シール材7と低粘度シール材8を併用しており、具体的には、高粘度シール材7を緩衝材6の上に配置し、低粘度シール材8を粘度シール材7の上に配置している。仮に、高粘度シール材7のみによって接着を行うと、高粘度シール材7が接着面に十分に行き渡らず、十分な接着力が得られなかったり、不純物を含む気体をリークさせてしまう隙間が生じたりするおそれがある。また、低粘度シール材8のみによって接着を行うと、低粘度シール材8が乾燥して固化するまでに長い時間がかかるため、生産効率を低下させるおそれがあるとともに、低粘度シール材8がフィルタろ材4の内奥部に浸透し過ぎて接着面に残留する量が不足して接着力が低下するおそれがある。それに対して、本実施形態では、高粘度シール材7と低粘度シール材8を併用してフィルタろ材4の下端部を接着している。特に、高粘度シール材7の上であってフィルタパック2の周囲の位置に供給された低粘度シール材8が、高粘度シール材7が浸透できない凹状の部分の奥にまで行き渡り、強固な接着が可能になる。また、長い乾燥時間を必要とする低粘度シール材8は少量であり、乾燥時間の短い高粘度シール材7と併用されるため、低粘度シール材8のみでフィルタパック2を接着する場合に比べて短時間で乾燥させて固化させることができる。このように、本実施形態では高粘度シール材7と低粘度シール材8とを併用し、その配置(積層関係)を工夫することにより、良好な接着強度と生産効率とを両立させている。低粘度シール材8の粘度は100Pa・S未満、好ましくは50Pa・S以下であり、高粘度シール材7の粘度は100Pa・S以上かつ2000Pa・S以下、好ましくは200Pa・S以上かつ1000Pa・S以下である。低粘度シール材8と高粘度シール材7の供給量の割合は、高粘度シール材7が60〜95%(低粘度シール材8が5〜40%)、好ましくは80〜90%(低粘度シール材8が10〜20%)である。
また、本実施形態によると、フィルタパック2の上端部および下端部と枠体3との間に緩衝材6が介在しており、緩衝材6は枠体3に固着されていない。従って、高温(例えば300℃〜600℃)の空気をろ過することによって温度上昇した際に、例えば熱膨張率が11[1/1000000K]程度のステンレス等の金属からなる枠体3の伸び(熱膨張)と、熱膨張率が0.5[1/1000000K]程度のガラス繊維等からなるフィルタろ材4の伸びとに差があっても、フィルタろ材4および緩衝材6と枠体3とは直接接着されていないので、伸び量の違いによってフィルタろ材4やシール材7,8が破損することはない。しかも、緩衝材6と枠体3は互いに固定されていなくても、ガラス繊維からなるシート材が複数層重ねられた緩衝材6がフィルタろ材4と枠体3の間に圧入された状態であるため、フィルタろ材4と枠体3の間に隙間は生じない。このように、本実施形態によると、熱膨張によるフィルタろ材4やシール材7,8の破損を抑えるとともに、フィルタパック2と枠体3との間からの漏れを防ぎ、ろ過機能の低下を抑えることができる。緩衝材6は、フィルタろ材4の熱膨張率以上かつ枠体3の熱膨張率以下の熱膨張率を有することが好ましい。緩衝材6は、ガラス繊維等からなり2つ折りにされた複数のシート材からなり、シート材の一端部が、隣り合うシート材の凹状の折り返し部の内側に入り込むように配置されているため、不純物を含む気体がこの緩衝材6を透過することはなく、緩衝材6がろ過機能を低下させることはない。
前述したように、本実施形態では、高粘度シール材7を緩衝材6の上に配置し、低粘度シール材8を高粘度シール材7の上に配置している。そのため、高粘度シール材7が緩衝材6内に浸透して枠体3の内面に到達することはなく、緩衝材6が枠体3の内面に直接接着されない。そして、高粘度シール材7が十分に浸透し得ないフィルタろ材4の凹状の部分まで低粘度シール材8が十分に行き渡るため、フィルタろ材4と緩衝材6はしっかりと接着される。低粘度シール材8は高粘度シール材7の上に位置するため、高粘度シール材7に阻止されて、低粘度シール材8が緩衝材6を透過して枠体3の内面に到達することはない。その結果、フィルタろ材4が緩衝材6に接着され、かつ緩衝材6が枠体3の内面に接着されない状態になり、熱膨張によるフィルタろ材4やシール材7,8の破損を抑えつつ、漏れを防いでろ過機能の低下を抑える構成が、容易に実現できる。
なお、フィルタパック2の側面と枠体3との間には緩衝材6は配置されておらず、フィルタパック2の側面には、側面接着用部材9(高粘度シール材7または低粘度シール材8またはその他の接着剤)が供給されて枠体3の内面に接着されている。図1,2に示すように、フィルタろ材4は、ガラス繊維等からなるシート材がジグザグ状に形成された構成であるため、上下方向に比べて横方向に大きな弾力性を有している。従って、フィルタろ材4と枠体3の熱膨張の差があっても、横方向への伸びの差は、ジグザグ状に折り畳まれたフィルタろ材4の弾力性によって吸収され、フィルタろ材4や側面接着用部材が破損する可能性は小さい。また、緩衝材6が存在しないため、少量の側面接着用部材9によってフィルタパック2の側面と枠体3の側板部3bの内面とを接着することができる。従って、少量のみ供給されて固化している側面接着用部材9は、大量の接着用部材が供給されて固化される場合に比べて、破損するおそれが小さい。フィルタパック2の側面にセパレータ5が位置している場合には、枠体3を構成する金属とセパレータ5を構成する金属は同じ(例えばステンレス)であるか、異なっていても熱膨張率の差が小さいので、枠体3またはセパレータ5が破損するおそれは小さい。ちなみに、フィルタパック2の側面と枠体3の間に緩衝材を挟み込んだとしても、本発明の趣旨を変更するものではない。
次に、本実施形態のエアフィルタ1の製造方法について説明する。図5(a)のように添字「」を付与している図面は正面断面図であり、図5(a)のように添字「」を付与している図面は側面断面図である。
まず、図5(a),5(a)に示すように、枠体3の底板部3aの上に、緩衝材6を配置する。緩衝材6は、前述したように、ガラス繊維からなり2つ折りにされた複数のシート材が互い違いに配置され、シート材の一端部が、隣り合うシート材の凹状の折り目部分の内部に進入するように配置されたものである。それから、緩衝材6の上に、非熱可塑性の高粘度シール材7を供給する。高粘度シール材は粘度が高い(例えば100Pa・S以上である)ため、緩衝材6の内部にあまり浸透していかず、枠体3の底板部3aには到達しない。
そして、図5(b),5(b)に示すように、高粘度シール材7の上にフィルタパック2の下端部を配置する。それから、高粘度シール材7を乾燥させて固化させる。高粘度シール材7は短時間で乾燥して固化し、フィルタパック2を緩衝材6に固定する。ただし、フィルタろ材4の凹状の部分や、フィルタろ材4を構成するガラス繊維の微小な隙間には、高粘度シール材7は十分に入り込めないので、この時点での接着強度は十分ではない。
続いて、図5(c),5(c)に示すように、枠体3の2つの側板部3bを、底板部3aの両端部に、図示しないビス等によって取り付ける。フィルタパック2および緩衝材6は、2つの側板部3bに挟持される。それから、低粘度シール材8を供給する。低粘度シール材8は、固化した高粘度シール材7の上方であって、フィルタパック2の周囲、主にフィルタパックの側方の位置に供給される。この低粘度シール部材8は粘度が低い(例えば100Pa・S未満である)ため、図5(d),5(d)に模式的に示すように、フィルタろ材4の凹状の部分や、フィルタろ材4を構成するガラス繊維の微小な隙間にも十分に入り込む。そして、低粘度シール材8を乾燥させて固化させる。これにより、フィルタパック2は緩衝材6に強固に接着される。低粘度シール材8は少量であるため、乾燥時間はさほど長くかからない。このようにして、枠体3の底板部3aおよび2つの側板部3bと緩衝材6およびフィルタパック2とを組み立てる。
一方、図6(a),6(a)に示すように、枠体3の天板部3cを上下反転させて、その上に、前述したのと同様な構成の緩衝材6を配置する。そして、緩衝材6の上に、非熱可塑性の高粘度シール材7を供給する。それから、図5(d),5(d)に示すように固定された枠体3の底板部3aおよび両側板部3bと緩衝材6およびフィルタパック2の組立体を上下反転させて、図6(b),6(b)に示すように枠体3の天板部3cの上に載せる。このとき、枠体3の天板部3cの上の緩衝材6の上の高粘度シール材7の上に、フィルタパック2の上端部が配置される。そして、高粘度シール材7を乾燥させて固化させた後に、天板部3cの両端を2つの側板部3bに、図示しないビス等によって取り付ける。これで、枠体3を構成する4つの部材3a〜3cが固定され、その内部に2つの緩衝材6とフィルタパック2とが収容された状態になる。それから、図6(c),6(c)に示すように、枠体3の天板部3c上の固化した高粘度シール材7の上方であって、フィルタパック2の周囲、主にフィルタパック2の側方の位置に、低粘度シール材8を供給して乾燥させて固化させる。最後に、枠体3の側板部3bとフィルタパック2の側面との間に、側面接着用部材9を供給して固化させる。側面接着用部材9は、高温でも軟化しない非熱可塑性を有する接着剤からなり、高粘度シール材7または低粘度シール材8と同じ材料からなるものであっても、異なる材料からなるものであってもよい。以上のような方法で、図3,4に示す本実施形態の高温用エアフィルタ1が完成する。
なお、枠体3の底板部3aまたは天板部3cの上に高粘度シール材7を充填した後、高粘度シール材7を乾燥させる前に、低粘度シール材8を高粘度シール材7の上に充填し、それからフィルタパック2を固着させることも可能であり、そのような手順であっても本発明の趣旨が変更されるものではない。
このようにして製造したエアフィルタは、高粘度シール材7と低粘度シール材8と側面接着用部材9がいずれも熱可塑性材料を含んでおらず非熱可塑性であるため、高温(例えば300℃〜600℃)の気体のろ過を行う際に高温になってもシール材7,8,9が軟化することはなく、十分な耐熱性を有する。しかも、熱膨張の差によってフィルタろ材4やシール材7,8が破損することが抑えられ、所望のろ過機能を発揮できる。さらに、高粘度シール材7と低粘度シール材8とを併用しているため、フィルタろ材4と緩衝材6との接着の信頼性が高く、かつ、シール材7,8の乾燥および固化に長時間を必要とせず、生産効率の低下を招くことがない。
本発明は、フィルタろ材やシール材のごく微小な破損も許されない高性能のHEPAフィルタに特に適しているが、それに限定されるものではなく、HEPAフィルタよりも低いろ過性能のエアフィルタに採用しても効果的である。
前述した実施形態では、微細な多数のガラス繊維が無機系のバインダーによって固定されてなるシート材によってフィルタろ材4と緩衝材6が形成されているが、これらの材料および構成に限定されるものではない。フィルタろ材4と緩衝材6は同じ材料によって形成されていても、異なる材料によって形成されていてもよい。
1 高温用エアフィルタ
2 フィルタパック
3 枠体
3a 底板部
3b 側板部
3c 天板部
4 フィルタろ材
5 セパレータ
6 緩衝材
7 高粘度シール材
8 低粘度シール材
9 側面接着用部材

Claims (12)

  1. フィルタろ材とセパレータとから構成されたフィルタパックと、前記フィルタパックを収容する枠体と、前記フィルタパックの下端部および上端部と前記枠体の内面との間にそれぞれ位置する緩衝材と、粘度が異なる2つの非熱可塑性のシール材と、を有する高温用エアフィルタの製造方法であって、
    前記枠体の底板部の上に前記緩衝材を配置し、前記緩衝材の上に、前記2つのシール材のうち高粘度のシール材を供給し、前記高粘度のシール材の上に前記フィルタパックを配置してから、前記高粘度のシール材が前記緩衝材の内部の一部にしか浸透せず前記緩衝材と前記枠体の内面との間には到達しない状態で、前記高粘度のシール材を乾燥して固化させ、
    固化した前記高粘度のシール材の上であって前記フィルタパックの周囲の位置に、前記2つのシール材のうち低粘度のシール材を供給してから、前記低粘度のシール材が、前記高粘度のシール材に阻止されて、前記緩衝材を透過して前記緩衝材と前記枠体の内面との間に到達することはない状態で、前記低粘度のシール材を乾燥して固化させることを含む、高温用エアフィルタの製造方法。
  2. フィルタろ材とセパレータとから構成されたフィルタパックと、前記フィルタパックを収容する枠体と、前記フィルタパックの下端部および上端部と前記枠体の内面との間にそれぞれ位置する緩衝材と、粘度が異なる2つの非熱可塑性のシール材と、を有する高温用エアフィルタの製造方法であって、
    前記枠体の底板部の上に前記緩衝材を配置し、前記緩衝材の上に、前記2つのシール材のうち高粘度のシール材を供給し、前記高粘度のシール材が乾燥する前に、前記高粘度のシール材の上に、前記2つのシール材のうち低粘度のシール材を供給してその後に前記フィルタパックを配置し、
    前記高粘度のシール材が前記緩衝材の内部の一部にしか浸透せず前記緩衝材と前記枠体の内面との間には到達しない状態で、かつ前記低粘度のシール材が、前記高粘度のシール材に阻止されて、前記緩衝材を透過して前記緩衝材と前記枠体の内面との間に到達することはない状態で、前記2つのシール材を乾燥して固化させることを含む、高温用エアフィルタの製造方法。
  3. 前記枠体の前記底板部の上の前記緩衝材の上の前記高粘度のシール材の上に前記フィルタパックを配置して、前記高粘度のシール材を乾燥して固化させた後に、前記底板部の両端に、前記枠体の側板部をそれぞれ固定してから、前記低粘度のシール材を供給し、前記低粘度のシール材を乾燥して固化させることによって、前記底板部と2つの前記側板部と前記フィルタパックとからなる組立体を組み立てる、請求項に記載の高温用エアフィルタの製造方法。
  4. 前記枠体の前記底板部の上の前記緩衝材の上に前記高粘度のシール材を供給し、前記高粘度のシール材が乾燥する前に前記高粘度のシール材の上に前記低粘度のシール材を供給して、その上に前記フィルタパックを配置してから、前記底板部の両端に、前記枠体の側板部をそれぞれ固定して、前記底板部と2つの前記側板部と前記フィルタパックとからなる組立体を組み立てる、請求項に記載の高温用エアフィルタの製造方法。
  5. 前記枠体の天板部を上下反転させてから該天板部の上に緩衝材を配置し、前記緩衝材の上に前記高粘度のシール材を供給し、前記組立体を上下反転させて前記天板部の上の前記緩衝材の上の前記高粘度のシール材の上に配置してから、前記高粘度のシール材を乾燥して固化させ、固化した前記高粘度のシール材の上であって前記フィルタパックの周囲の位置に前記低粘度のシール材を供給してから、前記低粘度のシール材を乾燥して固化させることを含む、請求項に記載の高温用エアフィルタの製造方法。
  6. 前記枠体の天板部を上下反転させてから該天板部の上に緩衝材を配置し、前記緩衝材の上に前記高粘度のシール材を供給し、さらにその上に前記低粘度のシール材を供給した後に、前記組立体を上下反転させて前記天板部の上に配置し、前記フィルタパックの周囲の前記高粘度のシール材および前記低粘度のシール材を乾燥させて固化させることを含む、請求項に記載の高温用エアフィルタの製造方法。
  7. 前記低粘度のシール材を、前記フィルタろ材の内部に浸透させる、請求項1から6のいずれか1項に記載の高温用フィルタの製造方法。
  8. 前記高粘度のシール材の上に供給される前記低粘度のシール材の粘度は50Pa・S以下であり、前記緩衝材の上に供給される前記高粘度のシール材の粘度は200Pa・S以上1000Pa・S以下である、請求項1から7のいずれか1項に記載の高温用エアフィルタの製造方法。
  9. 前記高粘度のシール材および前記低粘度のシール材はいずれも、熱可塑性材料を含有しておらず耐熱性を有している、請求項1から8のいずれか1項に記載の高温用エアフィルタの製造方法。
  10. 前記フィルタろ材と前記緩衝材とは直接接着されており、前記緩衝材と前記枠体の内面とは直接接着されていない、請求項1から9のいずれか1項に記載の高温用エアフィルタの製造方法。
  11. 前記緩衝材は、2つ折りにされた複数のシート材からなり、前記シート材の一端部が、隣り合う前記シート材の凹状の折り返し部の内側に入り込むように配置されている、請求項1から10のいずれか1項に記載の高温用エアフィルタの製造方法。
  12. 前記高粘度のシール材の割合は60〜95%である、請求項1から11のいずれか1項に記載の高温用エアフィルタの製造方法。
JP2015065522A 2015-03-27 2015-03-27 高温用エアフィルタとその製造方法 Active JP6148275B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015065522A JP6148275B2 (ja) 2015-03-27 2015-03-27 高温用エアフィルタとその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015065522A JP6148275B2 (ja) 2015-03-27 2015-03-27 高温用エアフィルタとその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016182587A JP2016182587A (ja) 2016-10-20
JP6148275B2 true JP6148275B2 (ja) 2017-06-14

Family

ID=57241666

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015065522A Active JP6148275B2 (ja) 2015-03-27 2015-03-27 高温用エアフィルタとその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6148275B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114746162B (zh) * 2019-11-21 2023-09-08 日本无机株式会社 空气过滤器

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60108333U (ja) * 1983-12-23 1985-07-23 日本碍子株式会社 気体浄化用フイルタ
JPH067894B2 (ja) * 1986-02-26 1994-02-02 日本無機株式会社 エアフイルタのシ−ル方法
US5733452A (en) * 1995-04-21 1998-03-31 Pall Corporation Filter and end cap assembly including a porous layer for sealing with a potting material and method for making the assembly
JP5651425B2 (ja) * 2010-10-22 2015-01-14 日本無機株式会社 耐熱フィルタおよび耐熱フィルタの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016182587A (ja) 2016-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US2884091A (en) Filters
TWI765858B (zh) 用於高溫應用之高效空氣過濾器組件、製造其之方法及其用途
US9393513B2 (en) Air filter unit
JP6148275B2 (ja) 高温用エアフィルタとその製造方法
JP2012091071A (ja) 耐熱フィルタおよび耐熱フィルタの製造方法
JP2012240042A (ja) 高温用エアフィルタ
JP5795860B2 (ja) エアフィルタ装置
WO2016185511A1 (ja) 高温用フィルタ
TW202206170A (zh) 過濾包及具備該過濾包的空氣過濾器
JP4715046B2 (ja) ガスフィルタ装置
CN103796729A (zh) 空气过滤器
JP2009183927A (ja) 高温用エアフィルタ
JP2007125497A (ja) フィルターカートリッジ
JP7287907B2 (ja) エアフィルタ
JP2005238208A (ja) 高温用エアフィルタ
JP2004313888A (ja) 高温用エアフィルタ
JPH08290014A (ja) フィルタエレメント
WO2021100873A1 (ja) エアフィルタ
JP2008260016A (ja) 高温用エアフィルタの製造方法
JP2009247963A (ja) 耐熱フィルタ
JP2010214269A (ja) エアフィルタ
CN115040937A (zh) 可再生空气过滤器
JP2020049433A (ja) フィルタ枠、およびエアフィルタ
JP4142991B2 (ja) 高温用エアフィルタ
JP2023120071A (ja) フィルタ枠およびエアフィルタ

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20161025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170125

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20170223

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170518

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6148275

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250