JP6147664B2 - 2−ヒドロキシアルキル酸から調製されたポリマーを含む組成物 - Google Patents

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Description

ポリラクチドの特性、例えば、ガラス転移温度T、結晶化度、親油性、および分解時間は、ポリマーの立体化学、分子量の変更によって、あるいは好適なコポリマーとの共重合によって変えることができる。ポリラクチドは、様々な用途において用いるために改良することができるが、ポリラクチドは、しばしば、固体凝集物を形成し、これが、ポリラクチドを用いた生物活性剤の製剤化を困難にしている。さらに、ポリラクチドは、ナノ粒子またはマイクロ粒子として製剤化しなければ、あるいは賦形剤をさらに加えなければ、注射物質として使用するのに好適ではない。
そのため、ポリラクチドを含め、当技術分野において一般的に使用されるポリマーの前述の欠点を克服する組成物が必要とされている。これらの必要性または他の必要性は、本発明によって満たされる。
2−ヒドロキシアルキル酸の溶融重縮合によって調製されたポリマーを含む組成物、当該組成物の製造方法、および当該組成物の使用方法について、本明細書において説明する。
放出可能な化学物質と、置換されたまたは非置換のC〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸の溶融重縮合によって調製されたポリマーとの混和物を含む組成物について開示する。
放出可能な化学物質と、置換されたまたは非置換のC〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸および1種またはそれ以上の乳酸またはグリコール酸の溶融重縮合によって調製されたコポリマーとの混和物を含む組成物についても開示する。
置換されたまたは非置換のC〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸の溶融重縮合によって調製されたポリマーを、放出可能な化学物質と混ぜ合わせる工程を含む、医薬組成物の方法についても開示する。
1またはそれ以上置換されたまたは非置換のC〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸の1種または複数種の溶融重縮合の工程を含む、ポリ(ヒドロキシアルキル酸)ポリマーの調製方法についても開示する。
開示する組成物の有効量を被検体に投与する工程を含む、被検体に生物活性剤を送達する方法についても開示する。
本発明の他の目的および利点は、特許請求の範囲、下記の詳細な説明、実施例、および添付の図面から明らかとなるであろう。
スズ触媒を用いた2−ヒドロキシオクタン酸の重合での、反応時間に対する分子量のプロットである。 触媒として硫酸を用いた2−ヒドロキシオクタン酸の重合での、反応時間に対する分子量のプロットである。 2−ヒドロキシオクタン酸の溶融重縮合によって調製された様々な分子量のポリマーでの、剪断速度に対する粘度のプロットである。 2−ヒドロキシオクタン酸の溶融重縮合によって調製したニートポリマー、ならびに1%および5%のNMPをブレンドしたポリマーでの、剪断速度に対する粘度のプロットである。 ネイティブなポリマー、ならびに1%および5%のNMPをブレンドしたポリマーに対する、注入に必要な力のグラフである。 2−ヒドロキシオクタン酸の溶融重縮合によって調製された様々な分子量のポリマーからの、インビトロでのハロペリドール放出のプロットである。
本明細書および下記の請求項においていくつかの用語が参照されるが、それらは、以下の意味を有するものとして定義される。
本明細書全体を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む(「comprise」)」なる語句、または「含む(「comprises」)、もしくは含んでいる(「comprising」)」などの変形は、既定された整数もしくは工程、または複数の整数もしくは工程のグループを包含することを意味するが、その他の整数もしくは工程、または複数の整数もしくは工程のグループを除外することを意味するものではないと理解される。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形(「a」、「an」および「the」)は、文脈から判断して明らかに他の意味であると解すべき場合を除き、複数を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「ある生物活性剤(「a bioactive agent」)」への言及には、2種以上のそのような化学物質の混合物などが含まれる。
「任意の」または「場合により」は、その後に記載される事象または状況が生じ得ることまたは生じ得ないことを意味し、さらに当該説明は、当該事象または状況が生じる場合の事例および生じない場合の事例を含むことを意味する。
範囲は、本明細書において、「約(「about」)」ある特定の値から、および/または「約(「about」)」別の特定の値までとして表現され得る。そのような範囲が表現されている場合、別の態様は、当該ある特定の値から、および/または当該他方の特定の値までを含む。同様に、値が、先行詞「約(「about」)」の使用により近似値として表現される場合、当該特定の値は、別の態様を形成するということが理解されるであろう。さらに、範囲のそれぞれの端点は、他方の端点と関連して、および他方の端点と無関係に、の両方において有意であることが理解されるであろう。
成分の重量パーセントは、相反することが具体的に述べられない限り、当該成分が含まれる製剤または組成物の総重量を基準とする。
「放出可能な化学物質」は、開示されたポリマーと一緒に混合することができ、その後、例えば当該ポリマーが侵食されるときに、ポリマーから放出され得るような化学物質を意味する。
「生物活性剤」は、生物活性を有する化学物質を意味する。当該生物学的化学物質は、疾患、障害、感染などを治療、診断、治癒、軽減、防止(すなわち、予防的に)、改善、調節、またはその他の好ましい効果を有するために使用することができ、。「放出可能な生物活性剤」は、開示されたポリマーから放出され得る生物活性剤である。生物活性剤は、被検体の構造または機能に影響を及ぼす物質、あるいは所定の生理環境に置かれた後に生物活性となるかまたはより生物活性となるプロドラッグも含む。
開示されるポリマーの「多分散指数」または「PDI」は、重量平均分子量(M)を数平均分子量(M)で除したものを意味する。MおよびMは両方とも、当技術分野において公知の様々な特性解析技術、中でも特に、光散乱法、サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)、ゲル透過クロマトグラフィ(GPC)、粘度測定などによって容易に測定することができる。
開示される方法および組成物のために使用することができる、それらと併せて使用することができる、それらの調製において使用することができる、またはそれらの製造物である化合物、組成物および成分について開示する。これらの材料および他の材料は、本明細書において開示され、そして、これらの材料の組み合わせ、サブセット、相互作用、グループなどが開示される場合、これらの化合物それぞれの様々な個別的および集合的な組み合わせおよび順列の具体的言及が明確に開示され得ずとも、それぞれが本明細書において具体的に想定および記載されていると理解される。例えば、いくつかの異なるポリマーおよび化学物質が開示および説明されている場合、相反することが特段示されていない限り、当該ポリマーおよび化学物質の各々およびすべての組み合わせおよび順列が、具体的に想定される。したがって、あるクラスの分子A、BおよびCが、あるクラスの分子D、EおよびFと共に開示され、かつ分子A−Dの組み合わせの例が開示されている場合、それぞれが個別に列挙されていなくても、それぞれが個別的および集合的に想定される。したがって、この例では、A、BおよびC;D、EおよびF;ならびに組み合わせの例A−Dの開示から、組み合わせA−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−EおよびC−Fのそれぞれが具体的に想定され、そしてこれらは開示されていると見なされるべきである。同様に、これらの任意のサブセットまたは組み合わせも、具体的に想定および開示される。したがって、例えば、A、BおよびC;D、EおよびF;かつA−Dの組み合わせの例の開示から、A−E、B−F、およびC−Eのサブグループも具体的に想到され、そしてこれらも開示されていると見なされるべきである。この概念は、これらに限定されるわけでないが、開示された組成物の製造方法および使用方法における工程など、この開示の全ての態様に適用される。したがって、実施することができる様々な追加の工程が存在する場合、これら追加の工程のそれぞれを、開示された方法の任意の特定の実施形態または実施形態の組み合わせと一緒に実施することができ、そしてそのような組み合わせそれぞれが具体的に想定され、開示されていると見なされるべきであることが理解される。
本発明のポリマーは、アルキル−置換乳酸(または2−ヒドロキシアルキル酸)から調製されるポリマーである。当該ポリマーは、環状ジラクトン系モノマーの開環重合よりはむしろ、直鎖状モノマーから調製される。したがって、結果として得られる組成物は、環状モノマーを実質的に含有し得ず、例えば、置換されたまたは非置換のラクチド、グリコリド、またはカプロラクトンを実質的に含有し得ない。
〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸は、一般化すると、以下の構造に相当する:
Figure 0006147664
(式中、Rは、置換されたまたは非置換のC〜C30アルキルであり、Rは、水素または置換されたまたは非置換のアルキルである)。低粘度ポリマーのために、ポリマーの好適な疎水的性質を提供し、かつ結晶化度を減じるためには、Rは好ましくは少なくともCである。一つの態様において、RはC〜C18である。さらなる態様において、RはC〜C12である。特定の態様において、RはC(ヘキシル−置換乳酸)であり、Rは水素である。
さらなる態様において、C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸は、以下の構造に相当する:
Figure 0006147664
(式中、R、RおよびRはそれぞれ、独立して、水素、置換されたまたは非置換のアルキル、アルコキシ、ハロゲン、シアノ、アルキルエステル、アミド、またはアルキルアミドであり;Rは、水素または置換されたまたは非置換のアルキルである。)。
特定の態様において、C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸は、2−ヒドロキシエタン酸、2−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、2−ヒドロキシヘキサン酸、2−ヒドロキシヘプタン酸、2−ヒドロキシオクタン酸、2−ヒドロキシノナン酸、2−ヒドロキシデカン酸、2−ヒドロキシウンデカン酸、2−ヒドロキシドデカン酸、2−ヒドロキシトリデカン酸、2−ヒドロキシテトラデカン酸、2−ヒドロキシペンタデカン酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒドロキシヘプタデカン酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、2−ヒドロキシノナデカン酸、2−ヒドロキシイコサン酸、2−ヒドロキシヘニコサン酸、2−ヒドロキシドコサン酸、2−ヒドロキシトリコサン酸、2−ヒドロキシテトラコサン酸、2−ヒドロキシペンタコサン酸、2−ヒドロキシヘキサコサン酸、2−ヒドロキシヘプタコサン酸、2−ヒドロキシオクタコサン酸、2−ヒドロキシノナコサン酸、2−ヒドロキシトリアコンタン酸、2−ヒドロキシへントリアコンタン酸、または2−ヒドロキシドトリアコンタン酸であり得る。
別の特定の態様において、C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸は、2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸、2−ヒドロキシ−2−エチルブタン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルペンタン酸、2−ヒドロキシ−2−エチルペンタン酸、2−ヒドロキシ−2−プロピルペンタン酸、2−ヒドロキシ−2−ブチルペンタン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルヘキサン酸、2−ヒドロキシ−2−エチルヘキサン酸、2−ヒドロキシ−2−プロピルヘキサン酸、2−ヒドロキシ−2−ブチルヘキサン酸、2−ヒドロキシ−2−ペンチルヘキサン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2−エチルヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2−プロピルヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2−ブチルヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2−ペンチルヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2−ヘキシルヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルオクタン酸、2−ヒドロキシ−2−エチルオクタン酸、2−ヒドロキシ−2−プロピルオクタン酸、2−ヒドロキシ−2−ブチルオクタン酸、2−ヒドロキシ−2−ペンチルオクタン酸、2−ヒドロキシ−2−ヘキシルオクタン酸、または2−ヒドロキシ−2−ヘプチルオクタン酸であり得る。
〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸は、商業的供給元から得るか、または市販の出発物質から合成することができる。例えば、C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸は、スキーム1に従って、対応するアルデヒドから調製することができる。
Figure 0006147664
この手順によれば、アルデヒドがNaHSO水溶液に加えられ、約30分間撹拌され、次いで、NaCN(0.65mol)の水溶液が加えられ、続いてさらに約15分間撹拌され得る。相分離したら、上側の相は硫酸水溶液に直接注がれ、約125℃で約3時間加熱され、次いで、NaOH水溶液に注がれ、約12時間撹拌され得る。次いで、結果として得られるアルカリ溶液は洗浄され、続いてHClによって酸性化され得る。
本発明のポリマーは、C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸の溶融重縮合反応によって調製され、その結果、以下の一般構造に相当する:
Figure 0006147664
(式中、Rは、置換されたまたは非置換のC〜C30アルキルであり、nは少なくとも2であり、Rは、水素または置換されたまたは非置換のアルキルである。)特定の態様において、当該ポリマーは、上記において説明した任意の1種または複数種のC〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸のポリマーであり得る。当該C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸は、任意の好適な立体化学を有し得る。D−、L−、またはD−,L−体などのアルキル酸のすべての形態、例えば、ヘキシル−置換D−乳酸、ヘキシル−置換L−乳酸、またはヘキシル−置換D,L−乳酸などを使用することができる。
本発明のポリマーは、C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸のホモポリマー、上記において説明したような1種以上のC〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸のコポリマー、またはC〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸と別のヒドロキシ−カルボン酸とのコポリマーであり得る。C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸と共重合させることができる他の酸としては、乳酸(D−またはL−)、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、または6−ヒドロキシカプロン酸のうちの1つまたは複数、あるいはそれらの組み合わせが挙げられる。C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸および1種または複数種の他の酸を任意の好適な比率において一緒に共重合させることができる。一つの態様において、当該コポリマーは、約50:50(C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸:他の酸)、約60:40(C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸:他の酸)、約70:30(C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸:他の酸)、約80:20(C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸:他の酸)、約85:15(C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸:他の酸)、約90:10(C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸:他の酸)、または約95:5(C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸:他の酸)のモル比を含む。別の態様において、当該コポリマーは、約40:60(C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸:他の酸)、約30:70(C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸:他の酸)、約20:80(C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸:他の酸)、約15:85(C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸:他の酸)、約10:90(C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸:他の酸)、約05:95(C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸:他の酸)のモル比を含み、約10:90(C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸:他の酸)周辺の比率は、例えば生体分解性フィルムの形成などにおいて関心深いものであり得る。
本発明のポリマーは、C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸のブロック、または上記において説明したような他の酸と共重合したC〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸のブロックを、別のポリマーブロック、例えば、親水性ポリマーのブロックと一緒に含むブロックコポリマーであることもできる。親水性ポリマーの具体例は、メトキシポリ(エチレングリコール)(MPEG)などのアルコキシポリ(エチレングリコール)をはじめとするポリ(エチレングリコール)(PEG)ポリマーである。好適なPEGポリマーの例としては、5,000までの分子量のもの、例えば、PEG 200、PEG 400、PEG 500、PEG 1000、PEG 1500、PEG 2000、MPEG 350、MPEG 550、MPEG 750、MPEG 2000などが挙げられる。
上記において説明したブロックコポリマーは、ある特定の態様において、C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸ブロックと1種または複数種の他のブロックとの親水性の違いに応じて、水に分散されている場合にミセルとして存在し得る。いくつかの態様では、完全なミセルは形成され得ないが、ブロックの少なくとも部分的相分離は存在し得る。いくつかの態様では、ブロックコポリマーは乳化され、さらなる態様においては、完全な相分離も存在し得る。ブロックコポリマーがミセルとして存在する場合、放出可能な作用物質(例えば、放出可能な生物活性剤)は、当該ミセルの内部に存在し得る。当該生物活性剤も、ミセルに吸着またはコンジュゲートされ得る。
〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸は溶融重縮合を用いて重合されるので、当該ポリマーの多分散指数(PDI)は、概して、開環重合によって調製されるポリマーに予想されるPDIより高くなるであろう。通常、開環重合から調製される同様のポリマーは、1.35未満、一般的には1.2未満のPDIを有する。したがって、一つの態様において、開示されるポリマーは、約1.2を上回る多分散指数(PDI)を有する。さらなる態様において、当該ポリマーは、少なくとも1.35の多分散指数(PDI)を有する。さらなる態様において、当該ポリマーは、少なくとも1.4の多分散指数(PDI)を有する。さらなる態様において、当該ポリマーは、少なくとも1.48の多分散指数(PDI)を有する。さらなる態様において、当該ポリマーは、少なくとも1.6の多分散指数(PDI)を有する。さらなる態様において、当該ポリマーは、少なくとも1.8、例えば少なくとも2.0の多分散指数(PDI)を有する。有利なことに、比較的高い多分散指数(PDI)を有する本発明によるポリマーは、改善された粘度および溶媒特性を有する。さらなる態様において、当該ポリマーは、約1.2〜約2.5の多分散指数(PDI)、例えば、約1.4〜約2.5の多分散指数(PDI)を有する。さらなる態様において、当該ポリマーは、約1.2〜約2.0の多分散指数(PDI)を有する。さらなる態様において、当該ポリマーは、約1.35〜約2.0の多分散指数(PDI)を有する。さらなる態様において、当該ポリマーは、約1.4〜約2.0の多分散指数(PDI)、例えば、約1.48〜約2.0の多分散指数(PDI)を有する。
本発明によって調製されるポリマーの多分散指数(PDI)は、所望の医薬用途のために、ポリマーの粘度および溶媒特性を最適化するため、例えば、注入性を改善するため、重縮合条件を変えることによって、とりわけ、重合時間、温度、触媒、または触媒濃度を変えることによって、ある程度まで改良することができる(例えば、約1.2または約1.35〜約2.0またはこれより高い値の範囲内)。
本発明のポリマーの分子量(M)は大いに変動することができ、約60,000ダルトンまで変動し得る。一つの態様において、当該ポリマーは、少なくともC〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸二量体の実際のMw、そして約60,000ダルトンまでのMを有する。さらなる態様において、当該ポリマーは、500〜60,000ダルトンの分子量(M)を有する。さらなる態様において、当該ポリマーは、1,000〜60,000ダルトンの分子量(M)を有する。さらなる態様において、当該ポリマーは、3,000〜60,000ダルトンの分子量(M)を有する。さらなる態様において、当該ポリマーは、10,000〜60,000ダルトンの分子量(M)を有する。さらなる態様において、当該ポリマーは、28,000〜60,000ダルトンの分子量(M)を有する。他の態様において、とりわけ当該ポリマーが、C〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸と、上記において説明したような1種または複数種の他のポリマー、例えば親水性ポリマーとのコポリマーとして存在する場合、当該ポリマーは、60,000ダルトンを超えるMを有し得る。
低粘度組成物およびさらには液体組成物の場合、本発明のポリマーは、好ましくは、より小さいM、例えば、約15,000ダルトン未満のMを有する。一つの態様において、当該ポリマーは、約10,000ダルトン未満のMを有する。さらなる態様において、当該ポリマーは、約8,000ダルトン未満、あるいは約5,000ダルトン未満、例えば、500〜5,000ダルトンのMを有する。上記において説明したように、当該ポリマーは、少なくともC〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸の二量体の実際の分子量である最小分子量を有する。一つの態様において、当該ポリマーは、500〜15,000ダルトンの分子量(M)、例えば、500〜10,000ダルトン、例えば1,000〜10,000ダルトン、例えば3,000〜10,000ダルトンの分子量(M)を有する。下記において説明するように、ポリマーは、粘度調整剤によって改変し、または粘度調整剤と組み合わせることにより、低粘度組成物およびさらには液体組成物としてのそれらの使用を可能にすることができる。ポリマーは、加熱することでも、それらの粘度を低下させることができる。
概して、当該ポリマーは、任意の望ましい粘度を有し得る。一つの態様において、ニートポリマー試料の粘度は、約1000Pa・s未満であり得る。別の態様において、ニートポリマー試料の粘度は、約500Pa・s未満であり得る。別の態様において、ニートポリマー試料の粘度は、約100Pa・s未満であり得る。他の態様において、ニートポリマー試料の粘度は、約0.001〜約600Pa・s(1cp〜60,000cp)、好ましくは約0.1ポイズ〜約20Pa・sであり得る。粘度は、当技術分野において公知の方法、例えばレオメトリーを用いて測定することができる。
当該ポリマーは、アルキルベースの側鎖を有しており、これがポリマーの結晶化度を低下させる。したがって、当該ポリマーは、概して、例えば乳酸から調製されたポリマーより低いガラス転移温度(T)を有するであろう。当該ポリマーのアルキルベースの側鎖は、本質的に、内部可塑剤として機能し、これにより、当該ポリマーの結晶化度が低下する。当該ポリマーのこの特性は、低粘性ポリマーまたはさらに液体ポリマーとして存在する能力にも寄与する。当該ポリマーのTは、数多くの因子に応じて変わり、とりわけ、アルキルベースの側鎖の正確な性質、存在する場合には任意のコモノマーの性質、および分子量に応じて変わる。一つの態様において、当該ポリマーは、約45℃未満のガラス転移温度(T)を示す。さらなる態様において、当該ポリマーは、約20℃未満のガラス転移温度(T)を示す。当該ポリマーは、0℃よりはるかに低いTも有し得る。ガラス転移温度(T)は、示差走査熱量計(DSC)により測定することができる。
本発明のポリマーは、溶融重縮合によって調製され、当該溶融重縮合は、触媒を用いて、または用いずに実施することができる。一つの態様において、当該手順は、有効量の触媒をC〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸(および任意のコモノマー)に加える工程と、少なくとも当該混合物を溶融させるのに有効な温度まで当該混合物を加熱する工程と、この温度を、重合を達成するために(例えば、所望の重合度を達成するために)有効な時間維持する工程とを伴う。重合中は、不活性雰囲気および/または真空が使用され得る。概して、重合温度は、モノマー、触媒および他の条件に応じて、100℃を上回る温度から200℃をはるかに超える温度までの範囲であり得る。一つの態様において、約100℃〜約250℃の範囲の温度、例えば、約120℃〜約200℃の範囲の温度が使用され得る。同様に、重合時間も、所望の重合度、触媒、温度などに応じて、数時間以下から12時間を超えて大幅に変わり得る。いくつかの態様では、反応混合物からの水の除去を補助するために、または重合の後期においてポリマーの分子量(したがって粘度)が変わるのを避けるために、真空下において重合を実施することが望ましくあり得る。重合率および重合度(DP)は、H−NMR分析によって測定することができる。分子量および多分散度は、いくつかある方法の中でも特にゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって測定することができる。
いくつかの態様において、重合は有効量の触媒を用いて実施される。触媒の有効量は、概して、モノマーに対して少なくとも0.1mol%であろう。使用する触媒の量に上限はない。例えば、触媒が、組成物を使用する前に重合混合物から除去する必要のない無害の有機酸である場合、触媒の量は、所望のポリマーが得られる任意の量、例えば、10mol%まで又はそれ以上であり得る。他の態様において、例えば、組成物が、医薬組成物として用いられるのに望ましく、かつ触媒が、被検体または生物学的用途におして有害かもしれない金属触媒である場合、より低いmol%の触媒が所望され得る。例えば、いくつかの態様において、約0.1mol%〜約2.0mol%、例えば0.1mol%〜1.0mol%、例えば0.1mol%〜0.5mol%、の触媒の量が好ましくあり得る。
様々な触媒を使用することができ、そして溶融重縮合は、任意の特定の触媒に限定されない。触媒は、金属系、非金属系、または様々な非金属有機触媒などの酵素系であり得る。好適な金属触媒としては、亜鉛粉末、スズ粉末、アルミニウム、マグネシウムおよびゲルマニウム、金属酸化物、例えば、酸化スズ(II)、酸化アンチモン(III)、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン(IV)および酸化ゲルマニウム(IV)など、金属ハロゲン化物、例えば、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、臭化スズ(II)、臭化スズ(IV)、フッ化アンチモン(III)、フッ化アンチモン(V)、酸化亜鉛、塩化マグネシウムおよび塩化アルミニウムなど、硫酸塩、例えば、硫酸スズ(II)、硫酸亜鉛および硫酸アルミニウムなど、炭酸塩、例えば、炭酸マグネシウムおよび炭酸亜鉛など、ホウ酸塩、例えば、ホウ酸亜鉛など、有機カルボン酸塩、例えば、酢酸スズ(II)、オクタン酸スズ(II)、乳酸スズ(II)、酢酸亜鉛および酢酸アルミニウムなど、有機スルホン酸塩、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸スズ(II)、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、メタンスルホン酸スズ(II)およびp−トルエンスルホン酸スズ(II)などが挙げられる。ジブチルスズジラウレート(DBTL)、Sb、Ti(IV)bu、Ti(IV)isoなど。スズ触媒および他の金属触媒は、開環重合技術において広く使用されており、スズ触媒または他の金属触媒の使用は、残存量のスズまたは他の金属がポリマー生成物中に残ることが知られている(例えば、G.Schwachら,「Influence of polymerization conditions on the hydrolytic degredation of poly(DL−lactide) polymerized in the presence of stannous octoate or zinc−metal」,Biomaterials,23(2002),993−1002頁を参照のこと)。
いくつかの用途において、スズ触媒または他の金属触媒の使用における潜在的な欠点は、残存量の金属触媒またはそれに由来する金属塩が存在するリスクであり、そのような金属またはそれに由来する金属塩が微量でさえ存在することは、医薬用途において、潜在的に有害効果を有し得る。スズ触媒または他の金属触媒の使用における別の潜在的欠点は、当該触媒の除去に有機溶媒を使用する必要があることである。
いくつかの態様において、触媒は非金属系であり、したがって、組成物は、実質的に金属を含まない。他の態様において、触媒は非スズ触媒であり、したがって、組成物は、実質的にスズを含まない。このような組成物は、金属が悪影響を有し得る医薬用途において、望ましくあり得る。非金属酸は、様々な無機酸および有機酸を包含する。酸は、弱酸または強酸であり得る。場合によっては、有機酸は、使用前に組成物から除去する必要がない。弱酸は、当該酸触媒が組成物から除去されないとき好ましくあり得る。有機酸の例としては、酢酸、氷酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−キシレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1−スルホン酸、およびナフタレン−2−スルホン酸などが挙げられる。中でも特に、FDA(米国食品医薬品局)のGRAS(Generally Recognized As Safe)指定を有する酢酸および氷酢酸は、触媒が組成物から除去されないときに、特に価値あるものとなり得る。
好適な無機酸の例としては、硫酸、亜硫酸、リン酸、ホスホン酸などの酸が挙げられる。一つの態様において、触媒は無機酸である。特定の態様において、触媒は硫酸である。
いくつかの態様において、重合は、触媒を用いずに行われる。有利なことに、触媒のない方法の使用は、触媒を除去するためのいかなる精製工程も必要とせず、したがって、方法がさらに簡便化され、結果として得られるポリマーは、いかなる残留触媒も含まない。したがって、触媒の不在下で本発明の重縮合方法によって調製されたポリマーは、医薬用途にとって特に価値あるものであり得る。
概して、当該ポリマーおよび放出可能な化学物質を含む組成物は、液体、固体、半固体、またはゲルであり得る。いくつかの態様において、当該組成物は液体である。このような組成物は、注入可能な組成物または流動可能な組成物として有用である。他の態様において、粘度調整剤、可塑剤、または他の助剤もしくは賦形剤を組成物に加えることにより、当該組成物の粘度を変えることができ、または、下記において説明するように、加えなければ固体であろう組成物を、液体にすることもできる。当該放出可能な化学物質は、ポリマーおよび/または、存在する場合には、他の添加剤および賦形剤に、溶解、分散、または別の方法で混合することができる。他の態様において、例えば、ポリマーが、ミセルであるかまたは相隔離したモルホロジ−を有する場合、放出可能な化学物質を当該ポリマー内に含有させることができる。
当該組成物は、多くの被検体、植物、生産品に適用することができ、その後、所望の位置の上および中へ、放出可能な化学物質を放出することができる。したがって、様々な態様において、当該組成物は、注入、例えば被検体の中への注入、噴霧、例えば植物上への噴霧、擦り込み、塗布、スピンキャスト、または別の方法により適用することができる。
当該ポリマーおよび放出可能な化学物質を含む組成物は、様々な態様において、他の成分、例えば粘度調整剤を含み得る。粘度調整剤の例としては、可塑剤、助剤および溶媒が挙げられる。所望の場合、当該ポリマーにより放出可能な化学物質を製剤化するために、溶媒を使用することができる。所望の場合、これらの溶媒が組成物中に残存していてもよい。組成物中に存在していてもよい他の成分、例えば粘度調整剤の量は変動することができ、概して、組成物の約50重量%未満であろう。一つの態様において、当該粘度調整剤は、微量から当該組成物の50重量%までの量において存在する。さらなる態様において、当該粘度調整剤は、微量から当該組成物の25重量%までの量において存在する。さらなる態様において、当該粘度調整剤は、微量から当該組成物の20重量%までの量において存在する。さらなる態様において、当該粘度調整剤は、微量から当該組成物の15重量%までの量において存在する。さらなる態様において、当該粘度調整剤は、微量から当該組成物の10重量%までの量において存在する。さらなる態様において、当該粘度調整剤は、微量から当該組成物の5重量%までの量において存在する。さらなる態様において、当該粘度調整剤は、微量から当該組成物の1重量%までの量において存在する。微量は、約1%以下、例えば、0.1%、0.2%、または0.5%を意味する。
水溶性ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール、タンパク質、多糖類、またはカルボキシメチルセルロースなど、界面活性剤、可塑剤、高分子量または低分子量ポロシゲン、例えば、ポリマーまたは塩または糖類など、あるいは疎水性低分子量化合物、例えば、コレステロールまたはワックスなど、の様々な助剤を、組成物と組み合わせて使用することができる。いくつかの態様では、N−メチルピロリドン(NMP)を加えることにより、当該ポリマーの粘度を変更することができる。例えば、賦形剤、薬学的に許容される担体もしくはアジュバント、マイクロ粒子などの他の成分を当該組成物と組み合わせてもよく、または当該組成物中に存在してもよい。
いくつかの態様においては、置換されたまたは非置換のC〜C32の2−ヒドロキシアルキル酸の溶融重縮合または溶融共重縮合によって調製される、低分子量および低粘度を有する別のポリマーを組成物に加えることにより、当該組成物のポリマーの粘度を変更することができる。
本発明のポリマーと組み合わせて、様々な他のポリマーを使用することができ、そしてこれらは、当該組成物中に存在していてもよい。例としては、ポリグリコリド(PG)、ポリラクチド(PL)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリジオキサノン(PDO)、ポリD,L−ラクチド−グリコリド共重合体(D,L−PLG)およびポリL−ラクチド−グリコリド共重合体(L−PLG)、ポリ(ヒドロキシルアルカノエート)(PHA)、ならびに他の生分解性ポリマーおよび生体適合性ポリマーが挙げられる。使用することができる生体適合性ポリマーとしては、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ無水物、ポリアミン、ポリ(エチレンイミン)ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリオルトエステル、ポリジオキサノン、ポリアセタール、ポリケタール、ポリカーボネート、ポリリン酸エステル、ポリブチレン、ポリテレフタレート、ポリオルトカーボネート、ポリホスファゼン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリスクシネート、ポリ(リンゴ酸)、ポリ(アミノ酸)、ポリビニルピロリドン、ポリヒドロキシセルロース、多糖類、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、ならびにこれらのコポリマー、ターポリマーおよび混合物が挙げられる。合成ポリマーおよび/または天然ポリマーを、第二のポリマーとして、本発明のポリマーと組み合わせて使用することができる。当該ポリマーは、一緒に混和することができ、または別の方法において組み合わせて使用することもできる。
当該ポリマーを他のラクチドベースのポリマーと組み合わせて使用する場合、当該ラクチドベースのポリマーは、L−ラクチド、D−ラクチドおよびD,L−ラクチド、あるいはこれらの混合物などのラクチドのすべてのラセミ体および立体特異的形態を含む任意のラクチド残基を含み得るが、これらに限定されない。ラクチドを含む有用なポリマーとしては、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D−ラクチド)、およびポリ(DL−ラクチド);並びにポリL−ラクチド−グリコリド共重合体、ポリD−ラクチド−グリコリド共重合体およびポリDL−ラクチド−グリコリド共重合体などのポリラクチド−グリコリド共重合体;あるいはこれらのコポリマー、ターポリマー、組み合わせ、またはブレンドが挙げられるが、これらに限定されない。ラクチド/グリコリドポリマーは、ラクチドおよびグリコリドモノマーの開環により作製することができる。さらに、ラセミ体のDL−ラクチドポリマー、L−ラクチドポリマーおよびD−ラクチドポリマーは、市販されている。L−ポリマーは、DL−ポリマーに比べより結晶性であり、より再吸収が遅い。グリコリドおよびDL−ラクチドまたはL−ラクチドを含むコポリマー以外に、L−ラクチドとDL−ラクチドのコポリマーも市販されている。ラクチドまたはグリコリドのホモポリマーも市販されている。
いくつかの態様において、上記において簡単に説明したように、結果として得られる組成物の物理特性を変える(例えば、TまたはTを下げる)ためには、開示されるポリマーを1種または複数種の可塑剤と接触させるかまたは混和することが望ましくあり得る。使用することができる可塑剤としては、中でも特に、FDA承認された、またはGRAS指定されたすべての可塑剤、例えば、安息香酸ベンジル、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、クロロブタノール、デキストリン、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジメチル、フタル酸アセチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン、グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、モノグリセリド、モノアセチル化およびジアセチル化モノグリセリド、グリセロール、マンニトール、鉱油およびラノリンアルコール、ワセリンおよびラノリンアルコール、ヒマシ油、植物油、ココナツ油、ポリエチレングリコール、ポリメタクリレートおよびそのコポリマー、ポリビニル−ピロリドン、プロピレンカーボネート、プロピレングリコール、ソルビトール、坐剤基剤、ジアセチン、トリアセチン、トリエタノールアミン、クエン酸のエステル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチルおよびリン酸のエステル、NMP、DMSO、ならびに、FDA GRAS指定の油、例えば、胡麻油、ピーナッツ油、オリーブ油などの植物油が挙げられる。
当該ポリマーおよび1種または複数種の粘度調整剤を含む組成物は、任意の望ましい粘度を有し得る。いくつかの態様において、そのような組成物は、約0.001〜約200Pa・s、好ましくは約0.001〜約50Pa・s、より好ましくは約0.001〜約20Pa・s(1cP〜20,000cP)、より好ましくは約0.1Pa・s〜約20Pa・sの粘度を有し得る。したがって、ニート形態のポリマーは、任意の好適な粘度を有することができ、そのようなポリマーを粘度調整剤と組み合わせることにより、所望の粘度、例えば、注入可能な組成物にとって好適な粘度、を有する組成物を提供することができる。
当該ポリマーは、侵食されて、組成物中の化学物質を放出させ得る。当該ポリマーは、生体適合性または生分解性でもあることができ、したがって、当該ポリマーは、体液または組織中において侵食され得る。様々な放出可能な化学物質を、当該組成物中において使用することができる。概して、経時的放出が所望される任意の化学物質を使用することができる。したがって、当該放出可能な化学物質は、生物活性剤、化粧用物質(例えばローション)、または他の物質(例えば、農業生産物)であり得る。放出可能な化学物質は、ポリマー中に溶解または分散され、そして任意の好適な量で存在し、当該好適な量は、概して、組成物の目的の用途に応じて変わるであろう。特定の態様において、当該放出可能な化学物質は、ポリマー中に溶解している。
一つの特定の態様において、当該放出可能な化学物質は、生物活性剤である。多種多様の生物活性剤を、組成物と共に使用することができる。当該生物活性剤は、ポリマーとブレンドまたは混和するか、あるいは別の方法で混ぜ合わせることができる。一つの態様において、当該生物活性剤は、例えば砂糖と一緒に噴霧乾燥するなど、規定の粒子に予備製剤化することができる。一つの態様において、当該生物活性化合物は、ポリマー中に完全に溶解され得る。別の態様において、当該生物活性剤の少なくとも一部は、ポリマー中に溶解され得る。さらなる態様において、当該生物活性剤の少なくとも一部は、ポリマー中に分散され得る。
生物活性剤およびポリマーの混和は、追加の溶媒(ポリマー以外)を用いて、または用いずに、実施することができる。一つの態様において、当該混和は、追加の溶媒(ポリマー以外)を用いずに実施することができる。したがって、この態様においては、当該混和工程の後に、溶媒除去工程を必要としない。
組成物中に組み込まれた生物活性剤の量は、特定の薬物、所望の治療効果、および所望の時間間隔に応じて変わる。様々な組成物が、様々な目的に対する治療のための投薬計画を提供することを目的としているため、組成物中に組み込まれる薬物の量に臨界的な上限または下限はない。下限は、概して、薬物の活性および手段からの放出の時間間隔に依存するであろう。医薬分野の当業者であれば、所定の薬物の毒性レベルおよび最小有効用量を特定することができる。
ポリマーから被検体へ放出されることが可能な、生物活性剤の様々な形態を使用することができる。液体または固体の生物活性剤を、本明細書において記載される組成物中に組み込むことができる。生物活性化剤は、水溶性または非水溶性であり得る。いくつかの態様において、生物活性剤は、中程度の水溶性であり、好ましくは、ほんのわずかに又は極めてわずかに水溶性であることができる。生物活性剤は、有効成分の塩を含み得る。そのため、生物活性剤は、酸性、塩基性、または両性塩であり得る。それらは、非イオン性分子、極性分子、または水素結合することができる分子錯体であり得る。生物活性剤を、例えば、非荷電性分子、分子錯体、塩、エーテル、エステル、アミド、ポリマー薬物コンジュゲート、プロドラッグなどの形態、または他の形態において組成物中に含ませることにより、より有効な生物活性または生理活性を提供することができる。
本明細書において、組成物中に組み込むことができる生物活性剤の例としては、低分子、ペプチド、タンパク質、例えば、ホルモン、酵素、抗体、抗体断片、抗体コンジュゲート、核酸、例えば、アプタマー、iRNA、siRNA、DNA、RNA、アンチセンス核酸など、アンチセンス核酸類似体など、VEGF阻害剤、マクロ環状ラクトン、ドーパミンアゴニスト、ドーパミンアンタゴニスト、低分子量化合物、または高分子量化合物、コンジュゲートした生物活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。開示された組成物における使用に想定される生物活性剤としては、同化剤、制酸剤、抗喘息薬、抗コレステロール薬および抗高脂血薬、抗凝血剤、抗痙攣剤、下痢止め薬、制吐薬、抗菌薬、抗ウイルス薬および抗微生物薬などの抗感染症薬、抗炎症薬、抗躁薬、代謝拮抗剤、制嘔吐剤、抗腫瘍薬、抗肥満薬、解熱薬および鎮痛薬、鎮痙薬、抗血栓剤、鎮咳薬、抗尿酸血症薬、抗狭心症薬、抗ヒスタミン剤、食欲抑制剤、生物学的製剤、脳拡張薬、冠状動脈拡張薬、気管支拡張薬、細胞毒性薬、充血除去剤、利尿薬、診断用薬、赤血球生成薬、去痰薬、胃腸鎮静剤、血糖上昇剤、睡眠薬、血糖降下剤、免疫抑制薬、イオン交換樹脂、下剤、ミネラルサプリメント、粘液溶解薬、神経筋薬、末梢血管拡張剤、向精神薬、鎮静剤、興奮剤、甲状腺薬および抗甲状腺薬、組織増殖剤、子宮弛緩薬、ビタミン、または抗原性物質が挙げられる。
他の生物活性剤としては、アンドロゲン阻害剤、多糖類、成長因子、ホルモン、抗血管形成因子、デキストロメトルファン、臭化水素酸デキストロメトルファン、ノスカピン、クエン酸カルベタペンタン、塩酸クロフェジアノール、マレイン酸クロルフェニラミン、酒石酸フェニンダミン、マレイン酸ピリラミン、コハク酸ドキシラミン、クエン酸フェニルトロキサミン、塩酸フェニレフリン、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸プソイドエフェドリン、エフェドリン、リン酸コデイン、硫酸コデイン、モルヒネ、ミネラルサプリメント、コレスチラミン、N−アセチルプロカインアミド、アセトアミノフェン、アセチルサリチル酸、イブプロフェン、塩酸フェニルプロパノラミン、カフェイン、グアイフェネシン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、アミノ酸、ホルモン、インターフェロン、サイトカインおよびワクチンが挙げられる。
組成物中の生物活性剤として使用することができる代表的な薬物としては、ペプチド薬、タンパク質薬物、治療抗体、脱感作物質、抗原、抗感染症薬、例えば、抗生物質、抗微生物薬、抗ウイルス物質、抗菌物質、抗寄生虫物質、抗真菌物質およびそれらの組み合わせなど、抗アレルギー物質、アンドロゲン性ステロイド、充血除去剤、睡眠薬、ステロイド性抗炎症薬、抗コリン薬、交感神経興奮薬、鎮静剤、縮瞳薬、精神賦活剤、精神安定剤、ワクチン、エストロゲン、黄体ホルモン薬、体液性剤、プロスタグランジン、鎮痛剤、抗痙攣剤、抗マラリア薬、抗ヒスタミン剤、心臓作用薬、非ステロイド性抗炎症薬、抗パーキンソン病薬、血圧降下薬、β−アドレナリン遮断薬、栄養剤、ならびにベンゾフェナントリジンアルカロイドが挙げられるが、これらに限定されない。当該化学物質はさらに、興奮剤、鎮静剤、催眠剤、鎮痛剤、抗痙攣薬などとして機能することができる物質であり得る。
他の生物活性剤としては、鎮痛剤、例えば、アセトアミノフェン、アセチルサリチル酸など;麻酔薬、例えば、リドカイン、キシロカインなど:食欲抑制薬、例えば、デキセドリン、酒石酸フェンジメトラジンなど;抗関節炎薬、例えば、メチルプレドニゾロン、イブプロフェンなど;抗喘息薬、例えば、硫酸テルブタリン、テオフィリン、エフェドリンなど;スルフィソキサゾール、ペニシリンG、アンピシリン、セファロスポリン、アミカシン、ゲンタマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、クリンダマイシン、イソニアジド、リファンピシンなどの抗生物質;抗真菌剤、例えば、アムホテリシンB、ナイスタチン、ケトコナゾールなど;抗ウイルス剤、例えば、アシクロビル、アマンタジンなど;抗癌剤、例えば、シクロホスファミド、メトトレキサート、エトレチナートなど;抗凝血剤、例えば、ヘパリン、ワルファリンなど;抗痙攣剤、例えば、フェニトインナトリウム、ジアゼパムなど;抗鬱剤、例えば、イソカルボキサジド、アモキサピンなど;抗ヒスタミン剤、例えば、ジフェンヒドラミンHCl、マレイン酸クロルフェニラミン、ロラタジンなど;ホルモン、例えば、インスリン、プロゲスチン、エストロゲン、コルチコイド、グルココルチコイド、アンドロゲンなど;精神安定剤、例えば、ソラジン、ジアゼパム、クロルプロマジンHCl、レセルピン、クロルジアゼポキシドHClなど;抗痙攣剤、例えば、ベラドンナアルカロイド、塩酸ジシクロミンなど;抗精神病薬、例えば、ハロペリドール、リスペリドンなど;ビタミンおよびミネラル、例えば、必須アミノ酸、カルシウム、鉄、カリウム、亜鉛、ビタミンB12など;心臓血管作用薬、例えば、プラゾシンHCl、ニトログリセリン、プロプラノロールHCl、ヒドララジンHCl、パンクレリパーゼ、コハク酸デヒドロゲナーゼなど;ペプチドおよびタンパク質、例えば、LHRH、ソマトスタチン、カルシトニン、成長ホルモン、グルカゴン様ペプチド、成長ホルモン放出因子、アンジオテンシン、FSH、EGF、骨形態形成タンパク質(BMP)、エリスロポエチン(EPO)、インターフェロン、インターロイキン、コラーゲン、フィブリノゲン、インスリン、第VIII因子、第IX因子、Enbrel(登録商標)、Rituxan(登録商標)、Herceptin(登録商標)、α−グルコシダーゼ、Cerazyme/Ceredose(登録商標)、バソプレシン、ACTH、ヒト血清アルブミン、γ−グロブリン、構造タンパク質、血液製剤タンパク質、複合タンパク質、酵素、抗体、モノクローナル抗体など;プロスタグランジン;核酸;炭水化物;脂質;麻酔薬、例えば、モルヒネ、コデインなど、精神治療物質;抗マラリア薬、L−ドーパ、利尿薬、例えば、フロセミド、スピロノラクトンなど;抗潰瘍薬、例えば、ラニチジンHCl、シメチジンHClなどが挙げられるが、これらに限定されない。
生物活性剤は、例えば、サイトカイン、インターロイキン、インターフェロン、コロニー刺激因子、腫瘍壊死因子などをはじめとする免疫調節剤;アレルゲン、例えば、ネコの鱗屑、カバノキの花粉、イエダニ、草の花粉など;細菌性生物の抗原、例えば、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyrogenes)、ジフテリア菌(Corynebacterium diphteriae)、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、破傷風菌(Clostridium tetani)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、髄膜炎菌(Neisseria meningitides)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、ミュータンス連鎖球菌(Streptococcus mutans)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、チフス菌(Salmonella typhi)、パラインフルエンザ菌(Haemophilus parainfluenzae)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、野兎病菌(Francisella tularensis)、ペスト菌(Yersinia pestis)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、らい菌(Mycobacterium leprae)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、レプトスピラ・インテロガン(Leptspirosis interrogans)、ライム病ボレリア(Borrelia burgdorferi)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)など;例えば、天然痘、インフルエンザA型およびB型、RSウイルス感染症、パラインフルエンザ、麻疹、HIV、SARS、水痘帯状疱疹、単純ヘルペス1型および2型、サイトメガロウイルス(cytomeglavirus)、エプスタイン・バー、ロタウイルス、ライノウイルス、アデノウイルス、パピローマウイルス、ポリオウイルス、ムンプス、狂犬病、風疹、コクサッキーウイルス、ウマ脳炎、日本脳炎、黄熱病、リフトバレー熱、リンパ球性脈絡髄膜炎、B型肝炎などのウイルスの抗原;真菌、原生動物および寄生生物の抗原、例えば、クリプトコックス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、ヒストプラズマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、ノカルジア・アステロイデス(Nocardia asteroids)、リケッチア・リケッチイ(Rickettsia ricketsii)、リケッチア・チフィ(Rickettsia typhi)、マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)、クラミジア・ジッタシ(Chlamyda psittaci)、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、トリパノソーマ・ブルーセイ(Trypanasoma brucei)、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)、トキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)、膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)、マンソン住血吸虫(Schistosoma mansoni)などでもあり得る。これらの抗原は、死菌全体、弱毒化された微生物、ペプチド、タンパク質、糖タンパク質、炭水化物、またはそれらの組み合わせの形態であってよい。
さらなる特定の態様において、生物活性剤は抗生物質を含む。抗生物質は、例えば、
アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルミシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、パロモマイシン、アンサマイシン、ゲルダナマイシン、ハービマイシン、カルバセフェム、ロラカルベフ、カルバペネム、エルタペネム、ドリペネム、イミペネム/シラスタチン、メロペネム、セファロスポリン(第一世代)、セファドロキシル、セファゾリン、セファロチン、セファレキシン、セファロスポリン(第二世代)、セファクロール、セファマンドール、セフォキシチン、セフプロジル、セフロキシム、セファロスポリン(第三世代)、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セファロスポリン(第四世代)、セフェピム、セファロスポリン(第五世代)、セフトビプロール、糖ペプチド、テイコプラニン、バンコマイシン、マクロライド、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、テリスロマイシン、スペクチノマイシン、モノバクタム、アズトレオナム、ペニシリン、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリン、ピペラシリン、チカルシリン、ポリペプチド、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシンB、キノロン、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン、スルホンアミド、マフェニド、プロントジル(初期)、スルファセタミド、スルファメチゾール、スルファニルアミド(初期)、スルファサラジン、スルフィソキサゾール、トリメトプリム、トリメトプリム−スルファメトキサゾール(コトリモキサゾール)(TMP−SMX)、および、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリンなどのテトラサイクリン;アルスフェナミン、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、リンコマイシン、エタンブトール、ホスホマイシン、フシジン酸、フラゾリドン、イソニアジド、リネゾリド、メトロニダゾール、ムピロシン、ニトロフラントイン、プラテンシマイシン、ピラジンアミド、キヌプリスチン/ダルホプリスチン、リファンピシン(米国ではリファンピン)、チニダゾール、ロピニロール(ropinerole)、イベルメクチン、モキシデクチン、アファメラノタイド、シレンジタイド、またはこれらの組み合わせのうちの1種もしくは複数種であり得る。一つの態様において、生物活性剤は、リファンピシン(米国ではリファンピン)およびミノサイクリンの組み合わせであり得る。
当該組成物は、上記において説明したように、様々な用途、例えば、とりわけ化粧品、農業品、医薬品において使用することができる。一つの特定の態様において、当該組成物は、医薬組成物として使用することができる。医薬組成物の場合、放出可能な化学物質は、概して生物活性剤であろうが、必ずしもそうである必要はない。例えば、放出可能な化学物質は、非生物活性物質であってもよく、それでも医薬組成物において使用することができる。当該ポリマーおよび化学物質を含む様々な医薬組成物は、例えば単位投薬形態または制御放出投薬形態などの所望の投薬形態において都合良く調製することができ、そして薬学の技術分野において周知の任意の方法によって調製することができる。一般的に、医薬組成物は、化学物質を、担体または微粉化した固体担体あるいはその両方と均一かつ密接に結び付けることによって調製される。いくつかの態様において、当該ポリマーは、それ自体が担体であることができ、および/または他の担体または助剤と組み合わせることもできる。他の医薬担体も使用することができる。ポリマー(固体の場合)以外の固体担体の例としては、ラクトース、白土、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、およびステアリン酸が挙げられる。ポリマー(液体の場合)以外の液体担体の例は、シュガーシロップ、ピーナッツ油、オリーブ油、および水である。ガス状担体の例としては、二酸化炭素および窒素が挙げられる。他の薬学的に許容される担体または当該生物活性剤と混合することができる成分は、例えば、脂肪酸、砂糖、または塩を挙げることができる。
本発明のある特定のポリマー(例えば、高分子量のポリマー)は、蝋様であってもよく、したがって、注入可能ではない。しかしながら、これらのアルキル置換ポリラクチドは、通常のポリラクチドおよびポリラクチド−グリコリドコポリマーに対して、非常に疎水性でかつ親油性である望ましい特性を維持することができるため、医薬用途を含む多くの用途にとって利点を有する。いくつかの態様において、ある特定のポリマーは、より良好な薬物放出の制御を示し得るが、必ずしも注入可能ではない。したがって、ある特定の実施形態において、非注入可能なアルキル置換ポリラクチドを、可塑剤または他の物質と当該アルキル置換ポリラクチドとを混和することによって注入可能にすることができる。さらなる態様において、非注入可能なアルキル置換ポリラクチドを、例えば上記において説明した助剤を用いてポリマーの粘度を減じることによって、または、注入物質を投与する直前に加熱することによって、注入可能にすることができる。
一つの態様において、当該組成物は、キット中に存在し得る。当該キットは、組成物のための好適なパッケージまたは容器を含み得る。例としては、無菌包装が挙げられるが、これに限定されない。開示される組成物は、注入可能な組成物としての使用に好適であるので、キットは、当該組成物が充填された注入手段を含む、あらかじめ同梱された注入手段を含み得る。好適な注入手段としては、注射器、トロカールなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
上記において説明したように、当該組成物は、例えば生物活性剤が有効な障害を治療するために、当該生物活性剤を、それを必要とする被検体に投与するために使用することができる。当該組成物は、被検体の任意の組織または体液に投与することができる。同様に、投与の方法も、任意の好適な方法、例えば、非経口投与、経口投与、経腸投与、局所投与などであり得る。いくつかの態様において、1種または複数種の低粘度ポリマーを含む液体組成物が、被検体へと注入され得る。投与される組成物の性質は、概して、生物活性剤の所望の投与量に基づいて選択され、当該量は、障害に応じて大きく変わるであろうが、医薬分野の熟練者によって容易に特定することができる。
組成物の「有効量」とは、所望の治療結果を達成するであろう組成物の量を意味する。したがって、有効量は、組成物、生物活性剤、および治療を受ける障害または症状に応じて、大きく変わるであろう。被検体に投与される組成物の投与量の実際の有効量は、身体的および生理的要因、例えば、体重、症状の重症度、治療される疾患のタイプ、以前のまたは同時の治療介入、患者の突発性疾患によって決定され、そして投与経路に応じて変わり得る。投与量および投与経路に応じて、好ましい投与量および/または有効量の投与回数は、被検体の奏効に従って変わり得る。当業者は、開示される医薬組成物の有効量を決定することができる。
いくつかの非限定的な例において、用量は、投与あたり、約0.01マイクログラム/kg/体重、約0.1マイクログラム/kg/体重、約1マイクログラム/kg/体重、約5マイクログラム/kg/体重、約10マイクログラム/kg/体重、約50マイクログラム/kg/体重、約100マイクログラム/kg/体重、約200マイクログラム/kg/体重、約350マイクログラム/kg/体重、約500マイクログラム/kg/体重、約1ミリグラム/kg/体重、約5ミリグラム/kg/体重、約10ミリグラム/kg/体重、約50ミリグラム/kg/体重、約100ミリグラム/kg/体重、約200ミリグラム/kg/体重、約350ミリグラム/kg/体重、約500ミリグラム/kg/体重から、約1000mg/kg/体重まで、またはそれ以上、そしてこの範囲において導出可能な任意の範囲であり得る。本明細書に列記された数値から導出可能な範囲の非限定的例において、上記した数値に基づいて、約1mg/kg/体重〜約100mg/kg/体重、約5マイクログラム/kg/体重〜約500ミリグラム/kg/体重などの範囲を投与することができる。
一つの態様において、当該ポリマーは、生物活性剤の薬物動態を変えるために使用することができる。例えば、当該ポリマーは、生物活性剤の分解を減じるために使用することができる。当該ポリマーは、(例えば、ポリラクチドと比較して)被検体への生物活性剤の、より完全な又はより良好な制御放出を提供するためにも使用することができる。
当該組成物は、任意の所望の被検体に投与することができる。当該被検体は、脊椎動物、例えば、哺乳動物、魚、鳥、爬虫類、または両生類であり得る。本明細書において開示される方法の被検体は、哺乳動物、例えば、ヒト、ヒト以外の霊長類、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ネコ、モルモット、または齧歯動物であり得る。当該用語は、特定の年齢または性別を意味しない。したがって、性別に関わらず、成人および新生児の被検体ならびに胎児を網羅することが意図される。いくつかの態様において、当該被検体は哺乳動物である。いくつかの態様において、当該被検体はヒトである。当該組成物は、とりわけ、非経口、局所、経口、経腸、口腔、直腸内、舌下、粘膜などの任意の好適な経路、または吸入によって投与することもできる。一つの態様において、当該組成物は、経口投与される。さらなる態様において、当該組成物は、経腸投与される。さらなる態様において、当該組成物は、局所に塗布される。さらなる態様において、当該組成物は、非経口投与される。非経口投与としては、静脈内投与、皮内投与、筋肉内投与、動脈内投与、髄腔内投与、皮下投与、腹腔内投与、硝子体内投与が挙げられるが、これらに限定されない。一つの態様において、当該組成物は、被検体内に注入することができる。本発明について、以下の非限定的な例により、さらに説明する。
実施例1:2−ヒドロキシオクタン酸の合成
1Lの水中における78gのNaHSO(0.75mol)に、57gのヘプタアルデヒド(0.5mol)を加え、30分間激しく撹拌し、次いで、250mLの水中における32gのNaCN(0.65mol)の溶液を加え、当該混合物をさらに15分間撹拌した。相分離した上の相を165mLの40v%硫酸に直接注ぎ、125℃で3時間加熱し、次いで、500mLの6NのNaOHに注ぎ(安全のため、冷却した溶液を氷浴において温度を制御しながらゆっくりと硫酸に注いだ)、室温で12時間撹拌した。当該アルカリ溶液をEtO(150mL)で2回洗浄し、次いで、2MのHClで酸性化して、EtO(150mL)で二回抽出した。混ぜ合わさった二回目のEtO相を100mLの塩水で洗浄し、乾燥させ、その後、溶媒を蒸留除去した。トルエンによる再結晶により、47gの純粋な生成物を得た:収率59%。H−NMR(500MHz、CDCl):d4.28(dd、1H)、1.65〜1.9(br m、2H)、1.4〜1.5(br m、2H)、1.25〜1.35(br m、6H)、0.89(t、3H)。13C−NMR(500MHz、CDCl):d180.00、70.3、34.11、31.59、28.89、24.67、22.53、14.00。
実施例2:2−エチルヘキサン酸スズ(II)を用いた2−ヒドロキシオクタン酸の重合
2−エチルヘキサン酸スズ(II)(Sn(Oct))を用いて、2−ヒドロキシオクタン酸を重合した。12.0g(75mmol)の2−ヒドロキシオクタン酸の重合反応のために、0.153g(3.8mmol;0.5mol%触媒)の2−エチルヘキサン酸スズ(II)を、丸底フラスコに充填し、続いてモノマーを加えた。当該フラスコを、マイクロ蒸留ブリッジおよび真空ポンプに接続した。永続的に撹拌しながら、予熱したオイルバスにおいて、180℃まで加熱することにより、さらに典型的なオイルポンプ真空下の約0.001barまで、30分間かけて真空を高めることにより、重合を開始した。これらの条件は、重縮合反応全体を通じて維持した。所望の反応の終了時に、フラスコを20℃まで冷却し、当該粗化合物を20mLのアセトンに溶解させた。当該溶液を、撹拌しながら、エタノール中における10%(v/v)水の冷(4℃)混合物0.5Lに滴加し、さらに、4℃で24時間沈殿させた。
当該溶液をデカントし、沈殿したポリマーをアセトンに溶解させて、10分間遠心分離した。ポリマーを含む上澄みを収集し、溶媒を蒸発除去した。真空下において150℃で3時間かけて残留溶媒を除去した。
180℃で、触媒として2−エチルヘキサン酸スズ(II)(0.5mol%)を用いた12gスケールの重縮合の最初の16時間は、生成物であるヘキシル置換ポリ(乳酸)ポリマー(「HEX−PLA」)の分子量は、直線的に増加する(図1)。重量平均分子量(M)は、1時間後には1120g/mol、4時間後に5070g/mol、16時間後には20,220g/molであった。同じ反応条件下でのより小さい2.5gスケールの反応の場合のMは、24時間後に53,190g/molであった(表1)。
Figure 0006147664
多分散度(PD)は、すべての反応に対して約1.5であった。20,000g/molまで、hexPLAに対して時間依存性の分子量制御が認められた。すべての溶融重縮合において、粘性がありかつ透明であるが黄色味を帯びているポリマーが得られ、これは、より厳しい反応条件においてより顕著であった。
実施例3:硫酸を用いた2−ヒドロキシオクタン酸の重合
硫酸を用いて、2−ヒドロキシオクタン酸を重合した。7.0g(44mmol)の2−ヒドロキシオクタン酸の重合反応のために、0.022g(2.2mmol;0.5mol%触媒)の硫酸(96%)を、丸底フラスコに充填し、続いてモノマーを加えた。当該フラスコを、マイクロ蒸留ブリッジおよび真空ポンプに接続した。永続的に撹拌しながら、予熱したオイルバスにおいて150℃まで加熱することにより、さらに典型的なオイルポンプ真空下の約0.001barまで30分間かけて真空を高めることにより、重合を開始した。これらの条件は、重縮合反応全体を通して維持した。所望の反応の終了時に、フラスコを20℃まで冷却し、当該粗化合物を20mLのアセトンに溶解させた。当該溶液を、撹拌しながら、0.1MのNaHCO冷(4℃)溶液0.5Lに滴加し、さらに、4℃で24時間沈殿させた。
当該溶液をデカントし、沈殿したポリマーをアセトンに溶解させ、丸底フラスコに移して、真空下においてアセトンおよび残留水を除去した。当該ポリマーを再びアセトンに溶解させ、Celite(登録商標) 545粗粒を通してろ過した。真空下において150℃で3時間かけて、精製した生成物から残留溶媒を除去した。
硫酸は、良好な水溶性を有し、水への沈殿によるポリマーの精製を容易にし得る。わずかに塩基性の条件下(例えば、0.1MのNaHCOの添加)において、未反応のモノマーは水溶性となり、完全に除去することができる。溶融重縮合を硫酸で触媒し、水で精製することにより、純粋で、透明かつ無色の粘性ポリマーを得ることができる。
7.0gの平均バッチサイズおよび150℃の反応温度により、11,820g/molまでの分子量を有するポリマー(表2)を得ることができるであろう。より高い反応温度である180℃でも、同様のMが得られたが、不純物が多くなった。より低い反応温度である120℃では、Mが低下した(7000g/mol)。Sn(Oct)において観察されたように、硫酸の触媒濃度は、Mに影響を及ぼす。0.5mol%より低い濃度の硫酸では、Mが低下する。より大きいバッチ(7.0gに対して21.0g)では、より低いMが得られた。硫酸で触媒した溶融重縮合では、反応時間を制御することにより、規定された分子量を容易に合成することができる(図2)。最初の6時間は、Mの直線的増加が認められ、その後は、Mの増加は減少し、より長い反応時間をかけて20,000g/molまで導かれた。硫酸で触媒した溶融重縮合すべてにおいて、水性沈殿手順の後、90%の高収率という純粋な無色のhexPLAが得られた。
Figure 0006147664
実施例4:硫酸を用いた、大スケールでの2−ヒドロキシオクタン酸の重合
硫酸を用いて、2−ヒドロキシオクタン酸を重合した。21.0g(132mmol)の2−ヒドロキシオクタン酸の重合反応のために、0.066g(6.6mmol;0.5mol%触媒)の硫酸(96%)を、丸底フラスコに充填し、続いてモノマーを加えた。当該フラスコを、マイクロ蒸留ブリッジおよび真空ポンプに接続した。永続的に撹拌しながら、予熱したオイルバスにおいて、120℃まで加熱することにより、さらに典型的なオイルポンプ真空下の約0.001barまで、30分間かけて真空を高めることにより、重合を開始した。これらの条件は、重縮合反応全体を通して維持した。2時間後、6時間後、または16時間後の所望の反応の終了時に、フラスコを20℃まで冷却し、当該粗化合物を20mLのアセトンに溶解させた。当該溶液を、撹拌しながら、0.1MのNaHCO冷(4℃)溶液2Lに滴加し、さらに、4℃で24時間沈殿させた。
当該溶液をデカントし、沈殿したポリマーをアセトンに溶解させ、丸底フラスコに移して、真空下においてアセトンおよび残留水を除去した。当該ポリマーを再びアセトンに溶解させ、Celite(登録商標)545粗粒を通してろ過した。真空下において120℃で1時間かけて、精製した生成物から残留溶媒を除去した。
この方法により、2時間の重合時間では2,000g/molの分子量、6時間では4,000g/mol、ならびに16時間の反応時間では10,000g/molの分子量が得られた。
1mmのギャップサイズに設定した20mmの平行プレートにおいて、レオメーター(Bohlin Instruments CVO 120高解像度、Bohlin Instruments、米国)を用いて、3種のポリマーのレオロジー的挙動を評価した。温度は25℃に維持し、剪断速度は、0.1 1/s〜1000 1/sの範囲において変えた。図3に、3種すべてのポリマーに関し、剪断速度に対する粘度を示す。当該ポリマーは、100 1/sを超える剪断速度でのずり減粘挙動およびチキソトロピーを示す。
実施例5:2−ヒドロキシオクタン酸の無触媒重合
15.0g(94mmol)の2−ヒドロキシオクタン酸を、丸底フラスコに充填し、当該フラスコを、マイクロ蒸留ブリッジおよび真空ポンプに接続した。永続的に撹拌しながら、予熱したオイルバスにおいて、120℃または150℃まで加熱することにより、さらに典型的なオイルポンプ真空下の約0.001barまで、30分間かけて真空を高めることにより、重合を開始した。これらの条件は、重縮合反応全体を通して維持した。6時間後または8時間後の所望の反応の終了時に、フラスコを20℃まで冷却することにより反応を停止させた。触媒を使用しなかったので、得られたポリマーは、それ以上精製しなかった。当該ポリマーは、180℃の温度で30分間加熱することによる乾熱法によって殺菌した。重量平均分子量およびPDIを、ゲル浸透クロマトグラフィにより測定した。
15.0gの平均バッチサイズおよび150℃の反応温度により、1720g/molまでの分子量を有するポリマー(表3)が得られた。6時間から8時間に反応時間を延ばすことにより、Mが増加した。より低い反応温度の120℃では、8時間の反応時間において、わずかに高いM(1890g/mol)が得られた。
Figure 0006147664
実施例6:可塑剤の添加による粘度の変更
ポリマーと可塑剤とを小さい密閉プラスチックバッグ中において室温で混合することによって、4,000g/molの分子量を有する実施例4のポリマーに、1%および5%(m/m)の量の可塑剤N−メチルピロリドン(NMP)をそれぞれ加えた。1mmのギャップサイズに設定した20mmの平行プレートにおいて、レオメーター(Bohlin Instruments CVO 120高解像度、Bohlin Instruments、米国)を用いて、レオロジー的挙動を測定した。図4は、少量の可塑剤を添加することによって粘度を効率的に減少させることができるが、ずり減粘を有するレオロジー的挙動全体およびチキソトロピーは影響を受けないままであることを示している。
実施例7:hexPLAの注入性、およびNMPを含む製剤
2,000g/mol、4,000g/mol、および10,000g/molの分子量を有する実施例4からの純粋なポリマー、ならびに実施例6からの1%および5%のNMPを含む混合物を、2mLのOmnifixルアーロックシリンジ(B.Braun Melsungen、ドイツ)に充填した。各シリンジを、ENOSA中空針(1.2×50mm、ROSE、ドイツ)に接続した。シリンジから当該粘性物質を放出するのに必要な最大の力を、0.5cm/minのプランジャー速度で測定した。測定値を図5にまとめており、これは、分子量が低いほど、hexPLAの注入性が良好であることを示している。図5から、注入の容易性をさらに改善するのに、少量のNMPで十分であることがわかる。
実施例8:ハロペリドールの組み込みおよび放出
低分子の放出可能な化学物質の例として、10%(m/m)のハロペリドール(Sigma−Aldrich Chemie GmbH、ドイツ)を、実施例4の3種のポリマーに組み入れるために、光学顕微鏡法による確認において均一な懸濁液が得られるまで、ハロペリドールとhexPLAとを密閉されたプラスチックバック中において室温で混練した。3種の各製剤0.1gを、40mLのクエン酸−リン酸−緩衝液pH5.0に入れた。当該試料を、37℃、120rpmでインキュベートし、48時間にわたって、特定の時点における放出媒体の試料を採取した。放出試料中のハロペリドールは、249nmにおけるUV分光分析により定量した。図6に、hexPLAを含む製剤からのハロペリドールの放出を表す。48時間にわたって、製剤からのハロペリドールの一定の放出が観察され、放出される薬物の量は、ポリマーの分子量に依存していた。2,000g/molの分子量を有する製剤は、より高い分子量を有する製剤と比較して、最も緩やかな放出を示しており、これは、ハロペリドールがhexPLAマトリックスに可溶性であり、かつ当該溶解性が、分子量に依存しているためである。


Claims (11)

  1. 医薬用途に適した組成物の製造方法であって、
    ポリ(ヒドロキシアルキル酸)ポリマーを、生物活性物質または賦形剤または薬学的に許容される担体またはアジュバントまたは粒子状物またはこれらの組み合わせと混合する工程を含んでなり、
    前記ポリ(ヒドロキシアルキル酸)ポリマーが、1またはそれ以上の2−ヒドロキシアルキル酸を、少なくとも当該2−ヒドロキシアルキル酸を溶融させ、重合を達成し、ポリ(ヒドロキシアルキル酸)ポリマーを形成するために有効な温度まで加熱することによって製造されたものであり、
    ここで前記ポリ(ヒドロキシアルキル酸)ポリマーの重量平均分子量が5,000ダルトン未満であり、また
    前記ポリ(ヒドロキシアルキル酸)ポリマーが、下記式:
    Figure 0006147664
    (ここで、RはC〜C12アルキルであり、Rは水素である)
    で表される2−ヒドロキシアルキル酸のホモポリマー、または前記式の2−ヒドロキシアルキル酸と、ポリ(エチレングリコール)(PEG)とのブロックコポリマーであり、かつ環状モノマーを含有しないものであり、置換されたまたは非置換のラクチド、グリコリド、またはカプロラクトンを含有しないものであることを特徴とする、組成物の製造方法。
  2. 前記2−ヒドロキシアルキル酸が、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、2−ヒドロキシヘキサン酸、2−ヒドロキシヘプタン酸、2−ヒドロキシオクタン酸、2−ヒドロキシノナン酸、2−ヒドロキシデカン酸、2−ヒドロキシウンデカン酸、2−ヒドロキシドデカン酸、2−ヒドロキシトリデカン酸、2−ヒドロキシテトラデカン酸、2−ヒドロキシペンタデカン酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒドロキシヘプタデカン酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、2−ヒドロキシノナデカン酸、2−ヒドロキシイコサン酸、2−ヒドロキシヘニコサン酸、2−ヒドロキシドコサン酸、2−ヒドロキシトリコサン酸、2−ヒドロキシテトラコサン酸、2−ヒドロキシペンタコサン酸、2−ヒドロキシヘキサコサン酸、2−ヒドロキシヘプタコサン酸、2−ヒドロキシオクタコサン酸、2−ヒドロキシノナコサン酸、2−ヒドロキシトリアコンタン酸、2−ヒドロキシへントリアコンタン酸、または2−ヒドロキシドトリアコンタン酸である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記2−ヒドロキシアルキル酸が、2−ヒドロキシオクタン酸である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ポリ(ヒドロキシアルキル酸)ポリマーが、D−2−ヒドロキシオクタン酸ポリマー、L−2−ヒドロキシオクタン酸ポリマー、またはD−2−ヒドロキシオクタン酸およびL−2−ヒドロキシオクタン酸のポリマーである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記PEGがメトキシポリ(エチレングリコール)である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記重合が、非金属系触媒の存在下、または触媒の不存在下において実施される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記ポリヒドロキシアルキル酸ポリマーと、生物活性物質または賦形剤または薬学的に許容される担体またはアジュバントまたは粒子状物またはこれらの組み合わせとの混合が、重合の直後にさらなる精製工程なしに行われ、ここで前記重合は触媒不存在下で行われたものである、請求項6に記載の方法。
  8. 組成物が注入可能な剤型である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 組成物が局所投与または経口投与の剤型である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 組成物が直腸内投与の剤型である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  11. 生物活性物質が、放出可能な化学物質である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
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