JP6147102B2 - 液封入式防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は液封入式防振装置に関し、特に耐久性を確保すると共に、内側部材と外側部材とが相対変位可能な荷重の範囲を広げつつ減衰性能を確保できる液封入式防振装置に関するものである。
従来より、振動減衰や緩衝等を目的として、車輪やエンジン等の振動源と車体との連結部位に液封入式防振装置が配置される。液封入式防振装置としては、例えば、筒状に形成された内側部材と、内側部材を同心状に取り囲む外側部材と、内側部材および外側部材を連結すると共にゴム状弾性体から構成される防振基体と、防振基体により内側部材を挟んで相対する位置に区画される液室と、外側部材と内側部材との間に配置されると共に液室を互いに連通するオリフィスを形成するオリフィス形成部材とを備えるものが知られている(特許文献1)。
特許文献1に開示される技術では、液封入式防振装置に軸直角方向荷重が入力されると、防振基体が変形して内側部材と外側部材とが径方向に相対変位する。その結果、液室間の液圧変動が生じるので、液室を連通するオリフィスによって液共振が生じ、振動が減衰される。大きな荷重が入力されて内側部材および外側部材の径方向の相対変位が大きくなると、オリフィス形成部材に内側部材が突き当たり、内側部材および外側部材の相対変位が制限される。その結果、防振基体のそれ以上の過大変形が抑制されるので、液封入式防振装置の耐久性を確保できる。
特開2008−151189号公報
しかしながら上述した技術では、大きな荷重(大荷重)が入力されて、オリフィス形成部材が内側部材にぶつかり防振基体のそれ以上の変形が抑制されると、液室間の液圧変動が生じ難くなるので、振動の減衰性能が低下する。これを防ぐために防振基体の荷重入力方向の静ばね定数を予め高く設定すれば、オリフィス形成部材が内側部材にぶつかる荷重を大きくできるので、大荷重が入力されたときの液室間の液圧変動を確保することができる。その結果、内側部材と外側部材とが相対変位可能な荷重の範囲を広げることができる。
しかし、防振基体の静ばね定数を予め高くすると防振基体が変形し難くなるので、液室間の液圧変動が生じ難くなり、振動の減衰性能が低下する。
本発明は上述した問題を解決するためになされたものであり、耐久性を確保すると共に、内側部材と外側部材とが相対変位可能な荷重の範囲を広げつつ減衰性能を確保できる液封入式防振装置を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段および発明の効果
この目的を達成するために請求項1記載の液封入式防振装置によれば、筒状に形成される内側部材を外側部材が同心状に取り囲み、ゴム状弾性体から構成される防振基体によって内側部材および外側部材が連結される。内側部材を挟んで相対する位置に防振基体により液室が区画され、外側部材と内側部材との間に配置されるオリフィス形成部材により液室を互いに連通するオリフィスが形成される。オリフィス形成部材は、内側部材の径方向外側に位置する第1ストッパが、荷重の入力により内側部材を押圧する。内側部材は、内側押圧部が第1ストッパに押圧されるので、防振基体のそれ以上の過大変形を抑制できる。よって、液封入式防振装置の耐久性を確保できる効果がある。
また、オリフィス形成部材は、第2ストッパが、荷重の入力により防振基体を押圧し、防振基体は、基体押圧部が第2ストッパに押圧される。荷重入力方向における第2ストッパと基体押圧部との間隔は、荷重入力前において、荷重入力方向における第1ストッパと内側押圧部との間隔より小さい値に設定されている。
そのため、オリフィス形成部材が内側部材を押圧する程の大きな荷重が入力されると、オリフィス形成部材は、まず防振基体を押圧し、次に内側部材を押圧する。防振基体は、オリフィス形成部材に押圧されるまではオリフィス形成部材に干渉されることなく変形できる。よって、液室間の液圧変動を確保することができ、減衰性能を確保できる。
防振基体が変形してオリフィス形成部材に押圧されると、その分だけ防振基体が圧縮されるので、オリフィス形成部材に防振基体が押圧される前と比べて、防振基体の静ばね定数が高くなる。そのため、オリフィス形成部材が防振基体と干渉しない従来の液封入式防振装置であれば、オリフィス形成部材と内側部材とが干渉してしまうような大きさの荷重が入力された場合でも、防振基体の静ばね定数を高くできる分、オリフィス形成部材と内側部材とが干渉しないようにできる。より大きな荷重が入力されてオリフィス形成部材と内側部材とが干渉するまでの間、防振基体の変形を確保できる。
従って、従来の液封入式防振装置であれば防振基体の変形が制限されてしまう大きさの荷重が入力された場合も防振基体の変形を確保できるので、液室間の液圧変動を生じさせることができ、減衰性能を確保できる。よって、内側部材と外側部材とが相対変位可能な荷重の範囲を広げつつ減衰性能を確保できる効果がある。
基体押圧部は、第2ストッパに向かって突出する突出状に形成されている。これにより、基体押圧部の突出長を設定することによって、第2ストッパと基体押圧部との間隔を適宜設定できる。その結果、液封入式防振装置の設計の自由度を向上できる効果がある。
また、基体押圧部が第2ストッパに向かって突出するので、第2ストッパが基体押圧部に向かって突出する場合に比べ、オリフィス形成部材の形状を簡素化できる。その結果、オリフィス形成部材を製造する金型の構造を簡素化できるので、金型の耐久性を向上できる効果がある。
請求項2記載の液封入式防振装置によれば、基体押圧部は、液室を周方向に区画すると共に内側部材を挟んで位置し荷重入力方向と交差する方向に延びる一対の軸方向隔壁に形成されている。軸方向隔壁は荷重入力方向におけるゴム状弾性体の厚さを大きくできるので、オリフィス形成部材の第2ストッパに押圧されて圧縮された後も、変形能を確保できる。よって、請求項1の効果に加え、オリフィス形成部材に押圧された後の軸方向隔壁の変形能を確保して、減衰性能を確保できる効果がある。
請求項3記載の液封入式防振装置によれば、第2ストッパの剛性が防振基体の剛性よりも高いので、荷重の入力により基体押圧部が第2ストッパに押圧されると、その分だけ防振基体を圧縮でき、防振基体の静ばね定数を十分に大きくできる。これにより、第1ストッパが内側押圧部を押圧するまでに必要な荷重を大きくできるので、請求項1又は2の効果に加え、内側部材と外側部材とが相対変位可能な荷重の範囲をさらに広げつつ減衰性能をさらに確保できる効果がある。
第1実施の形態における液封入式防振装置の平面図である。 液封入式防振装置の正面図である。 図1のIII−III線における液封入式防振装置の断面図である。 図1のIV−IV線における液封入式防振装置の断面図である。 図2のV−V線における液封入式防振装置の断面図である。 液封入式防振装置を車両へ装着した状態を示す模式図である。 液封入式防振装置に入力される荷重と変位との関係を示す図である。 液封入式防振装置の加振周波数とロスファクタとの関係を示す図である。 第2実施の形態における液封入式防振装置のオリフィス形成部材の斜視図である。 第3実施の形態における液封入式防振装置のオリフィス形成部材の斜視図である。 第4実施の形態における液封入式防振装置の断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は液封入式防振装置1の平面図であり、図2は液封入式防振装置の正面図である。図1及び図2に示すように液封入式防振装置1は、円筒状に形成された内側部材10と、内側部材10を同心状に取り囲む円筒状の外側部材20と、外側部材20と内側部材10との間に介設される防振基体30とを備えている。
図3は図1のIII−III線における液封入式防振装置1の断面図であり、図4は図1のIV−IV線における液封入式防振装置1の断面図であり、図5は図2のV−V線における液封入式防振装置1の断面図である。図3に示すように内側部材10は、円筒状に形成された筒部11と、筒部11の軸方向中央から径方向外側に向かって略球状に膨出する膨出部12とを備えている。
外側部材20は、内側部材10を同心状に取り囲む円筒状の部材であり、円筒状に形成された筒部21と、筒部21の内周面に加硫接着されると共にゴム状弾性体から構成されるゴム膜22と、筒部21が外嵌される中間筒40とを備えている。
図3に示すように防振基体30は、内側部材10と外側部材20とを連結すると共にゴム状弾性体から構成される部材である。防振基体30は、内側部材10及び外側部材20の軸方向両側に円環状に形成される一対の径方向隔壁31と、径方向隔壁31間に形成されるゴム膜部32とを備えている。径方向隔壁31及びゴム膜部32は一体に加硫成形され、径方向隔壁31の内周は筒部11の外周に、ゴム膜部32の内周は膨出部12の外周に加硫接着される。径方向隔壁31の外周は、内側部材10を同心状に取り囲む中間筒40の嵌合周壁41の内周に加硫接着される。一対の径方向隔壁31によって外側部材20の軸方向両端が閉鎖されることにより、液室61,62が形成される。液室61,62にはエチレングリコール等の不凍液(液体)が封入される。
図4に示すように中間筒40は、筒部21が外嵌される一対のリング状の嵌合周壁41と、嵌合周壁41同士を連結すると共に嵌合周壁41よりも径方向内側に位置し軸直角方向断面が円弧状の連結壁42とを備えている。連結壁42は、径方向隔壁31と一体に加硫成形される一対の軸方向隔壁33が加硫接着される。液室61,62は、径方向隔壁31の間を軸方向に連結する軸方向隔壁33により周方向に区画される。これにより、内側部材10を挟んで相対する略対称な2つの液室61,62が形成される。
図3に示すように、内側部材10と外側部材20(筒部21)との間に一対のオリフィス形成部材50が配置される。オリフィス形成部材50は、外周に形成された溝部53によりオリフィス54を形成するための部材である。図5に示すように、オリフィス形成部材50は、断面円弧状に形成される本体部51と、本体部51の径方向内側に形成されると共にゴム膜部32(内側部材10)の軸直角方向(図5左右方向)に位置する断面円弧状の第1ストッパ52と、本体部51の周方向両側に突設される第1突部55及び第2突部56とを備えている。第1突部55及び第2突部56と第1ストッパ52との間に、軸方向隔壁33と対面する一対の第2ストッパ57が設けられる。第2ストッパ57は、円弧状の第1ストッパ52の周方向両側に滑らかに連成されている。
一対のオリフィス形成部材50は、第1突部55同士および第1突部56同士が突き合わされ、連結壁42と筒部21との間に第1突部55及び第1突部56が嵌挿される。第1突部55及び第1突部56がそれぞれ突き合わされることにより、溝部53(図3及び図4参照)により筒部21(ゴム膜22)の内側にオリフィス54(図3及び図4参照)が形成される。液室61,62は周方向に延びるオリフィス54により互いに連通される。具体的には、一方の液室61から出た液体は、オリフィス54により外側部材20の内周側を略1周半して他方の液室62に至る。
軸方向隔壁33は、内側部材10(筒部11)と連結壁42とを連結し、オリフィス部材50の第2ストッパ57と所定の間隔をあけて対面する基体押圧部34が設けられている。軸方向隔壁33及び径方向隔壁31(図3参照)は、軸方向(軸心O方向)と交差する方向に荷重(荷重入力方向は図5左右方向)が入力されて内側部材10及び外側部材20が相対変位することにより弾性変形し、液室61,62間の液圧変動を生じさせる。これにより、オリフィス54を介して液室61,62に充填された液体を流通させる。なお、荷重の入力前は、荷重入力方向(図5左右方向)において、ゴム膜部32(内側部材10)と第1ストッパ52との間隔が、基体押圧部34(軸方向隔壁33)と第2ストッパ57との間隔より大きい値に設定される。
液封入式防振装置1の製造方法は、まず、内側部材10と中間筒40との間に防振基体30を加硫成形し、得られたゴム成形体に対して中間筒40を縮径加工することにより防振基体30に予圧縮を与える。次いで、中間筒40の外周にオリフィス形成部材50を装着し、液中で筒部21を被せた後に筒部21を縮径し、その両端部を内側に折曲することにより外側部材20を形成する。これにより液封入式防振装置1が得られる。
液封入式防振装置1は、軸方向隔壁33の延設方向(図5上下方向)と交差する方向に軸直角方向荷重が入力されると、軸方向隔壁33が弾性変形して内側部材10と外側部材20とが相対変位する。液室61,62を区画する軸方向隔壁33が変形するので、液室61,62の液圧変動が生じ、液室61,62内の液体がオリフィス54を通って流れる。オリフィス54によって液共振が生じ、振動が減衰される。
さらに大きい軸直角方向荷重が入力されると、軸方向隔壁33の変形量が大きくなるので、第2ストッパ57と基体押圧部34とが突き当たる。第2ストッパ57が突き当てられた基体押圧部34が第2ストッパ57に押圧されると、その分だけ軸方向隔壁33が圧縮される。その結果、第2ストッパ57に軸方向隔壁33が押圧される前と比べて、軸方向隔壁33の静ばね定数が高くなる。そのため、第2ストッパ57が軸方向隔壁33と干渉しない従来の液封入式防振装置であれば、第1ストッパ52と内側部材10(ゴム膜部32)とが干渉してしまうような大きさの軸直角方向荷重が入力された場合でも、軸方向隔壁33の静ばね定数を高くできる分、第1ストッパ52と内側部材10(ゴム膜部32)とが干渉しないようにできる。より大きな軸直角方向荷重が入力されて第1ストッパ52とゴム膜部32とが干渉するまでの間、軸方向隔壁33の変形を確保し、液室61,62の液圧変動を生じさせることができる。
さらに大きな軸直角方向荷重が入力されて、基体押圧部34が第2ストッパ57に押圧されつつゴム膜部32が第1ストッパ52に突き当たると、ゴム膜部32は径方向厚さが小さいので直ちに径方向に圧縮される。その結果、軸方向隔壁33のそれ以上の過大変形が規制される。よって、液封入式防振装置1の耐久性を確保できる。
次に図6を参照して、液封入式防振装置1を装着した車両70について説明する。図6は液封入式防振装置1を車両70へ装着した状態を示す模式図である。本実施の形態では、車両70の右前輪のサスペンションのロアアームリンク71と車体フレーム(図示せず)との間に液封入式防振装置1が結合されるアームリンク構造について説明する。
図6に示すように車両70は、フロントサスペンションのロアアームリンク71において、車輪73側のボールジョイント72が車体側のクロスメンバー(車体フレーム)に防振的に連結される。ロアアームリンク71は、前側にブッシュ型の防振装置74が配置され、後側に液封入式防振装置1が配置される。液封入式防振装置1は、内側部材10の軸方向を車両上下方向(図6紙面垂直方向)に向けた状態で、ロアアームリンク71に形成された圧入孔に外側部材20が圧入され、車体フレーム(図示せず)に内側部材10が連結される。
車輪73の前後方向(矢印F−B方向)の変位時には、液封入式防振装置1に対し車両左右方向(矢印L−R方向)における軸直角方向荷重が入力され、これが主荷重入力方向となる。そのため液封入式防振装置1は、この軸直角方向(矢印L−R方向)に液室61,62が相対向するように、ロアアームリンク71に取り付けられる。
一方、車輪73の上下方向(図6紙面垂直方向)の変位時には、ロアアームリンク71の前後の防振装置74及び液封入式防振装置1を通る軸線Lを中心に回転しようとする力がロアアームリンク71に作用する。従って液封入式防振装置1には、内側部材10の軸心O(図5参照)に対して外側部材20の軸心が傾くようなこじり方向の荷重が入力される。
次に図7を参照して、走行する車両70にブレーキをかけた場合の液封入式防振装置1の変位について説明する。図7は液封入式防振装置1に入力される荷重と変位との関係を示す図であり、内側部材10と外側部材20との相対変位を横軸に、荷重(軸直角方向荷重)を縦軸に示す。なお、図7に示す荷重−変位曲線は、本実施の形態における液封入式防振装置1(実施例)を実線で、比較例における液封入式防振装置(比較例)を破線で示す。
比較例における液封入式防振装置は、オリフィス形成部材50の第2ストッパ57が省略されている以外、実施例における液封入式防振装置1(実施例)と同一に構成されている。よって、比較例は、第2ストッパ57以外、液封入式防振装置1(実施例)と同一の符号を用いて説明する。
比較例(破線)によれば、走行中の車両70にブレーキをかけた場合、荷重(慣性力)が増加するにつれて変位が増加する。荷重が荷重Cに達すると、第1ストッパ52とゴム膜部32とが突き当たる(点D)。このときの変位を変位Bとする。ゴム膜部32は径方向厚さが小さいので、軸方向隔壁33の変形が制限されて荷重−変位曲線が急激に立ちあがる。従って、荷重Cが入力された状態で振動(軸直角方向荷重)が入力された場合には、軸方向隔壁33の変形が制限されているので、減衰性能は乏しい。よって、ブレーキ時に車体が振動するブレーキジャダーとよばれる現象やステアリングが振動するブレーキシミーとよばれる現象が生じる。
一方、実施例(実線)によれば、第2ストッパ57(図5)を有しているので、荷重が増加して変位A(変位A<変位B)に達すると、第2ストッパ57と軸方向隔壁33(基体押圧部34)とが突き当たる。軸方向隔壁33は第2ストッパ57に押圧されて静ばね定数が高くなるので、比較例に対して荷重−変位曲線が立ち上がる。そのため、荷重が荷重Cに達しても(点E)、軸方向隔壁33は、第1ストッパ52とゴム膜部32とが突き当たるまで(点D)、変形できる余裕(点Dと点Eとの間隔)ができる。従って、荷重Cが入力された状態で振動(軸直角方向荷重)が入力された場合も軸方向隔壁33が変形できるので、液室61,62間の液圧変動を生じさせることができる。よって、減衰性能を確保できる。
さらに、荷重Cより大きな荷重が入力された場合には、第1ストッパ52とゴム膜部32とが突き当たることで(点D)、軸方向隔壁33の過大変形を規制できる。よって、液封入式防振装置1の耐久性を確保できる。
次に図8を参照して、液封入式防振装置1の加振周波数とロスファクタ(減衰性能)との関係について説明する。図8は液封入式防振装置1の加振周波数とロスファクタとの関係を示す図であり、加振周波数を横軸に、ロスファクタを縦軸に示す。なお、図8に示す曲線は、本実施の形態における液封入式防振装置1(実施例)を実線で、比較例における液封入式防振装置(図7で説明したものと同じ)を破線で示す。
図8に示すように実施例によれば、液室61,62(図5参照)を連通するオリフィス54によって液共振が生じるので、特定の加振周波数においてロスファクタを大きくできる。また、実施例は、荷重入力時(荷重C(図7参照)の入力時)においても軸方向隔壁33の変形を確保できる。よって、液室61,62間の液圧変動を確保でき、ロスファクタを確保できる。これに対し比較例では、荷重入力時(荷重C(図7参照)の入力時)に軸方向隔壁33の変形が規制されるので、ロスファクタが著しく小さくなる。
なお、実施例のロスファクタが荷重入力時(荷重C(図7参照)の入力時)に少し小さくなるのは、基体押圧部34に第2ストッパ57が押し付けられることによる軸方向隔壁33のピストン面積の低下、軸方向隔壁33の静ばね定数が高くなることによる弾性変形能の低下等の要因が考えられる。
以上説明したように液封入式防振装置1(実施例)によれば、比較例であれば軸方向隔壁33の変形が制限されてしまう大きさの軸直角方向荷重(荷重C)が入力された場合も、第2ストッパ57によって軸方向隔壁33の変形を確保できる。よって、液室61,62間の液圧変動を生じさせることができ、振動の減衰性能(ロスファクタ)を確保できる。さらに、第1ストッパ52によって軸方向隔壁33の過大変形を規制できるので、耐久性を確保できると共に、内側部材10と外側部材20とが相対変位可能な軸直角方向荷重の範囲を広げつつ減衰性能を確保できる。
また、基体押圧部34は、液室61,62を周方向に区画すると共に内側部材10を挟んで位置する一対の軸方向隔壁33に形成されている。液室61,62を周方向に区画する軸方向隔壁33は軸直角方向(図5左右方向)におけるゴム状弾性体の厚さを大きくできるので、基体押圧部34が第2ストッパ57に押圧されて軸方向隔壁33が圧縮された後も、軸方向隔壁33の軸直角方向の変形能を確保できる。よって、第2ストッパ57に押圧された後の軸方向隔壁33の変形能を確保して、減衰性能を確保することができる。
次に図9を参照して第2実施の形態について説明する。第1実施の形態ではオリフィス形成部材50に設けられた一対の第2ストッパ57が、第1ストッパ52の周方向両側に滑らかに連成される場合について説明した。これに対し第2実施の形態では、第2ストッパ157が、第1ストッパ52の周方向両側に突設される場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図9は第2実施の形態における液封入式防振装置のオリフィス形成部材150の斜視図である。
図9に示すようにオリフィス形成部材150は、第1ストッパ52の周方向両側に位置する本体部51に第2ストッパ157が突設されている。第2ストッパ157は略半球状に形成されることで、先端が球面状に形成されている。オリフィス形成部材150は、第1実施の形態で説明したオリフィス形成部材50に代えて外側部材20の内周に配置され、第2ストッパ157は基体押圧部34に向かって突出するように設けられる。第2ストッパ157と基体押圧部34との間隔は、軸直角方向荷重が入力されていない状態で、第1ストッパ52とゴム膜部32との間隔より小さい値に設定される。
これにより第2実施の形態における液封入式防振装置も、第1実施における液封入式防振装置1と同様の作用効果を実現できる。さらに、第2ストッパ157は基体押圧部34に向かって突出する突出状に形成されているので、第2ストッパ157の突出長を設定することによって、第2ストッパ157と基体押圧部34との間隔を適宜設定できる。その結果、第2実施の形態によれば、液封入式防振装置の設計の自由度を向上できる。
また、ロアアームリンク71(図6参照)に配置された液封入式防振装置1のように、走行する車両70にブレーキがかけられた状態で車輪73が上下方向(図6紙面垂直方向)に変位する場合には、軸直角方向荷重の入力に加え、液封入式防振装置に軸方向荷重が入力される。その場合、第2ストッパ157によって基体押圧部34はこじり方向の入力を受けることになる。第2ストッパ157は先端が球面状に形成されているので、基体押圧部34にこじり方向の荷重が入力された場合も基体押圧部34の応力を緩和できる。その結果、防振基体30の耐久性を確保できる。
次に図10を参照して第3実施の形態について説明する。第2実施の形態では、本体部51に突設された第2ストッパ157の先端が球面状に形成される場合について説明した。これに対し第3実施の形態では、本体部51に突設された第2ストッパ257が角柱状に形成され、先端が平坦面状に形成される場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図10は第3実施の形態における液封入式防振装置のオリフィス形成部材250の斜視図である。
図10に示すようにオリフィス形成部材250は、第1ストッパ52の周方向両側に位置する本体部51に角柱状の第2ストッパ257が突設されている。オリフィス形成部材250は、第1実施の形態で説明したオリフィス形成部材50に代えて外側部材20の内周に配置され、第2ストッパ257は基体押圧部34に向かって突出するように設けられる。第2ストッパ257と基体押圧部34との間隔は、軸直角方向荷重が入力されていない状態で、第1ストッパ52とゴム膜部32との間隔より小さい値に設定される。
これにより第3実施の形態における液封入式防振装置も、第1及び第2実施の形態における液封入式防振装置と同様の作用効果を実現できる。さらに、第2ストッパ257の平坦面状の先端面と側面とが曲率のある曲面によって連なっているので、基体押圧部34にこじり方向の荷重が入力された場合も基体押圧部34の応力を緩和できる。その結果、防振基体30の耐久性を確保できる。
次に図11を参照して第4実施の形態について説明する。第2及び第3実施の形態では、オリフィス形成部材150,250に設けられた第2ストッパ157,257が、基体押圧部34に向かって突設される場合について説明した。これに対し第4実施の形態では、防振基体330に設けられた基体押圧部334が、第2ストッパ357に向かって突設される場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図11は第4実施の形態における液封入式防振装置301の断面図である。
図11に示すように液封入式防振装置301は、角柱状に形成された基体押圧部334が軸方向隔壁33と一体に加硫成形され、平坦面状に形成されたオリフィス形成部材350の第2ストッパ357に向かって基体押圧部334が突設されている。第2ストッパ357と基体押圧部334との間隔は、軸直角方向荷重が入力されていない状態で、第1ストッパ52とゴム膜部32との間隔より小さい値に設定される。
これにより第4実施の形態における液封入式防振装置301も、第1実施の形態から第3実施の形態における液封入式防振装置と同様の作用効果を実現できる。さらに、基体押圧部334を軸方向隔壁33に突設させることで第2ストッパ357を平坦面状にできるので、オリフィス形成部材350の形状を簡素化できる。その結果、オリフィス形成部材350を製造(成形)する金型の構造を簡素化させることができ、金型の耐久性を向上できる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記実施の形態で挙げたオリフィス形成部材50,150,250,350等の形状は一例であり、他の形状を採用することは当然可能である。
上記各実施の形態では、内筒11の外周に膨出部12が一体形成され、膨出部12がゴム膜部32で覆われる内側部材10について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、膨出部12及びゴム膜部32を省略することは当然可能である。この場合には、膨出部12及びゴム膜部32が省略された分だけ、オリフィス形成部材50,150,250,350の第1ストッパ52と内側部材の間隔が大きくなってしまう。そこで、第1ストッパ52を内側部材に向かって突出させることにより、大荷重が入力されたときに内側部材と第1ストッパ52とが干渉されるようにする。これにより防振基体30,330の変位を規制できるので、耐久性を確保できる。この場合に、内筒11の外周や第1ストッパ52の表面に衝撃緩衝用のゴム膜を設けることは当然可能である。
また、上記各実施の形態では、内筒11の外周に膨出部12が一体形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。合成樹脂製やゴム製等の別部材を内筒11の外周に巻き付けたり接着したりして、内筒11に膨出部を設けることは当然可能である。
上記実施の形態では、第2ストッパ157,257や基体押圧部334が半球状や角柱状に形成される場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、防振基体とオリフィス形成部材とを干渉させることができれば、他の形状に設定することは当然可能である。他の形状としては、例えば、円柱状、円錐台状、5角形や6角形等の多角柱状等が挙げられる。
上記実施の形態では説明を省略したが、オリフィス形成部材50,150,250,350によって複数のオリフィス(主オリフィス及び副オリフィス)を形成し、副オリフィスに弁体を設ける周知の液封入式防振装置にこの技術を適用することは当然可能である。
上記実施の形態では、軸直角方向荷重が入力される液封入式防振装置1,301について説明した。そのため、オリフィス形成部材50,150,250,350の第1ストッパ52を、内側部材10の膨出部12に対して軸直角方向に配置した。即ち、膨出部12及び第1ストッパ52を、内側部材10の軸心Oを対称軸として線対称状となるように設定した。しかし、液封入式防振装置は必ずしもこれに限られるものではなく、膨出部12や第1ストッパ52の位置は、荷重入力方向に応じて適宜設定できる。
例えば、荷重入力方向が軸方向(軸心O方向)と斜交する方向であれば、膨出部12及び第1ストッパ52は、軸心Oに対して斜交する直線を対称軸として線対称状となるように設定する。この場合、オリフィス形成部材50,150,250,350の第2ストッパ57,157,257,357及び防振基体30,330の基体押圧部34,334も同様に、軸心Oに対して斜交するその直線を対称軸として線対称状となるように設定する。これにより、荷重入力方向が軸心Oと斜交する場合も、オリフィス形成部材50,150,250,350が内側部材10を押圧する程の大きな荷重が入力されると、オリフィス形成部材50,150,250,350は、まず防振基体30,330を押圧し、次に内側部材10を押圧する。その結果、上記実施の形態と同様に、防振基体30,330の静ばね定数を段階状に上昇させることができ、減衰性能を確保できる。
1,301 液封入式防振装置
10 内側部材
20 外側部材
30,330 防振基体
32 ゴム膜部(内側押圧部)
33 軸方向隔壁
34,334 基体押圧部
50,150,250,350 オリフィス形成部材
52 第1ストッパ
54 オリフィス
57,157,257,357 第2ストッパ
61,62 液室

Claims (3)

  1. 筒状に形成される内側部材と、前記内側部材を同心状に取り囲む外側部材と、前記内側部材および前記外側部材を連結すると共にゴム状弾性体から構成される防振基体と、前記防振基体により前記内側部材を挟んで相対する位置に区画される液室と、前記外側部材と前記内側部材との間に配置されると共に前記液室を互いに連通するオリフィスを形成するオリフィス形成部材とを備える液封入式防振装置において、
    前記オリフィス形成部材は、前記内側部材の径方向外側に位置し荷重の入力による前記内側部材の変位を制限する第1ストッパと、前記荷重の入力による前記防振基体の変位を制限する第2ストッパとを備え、
    前記内側部材は、前記第1ストッパに押圧される内側押圧部を備え、
    前記防振基体は、前記第2ストッパに押圧される基体押圧部を備え、
    前記荷重の荷重入力方向における前記第2ストッパと前記基体押圧部との間隔は、前記荷重の入力前において、前記荷重入力方向における前記第1ストッパと前記内側押圧部との間隔より小さい値に設定され
    前記基体押圧部は、前記第2ストッパに向かって突出する突出状に形成されていることを特徴とする液封入式防振装置。
  2. 前記基体押圧部は、前記液室を周方向に区画すると共に前記内側部材を挟んで位置し前記荷重入力方向と交差する方向に延びる一対の軸方向隔壁に形成されていることを特徴とする請求項1記載の液封入式防振装置。
  3. 前記第2ストッパの剛性が前記防振基体の剛性よりも高いことを特徴とする請求項1又は2に記載の液封入式防振装置。
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