JP6145667B2 - アロディニア、痛覚過敏、自発痛、及び幻痛の治療 - Google Patents

アロディニア、痛覚過敏、自発痛、及び幻痛の治療 Download PDF

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Description

本発明は、アロディニア、痛覚過敏、自発痛、及び/又は幻痛の治療方法におけるコメチン(Cometin)の使用に関する。好適な実施形態において、治療対象となる障害は、温熱性アロディニア及び温熱性痛覚過敏である。アロディニア及び/又は痛覚過敏は、有痛性糖尿病神経障害、帯状疱疹後神経痛、又は坐骨神経痛と診断された患者において治療されることが好ましい。
多くの治療法が、アロディニア、痛覚過敏、自発痛、及び幻痛の治療のために検討され、様々な度合いで成功を収めてきており、これらには非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、オピオイド、抗痙攣薬、抗不整脈薬、三環系抗鬱薬、外用剤が含まれる。別のアプローチには、麻酔的遮断、ステロイドの硬膜外投与、及び神経外科的破壊が含まれる。しかしながら、現在の全ての治療法は、殆どの患者において効能が少なく、治療的ではなく緩和的であり、副作用のため著しい制限がある。
そのため、アロディニア、痛覚過敏、自発痛、及び幻痛を効果的に好ましくは患者の全般的健康状態に影響を与えない軽微な副作用のみで治療する治療法には、大きな必要性が存するが未だ実現されていない。
神経栄養性成長因子コメチンの配列を有するポリペプチドは、以前にWO93/22437(Innogenetics)において説明されている。このタンパク質又はそのアンタゴニストは、抗腫瘍化合物として、或いは抗炎症性化合物、又はT細胞及びB細胞の成長活性剤、骨修復化合物、免疫抑制細胞の誘導物質、抗コロニー刺激因子の阻害物質として、或いは抗トリパノソーマ薬として、使用可能であることが示唆されている。
WO01/039786(Innogenetics)は、抑制性マクロファージ活性化因子(suppressive macrophage activation factors, SMAF’s)と命名されたポリペプチドの特定の使用を開示しており、ここで、SMAF-1は、コメチンとの100%の同一性を有する。具体的には、SMAF-1及び/又はSMAF-2が、Th1、Th2、及び/又はTh3サイトカインの生成を調節することが開示されており、炎症、感染、アレルギー、自己免疫疾患、移植拒絶、移植片対宿主病、悪性腫瘍、及び粘膜免疫に関与する疾患等の1型、2型、及び/又は3型反応により仲介される疾患の治療に、SMAF-1をどのように使用可能かが示唆されている。
WO2010/009732(NsGene)では、コメチンを(メテオリン様(Meteorin-like)又はMETRNLの名称で)、後根神経節外植片における神経突起伸長、脳室下帯外植片における神経芽細胞の移動に対する効果、及び聴力損失の動物モデルにおける効果を有する神経栄養性成長因子として説明している。
WO93/22437 WO2010/009732
本発明は、アロディニア、痛覚過敏、自発痛、及び幻痛を治療する方法を提供する。方法は、コメチンタンパク質、コメチンをコードするヌクレオチド配列、コメチンをコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクター、コメチンをコードするベクターにより形質転換/トランスフェクトした株化細胞、又は分泌コメチンを送達する生体適合性カプセルを用いる。
したがって、一態様において、本発明は、アロディニア、痛覚過敏、自発痛、及び/又は幻痛の治療方法において使用するための、以下の群から選択されるアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドに関する:
i. 配列番号7のアミノ酸配列と、
ii. 配列番号7に対して少なくとも70%の配列同一性を有する、配列番号7のアミノ酸配列の生物活性配列変異体と、
iii. 配列番号7に対して少なくとも70%の同一性を有する、a)又はb)の少なくとも50個の隣接アミノ酸の生物活性フラグメント。
本発明者は、コメチンが、温熱性及び機械的アロディニアの両方の動物モデルにおける過敏症を軽減可能であることを発見した。重要なことに、動物は、実験の期間に亘って、体重の低下又は毒性兆候を示さず、痛みを伴う副作用は観察されなかった。
他の態様において、本発明は、アロディニア、痛覚過敏、自発痛、及び/又は幻痛の治療方法において使用するための、以下の群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする単離核酸分子に関する:
i. 配列番号7のアミノ酸配列と、
ii. 配列番号7に対して少なくとも70%の配列同一性を有する、配列番号7のアミノ酸配列の生物活性配列変異体と、
iii. 配列番号7に対して少なくとも70%の同一性を有する、a)又はb)の少なくとも50個の隣接アミノ酸の生物活性フラグメント。
他の態様において、本発明は、アロディニア、痛覚過敏、自発痛、及び/又は幻痛の治療方法において使用するための本発明の核酸分子を含む発現ベクターに関する。
更に他の態様において、本発明は、アロディニア、痛覚過敏、自発痛、及び/又は幻痛の治療方法において使用するための本発明による発現ベクターを含む単離宿主細胞に関する。特に、本発明は、アロディニア、痛覚過敏、自発痛、及び/又は幻痛の治療方法において使用するための、裸細胞に基づく治療法とカプセル化細胞治療法との何れかである、細胞に基づく治療法にとって有用な宿主細胞に関する。
他の態様において、本発明は、分泌された生物活性コメチンの患者への送達による、アロディニア、痛覚過敏、自発痛、及び/又は幻痛の治療方法において使用するための移植可能な生体適合性カプセルであって、
i. 生体適合性の外膜及び内核を含み、かつ、
ii. 前記内核が、本発明による細胞を含む、カプセルに関する。
他の態様において、本発明は、
i. 本発明による単離ポリペプチド、又は
ii. 本発明による単離核酸、又は
iii. 本発明による発現ベクター、又は
iv. 本発明による株化細胞、又は
v. 本発明による移植可能な生体適合性カプセルを含む、アロディニア、痛覚過敏、自発痛、及び/又は幻痛の治療方法において使用するための組成物に関する。
他の態様において、本発明は、患者のアロディニア、痛覚過敏、自発痛、及び/又は幻痛の治療方法であって、治療を必要とする当該患者に、本発明によるコメチンポリペプチドの治療有効量を投与することを含む方法に関する。
ヒト、マウス、及びラットコメチンタンパク質(配列番号2、4、及び6)のアライメント。予測シグナルペプチドは太字。アライメントはCLUSTAL W(1.7)を用いて行った(Thompson, J.D., Higgins, D.G. and Gibson, T.J. (1994) CLUSTAL W: improving the sensitivity of progressive multiple sequence alignment through sequence weighting, positions-specific gap penalties and weight matrix choice. Nucleic Acids Research, 22:4673-4680.)。BLOSUM62をスコア行列として使用した。 ヒト、マウス、及びラットコメチン(配列番号2、4、及び6)及びヒト、マウス、及びラットメテオリン(Meteorin)(配列番号23、24、及び25)。シグナルペプチドは太字。保存Cys残基は四角で囲んでいる。Clustal W(1.7)をアライメントに用いた。 ヒト(NP_001004431.1、EQ ID NO.2)、マウス(NP_659046.1、配列番号4)、ラット(NP_001014126、配列番号6)、ウシ(XP_614019.3、配列番号19)、ニワトリ(CR352488、配列番号20)、ゼノパス・トロピカリス(BX757299.1、配列番号21)、及びゼブラフィッシュ(NP_998150.1、配列番号22)のコメチンタンパク質配列のアライメント。ヒトの配列と同一の保存残基を網掛けとし、予測シグナルペプチドは太字、10個の保存システイン残基を四角で囲み、成熟タンパク質配列の保存N末端グルタミン(Q)を矢印で示した。 坐骨神経損傷後の機械的刺激に対する足引っ込め閾値におけるコメチンの効果。矢印は髄腔内注射の時点を示す。データは平均値±SEMとして示す。*p<0.05。 坐骨神経損傷後の寒冷刺激に対する反応におけるコメチンの効果。矢印は髄腔内注射の時点を示す。データは平均値±SEMとして示す。*p<0.05及び**p<0.01。 実験群における体重。矢印は髄腔内注射の時点を示す。
定義
本明細書で使用される、「生体適合性カプセル」とは、宿主哺乳動物への移植時に、カプセルの拒絶をもたらすに足る、或いは、例えば分解により、作動不可能な状態にするに足る、有害な宿主反応を誘発しないカプセルである。
本明細書で使用される、「コード配列」とは、ポリペプチドに転写翻訳されるポリヌクレオチド配列である。
本明細書で使用される、「欠失」とは、アミノ酸又はヌクレオチド配列における変化を示し、1個以上のアミノ酸残基又はヌクレオチドの欠如をもたらす。
本明細書で使用される、「発現ベクター」という用語は、適切に作動可能に連結した遺伝子の発現を指揮することが可能なベクターを示す。一般に、組換えDNA技術において有用な発現ベクターは、プラスミドの形態であることが多い。
本明細書で使用される、「免疫隔離性カプセル」とは、哺乳類宿主への移植時に、カプセルが、核内の細胞に対する宿主の免疫系による有害作用を最小限に抑えることを意味する。
「哺乳類プロモーター」は、哺乳類細胞内で機能可能なプロモーターを意味する。
本明細書で使用される、コメチンとは、任意の種、特に、チンパンジー、ウシ、ヒツジ、ブタ、ネズミ、ウマを含み、好ましくはヒトである哺乳類から得られた実質的に精製されたコメチンのアミノ酸配列を有するポリペプチドを示し、取得源は天然、合成、半合成、又は組換えであるかを問わない。この用語は、更に、これらの何れかの種から得られた生物活性を有するコメチンのフラグメントを示すと共に、生物活性を有するこれらの配列変異体、及び翻訳後修飾を施されたタンパク質を示す。
生物活性を有するコメチンのフラグメントは、1箇所以上の位置において野生型コメチン配列と異なっていてよく、好ましくは20箇所までの位置、更に好ましくは10箇所までの位置、更に好ましくは5箇所までの位置、例えば1箇所、2箇所、3箇所、又は4箇所の位置において異なっていてよい。
本明細書で使用される、成長因子特性とは、古典的な成長因子の配列に関連する特徴と類似する特徴を意味するものであり、成長因子とは、受容体を介して標的細胞に作用して、標的細胞において以下の反応の1つ以上を引き起こす分泌タンパク質である:増殖を含む成長、分化、生存、再生、遊走、機能回復、機能改善。
「配列同一性」:高レベルの配列同一性は、第1の配列が第2の配列に由来する可能性を示す。アミノ酸配列同一性には、アライメントした2配列間での同一のアミノ酸配列が必要となる。したがって、基準配列と70%のアミノ酸同一性を共有する候補配列では、アライメント後、候補配列内のアミノ酸の70%が基準配列内の対応するアミノ酸と同一であることが必要となる。同一性は、限定ではないが、ClustalWコンピュータアライメントプログラム(Higgins D., Thompson J., Gibson T., Thompson J.D., Higgins D.G., Gibson T.J., 1994. CLUSTAL W: improving the sensitivity of progressive multiple sequence alignment through sequence weighting, position-specific gap penalties and weight matrix choice. Nucleic Acids Res. 22:4673-4680)及びその推奨される初期パラメータ等、コンピュータ解析を援用して決定し得る。ClustalWソフトウェアは、欧州バイオインフォマティクス研究所においてClustalW WWW Serviceとしてhttp://www.ebi.ac.uk/clustalwから利用可能である。このプログラムを初期設定で使用することにより、クエリポリペプチドと基準ポリペプチドの成熟(生物活性)部分のアライメントが行われる。完全な保存残基の数を計数し、基準ポリペプチドの長さにより除算する。その際、クエリ配列の一部を形成する任意のタグ又は融合タンパク質配列は、アライメント及びその後の配列同一性の決定において、無視される。
ClustalWアルゴリズムは、ヌクレオチド配列のアラインメントにも同様に用い得る。配列同一性は、アミノ酸配列について示したものと同様の方法で計算し得る。
配列の比較に利用される数学アルゴリズムの別の好適な非限定的である例は、Myers及びMiller, CABIOS(1989)のアルゴリズムである。こうしたアルゴリズムは、FASTA配列アライメントソフトウェアパッケージ(Pearson WR, Methods Mol Biol, 2000, 132:185-219)の一部であるALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている。Alignは、グローバルアライメントに基づいて配列同一性を計算する。Align0は、配列の終わりのギャップにペナルティを与えない。アミノ酸配列を比較するためにALIGN又はAlign0プログラムを利用する際には、ギャップ開始/伸長ペナルティとして-12/-2を有するBLOSUM50置換行列を用いることが好ましい。
本明細書において使用される「患者」という用語は、コメチンポリペプチド又はポリヌクレオチド、治療用細胞、又は生体適合性カプセルを投与し得る任意の哺乳動物を意味する。特に本発明の方法による治療の対象となる患者には、ヒトと共に、ヒト以外の霊長類、ヒツジ、ウマ、ウシ、ヤギ、ブタ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、ハムスター、スナネズミ、ラット、マウスが含まれ、更に、これらの宿主由来又は起源の臓器、腫瘍、及び細胞が含まれる。
本明細書で使用される、「実質的に精製された」という用語は、自然環境から取り出されて単離又は分別された核酸又はアミノ酸配列であり、自然状態で付随する他の構成要素が少なくとも60%除去、好ましくは75%除去、最も好ましくは90%除去されたものを示す。
本明細書で使用される、「挿入」又は「追加」とは、自然発生分子と比較して1個以上のアミノ酸残基又はヌクレオチドがそれぞれ追加されるように、アミノ酸又はヌクレオチド配列が変化することを示す。
本明細書で使用される、「置換」とは、1個以上のアミノ酸又はヌクレオチドをそれぞれ異なるアミノ酸又はヌクレオチドに交換することを示す。
「治療」は、治癒、改善、及び予防を含む数種類の方法で行うことができる。治癒的治療は、一般に、治療を受ける個体に既に存在する疾病又は感染症等の臨床状態の治癒を目的とする。改善的治療は、一般に、既存の臨床状態を個体において改善するための治療を意味する。予防的治療は、一般に、臨床状態を予防すること、或いは、臨床状態を生じるリスクを低減すること、或いは、臨床状態の範囲を低減することを目的とする。本発明は、こうした全ての種類の治療に関する。
本明細書で使用される、「ベクター」という用語は、連結した別の核酸を輸送することが可能な核酸分子を示す。ベクターの1種は、「プラスミド」であり、これは追加DNAセグメントを内部に結合可能な円形の2本鎖DNAループを示す。プラスミドは最も一般的に使用されるベクターの形態であるため、本明細書では、「プラスミド」及び「ベクター」は、相互に交換可能に使用される場合がある。しかしながら、本発明は、同等の機能を果たすウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルス、及びアデノ随伴ウイルス)等、他の形態の発現ベクターを含むものである。
アロディニア
アロディニアは、「他の力」を意味し、通常は痛みを引き起こさない刺激による痛みであり、温熱性又は機械的/接触性アロディニアとなる場合がある。通常は痛みの感覚につながらない刺激による痛みであり、部位の損傷後に生じ得る。アロディニアは、痛覚過敏及び自発痛とは異なるものであり、これらについては「痛覚過敏」及び「自発痛」の節でそれぞれ説明する。アロディニアは、過敏症の一種である。
様々な種類又はタイプのアロディニアが存在する。
●機械的アロディニア(接触性アロディニアとしても知られる)
- 静的機械的アロディニア-軽い接触/圧力に対する痛み
- 動的機械的アロディニア-撫でることに対する痛み
●温熱性(温感又は冷感)アロディニア-通常は温和である患部の皮膚温度による痛み
アロディニアは、神経障害、複合性局所疼痛症候群、帯状疱疹後神経痛、線維筋痛症、及び偏頭痛等、多くの疼痛状態の臨床的特徴となる。アロディニアは、脊髄損傷を含む神経損傷を治療するために用いられる一部の幹細胞群によっても生じ得る。本発明の一実施形態において、治療対象のアロディニアは、機械的/接触性アロディニアである。本発明の他の実施形態において、治療対象のアロディニアは、温熱性アロディニアである。本発明の好適な実施形態において、治療対象のアロディニアは、冷感アロディニアである。
侵害受容及び機械的感覚に関与する細胞型は、アロディニアの原因となる細胞である。健康な個体において、侵害受容器は、皮膚における細胞ストレス又は損傷及び温度に関する情報を知覚し、脊髄へ伝達する。こうしたニューロンの細胞体は、脊髄の両側に位置する重要な構造である後根神経節内に存在する。軸索は、次に後角を通過し、二次ニューロンとの接続を為す。二次ニューロンは、脊髄の他方の(反対)側へ渡り、視床の核に達する。ここから、情報は、1本以上のニューロンを介して脳の体性感覚皮質に運ばれる。機械受容器は、同じ一般的な経路を辿る。しかしながら、脊髄のレベルではなく、髄質下部において交差する。加えて、侵害受容経路とは空間的に別個の経路に集合している。
この解剖学的な分離にもかかわらず、機械受容器は、活性化することで痛みの感覚を低減又は完全に除去可能な同じ介在ニューロンとの接続を為すことにより、侵害受容器の出力に影響を与えることができる。疼痛情報の伝達を調節する別の方法は、脳からの下行線維を介するものである。こうした線維は、異なる介在ニューロンを介して作用し、侵害受容器から二次ニューロンへの情報の伝達を遮断する。
こうした両方の疼痛調節の機構は、アロディニアの病理に関係するとされてきた。幾つかの研究は、脊髄の損傷が侵害受容器、機械受容器、及び介在ニューロンの喪失及び再編につながり、機械受容器による疼痛情報の伝達につながり得ることを示唆している。別の研究では、損傷部位における下行線維の出現が報告されている。こうした全ての変化は、最終的に脊髄内部の回路に影響を与え、信号バランスの変化が、アロディニアに関連した強い感覚につながると思われる。
別の細胞タイプもアロディニアに関連付けられている。例えば、視床内の小膠細胞が二次侵害受容器の特性を変化させることでアロディアの一因となり得ることが報告されている。同じ影響は、脊髄において、単球/マクロファージ及びTリンパ球等の免疫系細胞の動員により達成される
上述したように、疼痛の知覚を調節する下行ニューロンが存在する。こうしたニューロンの多くは、脳幹の核を起源とし、中脳の水道周囲灰白質(periaqueductal gray, PAG)領域を通過する。
身体は、疼痛を制御する付加的な機構として、特にPAGのレベルでの内因性オピオイドの放出を有する。PAGには、エンケファリン、エンドルフィン及びダイノルフィンを放出するニューロンが存在し、このようにして、疼痛知覚を調節する能力を調節する。他のニューロンは、痛みの源において、内因性オピオイドを放出することもできる。これが起きた場合、侵害受容器から二次ニューロンへの疼痛情報の伝達が遮断され、痛みを感じなくなる。残念なことに、こうした内因性機構は、アロディニアを患う人の場合、損傷し機能しなくなることが多く、そのため、医薬品の利用が必要となる。
多数の化合物がアロディニアの疼痛を緩和する。特定のタイプのアロディニアに特異的なものと、全般的なものとがある。非ステロイド性抗炎症薬(nonsteroidal antiinflammatory drug, NSAID)、オピオイド、及び様々なイオンチャネルを標的とする化合物が含まれる。
本発明は、アロディニアの治療のためのコメチンの使用に関する。好ましくは、治療対象のアロディニアは、温熱性アロディニアであり、更に好ましくは、治療対象の温熱性アロディニアは、冷感アロディニアである。
痛覚過敏
痛覚過敏は、通常、痛みとして知覚される刺激に対する極端な反応である。刺激は、機械的/接触性又は温熱性となる場合がある。
痛覚過敏は、アロディニア等、神経損傷に関連する他の種類の疼痛に類似しているため、「アロディニア」の節において説明したような、アロディニアに対する標準的な治療に反応し得る。痛覚過敏も、過敏症の一種として特徴付けし得る。
一実施形態において、本発明は、痛覚過敏の治療のためのコメチンの使用に関する。一実施形態において、治療対象の痛覚過敏は、機械的/接触性痛覚過敏である。他の実施形態において、治療対象の痛覚過敏は、温熱性痛覚過敏であり、好ましくは、冷感痛覚過敏である。アロディニアと痛覚過敏とは、共に過敏症として特徴付けし得る。
自発痛
自発痛は、何のきっかけも無く発生する痛みとして特徴付けられる。自発痛の臨床症状には、ピン及び針、電撃痛、灼熱痛、刺痛、及び発作性の(電気ショックのような)痛みの感覚が含まれ、ジセステジア及び/又はパレステジアを伴う場合がある。ジセステジアは、不快な異常触覚として定義され、自発的に生じる疼痛の一種と見做し得る。パレステジアは、長期に亘る明白な物理的影響を有しない、患者の皮膚の疼き、刺すような感覚、又は痺れの感覚として定義される。自発痛は、求心路内のニューロンの自発活性により引き起こされる可能性が高いと思われる。
一実施形態において、本発明は、自発痛の治療のためのコメチンの使用に関する。
幻痛
幻痛の感覚は、物理的には身体の一部ではない四肢又は臓器に関連して患者が経験する知覚として定義される。幻痛の感覚は、腕又は脚の切断後に最も頻繁に記録されるが、乳房又は内臓の除去後にも発生し得る。幻痛の感覚は、個体毎に異なる。幻痛は、移動、接触、温度、圧力、及び掻痒に関連した感覚として経験される場合がある。
一実施形態において、本発明は、幻痛の治療のためのコメチンの使用に関する。
アロディニア及び痛覚過敏の原因
アロディニア、痛覚過敏、及び一般に過敏症は、様々な障害により発生し、その一部を以下に列挙する。
したがって、一実施形態において、本発明は、上記の表に列挙した障害の1つと診断された患者におけるアロディニア、痛覚過敏、又は過敏症の治療に関する。好ましくは、本発明は、有痛性糖尿病神経障害、帯状疱疹後神経痛、及び/又は坐骨神経痛と診断された患者における過敏症の治療に関する。更に具体的には、本発明は、有痛性糖尿病神経障害、帯状疱疹後神経痛、及び/又は坐骨神経痛と診断された患者におけるアロディニア及び痛覚過敏の治療に関する。更に好適な実施形態において、本発明は、有痛性糖尿病神経障害、帯状疱疹後神経痛、及び/又は坐骨神経痛と診断された患者におけるアロディニアの治療に関する。
治療方法
一実施形態において、本発明は、アロディニア、痛覚過敏、自発痛、及び/又は幻痛の治療のためのコメチンの使用に関する。更に好適な実施形態において、本発明は、アロディニア、痛覚過敏、及び/又は自発痛の治療のためのコメチンの使用に関する。更に一実施形態において、本発明は、痛覚過敏及び/又はアロディニアの治療のためのコメチンの使用に関する。
好適な実施形態において、本発明は、アロディニアの治療のためのコメチンの使用に関する。更に好適な実施形態において、本発明は、機械的アロディニアの治療のためのコメチンの使用に関する。他の好適な実施形態において、本発明は、温熱性アロディニアの治療のためのコメチンの使用に関する。本発明の更により好適な実施形態において、温熱性アロディニアは、冷感アロディニアである。
他の好適な実施形態において、本発明は、自発痛の治療のためのコメチンの使用に関する。
他の好適な実施形態において、本発明は、痛覚過敏の治療のためのコメチンの使用に関する。更に好適な実施形態において、本発明は、機械的痛覚過敏の治療のためのコメチンの使用に関する。他の好適な実施形態において、本発明は、温熱性痛覚過敏の治療のためのコメチンの使用に関する。本発明の更により好適な実施形態において、痛覚過敏は、冷感痛覚過敏である。
したがって、一般に、コメチンは、過敏症を治療するために使用し得る。
ポリペプチドの投与及び剤形
コメチンポリペプチドは、医学的に許容可能な任意の形で投与し得る。これには、静脈、血管内、動脈内、皮下、筋肉内、腫瘍内、腹腔内、心室内、上皮内、髄腔内、脳室内、大脳半球間、又は他の非経口経路による注入が含まれ、更に経鼻又は局所投与が含まれる。具体的には、徐放性投与、蓄積注射又は侵食性インプラント等によるものが本発明に含まれる
本発明によるコメチンの投与は、以下を含む任意の適切な送達手段を用いて達成し得る:
皮下、静脈内、動脈内、筋肉内、髄腔内、又は他の適切な部位への注射、
連続注入(髄腔内カテーテル)、
マイクロカプセル化、又は徐放性ポリマーインプラント、
カプセル化細胞及び非カプセル化細胞グラフト(例えば、生体外遺伝子治療)、及び
吸入。
投与は、調製物のボーラスの周期的な注射によるものとしてよく、或いは、体外(例えば、IVバッグ)又は体内(例えば生体侵食性インプラント、人工臓器、コメチン生産細胞の生体適合性カプセル、又は移植コメチン生産細胞のコロニー)のリザーバからの静脈内又は腹腔内投与による更に連続的なものとしてもよい。例えば、それぞれ出典を明記することにより本願明細書の一部とした、米国特許第4,407,957号、第5,798,113号、及び第5,800,828号を参照されたい。
局所送達は、1本以上の動脈又は髄腔内へのカテーテルを介した送達等を用いたものにし得る。本発明の一実施形態において、局所送達は、カプセル化細胞を用いた送達を含む。他のタイプの局所送達は、通常は注射される遺伝子治療ベクターの局所送達を含む。
本発明の好適な実施形態において、投与は、非経口注射であり、好ましくは、皮下注射又は髄腔内注射である。
本発明の化合物は、未加工の化学物質として投与可能だが、医薬品剤形の形態で提供することが好適である。医薬品剤形は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 2005、Lippincott、Williams & Wilkinsに記載のもの等、従来の手法により調製し得る。
「医薬的に許容可能な担体」という用語は、利用を容易にするためにコメチンポリペプチドに組み合わせる1つ以上の天然又は合成の有機又は無機材料を意味する。適切な担体には無菌食塩水が含まれるが、医薬的に許容可能であることが知られている他の水性及び非水性の等張性無菌溶液及び無菌懸濁液は、当業者に公知である。
本発明の化合物は、非経口投与用に処方し得ると共に、アンプル、充填済みシリンジ、少量の注入液、又は複数回投与用容器において、任意に保存料を添加して、単位用量の形態で提供し得る。組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、又は乳液の形態、例えば、水性ポリエチレングリコール中の溶液の形態をとり得る。油性又は非水性担体、希釈剤、溶媒、又はビヒクルの例には、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、野菜油(例えば、オリーブ油)、及び注入可能有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)が含まれ、保存剤、湿潤剤、乳化剤、又は懸濁化剤、安定化剤、及び/又は分散剤等の薬剤を含有し得る。或いは、活性成分は、滅菌固体の無菌分離により、或いは、溶液から凍結乾燥により取得され、適切なビヒクル、例えば発熱性物質除去蒸留水を用いて使用前に構成される粉末形態としてもよい。
「有効量」とは、罹患、変性、又は損傷状態の軽減又は進行の遅延が可能な量を示す。有効量は、個別に決定することが可能であり、部分的には、治療対象の症状及び求める結果を考慮したものとなる。有効量は、こうした要素を考慮し、日常的な実験のみを用いて、当業者が決定することができる。
リポソームは、コメチンポリペプチドの標的化送達に使用し得る。リポソーム系は、単層ベシクル、多層ベシクル、又は安定多膜ベシクルの任意の変種にし得ると共に、当業者に周知の方法により調製及び投与し得る。リポソームカプセル化タンパク質は、DRG等、標的細胞に対する任意の効果について、インビトロで試験し得る。
コメチンポリペプチドの投与を必要とする任意の疾病又は障害の治療に適した放出特性を有する剤形において、コメチンポリペプチドの徐放性投与が望ましい場合には、コメチンポリペプチドのマイクロカプセル化が考えられる。
本発明の一実施形態では、コメチンを含む組成物が考えられる。組成物は、本明細書に記載の単離ポリペプチド、本明細書に記載の単離核酸、本明細書に記載のコメチンコード発現ベクター、本明細書に記載のコメチンを発現する株化細胞、又は本明細書に記載のコメチンを分泌する生体適合性カプセルを含み得る。
投与量
全身投与用の様々な投与計画が考えられる。一実施形態において、患者にコメチンポリペプチドを含む製剤を投与する方法は、1用量当たり、患者の体重に対して1μg/kg乃至10,000μg/kgの投与量でコメチンを投与することを含む。別の実施形態において、投与量は、1用量当たり、患者の体重に対して1μg/kg乃至7,500μg/kgとなる。他の実施形態において、投与量は、1用量当たり、患者の体重に対して1μg/kg乃至5,000μg/kgとなる。異なる実施形態において、投与量は、1用量当たり、患者の体重に対して1μg/kg乃至2,000μg/kgとなる。更に別の実施形態において、投与量は、1用量当たり、患者の体重に対して1μg/kg乃至1,000μg/kgとなる。更に別の実施形態において、投与量は、1用量当たり、患者の体重に対して1μg/kg乃至700μg/kgとなる。更に好適な実施形態において、投与量は、1用量当たり、患者の体重に対して5μg/kg乃至500μg/kgとなる。最も好適な実施形態において、投与量は、1用量当たり、患者の体重に対して10μg/kg乃至100μg/kgとなる。好適な実施形態において、治療対象の患者は、ヒトである。
特定の投与量及び送達方法に関する手引きは、文献に提示されており、例えば、WO02/78730及びWO07/100898を参照されたい。動物実験に用いた投与量に基づくヒト等価投与量の計算に対する手引きは、Reagan-Shaw et al., FASEB J, 22, 659-661 (2007)に記載されている。
投与される用量は、治療中の個体の年齢、体重、及び状態と共に、投与経路、投薬形態及び計画、及び所望の結果に合わせて慎重に調節する必要があり、正確な投与量は、医師が決定するべきである。
本発明の一実施形態において、投与は、毎日繰り返される。他の実施形態において、投与は、少なくとも週に1乃至3回、例えば週に2乃至5回、例えば週に3乃至6回繰り返される。
コメチン
本発明は、アロディニア、痛覚過敏、自発痛、及び/又は幻痛の治療における、コメチンタンパク質及び同タンパク質をコードするポリヌクレオチドとして同定される、ポリペプチド及びポリヌクレオチドの医学的使用に関する。送達は、一実施形態において、分泌された生物活性コメチン及び/又はその相同体を患者へ送達するためのカプセルを用いるものと理解される。コメチンタンパク質は、ヒト(配列番号2)、マウス(配列番号4)、及びラット(配列番号6)、更に他の様々な種において同定されている。
コメチンタンパク質は、ヒト(配列番号2)、マウス(配列番号4)、及びラット(配列番号6)、更にウシ(配列番号19)、ニワトリ(配列番号20)、ゼノパス・トロピカリス(配列番号21)、及びゼブラフィッシュ(配列番号22)において同定されている(図3)。
ヒトコメチンは、少なくとも1つの生物活性ペプチドを生成させるためにプロセシングされることが可能な311個のアミノ酸の前駆物質として存在する。コメチンは、成体組織においては高レベルでは発現しないと思われるが、胎児発達中には特定の組織において高レベルで発現する(Joergensen et al, 2012, Exp Neurol 233:172-81)。マウス(配列番号4)及びラット(配列番号6)のコメチンポリペプチドも、同様に311個のアミノ酸から成り、ヒトタンパク質との同一性は、完全長配列について、それぞれ77%及び78%と計算される。
マウスコメチンは、配列モチーフASA-QYにおいて切断される45個のアミノ酸のN末端シグナルペプチド配列を含む。このシグナルペプチド切断部位は、SignalP法により予測され、質量分析により実験的に検証されている。同一の切断部位は、ヒト及びラットタンパク質において予測されている。シグナルペプチドの切断により、配列番号7、8、及び9を有するポリペプチドが、それぞれヒト、マウス、及びラットについて生じる。当該技術分野において公知であるように、シグナルペプチドのプロセシングは、常に厳密に予測通りになる訳ではなく、実際の切断は、場合によって異なる可能性がある。したがって、成熟コメチンのN末端は、予測される切断部位からアミノ酸1個乃至2又は3個分変化し得ると予想される。
当該技術分野において公知であるように、N末端グルタミンは、環化してピログルタミン酸になり得る。したがって、一実施形態において、コメチンは、環化N末端グルタミンを含む。
コメチンは、WO2005/095450(NsGene)に記載のMETRN(NsG33、メテオリン)タンパク質と構造的に関連する。完全長のヒト、マウス、及びラットタンパク質を図2に示す。METRNは、ヒトコメチンタンパク質に対して、42/43%の同一性を有する(標準設定のClustal W(1.7))。
METRNタンパク質に対するヒトコメチンの完全長アライメントを図2に示す。10個の保存システインを四角で囲んでいる。2種類のタンパク質は、保存システイン残基と、図2から明白な保存度の高い範囲とに基づいて、共にタンパク質ファミリーを形成する。2種類のタンパク質は、何れも他の公知のヒトタンパク質との有意な配列相同性を示さない。2種類のタンパク質は、同じ小さなタンパク質ファミリーの構成要素だが、構造的には別個である。
システインの高い保存度のため、これらの残基は、生理活性タンパク質の二次及び三次構造において重要な役割を果たすと予想される。1個以上のシステインは、分子内及び/又は分子間システイン架橋の形成に関与し得る。
コメチンは、成長因子として機能するタンパク質のカテゴリに属する。この考えは、当該タンパク質が分泌されるという事実、その構造的特徴(保存システインパターンを有する比較的小さなタンパク質)、及び標的細胞に対して成長因子の効果を及ぼす事実により裏付けられる。更に、コメチンは、成長因子METRNに構造的に関連している。
コメチンの治療的効果は、増殖を含む成長、再生、機能回復、機能改善、生存、遊走、及び/又は標的細胞の分化に対する効果により仲介され得る。
反復髄腔内注射により投与したコメチンが、坐骨神経損傷後のラットにおいて、機械的及び冷感過敏症を有意に低減したことが証明されている(実施例2参照)。コメチンは、後根神経節細胞における神経突起伸長と、脳室下帯外植片における刺激による遊走とに対して刺激的効果を有する(WO2010/009732参照)。
コメチンポリペプチド
完全長コメチン、実質的な完全長コメチン、及び短縮コメチンに加え、本発明は、こうしたポリペプチドの生物活性フラグメント及び配列変異体を提供する。コメチンポリペプチド、配列変異体、又はフラグメントが生物活性を有するのは、自然発生コメチンの生物活性を示す場合である。コメチンの生物活性フラグメントは、1箇所以上の位置において野生型コメチン配列と異なっていてよく、20箇所までの位置、更に好ましくは10箇所までの位置、更に好ましくは5箇所までの位置、例えば1箇所、2箇所、3箇所、又は4箇所の位置において異なっていてよい。本発明は、本明細書において定義される実質的に精製されたコメチンに関すると理解されたい。
生物活性の1つは、受容体結合アッセイにおいて、自然発生コメチンと競合する能力である。
他の生物活性は、自然発生コメチンに存在するエピトープに対する抗体に結合する能力である。
生物活性変異体は、実施例に記載した1つ以上の生物学的アッセイを参照して定めてもよい。
好適な生物活性は、WO2010/009732の実施例2及び図6に記載のDRGアッセイにおけるものと実質的に同じ反応を引き起こす能力である。このアッセイでは、分離したラットP5 DRGの培養物を、C末端His-Tag(WO2010/009732の配列番号26)を有するマウスコメチンタンパク質(WO2010/009732の配列番号8)に接触させる。前記DRGアッセイと実質的に同じ反応とは、細胞当たりの神経突起長が、WO2010/009732の実施例2におけるC末端His-Tagマウスコメチンについて得られた数の少なくとも10%であること、更に好ましくは少なくとも20%、更に好ましくは少なくとも30%、更に好ましくは少なくとも40%、更に好ましくは少なくとも50%、更に好ましくは少なくとも60%、更に好ましくは少なくとも70%、更に好ましくは少なくとも75%、更に好ましくは少なくとも80%、更に好ましくは少なくとも85%、更に好ましくは少なくとも90%であることを意味する。
WO2010/009732の図6の結果は、神経突起を有する細胞のパーセンテージ又は数としても計算し得る。その場合、前記DRGアッセイと実質的に同じ反応とは、神経突起を有する細胞の数が、WO2010/009732の実施例2において得られた数の少なくとも10%であること、更に好ましくは少なくとも20%、更に好ましくは少なくとも30%、更に好ましくは少なくとも40%、更に好ましくは少なくとも50%、更に好ましくは少なくとも60%、更に好ましくは少なくとも70%、更に好ましくは少なくとも75%、更に好ましくは少なくとも80%、更に好ましくは少なくとも85%、更に好ましくは少なくとも90%であることを意味する。コメチンのフラグメント又は変異体の生物活性は、自然発生コメチンのものより高くなる場合もある。
一態様におけるコメチンの特定の好適な短縮形態は、
i)配列番号10に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド、及び1乃至5個の余分なアミノ酸を有するポリペプチドと、
ii)配列番号11に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド、及び1乃至5個の余分なアミノ酸を有するポリペプチドと、
iii)配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド、及び1乃至5個の余分なアミノ酸を有するポリペプチドと、
iv)前記ポリペプチドの変異体と、からなる群から選択され、ここで、選択された配列において指定された任意のアミノ酸が異なるアミノ酸へ変化するのは、このように変化する配列内のアミノ酸残基が20個以内の場合である。
こうしたコメチンの短縮形態は、最初の保存システインから最後の保存システインまでのコア配列を含む。好適な実施形態では、15個未満のアミノ酸が変化しており、更に好ましくは10個未満のアミノ酸、更に好ましくは5個未満のアミノ酸、例えば1又は2個のアミノ酸が変化しており、更に好ましくは、アミノ酸は変化していない。
変異体は、アミノ酸配列において、或いは配列に関与しない形において、或いは両方において、自然発生コメチンと異なる場合がある。アミノ酸配列における変異体(「配列変異体」)は、自然発生コメチン内の1個以上のアミノ酸が異なるアミノ酸、アミノ酸誘導体、又は非天然アミノ酸により置換された場合に生成される。特に好適な変異体には、タンパク質又はペプチドの二次及び三次構造と疎水性とに対して通常は最小限の影響を有する1つ以上の保存的及び/又は半保存的アミノ酸置換により野生型配列と異なる配列を有する、自然発生コメチン、或いは自然発生コメチンの生物活性フラグメントが含まれる。変異体は、コメチン生物活性を無効にしない1つ以上の非保存的アミノ酸置換、欠失、又は挿入により異なる配列を有してもよい。図1及び/又は図2のClustal Wアライメントを用いて、タンパク質の生物活性に実質的に影響を与えずに置換可能なアミノ酸残基を予測することができる。
以下の群(Clustal W、「強」保存群)内の置換は、本発明の意味において保存的置換と見做すべきである。
-STA、NEQK、NHQK、NDEQ、QHRK、MILV、MILF、HY、FYW
以下の群(Clustal W、「弱」保存群)内の置換は、本発明の意味において半保存的置換と見做すべきである。
-CSA、ATV、SAG、STNK、STPA、SGND、SNDEQK、NDEQHK、NEQHRK、VLIM、HFY
本発明内の他の変異体は、ペプチド安定性を高める修飾を施したものである。こうした変異体は、例えば、ペプチド配列内に1つ以上の(ペプチド結合に置き換わる)非ペプチド結合を含み得る。更に含まれるものは、D-アミノ酸等の自然発生L-アミノ酸以外の残基、或いはベータ又はガンマアミノ酸等の非自然発生又は合成アミノ酸を含む変異体、及び環状変異体である。L-アミノ酸の代わりにD-アミノ酸をポリペプチドに組み込むことにより、プロテアーゼに対する耐性が増加する場合がある。例えば、米国特許第5,219,990号を参照されたい。具体的には、スプライス変異体が本発明に含まれる。
特に好適な突然変異の1つは、全ての成熟コメチン配列(例えば、図3参照)に見られるN末端Gln残基における、Gln及びCysを除く自然発生アミノ酸からなる群から選択される他のアミノ酸の置換である。好ましくは、残基は、非疎水性残基に変異する。更に好ましくは、残基はAsn又はAlaに変異する。こうしたN末端変異コメチンポリペプチドでは、N末端Gln残基が環化してピログルタミン酸になることが回避される。この環化は、ポリペプチドに対して通常のN末端配列決定を行うことができなくなるという結果をもたらす。
特定の置換の結果が確実に予測できない時には、本明細書に開示した方法により誘導体を容易に分析し、生物活性の有無を判定し得る。好ましくは、WO2010/009732に記載のDRGアッセイにおいて判定する。
一実施形態において、ポリペプチドは、配列番号2、4、及び6からなる群から選択される配列の自然発生対立遺伝子変異体である。このポリペプチドは、配列番号1、3、及び5からなる群から選択される核酸配列と単一のヌクレオチドにおいて異なる核酸配列の翻訳であるアミノ酸配列を含み得る。
本明細書に記載の変異体ポリペプチドは、一実施形態において、選択される配列において指定された任意のアミノ酸が変化して保存的置換をもたらしたポリペプチドを含む。
シグナルペプチドは、発現のために異種シグナルペプチドに置き換えてもよい。
本発明の範囲内の変異体は、一実施形態において、ヒト、ネズミ、又はラットコメチン(配列番号2、4、及び6)と少なくとも60パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を備えたタンパク質及びペプチドを含む。更に好ましくは、配列同一性は、少なくとも65%、更に好ましくは少なくとも70%、更に好ましくは少なくとも75%、更に好ましくは少なくとも80%、更に好ましくは少なくとも85%、更に好ましくは少なくとも90%、更に好ましくは少なくとも95%、更に好ましくは少なくとも98%である。
本発明の範囲内の好適な変異体は、一実施形態において、配列番号7、8、及び9の配列を有するポリペプチドと少なくとも60パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を備えたタンパク質及びペプチドを含む。更に好ましくは、配列同一性は、少なくとも65%、更に好ましくは少なくとも70%、更に好ましくは少なくとも75%、更に好ましくは少なくとも80%、更に好ましくは少なくとも85%、更に好ましくは少なくとも90%、更に好ましくは少なくとも95%、更に好ましくは少なくとも98%である。配列番号7、8、及び9は、シグナルペプチドの切断後の成熟タンパク質に対応する。好ましくは、N末端グルタミン残基は、ピロリドンカルボン酸に転換されている。
本発明の範囲内の変異体は、一実施形態において、配列番号10、11、及び12の配列を有するポリペプチドと少なくとも60パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を備えたタンパク質及びペプチドを含む。更に好ましくは、配列同一性は、少なくとも65%、更に好ましくは少なくとも70%、更に好ましくは少なくとも75%、更に好ましくは少なくとも80%、更に好ましくは少なくとも85%、更に好ましくは少なくとも90%、更に好ましくは少なくとも95%、更に好ましくは少なくとも98%である。
好適な実施形態において、変異体コメチンの配列同一性は、ヒトコメチンポリペプチド(配列番号2、7、又は10)を参照して決定する。
一実施形態において、配列同一性のパーセンテージは、グローバルアライメント(Align)を用いて、変異体と各配列番号の配列とがアライメントされるようにし、使用するプログラムの初期設定状態で、同一アミノ酸残基の総数を計算し、その配列番号の長さにより除算して計算される。
一実施形態において、変異体コメチンは、配列番号2、4、及び6からなる群から選択される配列の自然発生対立遺伝子変異体を含む。当該対立遺伝子変異体は、配列番号1、3、及び5からなる群から選択される核酸配列と単一のヌクレオチドにおいて異なる核酸配列の翻訳であるアミノ酸配列となり得る。
一実施形態において、変異体は、配列番号7に対して少なくとも60%の配列同一性、更に好ましくは少なくとも65%、更に好ましくは少なくとも70%、更に好ましくは少なくとも75%、更に好ましくは少なくとも80%、更に好ましくは少なくとも85%、更に好ましくは少なくとも90%、更に好ましくは少なくとも95%、更に好ましくは少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質を含む。
一実施形態において、変異体コメチンは、対応する位置において、図1又は図2において完全保存(*)として印を付けた残基を含み、より好ましくは、変異体コメチンは、対応する位置において、保存性の強い残基を更に含み(保存性の強い群は以下を含む:STA、NEQK、NHQK、NEDQ、QHRK、MILV、MILF、HY、FYW)、より好ましくは、変異体コメチンは、対応する位置において、保存性の弱い残基を更に含む(保存性の弱い群は以下を含む:CSA、ATV、SAG、STNK、STPA、SGND、SNDEQK、NDEQHK、NEQHK、NEQHRK、VLIM、HFY)。特に、保存システイン(図2)は、野生型コメチンに見られるスペーシングを変異体コメチンにおいて維持する対応位置に配置される必要があると考えられる。
図1に示した完全に保存された残基は、共にコンセンサス配列を構成する。コンセンサス配列は、生物活性にとって重要なコメチンのドメインと見做し得る。シグナルペプチドは、使用される前にポリペプチドから切断されるため、シグナルペプチドのアミノ酸は、コンセンサス配列の一部を形成しない。コンセンサス配列のアミノ酸は、残りのアミノ酸と比較して、置換及び/又は欠失を許容する可能性が低い。好適な実施形態では、コンセンサス配列のアミノ酸に対しては、保存的置換のみが行われる。更に好適な実施形態において、変異体神経栄養性コメチンポリペプチドは、図1に特定したコンセンサス配列のアミノ酸を含む。
配列以外の修飾は、例えば、自然発生コメチンの一部の生体内又は試験管内化学誘導体化を含み得ると共に、アセチル化、メチル化、リン酸化、カルボキシル化、硫酸化、アミノ酸抱合、GSH抱合、酸化、還元、加水分解、PEG化、又はグリコシル化を含み得る。タンパク質の置換基を置き換えることが可能であるのと同じく、タンパク質に結合する官能基を類似した特徴を示す基で置換することも可能となる。こうした修飾は、一次配列を変化させない。これらの置換は、とりあえずは保存的となり、即ち、置き換えた基は、元の基とほぼ同じサイズ、形状、疎水性、及び電荷を有する。
多くのアミノ酸は、末端アミノ酸を含め、グリコシル化及び他の翻訳後修飾等の自然過程により、或いは当該技術分野において周知の化学修飾手法により、特定のポリペプチドにおいて修飾し得る。本発明のポリペプチドにおいて存在し得る公知の修飾のうち、説明のための幾つかの例としては、アセチル化、アシル化、ADPリボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ポリヌクレオチド又はポリヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質又は脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋結合、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合架橋の形成、システイン形成、ピログルタミン酸形成、ホルミル化、ガンマカルボキシル化、糖化、グリコシル化、GPIアンカー形成、水酸化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解処理、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化等の転移RNA仲介性のアミノ酸のタンパク質への付加、及びユビキチン化が挙げられる。
こうした修飾は、当業者に周知であり、化学文献に極めて詳細に記載されている。幾つかの特に一般的な修飾、例えば、グリコシル化、脂質結合、硫酸化、グルタミン酸残基のガンマカルボキシル化、水酸化、及びADPリボシル化は、例えば、I. E. Creighton, Proteins-Structure and Molecular Properties, 2nd Ed., W. H. Freeman and Company, New York, 1993等の最も基本的な教科書において説明されている。この問題については、例えば、Wold, F., in Posttranslational Covalent Modification of Proteins, B. C. Johnson, Ed., Academic Press, New York, pp 1-12, 1983、Seifter et al., Meth. Enzymol. 182: 626-646, 1990、及びRattan et al., Protein Synthesis: Posttranslational Modifications and Aging, Ann. N.Y. Acad. Sci. 663: 48-62, 1992に記載のもの等、多数の詳細な説明を入手可能である。
加えて、タンパク質は、タンパク質タグを含み、その後の精製及びエンドペプチダーゼを用いたタグの任意の除去を可能にしてもよい。タグは、その後のタグの除去を容易にするためにプロテアーゼ切断部位を含んでもよい。アフィニティタグの非限定的な例には、poly-Hisタグ、GSTタグ、HAタグ、Flagタグ、C-mycタグ、HSVタグ、V5タグ、マルトース結合タンパク質タグ、セルロース結合ドメインタグが含まれる。好ましくは、生産及び精製用として、タグは、poly-Hisタグである。好ましくは、タグは、C末端自体等、タンパク質のC末端部分に存在する。
コメチンの天然シグナル配列は、他の哺乳類細胞型での組換え生産においてタンパク質の分泌を増加させるために置き換えてもよい。
修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖、及びアミノ又はカルボキシル末端を含め、ポリペプチド内のあらゆる場所で生じ得る。実際に、共有結合修飾によるポリペプチド内のアミノ基又はカルボキシル基、或いは両方のブロッキングは、自然発生及び合成ポリペプチドにおいて一般的であり、こうした修飾は、本発明のポリペプチドにも同様に存在し得る。例えば、大腸菌内で作成したポリペプチドのアミノ末端残基は、タンパク質分解処理の前はほぼ常にN-ホルミルメチオニンとなる。
ポリペプチドにおいて生じる修飾は、それがどのように形成されるかに応じたものとなる場合が多い。例えば、宿主においてクローン化遺伝子を発現させることで形成されたポリペプチドでは、修飾の性質及び範囲は、大部分が、宿主細胞の翻訳後修飾能力及びポリペプチドアミノ酸配列内に存在する修飾シグナルにより決定される。例えば、グリコシル化は、大腸菌等の細菌宿主では発生しない場合が多い。したがって、グリコシル化が望ましい時には、グリコシル化する宿主、一般には真核細胞において、ポリペプチドを発現させるべきである。昆虫細胞は、哺乳類細胞と同じ翻訳後グリコシル化を行う場合が多く、この理由から、特にグリコシル化の天然パターンを有する哺乳類タンパク質を効率的に発現させるために、昆虫細胞発現系が開発されてきた。他の修飾についても同様の考慮が為される。
同じタイプの修飾が、特定のポリペプチド内の幾つかの部位において、同程度又は様々な程度で存在し得ることは理解されよう。更に、特定のポリペプチドは、多くの種類の修飾を含み得る。
一般に、本明細書で使用される、ポリペプチドという用語には、こうした全ての修飾、特に、宿主細胞内でポリヌクレオチドを発現させることで合成したポリペプチドに存在するものが含まれる。
コメチンヌクレオチド配列
本発明は、例えば、ヒト、マウス、及びラットコメチンcDNAのヌクレオチド配列(配列番号1、3、及び5)、コメチンをコードする配列(配列番号13、14、及び15)、及びシグナルペプチドの無いコメチンをコードする配列(配列番号16又は配列番号1のヌクレオチド136乃至936、配列番号17又は配列番号3のヌクレオチド136乃至936、及び配列番号18又は配列番号5のヌクレオチド136乃至936)を含め、コメチンをコードするcDNAの医学的使用を提供する。
こうした配列の変異体も、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、ポリペプチドをコードする核酸配列又はその相補的配列を含む医療用単離核酸分子に関し、当該ポリペプチドは、以下の群から選択されるアミノ酸配列を含む:
a)配列番号7から選択されるアミノ酸配列と、
b)配列番号7に対して少なくとも70%の配列同一性を有する、配列番号7のアミノ酸配列の配列変異体と、
c)配列番号7に対して少なくとも70%の配列同一性を有する、a)乃至b)の何れかの少なくとも50個の隣接アミノ酸の生物活性フラグメント。
核酸分子は、自然発生する対立遺伝子核酸変異体のヌクレオチド配列を含み得る。
本発明の核酸分子は、自然発生ポリペプチド変異体のポリペプチド配列を有する変異体ポリペプチドをコードし得る。
一実施形態において、核酸分子は、配列番号1、3、5、13、14、15、16、17、及び18からなる群から選択される核酸配列と単一のヌクレオチドにおいて異なる。
好ましくは、コードされたポリペプチドは、配列番号2、7、及び10からなる群から選択される配列に対して少なくとも60%の配列同一性を有し、好ましくは少なくとも65%の配列同一性、更に好ましくは少なくとも70%の配列同一性、更に好ましくは75%の配列同一性、更に好ましくは少なくとも80%の配列同一性、更に好ましくは少なくとも85%の配列同一性、更に好ましくは少なくとも90%の配列同一性、更に好ましくは少なくとも95%の配列同一性、更に好ましくは少なくとも98%の配列同一性を有し、更に好ましくは、ポリペプチドは、前記配列番号群からなる群から選択される配列を有する。当該配列は、ヒトコメチンを構成する。
好適な実施形態において、コードされたポリペプチドは、配列番号7に対して少なくとも70%の配列同一性を有し、更に好ましくは少なくとも75%、更に好ましくは少なくとも80%、更に好ましくは少なくとも95%、更に好ましくは少なくとも98%の配列同一性を有し、更に好ましくは、当該ポリペプチドは、配列番号7の配列を有する。
一態様において、核酸分子は、
a)配列番号1、13、及び16からなる群から選択されるヌクレオチド配列と、
b)配列番号1、13、及び16からなる群から選択されるヌクレオチド配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列と、
c)配列番号1、13、及び16からなる群から選択される配列の少なくとも150個の隣接ヌクレオチドの核酸配列と、からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む。
配列番号7、8、及び9は、ヒト、マウス、及びラットからの成熟コメチンポリペプチドの配列を表す。真核生物発現系における組換え発現のためには、これらを、コメチンポリペプチドの細胞からの分泌を確保する配列をコードする適切なシグナル配列に連結することが好ましい。配列番号10、11、及び12により定めたポリペプチドの組換え発現も同様である。
好適な一実施形態において、本発明の単離ポリヌクレオチドは、配列番号16として存在するポリヌクレオチド配列に対して少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、更に好ましくは少なくとも70%、更に好ましくは少なくとも75%、更に好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、更に好適には少なくとも90%、更に好適には少なくとも95%、更に好適には少なくとも98%の配列同一性を有する。
単離ポリヌクレオチドの好適な群は、ヒトコメチンポリヌクレオチドである配列番号1、13、及び16を含む。単離ポリヌクレオチドの他の好適な群は、cDNA配列を表す配列番号1、3、及び5を含む。
加えて、本発明のヌクレオチド配列は、これらの配列の誘導体である配列を含む。本発明は、更に、これらの配列の1つ、或いはこれらの配列の1つの誘導体を包含する、ベクター、リポソーム、及び他の運搬媒体を含む。本発明は、更に、コメチンcDNA好ましくはヒトコメチンcDNAから転写及び翻訳された、限定ではないがヒトコメチン、ヒトコメチンフラグメント、及びヒトコメチン変異体などの、タンパク質を含む。
他の実施形態において、本発明は、コメチンのDNA核酸のRNA対応物に関する。特に、本発明は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、又は配列番号18のRNA対応物に関する。同様に、前記配列番号のLNA又はPNA対応物の使用も考えられる。
限定ではないが大腸菌、酵母種、チャイニーズハムスター、ベビーハムスター、昆虫、及び菌類を含む、選択された宿主細胞における発現を強化するためのコドン最適化核酸分子も考えられる。
変異体核酸は、最新の変異誘発方法により作成することができる。ヒトからのコード配列を、マウス、ラット、又はチンパンジーのものとシャッフルする方法も考えられる。具体的には、シャッフルした変異体は、一方の配列番号1と他方の3及び/又は5との間にあるものとなり得る。同様に、配列番号3及び5の間のシャッフル変異体も含まれる。
遺伝子治療用の医薬品
本発明で使用する遺伝子治療用のコメチン組成物を形成するために、コメチンコード発現ウイルスベクターは、医薬的に許容可能な懸濁液、溶液、又は乳液中に入れてよい。適切な媒体には、生理食塩水及びリポソーム調製物が含まれる。
更に具体的には、医薬的に許容可能な担体は、無菌水溶液又は非水溶液、懸濁液、及び乳液を含み得る。非水溶媒の例には、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油等の野菜油、及びオレイン酸エチル等の注入可能な有機エステルが含まれる。水性担体には、水、アルコール/水溶液、乳液、又は懸濁液が含まれ、生理食塩水及び緩衝媒体が含まれる。非経口媒体には、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロース及び塩化ナトリウム、乳酸リンゲル、又は不揮発性油が含まれる。
静脈内媒体には、流体及び栄養補液、電解質補液(リンゲルデキストロースに基づくもの等)などが含まれる。
ウイルスベクター
生体外遺伝子治療手法は、患者への注入、グラフト、又は他の形での移植が行われる単離細胞(限定では無いが、幹細胞、神経及びグリア前駆細胞、及び胎生幹細胞を含む)の修飾を含む。米国特許第4,868,116号、第5,399,346号、及び第5,460,959号を参照されたい。生体内遺伝子治療では、宿主患者組織を直接的に標的とすることを図る。
遺伝子導入ベクターとして有用なウイルスは、パポバウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、及びレトロウイルスを含む。適切なレトロウイルスは、HIV、SIV、FIV、EIAV、MoMLVからなる群を含む。適切なレトロウイルスの他の群は、HIV、SIV、FIV、EAIV、CIVからなる群を含む。好適なウイルスベクターの別の群は、アルファウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、バキュロウイルス、HSV、コロナウイルス、ウシパピローマウイルス、Mo-MLVを含み、好ましくはアデノ随伴ウイルスである。
中枢神経系の障害の治療に好適なウイルスは、レンチウイルス及びアデノ随伴ウイルスである。両タイプのウイルスは、細胞分裂無しでゲノムに組み込み可能であり、何れのタイプも、神経系、特に中枢神経系における適応症について、前臨床動物研究において試験されてきた。
アデノ随伴ウイルス(AAV)の調製方法は、当該技術分野において説明されており、例えば、US5,677,158、US6,309,634、及びUS6,683,058には、中枢神経系へのAAVの送達の例が記載されている。
生体適合性カプセル
カプセル化細胞治療は、宿主への移植前に細胞を半透性の生体適合性材料により囲むことにより、受容宿主の免疫系から細胞を隔離するという概念に基づいている。本発明は、コメチンの発現及び分泌が可能な細胞をWO2010/009732に記載されるように免疫隔離性カプセル中にカプセル化したデバイスの使用を含む。「免疫隔離性カプセル」とは、受容宿主への移植時に、カプセルが、デバイスの核内の細胞に対する宿主の免疫系の有害な影響を最小限に抑えることを意味する。細胞は、細孔性膜により形成された移植可能な高分子カプセルに細胞を封入することにより、宿主から免疫隔離される。この手法は、宿主及び移植組織間の細胞同士の接触を防止し、直接提示による抗原認識を排除する。使用される膜は、抗体及び補体といった分子の拡散を分子量に基づいて制御するように調整することもできる。有用な生体適合性高分子カプセルは、通常、液状媒質中に懸濁するか、或いは固定化マトリクス内に固定化された細胞を含有するコアと、隔離細胞を含まず、生体適合性を有し、有害な免疫学的攻撃からコア内の細胞を保護する上で十分な選択透過性マトリクス又は膜(「ジャケット」)による周囲又は周辺領域とを含む。カプセル化は、免疫系の因子がカプセル内に入るのを妨げることにより、カプセル化細胞を免疫破壊から保護する。更に、カプセル膜の半透性により、対象の生物活性分子は、カプセルから周囲の宿主組織へ容易に拡散可能となる。
好ましくは、本発明のカプセルは、WO92/19195又はWO95/05452、或いは、米国特許第5,639,275号、第5,653,975号、第4,892,538号、第5,156,844号、第5,283,187号、或いは、米国特許第5,550,050号に記載されるものに類似する。こうしたカプセルは、代謝産物、栄養素、及び治療物質を通過させる一方、宿主の免疫系の悪影響を最小限に抑える。生体適合性材料の構成要素は、周囲の半透性膜と、内部の細胞支持足場とを含み得る。好ましくは、遺伝子組み替え細胞を、選択透過性膜によりカプセル化した足場上に播種する。
カプセル化細胞デバイスは、公知の手法により移植される。本発明のデバイス及び方法には、多数の移植部位が考えられる。これらの移植部位には、限定では無いが、脳、脊髄を含む中枢神経系(出典を明記することにより本願明細書の一部とした米国特許第5,106,627号、第5,156,844号、及び第5,554,148号参照)、及び眼の房水及び硝子体液(出典を明記することにより本願明細書の一部としたWO97/34586参照)が含まれる。
本発明のコメチンポリペプチドの組換え生産及び精製
本発明のコメチンポリペプチドは、最新の原核又は真核生物発現系を用いて生産し得る。真核生物発現系は、実施例2において説明しており、実質的に精製されたコメチンポリペプチドをもたらす。
他の方法の例は、出典を明記することにより本願明細書の一部としたWO93/22437(Innogenetics)に記載されている。WO93/22437に記載のプロトコルは、予測分子量が29kDaであるタンパク質の精製を説明するものである。大幅に短くなり得るコメチンフラグメントの発現の場合、プロトコルは、分子量の違いを考慮に入れるために修正するべきである。
他の最新のタンパク質精製プロトコルを用いても、実施例に記載したインビトロ及びインビボアッセイを行う上で充分な精製タンパク質を提供し得る。
実施例1
実施例1、コメチン配列
配列リスト番号
配列番号1:ヒトコメチンcDNA
配列番号2:ヒトコメチンタンパク質(シグナルペプチドを含む)
配列番号3:マウスコメチンcDNA
配列番号4:マウスコメチンタンパク質(シグナルペプチドを含む)
配列番号5:ラットコメチンcDNA
配列番号6:ラットコメチンタンパク質(シグナルペプチドを含む)
配列番号7:ヒト成熟コメチンタンパク質
配列番号8:マウス成熟コメチンタンパク質
配列番号9:ラット成熟コメチンタンパク質
配列番号10:ヒトコメチンコアフラグメント
配列番号11:マウスコメチンコアフラグメント
配列番号12:ラットコメチンコアフラグメント
配列番号13:hコメチンオープンリーディングフレーム
配列番号14:mコメチンオープンリーディングフレーム
配列番号15:rコメチンオープンリーディングフレーム
配列番号16:ヒトCDS成熟コメチン
配列番号17:マウスCDS成熟コメチン
配列番号18:ラットCDS成熟コメチン
配列番号19:ウシコメチンタンパク質(シグナルペプチドを含む)
配列番号20:ニワトリコメチンタンパク質(シグナルペプチドを含む)
配列番号21:カエルコメチンタンパク質(シグナルペプチドを含む)
配列番号22:ゼブラフィッシュコメチンタンパク質(シグナルペプチドを含む)
配列番号23:ヒトMETRNタンパク質(シグナルペプチドを含む)
配列番号24:マウスMETRNタンパク質(シグナルペプチドを含む)
配列番号25:ラットMETRNタンパク質(シグナルペプチドを含む)
実施例2
組換えコメチンの生産。マウスコメチン(mコメチン、受入番号NP_659046)(aa46-311、hCD33からのシグナルペプチドを有する)を哺乳類発現ベクターにおいてクローン化した。当該ベクターをCHO(チャイニーズハムスター卵巣)株化細胞へ、エレクトロポレーションによりトランスフェクトした。安定クローンを、カスタムメードのモノクローナル抗体を用いたウェスタンブロットにより、mコメチンの発現用に単離選別した。mコメチンを含む培養物による馴化培地に、20mM MOPSを補い、pHを6.5に調節し、0.2umフィルタにより濾過した試料を、陰イオン交換クロマトグラフィー樹脂に加え、20mM MOPS(3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸)、0.1M NaCl、pH6.5において平衡化した。mコメチンを含む画分に、2M NaClを補い、pHを7.0に調節した後、フェニルセファロース樹脂に加えた。結合タンパク質を、NaClの減少勾配により溶出させた。mコメチンに富む画分をプールして、20mM Tris、pH7.8において透析した。この試料を、同じ緩衝液中で平衡化した陰イオン交換クロマトグラフィー樹脂に加えた。結合タンパク質を、NaClの増加勾配により溶出させた。mコメチンに富む画分をプールし、濃縮して、Superdexゲル濾過カラムに充填し、その後PBS中で平衡化した。mコメチンは、分子量約30kDaのタンパク質として溶出した。対象となる画分をプールし、濃縮して、PBSに対する透析を行い、-80℃で保存した。
実施例3
動物実験
外科手術。体重380乃至450gの雄のスプラーグドーリーラット(Harlan、オランダ)の腰膨大の先端に長期髄腔内カテーテルを取り付けた(Storkson et al., 1996)。カテーテルの埋め込み後3乃至5日間に、虚血性坐骨神経損傷を、光化学的方法(Kupers et al., 1998)により作成した。簡単に説明すると、全身麻酔(抱水クロラール300mg/kg)下で、左坐骨神経を大腿中央で露出し、アルゴンレーザを514nmで平均出力0.17Wにて動作させ、1.5分間照射した。エリスロシンB(32.5mg/kgを0.9%生理食塩水に溶解)を、照射直前に尾静脈より静脈内に注入した。この手術は、過敏症として特徴付けし得る再現性の高いアロディニアを7日間以内にもたらす。
アロディニアの評価。機械的アロディニアの評価のため、一組の較正済みナイロンモノフィラメント(von Frey hair、Stoelting、イリノイ州)を足の無毛皮膚に当て、動物が脚を引っ込めるまで力を強めた。各モノフィラメントを5回当て、5回の連続刺激のうち、少なくとも3回、動物が足を引っ込めた力として、引っ込め閾値を決定した。低温に対する反応は、塩化エチルを後足の足底表面に短時間(1秒未満)スプレーして試験した。反応は、次のように採点した:0=無反応、1=驚愕様反応、後足は引っ込めない(正常)、2=刺激された後足を短時間引っ込める(軽度疼痛)、3=刺激された後足を持続的又は反復的に引っ込め、短時間舐める又は振る(重度疼痛)。全ての試験は、実験条件を知らない実験者が行った。試験セッション終了毎に、動物の体重を最も近いグラム数で測定した。
実験の設定。ベースライン反応は、カテーテル埋め込み後と、更に坐骨神経照射前とに評価した。神経損傷後7日間に機械的及び寒冷刺激に対するアロディニアが生じたラットは、無作為に2群に分け(N=8)、ビヒクル又は6μg組換えコメチンを、10μlの量で髄腔内に投与した。各ラットには、6回の注入を2週間の期間に亘って行った(神経損傷の時点から数えて7、9、11、14、16、及び18日目)。行動試験は、それぞれの治療日の髄腔内注射前、更に治療停止後の21、25、28、35日目に行った。
結果
図4において分かるように、機械的刺激に対するベースライン足引っ込め閾値は、51.5±5.7gとなった。光化学誘発坐骨神経損傷後7日間に、ラットは、約8gに低下した足引っ込め閾値が示す有意な機械的アロディニアを発生させた。次に、ラットを無作為に2群に分け、その後、ビヒクル又はコメチンを6回の髄腔内注射として2週間の間に与えた。コメチンの髄腔内注射が機械的アロディニアを有意に低減することは明らかである(図4)。機械的アロディニアは、治療停止後1週間以内に徐々に再発した。ビヒクルの髄腔内注射は、実験全体に亘って機械的アロディニアに影響しなかった。
図5において分かるように、ベースライン寒冷反応は、正常な驚愕様反応に対応する1である。光化学誘発坐骨神経損傷後7日間に、ラットは、軽度疼痛反応が示す顕著な冷感アロディニアを発生させた。コメチンによる治療は、冷感アロディニアを迅速に逆転させ、動物は、治療期間中、寒冷に対して正常に近い反応を示した。コメチンの有意な陽性反応は、治療停止後3日間にも観察された。しかしながら、冷感アロディニアは、治療終了後1週間で完全に再発した。ビヒクルは、冷感アロディニアに影響しなかった。
体重の減少(図6)又は他の副作用は、研究において観察されなかった。
結論
コメチンの反復的な髄腔内注射は、坐骨神経損傷後のラットにおける機械的及び冷感アロディニアを有意に減少させる。治療の直接的な副作用は観察されなかった。
参考文献
Kupers,R., Yu,W., Persson,J.K., Xu,X.J., and Wiesenfeld-Hallin,Z. (1998). Photochemically-induced ischemia of the rat sciatic nerve produces a dose-dependent and highly reproducible mechanical, heat and cold allodynia, and signs of spontaneous pain. Pain 76, 45-59.
Storkson,R.V., Kjorsvik,A., Tjolsen,A., and Hole,K. (1996). Lumbar catheterization of the spinal subarachnoid space in the rat. J. Neurosci. Methods 65, 167-172.
[図3]
Human: ヒト
Cow: ウシ
Mouse: マウス
Rat: ラット
Chicken: ニワトリ
Zenopus: アフリカツメガエル
Zebrafish: ゼブラフィッシュ
[図4]
Paw withdrawal threshold: 足引っ込め閾値
Days: 日数
Cometin: コメチン
Vehicle: ビヒクル
[図5]
Cold score: 冷感スコア
Days: 日数
Cometin: コメチン
Vehicle: ビヒクル
[図6]
Body weight: 体重
Days: 日数
Cometin: コメチン
Vehicle: ビヒクル

Claims (42)

  1. 以下の群から選択されるアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドを含有する、アロディニア、痛覚過敏、自発痛、及び/又は幻痛の治療方法において使用するための医薬:
    i. 配列番号7のアミノ酸配列と、
    ii. 配列番号7に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、配列番号7のアミノ酸配列の生物活性配列変異体。
  2. 前記ポリペプチドは、配列番号7の配列を有するタンパク質に対して少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する、請求項1に記載の医薬。
  3. 本明細書に記載の変異体ポリペプチドであり、アミノ酸置換のいずれもが保存的置換である、請求項1又は2に記載の医薬。
  4. 配列番号7の保存システインを配列番号7と同じ位置に含む、請求項1〜3の何れかに記載の医薬。
  5. 前記ポリペプチドは、少なくとも1つの分子内システイン架橋を形成することが可能である、請求項1〜4の何れかに記載の医薬。
  6. 医薬的に許容可能な担体、希釈剤、又は賦形剤を含む、請求項1〜5の何れかに記載の医薬。
  7. 無菌且つ等張性である、請求項1〜6の何れかに記載の医薬。
  8. 徐放性剤形での投与用に調製される、請求項1〜7の何れかに記載の医薬。
  9. 有痛性糖尿病神経障害、帯状疱疹後神経痛、又は坐骨神経痛と診断された患者への投与用である、請求項1〜8の何れかに記載の医薬。
  10. 温熱性アロディニアの治療用である、請求項1〜9の何れかに記載の医薬。
  11. 冷感アロディニアの治療用である、請求項10記載の医薬。
  12. 機械的アロディニアの治療用である、請求項1〜11の何れかに記載の医薬。
  13. 自発痛の治療用である、請求項1〜12の何れかに記載の医薬。
  14. 痛覚過敏の治療用である、請求項1〜13の何れかに記載の医薬。
  15. 前記痛覚過敏は、温熱性痛覚過敏である、請求項14記載の医薬。
  16. 前記温熱性痛覚過敏は、冷感痛覚過敏である、請求項15記載の医薬。
  17. 前記痛覚過敏は、機械的痛覚過敏である、請求項14記載の医薬。
  18. 治療対象の前記患者は、体重が低下しない、請求項1〜17の何れかに記載の医薬。
  19. 治療対象の前記患者は、哺乳類、霊長類、又はヒトである、請求項1〜18の何れかに記載の医薬。
  20. 全身投与、静脈注射又は皮下注射用である、請求項1〜19の何れかに記載の医薬。
  21. 非経口注射、皮下注射又は髄腔内投与により施される、請求項1〜20の何れかに記載の医薬。
  22. 体重に対して1μg/kg乃至10,000μg/kg、又は1μg/kg乃至7,500μg/kg、又は1μg/kg乃至5,000μg/kg、又は1μg/kg乃至2,000μg/kg、又は1μg/kg乃至1,000μg/kg、又は1μg/kg乃至700μg/kg、又は5μg/kg乃至500μg/kg、又は10μg/kg乃至100μg/kgの投与量で投与される、請求項1〜21の何れかに記載の医薬。
  23. 前記投与は、毎日繰り返される、請求項1〜22の何れかに記載の医薬。
  24. 前記投与は、少なくとも週に1乃至3回、又は週に2乃至5回、又は週に3乃至6回繰り返される、請求項1〜23の何れかに記載の医薬。
  25. アロディニア及び/又は痛覚過敏の治療方法において使用するためのものである、請求項1〜24の何れかに記載の医薬。
  26. 以下の群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする単離核酸分子を含む、アロディニア、痛覚過敏、自発痛、及び/又は幻痛の治療方法において使用するための核酸医薬:
    i. 配列番号7のアミノ酸配列と、
    ii. 配列番号7に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、配列番号7のアミノ酸配列の生物活性配列変異体。
  27. 前記コードされたポリペプチドは、配列番号7の配列に対して少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する、請求項26記載の核酸医薬。
  28. 前記単離核酸分子は、
    i. 配列番号1、13、及び16からなる群から選択されるヌクレオチド配列と、
    ii. 配列番号1、13、及び16からなる群から選択されるヌクレオチド配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列と、からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、請求項26又は27に記載の核酸医薬。
  29. アロディニア及び/又は痛覚過敏の治療方法において使用するためのものである、請求項26〜28の何れかに記載の核酸医薬。
  30. 以下の群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする単離核酸分子を含む、アロディニア、痛覚過敏、自発痛、及び/又は幻痛の治療方法において使用するための遺伝子治療ベクター:
    i. 配列番号7のアミノ酸配列と、
    ii. 配列番号7に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、配列番号7のアミノ酸配列の生物活性配列変異体。
  31. 更に、前記単離核酸分子に作動可能となるように連結されたプロモーターを含む、請求項30記載の遺伝子治療ベクター。
  32. 前記プロモーターは、CAG、CMV、ヒトUbiC、JeT、RSV、EF-1α、SV40、及びMt1からなる群から選択される構成的プロモーター、又は、Tet-On、Tet-Off、Mo-MLV-LTR、Mx1、プロゲステロン、RU486、及びラパマイシン誘導性プロモーターからなる群から選択されるような誘導性プロモーターである、請求項31記載の遺伝子治療ベクター。
  33. 前記遺伝子治療ベクターは、アデノ随伴ウイルス、アルファウイルス、アデノウイルス、バキュロウイルス、HSV、コロナウイルス、ウシパピローマウイルス、及びMo-MLVからなる群から選択される、請求項30〜32の何れかに記載の遺伝子治療ベクター。
  34. 前記遺伝子治療ベクターは、アロディニア及び/又は痛覚過敏の治療方法において使用するためのものである、請求項30〜33の何れかに記載の遺伝子治療ベクター。
  35. 請求項30〜34記載の遺伝子治療ベクターにより形質転換又は形質導入された単離株化細胞を含む、アロディニア、痛覚過敏、自発痛、及び/又は幻痛の治療方法において使用するための細胞医薬。
  36. 前記単離株化細胞は、哺乳類細胞、霊長類細胞、又はヒト細胞である、請求項35記載の細胞医薬。
  37. 前記単離株化細胞は、ARPE-19細胞、不死化網膜色素上皮細胞、不死化ヒト線維芽細胞、及び不死化ヒト星状細胞からなる群から選択される、請求項36記載の細胞医薬。
  38. 前記単離株化細胞は、幹細胞、ヒト神経幹細胞又はヒト神経前駆細胞、ヒトグリア幹細胞又はヒトグリア前駆細胞、及び胎生幹細胞からなる群から選択される、請求項36記載の細胞医薬。
  39. ヒト胚に由来していない、請求項36〜38の何れかに記載の細胞医薬。
  40. 分泌される生物活性コメチンの患者への送達による、アロディニア、痛覚過敏、自発痛、及び/又は幻痛の治療方法において使用するための移植可能な生体適合性カプセルであって、当該カプセルは、
    i. 生体適合性の外膜及び内核を含み、
    ii. 前記内核は、請求項35〜39何れかに記載の細胞医薬を含む。
  41. 前記生体適合性の膜は、前記分泌される生物活性コメチンを通過させる半透性外膜である、請求項40のカプセル。
  42. 前記内核は、マトリクスを含む、請求項40又は41記載のカプセル。
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