JP6144961B2 - 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents

液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 Download PDF

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Description

本発明は、配向膜への接着性に優れ、かつ、液晶汚染を引き起こすことがほとんどない液晶滴下工法用シール剤に関する。また、本発明は、該液晶滴下工法用シール剤を用いてなる上下導通材料及び液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、2枚の基板にシール剤を塗布し、貼り合せることにより形成されたセル中に液晶を封入した液晶セルを有する。
液晶表示セルは、2枚の電極付き透明基板を所定の間隔をおいて対向させ、その周囲をシール剤で封着してセルを形成し、その一部に設けられた液晶注入口からセル内に液晶を注入し、その液晶注入口をシール剤又は封口剤を用いて封止することにより作製される。
また、近年では、特許文献1に開示されているような光硬化熱硬化併用型シール剤を用いた滴下工法と呼ばれる液晶表示素子の製造方法も検討されている。
滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、枠状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板のシールパターン枠内全面に滴下塗布し、減圧下で他方の透明基板を重ねあわせ、シール部に紫外線を照射して仮硬化を行った後、加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。
従来の液晶表示素子では、シール剤の配置位置は主にガラスやITO等の無機材料上であり、シール剤はこれらの無機材料に対する接着力等を考慮して設計されていた。しかしながら、近年の液晶表示装置の用途の拡大に伴い液晶表示部の狭額縁化が進み、配向膜上にシール剤が配置される基板が急速に普及してきており、従来のシール剤では、配向膜への接着力が不充分であるという問題があった。
特開2001−133794号公報
本発明は、配向膜への接着性に優れ、かつ、液晶汚染を引き起こすことがほとんどない液晶滴下工法用シール剤を提供することを目的とする。また、本発明は、該液晶滴下工法用シール剤を用いてなる上下導通材料及び液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明は、硬化性樹脂と、重合開始剤及び/又は熱硬化剤と、チタネートカップリング剤とを含有し、上記チタネートカップリング剤は、アルキルベンゼンスルホン酸型チタネートカップリング剤である液晶滴下工法用シール剤である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は鋭意検討した結果、驚くべきことに、液晶滴下工法用シール剤にチタネートカップリング剤を配合することにより、配向膜に対する接着力を飛躍的に向上させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、チタネートカップリング剤を含有する。上記チタネートカップリング剤を含有することにより、本発明の液晶滴下工法用シール剤は、配向膜に対する接着性に優れるものとなる。
上記チタネートカップリング剤としては、例えば、カルボン酸型チタネートカップリング剤、亜リン酸型チタネートカップリング剤、ピロリン酸型チタネートカップリング剤、アミン系チタネートカップリング剤、アルキルベンゼンスルホン酸型チタネートカップリング剤等が挙げられる。なかでも、配向膜成分と親和性の高い直鎖アルキル基を有することから、アルキルベンゼンスルホン酸型チタネートカップリング剤が好ましい。
上記カルボン酸型チタネートカップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリn−ステアロイルチタネート、イソプロピルジイソステアロイルアクリルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、ジメタクリルエチレンチタネート、イソステアロイルメタクリルエチレンチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、イソプロピルジイソステアロイルクミルフェニルチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート、イソプロピルジステアロイルメタクリルチタネート、イソプロピルトリメタクリルチタネート、イソプロピルトリアクリルチタネート、イソプロピルトリアントラニルチタネート、ジイソプロピルオキシアセテートチタネート、イソステアロイルメタクリルオキシアセテートチタネート、イソステアロイルアクリルオキシアセテートチタネート、ジメタクリルオキシアセテートチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、ジクミルフェノレートオキシアセテートチタネート、ジアクリルエチレンチタネート、ジアントラニルエチレンチタネート、チタンメチルフェノキサイド、チタンアリルアセトアセテートトリイソプロポキサイド、チタンビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキサイド、チタンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンジイソプロポキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタンジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)、チタンメタクリルオキシエチルアセトアセテートトリイソプロポキサイド、チタンオキシドビス(ペンタンジオネート)、ジアクリルオキシアセテートチタネート等が挙げられる。
上記亜リン酸型チタネートカップリング剤としては、例えば、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、テトライソプロピルジ(ジラウロイルホスファイト)チタネート、ジ(ジオクチルホスフェート)オキシアセテートチタネート、ジ(ジオクチルホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
上記ピロリン酸型チタネートカップリング剤としては、例えば、イソプロピルジオクチルパイロホスフェートチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、トリス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルオクチル,ブチルパイロホスフェートチタネート、イソプロピルジ(ブチル,メチルパイロホスフェート)チタネート、ジ(オクチル,ブチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ジ(ブチル,メチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
上記アミン系チタネートカップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリ(N−アミノエチルアミノエチル)チタネート、イソプロピル4−アミノベンゼンスルホニルジ(ドデシルベンゼンスルホニル)チタネート、イソプロピルジ(4−アミノベンゾイル)イソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(N,N−ジメチルエチルアミノ)チタネート、4−アミノベンゼンスルホニルドデシルベンゼンスルホニルオキシアセテートチタネート、4−アミノベンゾイルイソステアロイルオキシアセテートチタネート、4−アミノベンゼンスルホニルドデシルベンゼンスルホニルエチレンチタネート、4−アミノベンゾイルイソステアロイルエチレンチタネート等が挙げられる。
上記アルキルベンゼンスルホン酸型チタネート化合物としては、例えば、イソプロピルトリス(ドデシルベンゼンスルホニル)チタネート、イソプロピルトリス(デシルベンゼンスルホニル)チタネート、イソプロピルトリス(ウンデシルベンゼンスルホニル)チタネート、イソプロピルトリス(トリデシルベンゼンスルホニル)チタネート、イソプロピルトリス(テトラデシルベンゼンスルホニル)チタネート等が挙げられる。
これらのチタネートカップリング剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
上記チタネートカップリング剤のうち市販されているものとしては、例えば、KR−TTS(イソプロピルトリイソステアロイルチタネート)、KR−46B(テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート)、KR−55(テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート)、KR−41B(テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート)、KR−38S(イソプロピルトリス(ジオクチルバイロホスフェート)チタネート)、KR−138S(ビス(ジオクチルバイロホスフェート)オキシアセテートチタネート)、KR−238S(トリス(ジオクチルバイロホスフェート)エチレンチタネート)、338X(イソプロピルジオクチルバイロホスフェートチタネート)、KR−44(イソプロピルトリ(N−アミノエチル)チタネート)、KR−9SA(イソプロピルトリス(ドデシルベンゼンスルホニル)チタネート)(いずれも味の素ファインテクノ社製)等が挙げられる。
なお、これらの市販のチタネートカップリング剤には溶剤が含まれることが多いため、溶剤を含むチタネートカップリング剤を用いる場合、予め溶剤を除去しておくことが好ましい。
上記チタネートカップリング剤の含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.5重量部、好ましい上限が10重量部である。上記チタネートカップリング剤の含有量が0.5重量部未満であると、得られる液晶滴下工法用シール剤の配向膜に対する接着性が不充分になることがある。上記チタネートカップリング剤の含有量が10重量部を超えると、チタネートカップリング剤が液晶表示素子内の液晶へ溶出し、表示むら等を引き起こすことがある。上記チタネートカップリング剤の含有量のより好ましい下限は2重量部、より好ましい上限は8重量部、更に好ましい下限は3重量部、更に好ましい上限は5重量部である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、上記チタネートカップリング剤に加えて、本発明の目的を阻害しない範囲で、シランカップリング剤を含有してもよい。
上記シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記シランカップリング剤の含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が20重量部である。上記シランカップリング剤の含有量が0.1重量部未満であると、シランカップリング剤を配合することによる効果が充分に発揮されないことがある。上記シランカップリング剤の含有量が20重量部を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤が液晶汚染を引き起こすことがある。上記シランカップリング剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は10重量部である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、硬化性樹脂を含有する。
上記硬化性樹脂は、エポキシ基及び/又は(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。
エポキシ基を有する硬化性樹脂(以下、エポキシ樹脂ともいう)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート828EL、エピコート1004(いずれも三菱化学社製)、エピクロン850−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート806、エピコート4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鐵化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも新日鐵化学社製)、エポリードPB(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも新日鐵化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する硬化性樹脂(以下、(メタ)アクリル樹脂ともいう)としては、例えば、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレート、イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、合成の容易さ等からエポキシ(メタ)アクリレートが好ましい。
なお、本明細書において上記(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味し、上記(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。また、上記(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、上記エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ化合物の全てのエポキシ基が(メタ)アクリル酸と反応したものを意味する。
上記エステル化合物のうち単官能のものとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
上記エステル化合物のうち2官能のものとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記エステル化合物のうち3官能以上のものとしては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られるもの等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ化合物としては、上述したエポキシ樹脂と同様のものを用いることができる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、具体的には例えば、レゾルシノール型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製、「EX−201」)360重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、アクリル酸210重量部を、90℃で空気を送り込みながら還流攪拌し、5時間反応させることによってレゾルシノール型エポキシアクリレートを得ることができる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、エベクリル860、エベクリル3200、エベクリル3201、エベクリル3412、エベクリル3600、エベクリル3700、エベクリル3701、エベクリル3702、エベクリル3703、エベクリル3800、エベクリル6040、エベクリルRDX63182(いずれもダイセル・サイテック社製)、EA−1010、EA−1020、EA−5323、EA−5520、EA−CHD、EMA−1020(いずれも新中村化学工業社製)、エポキシエステルM−600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、エポキシエステル400EA(いずれも共栄社化学社製)、デナコールアクリレートDA−141、デナコールアクリレートDA−314、デナコールアクリレートDA−911(いずれもナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、2つのイソシアネート基を有する化合物1当量に対して水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体2当量を、触媒量のスズ系化合物存在下で反応させることによって得ることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイオシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
また、上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネートとしては、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリオールと過剰のイソシアネートとの反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も使用することができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となる、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の市販品やエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA変性エポキシアクリレート等のエポキシアクリレート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートは、具体的には例えば、トリメチロールプロパン134重量部、重合禁止剤としてBHT0.2重量部、反応触媒としてジブチル錫ジラウリレート0.01重量部、イソホロンジイソシアネート666重量部を加え、60℃で還流攪拌しながら2時間反応させ、次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート51重量部を加え、空気を送り込みながら90℃で還流攪拌しながら2時間反応させることにより得ることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、M−1100、M−1200、M−1210、M−1600(いずれも東亞合成社製)、エベクリル230、エベクリル270、エベクリル4858、エベクリル8402、エベクリル8804、エベクリル8803、エベクリル8807、エベクリル9260、エベクリル1290、エベクリル5129、エベクリル4842、エベクリル210、エベクリル4827、エベクリル6700、エベクリル220、エベクリル2220(いずれもダイセルユーシービー社製)、アートレジンUN−9000H、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−330、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−1200TPK、アートレジンSH−500B(いずれも根上工業社製)、U−122P、U−108A、U−340P、U−4HA、U−6HA、U−324A、U−15HA、UA−5201P、UA−W2A、U−1084A、U−6LPA、U−2HA、U−2PHA、UA−4100、UA−7100、UA−4200、UA−4400、UA−340P、U−3HA、UA−7200、U−2061BA、U−10H、U−122A、U−340A、U−108、U−6H、UA−4000(いずれも新中村化学工業社製)、AH−600、AT−600、UA−306H、AI−600、UA−101T、UA−101I、UA−306T、UA−306I(いずれも共栄社化学社製)等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル樹脂は、液晶への悪影響を抑える点で、−OH基、−NH−基、−NH基等の水素結合性のユニットを有するものが好ましい。
また、上記(メタ)アクリル樹脂は、反応性の高さから分子中に(メタ)アクリロイル基を2〜3個有するものが好ましい。
エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基を有する硬化性樹脂としては、例えば、2以上のエポキシ基を有する化合物の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得られる部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂は、例えば、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得られる。具体的には例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂N−770(DIC社製)190gをトルエン500mLに溶解させ、この溶液にトリフェニルホスフィン0.1gを加え、均一な溶液とし、この溶液にアクリル酸35gを還流撹拌下にて2時間滴下した後、更に還流撹拌を6時間行い、次に、トルエンを除去することによって、50モル%のエポキシ基がアクリル酸と反応した部分アクリル変性フェノールノボラック型エポキシ樹脂を得ることができる(この場合50%部分アクリル変性されている)。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、UVACURE1561(ダイセル・サイテック社製)が挙げられる。
本発明の液晶滴下工法用シール剤における、硬化性樹脂中の{(メタ)アクリロイル基のモル数}/{(メタ)アクリロイル基のモル数+エポキシ基のモル数}の好ましい下限は0.5、好ましい上限は0.9である。硬化性樹脂中の{(メタ)アクリロイル基のモル数}/{(メタ)アクリロイル基のモル数+エポキシ基のモル数}が0.5未満であると、得られる液晶滴下工法用シール剤が液晶を汚染し、表示素子の色むらを引き起こすことがある。硬化性樹脂中の{(メタ)アクリロイル基のモル数}/{(メタ)アクリロイル基のモル数+エポキシ基のモル数}が0.9を超えると、表示素子の高温高湿環境下における信頼性が低下することがある。硬化性樹脂中の{(メタ)アクリロイル基のモル数}/{(メタ)アクリロイル基のモル数+エポキシ基のモル数}のより好ましい下限は0.7、より好ましい上限は0.85である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、重合開始剤及び/又は熱硬化剤を含有する。
上記重合開始剤としては、(メタ)アクリロイル基を紫外線等の光で反応させるための光ラジカル重合開始剤、(メタ)アクリロイル基を熱で反応させるための熱ラジカル重合開始剤、エポキシ基を光で反応させるための光カチオン重合開始剤、エポキシ基を熱で反応させるための熱カチオン重合開始剤等が挙げられ、用いる硬化性樹脂や用途に応じて適宜選択される。
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、チオキサントン等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE651、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACUREOXE01、ルシリンTPO(いずれもBASF Japan社製)、NCI−930(ADEKA社製)、SPEEDCURE EMK(日本シーベルヘグナー社製)、ベンソインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤を用いる場合、上記光ラジカル重合開始剤の含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が10重量部である。上記光ラジカル重合開始剤の含有量が0.1重量部未満であると、本発明の液晶滴下工法用シール剤を充分に光硬化させることができないことがある。上記光ラジカル重合開始剤の含有量が10重量部を超えると、貯蔵安定性が低下することがある。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化物やアゾ化合物等が挙げられる。
上記熱ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、パーブチルO、パーヘキシルO、パーブチルPV(いずれも日油社製)、V−30、V−501、V−601、VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記熱ラジカル重合開始剤を用いる場合、上記熱ラジカル重合開始剤の含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が10重量部である。上記熱ラジカル重合開始剤の含有量が0.01重量部未満であると、本発明の液晶滴下工法用シール剤を充分に熱硬化させることができないことがある。上記熱ラジカル重合開始剤の含有量が10重量部を超えると、貯蔵安定性が低下することがある。
上記光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、アデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−170(いずれもADEKA社製)等が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤を用いる場合、上記光カチオン重合開始剤の含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が10重量部である。上記光カチオン重合開始剤の含有量が0.1重量部未満であると、本発明の液晶滴下工法用シール剤を充分に光硬化させることができないことがある。上記光カチオン重合開始剤の含有量が10重量部を超えると、貯蔵安定性が低下することがある。
上記熱カチオン重合開始剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩等の各種オニウム塩類等が挙げられる。
上記第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルアンモニウムハイドロジェンサルフェート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムp−トルエンスルホネート、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウムヘキサフルオロアンチモネート、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウムテトラフルオロボレート、N,N−ジメチル−N−ベンジルピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N,N−ジエチル−N−ベンジルトリフルオロメタンスルホネート、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)ピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
上記ホスホニウム塩としては、例えば、エチルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート、テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
上記スルホニウム塩は、例えば、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルシネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアルシネート、ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアルシネート等が挙げられる。
上記熱カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、アデカオプトンCP−66、アデカオプトンCP−77(いずれもADEKA社製)、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L(いずれも三新化学工業社製)、CIシリーズ(日本曹達社製)等が挙げられる。
上記熱カチオン重合開始剤を用いる場合、上記熱カチオン重合開始剤の含有量は、硬化性樹脂全体100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が10重量部である。上記熱カチオン重合開始剤の含有量が0.1重量部未満であると、本発明の液晶滴下工法用シール剤を充分に熱硬化させることができないことがある。上記熱カチオン重合開始剤の含有量が10重量部を超えると、貯蔵安定性が低下することがある。
上記熱硬化剤としては、例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。なかでも、固形の有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。
上記固形の有機酸ヒドラジドとしては、例えば、1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド等が挙げられ、市販されているものとしては、例えば、SDH、MDH(いずれも、日本ファインケム社製)、ADH(大塚化学社製)、アミキュアVDH、アミキュアVDH−J、アミキュアUDH(いずれも、味の素ファインテクノ社製)等が挙げられる。
上記熱硬化剤を用いる場合、上記熱硬化剤の含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が1重量部、好ましい上限が50重量部である。上記熱硬化剤の含有量が1重量部未満であると、本発明の液晶滴下工法用シール剤を充分に硬化させることができないことがある。上記熱エポキシ熱硬化剤の含有量が50重量部を超えると、本発明の液晶滴下工法用シール剤の粘度が高くなり、塗布性等を損ねる場合がある。上記熱硬化剤の含有量のより好ましい上限は30重量部である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、無機フィラーを含有してもよい。上記無機フィラーは、応力分散効果による接着性の改善、線膨張率の改善等の効果を有する。
上記無機フィラーとしては、例えば、タルク、石綿、シリカ、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、窒化珪素、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト活性白土、窒化アルミニウム等が挙げられる。これらの無機フィラーは、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記無機フィラーの含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が5重量部、好ましい上限が70重量部である。上記無機フィラーの含有量が5重量部未満であると、接着性の改善等の効果が充分に発揮されないことがある。上記無機フィラーの含有量が70重量部を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤の粘度が高くなり、塗布性が悪くなることがある。上記無機フィラーの含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は60重量部である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、上記無機フィラーに加えて、本発明の目的を阻害しない範囲で、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等の有機フィラーを含有してもよい。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、遮光剤を含有してもよい。上記遮光剤を含有することにより、本発明の液晶滴下工法用シール剤は、遮光シール剤として好適に用いることができる。
上記遮光剤としては、例えば、酸化鉄、チタンブラック、アニリンブラック、シアニンブラック、フラーレン、カーボンブラック、樹脂被覆型カーボンブラック等が挙げられる。なかでも、チタンブラックが好ましい。
上記チタンブラックは、波長300〜800nmの光に対する平均透過率と比較して、紫外線領域付近、特に波長370〜450nmの光に対する透過率が高くなる物質である。即ち、上記チタンブラックは、可視光領域の波長の光を充分に遮蔽することで本発明の液晶滴下工法用シール剤に遮光性を付与する一方、紫外線領域付近の波長の光は透過させる性質を有する遮光剤である。従って、上記光ラジカル重合開始剤や上記光カチオン重合開始剤として、上記チタンブラックの透過率の高くなる波長(370〜450nm)の光によって反応を開始可能なものを用いることで、本発明の液晶滴下工法用シール剤の光硬化性をより増大させることができる。また一方で、本発明の液晶滴下工法用シール剤に含有される遮光剤としては、絶縁性の高い物質が好ましく、絶縁性の高い遮光剤としてもチタンブラックが好適である。
上記チタンブラックは、1μmあたりの光学濃度(OD値)が、3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。上記チタンブラックの遮光性は高ければ高いほどよく、上記チタンブラックのOD値に好ましい上限は特にないが、通常は5以下となる。
上記チタンブラックは、表面処理されていないものでも充分な効果を発揮するが、表面がカップリング剤等の有機成分で処理されているものや、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の無機成分で被覆されているもの等、表面処理されたチタンブラックを用いることもできる。なかでも、有機成分で処理されているものは、より絶縁性を向上できる点で好ましい。
また、遮光剤として上記チタンブラックを含有する本発明の液晶滴下工法用シール剤を用いて製造した液晶表示素子は、充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる。
上記チタンブラックのうち市販されているものとしては、例えば、12S、13M、13M−C、13R−N(いずれも三菱マテリアル社製)、ティラックD(赤穂化成社製)等が挙げられる。
上記チタンブラックの比表面積の好ましい下限は13m/g、好ましい上限は30m/gであり、より好ましい下限は15m/g、より好ましい上限は25m/gである。
また、上記チタンブラックの体積抵抗の好ましい下限は0.5Ω・cm、好ましい上限は3Ω・cmであり、より好ましい下限は1Ω・cm、より好ましい上限は2.5Ω・cmである。
上記遮光剤の一次粒子径は、液晶表示素子の基板間の距離以下であれば特に限定されないが、好ましい下限は1nm、好ましい上限は5μmである。上記遮光剤の一次粒子径が1nm未満であると、得られる液晶滴下工法用シール剤の粘度やチクソトロピーが大きく増大してしまい、作業性が悪くなることがある。上記遮光剤の一次粒子径が5μmを超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤の基板への塗布性が悪くなることがある。上記遮光剤の一次粒子径のより好ましい下限は5nm、より好ましい上限は200nm、更に好ましい下限は10nm、更に好ましい上限は100nmである。
上記遮光剤の含有量は、本発明の液晶滴下工法用シール剤全体に対して、好ましい下限が5重量%、好ましい上限が80重量%である。上記遮光剤の含有量が5重量%未満であると、充分な遮光性が得られないことがある。上記遮光剤の含有量が80重量%を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤の基板に対する密着性や硬化後の強度が低下したり、描画性が低下したりすることがある。上記遮光剤の含有量のより好ましい下限は10重量%、より好ましい上限は70重量%であり、更に好ましい下限は30重量%、更に好ましい上限は60重量%である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、更に、必要に応じて、粘度調整の為の反応性希釈剤、チクソ性を調整する揺変剤、パネルギャップ調整の為のポリマービーズ等のスペーサー、3−P−クロロフェニル−1,1−ジメチル尿素等の硬化促進剤、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤等のその他の公知の添加剤を含有してもよい。
本発明の液晶滴下工法用シール剤を製造する方法としては、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、硬化性樹脂と、重合開始剤及び/又は熱硬化剤と、チタネートカップリング剤と、必要に応じて添加されるシランカップリング剤等を混合する方法等が挙げられる。
本発明の液晶滴下工法用シール剤に、導電性微粒子を配合することにより、上下導通材料を製造することができる。このような上下導通材料を用いれば、電極間を確実に導電接続することができる。
本発明の液晶滴下工法用シール剤と、導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発明の1つである。
上記導電性微粒子としては、例えば、金属ボール、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したもの等を用いることができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したものは、樹脂微粒子の優れた弾性により、透明基板等を損傷することなく導電接続が可能であることから好適である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤又は本発明の上下導通材料を用いてなる液晶表示素子もまた、本発明の1つである。
本発明の液晶表示素子を製造する方法としては、例えば、ITO薄膜等の電極と配向膜とを有する基板の一方に、本発明の液晶滴下工法用シール剤をスクリーン印刷、ディスペンサー塗布等により塗布し、長方形状のシールパターンを形成する工程、液晶の微小滴をシールパターンの枠内全面に滴下塗布し、真空下で他方の基板を重ね合わせる工程、本発明の液晶滴下工法用シール剤に紫外線等の光を照射してシール剤を仮硬化させる工程、及び、仮硬化させたシール剤を加熱して本硬化させる工程を有する方法等が挙げられる。
本発明によれば、配向膜への接着性に優れ、かつ、液晶汚染を引き起こすことがほとんどない液晶滴下工法用シール剤を提供することができる。また、本発明によれば、該液晶滴下工法用シール剤を用いてなる上下導通材料及び液晶表示素子を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(エポキシメタクリレート(硬化性樹脂1)の合成)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、「エピコート828EL」、エポキシ当量190)1000重量部と、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部と、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部と、メタクリル酸905重量部とを、90℃で空気を送り込みながら還流攪拌し、5時間反応させた。得られた生成物100重量部を、反応物中のイオン性不純物を吸着させる為にクオルツとカオリンの天然結合物(ホフマンミネラル社製、「シリチンV85」)10重量部が充填されたカラムで濾過し、エポキシメタクリレートとして硬化性樹脂1を得た。
(部分メタクリル変性エポキシ樹脂(硬化性樹脂2)の合成)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、「エピコート828EL」、エポキシ当量190)1000重量部と、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部と、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部と、メタクリル酸453重量部とを、90℃で空気を送り込みながら還流攪拌し、5時間反応させた。得られた生成物100重量部を、反応物中のイオン性不純物を吸着させる為にクオルツとカオリンの天然結合物(ホフマンミネラル社製、シリチンV85)10重量部が充填されたカラムで濾過し、50%部分メタクリル変性エポキシ樹脂として硬化性樹脂2を得た。
(実施例1)
硬化性樹脂として、硬化性樹脂1を58重量部及び硬化性樹脂2を42重量部それぞれ所定の容器に配合し、遊星式攪拌装置にて混合攪拌した後、チタネートカップリング剤としてイソプロピルトリス(ドデシルベンゼンスルホニル)チタネート(味の素ファインテクノ社製、「KR−9SA」)3.0重量部を配合して混合攪拌し、真空度5.0Torrの真空オーブンにて120℃で加熱して脱溶剤した。得られた混合物に、光ラジカル重合開始剤(BASF Japan社製、「イルガキュア651」)1.7重量部を配合した後、80℃にて加熱溶解させ、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、「KBM−403」)1.5重量部を混合して攪拌し、無機フィラーとしてシリカ(アドマテックス社製、「SO−C2」、平均粒子径0.6μm、アスペクト比1.0)42重量部、及び、熱硬化剤としてマロン酸ジヒドラジド(日本ファインケム社製、「MDH」)5.0重量部を混合して攪拌した後、セラミックス3本ロールミルにて分散させることによって、実施例1の液晶滴下工法用シール剤を得た。
参考例2〜6、実施例〜14、及び、比較例1)
表1に記載された配合比に従って各材料を用いたこと以外は、実施例1と同様にして参考例2〜6、実施例〜14、及び、比較例1の液晶滴下工法用シール剤を調製した。
なお、実施例9にて用いた熱ラジカル重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤と同時に配合した。
<評価>
実施例、参考例、及び比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)配向膜に対する接着性
実施例、参考例、及び比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤に、シリカスペーサー(積水化学工業製、「SI−H055」)を1重量%となるように配合し、2枚のVA用配向膜付き無アルカリガラス(30×40mm)のうちの一方に微小滴下し、これにもう一方のVA用配向膜付き無アルカリガラスを十字状に貼り合わせたものに、メタルハライドランプにて紫外線を3000mJ/cm照射した後、120℃で60分加熱することによって接着試験片を得た。得られた接着試験片について、上下に配したチャックにて引っ張り試験(5mm/sec)を行った。測定値(kgf)をシール塗布断面積(cm)で除した値が0kgf/cm以上10kgf/cm未満であった場合を「×」、10kgf/cm以上20kgf/cm未満であった場合を「△」、20kgf/cm以上であった場合を「○」として、配向膜に対する接着性を評価した。
(2)高温高湿下で保管した後に駆動した液晶表示素子の色むら評価
実施例、参考例、及び比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤をディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY−10E」)に充填し、脱泡処理を行った。次いで、表面にVA用配向膜を塗布したITO薄膜付きの透明電極基板を2枚用意し、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)を用いて、一方の透明電極基板に長方形の枠を描く様にシール剤を塗布した。続いて、VA液晶の微小滴を液晶滴下装置にて滴下塗布し、他方の透明電極基板を、真空張り合わせ装置にて減圧下にて貼り合わせた。貼り合わせた後のセルにメタルハライドランプにて3000mJ/cmの紫外線を照射した後、120℃のオーブンで60分間加熱してシール剤を熱硬化させ、液晶表示素子を各シール剤につき5枚ずつ作製した。得られた液晶表示素子を、温度80℃、湿度90%RHの環境下にて36時間保管した後、AC3.5Vで電圧駆動させ、中間調のシール剤部周辺を目視で観察した。シール剤部周辺に色むらが全く見られなかった場合を「○」、少し薄い色むらが見えた場合を「△」、はっきりとした濃い色むらがあった場合を「×」として評価した。
Figure 0006144961
本発明によれば、配向膜への接着性に優れ、かつ、液晶汚染を引き起こすことがほとんどない液晶滴下工法用シール剤を提供することができる。また、本発明によれば、該液晶滴下工法用シール剤を用いてなる上下導通材料及び液晶表示素子を提供することができる。

Claims (5)

  1. 硬化性樹脂と、重合開始剤及び/又は熱硬化剤と、チタネートカップリング剤とを含有し、
    前記チタネートカップリング剤は、アルキルベンゼンスルホン酸型チタネートカップリング剤であることを特徴とする液晶滴下工法用シール剤。
  2. チタネートカップリング剤の含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、0.5〜10重量部であることを特徴とする請求項記載の液晶滴下工法用シール剤。
  3. 硬化性樹脂は、エポキシ基及び/又は(メタ)アクリロイル基を有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶滴下工法用シール剤。
  4. 請求項1、2又は3記載の液晶滴下工法用シール剤と、導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
  5. 請求項1、2若しくは3記載の液晶滴下工法用シール剤、又は、請求項記載の上下導通材料を用いて製造されることを特徴とする液晶表示素子。
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