JP6144813B2 - マニホールド、及び燃料電池スタック - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池スタックに用いられるマニホールドに関するものである。
燃料電池スタックは、マニホールドと、複数の燃料電池セルを備えている。マニホールドの蓋部材は、複数の挿入孔を有している。各燃料電池セルは、各挿入孔に挿入された状態で、接合材によってマニホールドの蓋部材に接合されている。
特開2015−144114号公報
上述した燃料電池スタックは、燃料電池セルの重みによって、マニホールドの蓋部材がクリープ変形してしまうおそれがある。そこで、本発明の課題は、蓋部材のクリープ変形を抑制することのできるマニホールドを提供する。
本発明の第1側面に係るマニホールドは、燃料電池セルにガスを分配するように構成されている。このマニホールドは、マニホールド本体と、支持部材と、蓋部材とを備えている。マニホールド本体は、底壁、及び底壁の周縁から上方に延び対向する一対の第1側壁、を有する。支持部材は、一対の載置部を有する。一対の載置部は、一対の第1側壁上に配置されて各第1側壁から互いに近付く方向に延びる。蓋部材は、支持部材上に配置されている。蓋部材は、燃料電池セルの下端部が挿入される少なくとも1つの挿入孔を有する。一対の載置部は、燃料電池セルの幅方向の両端部を載せるように構成される。
この構成によれば、蓋部材によって燃料電池セルを支持するのではなく、支持部材によって燃料電池セルを支持している。したがって、蓋部材のクリープ変形を抑制することができる。
本発明の第2側面に係るマニホールドは、燃料電池セルにガスを分配するように構成されている。このマニホールドは、マニホールド本体と、支持部材と、蓋部材とを備えている。マニホールド本体は、底壁、及び底壁の周縁から上方に延び対向する一対の第1側壁、を有する。支持部材は、一対の載置部を有する。一対の載置部は、一対の第1側壁間を延びる。蓋部材は、燃料電池セルの下端部が挿入される少なくとも1つの挿入孔を有している。蓋部材は、支持部材上に配置される。一対の載置部は、燃料電池セルの厚さ方向の両端部を載せるように構成される。
この構成によれば、蓋部材によって燃料電池セルを支持するのではなく、支持部材によって燃料電池セルを支持している。したがって、蓋部材のクリープ変形を抑制することができる。
本発明の第3側面に係るマニホールドは、燃料電池セルにガスを分配するように構成されている。このマニホールドは、マニホールド本体と、支持部材と、蓋部材とを備えている。マニホールド本体は、底壁、及び底壁の周縁から上方に延び対向する一対の第1側壁、を有する。支持部材は、載置部を有する。載置部は、一対の第1側壁上に配置されて各第1側壁から互いに近付く方向に延び、且つ一対の第1側壁間を延びる。蓋部材は、燃料電池セルの下端部が挿入される少なくとも1つの挿入孔を有する。蓋部材は、支持部材上に配置される。載置部は、燃料電池セルの幅方向の両端部、及び厚さ方向の両端部を載せるように構成される。
好ましくは、支持部材は、一対の載置部を連結する一対の連結部をさらに有する。また、支持部材は、中央に開口部を有する。
好ましくは、対向する第1側壁は、外方に延びるフランジ部を有している。そして、支持部材は、フランジ部上に配置され、フランジ部に接合される。
蓋部材は、支持部材よりも薄くしてもよい。この構成によれば、蓋部材の挿入孔に燃料電池セルの下端部を挿入し、接合材によって蓋部材と燃料電池セルとを接合した際に次のような効果を奏する。蓋部材を薄くすることによって、蓋部材の熱容量を小さくすることができるため、接合材に掛かる応力を抑制することができる。
蓋部材の材質と支持部材の材質とは、互いに異なってもよい。
好ましくは、マニホールド本体は、底壁の周縁から上方に延び対向する一対の第2側壁をさらに有する。
好ましくは、第1側壁と第2側壁との第1境界部の内側面及び外側面の少なくとも一方は、R形状である。
好ましくは、底壁と第1側壁及び第2側壁との第2境界部の内側面及び外側面の少なくとも一方は、R形状である。
好ましくは、各第1側壁及び各第2側壁は、上方に向かって外方に広がるように傾斜する。
本発明の第4側面に係る燃料電池スタックは、上記いずれかのマニホールドと、燃料電池セルと、接合材とを備える。燃料電池セルは、挿入孔に挿入され、載置部上に載置される。接合材は、燃料電池セルが挿入された状態の挿入孔内に充填される。
本発明によれば、蓋部材のクリープ変形を抑制することができる。
燃料電池スタックの斜視図。 燃料電池セルの斜視図。 燃料電池セルの拡大断面図。 燃料電池スタックの断面図。 マニホールドの拡大断面図。 図4のVI-VI線断面図。 支持部材の平面図。 蓋部材の平面図。 変形例に係る蓋部材の平面図。 変形例に係る燃料電池スタックの断面図。 変形例に係る燃料電池スタックの断面図。 変形例に係る支持部材をマニホールドの内部空間側から見た図。 変形例に係る支持部材をマニホールドの内部空間側から見た図。
以下、本発明に係る燃料電池スタックの実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、燃料電池スタック100は、複数の燃料電池セル10と、マニホールド20と、を備えている。各燃料電池セル10は、マニホールド20によって支持されている。マニホールド20は、各燃料電池セル10にガスを分配する。
[燃料電池セル]
各燃料電池セル10は、マニホールド20から上方に延びている。燃料電池セル10の長手方向(x軸方向)は、上方に延びている。また、各燃料電池セル10は、マニホールド20の長手方向(z軸方向)に沿って、互いに間隔をあけて配置されている。各燃料電池セル10は、集電部材(図示省略)を介して互いに電気的に接続されている。集電部材は、導電性を有する材料から形成されている。例えば、集電部材は、酸化物セラミックスの焼成体又は金属などによって形成されている。
図2に示すように、燃料電池セル10は、複数の発電素子部11と、支持基板12とを備えている。各発電素子部11は、支持基板12の両面に支持されている。なお、各発電素子部11は、支持基板12の片面のみに支持されていてもよい。各発電素子部11は、燃料電池セル10の長手方向において、互いに間隔をあけて配置されている。すなわち、本実施形態に係る燃料電池セル10は、いわゆる横縞型の燃料電池セルである。各発電素子部11は、電気的接続部17(図3参照)によって互いに電気的に接続されている。
支持基板12は、燃料電池セル10の長手方向に延びる複数のガス流路121を内部に有している。なお、支持基板12の長手方向(x軸方向)は、燃料電池セル10の長手方向と同じ方向である。各ガス流路121は、互いに実質的に平行に延びている。各ガス流路121は、燃料電池セル10の長手方向の両端部において開口している。各ガス流路121は、燃料電池セル10の幅方向(y軸方向)の両端部122に形成されていない。このガス流路121が形成されていない燃料電池セル10の幅方向の両端部122は、後述する支持部材4の載置部41上に載置されている。
図3に示すように、支持基板12は、複数の第1凹部123を有している。各第1凹部123は、支持基板12の両面に形成されている。各第1凹部123は支持基板12の長手方向において互いに間隔をあけて配置されている。
支持基板12は、電子伝導性を有さない多孔質の材料によって構成される。支持基板12は、例えば、CSZ(カルシア安定化ジルコニア)から構成され得る。或いは、支持基板12は、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とY(イットリア)とから構成されてもよいし、MgO(酸化マグネシウム)とMgAl(マグネシアアルミナスピネル)とから構成されてもよい。支持基板12の気孔率は、例えば、20〜60%程度である。
各発電素子部11は、燃料極13、電解質14、及び空気極15を有している。また、各発電素子部11は、反応防止膜16をさらに有している。燃料極13は、電子伝導性を有する多孔質の材料から構成される焼成体である。燃料極13は、燃料極集電部131と燃料極活性部132とを有する。
燃料極集電部131は、第1凹部123内に配置されている。詳細には、燃料極集電部131は、第1凹部123内に充填されており、第1凹部123と同様の外形を有する。各燃料極集電部131は、第2凹部131a及び第3凹部131bを有している。燃料極活性部132は、第2凹部131a内に配置されている。詳細には、燃料極活性部132は、第2凹部131a内に充填されている。
燃料極集電部131は、例えば、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成され得る。或いは、燃料極集電部131は、NiO(酸化ニッケル)とY(イットリア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とCSZ(カルシア安定化ジルコニア)とから構成されてもよい。燃料極集電部131の厚さ、並びに第1凹部123の深さは、50〜500μm程度である。
燃料極活性部132は、例えば、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成され得る。或いは、燃料極活性部132は、NiO(酸化ニッケル)とGDC(ガドリニウムドープセリア)とから構成されてもよい。燃料極活性部132の厚さは、5〜30μmである。
電解質14は、燃料極13上を覆うように配置されている。詳細には、電解質14は、あるインターコネクタ171から他のインターコネクタ171まで長手方向に延びている。すなわち、燃料電池セル10の長手方向において、電解質14とインターコネクタ171とが交互に配置されている。
電解質14は、イオン伝導性を有し且つ電子伝導性を有さない緻密な材料から構成される焼成体である。電解質14は、例えば、YSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)から構成され得る。或いは、電解質14は、LSGM(ランタンガレート)から構成されてもよい。電解質14の厚さは、例えば、3〜50μm程度である。
反応防止膜16は、緻密な材料から構成される焼成体であり、平面視(z軸方向視)において、燃料極活性部132と略同一の形状であり、燃料極活性部132と略同じ位置に配置されている。反応防止膜16は、電解質14内のYSZと空気極15内のSrとが反応して電解質14と空気極15との界面に電気抵抗が大きい反応層が形成される現象の発生を抑制するために設けられている。反応防止膜16は、例えば、GDC=(Ce,Gd)O(ガドリニウムドープセリア)から構成され得る。反応防止膜16の厚さは、例えば、3〜50μm程度である。
空気極15は、反応防止膜16上に配置されている。空気極15は、電子伝導性を有する多孔質の材料から構成される焼成体である。空気極15は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)から構成され得る。或いは、空気極15は、LSF=(La,Sr)FeO(ランタンストロンチウムフェライト)、LNF=La(Ni,Fe)O(ランタンニッケルフェライト)、又は、LSC=(La,Sr)CoO(ランタンストロンチウムコバルタイト)等から構成されてもよい。空気極15は、LSCFから構成される第1層(内側層)とLSCから構成される第2層(外側層)との2層によって構成されてもよい。空気極15の厚さは、例えば、10〜100μmである。
電気的接続部17は、隣り合う発電素子部11を電気的に接続するように構成されている。電気的接続部17は、インターコネクタ171及び空気極集電膜172を有する。インターコネクタ171は、第3凹部131b内に配置されている。詳細には、インターコネクタ171は、第3凹部131b内に埋設(充填)されている。インターコネクタ171は、電子伝導性を有する緻密な材料から構成される焼成体である。インターコネクタ171は、例えば、LaCrO(ランタンクロマイト)から構成され得る。或いは、インターコネクタ171は、(Sr,La)TiO(ストロンチウムチタネート)から構成されてもよい。インターコネクタ171の厚さは、例えば、10〜100μmである。
空気極集電膜172は、隣り合う発電素子部11のインターコネクタ171と空気極15との間を延びるように配置される。例えば、図3の左側に配置された発電素子部11の空気極15と、図3の右側に配置された発電素子部11のインターコネクタ171とを電気的に接続するように、空気極集電膜172が配置されている。空気極集電膜172は、電子伝導性を有する多孔質の材料から構成される焼成体である。
空気極集電膜172は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)から構成され得る。或いは、空気極集電膜172は、LSC=(La,Sr)CoO(ランタンストロンチウムコバルタイト)から構成されてもよい。或いは、空気極集電膜172は、Ag(銀)、Ag−Pd(銀パラジウム合金)から構成されてもよい。空気極集電膜172の厚さは、例えば、50〜500μm程度である。
[マニホールド]
図1及び図4に示すように、マニホールド20は、各燃料電池セル10にガスを分配するように構成されている。マニホールド20は、中空状であり、内部空間を有している。マニホールド20の内部空間には、導入管201を介して燃料ガスなどのガスが供給される。マニホールド20は、各燃料電池セル10を支持している。マニホールド20は、マニホールド本体3と、支持部材4と、蓋部材5とを備えている。
マニホールド本体3は、直方体状であって、上面が開口した内部空間を有する。詳細には、マニホールド本体3は、底壁31と、一対の第1側壁32と、一対の第2側壁33とを有している。底壁31は、平面視(x軸方向視)が矩形状である。なお、マニホールド本体3は、1つの部材によって構成されている。すなわち、底壁31と、一対の第1側壁32と、一対の第2側壁33とは、1つの部材によって構成されている。例えば、マニホールド本体3は、耐熱性を有するような金属によって形成される。より具体的には、マニホールド本体3は、フェライト系ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、及びNi基合金よりなる群から選ばれる少なくとも1種から形成されている。
一対の第1側壁32は、底壁31の対向する縁部から上方に延びている。また、各第1側壁32は、マニホールド20の長手方向(z軸方向)に延びている。すなわち、複数の燃料電池セル10の並ぶ方向に延びている。一対の第1側壁32は、互いに対向している。詳細には、一対の第1側壁32は、マニホールド20の幅方向(y軸方向)において、互いに対向している。
第1側壁32は、第1側壁本体部321と、第1フランジ部322と、を有している。第1側壁本体部321は、底壁31から上方に延びる部分である。第1フランジ部322は、第1側壁本体部321の上端部から外方に延びる部分である。なお、第1側壁本体部321と第1フランジ部322とは一体的に延びている。
一対の第2側壁33は、底壁31の残りの対向する縁部から上方に延びている。また、各第2側壁33は、マニホールド20の幅方向(y軸方向)に延びている。すなわち、各第2側壁33は、燃料電池セル10の幅方向に延びている。各第2側壁33は、互いに対向している。詳細には、一対の第2側壁33は、マニホールド20の長手方向(z軸方向)において、互いに対向している。図5に示すように、第2側壁33は、第1側壁32と同様に、第2側壁本体部331と、第2フランジ部332とを有している。第2側壁本体部331は、第1側壁本体部321と連続しており、第2フランジ部332は、第1フランジ部322と連続している。
図4及び図5に示すように、第1側壁32及び第2側壁33は、上方に向かって外方に広がるように傾斜している。特に限定されるものではないが、例えば、第1側壁32及び第2側壁33と、底壁31とがなす角度αは、90〜110°程度とすることができる。このように第1側壁32及び第2側壁33が傾斜しているため、マニホールド20の内部空間を底壁31と平行な面(yz平面)で切断した断面積は、上方にいくにつれて大きくなる。また、マニホールド20の内部空間を、底壁31に垂直で幅方向(y軸方向)に延びる面(xy平面)で切断した断面は、台形状となっている。また、マニホールド20の内部空間を、底壁31に垂直で奥行方向(z軸方向)に延びる面(xz平面)で切断した断面は、台形状となっている。
図6に示すように、第1側壁32と、第2側壁33との第1境界部30aの内側面及び外側面は、R形状である。この第1境界部30aの内側面及び外側面の曲率半径は、3〜30mm程度とすることができる。なお、第1境界部30aの内側面とは、マニホールド20の内部空間を臨む面であり、第1境界部30aの外側面とは、マニホールド20の外側を臨む面である。
図4及び図5に示すように、底壁31と、第1側壁32及び第2側壁33との第2境界部30bの内側面及び外側面は、R形状である。この第2境界部30bの内側面の曲率半径は、2〜20mm程度とすることができる。なお、第2境界部30bの内側面とは、マニホールド20の内部空間を臨む面であり、第2境界部30bの外側面とは、マニホールド20の外部を臨む面である。
支持部材4は、マニホールド本体3上に配置されている。詳細には、支持部材4は、各第1側壁32及び各第2側壁33の第1フランジ部322及び第2フランジ部上に配置されている。図7に示すように、支持部材4は、一対の載置部41と、一対の連結部42とを有している。
各載置部41は、マニホールド20の長手方向(z軸方向)に延びている。各載置部41は、マニホールド20の幅方向(y軸方向)において、互いに間隔をあけて配置されている。また、各載置部41は、各第1側壁32から、互いに近付く方向に延びる。すなわち、各載置部41は、各第1側壁32から内方に延びている。
具体的には、図4に示すように、各載置部41は、一部が第1フランジ部322上に配置されており、一部が第1フランジ部322から内側に突出している。この各載置部41上に、燃料電池セル10の幅方向の両端部122が載っている。すなわち、各載置部41に、燃料電池セル10の幅方向の両端部122の下端面が当接している。なお、各載置部41は、第1フランジ部322と接合されている。例えば、溶接によって、各載置部41は、第1フランジ部322に接合されている。
図7に示すように、各連結部42は、マニホールド20の幅方向に延びている。各連結部42は、各載置部41をその両端部で連結している。すなわち、支持部材4は、枠状であって、中央に開口部43を有している。この開口部43の幅W1は、燃料電池セル10の幅W2(図4参照)よりも小さい。これによって、載置部41が燃料電池セル10を支持することができる。また、開口部43の幅W1は、燃料電池セル10の幅方向の両端部に位置する各ガス流路121の端と端との距離W3(図4参照)よりも大きい。これによって、載置部41がガス流路121を塞ぐことを防止できる。
各連結部42は、各第2フランジ上に配置されている。なお、各連結部42は、各第2フランジから内側に突出していてもよいし、突出していなくてもよい。なお、各連結部42は、第2フランジと接合されている。例えば、溶接によって、各連結部42は、第2フランジに接合されている。なお、マニホールド20の内部空間を密閉するため、支持部材4が全周に亘ってマニホールド本体3の第1フランジ部322及び第2フランジ部と接合されている。
例えば、支持部材4は、耐熱性を有するような金属によって形成される。より具体的には、支持部材4は、フェライト系ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、及びNi基合金よりなる群から選ばれる少なくとも1種から形成されている。
図1及び図4に示すように、蓋部材5は、支持部材4上に配置されている。マニホールド20の内部空間を密閉するため、蓋部材5が全周に亘って支持部材4と接合されている。蓋部材5は、例えば、溶接によって支持部材4に接合されている。
図8に示すように、蓋部材5は、複数の挿入孔51を有している。この各挿入孔51には、燃料電池セル10の下端部が挿入される。各挿入孔51は、マニホールド20の幅方向(y軸方向)に延びている。また、各挿入孔51は、マニホールド20の長手方向において、互いに間隔をあけて配置されている。
マニホールド20の幅方向における各挿入孔51の長さW4は、燃料電池セル10の幅W2よりも大きい。また、マニホールド20の幅方向における各挿入孔51の長さW4は、開口部43の幅W1よりも大きい。このため、平面視(x軸方向視)において、各挿入孔51の両端部から、一対の載置部41が露出する。そして、各挿入孔51に挿入された各燃料電池セル10は、各挿入孔51の両端部から露出する各載置部41上に載置される。詳細には、各燃料電池セル10の両端部122が各載置部41上に載置される。
蓋部材5は、例えば、耐熱性を有するような金属によって形成される。より具体的には、蓋部材5は、フェライト系ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、及びNi基合金よりなる群から選ばれる少なくとも1種から形成されている。なお、支持部材4の材質と蓋部材5の材質とは、異なっていてもよい。
蓋部材5は、支持部材4よりも薄くすることができる。例えば、支持部材4を2.0〜6.0mm程度とし、蓋部材5を0.3〜2.0mm程度とすることができる。このように、支持部材4が2.0〜6.0mm程度であるため、複数の燃料電池セル10を支持することができる。また、蓋部材5を0.3〜2.0mm程度とすることによって、蓋部材5の熱容量を小さくすることができるため、後述する接合材101に掛かる応力を抑制することができる。
以上のように構成されたマニホールド20に、各燃料電池セル10が支持されている。詳細には、各燃料電池セル10の下端部が、蓋部材5の各挿入孔51に挿入されている。そして、各燃料電池セル10の幅方向の両端部122が、支持部材4の各載置部41上に載っている。すなわち、各燃料電池セル10の幅方向の両端部122の下端面が、支持部材4の各載置部41上に当接している。そして、燃料電池セル10が挿入された状態の挿入孔51内には、接合材101が充填されている。なお、複数ある燃料電池セル10のうち、一部の燃料電池セル10が載置部41から浮いており、当接していないこともあり得る。
接合材101は、例えば、結晶化ガラスである。結晶化ガラスとしては、例えば、SiO−B系、SiO−CaO系、又はSiO−MgO系が採用され得る。なお、本明細書では、結晶化ガラスとは、全体積に対する「結晶相が占める体積」の割合(結晶化度)が60%以上であり、全体積に対する「非晶質相及び不純物が占める体積」の割合が40%未満のガラスを指す。なお、接合材101の材料として、非晶質ガラス、ろう材、又はセラミックス等が採用されてもよい。具体的には、接合材101は、SiO−MgO−B−Al系及びSiO−MgO−Al−ZnO系よりなる群から選ばれる少なくとも一種である。
以上のように構成された燃料電池スタック100は、次のようにして発電する。マニホールド20を介して各燃料電池セル10のガス流路121内に燃料ガス(水素ガス等)を流すとともに、支持基板12の両面を酸素を含むガス(空気等)に曝すことにより、電解質14の両側面間に生じる酸素分圧差によって起電力が発生する。この燃料電池スタック100を外部の負荷に接続すると、空気極15において下記(1)式に示す化学反応が起こり、燃料極13において下記(2)式に示す化学反応が起こり、電流が流れる。
(1/2)・O+2e→O …(1)
+O →HO+2e …(2)
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
変形例1
上記実施形態では、支持部材4とマニホールド本体3とがそれぞれ別部材によって構成されているが、支持部材4とマニホールド本体3とが一つの部材によって構成されていてもよい。
変形例2
上記実施形態では、支持部材4は、枠状であるが、特にこれに限定されない。例えば、支持部材4は、一対の連結部42を有していなくてもよい。
上記実施形態では、蓋部材5は、複数の挿入孔51を有しているが、蓋部材5の構造はこれに限定されない。例えば、図9に示すように、蓋部材5は、1つの挿入孔51を有していてもよい。この1つの挿入孔51内に、複数の燃料電池セル10の下端部が挿入される。
変形例3
上記実施形態では、支持部材4は、一枚の板状の部材によって構成されているが、支持部材4の構成は特にこれに限定されない。例えば、図10に示すように、支持部材4は、強度を向上させるために、複数枚の板状の部材によって構成されてもよい。
変形例4
上記実施形態では、支持部材4の各載置部41は、燃料電池セル10の幅方向の両端部を載せるように構成されているが、支持部材4の構成はこれに限定されない。例えば、図11及び図12に示すように、支持部材4の一対の載置部41は、燃料電池セル10の厚さ方向(z軸方向)の両端部を載せるように構成されていてもよい。なお、本変形例では、支持部材4は、複数対の載置部41を有している。
各載置部41は、一対の第1側壁32間を延びている。すなわち、各載置部41は、マニホールド20の幅方向(y軸方向)に延びている。各載置部41は、マニホールド20の長手方向(z軸方向)において、互いに間隔をあけて配置されている。各載置部41上に、隣り合う燃料電池セル10の厚さ方向の端部が載置される。
各載置部41は、一対の連結部42によって連結されている。各連結部42は、各載置部41の端部同士を連結している。各連結部42は、マニホールド20の長手方向(z軸方向)に延びている。各連結部42は、第1フランジ部322上に配置されている。
各載置部41間は、隙間が形成されている。詳細には、開口部43が形成されている。この開口部43は、燃料電池セル10の各ガス流路121と対向している。すなわち、各載置部41は、各ガス流路121と重ならないように配置されている。
変形例5
図13に示すように、載置部41は、燃料電池セル10の幅方向(y軸方向)の両端部、及び厚さ方向(z軸方向)の両端部を載せるように構成されていてもよい。すなわち、各載置部41は、燃料電池セル10の下端面の周縁部を載せるように構成されていてもよい。載置部41は、各第1側壁32から互いに近付くように延びる第1部分411と、各第1側壁32間を延びる部分412と、を有している。この第1部分411は、燃料電池セル10の幅方向の両端部を載せており、第2部分412は、燃料電池セル10の厚さ方向の両端部を載せている。
支持部材4は、開口部43を有している。この開口部43は、燃料電池セル10の各ガス流路121と対向している。すなわち、載置部41は、各ガス流路121と重ならないように配置されている。
100 :燃料電池スタック
101 :接合材
10 :燃料電池セル
122 :両端部
20 :マニホールド
3 :マニホールド本体
31 :底壁
32 :第1側壁
4 :支持部材
41 :載置部
42 :連結部
43 :開口部
5 :蓋部材
51 :挿入孔

Claims (10)

  1. 燃料電池セルにガスを分配するためのマニホールドであって、
    底壁、及び前記底壁の周縁から上方に延び対向する一対の第1側壁、を有するマニホールド本体と、
    前記一対の第1側壁上に配置されて前記各第1側壁から互いに近付く方向に延びる一対の載置部を有する枠状の支持部材と、
    前記燃料電池セルの下端部が挿入される少なくとも1つの挿入孔を有し、前記支持部材上に配置される蓋部材と、
    を備え、
    前記一対の載置部は、前記燃料電池セルの幅方向の両端部を載せるように構成される、
    マニホールド。
  2. 燃料電池セルにガスを分配するためのマニホールドであって、
    底壁、及び前記底壁の周縁から上方に延び対向する一対の第1側壁、を有するマニホールド本体と、
    前記一対の第1側壁間を延びる一対の載置部を有する枠状の支持部材と、
    前記燃料電池セルの下端部が挿入される少なくとも1つの挿入孔を有し、前記支持部材上に配置される蓋部材と、
    を備え、
    前記一対の載置部は、前記燃料電池セルの厚さ方向の両端部を載せるように構成される、
    マニホールド。
  3. 燃料電池セルにガスを分配するためのマニホールドであって、
    底壁、及び前記底壁の周縁から上方に延び対向する一対の第1側壁、を有するマニホールド本体と、
    前記一対の第1側壁上に配置されて前記各第1側壁から互いに近付く方向に延び、且つ前記一対の第1側壁間を延びる載置部を有する枠状の支持部材と、
    前記燃料電池セルの下端部が挿入される少なくとも1つの挿入孔を有し、前記支持部材上に配置される蓋部材と、
    を備え、
    前記載置部は、前記燃料電池セルの幅方向の両端部、及び厚さ方向の両端部を載せるように構成される、
    マニホールド。
  4. 前記支持部材は、前記一対の載置部を連結する一対の連結部をさらに有し、中央に開口部を有する、
    請求項1に記載のマニホールド。
  5. 対向する前記第1側壁は外方に延びるフランジ部を有しており、
    前記支持部材は、前記フランジ部上に配置され、前記フランジ部に接合される、
    請求項1から4のいずれかに記載のマニホールド。
  6. 前記蓋部材は、前記支持部材よりも薄い、
    請求項1から5のいずれかに記載のマニホールド。
  7. 前記マニホールド本体は、前記底壁の周縁から上方に延び対向する一対の第2側壁、をさらに有する、
    請求項1から6のいずれかに記載のマニホールド。
  8. 前記第1側壁と前記第2側壁との第1境界部の内側面及び外側面の少なくとも一方は、R形状である、
    請求項7に記載のマニホールド。
  9. 前記底壁と前記第1側壁及び第2側壁との第2境界部の内側面及び外側面の少なくとも一方は、R形状である、
    請求項7又は8に記載のマニホールド。
  10. 請求項1から9に記載のマニホールドと、
    前記挿入孔に挿入され、前記載置部上に載置される燃料電池セルと、
    前記燃料電池セルが挿入された状態の挿入孔内に充填される接合材と、
    を備える、燃料電池スタック。
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