JP6144561B2 - 水槽 - Google Patents

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Description

本発明は、観賞魚などの水棲生物を飼育するための水槽に関する。
従来、観賞魚用や植物などの水棲生物を飼育する水槽としては、透明なガラス板や合成樹脂板などからなるものが一般的である(特許文献1参照)。
動植物を飼育する水槽内には藻類などが発生するため、藻類の増殖を抑制するための水換えや藻類を除去するための清掃などといったメンテナンスが欠かせない。
特開2005−278563号公報
しかしながら、水槽の水換えや清掃を頻繁に行うのは非常に手間が掛かり、水換えや清掃に代えて、藻類の除去効果を有する防藻剤や藻類の養分となる栄養塩を除去する吸着剤を使用することもできるが、防藻効果が低くて藻類の増殖抑制に対する効果が低い、継続して使用し続ける必要があるためコストが掛かるなどの問題があった。
本発明は、藻類の増殖を抑制して、清掃作業などのメンテナンスの負担を軽減させることのできる水槽の提供を目的とする。
即ち、本発明は下記[1]〜[6]に記載の構成を有する。
[1] 前側板、後側板、左右側板及び底板を備え、
前記前側板は、透明ガラスからなり、
前記後側板及び前記左右側板は、少なくとも片面が黒色の着色ガラスからなることを特徴とする水槽。
[2] 前記後側板及び前記左右側板は、前記着色ガラスの片面のみに設けられた着色面が外面に向けられて配置されることを特徴とする前項1に記載の水槽。
[3] 前記左右側板の前面端部は、前記前側板の内面と接合されることを特徴とする前項1または2に記載の水槽。
[4] 前記後側板の左右端部には、前記左右側板と接合可能な傾斜した接合面が形成され、
前記左右側板の後側端部には、前記後側板と接合可能な傾斜した接合面が形成されることを特徴とする前項1〜3のいずれかに記載の水槽。
[5] 前記後側板の左右端部は、前記左右側板の内面と接合されることを特徴とする前項1〜3のいずれかに記載の水槽。
[6] 前記後側板及び前記左右側板が接合される接合部には、前記着色ガラスの着色面と同色の接合材が用いられることを特徴とする前項1〜5のいずれかに記載の水槽。
上記[1]に記載の発明によれば、前側板、後側板、左右側板及び底板を備え、前側板は、透明ガラスからなり、後側板及び左右側板は、少なくとも片面が黒色の着色ガラスからなるので、少なくとも片面が黒色の着色ガラスからなる後側板及び左右側板の有する遮光効果により、背面側及び左右両側からの光が水槽内に供給され難くなり、更に、水槽内での光の反射が生じ難く水槽内部における照度が低下するため、藻類への光の供給が減少して藻類の増殖を確実に抑制することができる。
藻類の増殖が抑制されることにより、水槽の水換えや清掃を頻繁に行う必要がなくなるのでメンテナンスの負担が軽減される。
また、後側板及び左右側板に着色ガラスが用いられているので、例えば、水槽に付属した照明のコードなどが後側板から外側に配されている場合などには、前側板側からコードが見えることがなく美観を損なうことがない。
上記[2]に記載の発明によれば、後側板及び左右側板は、着色ガラスの片面のみに設けられた着色面が外面に向けられて配置されるので、着色ガラスの片面のみに配された着色面が水槽の内側に設けられないため、水槽の底部に敷かれた石や砂などと接触することによって着色面の着色が剥がれたり、傷がついたりするなどして見栄えが悪くなるなどの虞がない。
また、後側板及び左右側板は、着色ガラスの片面のみに設けられた着色面が外面に向けられて配置されるので、水槽内面がガラス面で構成されるため見栄えがよい。
上記[3]に記載の発明によれば、左右側板の前面端部は、前側板の内面と接合されるので、水槽の前面側の左右両端部が前側板の透明ガラスで構成されるため、見栄えがよく、水槽内の視認範囲が広くなる。
また、左右側板の端部が前面側に露出することがないので体裁が良い。
上記[4]に記載の発明によれば、後側板の左右端部には、左右側板と接合可能な傾斜した接合面が形成され、左右側板の後側端部には、後側板と接合可能な傾斜した接合面が形成されるので、左右側板及び後側板が極力連続した着色面を有するように接合することができ、接合部であっても遮光性を保持することができるので水槽内に光が供給され難い。
上記[5]に記載の発明によれば、後側板の左右端部は、左右側板の内面と接合されるので、後側板の左右両端部が、左右側面側に露出することがないため、美観を損なうことがなく見栄えが良い。
また、左右側板の後端部が、背面側へ向けられて配置されるため体裁が良い。
上記[6]に記載の発明によれば、後側板及び左右側板が接合される接合部には、着色ガラスの着色面と同色の接合材が用いられるので、着色ガラスと同色の接合材を付着した箇所が目立つことなく美観を損なうことがない上、接合部の無着色面(連続した着色面の途切れた透明ガラスからなる部位)を接合材で埋めることで、遮光性を保持することができる。
本発明に係る水槽の全体斜視図である。 本発明に係る水槽の平面図である。 本発明の別実施形態に係る水槽の平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、水槽10の全体斜視図、図2は、水槽10の平面図、図3は、別実施形態に係る水槽100の平面図である。
本発明に係る水槽10,100は、観賞魚などの水棲生物を飼育し、観賞するための観賞用水槽10,100である。
図1に示す水槽10は、四周側板1,2,3,4及び底板5を有し、その上部が開口した直方体状に形成されている。
尚、説明の便宜上、観賞される側を前面側(前側)、その対面側を後面側(後側)、或いは背面側とし、図2によれば、紙面に向かって下側が観賞される側(前面側)とする。また、水槽10内側の面を内面、水槽10外側の面を外面として説明する。
四周側板1,2,3,4及び底板5には、板状の透明ガラス或いは着色ガラスが用いられる。
詳述すると、前側板1及び底板5には、透明のガラスが採用され、それ以外の側板2,3,4、即ち、後側板3及び左右側板2,4には、着色ガラスが採用される。
各側板1,2,3,4は、例えば、それぞれ厚さ約5mmの板状に形成されている。
透明ガラスには、例えば、高透過ガラスやフロートガラスなど、水槽10内部が観賞できるような透過性を有するガラスが用いられる。
着色ガラスは、ガラス板の一対の板面のうち片面のみに黒色の着色成分が塗布された不透明なガラスであり、従って、着色ガラスが用いられる側板2,3,4は透けて見えることがなく、観賞されるのは前側板1側のみとなる。
着色ガラスには、例えば、フロートガラスに黒色の着色成分が塗布されたガラスが用いられる。
着色ガラスの着色成分は、例えば、顔料や有機溶媒などが混合された塗料であり、着色成分を側板2,3,4の一方の面に塗布後、加熱するなどして塗膜を硬化させて着色層が形成される。
黒ガラスは、例えば、透明ガラスと比較すると、遮光性にも優れているため、水槽10は、着色面21,31,41が設けられた側板2,3,4からは、水槽10外部の光が水槽10内部に入射し難くなっている。
また、着色層が形成された着色面21,31,41を有する黒色の着色ガラス(以降、「黒色ガラス」とも記す。)は、反射率が低いとの黒色の特性を有するものである。
水槽10は、この黒色ガラスの特性を活かして、水槽10の内部に入射された光が、黒色ガラスからなる後側板3及び左右側板2,4で反射せずに吸収されることによって、水槽10内外における照度が低下するように構成される。
本発明における黒色ガラスは、例えば、11W蛍光灯を着色ガラスに載置した状態で光照射し、距離約20cmの位置に設けられた照度計で測定した場合に、透明なガラスを基準にして透過率(光の通過量の割合を示す)が約0.02%となるもの、且つ、距離約20cmの位置から着色ガラスに11W蛍光灯が照射され、着色ガラスで反射した光を距離約25cmの位置に設けられた照度計で測定した場合に、透明なガラスを基準にして反射による照度低下率が約42%〜57%に低下するものが好適に用いられる。
尚、着色ガラスの色は、黒色に限定されるものではなく、濃色などであってもよく、少なくとも上述した条件を満たすものであれば、特に限定されるものではない。
後側板3及び左右側板2,4は、着色ガラスの片面のみに、黒色に着色された着色面21,31,41が設けられ、当該着色面21,31,41が外面に向けられて配置される。
このように、後側板3及び左右側板2,4が、着色ガラスの片面のみに設けられた着色面が外面に向けられて配置されるので、水槽10の底部に敷かれた石や砂などと接触することによって着色面21,31,41の着色が剥がれたり、傷がついたりするなどして見栄えが悪くなるなどの虞がない。また、水槽内面がガラス面で構成されるため見栄えがよい。
尚、上述したような効果を奏するため、後側板3及び左右両側板2,4の片面のみに着色面21,31,41が設けられる場合には、着色ガラスの片面のみに配された着色面が水槽10の内側に設けられないように、即ち、着色面が水槽10の外面を向くように配置されて構成されることが好ましいが、剥がれ難い着色成分を使用した着色ガラスなどを使用する場合にはこの限りではない。
各側板1,2,3,4及び底板5を接合するためには、例えば、シリコン樹脂系接合材などの接合材6が用いられる。
左右側板2,4の前面端部及び底板5の前面端部は、前側板1の裏面側(水槽10の内面)に当接されて接合される。
左右側板2,4の前面端部は、前側板1の内面(水槽10の内側面)と接合されるので、水槽10の前面側の左右両端部が前側板1の透明ガラスで構成されるため、見栄えがよく、水槽10内の視認範囲が広くなる。
また、左右側板2,4の端部が前面側に露出することがないので体裁が良い。
後側板3の左右端部には、左右側板2,4と接合可能な傾斜した接合面3aが形成され、左右側板2,4の後側端部には、後側板3の接合面3aと接合可能な傾斜した接合面4aが形成されている。
後側板3の左右各端部の外面側の角部は、平面視で鋭角となるよう形成されている。
図2の1点鎖線の円内に示す図に基づいて説明すると、例えば、後側板3の右側端部は、水槽10の外面側となる角部がα=45°となるように接合面3aが形成され、右側板4の後側端部も、水槽10の外面側となる角部がβ=45°となるように接合面4aが形成される。
後側板3及び右側板4の接合面3a,4aを接合させると、水槽10の内側には、後側板3及び右側板4の内面によって、平面視で直角の角部が形成される。
後側板3及び右側板4の外面には、後述するカット面3b,4bからなる僅かな無着色面(連続した着色面の途切れた透明ガラスからなる部位)を除いて、着色面31,41が設けられるように構成される。
後側板3及び左側板2についても、後側板3及び右側板4を反転させた形で、同様にして接合面が形成され、互いに接合される。
例えば、後側板3の左側端部には、水槽10の外面側となる角部が45°となるように接合面が形成され、左側板2の後側端部にも、水槽10の外面側となる角部が45°となるように接合面が形成され、両接合面が接合される。
このように構成されることにより、左右側板2,4及び後側板3が極力連続した着色面を有するように接合することができ、接合部であっても遮光性を保持することができるので水槽10内に光が供給され難い。
各側板1,2,3,4は、安全性を考慮して、辺を含む角部が鈍角、或いはやや丸みを帯びた形状となるように面取り加工されることが好ましい。
図2の1点鎖線の円内に示す図に基づいて説明すると、後側板3の上端部の2長辺は、ガラス面から前下がりに傾斜して削り取られた形状となっている。
また、後側板3及び右側板4の接合によって形成される水槽10の外面コーナー部は、水槽10の外面に現れる角部が鈍角となるように、後側板3の右側端部及び右側板4の後側端部が重なり合ってなる縦方向の辺が面取りされたカット面3b,4bが形成される。
このような、面取りされたカット面は、例えば、各側板1,2,3,4の上端部の2辺の他、水槽10の外面に露出する尖った角部などに適宜形成されるとよい。
各側板1,2,3,4及び底板5を接合する接合材6には、例えば、前面側に設けられた前側板1と左右側板2,4及び前側板1と底板5を接合する場合には透明の接合材6が用いられ、背面側に設けられた着色面21,31,41を有する後側板3と左右側板2,4、及び後側板3と底板5を接合する場合には着色層と同色の接合材6が用いられる。
このように、使用するガラスによって接合材6の色を使い分けると、各側板1,2,3,4の接合部分がより目立ち難くなるため好ましい。
後側板3及び左右両側板2,4をそれぞれ重ね合わせた各接合部、即ち、後側板3と左側板2及び後側板3と右側板4のそれぞれの接合境界が、ちょうど着色面21,31,41の形成されていない箇所となるため、水槽10外部の光が、後側板3及び左右両側板2,4の接合境界に生じる僅かな無着色面(連続した着色面の途切れた透明ガラスからなる部位)を通って水槽10内部に入射する虞がある。
そこで、後側板3及び左右両側板2,4の接合境界に生じる僅かな部位、即ち、カット面3b,4bからなる無着色面を埋めるために、シリコン樹脂系接合材6(接合材6)が用いられる。
接合材6は、各ガラス板1,2,3,4,5の接合面同士の接合だけでなく、後側板3及び左右両側板2,4の接合境界に沿って、着色層がなく透過性を有する僅かな透明ガラスからなる部位を内側から埋めるように水槽10の縦方向に付着される。
接合材6は、接合境界に沿って水槽10の内側に付着されるので、水槽10の外観の美観を保つことができる上、透明ガラスでなる僅かな部位から、水槽10外部の光などが水槽10内部に入射することを低減する。
着色ガラスと同色の接合材6を付着した箇所が目立つことなく美観を損なうことがない上、接合部の無着色面(連続した着色面の途切れた透明ガラスからなる部位)を接合材6で埋めることで遮光性を保持することができるため、後側板3及び左右側板2,4が接合される接合部には、着色ガラスの着色面21,31,41と同色の接合材6、即ち、黒色の接合材6が用いられるのが好ましいが、特にこれに限定されるものではない。
以下では、上述した本発明の水槽10(本発明品10)を含む水槽に付着する藻類の量における比較実験について説明する。
(実験1)
まず、同条件下にある本発明品10及び透明ガラスのみからなる水槽(比較例1)に対して、1ヵ月後の水槽に付着した藻類の量を比較した。
各水槽のサイズは、何れも幅450mm、奥行き200mm、高さ220mmのものを使用し、ろ材及びフィルター付きとした。
各水槽内に、17Lの水及び供試魚としてのグッピー(各水槽に5尾ずつ)を投入して、水温を24℃に維持するようにした。
尚、供試魚に与える給餌量は、各水槽とも1日に0.05gであった。
何れの水槽にも、例えば、水槽の上部枠に横架するようにして照明が取り付けられ、一日のうち、12時間は水槽10の上部から光が照射され、残りの12時間は水槽に光を照射させないようにタイマーをセットした。
表1には、上述した条件に加えて、照明として32Wの蛍光灯が2本取り付けられている本発明品10及び比較例1の水槽にそれぞれ付着した藻類の量の評価結果を示している。
Figure 0006144561
評価結果は、上述した条件下に1ヶ月おかれた各水槽の四周側面をブラシで藻類がなくなるまで拭き取って水道水で洗い流し、水槽に付着していた藻類を含む洗い流した水と水槽壁面を拭き取ったブラシに付着した藻類とを併せて水道水で500mlに希釈した液体から1mlを取り出し、血球計算盤で測定した結果である。
尚、測定1及び測定2とは、上述した藻類を含む同じ液体から任意の1mlを別に取り出してそれぞれ測定したものである。
本評価結果から、後側板3及び左右両側板2,4に用いられるガラス板の色が相違している以外は、全て同一条件にあったが、本発明品10の藻類の付着量は、比較例1と比較してそれぞれ測定1では約22%、測定2では約43%、平均すると約34%少なかった。
(実験2)
続いて、本発明品10及び透明ガラスのみからなる水槽(比較例2)において、実験1とは異なる光源を設けて、1ヵ月後に水槽に付着した藻類の量を比較した。
本実験では、水槽サイズ、水量、水温、供試魚の種類及び数、照明の点灯時間などの条件については、実験1の条件と同一とし、この条件に加えて、照明として7WのLEDを1本取り付けた本発明品10及び透明水槽(比較例2)にそれぞれ付着した藻類の量の評価結果を示している。
表2には、上述した実験2の条件において本発明品10及び比較例2にそれぞれ付着した藻類の量の評価結果を示している。
Figure 0006144561
評価結果は、上述した条件下に1ヶ月おかれた各水槽に対して、実験1と同様に希釈した液体から1ml取り出し、血球計算盤で測定した結果である。
実験1と同様、光源にLEDが用いられている場合であっても、本発明品10の水槽は、比較例2と比較して、藻類の付着量が平均して約52%少なかった。
また実験1,2の評価結果より、光源の種類に依ることなく、後側板3及び左右側板2,4に着色ガラスを用いた水槽10である本発明品10によれば、付着する藻類の増殖を抑制することができる。
(実験3)
次に、本発明品10及びリン吸着材が使用された透明水槽(比較例3)において、1ヵ月後に水槽に付着した藻類の量を比較した。
水槽サイズ、水量、水温、供試魚の種類及び数、照明の点灯時間などの条件については、実験1の条件と同一とし、照明として32W蛍光灯が水槽上部に2本取り付けられたものとする。
尚、リン吸着材とは、藻類の養分であるリンを吸着させる効果を有するろ材である。
比較例3では、リン吸着材を使用することにより、水槽内のリンを吸着させて藻類の増殖を抑制する一方、本発明品10に対してリン吸着材は使用しない。
表3には、上述した実験3の条件において本発明品10及び比較例3にそれぞれ付着した藻類の量の評価結果を示している。
Figure 0006144561
評価結果は、上述した条件下に1ヶ月おかれた各水槽に対して、実験1,2と同様に希釈した液体から1ml取り出し、血球計算盤で測定した結果である。
リン吸収剤を使用するか否かの条件以外は、1ヶ月間全て同一条件にあった本発明品10及び比較例3であるが、本発明品10に付着する藻類は、比較例3と比較して平均して約13%減少した。
(実験4)
更に、本発明品10及び防藻剤が使用された透明水槽(比較例4,5)において、1週間毎に4週に亘って水槽に付着した藻類の量を比較した。
本実験では、4週間続けて防藻剤を使用した透明水槽(比較例4)と、2週目で防藻剤の使用を中止した透明水槽(比較例5)と、防藻剤を使用しない本発明品10との3つのパターンについて比較を行った。
水槽10サイズ、水量、水温、供試魚の種類及び数、照明についての条件は、実験3と同一条件とする。
尚、防藻剤とは、殺菌効果を有する銀やアルミニウムなどを主成分とした溶液であり、藻類の増殖を防止するためのものである。
表4には、上述した実験4の条件において本発明品10及び防藻水槽に付着した藻類の量の評価結果を示している。
Figure 0006144561
評価結果は、上述した条件に1ヶ月おかれた各水槽の四周側面をブラシで藻類がなくなるまで拭き取って蒸留水で洗い流し、水槽に付着していた藻類を含む洗い流した水と、水槽壁面を拭き取ったブラシに付着した藻類とを併せて蒸留水で500mlに希釈し、希釈した液体から1mlを取り出して血球計算盤で測定した結果である。
比較例4の水槽では藻類の増殖に対する高い抑制効果が確認できており、本発明品10の藻類の抑制は比較例4よりは劣るが、本発明品10の藻類の付着量は、防藻剤の使用を3週目から中止した比較例5と比較して4週間後には約50%少なかった。
また、比較例5では、防藻剤を中止した3週間目で藻類の付着量が急増しているが、元々防藻剤を使用していなかった本発明品10ではそのような現象は発生しなかった。
以下では、本発明品10を含む水槽における照度の比較実験について説明する。
(実験5)
実験5では、透明ガラスのみからなる水槽(透明水槽)、後側板3と左右側板2,4が白色の着色成分が塗布された不透明な着色ガラスからなる水槽(白色水槽)、及び本発明品10の3種の水槽における照度について比較した。
各水槽のサイズは、何れも幅450mm、奥行き200mm、高さ220mmのものを使用し、照度0lxの暗室の中央の机の上に載置して比較した。
実験対象は、同位置において、各水槽の上部枠に横架するようにして取り付けられた照明光源を付け替えることによって、蛍光灯、LEDの2つの照明パターンにおける各水槽の内部の照度を測定した。
照度の測定には、デジタル照度計を用い、当該照度計を水槽内部に設置して測定した。
また、各水槽が空の場合と、15Lの水が入っている場合について照度測定を行い、水槽に水が入っている場合には、水中における照度を測定した。
何れの測定においても、測定時には部屋の電気を消灯して照度測定を行った。
表5には、上述した条件に設定された透明水槽、白色水槽及び本発明品10における照度の評価結果を示している。
Figure 0006144561
表5の評価結果は、各水槽に水がない場合の照度測定結果、及び各水槽に15Lの水を入れた場合の照度測定結果である。
本実験によれば、水槽内の照度計測時の何れの場合においても、後側板3と左右側板2,4が黒色の不透明な着色ガラスからなる本発明品10が、最も照度が抑えられているという結果がわかる。
本発明品10では、外部からの光が入射し難いことに加えて、本発明品10の上方から水槽内部に入射した光が、反射率の低い黒色ガラスからなる後側板3及び左右側板2,4によって吸収されることにより、本発明品10の水槽内部において、本発明品10よりも反射率の高い透明水槽及び白色水槽より低い照度を示したものと考えられる。
このように、本発明品10は、水槽内部における照度が抑えられているので、藻類が増殖するために必要な光の照射が減少するため藻類の増殖を抑制することができる。
(実験6)
実験6では、透明ガラスのみからなる水槽(透明水槽)、後側板3及び左右両側板2,4に黒画用紙を貼り付けた水槽(画用紙水槽)、及び後側板3と左右側板2,4に黒色のポリ塩化ビニル(以降、「PVC」と記す。)シートを貼り付けた水槽(PVC水槽)、本発明品10の4種の水槽における照度について比較した。
本実験では、15Lの水を入れ、フィルターをセットして水を循環させた水槽を照度0.49lxの暗室に載置し、1ヵ月後の水槽内の照度を測定したものである。
測定期間内において、水槽内の水が蒸発した場合には蒸発した水量を加え、常に同じ水位が維持されるようにした。
その他の条件に関しては、実験5における条件と同一である。
表6には、上述した条件に設定された透明水槽、画用紙水槽、PVC水槽及び本発明品10における照度の評価結果を示している。
Figure 0006144561
表6の評価結果は、水を循環させた状態の各水槽の1ヵ月後の水槽内部の照度を測定した結果である。
照度測定の際、同位置で照明光源を付け替えることによって、照明なし、蛍光灯、LEDの3つの照明パターンで照度を測定した。
本実験においても、後側板3及び左右両側板2,4に黒色からなる水槽(画用紙水槽、PVC水槽、本発明品10)の方が、やはり透明水槽よりも照度が低くなることがわかった。
しかしながら、画用紙水槽では、観賞魚などを飼育するため、水槽外への水はねなどを免れることは困難であるが、水分の付着や湿気により水槽の後側板3及び左右両側板2,4を覆う黒画用紙にシワや収縮などの変形が生じ、黒画用紙の変形により生じた隙間から水槽内部へ光が照射される状態となっていた。
また、PVC水槽では、黒画用紙のような水分の付着や湿気による変形などが生じることはないが、PVCシートを水槽に貼り付ける際に使用したテープが湿気及び光により劣化して徐々に剥がれ始め、これにより生じた僅かな隙間から水槽内部へ光が入り込む状態となっていた。
黒画用紙を貼り付けた水槽やPVCシートを貼り付けた水槽は、家庭でも容易にできる防藻対策にはなるが、水はねや湿気により劣化した画用紙やテープなどを定期的に貼り換える必要が生じるため手間が掛かる。
一方、本発明品10である黒色の着色ガラスを用いた水槽であれば、水分の付着や湿気による変形などが生じることがなく、貼り換え作業などの手間が生じることもなく、そのままの状態で永続的に使用することができる。
上述では、後側板3の左右端部の傾斜した接合面3aが、左右側板2,4の後側端部の接合面と接合されるように説明したが、以降説明する第2実施形態では、後側板13及び左右側板12,14の端部に傾斜した接合面を設けることなく後側板13及び左右側板12,14が接合される。
後側板13及び左右側板12,14の接合部と、カット面13b,14b以外の部位については、先の実施形態と同様の構成であるため説明は省略する。
図3に示すように、後側板13の着色面131及び右側板14の着色面141が外面側へ向けられた状態で、後側板13の端部が、接合面13aとして右側板14の内面14aに当接して、接合面13a,14a同士が接合材6により接合される。
上述した先の実施例と同様、本実施例においても、美観が損なわれることがないように、美観の維持を優先して構成されており、前側板1,11と後側板3,13とで、左右側板2,4,12,14との接合の仕方が異なるように構成されている。
後側板13の左右端部の縦方向両辺、及び左右側板12,14の後側端部の縦方向両辺には、面取り加工が施される。
この場合、先の実施例と同様にして、後側板13と左右側板12,14との接合境界に沿って、後側板13と左右側板12,14の接合により生じる隙間を接合材6で埋めるようにする。
尚、後側板13の左右端部の縦方向両辺、及び左右側板12,14の後側端部の縦方向両辺に面取り加工が施されると、同じ面取り装置が用いられた製造ラインを使用することが出来るので好ましいが、後側板13の右側端部の内面側縦方向の辺には、カット面13bが設けられないように構成されるのであってもよい。
後側板13の左右端部は、左右側板12,14の内面14aと接合されるので、後側板13の左右両端部が、左右側面側に露出することがないため、美観を損なうことがなく見栄えが良い。
また、左右側板12,14の後端部が、背面側へ向けられて配置されるため体裁が良い。
水槽100の背面側へ向けられる左右側板12,14の後端部(後側面)の無着色面に、着色面と同色である黒色の接合材6などを塗布するのであってもよい。
このようにすることで、水槽100の外面を形成する後側板13及び左右両側板12,14が連続して同色の着色面を有しているように見えるので、観賞面側以外から見られる場合であっても美観を損なうことがない。
上述した水槽10,100は、照明装置が一体に設けられた構成とするのであってもよい。
例えば、光源及び点灯制御装置を水槽10,100の上部などに設け、別途付属のスイッチによってLEDなどの光源の発光色や輝度の切り替え制御ができるように構成するのであってもよい。
着色ガラスは、ガラス板の一対の板面のうち一方の面のみに着色面21,31,41(121,131,141)が設けられているとしたが、ガラス板の一対の板面のうち、少なくとも一方の面に着色面が設けられているのであればよく、例えば、一対の板面の両面共が着色面として形成されているのであってもよいし、全ての面が着色されているものであってもよい。
また、前側板1(11)及び底板5(15)に透明ガラスが用いられるように説明したが、観賞が可能な範囲であれば半透明のガラスが用いられるのであってもよいし、底板5(15)については、観賞される側でなければ特にその素材について限定されるものではなく、着色ガラスなど不透明なガラスが用いられるのであってもよい。
上述した水槽10,100は、直方体状に形成されるとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、錐台状などに形成されるのであってもよく、少なくとも前側板、後側板、左右側板及び底板を備える形状であればよい。
以上説明したように、前側板1(11)、後側板3(13)、左右側板2,4(12,14)及び底板5を備え、前側板1(11)は、透明ガラスからなり、後側板3(13)及び左右側板2,4(12,14)は、少なくとも片面が黒色の着色ガラスからなるので、少なくとも片面が黒色の着色ガラスからなる後側板3(13)及び左右側板2,4(12,14)の有する遮光効果により、背面側及び左右両側からの光が水槽10(100)内に供給され難くなり、更に、水槽10(100)内での光の反射が生じ難く水槽10(100)内部における照度が低下するため、藻類への光の供給が減少して藻類の増殖を確実に抑制することができる。
藻類の増殖が抑制されることにより、水槽10,100の水換えや清掃を頻繁に行う必要がなくなるのでメンテナンスの負担が軽減される。
また、後側板3(13)及び左右側板2,4(12,14)に着色ガラスが用いられているので、例えば、水槽10(100)に付属した照明のコードなどが後側板3(13)から外側に配されている場合などには、観賞面側(前側板1(11)側)からコードが見えることがなく美観を損なうことがない。
以上説明した実施形態は、本発明の一例に過ぎず、本発明の作用効果を奏する範囲において具体的構成などを適宜変更設計できることは言うまでもない。
1,11…側板(前側板)
2,12…側板(左側板)
3,13…側板(後側板)
4,14…側板(右側板)
5,15…底板
6…接合材
21,31,41,121,131,141…着色面
3a,13a…接合面
4a,14a…接合面
10,100…水槽

Claims (5)

  1. 前側板、後側板、左右側板及び底板を備え、
    前記前側板は、透明ガラスからなり、
    前記後側板及び前記左右側板は、少なくとも片面が黒色の着色ガラスからなり、
    前記後側板及び前記左右側板が接合される接合部には、前記着色ガラスの着色面と同色の接合材が用いられることを特徴とする水槽。
  2. 前記後側板及び前記左右側板は、前記着色ガラスの片面のみに設けられた着色面が外面に向けられて配置されることを特徴とする請求項1に記載の水槽。
  3. 前記左右側板の前面端部は、前記前側板の内面と接合されることを特徴とする請求項1または2に記載の水槽。
  4. 前記後側板の左右端部には、前記左右側板と接合可能な傾斜した接合面が形成され、
    前記左右側板の後側端部には、前記後側板と接合可能な傾斜した接合面が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水槽。
  5. 前記後側板の左右端部は、前記左右側板の内面と接合されることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の水槽。
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