JP6143040B1 - 高精度局部電気化学計測用微小作用電極、高精度局部電気化学計測用微小作用電極の作製方法および高精度局部電気化学計測用微小作用電極の絶縁被覆層の剥離方法 - Google Patents

高精度局部電気化学計測用微小作用電極、高精度局部電気化学計測用微小作用電極の作製方法および高精度局部電気化学計測用微小作用電極の絶縁被覆層の剥離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属材料の微小な腐食の起点、めっき反応の開始点や微小欠陥の形成過程などを、高い精度で電気化学計測する際に必要となる局部電気化学現象解析のための高精度局部電気化学計測用微小作用電極、その簡便で高精度な作製方法およびその高精度局部電気化学計測用微小作用電極の絶縁被覆層の簡便な剥離方法を提供する。【解決手段】高精度局部電気化学計測用微小作用電極は、作用電極面2の面積が 0.01 mm2以下で、作用電極面2の外周部の絶縁被覆層1が、水滴との接触角が 70度を超える疎水性の有機化合物から構成されている。有機化合物は、エチルメチルケトオキシム、スチレンブタジエン、ニトリルなどの内の一つあるいは2種類以上の混合物であり、さらに絶縁被覆層1の表面に、作用電極面2の外周部を取り囲む形態で、親水性の有機化合物層3を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、作用電極面の面積が0.01mm2以下の高精度局部電気化学計測用微小作用電極、高精度局部電気化学計測用微小作用電極の作製方法および高精度局部電気化学計測用微小作用電極の絶縁被覆層の剥離方法に関するものである。
実用材料の表面は不均一であり、腐食、電解めっき、化成処理、陽極酸化などの電気化学反応を制御した新しい材料を開発するためには、材料表面の微小な領域を選び出し、その部分の局部電気化学特性を高い精度で解析することが必要である。例えば、ステンレス鋼の局部腐食の一つである孔食は、大きさが数マイクロメートル(μm)のMnSなどの硫化物系介在物を起点とする電気化学反応である。したがって、微小な作用電極面を作製し、単一の介在物を含む微小領域の電気化学計測を行うことにより、金属材料の耐食性改善に関する非常に有益な情報が得られるものと考えられる。同様に、多結晶金属の粒界や表面疵、特定の結晶粒の内部などを電気化学計測の対象とすることでも、実用材料の耐食性向上に関する重要な知見が得られるものと期待される。
ところで、従来、局部電気化学現象解析のための微小作用電極に関する技術として、2種類以上の絶縁物による微小作用電極面作製に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、2種類以上の絶縁物を組み合わせて、作用電極面を囲むように被覆層を構成し、作用電極面を外周の絶縁被覆と共に電解液に浸漬するという方法である。一般的に、微小作用電極面と被覆との境界に残存する空気の気泡を完全に除去することは容易ではない。このため、2種類以上の絶縁物を組み合わせる必要があるとされている。すなわち、電極面外周部の被覆を2種類以上の絶縁物の組み合わせで構成した場合、個々の絶縁物の表面張力の違いにより、微細気泡が1種類の絶縁物の周囲に集まり、凝集・粗大化が起こり、気泡の除去が容易になるという原理である。しかし、この方法では、あくまでも気泡を人為的に除去することが容易になるというものであり、気泡を皆無にすることは不可能であるという技術的課題がある。
また、従来、親水性有機化合物により構成される微小作用電極も開示されている(例えば、特許文献2参照)。その内容は、作用電極面の外周部に、水滴との接触角が70度以下である親水性の有機化合物から成る被覆層を備えるというものである。親水性の有機化合物により被覆層を構成すると、作用電極外周部に気泡が残存しない方が界面エネルギー的に有利であり、自発的に気泡が除去されるという原理である。
この技術に基づいて親水性の有機化合物を用いて絶縁被覆層を形成する場合、被覆作業の正確性・容易性や作業環境の安全性などの観点から、ニトロセルロース、アクリル樹脂、ポリビニル系樹脂、酢酸セルロース、ポリアミドおよびポリアクリロニトリルの内、少なくとも1種類以上を質量百分率にて20%以上を含むことが好ましいとされている。これは、これらの物質が、微小作用電極を作製する際の被覆層を構成する物質として、気泡除去に関して優れた特性を発現するとされているためである。また、その理由は、分子内に極性の高い結合構造を有しており、水分子との間に水素結合を形成しやすいことが主要な原因ではないかと推察されている。このような化学特性を有する物質としては、入手の容易性やコスト、保管時の安全性などの観点から、ニトロセルロース、アクリル樹脂、ポリビニル系樹脂、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリアクリロニトリルが好ましいとされる。さらに、これらの物質は、単独では試料表面に塗布することが困難であるため、メタノール、エタノール、プロパノールのいずれか、あるいはその内の2種類以上の混合物で溶かすことで、粘度を調整することが好適とされる。
しかし、水滴との接触角が70度以下である親水性の有機化合物を用いて絶縁被覆層を形成した場合、たとえ乾燥工程を経たとしても、絶縁被覆層の構成成分として、酸化還元反応を起こしやすいメタノール、エタノール、プロパノールのいずれか、あるいはその内の2種類以上が不可避的に含まれるという問題点がある。すなわち、水滴との接触角が70度以下である親水性の有機化合物を用いて絶縁被覆層を形成した微小作用電極面で電気化学測定を行った場合、メタノール、エタノール、プロパノールのいずれか、あるいはその内の2種類以上の酸化還元反応による電流値を計測してしまい、作用電極面本来の電気化学反応による電流値が微小である場合には、電極面の反応による電流値の変化を高い精度で詳細に測定することは困難である。
さらに、微小作用電極の場合、通常のマクロ電気化学測定に用いる作用電極(通常1cm×1cm)と比較すると、電極面積に対する被覆層/電極面境界部(電極外周部)の割合が高くなる。被覆層/電極面境界部には、試料の溶解反応などによる金属イオンや、溶液に含まれる塩化物イオンなど、電荷を運ぶ化学種が集中しやすいため、より反応が起こりやすい環境となる。特に、局部電気化学計測では、顕微鏡などによる作用電極面のその場観察を同時に実施すること多いため、作用電極表面を鉛直方向に対して水平に配置することが多く、作用電極などから溶出した金属イオンは電極面に留まりやすい必然性を有している。そのため、被覆層/電極面境界部は、電極中央部とは電気化学反応による電流密度が大きく異なる。そして、これが局所電気化学計測に対して大きな計測誤差を生む要因となっている。しかし、このような作用電極面の微小化に伴う作用電極外周部の増大による電流計測誤差を回避するために有効な技術は、開示されていない。すなわち、金属材料の微小な腐食の起点、めっき反応の開始点や微小欠陥の形成過程などを、高い精度で電気化学計測する際に必要となる局部電気化学現象解析のための微小作用電極と、その簡便で高精度な作製手法とは知られていないのが現状である。
また、一般に疎水性の有機化合物により作製された絶縁被覆層は、金属などの電気伝導性を有する基板に固着すると、剥離することがきわめて困難である。しかしながら、微小作用電極は、電気化学計測が終了した後に、電子顕微鏡やX線光電子分光装置などの超高真空を利用した機器で観察や分析を行うことが求められる。そのためには、超高真空などの装置性能を維持できることに加え、分析精度を確保するためにも、作用電極面を腐食・侵食することなく、絶縁被覆を容易に剥離する必要がある。しかし、疎水性の有機化合物により作製された絶縁被覆層を、金属基板などから容易に剥離する方法は知られていない。特に、普通鋼のように薬剤により容易に腐食される耐食性の低い金属材料に対して適用できる方法は、開示されていない。
特許第5136997号公報 特許第5987230号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、金属材料の微小な腐食の起点、めっき反応の開始点や微小欠陥の形成過程などを、高い精度で電気化学計測する際に必要となる局部電気化学現象解析のための高精度局部電気化学計測用微小作用電極、その簡便で高精度な作製方法およびその高精度局部電気化学計測用微小作用電極の絶縁被覆層の簡便な剥離方法の提供にある。
本発明者は、このような従来技術の限界を克服し、未解決の課題を解決するため種々の試験研究を行い、本発明を完成させた。本発明の主旨は、以下の通りである。
本発明に係る高精度局部電気化学計測用微小作用電極は、計測対象である材料表面の任意の位置に作製された、面積が 0.01 mm2以下の作用電極面と、水滴との接触角が 70度を超える疎水性の有機化合物から構成され、前記作用電極面の外周部に形成された絶縁被覆層とを、有することを特徴とする。
本発明に係る高精度局部電気化学計測用微小作用電極で、前記作用電極面外周部の絶縁被覆層が、エチルメチルケトオキシム、スチレンブタジエン、ニトリル、クロロプレン、メチルビニル、メチルフェニル、フロロシリコーン、エチレンプロピレン、フッ素樹脂、ジメチルポリシロキサンのいずれか1種類、あるいは、それらの内の2種類以上の混合物であることが好ましい。
本発明に係る高精度局部電気化学計測用微小作用電極は、前記絶縁被覆層の表面に、水滴との接触角が70度以下である親水性の有機化合物層が、前記作用電極面外周部を取り囲む形態で存在し、親水性の前記有機化合物層と前記作用電極面外周部との距離が全周にわたり0.5mm以上3mm以下であり、親水性の前記有機化合物層の幅が1mm以上であることが好ましい。
本発明に係る高精度局部電気化学計測用微小作用電極の作製方法は、本発明に係る高精度局部電気化学計測用微小作用電極の作製方法であって、前記作用電極面外周部の絶縁被覆層の作製に際して、水よりも電位窓が広い有機溶媒で有機化合物を希釈し、粘度を調整したうえで前記作用電極を構成する固体材料に塗布し、その後、乾燥させることを特徴とする。
本発明に係る高精度局部電気化学計測用微小作用電極の作製方法は、水よりも電位窓が広い前記有機溶媒として、トルエン、キシレン、ケロシン、シクロヘキサン、アセトニトリル、ジクロロエタン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン、炭酸プロピレン、テトラヒドロフラン、テトラメチルシランのいずれか1種類、あるいは、それらの内の2種類以上の混合物を使用することが好ましい。
本発明に係る高精度局部電気化学計測用微小作用電極の絶縁被覆層の剥離方法は、前記作用電極面をトルエン、キシレン、ジエチルエーテル、1,2-ブチレンオキシド、メタンスルホン酸、1-ブロモプロパンのいずれか1種類、あるいは、それらの内の2種類以上の混合物に浸漬することを特徴とする。
本発明によれば、金属材料の微小な腐食起点、めっき反応の開始点や微小欠陥の形成過程などを、高い精度で電気化学計測ことが可能となる高精度局部電気化学計測用微小作用電極を提供することができる。具体的には、本発明に係る高精度局部電気化学計測用微小作用電極に加え、対極、照合電極を用いることで、三電極法による動電位分極曲線、電極インピーダンス、クロノアンペロメトリーなどの各種電気化学計測を精度良く実施できる。また、そのための高精度局部電気化学計測用微小作用電極を、簡便に高い精度で作製することができる作製方法を提供することができる。さらに、高精度局部電気化学計測用微小作用電極の絶縁被覆層を、簡便に剥離することができる剥離方法を提供することができる。
本発明の実施の形態の高精度局部電気化学計測用微小作用電極を使用した、(a)絶縁被覆層の表面に、親水性の有機化合物層が存在しない場合および(b)絶縁被覆層の表面に、親水性の有機化合物層が、作用電極面外周部を取り囲む形態で存在する場合の、電気化学計測用微小電極システムの概略側面図である。 本発明の実施の形態の高精度局部電気化学計測用微小作用電極の、炭素鋼(S45C)表面に、ニトロセルロースを主成分とする有機化合物をエタノールで溶かしたものを塗布して作製された作用電極面の、電極面積が 0.0009 mm2、0.008 mm2、0.025 mm2 のときの、pH が 8.0 であるホウ酸緩衝液(非脱気)で測定したアノード分極曲線を示すグラフである。 (a)水滴との接触角が 70度以下である親水性の有機化合物を表面に塗布した被覆層を備える微小作用電極および、(b)水滴との接触角が 70度を超える疎水性の有機化合物を、電位窓が水より広い有機溶媒で溶かすことで粘度を調整したものを表面に塗布した被覆層を備える、本発明の実施の形態の高精度局部電気化学計測用微小作用電極の、微小作用電極表面および表面近傍での金属イオンの拡散の様子を示す説明図である。 本発明の実施の形態の高精度局部電気化学計測用微小作用電極の、絶縁被覆層の表面に、水滴との接触角が70度以下である親水性の有機化合物層が、作用電極面外周部を取り囲む形態で存在する場合の概略平面図である。 本発明の実施の形態の高精度局部電気化学計測用微小作用電極の、白金に、ニトロセルロースを主成分とする有機化合物をエタノールで溶かしたものを塗布して作製された作用電極面の、pH が 8.0 であるホウ酸緩衝液(非脱気)で測定したアノード分極曲線を示すグラフである。 本発明の実施の形態の高精度局部電気化学計測用微小作用電極の、炭素鋼(S45C)表面に、エチルメチルケトオキシムを主成分とする有機化合物をトルエンで溶かしたものを塗布して作製された作用電極面の光学顕微鏡写真である。 本発明の実施の形態の高精度局部電気化学計測用微小作用電極の、炭素鋼(S45C)表面に、エチルメチルケトオキシムを主成分とする有機化合物をトルエンで溶かしたものを塗布して作製された作用電極面、およびニトロセルロースを主成分とする有機化合物をエタノールで溶かしたものを塗布して作製された作用電極面の、pH が 8.0 であるホウ酸緩衝液(非脱気)で測定したアノード分極曲線を示すグラフである。
以下に、本発明を実施するための形態について述べる。
図1に、本発明の実施の形態にかかる電気化学計測用微小電極システムの概略図を示す。ただし、図1は、微小領域の電気化学計測と電極面の光学顕微鏡観察とを同時に行う場合の例である。本発明の骨子は、材料表面の微小領域の電気化学計測を行う高精度局部電気化学計測用微小作用電極において、面積が0.01 mm2以下の作用電極面2と、作用電極面2の外周部に、水滴との接触角が70度を超える疎水性の有機化合物を、電位窓が水より広い有機溶媒で溶かすことで粘度を調整したものを表面に塗布した絶縁被覆層1とを備える高精度局部電気化学計測用微小作用電極とその作製方法である。図1(a)は、絶縁被覆層1の表面に、親水性の有機化合物層3が存在しない場合、および図1(b)は、絶縁被覆層1の表面に、親水性の有機化合物層3が、作用電極面2の外周部を取り囲む形態で存在する場合の模式図である。図1に示す対物レンズ、アクリル容器、ポテンショスタットなどは本発明の構成要件ではない。
図1に示す装置構成での微小領域の電気化学計測において、鉄鋼材料中のある特定の組織や結晶粒などを対象とする場合、金属組織内の一つの相の大きさは多くの場合100μm以下(0.1 mm以下)であるため、作用電極面2の面積は0.01 mm2以下である必要がある。これよりも面積が大きいと、電極面には複数の金属組織を含むこととなり、ある特定の金属組織のみを含む電極面の作製が困難になる。めっきの析出起点や不めっき部の特性解析においては、起点のサイズは直径10μm程度(0.01 mm程度)である。このため、作用電極面2の面積は0.01 mm2以下である必要がある。
図2に、炭素鋼(S45C)に、ニトロセルロースを主成分とする有機化合物をエタノールで溶かしたものを塗布し、作用電極面2を作製した場合の例を示す。この図は、作用電極面2の面積を 0.0009 mm2、0.008 mm2、0.025 mm2としたときの、pH が 8.0 であるホウ酸緩衝液(非脱気)で測定した炭素鋼(S45C)のフェライト組織のアノード分極曲線である。電位は -0.3 V(内部液を飽和KClとするAg/AgCl電極基準、以下同基準)からアノード分極方向へ、23 mV/minの速度で動電位での走査を行った。0.5 V付近の電流値が不働態維持電流密度と呼ばれるものであるが、この電流密度が電極面積を微小にするほど上昇することが分かる。ところで、この図中には、通常用いられている100 mm2 (1 cm2)の作用電極面を作製し、測定したフェライト組織の不働態維持電流密度の値を矢印で示した。図2より、作用電極面2の面積が、0.01 mm2以下である場合には、ニトロセルロースを主成分とする有機化合物をエタノールで溶かしたもので絶縁被覆層1を形成すると、不働態維持電流密度を過大に評価してしまう危険性があることが分かる。
ところで、作用電極の面積が 0.01 mm2以下の電気化学計測において、高い精度で電気化学計測を行うには、水滴との接触角が70度を超える疎水性の有機化合物から、作用電極面外周部の絶縁被覆層1が構成されている必要がある。作用電極面積が極微小である場合、電極面積に占める被覆層/電極面境界部の割合が大きくなる。被覆層/電極面境界部には試料の溶解反応などによる金属イオンや、溶液に含まれる塩化物イオンなど電荷を運ぶ化学種が集中しやすいため、より反応が起こりやすい環境となる。特に、局部電気化学計測では、顕微鏡などによる作用電極面2のその場観察を同時に実施すること多いため、図1に示すように、作用電極表面を鉛直方向に対して水平に配置することが多く、作用電極などから溶出した金属イオンは、電極面に留まりやすい必然性を有している。そのため、被覆層/電極面境界部は、電極中央部とは電気化学反応による電流密度が大きく異なる。
しかし、詳細は不明であるが、水滴との接触角が70度を超える疎水性の有機化合物から作用電極面2の外周部の絶縁被覆層1が構成されている場合には、図3に模式的に示すように、被覆層/電極面境界部に電極面から溶出した金属イオンや塩化物イオンの集中が軽減される。これは、イオン種が濃縮した水溶液の表面張力と、これらのイオン種を含まない水溶液との表面張力の差異に基づく溶液の移動現象であると考えられる。すなわち、水滴との接触角が70度以下の親水性の絶縁被覆層1の場合、電極面から溶出した金属イオンの含有の有無や濃度の高低にかかわらず、水溶液/絶縁被覆の界面は低エネルギー状態で安定している。これに対して、水滴との接触角が70度を超える疎水性の絶縁被覆層1の場合、水溶液/絶縁被覆の界面は高エネルギー状態のため、この疎水性の絶縁被覆層1は、電極面から溶出した金属イオンを多く含む表面張力の低い溶液と接触する方が界面エネルギー的には好適である。このため、水溶液の微妙な対流をきっかけとして、金属イオン含有溶液の移動が起こり、被覆層/電極面境界部に、電気化学計測での誤差要因となるイオン種が蓄積しにくく、電極中央部と電極外周部でほぼ同一の条件で電気化学反応が起こる。
このため、作用電極面2の面積が 0.01 mm2以下の電気化学計測において、高い精度で電気化学計測を行うには、疎水性の有機化合物から作用電極面2の外周部の絶縁被覆層1が構成されている必要がある。疎水性の程度としては、水滴との接触角が70度を超える必要がある。望ましくは、80度以上であることがよい。なお、ここでいう接触角とは、JIS R 3257(1999)記載の「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」に準拠して計測されるものである。
本発明は、絶縁被覆層1を構成する有機化合物を限定するものではないが、被覆作業の正確性・容易性や作業環境の安全性の観点から、エチルメチルケトオキシム、スチレンブタジエン、ニトリル、クロロプレン、メチルビニル、メチルフェニル、フロロシリコーン、エチレンプロピレン、フッ素樹脂、ジメチルポリシロキサンのいずれか1種類、あるいは、それらの内の2種類以上の混合物であることが好ましい。これらの物質が、微小作用電極を作製する際の絶縁被覆層1を構成する物質として優れた特性を発現する理由は、分子内に極性の高い結合構造を有しておらず、水分子との間に水素結合を形成しにくいことが主要な原因ではないかと考えられる。このような化学特性を有する物質は、エチルメチルケトオキシム、スチレンブタジエン、ニトリル、クロロプレン、メチルビニル、メチルフェニル、フロロシリコーン、エチレンプロピレン、フッ素樹脂、ジメチルポリシロキサンのみに限定されるものではないが、入手の容易性やコスト、保管時の安全性などの観点から、これらの物質が好ましい。また、これらは単独で使用しても良いが、必要に応じて他の物質と混合しても良い。そして、エチルメチルケトオキシム、スチレンブタジエン、ニトリル、クロロプレン、メチルビニル、メチルフェニル、フロロシリコーン、エチレンプロピレン、フッ素樹脂、ジメチルポリシロキサン以外のものと混合して使用する際は、これらの内の1種類以上を質量百分率にて 20%以上含むことが好適である。
また、作用電極面近傍に空気の気泡を残さずに、溶液を作用電極面2の全体に容易に接触させるためには、図1(b)および図4に模式図を示すように、絶縁被覆層1の表面に、水滴との接触角が70度以下である親水性の有機化合物層3が、作用電極面2の外周部を取り囲む形態で存在し、親水性の有機化合物層3と作用電極面2の外周部との距離が全周にわたり 0.5 mm以上 3 mm以下であり、親水性の有機化合物層3の幅が 1 mm以上である必要がある。親水性の有機化合物層3と作用電極面2の外周部の最短距離が0.5mm未満の場合には、親水性の有機化合物層3からの溶出成分による電気化学計測の誤差が、無視できない程に大きくなる。親水性の有機化合物層3と作用電極面2の外周部の最長距離が全周にわたり3mm超では、気泡を残さずに溶液を作用電極面2の全体に容易に接触させる効果は期待できない。また、親水性の有機化合物層3の幅が 1 mm未満では、気泡を残さずに溶液を作用電極面2の全体に容易に接触させることが困難になる。
ところで、作用電極面2の外周部の絶縁被覆層1の作製に際して、水よりも電位窓が広い有機溶媒で疎水性の有機化合物を希釈し、粘度を調整したうえで作用電極を構成する固体材料に塗布し、その後、乾燥させることが好適である。すなわち、絶縁被覆層1を構成するエチルメチルケトオキシム、スチレンブタジエン、ニトリル、クロロプレン、メチルビニル、メチルフェニル、フロロシリコーン、エチレンプロピレン、フッ素樹脂、ジメチルポリシロキサンなどの疎水性の有機化合物の多くは、粘度が高く、面積が 0.01 mm2以下の作用電極面2を材料表面のあらかじめ定められた目的の位置に高い精度で作製することは困難である。そのため、面積が 0.01 mm2以下の作用電極面2の作製においては、絶縁被覆層1を構成する疎水性の有機化合物に、有機溶剤を添加し粘度を調整することが好適である。この際、エタノール、メタノール、イソプロパノールなどの水よりも電位窓が狭い有機溶剤を使用すると、電気化学計測の際に、これらが極微量ではあるものの水溶液(電解液)に溶出し、目的としない酸化還元反応を起こしてしまい、高精度な電流測定を困難なものとする。
図5に、白金にニトロセルロースを主成分とする有機化合物をエタノールで溶かしたものを塗布し、面積 0.008 mm2の作用電極面2を作製した場合の、pH が 8.0 であるホウ酸緩衝液(非脱気)で測定したアノード分極曲線を示す。電位は、-0.3 V(内部液を飽和KClとするAg/AgCl電極基準)からアノード分極方向へ、23 mV/minの速度で動電位での走査を行った。この場合、0.8 V付近には、電流密度が電位に依存しない領域が現れているが、通常用いられている 1 cm四方の作用電極面2を作製し測定すると、0.8 Vでの電流値は 10-2 A/m2以下である。したがって、図5より、白金にニトロセルロースを主成分とする有機化合物をエタノールで溶かしたものを塗布し、面積 0.008 mm2の作用電極面2を作製した場合の0.8 Vでの電流密度は、通常用いられている 1 cm四方の作用電極面を作製した場合の電流密度と比較して、10倍以上となっていることが分かる。
すなわち、作用電極面2の面積が 0.01 mm2以下の場合に、絶縁被覆層1の作製に、有機溶媒として電位窓の狭いエタノールを用いた場合、電流値を過大に評価してしまう危険性がある。これは、エタノールの酸化還元反応による電流値を計測したことによるものであると考えられる。そのため、絶縁被覆層1を構成する有機化合物の希釈剤としては、水よりも電位窓が広い有機溶剤が好適である。
本発明は、希釈用の有機溶剤の種類や組成を限定するものではないが、作業性、安全性、経済性の観点から、トルエン、キシレン、ケロシン、シクロヘキサン、アセトニトリル、ジクロロエタン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン、炭酸プロピレン、テトラヒドロフラン、テトラメチルシランのいずれか1種類、あるいは、それらの内の2種類以上の混合物を用いることが好ましい。さらに、絶縁被覆層1を形成した後は、希釈溶剤を揮発させるために、充分な乾燥を行う必要がある。
ところで、材料表面の微小領域の電気化学計測を行った後に、電子顕微鏡などにより電極面を観察したり分析したりする必要が生じる場合がある。そのような場合、絶縁被覆層1を容易に剥離できることが重要である。また、分析精度を確保するためにも、作用電極面2を腐食・侵食することなく、絶縁被覆層1を容易に剥離する必要がある。作用電極面2を腐食・侵食することなく、絶縁被覆層1を剥離するためには、電極面を水よりも誘電率の小さい有機溶媒に浸漬する方法が望ましい。なぜなら、水よりも誘電率の小さい有機溶媒中では、金属の腐食反応が起きにくいためである。そのような有機溶媒として、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、1,2-ブチレンオキシド、メタンスルホン酸、1-ブロモプロパンのいずれか1種類、あるいは、それらの内の2種類以上の混合物に浸漬することで、絶縁被覆層1を容易に剥離することが可能である。このような化学特性を有する物質は、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、1,2-ブチレンオキシド、メタンスルホン酸、1-ブロモプロパンのみに限定されるものではないが、入手の容易性やコスト、保管時の安全性などの観点から、これらの物質が好ましい。
以下に、実施例に基づき本発明を詳細に説明するが、本発明は実施例の記載に限定されるものではない。
表面研磨した炭素鋼(S45C)の表面に、有機化合物を塗布し絶縁被覆層1を構成し、微小作用電極面(50μm四方の電極面:面積 0.0025 mm2)2を作製した。作製にあたっては、炭素鋼を事前にナイタールでエッチングして、図6に示すように、パーライト組織の周囲にビッカース硬度計の圧痕で印を付け、作用電極面2はパーライト組織のみで構成されるようにして、pH が 8.0 であるホウ酸緩衝液(非脱気)で 23 mV/minの速度で動電位アノード分極曲線を計測した。表1に、絶縁被覆層1の作製に用いた有機化合物の種類と水滴との接触角を示す。表1に示すように、有機化合物としてエチルメチルケトオキシム、スチレンブタジエン、ニトリル、クロロプレン、メチルビニル、メチルフェニル、フロロシリコーン、エチレンプロピレン、フッ素樹脂、ジメチルポリシロキサンを用いた場合、水滴との接触角が 70度を超えることが分かる。
表2および表3に、絶縁被覆層1の作製に用いた有機化合物および希釈用の有機溶媒を示す。さらに、この表には、水滴との接触角が 70度を超える場合を疎水性の評価結果として「○」、水滴との接触角が 70度以下である場合を「×」で示した。さらに、これらの有機化合物と希釈溶媒を用いて、微小作用電極面(50μm四方の電極面:面積 0.0025 mm2)2の絶縁被覆層1を作製し、pH が 8.0 であるホウ酸緩衝液(非脱気)で、23 mV/minの速度で動電位アノード分極曲線を計測した。このとき、電位 0.5 Vにおける不働態維持電流密度の値が、パーライト組織の炭素鋼上に 1 cm四方の電極面を作製して同じ条件で計測したときの電流密度の値の、5倍以下である場合を、電気化学測定の精度の評価として「◎」、5倍を超えるが7倍以下である場合を「○」とした。
表2および表3に示すように、有機化合物としてエチルメチルケトオキシム、スチレンブタジエン、ニトリル、クロロプレン、メチルビニル、メチルフェニル、フロロシリコーン、エチレンプロピレン、フッ素樹脂、ジメチルポリシロキサンを用い、有機溶媒としてトルエン、キシレン、ケロシン、シクロヘキサン、アセトニトリル、ジクロロエタン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン、炭酸プロピレン、テトラヒドロフラン、テトラメチルフランを用いた場合、すなわち絶縁被覆層1と水滴との接触角が 70度を超える場合において、微小作用電極を用いて高い精度で電気化学計測ができることが分かる。
なお、一例として、図7に、これらの内、エチルメチルケトオキシムを主成分とする有機化合物をトルエンで溶かしたもので作用電極面2を作製した場合(表2中の実施例1)、およびニトロセルロースを主成分とする有機化合物をエタノールで溶かしたものを塗布し、作用電極面2を作製した場合(表3中の比較例18)のアノード分極曲線を示す。図7から明らかなように、評価対象とした電位である 0.5 V以外の電位領域においても、疎水性の有機化合物から成る絶縁被覆層1を用いることで、親水性の有機化合物から成る被覆層を用いた場合と比較して電流値が低下していることから、意図しない電気化学反応を効果的に抑制できていることが分かる。
表4に、有機化合物としてエチルメチルケトオキシム、有機溶媒としてトルエンを用いて微小作用電極面(50μm四方の電極面:面積 0.0025 mm2)2の絶縁被覆層1を作製し、図4に模式図を示すように、絶縁被覆層1の外周部に、有機化合物としてニトロセルロース、有機溶媒としてエタノールを用いて親水性の有機化合物層3を形成した場合の、作用電極面2の外周部と親水性の有機化合物層3の最短距離および最長距離、親水性の有機化合物層3の幅を示す。さらに、これらの寸法で絶縁被覆層1および親水性の有機化合物層3を作製し、pH が 8.0 であるホウ酸緩衝液(非脱気)で、23 mV/minの速度で動電位アノード分極曲線を計測した。このとき、電位 0.5 Vにおける不働態維持電流密度の値が、パーライト組織の炭素鋼上に 1 cm四方の電極面を作製して同じ条件で計測したときの電流密度の値の、5倍を超えるが7倍以下である場合を「○」、7倍以上である場合を「△」として、電気化学測定の精度を評価した。
ところで、微小作用電極面2による実験では、気泡が作用電極面2の外周部の絶縁被覆層1との境界部に残存し、電気化学計測の精度などを低下させる要因となる。そこで、上記の寸法で絶縁被覆層1および親水性の有機化合物層3を作製し、pH が 8.0 であるホウ酸緩衝液(非脱気)中に電極面を浸漬した状態で、光学顕微鏡および水浸対物レンズを用いて電極面表面を観察し、電極面外周部の距離の5%未満が気泡で覆われている場合を「○」、5%以上が気泡で覆われている場合を「△」として、電極面と溶液との接触性を評価した。表4に示すように、親水性の有機化合物層3と作用電極面2の外周部との距離が、全周にわたり 0.5 mm以上 3 mm以下であり、親水性の有機化合物層の幅が 1 mm以上である場合において、気泡の残存を抑制できることが分かる。
表5に、エチルメチルケトオキシムを主成分とする絶縁被覆層1を有機溶媒に浸漬した際の、絶縁被覆層1の剥離性を示す。24時間の浸漬で絶縁被覆層1の 80%以上が剥離する場合を「○」、50%以上 80%未満が剥離する場合を「△」、50%未満しか剥離しない場合を「×」として、絶縁被覆層1の剥離性を評価した。表5に示すように、エチルメチルケトオキシムを主成分とする有機化合物を用いて絶縁被覆層1を構成した場合、電極面をトルエン、キシレンに 24時間浸漬することで、絶縁被覆層1の 50%以上 80%未満が剥離した。これより長時間浸漬することで、さらに絶縁被覆層1を剥離することができると考えられる。また、ジエチルエーテル、1,2-ブチレンオキシド、メタンスルホン酸、1-ブロモプロパンに電極面を 24時間浸漬することで、絶縁被覆層1の 80%以上が剥離した。これらの物質に浸漬することで表面観察に支障のない程度まで絶縁被覆層1を剥離することが可能であると分かる。
このように、本発明の実施の形態の高精度局部電気化学計測用微小作用電極により、被覆層の反応や、被覆層/電極面境界のイオンの集中の影響を受けずに、微小電極面の電気化学計測が可能であることが分かる。
本発明の活用例としては、普通鋼などの腐食を起こしやすい材料の局部電気化学現象解析などのための高精度局部電気化学計測用微小作用電極、その作製方法および高精度局部電気化学計測用微小作用電極の絶縁被覆層の剥離方法として利用可能であり、学術研究のみならず産業上としても極めて有益である。
1 絶縁被覆層
2 作用電極面
3 親水性の有機化合物層

Claims (6)

  1. 計測対象である材料表面の任意の位置に作製された、面積が 0.01 mm2以下の作用電極面と、
    水滴との接触角が 70度を超える疎水性の有機化合物から構成され、前記作用電極面の外周部に形成された絶縁被覆層とを、
    有することを特徴とする高精度局部電気化学計測用微小作用電極。
  2. 前記作用電極面外周部の絶縁被覆層が、エチルメチルケトオキシム、スチレンブタジエン、ニトリル、クロロプレン、メチルビニル、メチルフェニル、フロロシリコーン、エチレンプロピレン、フッ素樹脂、ジメチルポリシロキサンのいずれか1種類、あるいは、それらの内の2種類以上の混合物であることを特徴とする請求項1記載の高精度局部電気化学計測用微小作用電極。
  3. 前記絶縁被覆層の表面に、水滴との接触角が 70度以下である親水性の有機化合物層が、前記作用電極面外周部を取り囲む形態で存在し、親水性の前記有機化合物層と前記作用電極面外周部との距離が全周にわたり 0.5 mm以上 3 mm以下であり、親水性の前記有機化合物層の幅が 1 mm以上であることを特徴とする請求項1もしくは2記載の高精度局部電気化学計測用微小作用電極。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の高精度局部電気化学計測用微小作用電極の作製方法であって、前記作用電極面外周部の絶縁被覆層の作製に際して、水よりも電位窓が広い有機溶媒で有機化合物を希釈し、粘度を調整したうえで前記作用電極を構成する固体材料に塗布し、その後、乾燥させることを特徴とする高精度局部電気化学計測用微小作用電極の作製方法。
  5. 水よりも電位窓が広い前記有機溶媒として、トルエン、キシレン、ケロシン、シクロヘキサン、アセトニトリル、ジクロロエタン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン、炭酸プロピレン、テトラヒドロフラン、テトラメチルシランのいずれか1種類、あるいは、それらの内の2種類以上の混合物を使用することを特徴とする請求項4記載の高精度局部電気化学計測用微小作用電極の作製方法。
  6. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の高精度局部電気化学計測用微小作用電極の絶縁被覆層の剥離方法であって、前記作用電極面をトルエン、キシレン、ジエチルエーテル、1,2-ブチレンオキシド、メタンスルホン酸、1-ブロモプロパンのいずれか1種類、あるいは、それらの内の2種類以上の混合物に浸漬することを特徴とする高精度局部電気化学計測用微小作用電極の絶縁被覆層の剥離方法。
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