JP6137641B2 - ワークピッキング装置 - Google Patents
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Description
例えば、創薬研究プロセスにおいて、生体活性等を調査するため、多種多様な検査、実験のために微量で多数の試料を取り扱うことが必要であり、マイクロチューブ等の容器に収められた試料を、極低温の安定した環境のもとで大量に保管するとともに、任意の試料を迅速に取り出す技術が欠かせない。
このワークピッキング装置は、弾性変形可能な把持ツメを有しており、この把持ツメにより、トレイに縦立収納された複数のワークの中から目的とするワークを把持するものであり、移載機構によって引き上げて、所定の場所に移動してワークを移載するものである(例えば特許文献1等参照。)。
また、把持ツメは一定のサイズのワークに最適化されるため、ワークのサイズが異なる場合には把持ツメを交換する必要が生じるという問題があった。
この機構では、図9に示すように、第1アーム230、第2アーム231、第3アーム232及び第4アーム233の一端には、それぞれ第1把持ツメ238、第2把持ツメ239、第3把持ツメ240及び第4把持ツメ241を有し、第1アーム230、第2アーム231、第3アーム232及び第4アーム233の他端には、それぞれ、第1ラックギヤ234、第2ラックギヤ235、第3ラックギヤ236及び第4ラックギヤ237を有しており、ベース部材210の下面に回転可能に設けられたピニオンギヤ211の90度ずつ異なる位置に第1ラックギヤ234、第2ラックギヤ235、第3ラックギヤ236及び第4ラックギヤ237が噛み合うことで、4つの把持ツメが連動して開閉動作をするように構成されている。
しかしながら、把持ツメがピニオンギヤの回転軸線に向かって往復動することで開閉動作するため、把持ツメの外側にラック・ピニオン機構が張り出し、壁等の障害物近傍のワークを把持することができないという問題があった。
また、複数のラックギヤが互いに干渉せずに把持ツメの十分な開閉動作を行うためには、径大なピニオンギヤを設ける必要があり、ワークの把持が不可能な範囲はさらに大きくなる。
また、冷凍環境下では、トレイ表面が霜等で覆われ、移載対象のワークを持ち上げた際に、隣接するワークも持ち上げてしまうことがある。これに対し、隣接するワークを押し出して分離するための共上げ防止機構を把持ツメ間に設けることで対処可能だが、把持ツメの直上にラック・ピニオン機構を配置すると、このような機構等を設ける空間が極めて限定される。
本発明は、これらの問題点を解決するものであり、簡単な構成で、把持ツメやワークに過剰な負荷がかかることなく、ワークを周方向均等に把持可能であるとともに、壁等の障害物近傍においても移載作業に支障を来さず、ワーク共上げを防止する機構等を把持ツメの直上に設置可能な空間を確保したワークピッキング装置を提供することを目的とするものである。
このことで、把持ツメの外側へのラック・ピニオン機構の張り出しを小さくでき、ワークの把持が不可能な範囲を小さくすることが可能となり、壁等の障害物近傍においても移載作業を行うことが可能となる。
また、ピニオンギヤは、ベース部材の上方に配置された第1ピニオンギヤと、第1ピニオンギヤと同軸で前記ベース部材の下方に配置された第2ピニオンギヤを含み、複数のアームは、運動方向が平行な2本を1組として、直交する2組の合計4本で構成され、一方の組のアームのラックギヤが第1ピニオンギヤと、他方の組のアームのラックギヤが第2ピニオンギヤと噛み合うように構成され、ベース部材の上方には、一方の組のアームのラックギヤをスライド可能に支持するリニアガイドが配置され、ベース部材の下方には、他方の組のアームのラックギヤをスライド可能に支持するリニアガイドが配置されていることにより、互いの運動方向が平行でないラックギヤをピニオンギヤの回転軸方向に異なる位置に設ける場合においても、ピニオンギヤは1つのラックギヤと接触するために必要な最低限の厚みで形成できる。これにより、汎用品のラックギヤやピニオンギヤの利用が容易となり、メンテナンス性を向上できる。
さらに、このことで、把持ツメは直交する2つの運動方向からワークを周方向均一に挟み把持できるため、安定した移載作業ができる。また、アームの数が4本であっても、必要なピニオンギヤの数をアームの数の半分である2本に抑えることができ、部品点数の削減ができる。
また、把持ツメの直上に種々の機構を設置可能な空間を確保できる。
請求項3に記載の構成によれば、複数の把持ツメを、ワークを把持する方向に常に付勢する付勢部材を設けることによって、ワークの移載作業中に停電等、駆動力の供給が停止した場合でも、把持ツメはワークを把持でき、ワークの落下・破損を防止できる。
ワークピッキング装置100は、図1乃至図8に示すように、低温保管庫(図示しない)内でトレイ(図示しない)に収容されているワークWを移載するものであり、図1に示すように、ベース部材110と、複数のアームとラック・ピニオン機構等からなるアームユニットと、アーム駆動ユニット150と、共上げ防止機構160とを備えている。
ベース部材110の上面には、図2に示すように、ベース部材110の中央部を貫通するアーム駆動軸152と、該アーム駆動軸152を回転駆動するアーム駆動用モータ151と、アーム駆動軸152とアーム駆動用モータ151の回転軸を接続するカップリング153とを有するアーム駆動ユニット150を備えている。
第1スライダ124及び第2スライダ125は、図5及び図6に示すように、それぞれ第1ラックギヤ134及び第2ラックギヤ135を有し、第1ラックギヤ134及び第2ラックギヤ135は、アーム駆動軸152を回転軸とし、ベース部材110の上面に設けられた第1ピニオンギヤ111と噛み合い、ラック・ピニオン機構を形成している。
また、第1スライダ124及び第2スライダ125は、それぞれ第1把持ツメ138及び第2把持ツメ139を一端に有した第1アーム130及び第2アーム131の他端に接続され、第1把持ツメ138と第2把持ツメ139とは、対向配置されている。
第3スライダ126及び第4スライダ127は、それぞれ第3ラックギヤ136及び第4ラックギヤ137を有し、第3ラックギヤ136及び第4ラックギヤ137は、アーム駆動軸152を回転軸とし、ベース部材110の下面に設けられた第2ピニオンギヤ112と噛み合い、ラック・ピニオン機構を形成している。
第3アーム132は、図4に示すように、押圧バネ128を介してベース部材110と接続されている。
なお、第1及び第2ピニオンギヤと、第1乃至第4リニアガイドと、第1乃至第4スライダと、第1乃至第4アームと、第1乃至第4ラックギヤと、第1乃至第4把持ツメと、押圧バネ128とからなる機構をアームユニットと称する。
共上げ防止機構160は、ベース部材110の上面に設けられた共上げ防止駆動機構162と、共上げ防止駆動機構162に接続され、4つの把持ツメの中心の直上に設けられた共上げ防止金具161とによって構成され、共上げ防止金具161は上下方向に移動可能である。
ベース部材110の下方には、図1乃至図4に示すように、把持ツメによるワークWの把持状態を確認する把持確認センサ114が設けられている。
また、ベース部材110の一端には、連結部113が設けられ、連結部113は全体移動手段(図示しない)と連結し、ワークピッキング装置100全体を移動可能にしている。
まず、4つの把持ツメの中心がワークWの直上に位置するようにワークピッキング装置100を移動する。
次に、4つの把持ツメがワークWの被把持部を把持可能な位置へワークピッキング装置100を下方に移動した後、図7及び図8に示すように、アーム駆動用モータ151を回転させ、4つの把持ツメを閉じる。
その際、把持確認センサ114によってワークWの把持位置が正常であることを確認できた場合、ワークWを把持したままワークピッキング装置100全体を上昇させ、トレイからワークWを抜き出し、ワークWを移載位置まで移動させた後、アーム駆動用モータ151を逆回転させ、4つの把持ツメを開くことで、ワークWの搬送を完了する。
また、低温状態で保管されたワークWに霜等が付着し、4つの把持ツメでワークWを持ち上げた際に、隣接する搬送対象外のワークWが霜によって同時に持ち上げられてしまう場合においても、共上げ防止金具161をワークWの上方からワークWへ近づけて搬送対象外のワークWを分離し、確実に搬送対象のワークWのみを持ち上げ、搬送することができる。
上述した実施形態では、アーム駆動用モータは1つ設けられているものとして説明したが、アーム駆動用モータの仕様はこれに限定されず、例えば、ピニオンギヤと同数のアーム駆動用モータを配置してもよく、モータの代わりにエアシリンダ等でアームを動作させてもよい。
また、上述した実施形態では、把持ツメを有したアームに付勢部材として押圧バネを設けているものとして説明したが、付勢部材の仕様はこれに限定されず、例えば、エアシリンダでアームを押圧してもよく、ゴムバンドのようなリング状の付勢部材を複数の把持ツメの周囲に設けて、複数の把持ツメを外周から押圧してもよい。
また、上述した実施形態では、共上げ防止機構が設けられているものとして説明したが、共上げ防止機構の仕様はこれに限定されず、例えば、把持ツメの先端に板材等を設け、ワークの周囲に降下する際に周囲に付着した霜を分断して搬送対象外のワークWを分離するようにしてもよく、ワークピッキング装置とは別に共上げ防止装置を設けてもよい。
110、210 ・・・ ベース部材
111、211 ・・・ 第1ピニオンギヤ
112 ・・・ 第2ピニオンギヤ
113 ・・・ 連結部
114 ・・・ 把持確認センサ
120 ・・・ 第1リニアガイド
121 ・・・ 第2リニアガイド
122 ・・・ 第3リニアガイド
123 ・・・ 第4リニアガイド
124 ・・・ 第1スライダ
125 ・・・ 第2スライダ
126 ・・・ 第3スライダ
127 ・・・ 第4スライダ
128 ・・・ 押圧バネ
130、230 ・・・ 第1アーム
131、231 ・・・ 第2アーム
132、232 ・・・ 第3アーム
133、233 ・・・ 第4アーム
134、234 ・・・ 第1ラックギヤ
135、235 ・・・ 第2ラックギヤ
136、236 ・・・ 第3ラックギヤ
137、237 ・・・ 第4ラックギヤ
138、238 ・・・ 第1把持ツメ
139、239 ・・・ 第2把持ツメ
140、240 ・・・ 第3把持ツメ
141、241 ・・・ 第4把持ツメ
150 ・・・ アーム駆動ユニット
151 ・・・ アーム駆動用モータ
152 ・・・ アーム駆動軸
153 ・・・ カップリング
160 ・・・ 共上げ防止機構
161 ・・・ 共上げ防止金具
162 ・・・ 共上げ防止駆動機構
W ・・・ ワーク
Claims (3)
- ベース部材と、ワークの側面に当接して把持する把持ツメを有する複数のアームと、前記複数のアームを開閉する開閉手段とを有し、複数のワークの中から目的とするワークを把持可能なワークピッキング装置であって、
前記ベース部材には、ピニオンギヤが回転可能に設けられ、
前記複数のアームには、それぞれラックギヤが設けられ、
前記開閉手段は、前記ピニオンギヤと、前記複数のラックギヤとで構成されたラック・ピニオン機構と、前記ラックギヤ、又は、前記ピニオンギヤの少なくとも一方を駆動する駆動源とを有し、
前記ピニオンギヤは、前記ベース部材の上方に配置された第1ピニオンギヤと、前記第1ピニオンギヤと同軸で前記ベース部材の下方に配置された第2ピニオンギヤを含み、
前記複数のアームは、運動方向が平行な2本を1組として、直交する2組の合計4本で構成され、
一方の組の前記アームのラックギヤが前記第1ピニオンギヤと、他方の組の前記アームのラックギヤが前記第2ピニオンギヤと噛み合うように構成され、
前記ベース部材の上方には、前記一方の組のアームのラックギヤをスライド可能に支持するリニアガイドが配置され、
前記ベース部材の下方には、前記他方の組のアームのラックギヤをスライド可能に支持するリニアガイドが配置され、
前記複数のアームの把持ツメは、前記ピニオンギヤの回転軸線からオフセットした位置で開閉するように配置されていることを特徴とするワークピッキング装置。 - 前記開閉手段には、前記複数の把持ツメの間を通り、ワーク方向に往復動可能な共上げ防止金具が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のワークピッキング装置。
- 前記ベース部材には、前記ワークを把持する方向に前記複数の把持ツメを常に付勢する付勢部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のワークピッキング装置。
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