図1は、本発明の実施の形態である商品払出装置が適用された自動販売機の内部構造を示す断面側面図である。ここで例示する自動販売機は、商品を冷却若しくは加熱した状態で販売するもので、本体キャビネット1、外扉2及び内扉3を備えて構成されている。
本体キャビネット1は、複数の鋼板を適宜組み合わせることによって前面が開口した直方状に構成されたもので、その内部に断熱構造の商品収容庫4を有している。外扉2は、本体キャビネット1の前面開口を覆うためのもので、本体キャビネット1の一側縁部に開閉可能に配設されている。この外扉2の前面には、ディスプレイウィンドウ、商品選択ボタン、紙幣挿通口、硬貨投入口、返却レバー、一体表示器、硬貨返却口、商品取出口2a等々、商品を販売する際に必要となるものが設けられている。内扉3は、商品収容庫4の前面開口を覆うための上下二分割された断熱扉であり、外扉2よりも内方となる位置において上部断熱扉は外扉2の一側縁部に開閉可能に配設され、下部断熱扉は本体キャビネット1の一側縁部に開閉可能に配設されている。この内扉3における下部断熱扉の下方部には、商品を商品収容庫4の外部に搬出するための商品搬出口3aが設けられている。
また、上記自動販売機には、商品収容庫4の内部に商品シュータ5が設けられており、この商品シュータ5よりも下方となる領域(以下、「熱交換領域」ともいう)に温度調節ユニット6が配設されている一方、商品シュータ5よりも上方となる領域(以下、「商品収納領域」ともいう)に商品払出装置10が配設されている。
商品シュータ5は、商品払出装置10から払い出された商品を内扉3の商品搬出口3aに案内するためのプレート状部材であり、前方側に向けて漸次下方に傾斜する態様で配設されている。図には明示していないが、この商品シュータ5には、熱交換領域と商品収納領域との間を連通させる通気孔(図示せず)が多数穿設されている。
温度調節ユニット6は、商品収容庫4の内部雰囲気を所望の温度状態に維持するためのもので、冷凍サイクルの蒸発器6a、電熱ヒータ6b及び送風ファン6cを備えて構成されている。この温度調節ユニット6においては、例えば冷凍サイクルを運転した状態で送風ファン6cを駆動すると、蒸発器6aにおいて冷却された空気が商品シュータ5の通気孔を通じて上方に送給されるため、商品収納領域を低温状態に維持することができる。一方、電熱ヒータ6bに通電した状態で送風ファン6cを駆動すると、電熱ヒータ6bによって加熱された空気が商品シュータ5の通気孔を通じて上方に送給されるため、商品収納領域を高温状態に維持することができる。尚、冷凍サイクルの圧縮機、凝縮器及び膨張弁は、図には明示しないがいずれも商品収容庫4の外部となる機械室に配設されている。
上記商品払出装置10は、図2に示すように、商品収納ラック10a及び払出駆動ユニット10bを備えて構成されている。
商品収納ラック10aは、本実施の形態では前後3列に並ぶように配設されており、一対のベース側板(ラック側板)11の間に通路構成要素12が配設されることによって上下方向に沿って蛇行状に構成された複数の商品収納通路13を備え、これら商品収納通路13の内部に上下方向に沿って複数の商品を横倒し姿勢で収納するものである。より詳細に説明すると、通路構成要素12は、商品収納通路13の前方側と、後方側とに互いに対向するよう適宜配設されたものであって、ベース側板11に固定されている。
また、通路構成要素12には、図には明示しないフラッパが設けられている。フラッパは、商品収納通路13に対して進退移動する態様で通路構成要素12に揺動可能に配設されている。このフラッパは、コイルバネ(図示せず)に付勢されて常態においては商品収納通路13に進出移動した姿勢となる。そして、商品収納通路13を通過する商品に当接することにより自身はコイルバネの付勢力に抗して蛇行状の商品収納通路13に沿うように退行移動して該商品の姿勢を修正するものである。
このような商品収納ラック10aには、図3に示すように、可動側板40及び可動リンク部材50が設けられている。可動側板40は、商品収納通路13の商品の通過幅を商品の長さに応じて調整するためのものであり、商品収納通路13の形状に合わせて板金加工した薄鋼板製のものである。
可動リンク部材50は、略長尺平板状の形態を成し、基端部には基端軸部51が形成されている一方、基端部よりも幅狭となる先端部には先端軸部52が形成されている。
基端軸部51は、可動リンク部材50の基端部分を基部として両側方向、すなわち前方及び後方に突出する態様で形成されている。先端軸部52は、可動リンク部材50の先端部分を基部として両側方向、すなわち前方及び後方に突出する態様で形成されている。
このような可動リンク部材50は、一方のベース側板11、すなわち左側のベース側板11に形成された図示せぬ側板開口を貫通して支持構造11aに揺動可能に支持されることで、先端部が商品収納通路13に対して進退移動する態様で揺動可能に配設されている。そして、かかる先端部の先端軸部52が可動側板40に設けられた軸受片41の軸孔42に挿通することで、可動リンク部材50は、可動側板40をベース側板11に近接離反する態様で左右方向に移動させることで商品収納通路13の通過幅を調整することができる。
上記商品収納ラック10aにおいては、商品収納通路13の上部にトップトレイ(商品案内部材)14が設けられている一方、商品収納通路13の下部に払出機構20が設けられている。
トップトレイ14は、平板状の板金を屈曲して構成されるもので、前方から後方に向けて漸次下方に傾斜する態様でベース側板11間に配設されている。このようなトップトレイ14の上面は、投入口を通じて投入された商品を商品収納通路13まで案内する商品案内通路15を構成している。
図4〜図6は、それぞれ図1に示した払出機構20を示すもので、図4は斜視図、図5は正面図、図6は背面図である。また、図7〜図9は、それぞれ図1に示した払出機構20を側方より模式的に示す説明図である。
ここで例示する払出機構20は、商品収納通路13の下部に配設されている。この払出機構20は、対向する通路幅規定板16との間において商品の挙動を制御することにより、待機状態においては商品収納通路13に商品を収納する一方、駆動する場合には対応する商品を1つずつ商品シュータ5に払い出すように機能するもので、ベース部材21を備えている。かかる払出機構20は、同一の商品収納ラック10aにおける前後に並列する商品収納通路13間において互いに背中合わせに抱き合わせて配設されている。
ベース部材21は、鋼板に切削加工及び屈曲加工を施して構成されたものであり、自身の表面を通路幅規定板16に対向させる態様で配設されており、その中間部に挿通孔22が形成されている。この挿通孔22は、矩形状の貫通開口である。また、このベース部材21の両側部には、屈曲されることで側壁21aが形成されている。
このベース部材21の挿通孔22の両側部に設けられた左右一対の軸受片23には、第1揺動支持軸24a及び第2揺動支持軸25aが架設されている。
第1揺動支持軸24aは、略水平方向に沿って延在する態様で配設された軸状部材であり、その中間部に下ペダル部材24を支承している。第2揺動支持軸25aは、第1揺動支持軸24aよりも上方となる個所に略水平方向に沿って延在する態様で配設された軸状部材であり、その中間部に上ペダル部材25を支承している。
下ペダル部材24は、プレート状部材であり、基端部に第1揺動支持軸24aを挿通させることによりこの第1揺動支持軸24aの軸心回りに揺動可能となる態様で配設されている。
下ペダル部材24の先端部は、第1揺動支持軸24aの径外方向に向けて延在しており、第1揺動支持軸24aの軸心回りに揺動した場合に挿通孔22を通じて商品収納通路13に進退移動することが可能である。つまり、下ペダル部材24は、商品収納通路13に対し進退移動する態様で揺動可能に配設されている。
下ペダル部材24とベース部材21との間には、下ペダル部材バネ(図示せず)が介装されている。下ペダル部材バネは、商品収納通路13に対して下ペダル部材24を進出移動する方向に向けて常時付勢するものである。
上記下ペダル部材24は、板状のペダル本体部241と、一対の案内部242とを備えている。一対の案内部242は、上記ペダル本体部241の背面側に設けられている。各案内部242は、上下方向に沿って延在する板状部材であり、互いに対向するよう形成されている。各案内部242の互いに対向する対向面には案内溝243が形成されている。
案内溝243は、下ペダル部材24を商品収納通路13に対して最も進出移動させた進出位置に配置した状態(図7に示す状態)において、最も下方に位置し、かつ後述する回動ストッパ部材29のペダル操作軸29aが嵌入される嵌入部243aと、下ペダル部材24を商品収納通路13に対して最も退行移動させた退行位置に配置した状態(図9に示す状態)において、最も上方に位置し、かつ回動ストッパ部材29のペダル操作軸29aが当接する当接部243dと、これら嵌入部243a及び当接部243dとが連続するよう接続する第1案内部242b及び第2案内部242cとを備えている。
第1案内部242bは、下ペダル部材24を商品収納通路13に対して最も進出移動させた位置(進出位置)に配置した状態において、嵌入部243aからベース部材21に対して離隔するよう斜め上方に傾斜した後、ベース部材21に対して近接するよう斜め上方に傾斜して当接部243dに至る態様で案内部242に形成されている。
第2案内部242cは、下ペダル部材24を商品収納通路13に対して最も進出移動させた位置(進出位置)に配置した状態において、当接部243dからベース部材21に対して離隔するよう斜め下方に傾斜して嵌入部243aに至る態様で案内部242に形成されている。
このような下ペダル部材24の第1揺動支持軸24aからの径外方向の長さは、商品収納通路13に対して最も進出移動した位置(進出位置)に位置する場合に、図7にも示すように通路幅規定板16との間に最大幅の小さい商品の最大幅よりも小さい間隙を確保することが可能な長さに設定されている。
上ペダル部材25は、プレート状部材であり、基端部に第2揺動支持軸25aを挿通させることによりこの第2揺動支持軸25aの軸心回りに揺動可能となる態様でベース部材21に配設されている。
上ペダル部材25の先端部は、第2揺動支持軸25aの径外方向に向けて延在しており、第2揺動支持軸25aの軸心回りに揺動した場合には、挿通孔22を通じて商品収納通路13に進退移動することが可能である。つまり、上ペダル部材25は、商品収納通路13に対し進退移動する態様で揺動可能に配設されている。
上ペダル部材25とベース部材21との間には、上ペダル部材バネ(図示せず)が介装されている。上ペダル部材バネは、商品収納通路13に対して上ペダル部材25が退行移動する方向に向けて常時付勢するものである。
上記上ペダル部材25には、押圧傾斜面251、凹部252、ストッパ当接部253及び突起部254が設けられている。押圧傾斜面251は、上ペダル部材25の先端部分に設けられており、上ペダル部材25を商品収納通路13に対して退行移動させた場合には、商品収納通路13に向けて漸次低くなる態様で形成された湾曲状の傾斜面である。凹部252は、上ペダル部材25の背面側に設けられており、上ペダル部材25の両側面に開口する態様で形成した略水平方向に沿って延在する一条の凹所である。ストッパ当接部253は、後述するストッパピン28aが当接する部位であり、上ペダル部材25の背面において凹部252の上方に傾斜する態様で設けられている。
突起部254は、上ペダル部材25の基端部において商品収納通路13に向けて突出した態様で設けられている。
この上ペダル部材25は、上記上ペダル部材バネの付勢力によって商品収納通路13に退行移動するよう付勢されているが、上記凹部252にストッパピン28aが当接することにより商品収納通路13に対して退行移動した状態に初期位置が設定されている。
このような上ペダル部材25は、商品収納通路13に対して最も進出移動した位置(進出位置)に位置する状態(図9に示す状態)において、第2揺動支持軸25aを通過する鉛直面に対して前傾した状態にある。そして上ペダル部材25の第2揺動支持軸25aからの径外方向の長さは、上述した前傾した状態において、通路幅規定板16との間に最大幅の小さい商品の最大幅よりも小さい間隙を確保することが可能な長さに設定されている。
また、このベース部材21には、軸受部26が設けられている。軸受部26は、ペダルリンク部材27の上下方向に沿った移動を案内するものであり、上下方向に沿って延在する態様で形成してあり、一方の端部が挿通孔22の上端縁に取り付けられており、他方の端部が挿通孔22の下端縁に取り付けられており、挿通孔22を縦断するよう設けられている。
軸受部26は、樹脂材から構成されるもので、第2揺動支持軸挿通孔261と、第1揺動支持軸挿通孔262と、ストッパピン挿通孔263と、ペダルストッパピン支持溝264と、ストッパ支持孔265とを備えている。
第2揺動支持軸挿通孔261は、第2揺動支持軸25aを挿通し、かつ第2揺動支持軸25aを軸支するための孔である。第1揺動支持軸挿通孔262は、第1揺動支持軸24aを挿通し、かつ第1揺動支持軸24aを軸支するための孔である。この第1揺動支持軸挿通孔262は、第2揺動支持軸挿通孔261よりも下方に形成されている。
ストッパピン挿通孔263は、後述するストッパピン28aを摺動自在に軸支する孔であって、軸状に形成したストッパピン28aの直径に比して上下方向への延在長さが大きくなるよう形成されている。よって、このストッパピン挿通孔263は、ストッパピン28aの上下方向に沿っての移動を許容するものであり、軸受部26において、上端部と、第2揺動支持軸挿通孔261を形成した部位との略中間となる部位に設けられている。
ペダルストッパピン支持溝264は、後述するペダルストッパピン28bを摺動自在に軸支する孔であって、軸状に形成したペダルストッパピン28bの直径に比して上下方向への延在長さが大きくなるよう形成されている。よって、このペダルストッパピン支持溝264は、ペダルストッパピン28bの上下方向に沿っての移動を許容するものであり、軸受部26において、第1揺動支持軸挿通孔262を形成した部位と、下端部との略中間となる部位に設けられている。
ストッパ支持孔265は、後述するストッパ軸28cを軸支するための孔であり、軸受部26においてその下端部に形成されている。
また、一方の軸受片23と軸受部26との間には、ストッパピン28a、ペダルストッパピン28b及びストッパ軸28cが架設されている。
ストッパピン28aは、一方の軸受片23と軸受部26との間に略水平方向に沿って配設された軸状部材であり、一端部が該軸受片23のストッパピン挿通孔(図示せず)に挿通され、他端部が軸受部26のストッパピン挿通孔263に挿通されている。このストッパピン28aは、ペダルリンク部材27に結合されており、当該ペダルリンク部材27の上下方向への移動に伴ってストッパピン挿通孔263の内部において上下方向に沿っての移動が可能である。また、ストッパピン28aは、初期位置にある上ペダル部材25の凹部252に当接している。
ペダルストッパピン28bは、一方の軸受片23と軸受部26との間に略水平方向に沿って配設された軸状部材であり、一端部が該軸受片23のペダルストッパピン支持溝(図示せず)に挿通され、他端部が軸受部26のペダルストッパピン支持溝264に挿通されている。このペダルストッパピン28bは、ペダルリンク部材27に結合されており、当該ペダルリンク部材27の上下方向への移動に伴ってペダルストッパピン支持溝264の内部において上下方向に沿っての移動が可能である。このペダルストッパピン28bの周面は、ペダルリンク部材27を上下方向に移動させた場合には、ペダルストッパピン支持溝264の内周面に当接することとなる。
ストッパ軸28cは、一方の軸受片23と軸受部26との間に略水平方向に沿って配設された軸状部材であり、その中間部に回動ストッパ部材29を支承している。
回動ストッパ部材29は、基端部にストッパ軸28cを挿通させ、かつこのストッパ軸28cの軸心回りに揺動可能となる態様で一方の軸受片23と軸受部26との間に配設されている。
回動ストッパ部材29の先端部は、ストッパ軸28cの径外方向に向けて延在しており、ストッパ軸28cの軸心回りに揺動した場合に挿通孔22を通じて商品収納通路13に進退移動することが可能である。
この回動ストッパ部材29は、先端部にペダル操作軸29aを有している。ペダル操作軸29aは、略水平方向に沿って配設された軸状部材であり、その両端部を上記下ペダル部材24の案内溝243に嵌入されている。
上記回動ストッパ部材29とベース部材21との間には、ペダル操作部材バネ(図示せず)が介装されている。ペダル操作部材バネは、商品収納通路13に対して回動ストッパ部材29を進出移動させる方向に向けて常時付勢するものである。
このような回動ストッパ部材29は、ペダル操作部材バネによって商品収納通路13に対して進出移動する方向に向けて付勢され、該回動ストッパ部材29の背面側の所定部位にペダルストッパピン28bが当接することにより退行移動する方向への移動が規制されており、商品収納通路13に対して進出移動した状態での初期位置が設定されている。また、下ペダル部材24が下ペダル部材バネに付勢されているため、回動ストッパ部材29は、ペダル操作軸29aの両端が案内溝243の嵌入部243aに位置しており、下ペダル部材24が商品収納通路13に対して進出移動した位置に初期位置が設定されている。
上記ペダルリンク部材27は、上下方向に沿って延在する長尺板状部材であり、その中間部に噛合部271が設けられている。この噛合部271は、リンク軸27aの中間部に配設されたピニオン272に噛合している。このリンク軸27aは、ベース部材21の背面に設けられた左右一対の支持片211を介して架設されており、その中心軸を軸心として軸心回りに回転可能なものである。
つまり、ペダルリンク部材27は、リンク軸27aが軸心回りに回転することにより噛合部271がピニオン272と噛合しながら上下方向に沿って移動するものである。
このようなペダルリンク部材27とベース部材21との間には、リンクバネ30が介装されている。リンクバネ30は、ペダルリンク部材27を下方に向けて常時付勢するものである。また、ペダルリンク部材27とベース部材21との間には、図には明示していないが、第2リンクバネが介装されている。この第2リンクバネは、一端部をペダルリンク部材27の下端に形成した係合孔に係止してあり、他端部をストッパ軸28cに係止されている。この第2リンクバネは、自身の弾性力により、通常ペダルリンク部材27とペダルストッパピン28bとの係合が解除されることを防止するものである。
ペダルリンク部材27がリンクバネ30によって付勢されて下方に配置された状態では、ストッパピン挿通孔263の下端部にストッパピン28aが配置され、かつペダルストッパピン支持溝264の下端部にペダルストッパピン28bが配置されることになる(以下、ペダルストッパピン支持溝264の下端部にペダルストッパピン28bが配置された状態をペダルストッパピン28bの規制位置という)。この状態では、ストッパピン28aに、退行位置に配置された上ペダル部材25の凹部252が当接している。しかもペダルストッパピン28bに進出位置に配置された回動ストッパ部材29が当接しており、回動ストッパ部材29の退行移動が規制されている。また、進出位置に配置された回動ストッパ部材29のペダル操作軸29aは上記下ペダル部材24の嵌入部243aに嵌入してあり、これにより進出位置に配置された下ペダル部材24の退行移動が規制されている。
これに対してリンクバネ30の付勢力に抗してペダルリンク部材27が上方に配置された状態では、図9に示すように、ストッパピン挿通孔263の上端部にストッパピン28aが配置され、かつペダルストッパピン支持溝264の上端部にペダルストッパピン28bが配置されることになる。この状態では、上記ストッパピン28aに上ペダル部材25のストッパ当接部253が当接することにより、上ペダル部材25の退行移動が規制され、上ペダル部材バネの付勢力に抗して上ペダル部材25が進出移動して進出位置に配置される。
一方、回動ストッパ部材29は、ペダルストッパピン28bによる退行移動の規制が解除されるので、ストッパ軸28cを中心として退行移動の規制が解除される。ここで、回動ストッパ部材29には当該回動ストッパ部材29によって進出位置に維持されている下ペダル部材24に当接した商品の荷重がかかっており、回動ストッパ部材29が退行移動の規制が解除されたことによって回動ストッパ部材29は退行移動を開始する。回動ストッパ部材29の退行移動が開始されるとペダル操作軸29aが下ペダル部材24の嵌入部243aから外れるため、下ペダル部材24は第1揺動支持軸24aを中心として退行移動を許容されて商品の荷重によって下ペダル部材バネの弾性付勢力に抗して退行移動することとなる。
また上記払出機構20には、売切検知レバー31が配設されている。売切検知レバー31は、基端部の図示せぬ孔部にレバー軸32が貫通して該レバー軸32と一体的に連結されている。このレバー軸32は、上記リンク軸27aの上方域において左右一対の支持片211に架設されており、その中心軸を軸心として軸心回りに回転するものである。つまり、売切検知レバー31は、レバー軸32の軸心回りに該レバー軸32と一体的に揺動可能であり、これにより先端部31aが商品収納通路13に対し進出移動及び退行移動可能なものである。
このような売切検知レバー31とベース部材21との間には、レバーバネ33が介装されている。レバーバネ33は、売切検知レバー31の先端部31aが商品収納通路13に進出移動する態様で常時付勢するものである。
払出駆動ユニット10bは、前後3列に並ぶ商品収納ラック10aの上部にこれら3つの商品収納ラック10aを跨るようにして配設されており、図10に示すように、ユニットベース60及び中継ユニット80を備えて構成されている。
ユニットベース60は、例えば鋼板等を屈曲加工等して構成されている。このユニットベース60は、前端部分及び後端部分が上方に向けて屈曲されて前端上延部60a及び後端上延部60bが形成されるとともに、左端部分及び右端部分が下方に向けて屈曲されて左端下延部(図示せず)及び右端下延部60cが形成されている。そして、ユニットベース60は、左端下延部及び右端下延部60cが各商品収納ラック10aのベース側板11の上端部にそれぞれ連結されることで各商品収納ラック10aに取り付けられている。また、ユニットベース60には、前端上延部60aと後端上延部60bとを連結する上部連結板60dが配設されているとともに、左端部の上面及び右端部の上面に起立片60e,60fが立設されている。このうち右側の起立片60fには、矩形状の開口60f1が複数(図示の例では2つ)形成されている。
上記ユニットベース60の上面には、図11に示すように、2つのスプロケット61が前後一対となる態様で配設され、これらスプロケット61にラダーチェーン(索条体)62が無端状に張設されている。これら2つのスプロケット61のうち後方側のスプロケット61(駆動スプロケット61aともいう)は、出力軸63aの中心軸を軸心としてその軸心回りに回転可能に配設されており、ユニットベース60の下面に設置された駆動機構63により駆動されるものである。一方、前方側のスプロケット61(以下、従動スプロケット61bともいう)は、張力付与手段64に支持された軸部(図示せず)の中心軸を軸心としてその軸心回りに回転するものである。ここで、張力付与手段64は、ラダーチェーン62に張力を付与するものである。
駆動機構63は、図12に示すように、上記出力軸63aの他、モータ63bと、減速機構63cと、モードスイッチ63dを備えて構成されている。モータ63bは、駆動源となるものであり、制御手段である払出制御部65から与えられる指令に応じて駆動する正逆回転可能な直流モータである。減速機構63cは、モータ63bの駆動力を出力軸63aに伝達するものである。モードスイッチ63dは、ロータリー式モードスイッチであり、出力軸63aの一回転と自身の一回転とが同期するように図示せぬ減速部を介して減速機構63cに連係されている。このモードスイッチ63dは、詳細は後述するが、ラダーチェーン62に設けられたカム66の位置を検出する際に利用されるもので、モードスイッチ63dからの信号は、払出制御部65に与えられる。これにより、払出制御部65はモードスイッチ63dからの信号によりカム66が、図11に示した各ポジション(イ)〜(チ)の何処に位置しているかを判別できる。払出制御部65は、払出駆動ユニット10bの動作を統括的に制御するものであり、自動販売機の販売動作を統括する自販機制御部(図示せず)と通信可能なものである。
2つのスプロケット61間に張設されるラダーチェーン62には、上方から見た場合に三角形状を成す複数(図示の例では4つ)のカム66が配設されている。
これらカム66のうち、第1カム66aは、図11に示す状態では、の駆動スプロケット61aの周囲であって後方に向けて突出するようラダーチェーン62に配設されている。第2カム66bは、第1カム66aと対となるものであって、図11に示す状態では、第1カム66aよりも前方側であってかつ右側において、右方に向けて突出するようラダーチェーン62に配設されている。この第2カム66bは、ラダーチェーン62の外方に向けて突出する突出部661の高さレベルが、第1カム66aの突出部661の高さレベルよりも低いものである。ここで第1カム66aと第2カム66bとの位置関係であるが、図11に示すように、第1カム66aがポジション(イ)に位置する場合に、第2カム66bがポジション(ハ)に位置するように調整してある。
第3カム66c及び第4カム66dは、それぞれ第1カム66a及び第2カム66bに対応するもので、2つのスプロケット61間に張設されるラダーチェーン62において第3カム66cが第1カム66aより半周ずれた位置に配設され、第4カム66dが第2カム66bより半周ずれた位置に配設されている。
上記ユニットベース60の上面には、複数(図示の例では3つ)のリンクレバー機構67が配設されている。これらリンクレバー機構67は、ラダーチェーン62の右側において前後方向に沿って所定間隔毎に配設されている。これらリンクレバー機構67のうち、最も前方側のリンクレバー機構67は、最も前方側にある商品収納ラック10aに対応しており、中央のリンクレバー機構67は、中央の商品収納ラック10aに対応しており、最も後方側のリンクレバー機構67は、最も後方側にある商品収納ラック10aに対応している。これら3つのリンクレバー機構67は、いずれも同様の構成を有するため、ここでは最も後方側のリンクレバー機構67の構成について説明し、その他のリンクレバー機構67の説明を割愛する。
リンクレバー機構67は、図13に示すように、ユニットベース60に立設されたリンクレバー軸67aに2つの当接レバー68が軸支されており、それぞれがリンクレバー軸67aの中心軸を軸心としてその軸心回りに回転可能なものである。
2つの当接レバー68のうち第1当接レバー68aは、基端部にリンクレバー軸67aが挿通する挿通孔(図示せず)が形成されており、先端部がラダーチェーン62に近接する態様で延在しており、上方から見た場合に略三角形状を成すものである。この第1当接レバー68aは、第1カム66a及び第3カム66cの突出部661と同一の高さレベルに設けられており、先端部が第1カム66a及び第3カム66cと当接可能なものである。この第1当接レバー68aには第1伝達レバー69aが連係されている。
第1伝達レバー69aは、基端部が二股状に分岐しており、第1当接レバー68aの基端部を上下に挟み込むようにして形成されている。この第1伝達レバー69aは、図14にも示すように、基端部に形成された挿通孔691にリンクレバー軸67aが挿通することで、リンクレバー軸67aの中心軸を軸心としてその軸心回りに回転可能なものである。つまり、第1伝達レバー69aは、第1当接レバー68aと同軸上に回転可能に配設されている。このような第1伝達レバー69aは、引張バネ70を介して第1当接レバー68aに連係されており、基本的には第1当接レバー68aと一体的にリンクレバー軸67aの軸心回りに回転するものである。
また、第1伝達レバー69aの先端部には、第1ワイヤー71aの一端部が取り付けられている。第1ワイヤー71aは、図15に示すように、中継ユニット80を介して最も後方側にある商品収納ラック10aの前方側の払出機構20に連係している。より詳細に説明すると、第1ワイヤー71aの他端部は、前方側の払出機構20におけるリンク軸27aの右端部に取り付けられた第1連結板34aに取り付けられている。
第2当接レバー68bは、基端部にリンクレバー軸67aが挿通する挿通孔(図示せず)が形成されており、先端部がラダーチェーン62に近接する態様で延在しており、上方から見た場合に略三角形状を成すものである。この第2当接レバー68bは、第2カム66b及び第4カム66dの突出部661と同一の高さレベルに設けられており、先端部が第2カム66b及び第4カム66dと当接可能なものである。この第2当接レバー68bには第2伝達レバー69bが連係されている。
第2伝達レバー69bは、基端部が二股状に分岐しており、第2当接レバー68bの基端部を上下に挟み込むようにして形成されている。この第2伝達レバー69bは、基端部に形成された挿通孔691にリンクレバー軸67aが挿通することで、リンクレバー軸67aの中心軸を軸心としてその軸心回りに回転可能なものである。つまり、第2伝達レバー69bは、第2当接レバー68bと同軸上に回転可能に配設されている。このような第2伝達レバー69bは、引張バネ70を介して第2当接レバー68bの連係されており、基本的には第2当接レバー68bと一体的にリンクレバー軸67aの軸心回りに回転するものである。これら第2当接レバー68bは、第1当接レバー68aと重なるように配置され、第2伝達レバー69bは、第1伝達レバー69aと重なるように配置されている。
また、第2伝達レバー69bの先端部には、第2ワイヤー71bの一端部が取り付けられている。第2ワイヤー71bは、図15に示すように、中継ユニット80を介して最も後方側にある商品収納ラック10aの後方側の払出機構20に連係している。より詳細に説明すると、第2ワイヤー71bの他端部は、後方側の払出機構20におけるリンク軸27aの右端部に取り付けられた第2連結板34bに取り付けられている。
中継ユニット80は、複数(図示の例では3つ)設けられており、3つのリンクレバー機構67に対応して前後方向に沿って設けられている。これら3つの中継ユニット80は同様の構成を有しているので、ここでは最も後方側に位置する中継ユニット80について説明し、その他の中継ユニット80の説明を割愛する。
上記中継ユニット80は、ユニット本体部80aを備えている。ユニット本体部80aは、ユニットベース60の左端側上面の一部を切り起こすことにより形成された取付片72に図示せぬ取付部材を介して取り付けられている。ユニット本体部80aには、図16に示すように、プーリ81、売切検知スイッチ82、売切伝達部材83が配設されている。
プーリ81は、ユニット本体部80aの中央部分において回転可能に配設されている。このプーリ81は、2つの案内溝部811が外周面に沿って形成されており、一方の案内溝部811には第1ワイヤー71aが案内され、他方の案内溝部811には第2ワイヤー71bが案内されている。つまり、プーリ81は、第1ワイヤー71a及び第2ワイヤー71bの延在方向を変更するものである。そして、かかるプーリ81により、第1ワイヤー71a及び第2ワイヤー71bは、商品収納ラック10aにおける右側のベース側板11、すなわち可動側板40が配設された左側のベース側板11とは異なる他方のベース側板11の外面に這うように配設されている。より詳細には、図17に示すように、商品収納ラック10aを構成するベース側板11は、強度保持のために前端部111及び後端部112が折り畳まれた形状を成しており、ベース側板11の外面に形成された外面凹部113に第1ワイヤー71a及び第2ワイヤー71bが這うように配設されている。
売切検知スイッチ82は、2つ設けられており、それぞれがマイクロスイッチである。これら売切検知スイッチ82は、図示せぬ接触子が押圧されるとオン状態となって、その旨をオン信号として払出制御部65に与えるものである。一方、接触子が押圧されない状態では、オフ状態となっている。
売切伝達部材83は、2つ設けられており、それぞれが前後一対となる態様で配設されている。より詳細には、前方側の第1売切伝達部材83aは、略板状の形態を成しており、自身の中央部に形成された第1軸支孔831にユニット本体部80aより右方に向けて突出する第1突状軸部801が挿通することで、該第1突状軸部801の中心軸を軸心としてその軸心回りに回転可能となるものである。この第1売切伝達部材83aは、前方側の第1売切検知スイッチ82aと対向する面に、該第1売切検知スイッチ82aに向けて突出する第1押圧片(図示せず)が形成されている。また、第1売切伝達部材83aとユニット本体部80aとの間には伝達バネ84が介装されている。この伝達バネ84は、第1押圧片が第1売切検知スイッチ82aの接触子を常時押圧するよう付勢するものである。更に、第1売切伝達部材83aには、第1ケーブル85aが取り付けられている。この第1ケーブル85aは、図15に示すように、最も後方側にある商品収納ラック10aの前方側の払出機構20に連係している。より詳細に説明すると、第1ケーブル85aの他端部は、前方側の払出機構20におけるレバー軸32の右端部に取り付けられた扇形状の第1売切連結板35aに取り付けられている。この際、第1ケーブル85aも上記第1ワイヤー71a及び第2ワイヤー71bと同様に、ベース側板11の外面に形成された外面凹部113に這うように配設されている。
後方側の第2売切伝達部材83bは、略板状の形態を成しており、自身の中央部に形成された第2軸支孔832にユニット本体部80aより右方に向けて突出する第2突状軸部802が挿通することで、該第2突状軸部802の中心軸を軸心としてその軸心回りに回転可能となるものである。この第2売切伝達部材83bは、後方側の第2売切検知スイッチ82bと対向する面に、該第2売切検知スイッチ82bに向けて突出する第2押圧片833が形成されている。また、第2売切伝達部材83bとユニット本体部80aとの間には伝達バネ(図示せず)が介装されている。この伝達バネは、第2押圧片833が第2売切検知スイッチ82bの接触子を常時押圧するよう付勢するものである。更に、第2売切伝達部材83bには、第2ケーブル85bが取り付けられている。この第2ケーブル85bは、図15に示すように、最も後方側にある商品収納ラック10aの後方側の払出機構20に連係している。より詳細に説明すると、第2ケーブル85bの他端部は、後方側の払出機構20におけるレバー軸32の右端部に取り付けられた扇形状の第2売切連結板35bに取り付けられている。この際、第2ケーブル85bも上記第1ケーブル85aと同様に、ベース側板11の外面に形成された外面凹部113に這うように配設されている。
以上のように構成した商品払出装置10においては、待機状態では次のようになっている。払出駆動ユニット10bにおいては、払出制御部65により第1カム66aがポジション(イ)の位置に位置し、第2カム66bがポジション(ハ)の位置に位置している。そして、払出機構20においてはリンクバネ30の付勢力によりペダルリンク部材27が下方に配置された状態にあることから、リンク軸27aに第1ワイヤー71a及び第2ワイヤー71bを介して連係されるリンクレバー機構67の第1当接レバー68a及び第2当接レバー68bは、重なりながらそれぞれ先端部が図11に示すようにラダーチェーン62に近接する待機姿勢となっている。このように第1当接レバー68a及び第2当接レバー68bが待機姿勢にあっても、第1カム66aがポジション(イ)に位置し、第2カム66bがポジション(ハ)に位置することからカム66とリンクレバー機構67とは非接触な状態となっている。
ところで、払出機構20では、ペダルリンク部材27が下方に配置された状態にあることから、図7に示すようにペダルストッパピン28bが規制位置に配置されており、回動ストッパ部材29の退行移動を規制している。これにより、退行移動が規制された回動ストッパ部材29のペダル操作軸29aが下ペダル部材24の案内溝243の嵌入部243aに嵌入され、進出位置に配置された下ペダル部材24の退行移動が規制されている。この結果、下ペダル部材24に当接した最下位の商品の下方への移動が規制され、商品収納通路13に商品がそれぞれ横倒し姿勢で収納されている。かかる待機状態においては、上ペダル部材25は、上ペダル部材バネに付勢され、かつ凹部252にストッパピン28aが当接することにより、商品収納通路13から退行移動した初期位置(待機位置)に待機することになる。
そして、払出機構20では、売切検知レバー31も商品収納通路13に収納される商品に押圧されてレバーバネ33の付勢力に抗して商品収納通路13から退行移動した状態にある。これにより、レバー軸32に第1ケーブル85a及び第2ケーブル85bを介して連係される中継ユニット80の第1売切伝達部材83a及び第2売切伝達部材83bは、それぞれ伝達バネ84の付勢力に抗して回転した姿勢にあり、第1押圧片が第1売切検知スイッチ82aの接触子に離隔し、第2押圧片833が第2売切検知スイッチ82bの接触子から離隔した状態にある。そのため、第1売切検知スイッチ82a及び第2売切検知スイッチ82bはオフ状態となっている。
このような待機状態において利用者の商品購入操作により自販機制御部より払出制御部65に払出指令が与えられると、商品払出装置10は次のように動作する。ここでは、最も後方側の商品収納ラック10aにおける前方側の商品収納通路13に収納された商品に対して払出指令が与えられたものとする。
払出指令が与えられた払出制御部65は、モータ63bを正転駆動させて駆動スプロケット61aを上方から見て時計回りに回転させる。これにより、ラダーチェーン62は、上方から見て時計回りの方向に向けて延在方向に沿って変位することとなり、図18に示すように第1カム66aをポジション(ハ)まで移動させる。
ところで、第1カム66aがポジション(イ)からポジション(ハ)に向けて移動する際に、最も後方側にあるリンクレバー機構67の第1当接レバー68aの先端部に接触することとなる。しかしながら、上方から見て時計回りに変位するラダーチェーン62においては、駆動スプロケット61aの左側の方が引張側となって押出側の右側よりも張力が強くなる。そのため、ポジション(イ)からポジション(ハ)に向けて移動する際に第1カム66aが第1当接レバー68aの先端部に接触しても、ラダーチェーン62が撓むことでポジション(ハ)まで容易に移動することができる。
第1カム66aがポジション(ハ)まで移動すると、払出制御部65は、モータ63bを逆転駆動させて駆動スプロケット61aを上方から見て反時計回りに回転させる。より詳細には、払出制御部65は、第1カム66aがポジション(イ)に移動するまでモータ63bを逆転駆動させる。これにより、ラダーチェーン62は、上方から見て反時計回りの方向に向けて延在方向に沿って変位することとなる。
このようにラダーチェーン62が上方から見て反時計回りの方向に向けて変位すると、第1カム66aが最も後方側にあるリンクレバー機構67の第1当接レバー68aに前方から当接する。このように前方から第1カム66aに当接された第1当接レバー68aは、第1カム66aの移動に伴って上方から見て時計回りの方向に回動する。第1当接レバー68aが回動することで引張バネ70を介して連係される第1伝達レバー69aも第1当接レバー68aと一体的に回動する。このように第1伝達レバー69aが回動することで、第1ワイヤー71aが上方に向けて引っ張られる。第1ワイヤー71aが上方に向けて引っ張られると、この第1ワイヤー71aの他端部が取り付けられた第1連結板34aを有するリンク軸27aは、軸心回りに回転し、このリンク軸27aのピニオン272に噛合する噛合部271を有するペダルリンク部材27がリンクバネ30の付勢力に抗して上方に移動を開始する。
このペダルリンク部材27の上方への移動に伴い、ストッパピン28aはストッパピン挿通孔263の下端部から上方に移動するとともに、ペダルストッパピン28bはペダルストッパピン支持溝264の下端部から上方に移動する。
このときストッパピン28aが上ペダル部材25のストッパ当接部253に当接しながら上方に移動するため、上ペダル部材25は、図8に示すように上ペダル部材バネの付勢力に抗して初期位置から進出移動する。この上ペダル部材25の進出移動は、ストッパピン28aの上方への移動により行われる。
そして、進出移動する上ペダル部材25は、図9に示すように、最下位から2番目の商品(以下、次商品ともいう)に当接し、次商品が下方に向けて移動することを規制する。
一方、回動ストッパ部材29は、進出位置に維持されている下ペダル部材24に当接した商品の荷重がかかっているので、上記ペダルストッパピン28bの上方への移動により退行移動の規制が解除されたことによって回動ストッパ部材29は退行移動を開始する。
このように回動ストッパ部材29が退行移動を開始すると、ペダル操作軸29aが嵌入部243aから抜け出し、商品の自重によって下ペダル部材バネの付勢力に抗して下ペダル部材24が退行移動を開始する。嵌入部243aから抜け出した回動ストッパ部材29のペダル操作軸29aは、第1案内部242bに沿い、第1案内部242bと第2案内部242cとが交差する位置に向けて移動する。
この後、最下位の商品の自重により下ペダル部材24が退行移動し、図9に示すように、最下位の商品の下方への移動が許容され、最下位の商品は下方に払い出される。払い出された商品は、商品シュータ5を通じて商品搬出口3aに案内され、更に商品取出口2aを介して取り出し可能な状態になる。
ここで、最下位の商品が下ペダル部材24を擦り抜けると、下ペダル部材24は下ペダル部材バネの弾性付勢力によって進出位置に向かって移動するとともに、回動ストッパ部材29もペダル操作部材バネの弾性付勢力によって進出位置に向かって移動する。下ペダル部材24及び回動ストッパ部材29が進出位置に向かって移動すると、第1案内部242bと第2案内部242cとが交差する位置に保持されていたペダル操作軸29aが嵌入部243aに向けて第2案内部242cに沿って移動し、下ペダル部材24及び回動ストッパ部材29が進出位置に復帰する。
この間、ペダルリンク部材27が上方に移動し、ストッパピン28aがストッパピン挿通孔263の上端部に位置し、かつペダルストッパピン28bがペダルストッパピン支持溝264の上端部に位置することになる。
ところで、第1当接レバー68aは、ペダルリンク部材27の上方に移動する距離が十分な大きさとなるように第1カム66aとの当接距離が十分に確保されている。つまり、第1当接レバー68aと第1カム66aとの当接距離がペダルリンク部材27の移動距離(第1伝達レバー69aの回動距離)よりも大きくなるようにされている。
そのため、第1カム66aに前方から当接された第1当接レバー68aは、第1伝達レバー69aとともに一体的に回動するが、第1伝達レバー69aが回動の上限位置に達すると、図19に示すように、引張バネ70の付勢力に抗して回動する。
その後、第1当接レバー68aと第1カム66aとの当接が解除されると、リンクバネ30にペダルリンク部材27は付勢されて下方に移動する。
このペダルリンク部材27の下方への移動により、リンク軸27aが回転して第1ワイヤー71aが下方に引っ張られることで、最も後方側にあるリンクレバー機構67の第1当接レバー68aは、初期の状態に戻る。
また、ペダルリンク部材27の下方への移動に伴い、ストッパピン28aはストッパピン挿通孔263の上端部から下方に移動するとともに、ペダルストッパピン28bはペダルストッパピン支持溝264の上端部から下方に移動する。
ペダルストッパピン28bが下方に移動すると進出位置に復帰した回動ストッパ部材29の背面側の所定部位にペダルストッパピン28bが当接する。これにより退行移動する方向への移動が規制され、下ペダル部材24は商品収納通路13に対して進出移動した位置に初期位置が設定される。
一方、上ペダル部材25は、上ペダル部材バネに付勢されて、ストッパピン28aの下方への移動に伴い退行移動する。これにより次商品の下方への移動が許容され、その後該次商品は進出移動した下ペダル部材24に当接して下方への移動が規制されて待機状態に戻る。
以上、最も後方側の商品収納ラック10aにおける前方側の商品収納通路13に収納された商品を払い出す場合について説明したが、本実施の形態では、他の商品収納通路13に収納された商品を払い出すことも可能である。
以下においては、他の商品収納通路13の商品を払い出す場合について説明する。尚、払出機構20の動作は上述した内容と同じであるから、払出駆動ユニット10bの動作を中心に説明する。
最も後方側にある商品収納ラック10aの後方側の商品収納通路13の商品を払い出す場合は、払出制御部65が、第1カム66aが待機位置であるポジション(イ)からポジション(チ)に移動するまでモータ63bを逆転駆動させる。
これにより、ラダーチェーン62は、上方から見て反時計回りの方向に向けて変位して、第2カム66bが最も後方側にあるリンクレバー機構67の第2当接レバー68bに前方から当接する。このように前方から第2カム66bに当接された第2当接レバー68bは、第2カム66bの移動に伴って上方から見て時計回りの方向に回動する。第2当接レバー68bが回動することで引張バネ70を介して連係される第2伝達レバー69bも第2当接レバー68bと一体的に回動する。このように第2伝達レバー69bが回動することで、第2ワイヤー71bが上方に向けて引っ張られる。第2ワイヤー71bが上方に向けて引っ張られると、この第2ワイヤー71bの他端部が取り付けられた第2連結板34bを有するリンク軸27aは、軸心回りに回転し、このリンク軸27aのピニオン272に噛合する噛合部271を有するペダルリンク部材27がリンクバネ30の付勢力に抗して上方に移動を開始する。このペダルリンク部材27の上方への移動により、該当する商品収納通路13では最下位の商品が払い出される。
中央の商品収納ラック10aの前方側の商品収納通路13の商品を払い出す場合は、払出制御部65が、第1カム66aが待機位置であるポジション(イ)からポジション(ホ)に移動するまでモータ63bを正転駆動させる。
これにより、ラダーチェーン62は、上方から見て時計回りの方向に向けて延在方向に沿って変位する。第1カム66aがポジション(イ)からポジション(ホ)に向けて移動する際に、最も後方側にあるリンクレバー機構67及び中央のリンクレバー機構67の第1当接レバー68aの先端部と接触し、かつ第2カム66bが中央のリンクレバー機構67の第2当接レバー68bの先端部に接触することとなる。しかしながら、上方から見て時計回りに変位するラダーチェーン62においては、駆動スプロケット61aの左側の方が引張側となって押出側の右側よりも張力が強くなる。そのため、ポジション(イ)からポジション(ハ)に向けて移動する際に第1カム66aが第1当接レバー68aの先端部に接触し第2カム66bが第2当接レバー68bに接触しても、ラダーチェーン62が撓むことでポジション(ホ)まで容易に移動することができる。
第1カム66aがポジション(ホ)まで移動すると、払出制御部65は、第1カム66aがポジション(ニ)に移動するまでモータ63bを逆転駆動させる。これにより、ラダーチェーン62は、上方から見て反時計回りの方向に向けて変位して、第1カム66aが中央のリンクレバー機構67の第1当接レバー68aに前方から当接する。このように前方から第1カム66aに当接された第1当接レバー68aは、第1カム66aの移動に伴って上方から見て時計回りの方向に回動する。第1当接レバー68aが回動することで引張バネ70を介して連係される第1伝達レバー69aも第1当接レバー68aと一体的に回動する。このように第1伝達レバー69aが回動することで、第1ワイヤー71aが上方に向けて引っ張られる。第1ワイヤー71aが上方に向けて引っ張られると、この第1ワイヤー71aの他端部が取り付けられた第1連結板34aを有するリンク軸27aは、軸心回りに回転し、このリンク軸27aのピニオン272に噛合する噛合部271を有するペダルリンク部材27がリンクバネ30の付勢力に抗して上方に移動を開始する。このペダルリンク部材27の上方への移動により、該当する商品収納通路13では最下位の商品が払い出される。
第1カム66aがポジション(ニ)まで移動すると、払出制御部65は、第3カム66cがポジション(イ)に移動するまでモータ63bを正転駆動させて待機状態に戻る。この場合、第4カム66dがポジション(ハ)に位置し、次の払出動作では、第3カム66cが第1カム66aの代わりをし、第4カム66dが第2カム66bの代わりをすることになる。
中央の商品収納ラック10aの後方側の商品収納通路13の商品を払い出す場合は、払出制御部65が、第2カム66bが待機位置であるポジション(ハ)からポジション(ホ)に移動するまでモータ63bを正転駆動させる。
これにより、ラダーチェーン62は、上方から見て時計回りの方向に向けて延在方向に沿って変位する。第2カム66bがポジション(ハ)からポジション(ホ)に向けて移動する際に、中央のリンクレバー機構67の第2当接レバー68bの先端部と接触し、かつ第1カム66aが最も後方側のリンクレバー機構67の第1当接レバー68aの先端部に接触することとなる。しかしながら、上方から見て時計回りに変位するラダーチェーン62においては、駆動スプロケット61aの左側の方が引張側となって押出側の右側よりも張力が強くなる。そのため、ポジション(ホ)からポジション(ハ)に向けて移動する際に第2カム66bが第2当接レバー68bの先端部に接触し第1カム66aが第1当接レバー68aに接触しても、ラダーチェーン62が撓むことでポジション(ホ)まで容易に移動することができる。
第2カム66bがポジション(ホ)まで移動すると、払出制御部65は、第2カム66bがポジション(ニ)に移動するまでモータ63bを逆転駆動させる。これにより、ラダーチェーン62は、上方から見て反時計回りの方向に向けて変位して、第2カム66bが中央のリンクレバー機構67の第2当接レバー68bに前方から当接する。このように前方から第2カム66bに当接された第2当接レバー68bは、第2カム66bの移動に伴って上方から見て時計回りの方向に回動する。第2当接レバー68bが回動することで引張バネ70を介して連係される第2伝達レバー69bも第2当接レバー68bと一体的に回動する。このように第2伝達レバー69bが回動することで、第2ワイヤー71bが上方に向けて引っ張られる。第2ワイヤー71bが上方に向けて引っ張られると、この第2ワイヤー71bの他端部が取り付けられた第2連結板34bを有するリンク軸27aは、軸心回りに回転し、このリンク軸27aのピニオン272に噛合する噛合部271を有するペダルリンク部材27がリンクバネ30の付勢力に抗して上方に移動を開始する。このペダルリンク部材27の上方への移動により、該当する商品収納通路13では最下位の商品が払い出される。
第2カム66bがポジション(ニ)まで移動すると、払出制御部65は、第3カム66cがポジション(イ)に移動するまでモータ63bを正転駆動させて待機状態に戻る。この場合、第4カム66dがポジション(ハ)に位置し、次の払出動作では、第3カム66cが第1カム66aの代わりをし、第4カム66dが第2カム66bの代わりをすることになる。
最も前方側にある商品収納ラック10aの前方側の商品収納通路13の商品を払い出す場合は、払出制御部65が、第1カム66aが待機位置であるポジション(イ)からポジション(ト)に移動するまでモータ63bを正転駆動させる。
これにより、ラダーチェーン62は、上方から見て時計回りの方向に向けて延在方向に沿って変位する。第1カム66aがポジション(イ)からポジション(ト)に向けて移動する際に、各リンクレバー機構67の第1当接レバー68aの先端部と接触し、かつ第2カム66bが中央のリンクレバー機構67及び最も前方側にあるリンクレバー機構67の第2当接レバー68bの先端部に接触することとなる。しかしながら、上方から見て時計回りに変位するラダーチェーン62においては、駆動スプロケット61aの左側の方が引張側となって押出側の右側よりも張力が強くなる。そのため、ポジション(イ)からポジション(ト)に向けて移動する際に第1カム66aが第1当接レバー68aの先端部に接触し第2カム66bが第2当接レバー68bに接触しても、ラダーチェーン62が撓むことでポジション(ト)まで容易に移動することができる。
第1カム66aがポジション(ト)まで移動すると、払出制御部65は、第1カム66aがポジション(ヘ)に移動するまでモータ63bを逆転駆動させる。これにより、ラダーチェーン62は、上方から見て反時計回りの方向に向けて変位して、第1カム66aが最も前方側のリンクレバー機構67の第1当接レバー68aに前方から当接する。このように前方から第1カム66aに当接された第1当接レバー68aは、第1カム66aの移動に伴って上方から見て時計回りの方向に回動する。第1当接レバー68aが回動することで引張バネ70を介して連係される第1伝達レバー69aも第1当接レバー68aと一体的に回動する。このように第1伝達レバー69aが回動することで、第1ワイヤー71aが上方に向けて引っ張られる。第1ワイヤー71aが上方に向けて引っ張られると、この第1ワイヤー71aの他端部が取り付けられた第1連結板34aを有するリンク軸27aは、軸心回りに回転し、このリンク軸27aのピニオン272に噛合する噛合部271を有するペダルリンク部材27がリンクバネ30の付勢力に抗して上方に移動を開始する。このペダルリンク部材27の上方への移動により、該当する商品収納通路13では最下位の商品が払い出される。
第1カム66aがポジション(ヘ)まで移動すると、払出制御部65は、第3カム66cがポジション(イ)に移動するまでモータ63bを正転駆動させて待機状態に戻る。この場合、第4カム66dがポジション(ハ)に位置し、次の払出動作では、第3カム66cが第1カム66aの代わりをし、第4カム66dが第2カム66bの代わりをすることになる。
最も前方側にある商品収納ラック10aの後方側の商品収納通路13の商品を払い出す場合は、払出制御部65が、第2カム66bが待機位置であるポジション(ハ)からポジション(ト)に移動するまでモータ63bを正転駆動させる。
これにより、ラダーチェーン62は、上方から見て時計回りの方向に向けて延在方向に沿って変位する。第2カム66bがポジション(ハ)からポジション(ト)に向けて移動する際に、中央のリンクレバー機構67及び最も前方側にあるリンクレバー機構67の第2当接レバー68bの先端部と接触し、かつ第1カム66aが最も後方側にあるリンクレバー機構67及び中央のリンクレバー機構67の第1当接レバー68aの先端部に接触することとなる。しかしながら、上方から見て時計回りに変位するラダーチェーン62においては、駆動スプロケット61aの左側の方が引張側となって押出側の右側よりも張力が強くなる。そのため、ポジション(ハ)からポジション(ト)に向けて移動する際に第2カム66bが第2当接レバー68bの先端部に接触し第1カム66aが第1当接レバー68aに接触しても、ラダーチェーン62が撓むことでポジション(ト)まで容易に移動することができる。
第2カム66bがポジション(ト)まで移動すると、払出制御部65は、第2カム66bがポジション(ヘ)に移動するまでモータ63bを逆転駆動させる。これにより、ラダーチェーン62は、上方から見て反時計回りの方向に向けて変位して、第2カム66bが最も前方側のリンクレバー機構67の第2当接レバー68bに前方から当接する。このように前方から第2カム66bに当接された第2当接レバー68bは、第2カム66bの移動に伴って上方から見て時計回りの方向に回動する。第2当接レバー68bが回動することで引張バネ70を介して連係される第2伝達レバー69bも第2当接レバー68bと一体的に回動する。このように第2伝達レバー69bが回動することで、第2ワイヤー71bが上方に向けて引っ張られる。第2ワイヤー71bが上方に向けて引っ張られると、この第2ワイヤー71bの他端部が取り付けられた第2連結板34bを有するリンク軸27aは、軸心回りに回転し、このリンク軸27aのピニオン272に噛合する噛合部271を有するペダルリンク部材27がリンクバネ30の付勢力に抗して上方に移動を開始する。このペダルリンク部材27の上方への移動により、該当する商品収納通路13では最下位の商品が払い出される。
第2カム66bがポジション(ヘ)まで移動すると、払出制御部65は、第3カム66cがポジション(イ)に移動するまでモータ63bを正転駆動させて待機状態に戻る。この場合、第4カム66dがポジション(ハ)に位置し、次の払出動作では、第3カム66cが第1カム66aの代わりをし、第4カム66dが第2カム66bの代わりをすることになる。
ところで、例えば前方側の商品収納通路13において商品が無くなることにより、売切検知レバー31の先端部31aがレバーバネ33に付勢されて商品収納通路13に進出移動すると、レバー軸32の右端部に取り付けられた第1売切連結板35aもレバー軸32とともに回転する結果、第1ケーブル85aを介して連係される第1売切伝達部材83aが軸心回りに回転して第1押圧片が対応する第1売切検知スイッチ82aの接触子を押圧することとなる。このように接触子が押圧されると、第1売切検知スイッチ82aはオン状態となって、オン信号を払出制御部65に与える。この結果、払出制御部65から自販機制御部に当該商品収納通路13が売切である旨が伝達されて図示せぬ売切ランプ等が点灯されることにより利用者に周知される。尚、ここでは、前方側の商品収納通路13の商品が無くなった場合について説明したが、後方側の商品収納通路13の商品が無くなった場合も同様であることは言うまでもない。
以上説明したように本実施の形態であるモータ63bは、前後3列の商品収納ラック10a(すなわち、6つの払出機構20)の共通の駆動源を構成しており、第1ワイヤー71a及び第2ワイヤー71bが、共通の駆動源からの駆動力を払出機構20のそれぞれに伝達可能な駆動力伝達手段を構成している。また、ラダーチェーン62、カム66(第1カム66a、第2カム66b、第3カム66c及び第4カム66d)と、リンクレバー機構67が、払出指令が与えられた場合に、該当する商品を収納する商品収納通路13の下部に配設された払出機構20に駆動力を伝達する駆動力伝達手段を選択して該駆動力伝達手段を通じて該払出機構20を駆動させる選択手段を構成している。
そして、上記商品払出装置10によれば、共通の駆動源であるモータ63bを商品収容庫4の上部域に配設したので、商品収容庫4の内部において最も温度環境が厳しくなる最下位の商品から最も離隔した位置に配置させることとなり、結果的にモータ63bに不具合が生ずることを抑制することができる。
しかも、共通の駆動源であるモータ63bを商品収容庫4の上部域に配設したので、払出機構20の周囲にハーネス等の配線を設ける必要がない。そのため、払出機構20の周囲に設けた配線により送風ファン6cによる送風が害される虞れがなく、これにより、商品収容庫4における風回りを良好なものとすることができ、冷却効率若しくは加熱効率の向上を図ることができる。
また、共通の駆動源であるモータ63bを商品収容庫4の上部域に配設したので、従来より空きスペースとなっていた商品収納ラック10aの上部域を有効活用することができ、モータ63b等を配設することによる商品収納ラック10aの小型化を招来する虞れがない。
更に、共通の駆動源であるモータ63bを商品収容庫4の上部域に配設したので、商品収納ラック10aの構造上空きスペースとなっていた商品収容庫4の上部域を有効活用することができ、モータ63b等を設置するための新たな領域を設ける必要がない。これにより、そのため商品収納ラック10aを小型化する必要がなく、商品収容数の低減を防止することができる。
また、上記商品払出装置10によれば、モータ63bが複数の払出機構20の共通の駆動源であるので、払出機構20それぞれに駆動源(ACソレノイド)を必要としていた従来技術に対して、駆動源等を含む部品点数の削減を行うことができ、これにより製造コストの低減化を図ることができる。
更に、上記商品払出装置10によれば、売切検知スイッチ82も商品収納ラック10aの上部域に配設したので、商品収容庫4の内部において最も温度環境が厳しくなる次期販売商品である最下位の商品から最も離隔した位置に配置させることとなり、結果的に売切検知スイッチ82に不具合が生ずることを抑制することができる。しかも払出機構20の周囲にハーネス等の配線を設ける必要がないので、払出機構20の周囲に設けた配線により送風ファン6cによる送風が害される虞れがなく、これにより、商品収容庫4における風回りを良好なものとすることができ、冷却効率若しくは加熱効率の向上を図ることができる。
また更に、上記商品払出装置10によれば、右側のベース側板11の外面に形成された外面凹部113に這うように第1ワイヤー71a及び第2ワイヤー71bを配設したので、商品収納ラック10aの構造上生ずるスペースを有効活用することでこれら第1ワイヤー71a及び第2ワイヤー71bを設けるための新たな領域を形成しなくてもよい。そのため商品収納ラック10aを小型化する必要がなく、商品収容数の低減を防止することができる。
また、上記商品払出装置10によれば、右側のベース側板11の外面に形成された外面凹部113に這うように第1ケーブル85a及び第2ケーブル85bを配設したので、商品収納ラック10aの構造上生ずるスペースを有効活用することでこれら第1ケーブル85a及び第2ケーブル85bを設けるための新たな領域を形成しなくてもよい。そのため商品収納ラック10aを小型化する必要がなく、商品収容数の低減を防止することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態では、商品収納通路13が前後に2つある商品収納ラック10aを前後3列に並べたものを対象としたが、本発明においては、商品収納ラックの数は限定されるものではなく、また各商品収納ラックにおける商品収納通路の数も限定されるものではない。
上述した実施の形態では、商品の払い出しが終了した後、第1カム66a若しくは第3カム66cをポジション(イ)まで移動させていたが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、学習機能等により最も販売されている商品に対応する払出機構を動作させるのに適した位置にカム部材を待機させるようにしてもよい。また、必要に応じてすべての商品収納ラックの商品を払い出す場合には、モータを逆転駆動させて索条体(ラダーチェーン)を上方から見て反時計回りに連続的に変位させればよい。これにより、カム部材がすべてのリンクレバー機構の当接レバーに順次当接して、すべての商品収納ラックから商品を払い出させることができる。
また、本発明においては、右側のベース側板、すなわちワイヤー部材が這うように配設されたラック側板の外面において、前後方向に沿ってスライド移動可能な払出バーを設けるようにしてもよい。かかる払出バーは、商品収納ラックの数だけ上下方向に沿って設けられており、それぞれの長さが対応する商品収納ラックにより異なるものである。また、払出バーの後端部には爪部が設けられている。このような払出バーを備えることにより、例えば災害等が発生した状況では、払出バーを前後方向にスライド移動させて爪部がワイヤー部材を押したり引っ張ったりすることで払出機構を動作させることができる。