[実施形態の概要]
第1実施形態乃至第5実施形態に係るMBMS測定制御方法は、移動通信システムのネットワークからマルチキャスト又はブロードキャストで配信されるMBMSデータに関するMBMS測定を制御するための方法である。前記MBMS測定制御方法は、前記ネットワークが、前記MBMS測定の設定に関するMBMS測定設定情報を送信するステップと、前記MBMS測定をサポートするMBMS測定対応端末が、前記MBMS測定設定情報を前記ネットワークから受信するステップと、前記MBMS測定対応端末が、前記MBMSデータの受信を開始した以降のタイミング、又は前記MBMSデータの受信に興味を持った以降のタイミングにおいて、前記MBMS測定設定情報に従った前記MBMS測定を開始するステップと、を有する。
第1実施形態乃至第5実施形態では、前記MBMS測定対応端末は、MDT、及びMBMSデータの受信の両方をサポートするユーザ端末である。
第1実施形態乃至第5実施形態では、前記MBMS測定は、MBMS参照信号受信電力の測定、MBMS参照信号受信品質の測定、MBMS SINRの測定、MBMS BLERの測定、のうち少なくとも1つを含む。
第1実施形態、第2実施形態、及び第5実施形態では、前記MBMS測定設定情報を送信するステップにおいて、前記ネットワークは、ブロードキャスト信号又はマルチキャスト信号により前記MBMS測定設定情報を送信する。
第2実施形態及び第4実施形態では、前記MBMS測定制御方法は、前記MBMS測定設定情報を受信した前記MBMS測定対応端末が、前記MBMS測定を実行可能であることを示す実行可能通知を前記ネットワークに送信するステップと、前記ネットワークが、前記MBMS測定対応端末からの前記実行可能通知を基に、前記MBMS測定を行わせる前記MBMS測定対応端末を選定するステップと、前記ネットワークが、前記選定したMBMS測定対応端末のトレースセッションを開始するステップと、前記ネットワークが、前記選定したMBMS測定対応端末に対して、MBMS測定開始通知を送信するステップと、をさらに有する。前記MBMS測定を開始するステップにおいて、前記MBMS測定開始通知を受信した前記MBMS測定対応端末は、前記MBMSデータの受信を開始した以降のタイミング、又は前記MBMSデータの受信に興味を持った以降のタイミングで、前記MBMS測定設定情報に従った前記MBMS測定を開始する。
第1実施形態、第2実施形態、及び第5実施形態では、前記MBMS測定制御方法は、前記MBMS測定をサポートしないMBMS測定非対応端末が、前記MBMS測定設定情報を受信しない、又は、前記MBMS測定設定情報を受信しても該MBMS測定設定情報を破棄するステップをさらに有する。
第1実施形態及び第2実施形態では、前記実行可能通知を送信するステップにおいて、前記MBMS測定対応端末は、前記MBMSデータを受信している場合にのみ、前記実行可能通知を前記ネットワークに送信する。
第1実施形態、第3実施形態、及び第5実施形態では、前記MBMS測定設定情報は、MBMS報告条件として定期報告型又はイベント報告型の何れかを設定する情報を含む。前記MBMS報告条件が前記定期報告型である場合、前記MBMS測定設定情報は、報告間隔をさらに含む。前記MBMS報告条件が前記イベント報告型である場合、前記MBMS測定設定情報は、報告基準値をさらに含む。前記MBMS測定制御方法は、前記MBMS測定を開始した前記MBMS測定対応端末が、前記報告間隔に対応するタイミング又は前記報告基準値が満たされたタイミングで、MBMS測定結果を前記ネットワークに報告するステップをさらに有する。
第1実施形態、第3実施形態、及び第5実施形態では、前記MBMS測定制御方法は、前記MBMS測定を開始した前記MBMS測定対応端末が、前記ネットワークから前記MBMS測定設定情報が再設定されるまで、前記MBMS測定結果の報告を継続するステップと、前記MBMS測定を開始した前記MBMS測定対応端末がソース基地局からターゲット基地局へのハンドオーバを行う場合に、当該MBMS測定対応端末に設定されている前記MBMS測定設定情報を前記ソース基地局から前記ターゲット基地局に通知するステップと、をさらに有する。
第1実施形態、第3実施形態、及び第5実施形態では、前記MBMS測定結果を報告するステップにおいて、前記MBMS測定を開始した前記MBMS測定対応端末は、位置情報、セル識別子、セル固有参照信号受信電力、セル固有参照信号受信品質、MBMSサービス識別子、MBMSサービスエリア識別子、の少なくとも何れか一つを、前記MBMS測定結果と共に前記ネットワークに報告する。
第5実施形態では、前記ネットワークが、前記MBMS測定対応端末から報告された前記MBMS測定結果に基づいて、前記MBMS測定対応端末がマルチキャスト信号の受信を継続困難と判断した場合に、ユニキャストでのグループ通信を行いたい旨をグループ通信サーバに通知するよう前記MBMS測定対応端末に指示するステップをさらに有する。
第2実施形態及び第4実施形態では、前記MBMS測定設定情報は、前記MBMS測定結果のログ条件として定期ログ型又はイベントログ型の何れかを設定するログ条件情報、前記MBMS測定結果のログ期間を設定するMBMS測定ログ期間、ネットワーク基準時間、及びトレース関連情報を含む。前記ログ条件が前記定期ログ型である場合、前記MBMS測定設定情報は、ログ間隔をさらに含む。前記ログ条件が前記イベントログ型である場合、前記MBMS測定設定情報は、ログ基準値をさらに含む。前記MBMS測定制御方法は、前記MBMS測定を開始した前記MBMS測定対応端末が、前記ログ間隔に対応するタイミング又は前記ログ基準値が満たされたタイミングで、MBMS測定結果と位置情報と前記ネットワーク基準時間からの相対時間とを含むMBMS測定ログを記憶するステップをさらに有する。前記MBMS測定ログには、セル識別子、セル固有参照信号受信電力、セル固有参照信号受信品質、MBMSサービス識別子、MBMSサービスエリア識別子、のうち少なくとも1つをさらに含めることが可能である。
第2実施形態及び第4実施形態では、前記MBMS測定設定情報には、MBMS測定エリアを設定する情報、MBMS測定周波数を設定する情報、のうち少なくとも1つをさらに含めることが可能である。前記MBMS測定制御方法は、前記MBMS測定エリアが設定される場合、前記MBMS測定対応端末が、当該設定されたMBMS測定エリアでのみ前記MBMS測定を行うステップと、前記MBMS測定エリアが設定されない場合、前記MBMS測定対応端末が、自身が接続可能なすべてのエリアで前記MBMS測定を行うステップと、前記MBMS測定周波数が設定される場合、前記MBMS測定対応端末が、当該設定されたMBMS測定周波数でのみ前記MBMS測定を行うステップと、前記MBMS測定周波数が設定されない場合、前記MBMS測定対応端末が、MBMSが提供されているすべての周波数で前記MBMS測定を行うステップと、をさらに有する。
第2実施形態及び第4実施形態では、前記MBMS測定制御方法は、前記MBMS測定対応端末が、前記MBMS測定ログを記憶するための固定サイズの記憶領域を確保するステップと、前記MBMS測定対応端末が、前記記憶領域に記憶されている前記MBMS測定ログの量が上限に達した場合に、又は前記MBMS測定ログ期間が満了した場合に、前記MBMS測定を停止するとともに、前記MBMS測定設定情報を破棄するステップと、をさらに有する。
第2実施形態及び第4実施形態では、前記MBMS測定制御方法は、前記MBMS測定対応端末が、所定のタイミングで、前記MBMS測定ログを保持していることを示す保持通知を前記ネットワークに送信するステップと、前記ネットワークが、前記MBMS測定対応端末からの前記保持通知を基に、当該MBMS測定ログの送信を前記MBMS測定対応端末に指示するステップと、前記MBMS測定対応端末が、前記ネットワークからの指示により、前記MBMS測定ログを、タイムスタンプ及びトレース関連情報と共に前記ネットワークに送信するステップと、をさらに有する。前記所定のタイミングとは、RRC Connection Setup Complete、 RRC Connection Reconfiguration Complete、RRC Connection Reestablishment Comple、の何れかのタイミングである。
第2実施形態及び第4実施形態では、前記MBMS測定を開始するステップにおいて、前記MBMS測定対応端末は、アイドル状態に遷移した後においてのみ前記MBMS測定を開始する。
第2実施形態及び第4実施形態では、前記MBMS測定制御方法は、前記MBMS測定対応端末がアイドル状態に遷移した場合に、前記MBMS測定を停止するとともに、前記MBMS測定設定情報を破棄するステップをさらに有する。
第2実施形態及び第4実施形態では、前記MBMS測定制御方法は、前記ネットワークが、前記MBMS測定ログを送信するための上りリンク割り当て情報を含むRRC Connection releaseメッセージを前記MBMS測定対応端末に送信するステップと、前記RRC Connection releaseメッセージを受信した前記MBMS測定対応端末が、前記上りリンク割り当て情報に基づいて前記MBMS測定ログを前記ネットワークに送信するステップと、をさらに有する。
第3実施形態及び第4実施形態では、前記MBMS測定設定情報を送信するステップにおいて、前記ネットワークは、ユニキャスト信号により前記MBMS測定設定情報を送信する。
第2実施形態及び第4実施形態では、前記MBMS測定制御方法は、前記ネットワークが、前記MBMS測定設定情報が送信された前記MBMS測定対応端末のトレースセッションを開始するステップをさらに有する。前記MBMS測定を開始するステップにおいて、前記MBMS測定設定情報を受信した前記MBMS測定対応端末は、前記MBMSデータの受信を開始した以降のタイミング、又は前記MBMSデータの受信に興味を持った以降のタイミングで、前記MBMS測定設定情報に従った前記MBMS測定を開始する。
第3実施形態及び第4実施形態では、前記MBMS測定制御方法は、前記MBMS測定対応端末が、前記MBMS測定をサポートしていることを示す能力通知を前記ネットワークに送信するステップをさらに有する。前記MBMS測定設定情報を送信するステップにおいて、前記ネットワークは、前記MBMS測定対応端末からの前記能力通知を基に、前記MBMS測定設定情報を前記MBMS測定対応端末に送信する。
第3実施形態及び第4実施形態では、前記MBMS測定制御方法は、前記MBMS測定対応端末が、前記MBMSデータの受信に興味を持つことを示すMBMS興味通知を前記ネットワークに送信するステップをさらに有する。前記MBMS測定設定情報を送信するステップにおいて、前記ネットワークは、前記MBMS測定対応端末からの前記MBMS興味通知を基に、前記MBMS測定設定情報を前記MBMS測定対応端末に送信する。
第3実施形態及び第4実施形態では、前記MBMS測定制御方法は、前記ネットワークが、前記MBMSデータの受信状況を前記MBMS測定対応端末に問い合わせるステップをさらに有する。前記MBMS測定設定情報を送信するステップにおいて、前記ネットワークは、前記MBMS測定対応端末からの前記受信状況を基に、前記MBMS測定設定情報を前記MBMS測定対応端末に送信する。
第1実施形態乃至第5実施形態に係るユーザ端末は、移動通信システムのネットワークからマルチキャスト又はブロードキャストで配信されるMBMSデータに関するMBMS測定をサポートする。前記ユーザ端末は、前記MBMS測定の設定に関するMBMS測定設定情報を前記ネットワークから受信する受信部と、前記MBMSデータの受信を開始した以降のタイミング、又は前記MBMSデータの受信に興味を持った以降のタイミングにおいて、前記MBMS測定設定情報に従った前記MBMS測定を開始する制御部と、を有する。
第4実施形態に係るMBMS測定制御方法は、移動通信システムのネットワークからマルチキャスト又はブロードキャストで配信されるMBMSデータに関するMBMS測定を制御するための方法である。前記MBMS測定制御方法は、前記ネットワークが、ユニキャスト信号により、前記MBMS測定の設定に関するMBMS測定設定情報を送信するステップと、前記MBMS測定をサポートするMBMS測定対応端末が、前記MBMS測定設定情報を前記ネットワークから受信するステップと、前記MBMS測定対応端末が、RRCコネクティッド状態におけるLogged MDTにより、前記MBMSデータを受信している場合に限り前記MBMS測定設定情報に従った前記MBMS測定を行うステップと、を有する。
第4実施形態では、前記MBMS測定を行うステップにおいて、前記MBMS測定対応端末は、前記MBMS測定対応端末は、RRCアイドル状態におけるLogged MDTをさらに使用して、前記MBMSデータを受信している場合に限り前記MBMS測定設定情報に従った前記MBMS測定を行う。
第6実施形態に係るMBMS測定制御方法は、移動通信システムのネットワークからマルチキャスト又はブロードキャストで配信されるMBMSデータに関するMBMS測定を制御するための方法である。前記MBMS測定制御方法は、前記MBMS測定をサポートするMBMS測定対応端末が、前記ネットワークから前記MBMSデータを受信する期間において前記MBMS測定を行うステップと、前記MBMS測定対応端末が、前記MBMSデータの受信に失敗した場合に、MBMS測定結果を位置情報と共に記憶するステップと、を有する。前記MBMS測定は、MBMS参照信号受信電力の測定、MBMS参照信号受信品質の測定、MBMS SINRの測定、MBMS BLERの測定、のうち少なくとも1つを含む。
第6実施形態では、前記MBMS測定を行うステップにおいて、前記MBMS測定対応端末は、前記ネットワークからMBMS測定設定情報を受信していない場合であっても、前記ネットワークから前記MBMSデータを受信する期間において前記MBMS測定を行う。
第6実施形態では、前記MBMS測定を行うステップにおいて、前記MBMS測定対応端末は、前記ネットワークからMBMS測定の開始指示を受信した場合にのみ、前記ネットワークから前記MBMSデータを受信する期間において前記MBMS測定を行う。
第6実施形態では、前記MBMS測定結果を記憶するステップにおいて、前記MBMS測定対応端末は、セル識別子、セル固有参照信号受信電力、セル固有参照信号受信品質、MBMSサービス識別子、MBMSサービスエリア識別子、を前記MBMS測定結果と共に記憶する。
第6実施形態では、前記MBMS測定制御方法は、前記MBMS測定対応端末が、前記MBMS測定結果を記憶する際に、タイマーを起動するステップと、前記MBMS測定対応端末が、所定のタイミングで、前記MBMS測定結果を保持していることを示す保持通知を前記ネットワークに送信するステップと、前記ネットワークが、前記MBMS測定結果の送信を希望する場合に、前記MBMS測定結果の送信要求を前記MBMS測定対応端末に送信するステップと、前記MBMS測定対応端末が、前記ネットワークからの前記送信要求を受信した場合に、前記MBMS測定結果を前記タイマーによって示される相対時間と共に前記ネットワークに送信するステップと、をさらに有する。前記所定のタイミングとは、RRC Connection Setup Complete、 RRC Connection Reconfiguration Complete、RRC Connection Reestablishment Comple、の何れかのタイミングである。
第6実施形態に係るユーザ端末は、移動通信システムのネットワークからマルチキャスト又はブロードキャストで配信されるMBMSデータに関するMBMS測定をサポートする。前記ユーザ端末は、前記ネットワークから前記MBMSデータを受信する期間において前記MBMS測定を行う制御部を有する。前記制御部は、前記MBMSデータの受信に失敗した場合に、MBMS測定結果を位置情報と共に記憶する。前記MBMS測定は、MBMS参照信号受信電力の測定、MBMS参照信号受信品質の測定、MBMS SINRの測定、MBMS BLERの測定、のうち少なくとも1つを含む。
第7実施形態に係る方法は、ネットワークからマルチキャスト又はブロードキャストでデータ配信を行うMBMSをサポートする移動通信システムにおいて、ユーザ端末が継続的にMBMSを受信するための方法である。前記方法は、基地局が、MBMSの継続受信を補助するための補助情報をブロードキャスト信号により前記ユーザ端末に送信するステップと、前記ユーザ端末が、前記基地局から受信した前記補助情報に基づいて、前記ユーザ端末が受信している又は受信に興味を持つMBMSに関するMBMS興味通知を生成するステップと、前記ユーザ端末が、前記MBMS興味通知を前記基地局に送信するステップと、を有する。前記MBMS興味通知を生成するステップは、ユニキャスト受信よりも優先するMBMS受信がグループ通信であるか否かに関連付けられた所定の情報を前記MBMS興味通知に追加するステップを含む。
第7実施形態では、前記所定の情報は、前記ユニキャスト受信よりも前記MBMS受信を優先することを示すMBMS優先度情報である。前記ユーザ端末は、前記ユニキャスト受信よりも前記MBMS受信を優先する場合で、かつ、前記ユニキャスト受信よりも優先する前記MBMS受信がグループ通信以外のMBMS受信である場合に、前記MBMS優先度情報を前記MBMS興味通知に追加する。
第7実施形態では、前記ユーザ端末は、前記ユニキャスト受信よりも前記MBMS受信を優先する場合であっても、前記ユニキャスト受信よりも優先する前記MBMS受信がグループ通信である場合には、前記MBMS優先度情報を前記MBMS興味通知に追加しない。
第7実施形態では、前記所定の情報は、前記ユニキャスト受信よりも優先する前記MBMS受信が前記グループ通信であるか否かを示す識別情報である。前記ユニキャスト受信よりも前記MBMS受信を優先する場合において、前記ユーザ端末は、前記ユニキャスト受信よりも前記MBMS受信を優先することを示すMBMS優先度情報を前記MBMS興味通知に追加する。前記ユニキャスト受信よりも前記MBMS受信を優先する場合において、前記ユーザ端末は、前記ユニキャスト受信よりも優先する前記MBMS受信がグループ通信である場合に、前記ユニキャスト受信よりも優先する前記MBMS受信が前記グループ通信であることを示す前記識別情報を前記MBMS興味通知にさらに追加する。
第7実施形態では、前記ユニキャスト受信よりも優先する前記MBMS受信がグループ通信以外のMBMS受信である場合に、前記ユニキャスト受信よりも優先する前記MBMS受信が前記グループ通信ではないことを示す前記識別情報を前記MBMS興味通知にさらに追加する、又は前記識別情報を前記MBMS興味通知に追加しない。
第7実施形態に係るユーザ端末は、ネットワークからマルチキャスト又はブロードキャストでデータ配信を行うMBMSをサポートする移動通信システムにおいて用いられる。前記ユーザ端末は、MBMSの継続受信を補助するための補助情報をブロードキャスト信号により基地局から受信する受信部と、前記基地局から受信した前記補助情報に基づいて、前記ユーザ端末が受信している又は受信に興味を持つMBMSに関するMBMS興味通知を生成する制御部と、前記MBMS興味通知を前記基地局に送信する送信部と、を有する。前記制御部は、ユニキャスト受信よりも優先するMBMS受信がグループ通信であるか否かに関連付けられた所定の情報を前記MBMS興味通知に追加する。
[第1実施形態]
以下において、本発明をLTEシステムに適用する場合の実施形態を説明する。
(1)システム構成
図1は、第1実施形態に係るLTEシステムの構成図である。
図1に示すように、第1実施形態に係るLTEシステムは、UE(User Equipment)100、E−UTRAN(Evolved−UMTS Terrestrial Radio Access Network)10、及びEPC(Evolved Packet Core)20を備える。
UE100は、ユーザ端末に相当する。UE100は、移動型の通信装置であり、セル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100の構成については後述する。
E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。E−UTRAN10は、eNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は、基地局に相当する。eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。eNB200の構成については後述する。
eNB200は、1又は複数のセルを管理しており、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータのルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能などを有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
EPC20は、コアネットワークに相当する。EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300を含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御などを行う。S−GWは、ユーザデータの転送制御を行う。MME/S−GW300は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。なお、E−UTRAN10及びEPC20は、LTEシステムのネットワークを構成する。
図2は、UE100のブロック図である。図2に示すように、UE100は、複数のアンテナ101、無線送受信機110、ユーザインターフェイス120、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機130、バッテリ140、メモリ150、及びプロセッサ160を備える。メモリ150及びプロセッサ160は、制御部を構成する。UE100は、GNSS受信機130を有していなくてもよい。また、メモリ150をプロセッサ160と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ160’としてもよい。
アンテナ101及び無線送受信機110は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機110は、プロセッサ160が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナ101から送信する。また、無線送受信機110は、アンテナ101が受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してプロセッサ160に出力する。
ユーザインターフェイス120は、UE100を所持するユーザとのインターフェイスであり、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカ、及び各種ボタンなどを含む。ユーザインターフェイス120は、ユーザからの操作を受け付けて、該操作の内容を示す信号をプロセッサ160に出力する。GNSS受信機130は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るために、GNSS信号を受信して、受信した信号をプロセッサ160に出力する。バッテリ140は、UE100の各ブロックに供給すべき電力を蓄える。
メモリ150は、プロセッサ160により実行されるプログラム、及びプロセッサ160による処理に使用される情報を記憶する。プロセッサ160は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ150に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサ160は、さらに、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサ160は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図3は、eNB200のブロック図である。図3に示すように、eNB200は、複数のアンテナ201、無線送受信機210、ネットワークインターフェイス220、メモリ230、及びプロセッサ240を備える。メモリ230及びプロセッサ240は、制御部を構成する。また、メモリ230をプロセッサ240と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサとしてもよい。
アンテナ201及び無線送受信機210は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機210は、プロセッサ240が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナ201から送信する。また、無線送受信機210は、アンテナ201が受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してプロセッサ240に出力する。
ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に用いられる。
メモリ230は、プロセッサ240により実行されるプログラム、及びプロセッサ240による処理に使用される情報を記憶する。プロセッサ240は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ230に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPUと、を含む。プロセッサ240は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。図4に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分されており、第1層は物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Media Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
物理層は、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。
MAC層は、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセス手順などを行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。eNB200のMAC層は、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式)及びUE100への割当リソースブロックを決定するスケジューラを含む。
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRC層は、制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のための制御信号(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100はRRCコネクティッド状態であり、そうでない場合、UE100はRRCアイドル状態である。
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理及びモビリティ管理などを行う。
図5は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)、上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ適用される。
図5に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成される。各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。UE100に割り当てられる無線リソース(時間・周波数リソース)のうち、周波数リソースはリソースブロックにより特定でき、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により特定できる。
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に制御信号を伝送するための物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)として使用される領域である。また、各サブフレームの残りの区間は、主にユーザデータを伝送するための物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)として使用できる領域である。
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に制御信号を伝送するための物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)として使用される領域である。各サブフレームにおける他の部分は、主にユーザデータを伝送するための物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)として使用できる領域である。
(2)MBMS
第1実施形態に係るLTEシステムは、MBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service)をサポートする。MBMSでは、UE100は、ネットワークからマルチキャスト又はブロードキャストで配信されるマルチメディアデータ(MBMSデータ)を受信する。UE100は、RRCコネクティッド状態だけでなく、RRCアイドル状態においてもMBMSデータを受信可能である。
図6は、MBMSが提供されるエリアを示す図である。図6に示すように、複数のセルにより1つのMBSFN(Multicast−Broadcast Single−Frequency Network)エリアが構成され、複数のMBSFNエリアによりMBMSサービスエリアが構成される。1つのセルは、複数のMBSFNエリアに属することができる。
図7は、MBMSに関連するネットワーク構成を示す図である。図7に示すように、BMSC(broadcast multicast service Center)310は、MBMSデータを配信する機能を提供する。MBMS−GW(MBMS gateway)320は、MBMSデータを各eNB200にブロードキャストする。MCE(Multi−cell Coordination Entity)330は、同一MBSFNエリア内の各eNB200により使用される無線リソースを制御したり、MBSFNサブフレームを設定したりする。
(3)第1実施形態に係るMBMS測定制御方法
ネットワークは、MBMSデータが良好な受信状態で受信されているか否かを把握することができない。従って、MBMSデータの受信状態を改善するためのネットワーク最適化を行うことが困難である。
一方で、LTEシステムでは、ネットワーク最適化を図るための機能として、MDT(Minimization of Drive Test)が仕様化されている。MDTには、即座報告型のMDT(Immediate MDT)及び記録型のMDT(Logged MDT)がある。しかしながら、現状のMDTは、MBMSに係る測定(MBMS測定)をサポートしていない。
第1実施形態では、MBMS測定のためにImmediate MDTを高度化することにより、MBMSデータの受信状態を改善するためのネットワーク最適化を実現可能とする。
図8は、第1実施形態に係るMBMS測定制御方法を示すシーケンス図である。図8において、UE100−1はMBMS測定対応UEであり、UE100−2はMBMS測定非対応UEである。MBMS測定対応UE100−1は、MDT、及びMBMSデータの受信の両方をサポートするUE100である。MBMS測定非対応UE100−2は、MDT、及びMBMSデータの受信の少なくとも一方をサポートしないUE100である。
図8に示すように、ステップS101において、eNB200は、ブロードキャスト信号によりMBMS測定設定情報(MBMS measurement configuration)を送信する。ブロードキャスト信号は、例えばシステム情報の一種であるSIB(System Information Block)である。また、ブロードキャスト信号は、RRCアイドル状態のUE100も受信可能である。
MBMS測定対応UE100−1は、MBMS測定設定情報を受信する。また、後述する実行可能通知を送信するMBMS測定対応UE100−1は、MBMS測定設定情報を記憶する。これに対し、MBMS測定非対応UE100−2は、MBMS測定設定情報を受信しない、又は、MBMS測定設定情報を受信しても該MBMS測定設定情報を破棄する。
第1実施形態では、MBMS測定設定情報は、MBMS報告条件として定期報告型又はイベント報告型の何れかを設定する情報を含む。MBMS報告条件が定期報告型である場合、MBMS測定設定情報は、報告の時間間隔を示す報告間隔をさらに含む。MBMS報告条件がイベント報告型である場合、MBMS測定設定情報は、報告をトリガする事象を示す報告基準値をさらに含む。
ステップS102において、MBMS測定設定情報を受信したMBMS測定対応UE100−1は、MBMS測定を実行可能であることを示す実行可能通知(Indication)をeNB200に送信する。MBMS測定対応UE100−1は、MBMSデータを受信している場合にのみ、実行可能通知をeNB200に送信してもよい。実行可能通知を送信するMBMS測定対応UE100−1は、RRCコネクティッド状態である。
ステップS103において、eNB200は、MBMS測定対応UE100−1からの実行可能通知を基に、MBMS測定を行わせるMBMS測定対応UE100−1を選定し、選定したMBMS測定対応UE100−1の設定情報を記録する。
ステップS104において、eNB200は、選定したMBMS測定対応UE100−1に対して、MBMS測定開始通知(Measurement start)を送信する。MBMS測定開始通知を受信したMBMS測定対応UE100−1は、MBMSデータの受信を開始したタイミング、又はMBMSデータの受信に興味を持ったタイミングで、MBMS測定設定情報に従ったMBMS測定を開始する。
MBMS測定は、MBMS参照信号受信電力の測定及びMBMS参照信号受信品質の測定を含む。MBMS参照信号は、セル固有参照信号とは別に設けられるMBMS用の参照信号である。さらに、MBMS測定は、MBMS SINRの測定及びMBMS BLERの測定のうち少なくとも1つを含んでもよい。MBMS SINRは、MBMSデータの受信時のSINR(Signal−to−Interference plus Noise power Ratio)である。MBMS BLERは、MBMSデータの受信時のBLER(Block Error Rate)である。
ステップS105において、MBMS測定対応UE100−1は、eNB200からマルチキャスト又はブロードキャストで配信されるMBMSデータを受信し、MBMS測定を行う。
ステップS106において、MBMS測定対応UE100−1は、MBMS測定設定情報における報告間隔に対応するタイミング又は報告基準値が満たされたタイミングで、MBMS測定結果をeNB200に報告する。MBMS測定結果は、MBMS参照信号受信電力及びMBMS参照信号受信品質を含む。さらに、MBMS測定結果は、MBMS SINR及びMBMS BLERのうち少なくとも1つを含んでもよい。
MBMS測定対応UE100−1は、位置情報、セル識別子、セル固有参照信号受信強度(RSRP)、セル固有参照信号受信品質(RSRQ)、MBMSサービス識別子、MBMSサービスエリア識別子、の少なくとも何れか一つを、MBMS測定結果と共にeNB200に報告してもよい。位置情報は、MBMS測定対応UE100−1の地理的位置を示す情報である。セル識別子は、MBMS測定対応UE100−1が接続するセルの識別子である。MBMSサービス識別子は、MBMS測定対応UE100−1が受信するMBMS(サービス)の識別子である。MBMSサービスエリア識別子は、MBMS測定対応UE100−1が接続するセルが属するMBMSサービスエリアの識別子である。
ステップS105及びステップS106の手順は、後述するステップS108でeNB200からMBMS測定設定情報が再設定されるまで継続する。
ステップS107において、eNB200は、MBMS測定を中止するか継続するかを判断する。ここでは、MBMS測定を中止すると判断したと仮定して、説明を進める。
ステップS108において、eNB200は、ブロードキャスト信号により、MBMS測定の中止を示すMBMS測定設定情報(MBMS measurement configuration)を送信する。
ステップS109において、MBMS測定の中止を示すMBMS測定設定情報を受信したMBMS測定対応UE100−1は、MBMS測定及び報告を中止する。
なお、本シーケンスの途中で、MBMS測定を開始したMBMS測定対応UE100−1が、eNB200(ソースeNB)から他のeNB200(ターゲットeNB)へのハンドオーバを行うケースも想定される。そのようなケースでは、eNB200(ソースeNB)は、MBMS測定対応UE100−1に設定されているMBMS測定設定情報(MBMS measurement configuration)をターゲットeNBに通知してもよい。例えば、ターゲットeNBに通知するUEコンテキスト情報にMBMS測定設定情報を含める。UEコンテキスト情報は、ハンドオーバ要求メッセージの情報要素である。
[第2実施形態]
以下において、第2実施形態に係るMBMS測定制御方法について、第1実施形態との相違点を主として説明する。
第2実施形態では、MBMS測定のためにLogged MDTを高度化する点で第1実施形態と異なる。また、第2実施形態は、ブロードキャスト信号によりMBMS測定設定情報(MBMS measurement configuration)を送信する点で第1実施形態と共通する。
(1)第2実施形態に係る動作シーケンス
図9は、第2実施形態に係るMBMS測定制御方法を示すシーケンス図である。ここでは、RRCアイドル状態におけるLogged MDT(Logged MDT in Idle)を想定する。上述した第1実施形態に係るMBMS測定制御方法と重複する説明については省略する。
図9に示すように、ステップS201において、eNB200は、ブロードキャスト信号によりMBMS測定設定情報(MBMS measurement configuration)を送信する。
MBMS測定対応UE100−1は、MBMS測定設定情報を受信する。また、後述する実行可能通知を送信するMBMS測定対応UE100−1は、MBMS測定設定情報を記憶する。これに対し、MBMS測定非対応UE100−2は、MBMS測定設定情報を受信しない、又は、MBMS測定設定情報を受信しても該MBMS測定設定情報を破棄する。
第2実施形態では、MBMS測定設定情報は、MBMS測定結果のログ条件として定期ログ型又はイベントログ型の何れかを設定するログ条件情報、MBMS測定結果のログ期間を設定するMBMS測定ログ期間、ネットワーク基準時間、及びトレース関連情報を含む。ログ条件が定期ログ型である場合、MBMS測定設定情報は、ログの時間間隔を示すログ間隔をさらに含む。ログ条件がイベントログ型である場合、MBMS測定設定情報は、ログをトリガする事象を示すログ基準値をさらに含む。なお、詳細については後述するが、MBMS測定ログ期間は、MBMS測定対応UE100−1がMBMS測定開始通知(Measurement start)を受信したタイミングを始点として開始される。また、トレース関連情報とは、traceReference、traceRecordingSessionRef、tce−ID−r10である。
MBMS測定設定情報には、MBMS測定エリアを設定する情報、MBMS測定周波数を設定する情報、のうち少なくとも1つをさらに含めることが可能である。これらの情報が含まれる場合の動作の詳細については後述する。MBMS測定エリアは、セル単位、トラッキングエリア単位、MBMSサービスエリア単位、又はMBSFNエリア単位で指定可能である。
ステップS202において、MBMS測定設定情報を受信したMBMS測定対応UE100−1は、MBMS測定を実行可能であることを示す実行可能通知(Indication)をeNB200に送信する。MBMS測定対応UE100−1は、MBMSデータを受信している場合にのみ、実行可能通知をeNB200に送信してもよい。実行可能通知を送信するMBMS測定対応UE100−1は、RRCコネクティッド状態である。
ステップS203において、eNB200は、MBMS測定対応UE100−1からの実行可能通知を基に、MBMS測定を行わせるMBMS測定対応UE100−1を選定し、選定したMBMS測定対応UE100−1のトレースセッションを開始する。なお、トレースセッションについては、3GPP技術仕様書「TS 32.422 §4.1.1.6」を参照されたい。
ステップS204において、eNB200は、選定したMBMS測定対応UE100−1に対して、MBMS測定開始通知(Measurement start)を送信する。MBMS測定開始通知を受信したMBMS測定対応UE100−1は、MBMS測定ログ期間に対応するタイマーを起動する。また、MBMS測定開始通知を受信したMBMS測定対応UE100−1は、RRCアイドル状態に遷移した後においてのみ、MBMS測定設定情報に従ったMBMS測定を開始する。詳細には、MBMS測定対応UE100−1は、RRCアイドル状態に遷移した後、MBMSデータの受信を開始したタイミング、又はMBMSデータの受信に興味を持ったタイミングで、MBMS測定設定情報に従ったMBMS測定を開始する。
ステップS205において、MBMS測定対応UE100−1は、eNB200からマルチキャスト又はブロードキャストで配信されるMBMSデータを受信し、MBMS測定を行う。
MBMS測定設定情報によりMBMS測定エリアが設定される場合、MBMS測定対応UE100−1は、当該設定されたMBMS測定エリアでのみMBMS測定を行う。これに対し、MBMS測定エリアが設定されない場合、MBMS測定対応UE100−1は、自身が接続可能なすべてのエリアでMBMS測定を行う。
また、MBMS測定設定情報によりMBMS測定周波数が設定される場合、MBMS測定対応UE100−1は、当該設定されたMBMS測定周波数でのみMBMS測定を行う。これに対し、MBMS測定周波数が設定されない場合、MBMS測定対応UE100−1は、MBMSが提供されているすべての周波数でMBMS測定を行う。
ステップS206において、MBMS測定対応UE100−1は、ログ間隔に対応するタイミング又はログ基準値が満たされたタイミングで、MBMS測定ログを記憶する。MBMS測定ログは、MBMS測定結果と、位置情報と、時間情報と、を含む。時間情報は、ネットワーク基準時間と、ネットワーク基準時間からの相対時間と、を含む。
MBMS測定対応UE100−1は、MBMS測定ログを記憶可能な固定サイズの記憶領域をメモリ150に確保しており、当該記憶領域にMBMS測定ログを記憶させる。記憶領域の詳細については後述する。
また、MBMS測定ログには、セル識別子、セル固有参照信号受信電力、セル固有参照信号受信品質、MBMSサービス識別子、MBMSサービスエリア識別子、のうち少なくとも1つをさらに含めることが可能である。
ステップS207において、MBMS測定対応UE100−1は、記憶領域に記憶されているMBMS測定ログの量が上限に達したか否か、及び、MBMS測定ログ期間が満了したか否かを判断する。ここでは、記憶領域に記憶されているMBMS測定ログの量が上限に達した、又はMBMS測定ログ期間が満了したと仮定して、説明を進める。
ステップS208において、MBMS測定対応UE100−1は、ロギングを中止する。詳細には、MBMS測定を停止するとともに、MBMS測定設定情報を破棄する。
ステップS209において、MBMS測定対応UE100−1は、所定のタイミングで、MBMS測定ログを保持していることを示す保持通知(Available Indication)をeNB200に送信する。所定のタイミングとは、RRC Connection Setup Complete、 RRC Connection Reconfiguration Complete、RRC Connection Reestablishment Comple、の何れかのタイミングである。
ステップS210において、eNB200は、MBMS測定対応UE100−1からの保持通知を基に、当該MBMS測定ログの送信をMBMS測定対応UE100−1に指示する。
ステップS211において、MBMS測定対応UE100−1は、eNB200からの指示により、MBMS測定ログを、タイムスタンプ及びトレース関連情報と共にeNB200に送信する。
(2)Logged MDT in Connected
上述した動作シーケンスではLogged MDT in Idleを想定していたが、RRCコネクティッド状態におけるLogged MDT(Logged MDT in Connected)のケースでは、上述した動作シーケンスが以下のように変更される。
第1に、MBMS測定開始通知を受信したMBMS測定対応UE100−1は、RRCコネクティッド状態において、MBMSデータの受信を開始したタイミング、又はMBMSデータの受信に興味を持ったタイミングで、MBMS測定設定情報に従ったMBMS測定を開始する。
第2に、MDT測定を開始したMBMS測定対応UE100−1は、ステップS207の条件判断でロギングを中止するだけでなく、RRCアイドル状態に遷移した場合にもロギングを中止する。すなわち、RRCアイドル状態に遷移した場合、MBMS測定を停止するとともに、MBMS測定設定情報を破棄する。
第3に、MBMS測定ログを送信するための方法として、eNB200は、MBMS測定ログを送信するための上りリンク割り当て情報を含むRRC Connection releaseメッセージをMBMS測定対応UE100−1に送信する。上りリンク割り当て情報は、MBMS測定ログを送信するために割り当てられた上りリンク無線リソースを示す情報である。RRC Connection releaseメッセージは、RRC接続の解放を示すメッセージである。RRC Connection releaseメッセージを受信したMBMS測定対応UE100−1は、当該上りリンク割り当て情報に基づいてMBMS測定ログをeNB200に送信する。すなわち、MBMS測定対応UE100−1は、RRC Connection releaseメッセージを受信しても、MBMS測定ログを送信するために、暫くはコネクティッド状態を保つ。そして、MBMS測定ログの送信後に、アイドル状態に移行する。
(3)UEの記憶領域
上述したように、MBMS測定対応UE100−1は、MBMS測定ログを記憶可能な固定サイズの記憶領域をメモリ150に確保しており、当該記憶領域にMBMS測定ログを記憶させる。
ここで、MBMS測定対応UE100−1には、MBMS測定を対象としない通常のLogged MDT、及びMBMS測定を対象とするLogged MDT(MBMS Logged MDT)の両方が設定されるケースが想定される。
よって、通常のLogged MDTの測定ログとMBMS Logged MDTのMBMS測定ログとをメモリ150に記憶する方法として、以下の3つの選択肢が考えられる。図10は、UE100の記憶領域を説明するための図である。
図10に示すように、第1の選択肢(Option 1)は、固定サイズの記憶領域に、通常のLogged MDTの測定ログとMBMS Logged MDTのMBMS測定ログとを混在して記憶させる方法である。
第2の選択肢(Option 2)は、固定サイズの記憶領域に、通常のLogged MDTの測定ログ用の可変サイズバッファとMBMS Logged MDTのMBMS測定ログ用の可変サイズバッファとを設ける方法である。
第3の選択肢(Option 3)は、固定サイズの記憶領域に、通常のLogged MDTの測定ログ用の固定サイズバッファとMBMS Logged MDTのMBMS測定ログ用の固定サイズバッファとを設ける方法である。
第2の選択肢及び第3の選択肢では、通常のLogged MDTの測定ログとMBMS Logged MDTのMBMS測定ログとを分けて報告することが容易である。例えば、通常のLogged MDTの測定ログを保持していることを示す保持通知と、MBMS Logged MDTのMBMS測定ログを保持していることを示す保持通知と、を別々に規定する。この場合、ネットワークは、通常のLogged MDTの測定ログとMBMS測定ログとを個別に要求及び取得することができる。
なお、第1の選択肢では、MBMS測定ログを保持しているUE100は、通常のLogged MDTと共通の保持通知を利用することになる。
[第3実施形態]
以下において、第3実施形態に係るMBMS測定制御方法について、第1実施形態及び第2実施形態との相違点を主として説明する。
第3実施形態は、MBMS測定のためにImmediate MDTを高度化する点で第1実施形態と共通する。また、第3実施形態は、ユニキャスト信号によりMBMS測定設定情報(MBMS measurement configuration)を送信する点で第1実施形態及び第2実施形態と異なる。
図11は、第3実施形態に係るMBMS測定制御方法を示すシーケンス図である。
図11に示すように、ステップS301において、MBMS測定対応UE100は、MBMS測定をサポートしていることを示す能力通知(Capability Indication)をeNB200に送信する。
ステップS302において、eNB200は、MBMS測定対応UE100からの能力通知を基に、MBMS測定を行わせるMBMS測定対応UE100を選定し、選定したMBMS測定対応UE100の設定情報を記録する。
ステップS301及びS302は、以下のように変更可能である。
ステップS301において、MBMS測定対応UE100は、MBMSデータの受信に興味を持つことを示すMBMS興味通知をeNB200に送信する。MBMS興味通知の詳細については第7実施形態で説明する。ステップS302において、eNB200は、MBMS測定対応UE100からのMBMS興味通知を基に、MBMS測定を行わせるMBMS測定対応UE100を選定する。
或いは、eNB200は、MBMSデータの受信状況をMBMS測定対応UE100に問い合わせる。この問い合せには、MBMSデータの受信に興味を持つUE100を把握するためのカウンティングプロシージャを利用できる。そして、eNB200は、MBMS測定対応UE100のMBMS受信状況を基に、MBMS測定を行わせるMBMS測定対応UE100を選定する。
ステップS303において、eNB200は、選定したMBMS測定対応UE100に対して、ユニキャスト信号によりMBMS測定設定情報(MBMS measurement configuration)を送信する。MBMS測定設定情報は、専用メッセージで送信されてもよく、通常のRRM measurementの設定メッセージに含まれていてもよい。
第3実施形態に係るMBMS測定設定情報の構成については、第1実施形態と同様である。
MBMS測定設定情報を受信したMBMS測定対応UE100は、MBMSデータの受信を開始したタイミング、又はMBMSデータの受信に興味を持ったタイミングで、MBMS測定設定情報に従ったMBMS測定を開始する。
ステップS304において、MBMS測定対応UE100は、eNB200からマルチキャスト又はブロードキャストで配信されるMBMSデータを受信し、MBMS測定を行う。
ステップS305において、MBMS測定対応UE100は、MBMS測定設定情報における報告間隔に対応するタイミング又は報告基準値が満たされたタイミングで、MBMS測定結果をeNB200に報告する。MBMS測定対応UE100−1は、位置情報、セル識別子、セル固有参照信号受信強度(RSRP)、セル固有参照信号受信品質(RSRQ)、MBMSサービス識別子、MBMSサービスエリア識別子、の少なくとも何れか一つを、MBMS測定結果と共にeNB200に報告してもよい。
ステップS304及びステップS305の手順は、後述するステップS307でeNB200からMBMS測定設定情報が再設定されるまで継続する。
ステップS306において、eNB200は、MBMS測定を中止するか継続するかを判断する。ここでは、MBMS測定を中止すると判断したと仮定して、説明を進める。
ステップS307において、eNB200は、ユニキャスト信号により、MBMS測定の中止を示すMBMS測定設定情報(MBMS measurement configuration)をMBMS測定対応UE100に送信する。
ステップS308において、MBMS測定の中止を示すMBMS測定設定情報を受信したMBMS測定対応UE100は、MBMS測定及び報告を中止する。
[第4実施形態]
以下において、第4実施形態に係るMBMS測定制御方法について、第1実施形態乃至第3実施形態との相違点を主として説明する。
第4実施形態では、MBMS測定のためにLogged MDTを高度化する点で第2実施形態と共通する。また、第4実施形態は、ユニキャスト信号によりMBMS測定設定情報(MBMS measurement configuration)を送信する点で第3実施形態と共通する。
図12は、第4実施形態に係るMBMS測定制御方法を示すシーケンス図である。
図12に示すように、ステップS401において、MBMS測定対応UE100は、MBMS測定をサポートしていることを示す能力通知(Capability Indication)をeNB200に送信する。
ステップS402において、eNB200は、MBMS測定対応UE100からの能力通知を基に、MBMS測定を行わせるMBMS測定対応UE100を選定し、選定したMBMS測定対応UE100のトレースセッションを開始する。
ステップS403において、eNB200は、選定したMBMS測定対応UE100に対して、ユニキャスト信号によりMBMS測定設定情報(MBMS measurement configuration)を送信する。MBMS測定設定情報は、専用メッセージで送信されてもよく、通常のLogged MDTの設定メッセージに含まれていてもよい。
第4実施形態に係るMBMS測定設定情報の構成については、第2実施形態と同様である。また、以降の動作(ステップS404乃至S410)については、第2実施形態と同様である。
[第5実施形態]
以下において、第5実施形態に係るMBMS測定制御方法について、第1実施形態乃至第4実施形態との相違点を主として説明する。
第5実施形態は、上述したMBMS測定制御方法を、MBMSを継続的に受信するための動作に応用する実施形態である。
図13は、第5実施形態に係る動作の概要を説明するための図である。
図13に示すように、あるMBSFNエリアでマルチキャスト又はブロードキャストで配信されているMBMSデータを受信するUE100は、当該MBSFNエリアの外に移動すると、当該MBMSデータをマルチキャスト又はブロードキャストで受信することができない。しかしながら、MBSFNエリアの外においては、UE100は、当該MBMSデータをユニキャストで受信することができる。第5実施形態では、ユニキャストへの切り替えの判断を行うために、上述したMBMS測定制御方法を応用する。
図14は、第5実施形態に係るMBMS測定制御方法を示すシーケンス図である。図14において、UE100−1は、MBMSに含まれるサービスの1つであるグループ通信を行っている。
図14に示すように、ステップS501において、eNB200は、ブロードキャスト信号により、MBMS測定設定情報(MBMS measurement configuration)を送信する。
第5実施形態に係るMBMS測定設定情報は、第1実施形態と同様に構成される。第5実施形態に係るMBMS測定設定情報は、MBMS報告条件として、イベント報告型を設定する情報を含む。また、イベント報告型の報告基準値は、例えばMBMS測定結果と比較される閾値である。この場合、MBMS測定結果が閾値を下回ったことをトリガとして報告が行われる。
第5実施形態では、ブロードキャスト信号(SIB)によりMBMS測定設定情報を送信することに代えて、マルチキャスト信号(MCCH:Multicast Control Channel又はMTCH:Multicast Traffic Channel)によりMBMS測定設定情報を送信してもよい。
ステップS502において、MBMS測定設定情報を受信したUE100−1は、MBMS測定を行う。
ステップS503において、MBMS測定を行うUE100−1は、MBMS測定結果が閾値を下回ったことをトリガとしてMBMS測定結果をeNB200に報告する。第5実施形態では、UE100−1は、位置情報をeNB200に報告しなくてもよい。また、UE100−1がユニキャストセッションを確立していなかった場合、MBMS測定結果の報告のため、ユニキャストセッションを確立してもよい。MBMS測定結果を受信したeNB200は、MBMS測定結果に基づいて、UE100−1がマルチキャスト信号の受信を継続可能か否か判断する。マルチキャスト信号の受信が不可能の場合とは、例えばMBSFNエリア境界に位置している場合などが挙げられる。
ステップS504において、UE100−1がマルチキャスト信号の受信を継続が困難と判断したeNB200は、ユニキャストでのグループ通信を行いたい旨をグループ通信サーバに通知するようUE100−1に指示する。UE100−1は、NASシグナリングにより、ユニキャストでのグループ通信を行いたい旨をグループ通信サーバに通知する。これにより、UE100−1は、グループ通信を継続することができる。
ステップS505において、UE100−1は、MBMS測定を中止する。
[第6実施形態]
以下において、第6実施形態に係るMBMS測定制御方法について、第1実施形態乃至第5実施形態との相違点を主として説明する。
第6実施形態は、MBMS測定設定情報を送信しない点で第1実施形態乃至第5実施形態とは異なる。
(第6実施形態に係るMBMS測定制御方法)
図15は、第6実施形態に係るMBMS測定制御方法を示すシーケンス図である。図15において、UE100は、MBMS測定をサポートする。
図15に示すように、ステップS601において、UE100は、eNB200からマルチキャスト又はブロードキャストで配信されるMBMSデータを受信する。UE100は、RRCアイドル状態又はRRCコネクティッド状態である。
ステップS602において、UE100は、eNB200からMBMSデータを受信する期間においてMBMS測定を行う。MBMS測定は、MBMS参照信号受信電力の測定、MBMS参照信号受信品質の測定、MBMS SINRの測定、MBMS BLERの測定、のうち少なくとも1つを含む。
UE100は、eNB200からMBMS測定設定情報を受信していない場合であっても、eNB200からMBMSデータを受信する期間においてMBMS測定を行う。
或いは、UE100は、eNB200からMBMS測定の開始指示を受信した場合にのみ、eNB200からMBMSデータを受信する期間においてMBMS測定を行ってもよい。
ステップS603において、UE100は、eNB200からマルチキャスト又はブロードキャストで配信されるMBMSデータを受信する。
ステップS604において、UE100は、MBMSデータの受信失敗を検出する。MBMSデータの受信失敗とは、MBMSデータの復号に失敗したこと、又はMBMS測定結果が所要レベルを下回ったこと(或いは、下回った時間が所定時間を超えたこと)である。
ステップS605において、MBMSデータの受信失敗を検出したUE100は、MBMS測定結果を位置情報と共に記憶する。UE100は、セル識別子、セル固有参照信号受信電力、セル固有参照信号受信品質、MBMSサービス識別子、MBMSサービスエリア識別子、をMBMS測定結果と共に記憶してもよい。UE100は、MBMS測定結果を記憶する際に、タイマーを起動する。
ステップS606において、UE100は、所定のタイミングで、MBMS測定結果を保持していることを示す保持通知をeNB200に送信する。所定のタイミングとは、RRC Connection Setup Complete、 RRC Connection Reconfiguration Complete、RRC Connection Reestablishment Comple、の何れかのタイミングである。
ステップS607において、保持通知を受信したeNB200は、MBMS測定結果の送信を希望する場合に、MBMS測定結果の送信要求をUE100に送信する。
ステップS608において、UE100は、eNB200からの送信要求を受信した場合に、タイマーによって示される相対時間(時間情報)と共にMBMS測定結果をeNB200に送信する。
[第7実施形態]
以下において、第7実施形態について、第1実施形態乃至第6実施形態との相違点を主として説明する。
第7実施形態は、MBMSのうちグループ通信を継続するための動作に着目した実施形態である。MBMSの受信継続をサポートするために、リリース11においてMBMS興味通知(MBMS Interest Indication)が導入されている。MBMS興味通知は、UE100からeNB200に送信され、UE100が受信している又は受信に興味を持つMBMSに関する情報をeNB200に提供する。eNB200は、MBMS興味通知に基づいてUE100のハンドオーバを行う。
MBMSのうちグループ通信は、下りリンクはブロードキャスト又はマルチキャストで送信されるが、上りリンクはユニキャストで送信される。現行のMBMS興味通知では、このようなグループ通信の特殊性が考慮されていないため、MBMS興味通知に基づいて不適切なハンドオーバが行われる可能性がある。例えば、ハンドオーバ先において上りリンクでユニキャストを利用できないケースでは、グループ通信が途絶するといった問題がある。
図16は、第7実施形態に係る方法を示すシーケンス図である。第7実施形態に係る方法は、eNB200からマルチキャスト又はブロードキャストでデータ配信を行うMBMSをサポートする移動通信システムにおいて、UE100が継続的にMBMSを受信するための方法である。
図16に示すように、ステップS701において、eNB200は、MBMSの継続受信を補助するための補助情報をブロードキャスト信号(SIB15)によりUE100に送信する。
ステップS702において、UE100は、eNB200から受信した補助情報に基づいて、自UE100が受信している又は受信に興味を持つMBMSに関するMBMS興味通知を生成し、MBMS興味通知をeNB200に送信する。UE100は、ユニキャスト受信よりも優先するMBMS受信がグループ通信であるか否かに関連付けられた所定の情報(詳細については後述)をMBMS興味通知に追加する。
図17は、MBMS興味通知のメッセージ構成を示す図である。
図17に示すように、MBMS興味通知には、UE100がMRB(MBMS Point−to−Multipoint Radio Bearer)で受信している又は受信に興味を持つMBMS周波数を示す周波数情報E1と、ユニキャスト受信よりもMBMS受信を優先することを示すMBMS優先度情報E2と、を含めることが可能である。現行仕様では、周波数情報E1が示すMBMS周波数の受信を、ユニキャストベアラの受信よりも優先する場合に、MBMS優先度情報E2がMBMS興味通知に追加される。
第7実施形態のパターン1では、所定の情報は、MBMS優先度情報E2である。UE100は、ユニキャスト受信よりもMBMS受信を優先する場合で、かつ、ユニキャスト受信よりも優先するMBMS受信がグループ通信以外のMBMS受信である場合に、MBMS優先度情報E2をMBMS興味通知に追加する。そうでない場合には、MBMS優先度情報E2はMBMS興味通知に追加されない。
第7実施形態のパターン1では、UE100は、ユニキャスト受信よりもMBMS受信を優先する場合であっても、ユニキャスト受信よりも優先するMBMS受信がグループ通信である場合には、MBMS優先度情報E2をMBMS興味通知に追加しない。
これにより、ユニキャスト受信及びグループ通信の受信よりも優先するMBMS受信がグループ通信以外のMBMS受信(例えば放送型のMBMS受信)である場合に限り、MBMS優先度情報E2がMBMS興味通知に追加されることになる。これにより、UE100がユニキャスト受信及びグループ通信の受信よりも優先するMBMS受信が存在するか否かを識別できる。
第7実施形態のパターン2では、所定の情報は、ユニキャスト受信よりも優先するMBMS受信がグループ通信であるか否かを示す識別情報(すなわち、新たな情報要素)である。ユニキャスト受信よりもMBMS受信を優先する場合において、UE100は、ユニキャスト受信よりもMBMS受信を優先することを示すMBMS優先度情報E2をMBMS興味通知に追加する。また、ユニキャスト受信よりもMBMS受信を優先する場合において、UE100は、ユニキャスト受信よりも優先するMBMS受信がグループ通信である場合に、ユニキャスト受信よりも優先するMBMS受信がグループ通信であることを示す識別情報をMBMS興味通知にさらに追加する。
第7実施形態のパターン2では、UE100は、ユニキャスト受信よりも優先するMBMS受信がグループ通信以外のMBMS受信である場合に、ユニキャスト受信よりも優先するMBMS受信がグループ通信ではないことを示す識別情報をMBMS興味通知にさらに追加する、又は識別情報をMBMS興味通知に追加しない。
これにより、識別情報に基づいて、UE100がユニキャスト受信よりも優先するMBMS受信がグループ通信であるか否かを識別できる。
[その他の実施形態]
上述した実施形態では、eNB200はネットワーク基準時間をMBMS測定設定情報に含めてUE100に送信していたが、MBMS測定開始通知に含めてUE100に送信してもよい。
上述した実施形態では、eNB200はMBMS測定ログ期間に対応するタイマーを、MBMS測定開始通知を受信した後に開始しているが、MBMS測定設定情報を受信したタイミングで開始してもよい。
上述した実施形態では、eNB200はトレース関連情報をMBMS測定設定情報に含めてUE100に送信していたが、MBMS測定開始通知に含めてUE100に送信してもよい。
上述した実施形態では、Logged MDT in Connectedの場合に、アイドル状態に移行するタイミングでmeasurement configurationを削除していたが、削除せずコネクティッド状態に戻ったタイミングで当該measurement configurationに基づくMDTを再開してもよい。
上述した各実施形態は、別個独立に実施する場合に限らず、2以上の実施形態を組み合わせて実施してもよい。
また、上述した各実施形態では、移動通信システムとしてLTEシステムを例示したが、LTEシステムに限らず、LTEシステム以外のシステムに本発明を適用してもよい。
[付記1]
(はじめに)
本付記は、RRC_アイドル及びRRC_コネクティッドの適用性、MDT設定、及び測定報告の必要性について取り上げる。
UEの地理的位置及びMBSFN UE測定の収集は、MDTにより実現することができる。NW及びUEの両方の複雑さを低減するために、可能な限り既存のMDTメカニズムを再利用することが望ましい。既存のMDTによれば、主な目的は、カバレッジ及びQoSに関する測定を収集することであった。カバレッジ関連測定値の収集は、すべてのUE(アイドル、コネクティッドの両方)に適用可能であると予想することが妥当である。しかしながら、MBMS関連測定については、全てのUEがMBMSサービスに興味があることは予想されない。従って、全てのUEがMBMS関連測定の収集をサポートする必要があることを期待するのは合理的ではない。そのため、MDTの問題の一部は、MBMS関連測定に適用可能なUEを決定する必要性でなりえる。そして、これらのUEは、MBMS関連測定及び報告のために設定(configure)されているかを考慮する必要がある。さらに取り組むべきその他の問題は、記録MDT(Logged MDT)及び即時MDT(Immediate MDT)の必要性である。
(MBMS関連測定)
以下の3つのMBMS関連測定が必要とされる。
・MBSFNエリアごとのMBSFN RSRP
・MBSFNエリアごとのMBSFN RSRQの適用
・MBSFNエリアごと、且つMCSごとのMCH BLER測定の適用
また、MBMS CQI及び/又はRSTDを含む他の物理層測定も検討されたが、合意に至っていない。これらの測定は、MDTの一部として含まれるべきである。
提案1:MDTによるMBMS関連測定の収集は、少なくとも、MBSFN RSRP、MBSFN RSRQ、MCSごとのMCH BLERを含み、これらは全てMBSFNエリア単位とするべきである。
(アイドルUE及びコネクティッドUE)
先に述べたように、MBMSサービスの受信に興味を持つUEのみがMBMS測定の収集のために設定されるべきであると仮定することは合理的である。MDTの観点から、MBMS関連測定の収集はNWにより制御されるため、MDTのためにどのUEを設定するかを決定することはNWの責任である。しかしながら、これまで、NWは、コネクティッドUEについてUE興味を判断することができるだけであった。具体的には、コネクティッドUEは、MBMSへの興味をNWに通知するためにMBMS興味通知及び(要求された場合には)カウンティング応答を送信することができる。これは、NWがコネクティッドUEからのMBMS興味だけを知ることができることを意味する。リリース10のMDTの大規模な研究から、アイドルUEからの測定値の収集は貴重であり、無視すべきではないと結論付けられている。これはMBMS関連測定の収集にもあてはまる。NWが直接アイドルUEからのMBMS興味を受け取ることができないからといって、アイドルUEからMBSFN測定値を得ることが重要ではないことを意味するものではない。潜在的な利益を考慮すると、NWは、アイドルUEからMBMS関連測定を収集する機会を持っている必要がある。アイドルUEからの入力がないと、NWの分析に利用可能なデータは、あまりに限定的になり得る。
見解1:コネクティッドUE及びアイドルUEからのMBMS関連測定は、何れもNWによるMBMSカバレッジの分析のために不可欠である。
(MDTの設定)
MBMS関連測定のためのMDTの設定については、下記のようにいくつかの要因が考慮される必要がある。
・MDTが記録MDT及び/又は即時MDTに基づくか
・MDTがUEごと又はセルごとに設定されるか
・MDTがアイドル・コネクティッドUEの両方でサポートされるか
しかしながら、これらの要因が考慮される前に、MBMSに興味のあるUEのみがMBMS関連測定が要求されるという基本的な仮定があるはずである。そうでなければ、UEの過剰な電力消費をもたらす。
提案2:MBMS関連測定の収集は、MBMSサービスの受信に興味のあるUEにのみ適用可能であるべきである。
(コネクティッドUEのための記録MDT又は即時MDT)
リリース10のMDTに基づき、コネクティッドUEのためのMDTは即時MDTにのみ基づいている。これは、MBMS関連測定の収集について、このアプローチを拡張することは簡単なように思われる。しかしながら、リリース10のMDTとは対照的に、MBMS関連測定は、リリース10のMDTのように既存のRRC測定に基づいていない。したがって、eNBは、即時MDTをサポートするために、MBMS固有設定をUEに提供する必要がある。
見解2:コネクティッドUEのために即時MDTがサポートされる場合、eNBは、MBMS関連測定設定をUEに提供する必要がある。
観測2に基づいて、少なくともMDT設定の観点から、コネクティッドUEについて記録MDTに対する即時MDTの特段の利点はない。したがって、コネクティッドUEについて記録MDTを指定することが適切であるかどうかを検討する必要がある。UEの観点からは、記録MDTを採用した場合、リリース10のMDTも設定されると、メモリリソース及び複数のログの処理に関してUEの複雑さが増加する。しかしながら、リリース10のMDTについては、記録MDTがアイドルにのみ適用可能であり、UEが同時に複数のログを処理する必要はない。ネットワークの観点からは、UEがすぐにMBMS関連測定を報告する場合、ネットワークはすぐに全てのMBMSカバレッジを把握し得る。しかしながら、これは、ネットワークが動的にMBSFN送信の設定を変更する場合にのみ有益となり得る。MBSFN送信はUE固有ではなく、ネットワークは動的にMBSFN送信を変更しないと予想される。記録MDTがサポートされている場合にも、ネットワークは、ネットワークが特定のMDT設定に関連する十分な情報を持っている場合、ログを取得しない選択肢を有する。これにより、不要なシグナリングを減らすことができる。
提案3:コネクティッドUEのためのMBMS関連測定の収集に記録MDT又は即時MDTのいずれを採用するかを検討する必要がある。
(UEごと又はセルごとのMDT設定)
MBMS関連測定を収集するために即時MDT又は記録MDTのいずれを採用するかに関係なく、ネットワークは明示的にUEに測定を設定する必要がある。リリース10のMDTでは、UEは、obtainLocation IE以外に明示的に即時MDTを設定される必要がない。一方、MBMSについては、UEは、明示的にMBMS関連測定を設定される必要があり得る。MBMS関連測定が専用(dedicated)シグナリングにより設定される場合、eNBは、測定設定内の興味のある適用可能なMBMS周波数を含むUE固有設定を適用する機会を持つことになる。これはシグナリング負荷の増加の代償としてもたらされる。興味のある特定の周波数以外は、eNBが一のUEと他のUEとで異なる測定を設定する必要があるとは考えにくい。そこで、専用シグナリングにより各UEを設定することが本当に必要かどうかを疑問視する必要がある。代替案として、eNBは、SIBによりMBMS関連測定を設定し、測定に関連する周波数を示してもよい。これは、SIBで指定された周波数でMBMSサービスを受信しているUEに対してのみ測定及びイベントトリガが適用可能であることを意味する。
提案4:コネクティッドUEのためにeNBがSIBによりMBMS関連測定及びイベントトリガを設定する選択肢を持つべきかどうかを検討すべきである。
(アイドルUEのためのMDT設定)
見解1で説明したように、アイドル状態のUEからの測定結果も貴重である。アイドル状態のUEのための主な懸念は、eNBが、MBMS関連測定のための適切なUEを設定する困難さである。MBMS関連測定の収集のためにアイドルUEが含まれている場合、アイドルでの記録MDTがサポートされるべきである。また、アイドルでの測定のためのUEの設定がリリース10と同じであると仮定することは簡単であろう。すなわち、UEがコネクティッドにおいて設定されており、UEがアイドルに遷移した際に測定が行われるように設定がアイドルにおいて保持される(図18参照)。
しかしながら、提案2で結論づけたように、MBMSサービスに興味のあるUEのみがこれらの測定を実行するために必要とされるべきである。コネクティッドで設定されている間にUEがMBMSサービスへの興味を示している場合でも、UEがアイドルに移行した後にMBMSに興味が残るという保証はない。一つの方法は、UEがもはやMBMSサービスに興味がない場合にはアイドルUEが測定を実行する必要がないと規定することであろう。しかしながら、UEがMBMSの興味に基づいて測定を実行するかどうかを決定する必要がある場合、他の選択肢は、アイドルUEを除いて提案4と同様に、eNBがSIBによりUEを設定し、この設定が記録MDTに特化したものとすることである(図19参照)。MDTのブロードキャスト設定では、MDT用に設定するためにアイドルUEがコネクティッドに遷移する必要はない。また、アイドル状態のUEは、前もってeNBに通知することなく、MBMSサービスを受信し始めるとすぐに、MBMS関連測定を実行し始めることができる。ブロードキャスト設定メカニズムの詳細及びトレース機能がどのように保証されるかを検討する必要がある。
提案5:eNBが、MBMS関連測定及びイベントトリガをアイドルUEのためにSIBにより設定する選択肢を持つべきかどうかを検討するべきである。
議案6:提案5が合意された場合、ブロードキャスト設定メカニズムの詳細及びどのようにトレース機能が保証されるかを検討する必要がある。
(マネジメントベースのトレース対シグナリングベースのトレース)
リリース10のMDTについて、加入者/セルトレース機能がMDTをサポートするように再利用及び拡張された。eNBがMDTを設定するためにどのUEをいかに選択するかの直接的な影響を有するので、その機能を検討することは合理的である。MDTは、特定のUEに向けて開始される場合、シグナリングベース手順が使用され、セルのトラフィックトレース手順のために、マネジメントベーストレース手順が使用されている。それのリリース12 MDTが既存のトレース機能を再利用することを検討することは合理的である。シグナリングベースが使用される場合、CNがMDTに適切なUEを選択するであろうことを前提とする。しかしながら、これは、どのUEがMBMSに興味があるかの知識をCN(EM)が有することを必要とするが、現状、想定されていない。マネジメントベースの始動では、トレース制御及び設定パラメータは、当該ネットワークエンティティに直接送信される。このアプローチでは、MDTのためのUEの選択がeNBによって決定される。eNBは、すでに特定のUEからMBMSの興味を得る多くの機会を持っているので、ベースライントレースメカニズムとしてマネジメントベースのトレースを検討するのが妥当であろう。
議案7:マネジメントベースのトレースがベースライントレースメカニズムとすることができるかどうかを検討するべきである。
[付記2]
(はじめに)
重要なテーマの一つがグループ通信のためのサービス継続性のサポートである。eMBMS又はユニキャストを用いてグループ通信を提供する同一PLMN内においてのみ、サービスの連続性が提供されるであろう。3つの典型的なシナリオ(グループ通信データ受信がPTMからPTPへ切り替えられる、若しくはPTPからPTMへ切り替えられる、又はMBSFN境界に起因してPTMからPTMへ切り替えられる)があると考えられる。この付記では、グループ通信のためのサービス継続性の分析を提供する。
(シナリオ1:PTPからPTMへの切り替え)
このシナリオでは、グループ通信データの受信がPTPからPTMに切り替わる。例えば、ユニキャストベアラを介してグループ通信サービスを受信するUEが、マルチキャストベアラを介して同じサービスを提供するターゲットセルへ移動する場合、このような状況が発生する。グループ通信サービスがPTMによっても提供される可能性があるため、MBMS可能UEは、そのようなサービスがPTMで提供されるかどうかを確認するであろう。UEは、MBMS制御チャネルの読み取りによって、このサービスの利用可能性を判断することができる。PTMを介してサービスの受信に成功した後、UEは、PTMを介してグループ通信データを受信していることをNASシグナリングによりGCSE−ASに通知し得る。そのため、PTMからPTPへ切り替えるUEにはサービス継続性は問題ではない。UEは、切り替えが完了するまで、ユニキャスト及びマルチキャストの両方を経由して同じデータを受信することがある。重複したパケットの処理はUEの実装次第であるべきであると考えられる。
リリース11のMBMS興味通知がグループ通信のためのサービス継続性の要件を満たしているか否かも評価する必要がある。現在の仕様では、eNBが、興味のあるMBMSサービスがPTMを介して提供されているセルへUEを導くことができるように、UEは、eNBにMBMS興味通知メッセージを送信することが可能である。現在の仕様では、UEが、ユニキャストベアラのうちのいずれかの受信よりも、すべての示されたMBMS周波数の受信を優先させる場合には、UEは、MBMS興味通知メッセージにMBMS優先度度を含めることができる。これは、ネットワークが混雑した場合に重要である。しかしながら、MBMS興味通知メッセージがMBMS優先度及びMBMS周波数のリストのみを含むので、eNBは、UEの興味のあるMBMSサービス(例えば、グループ通信やテレビチャネル)について把握していないかもしれない。MBMSサービスの興味を提供するセルが混雑している場合で、UEがユニキャストよりもMBMSを優先することを示している場合、E−UTRANは、UEのユニキャストベアラを解放することが可能である。そして、最悪のシナリオは、eNBがUEの興味(例えば、MBMS優先度がtrueに設定されている)に基づいて、eMBMSベアラが下りリンクのために使用される、グループ通信の受信グループメンバーを、MBMSを提供する混雑したセルに移動し、ユニキャストベアラを解放することである。グループ通信の想定として、ユニキャストベアラが上りリンク通信のために使用される。グループ通信に使用されるユニキャストベアラが解放されると、UEが混雑していない新しいセルに移動するまで、UEは、ULトラフィックを送信できない。UEが上りリンクトラフィックを送信するか否かに応じて2つの周波数の間を行き来することは好ましくない。よって、現在のE−UTRAN手順が特にNW混雑の場合のグループ通信のサービス継続のために再利用できるかどうかを検討する必要がある。
提案1:リリース11のMBMS興味通知がグループ通信のためのサービス継続性の要件を満たしているかを評価する必要がある。
(シナリオ2:PTMからPTPへの切り替え)
このシナリオでは、グループ通信データの受信がPTMからPTPに切り替えられる。この状況は、UEの移動性及びMBMSサービス停止により発生する。以下では、各ケースを詳細に分析する。
UEの移動性
典型的なユースケースの一つは、マルチキャストベアラを介してグループ通信サービスを受信するUEが、MBMSを提供する能力を持たないセル(例えばMBSFNエリア外)に移動することである。この場合、UEは、MBMS制御チャネルを読んだ後に限り、対象セル上のeMBMSで、受信しているグループ通信サービスが提供されないことに気付くであろう。UEは、MBSFNカバレッジを失った後、ユニキャストでグループ通信サービスを提供するようにGCSE−ASに依頼することになるため、サービスの継続性は保証されない。サービス継続性のいかなるギャップも回避し、グループ通信パケットがUEで中断されないように、UEは、マルチキャストベアラからユニキャストベアラへの変化をGCSE−ASに通知するためのメカニズムがあるべきである。
UEは、MBMS関連信号の受信レベルにより、グループ通信データ受信がマルチキャストシグナリングにより継続されるかどうかのより良い知識を持っているので、UEベースの解決策であることが好ましいと考えられる。UEベースの解決策が適用された場合、MBMS関連測定が使用されなければならない。二つの選択肢が考えられる。MBMS関連信号が閾値よりも弱い場合に、UEがそれをeNBに通知する、又は、(必要に応じてユニキャストベアラを設定した後)ユニキャストベアラを介して直接的にグループ通信サービスを受信することをUEがGCSE−ASに通知する。現在の3GPPアーキテクチャと整合するので、最初のアプローチが好ましい。eNB/NWは、どのUEがPTM又はPTPによりグループ通信サービスを受けるべきかを判断する責任を持っている必要がある。最初のアプローチに合意した場合、もう一つの考慮点は報告閾値が事前定義されるのか又はeNBによって設定されるかどうかである。柔軟性なオペレーションが使用可能になるので、eNBによって設定されるべきであると考えられる。例えば、MBSFNエリアの中心でMBMS信号を失う可能性が低いと想定される。よって、MBSFNエリアの中心にあるeNBは、シグナリングを減少させるために、UEにMBMS関連測定を設定しない選択肢がある。したがって、ベースラインとしてNW支援UEベースの解決策を検討すべきである。この手順はまた、リリース12前のMBMSサービス、例えばテレビ放送に適用することができる。
提案2:グループ通信データ受信をPTMからPTPに切り替える間のサービス継続性を支援するため、ベースラインとして、NW支援UEベースの解決策を検討するべきである。
MBMSサービスの停止
MBMSの典型的なユースケースの一つは、同一のMBMSサービスを受信しようとする端末の数に応じて、NWが、MBMSサービスがPTMを介して配信されるべきかどうかを決定できるようにすることである。リソース使用率でより良い効率を提供するには、興味がほとんどないMBMSサービスはブロードキャストされるべきではない。したがって、MBMSサービス停止メカニズムもグループ通信のためにサポートする必要がある。現在の仕様では、カウンティング手順は、将来及び進行中のMBMSサービスにおける興味に関するMBMS UEからのフィードバックをネットワークが受信するためにサポートされている。このメカニズムは、MBSFNを介して配信されるMBMSサービスが望ましいかどうかをNWが判断することを可能にする。簡単な検討事項は、グループ通信にカウント手順を適用することであろう。MBMSを介したグループ通信の想定は、リリース12前のMBMSとは少し異なっているので、さらなる検討が必要になり得る。eMBMSが使用されても、UEは、下りリンク伝送のACK/NACKのために、GCSE−ASへのユニキャスト上りリンク伝送を使用することができる。したがって、MBMSサービス停止をサポートするために代替のメカニズムが必要かどうかを検討する必要がある。
提案3:MBMSサービス停止メカニズムがグループ通信でサポートされるべきである。
提案3が合意された場合、NWは、サービスの継続性を提供するために、MBMSを介したサービスの提供停止前に、UEに通知する必要がある。通知を受信すると、ユニキャストベアラを介して同じサービスを受けるために、UEがGCSE−ASに知らせるための十分な時間があり得る。MBMSサービス停止決定もRAN(すなわち、MCE)によって判断することができるので、ASレイヤシグナリングを介して通知を提供することが妥当であろう。
提案4:提案3が合意された場合、NWは、AS層シグナリングを使用して、MBMSを介したサービスの提供を停止する前に、UEに通知する必要がある。
(シナリオ3:2つのPTMの切り替え)
同一MBSFNエリア内のサービス継続性がリリース11のeMBMSで議論され、E−UTRAN手順は、このシナリオでのサービス継続性のためのサポートを提供する。したがって、UEが同一MBSFNエリア内のセルからセルへ移動する場合、MBMSサービスの継続性は問題ではない。一方、サービスの継続性は、UEが、異なるMBMSサービスエリアに属する2つの異なるPTM間で移動する場合には保証されない。この問題は、当初、リリース11のMBMSで議論されたが、結論に至らず、さらなる検討の余地が残されている。サービス継続性がグループ通信のために特に重要であるので、この問題を再検討し、サービスの継続性を確保するためのメカニズムを提供するべきである。
簡単な解決策は、状況が非常に似ているので、PTMからPTPへの切り替えで対処した解決策(例えば、NW支援UEベースの解決策)を再利用することであろう。両方の場合において、弱いMBMS関連信号に起因して、UEは、PTMを介してグループ通信サービスを受信することができない。同じ解決策を異なるPTMを切り替えるシナリオに適用する場合、標準化の努力を削減することができる。
提案5:UEが、異なるMBMSサービスエリアに属する2つの異なるPTM間で移動する場合、サービスの継続性を提供するために、PTMからPTPへの切り替えの場合と同じ解決策を使用するべきである。
[相互参照]
米国仮出願第61/934272号(2014年1月31日出願)の全内容が、参照により本願明細書に組み込まれている。