JP6134114B2 - 吸収体及びこれを用いた吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、尿や経血などの体液を吸収するための失禁パッド、パンティライナー、生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられる吸収体係り、特に吸収体に凹部を設けることにより大量の体液を素早く拡散できるようにした吸収体及びこれを用いた吸収性物品に関する。
従来より、失禁パッド等の吸収性物品においては、吸収体として吸水性繊維中に高吸水性樹脂が分散混入されてなるものが知られている。高吸水性樹脂は、尿などの水分と接触すると吸水・膨潤してゲル状となり、一端吸水したならば多少の圧力を加えても離水しないなどの特性をもっている。しかも、高吸水性樹脂は自己体積の数倍にも及ぶ驚異的な吸水力を有している。
特に軽失禁パッドでは、取扱いの便宜や装着感等を考慮して小型化・薄型化が求められているが、この場合でも、膀胱に溜まった大量の尿が一気に排出される切迫性尿失禁などの症状を有する人に対してもしっかりと尿を吸収できるように、吸収体に多量の高吸水性樹脂が密に混入されている。このため、大量の尿の吸収により排尿口に対応する部分の吸収体が肌側にいち早く盛り上がり、パッド表面が排尿口に密着する結果、パッド表面と排尿口との間に尿を受け止めるスペースがなくなり、尿の拡散性が失われて尿漏れが生じやすくなるという問題があった。
尿の拡散性を向上させる技術として、下記特許文献1では、吸収体が上層吸収体と下層吸収体とからなり、上層吸収体の長手方向に沿って上層開孔部が設けられ、下層吸収体の長手方向に沿って下層溝部が設けられ、上層開孔部と下層溝部との一部を重ねて形成した吸収体凹部と、上層吸収体の上層開孔部以外の部分と下層溝部との一部を重ねて形成した通液部とを有する使い捨て吸収性物品が開示されている。
また、下記特許文献2では、第3の実施の形態として、吸収体が上層吸収体と下層吸収体とからなり、これら上層吸収体および下層吸収体の間には液拡散性シートが配設され、上層吸収体には前端縁部から長手方向に沿った開口部が形成され、この開口部では透液性表面シートと液拡散性シートとが接合された使い捨て吸収性物品が開示されている。つまり、上層吸収体の開口部には上層吸収体が配設されていないので、この開口部に位置する透液性表面シートから液が入るとすぐに、この液が液拡散性シートに伝わるようにし、この液を液拡散性シートにて拡散させようとしている。
特開2011−125537号公報 特開2006−167196号公報
しかしながら、上記特許文献1、2記載の吸収性物品では、上層吸収体の開口部が空間とされるか、表面シートが配設されるだけなので、吸収体が尿を吸収して膨潤すると、開口部周囲の吸収体が膨らんで開口が消失するおそれがあった。その結果、尿を受け止めるスペースがなくなり、尿の拡散性が失われて尿漏れが生じやすくなっていた。また、上記特許文献2記載の吸収性物品では、開口部が吸収体の前端縁部にかけて形成されているため、この前端縁部からの漏れが発生するおそれがあった。
そこで本発明の主たる課題は、一気に大量の体液が排出された場合でも、体液の拡散性を維持し漏れを防止した吸収体及びこれを用いた吸収性物品を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、肌当接面側に位置する上層吸収体と、非肌当接面側に位置するとともにパルプ中に高吸水性樹脂が含有された下層吸収体とが積層された吸収体であって、
前記上層吸収体の体液排出部に対応する位置に開口が設けられるとともに、前記開口に透液性の多孔性材料からなる閉塞部材が充填され、
前記下層吸収体に対して、前記開口と平面的に重なる位置であって、吸収体端部に接続しないとともに、前記開口より平面的に広い位置に、該下層吸収体の肌当接面側から所定の深さで凹ませた前記上層吸収体側に開放する凹部空間が設けられるとともに、前記凹部空間に親水性の液拡散用部材が充填されていることを特徴とする吸収体が提供される。
上記請求項1記載の発明では、上層吸収体の体液排出部に対応する位置に開口を設けるとともに、この開口に透液性の多孔性材料からなる閉塞部材を充填してあるため、一気に大量の体液が排出された場合でも、体液排出部に対応する位置に配設された前記閉塞部材によって液拡散性が維持できるとともに、開口周囲の吸収体が吸水して高吸水性樹脂が膨潤しても、閉塞部材が充填されているため開口が維持され、一時的に体液を受け止めるスペースを確保し続けることができる。
更に、下層吸収体に対して、前記開口と平面的に重なる位置であって、吸収体端部に接続しないとともに、前記開口より平面的に広い範囲に、該下層吸収体の肌当接面側から所定の深さで凹ませた前記上層吸収体側に開放する凹部空間を設けるとともに、この凹部空間に親水性の液拡散用部材を充填してあるため、前記開口から浸入した体液が液拡散用部材を通じて下層吸収体の凹部空間に効率良く移行され、下層吸収体の広範囲に亘って体液を拡散して吸収保持できるようになる。また、前記開口と凹部空間とが平面的に重なる位置に設けられているため、即ち開口に充填される閉塞部材と凹部空間に充填される液拡散用部材とが接触するように配置されているため、閉塞部材から液拡散用部材に効率良く体液が移行され、上層吸収体側に体液が残りにくくなる。
従って、一気に大量の体液が排出された場合でも、液拡散性が維持でき、体液の漏れが防止できるようになる。
請求項2に係る本発明として、前記閉塞部材は、連続気泡構造を有する発泡プラスチックである請求項1記載の吸収体が提供される。
上記請求項2記載の発明では、上層吸収体の開口に充填される閉塞部材の望ましい素材について規定し、連続気泡構造を有するポリウレタンフォームなどの発泡プラスチックとしている。かかる発泡プラスチックは、適度なクッション性を有しているため、開口周辺の吸収体が吸水して高吸水性樹脂が膨潤しても開口側に膨出するのを防いで、開口が維持できるようになる。
請求項3に係る本発明として、前記液拡散用部材は、親水性の不織布である請求項1、2いずれかに記載の吸収体が提供される。
上記請求項3記載の発明では、下層吸収体の凹部空間に充填される液拡散用部材の望ましい素材について規定し、液拡散性に優れた親水性の不織布を使用することができる。
請求項4に係る本発明として、前記開口は、前記吸収体の前後方向のうち少なくとも体液排出部に対応する部位を含む範囲において、幅寸法が後側より前側の方が漸次拡大するように形成されている請求項1〜3いずれかに記載の吸収体が提供される。
上記請求項4記載の発明では、上層吸収体に形成される開口の平面形状について規定している。即ち、吸収体の前後方向のうち少なくとも体液排出部に対応する部位を含む範囲において、幅寸法が後側より前側の方が漸次拡大するような平面形状で開口を形成することによって、開口に排出された体液が前側に向けて拡散しやすくなり、体液が後側に拡散して後漏れを生じるのが防止できる。
請求項5に係る本発明として、前記開口は、前記凹部空間より平面的に狭い範囲に形成されている請求項1〜4いずれかに記載の吸収体が提供される。
上記請求項5記載の発明では、前記開口と凹部空間との平面的な大きさ関係について規定し、開口を凹部空間より平面的に狭い範囲に形成することによって、開口から凹部空間に充填された液拡散用部材に体液が素早く移行できるようになるため、開口部分に体液が残りにくくなる。
請求項6に係る本発明として、前記下層吸収体に含有される高吸水性樹脂の量は、前記上層吸収体に含有される高吸水性樹脂の量よりも相対的に多くしてある請求項1〜5いずれかに記載の吸収体が提供される。
上記請求項6記載の発明では、前記下層吸収体に含有される高吸水性樹脂の量を、前記上層吸収体に含有される高吸水性樹脂の量よりも相対的に多くすることによって、下層吸収体の高吸水性樹脂に体液が吸収保持されやすくなるため、前記凹部空間の液拡散用部材に体液が残りにくくなる。
請求項7に係る本発明として、透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在された吸収性物品において、
前記吸収体として上記請求項1〜6いずれかに記載の吸収体を用いていることを特徴とする吸収性物品が提供される。
以上詳説のとおり本発明によれば、一気に大量の体液が排出された場合でも、体液の拡散性が維持でき、漏れが防止できるようになる。
本発明に係る軽失禁パッド1の一部破断展開図である。 そのII−II線矢視図(横断面図)である。 図1のIII−III線矢視図(縦断面図)である。 吸収体4の分解斜視図である。 体液の拡散状態を示す、(A)は上層吸収体4Aの平面図、(B)は下層吸収体4Bの平面図である。 開口10の拡大平面図である。 他の形態に係る開口10の拡大平面図である。 凹部空間12の拡大平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
〔軽失禁パッド1の基本構成〕
本発明に係る軽失禁パッド1は、図1及び図2に示されるように、不透液性裏面シート2と、透液性表面シート3(以下、単に表面シートともいう。)との間に、吸収体4または同図に示されるように、クレープ紙5によって囲繞された吸収体4が介在され、表面側両側部に立体ギャザーG、Gを備えた構造となっている。
前記不透液性裏面シート2は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、この他に防水フィルムを介在して実質的に不透液性を確保した上で不織布シート(この場合には、防水フィルムと不織布とで不透液性裏面シートを構成する。)などを用いることができる。近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが好適に用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートが好適に用いられる。
次いで、前記表面シート3は、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、スパンボンド法はドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法及びエアスルー法は嵩高でソフトである点で優れている。
前記不透液性裏面シート2と表面シート3との間に介在される吸収体4は、肌当接面側に位置する上層吸収体4Aと、非肌当接面側に位置する下層吸収体4Bとが積層され、必要に応じて、これらの層間をホットメルト接着剤等の接着剤により接合するか、エンボスにより圧着して一体化したものである。前記上層吸収体4Aとしては、パルプのみからなるものでもよいが、たとえばパルプ中に高吸水性樹脂を分散配置したもの、或いはパルプ中に化学繊維を混入させるとともに、高吸水性樹脂を分散配置したものを使用することが望ましい。一方、前記下層吸収体4Bは、パルプ中に高吸水性樹脂を分散配置したもの、或いはパルプ中に化学繊維を混入させるとともに、高吸水性樹脂を分散配置したものを使用する。前記パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶融パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。この吸収体4については、後段で更に詳しく説明する。
また、前記上層吸収体4A及び下層吸収体4Bにはそれぞれ、合成繊維を混合しても良い。前記合成繊維は、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロンなどのポリアミド系、及びこれらの共重合体などを使用することができるし、これら2種を混合したものであってもよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイドバイサイド型繊維、分割型繊維などの複合繊維も用いることができる。前記合成繊維は、体液に対する親和性を有するように、疎水性繊維の場合には親水化剤によって表面処理したものを用いるのが望ましい。
前記高吸水性樹脂としては、たとえばポリアクリル酸塩架橋物、自己架橋したポリアクリル酸塩、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体架橋物、ポリスルホン酸塩架橋物や、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミドなどの水膨潤性ポリマーを部分架橋したもの等が挙げられる。これらの内、吸水量、吸水速度に優れるアクリル酸またはアクリル酸塩系のものが好適である。前記吸水性能を有する高吸水性樹脂は製造プロセスにおいて、架橋密度および架橋密度勾配を調整することにより吸水力と吸水速度の調整が可能である。
前記吸収体4は、図示のように、形状保持、および尿等を速やかに拡散させるとともに、一旦吸収した尿等の逆戻りを防止するために、前記上層吸収体4Aと下層吸収体4Bとを積層した状態でクレープ紙5によって囲繞するのが望ましい。
本軽失禁パッド1の表面側両側部にはそれぞれ長手方向に沿って、かつ軽失禁パッド1の全長に亘ってサイド不織布15,15が設けられているとともに、このサイド不織布15,15の外側部分が側方に延在されるとともに、前記不透液性裏面シート2が側方に延在され、これら側方に延在されたサイド不織布15部分と不透液性裏面シート2部分とをホットメルト接着剤等により接合して側部フラップが形成されている。
前記サイド不織布15としては、重要視する機能の点から撥水処理不織布または親水処理不織布を使用することができる。たとえば、尿やおりもの等が浸透するのを防止する、あるいは肌触り感を高めるなどの機能を重視するならば、シリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いるのが望ましく、体液の吸収性を重視するならば、合成繊維の製造過程で親水基を持つ化合物、例えばポリエチレングリコールの酸化生成物などを共存させて重合させる方法や、塩化第2スズのような金属塩で処理し、表面を部分溶解し多孔性とし金属の水酸化物を沈着させる方法等により合成繊維を膨潤または多孔性とし、毛細管現象を応用して親水性を与えた親水処理不織布を用いるのが望ましい。かかるサイド不織布15としては、天然繊維、合成繊維または再生繊維などを素材として、適宜の加工法によって形成されたものを使用することができるが、好ましくは目付け量を抑えて通気性を持たせた不織布を用いるのがよい。
前記サイド不織布15の内方側は、図2に示されるように、前記サイド不織布15をほぼ二重に折り返すとともに、この二重シート内部に、その高さ方向中間部に両端または長手方向の適宜の位置が固定された1または複数の、図示例では2本の糸状弾性伸縮部材16,16が配設され、その収縮力によって前記二重シート部分を表面側に起立させた立体ギャザーG、Gが形成されている。
〔吸収体4〕
前記吸収体4は、上述の通り、図2乃至図4に示されるように、上層吸収体4Aと下層吸収体4Bとから構成されている。前記上層吸収体4A及び下層吸収体4Bを合計した吸収体全体のパルプの目付は、90g/m〜1000g/m、好ましくは100g/m〜900g/mとするのがよい。また、高吸水性樹脂の吸収体全体の目付は、10g/m〜500g/m、好ましくは15g/m〜400g/mとするのがよい。高吸水性樹脂含有量が10g/m未満の場合には、十分な吸収能を与えることができず、500g/mを超える場合にはパルプ繊維間の絡み合いが無くなり、シート強度が低下し破れや割れ等が発生し易くなる。
ここで、上層吸収体4Aに分散配置される高吸水性樹脂の目付は、下層吸収体4Bに分散配置される高吸水性樹脂の目付より相対的に小さく設定することが好ましい。即ち、上層吸収体4Aの高吸水性樹脂の目付≦下層吸収体4Bの高吸水性樹脂の目付の関係とする。これにより、尿などが上層吸収体4Aより下層吸収体4Bに吸収保持されやすくなり、上層吸収体4A中の高吸水性樹脂が吸水して膨潤したときのゲルブロッキングが防止できる。具体的に、上層吸収体4Aの高吸水性樹脂の目付としては0g/m〜250g/mが好ましく、40g/m〜250g/mがより好ましい。下層吸収体4Bの高吸水性樹脂の目付としては10g/m〜450g/mが好ましく、150g/m〜450g/mがより好ましい。
前記上層吸収体4Aの厚みは、下層吸収体4Bの厚み以下に設定することが好ましい。即ち、上層吸収体4Aの厚み≦下層吸収体4Bの厚みの関係とする。これにより、上層吸収体4Aから下層吸収体4Bに体液が移行しやすくなり、体液が下層吸収体4Bに素早く吸収保持できるようになる。具体的な上層吸収体4Aの厚みとしては3mm〜11mmが好ましく、下層吸収体4Bの厚みとしては8mm〜15mmが好ましい。
前記上層吸収体4Aと下層吸収体4Bとは、ほぼ同一の平面形状で形成され、積層状態で両者の外縁がほぼ一致するとともに、着用者の前後方向に縦長のほぼ長方形状に形成することが好ましい。
本軽失禁パッド1では、前記上層吸収体4Aは、体液排出部Hに対応する位置に、該上層吸収体4Aを貫通する開口10が設けられるとともに、前記開口10に透液性の多孔性材料からなる閉塞部材11が充填されている。
前記開口10は、体液排出部Hを含む範囲であって、これより前側に広い範囲に形成され、上層吸収体4Aが介在しない吸収体の欠損部とされている。前記開口10は、平面視で、吸収体4の前後方向のうち少なくとも体液排出部Hに対応する部位を含む範囲において、幅寸法が後側より前側の方が漸次拡大するように形成することが好ましい。図4に示される例では、体液排出部Hより後側の幅方向中央部から前側に向けて直線的に両側に拡大するとともに、前側位置で幅方向に直線で接続された、平面視三角形状に形成されている。
前記開口10に充填される閉塞部材11は、透液性が良く液保持性を有さず、且つクッション性及び復元性を有する材料であり、内部まで気泡同士が繋がった連続気泡構造とされた発泡プラスチックを用いることが望ましい。素材としては、例えばポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンなど公知のものを広く使用できるが、クッション性や透液性等の面からポリウレタンを用いることが望ましい。空隙の孔径としては、平均孔径が1mm以上のものが好ましく、空隙率としては70〜99.5%程度のものが好ましい。
かかる閉塞部材11は、平面的な大きさが前記開口21の大きさとほぼ同等としてもよいが、開口21の大きさより若干大きく形成することが好ましく、閉塞部材11を開口10に充填した状態で閉塞部材11の側面が開口21の周面を押圧するように設けることが好ましい。これにより、吸収体の吸水時に高吸水性樹脂が膨潤しても開口10側に膨出しにくくなるとともに、閉塞部材11の開口10からの脱落が防止できる。また、閉塞部材11は、厚みが前記上層吸収体4Aの厚み以下で形成され、5mm以上の厚みで形成することが好ましい。前記閉塞部材11は、上面(肌当接面)側が上層吸収体4Aの上面(肌当接面)より上側に突出しないように配設するとともに、下面(非肌当接面)側が前記上層吸収体4Aの下面(非肌当接面)と面一か若干下側に突出して設けられ、下層側の液拡散用部材13(後段で詳述)と接触するように配設することが好ましい。なお、前記閉塞部材11は、開口10の周面に対する反発力を持たせるため、多層構造とするよりも、1層構造(一体構造)のものが好ましい。
一方、前記下層吸収体4Bは、前記上層吸収体4Aの開口10に対し厚み方向に重なる位置に、前記上層吸収体4A側(肌当接面側)に開放する凹部空間12が設けられるとともに、この凹部空間12に親水性の液拡散用部材13が充填されている。
前記凹部空間12は、図4に示されるように、下層吸収体4Bの肌当接面側から所定領域を所定の深さで凹ませた部分であって、前記開口10と平面的に重なる位置に設けられるとともに、前記開口10より平面的に広い範囲に設けられている。図示例では、下層吸収体4Bの幅方向中央部に前後方向に長い長方形状に形成されているが、楕円形や小判形、菱形等の各種の平面形状で形成することも可能である。かかる凹部空間12を形成するには、この空間部分に凸部を設けた型枠への積繊や上面側からの圧搾などによって設けることができる。
前記凹部空間12の深さは、下層吸収体4Bの厚みより小さく形成してあり、1mm以上とするのが好ましく、5mm以上とするのがより好ましい。なお、凹部空間12の深さは全体に亘ってほぼ一定の深さで設けられている。
前記凹部空間12に充填される液拡散用部材13は、吸水性が良く液拡散性に優れるものであり、体液に対して親水性を有する不織布であればよい。具体的には、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることにより素材自体に親水性を有するものを用いるか、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維を親水化剤によって表面処理し親水性を付与した繊維を用いることができる。この不織布は、嵩高性を与えるためにエアスルー法又はサーマルボンド法によって製造された不織布を用いるのが望ましく、エアスルー不織布、捲縮繊維を用いた不織布、スチレン系やウレタン系に代表されるエラストマーからなる伸縮性不織布などを用いるのが好適とされる。
不織布の目付としては、20g/m2以上、好ましくは40〜100g/m2程度とするのがよい。また不織布の繊度は、1dt以上10dt以下とするのがよく、5dt程度のものが望ましい。
前記液拡散用部材13は、1層からなるものでもよいし、2層以上の多層構造からなるものでもよい。多層構造とした場合には、同じ性質の素材を積層してもよいし、例えば下層側にいくにつれて親水性あるいは拡散性が高くなるように設定されたものなどのように性質の異なる素材を積層してもよい。また、長尺の不織布を折り畳んで配設することも可能である。この場合、折り畳んだ状態での不織布目付が40g/m2以上あることが望ましい。
このような吸収体4に体液が排出されると、図5(A)に示されるように、上層吸収体4Aでは、開口10の幅寸法が体液排出部Hに対応する部位を含む範囲において後側より前側の方が漸次拡大するように形成されているため、体液が閉塞部材11の内部を前側に向けて拡散しやすくなる。これにより後漏れが防止されている。また、前記上層吸収体4Aの開口10に閉塞部材11を充填してあるため、体液排出部から一気に大量の体液が排出された場合でも、体液排出部に対応する位置に配設された閉塞部材11によって液拡散性が維持できるとともに、開口10周囲の吸収体が吸水して高吸水性樹脂が膨潤しても、閉塞部材11によって開口10側への膨出が生じにくくなり開口10の開口状態が維持でき、一時的に体液を受け止めるスペースを確保し続けることができる。
更に、図5(B)に示されるように、下層吸収体4Bでは、閉塞部材11から浸透してきた体液は、液拡散用部材13によって前後方向及び幅方向に拡散し、下層吸収体4Bに吸収保持される。また、前記下層吸収体4Bの凹部空間12に液拡散用部材13を充填してあるため、開口10から浸入した体液が液拡散用部材13を通じて下層吸収体4Bの凹部空間12に効率良く移行され、下層吸収体4Bの広範囲に亘って体液を拡散して吸収保持できるようになる。また、前記凹部空間12は前記開口10に重なる位置に設けられているため、即ち開口10に充填された閉塞部材11と凹部空間12に充填された液拡散用部材13とが接触するように配置してあるため、閉塞部材11から液拡散用部材13に効率良く体液が移行され、上層吸収体4A側に体液が残りにくくなる。
続いて、前記開口10についてより詳細に説明すると、図6に示されるように、上層吸収体4Aに対する位置としては、上層吸収体4Aの中間位置、即ち開口が吸収体端部に接続しない位置に設けられている。詳細には、幅方向に対しては中央部に設けられ、長手方向に対しては体液排出部Hを含む位置に設けられている。開口10の後端は、体液排出部Hの中央部からの距離10aが1cm以内の範囲に位置している。開口10の全長(軽失禁パッド1の前後方向長さ)10bは、3cm以上10cm以下が好ましく、3cm以上5cm以下がより好ましい。また、開口10の最大幅(軽失禁パッド1の幅方向長さのうち最大の長さ)10cは、1cm以上が好ましく、3cm以上5cm以下がより好ましい。
前記開口10の平面形状は、前述の通り軽失禁パッド1の前後方向のうち少なくとも体液排出部Hに対応する部位を含む範囲において、幅寸法が後側より前側の方が漸次拡大するように形成してあれば、上記形態例のような三角形の他、図7に示されるように、(A)台形、(B)多角形、(C)略U字形など、種々の形状で形成することができる。なお、体液排出部Hに対応する部位を含む範囲以外の範囲では、幅寸法が後側より前側の方が漸次拡大する形状又は幅方向に平行な形状のいずれでもよいが、体液の前方への拡散を阻害するような形状、具体的には幅寸法が後側より前側の方が漸次縮小する形状で形成するのは望ましくない。
次に、前記凹部空間12についてより詳細に説明すると、図8に示されるように、下層吸収体4Bに対する位置としては、前記開口10と平面的に重なる位置であって、下層吸収体4Bの中間位置、即ち凹部が吸収体端部に接続しない位置に設けられている。詳細には、幅方向に対しては中央部に設けられ、長手方向に対しては体液排出部Hを含む位置に設けられている。凹部空間12の前端は、体液排出部Hの中央部からの距離12aが5cm以上15cm以下、好ましくは9cm程度に位置している。凹部空間12の後端は、前記開口10の後端からの距離12bが5cm以上の範囲内に位置することが好ましい。凹部空間12の両側端は、前記開口10の側縁(最大幅の位置)の位置と同等又はこれより外側に位置し、開口10の側縁からの距離12cが5mm以上の範囲に位置することが好ましい。
上述の吸収体4を製造するには、先ずはじめに、高吸水性樹脂が混入されたパルプの積繊によってほぼ一定の厚みの積繊体を成形した後、凸部を備えたエンボスロール等の圧搾によって前記凹部空間12を形成した下層吸収体4Bを成形するか、予め凹部空間12の形状の凸部を有する型枠に高吸水性樹脂が混入されたパルプを積繊することによって前記凹部空間12を形成した下層吸収体4Bを成形し、前記凹部空間12に前記液拡散用部材13を配設する。また別工程にて、高吸水性樹脂が混入されたパルプを前記開口10部分を除いて積繊することによって前記上層吸収体4Aを成形し、前記下層吸収体4Bの上面に、必要に応じてホットメルト接着剤等の接合手段を介して積層する。その後、上層吸収体4Aの開口10に前記閉塞部材11を充填して吸収体4の製造工程が完了する。しかる後、必要に応じて、上層吸収体4Aと下層吸収体4Bとからなる吸収体4をクレープ紙5によって囲繞し、軽失禁パッド1の次の製造工程に送られる。
1…軽失禁パッド、2…不透液性裏面シート、3…透液性表面シート、4…吸収体、4A…上層吸収体、4B…下層吸収体、5…クレープ紙、10…開口、11…閉塞部材、12…凹部空間、13…液拡散用部材

Claims (7)

  1. 肌当接面側に位置する上層吸収体と、非肌当接面側に位置するとともにパルプ中に高吸水性樹脂が含有された下層吸収体とが積層された吸収体であって、
    前記上層吸収体の体液排出部に対応する位置に開口が設けられるとともに、前記開口に透液性の多孔性材料からなる閉塞部材が充填され、
    前記下層吸収体に対して、前記開口と平面的に重なる位置であって、吸収体端部に接続しないとともに、前記開口より平面的に広い位置に、該下層吸収体の肌当接面側から所定の深さで凹ませた前記上層吸収体側に開放する凹部空間が設けられるとともに、前記凹部空間に親水性の液拡散用部材が充填されていることを特徴とする吸収体。
  2. 前記閉塞部材は、連続気泡構造を有する発泡プラスチックである請求項1記載の吸収体。
  3. 前記液拡散用部材は、親水性の不織布である請求項1、2いずれかに記載の吸収体。
  4. 前記開口は、前記吸収体の前後方向のうち少なくとも体液排出部に対応する部位を含む範囲において、幅寸法が後側より前側の方が漸次拡大するように形成されている請求項1〜3いずれかに記載の吸収体。
  5. 前記開口は、前記凹部空間より平面的に狭い範囲に形成されている請求項1〜4いずれかに記載の吸収体。
  6. 前記下層吸収体に含有される高吸水性樹脂の量は、前記上層吸収体に含有される高吸水性樹脂の量よりも相対的に多くしてある請求項1〜5いずれかに記載の吸収体。
  7. 透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在された吸収性物品において、
    前記吸収体として上記請求項1〜6いずれかに記載の吸収体を用いていることを特徴とする吸収性物品。
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