以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、画像提供装置100の一例を概略的に示す。画像提供装置100は、画像提供システムの一例であってよい。画像提供装置100は、例えば、展示物20、再帰性反射スクリーン30及び再帰性反射スクリーン32が配置された博物館及び展示会場等の場所において、展示物20を説明するための画像を提供する。
展示物20を説明するための画像とは、例えば、展示物20が恐竜の化石である場合、恐竜の名称、重量及び生息していた時代等を説明する画像である。展示物20を説明するための画像は、静止画像であってよく、また、動画像であってもよい。
画像提供装置100は、展示物20及び再帰性反射スクリーン30に対応する位置の予め定められた領域40にウェアラブルプロジェクタ200が存在することを検出した場合に、領域40に対応付けて格納されている、展示物20を説明するための画像を当該ウェアラブルプロジェクタ200に投射させてよい。ウェアラブルプロジェクタ200は、画像投射装置の一例であってよい。
ウェアラブルプロジェクタ200は、例えば、画像提供装置100による画像の提供を受ける被提供者80によって装着される。ウェアラブルプロジェクタ200は、例えば、頭部装着型のプロジェクタであり、被提供者80の視線方向に対して画像を投射する。
予め定められた領域40の位置は、被提供者80が領域40から展示物20を見たときに、再帰性反射スクリーン30が被提供者80の視界に含まれる位置であってよい。画像提供装置100が、領域40にウェアラブルプロジェクタ200が存在することを検出した場合にウェアラブルプロジェクタ200に展示物20を説明するための画像を投射させることにより、被提供者80に、再帰性反射スクリーン30によって反射された画像と、展示物20とを併せて閲覧させることができる。
また、画像提供装置100は、展示物20及び再帰性反射スクリーン32に対応する位置の予め定められた領域42にウェアラブルプロジェクタ200が存在することを検出した場合に、領域42に対応付けて格納されている、展示物20を説明するための画像を当該ウェアラブルプロジェクタ200に投射させてよい。
予め定められた領域42の位置は、被提供者80が領域42から展示物20を見たときに、再帰性反射スクリーン32が被提供者80の視界に含まれる位置であってよい。画像提供装置100が、領域42にウェアラブルプロジェクタ200が存在することを検出した場合にウェアラブルプロジェクタ200に展示物20を説明するための画像を投射させることにより、被提供者80に、再帰性反射スクリーン32によって反射された画像と、展示物20とを併せて閲覧させることができる。
ここで、例えば、領域40において、ウェアラブルプロジェクタ200によって投射され、再帰性反射スクリーン30によって反射された展示物20を説明する動画像を被提供者80が閲覧しているときに、他のウェアラブルプロジェクタ200を装着している被提供者82が被提供者80に近づくと、被提供者82は、当該動画像を閲覧することができる。しかし、展示物20の説明を途中から見ることになってしまう。
このような場合、本実施形態によれば、被提供者82は、展示物20に対応する他の領域42に入ることによって、展示物20を説明する動画像を最初から閲覧することができる。またさらに、領域40と領域42とを離間させておくことによって、再帰性反射スクリーン30による反射光が、領域42内の被提供者82に到達してしまうことを防止できる。
なお、図1では、再帰性反射スクリーン30及び再帰性反射スクリーン32が離間して配置された場合を例に挙げているが、これに限らない。領域40及び領域42に対応する一の再帰性反射スクリーンが配置されてもよい。
また、再帰性反射スクリーン30及び再帰性反射スクリーン32に代えて、鏡面反射スクリーン等の他の反射スクリーンが配置されてもよい。鏡面反射スクリーンを採用する場合、領域40に存在するウェアラブルプロジェクタ200が投射した画像が、被提供者80に向けて反射されるように、鏡面反射スクリーンの角度等が調整される。
図2は、画像提供装置100が、ウェアラブルプロジェクタ200の姿勢に応じた画像を提供する例を示す。画像提供装置100は、例えば、ウェアラブルプロジェクタ200と無線通信して、ウェアラブルプロジェクタ200が備えるジャイロセンサ等の姿勢検出センサからウェアラブルプロジェクタ200の姿勢を示すデータを受信することによって、ウェアラブルプロジェクタ200の姿勢を検出してよい。
画像提供装置100は、領域40にウェアラブルプロジェクタ200が存在することを検出し、かつ、ウェアラブルプロジェクタ200の姿勢が、被提供者80が地面に対して平行な方向を見ていることを示す場合、展示物20を説明するための画像をウェアラブルプロジェクタ200に投射させてよい。画像提供装置100は、ウェアラブルプロジェクタ200の姿勢が、地面に対して平行な方向から上下方向に対して予め定められた角度内である場合に、被提供者80が地面に対して平行な方向をみていることを示すと判断してよい。
また、画像提供装置100は、領域40にウェアラブルプロジェクタ200が存在することを検出し、かつ、ウェアラブルプロジェクタ200の姿勢が、被提供者80が下を向いていることを示す場合、展示物20に対応する下方向の状況を説明するための画像をウェアラブルプロジェクタ200に投射させてよい。画像提供装置100は、ウェアラブルプロジェクタ200の姿勢が、地面に対して平行な方向から下方向に対して予め定められた角度を超える方向を示す場合に、被提供者80が下を向いていることを示すと判断してよい。
例えば、展示物20が恐竜の化石である場合、展示物20に対応する下方向の状況を説明するための画像は、当該恐竜が生息していた時代における地面を示す画像である。これにより、被提供者80は、地面に平行な方向を見ることによって恐竜の化石を説明するための画像を閲覧でき、下方向をみることによって、恐竜が生息していた時代における地面を閲覧することができる。
また、画像提供装置100は、領域40にウェアラブルプロジェクタ200が存在することを検出し、かつ、ウェアラブルプロジェクタ200の姿勢が、被提供者80が上を向いていることを示す場合、展示物20に対応する上方向の状況を説明するための画像をウェアラブルプロジェクタ200に投射させてよい。画像提供装置100は、ウェアラブルプロジェクタ200の姿勢が、地面に対して平行な方向から上方向に対して予め定められた角度を超える方向を示す場合に、被提供者80が上を向いていることを示すと判断してよい。
例えば、展示物20が恐竜の化石である場合、展示物20に対応する上方向の状況を説明するための画像は、当該恐竜が生息していた時代における空を示す画像である。これにより、被提供者80は、上方向をみることによって、恐竜が生息していた時代における空を閲覧することができる。
図3は、画像提供装置100が、複数の領域のそれぞれに対応付けられた複数の異なる画像を提供する例を概略的に示す。図3は、展示物20の近傍に再帰性反射スクリーン30及び再帰性反射スクリーン32が配置され、かつ、展示物22の近傍に再帰性反射スクリーン34及び再帰性反射スクリーン36が配置された場合を例に挙げて説明する。なお、ここでは、図1に示す画像提供装置100と異なる点を主に説明する。
画像提供装置100は、展示物22及び再帰性反射スクリーン34に対応する位置の予め定められた領域44にウェアラブルプロジェクタ200が存在することを検出した場合に、領域44に対応付けられている、展示物22を説明するための画像を当該ウェアラブルプロジェクタ200に投射させてよい。また、画像提供装置100は、展示物22及び再帰性反射スクリーン36に対応する位置の予め定められた領域46にウェアラブルプロジェクタ200が存在することを検出した場合に、領域46に対応付けられている、展示物22を説明するための画像を当該ウェアラブルプロジェクタ200に投射させてよい。
このように、画像提供装置100は、複数の展示物のそれぞれに対応する位置の領域にウェアラブルプロジェクタ200が存在することを検出した場合に、それぞれの領域に対応付けられている展示物を説明するための画像を当該ウェアラブルプロジェクタ200に投射させてよい。
図4は、画像提供装置100の機能構成の一例を概略的に示す。画像提供装置100は、装置検出部102、領域取得部104、識別情報取得部106、姿勢検出部108、制御部110、画像格納部120、投射指示送信部130及び画像送信部132を備える。なお、画像提供装置100がこれらのすべての構成を備えることは必須とは限らない。
装置検出部102は、予め定められた領域に、画像投射装置が存在することを検出する。装置検出部102は、任意の手法を用いて画像投射装置の存在を検出してよい。例えば、装置検出部102は、予め定められた領域に配置された不図示の重量センサと通信することによって、画像投射装置の存在を検出する。装置検出部102は、被提供者の体重に相当する重量を検出した旨を示すデータを重量センサから受信した場合に、画像投射装置が存在すると判定してよい。
また、例えば、装置検出部102は、予め定められた領域を撮像する不図示の撮像装置と通信することによって、画像投射装置の存在を検出する。装置検出部102は、撮像装置から受信した撮像画像から被提供者が検出された場合に、画像投射装置が存在すると判定してよい。また、装置検出部102は、赤外線、超音波、可視光等を用いて人間の存在を検知する人感センサと通信することによって、画像投射装置の存在を検出してもよい。
領域取得部104は、複数の予め定められた領域のうち、装置検出部102が画像投射装置の存在を検出した領域を取得する。複数の予め定められた領域のそれぞれには、領域を識別する領域識別情報が対応付けられていてよく、領域取得部104は、領域識別情報によって、複数の予め定められた領域を識別してよい。
識別情報取得部106は、装置検出部102が予め定められた領域に存在することを検出した画像投射装置を識別する装置識別情報を取得する。複数の画像投射装置のそれぞれには、予め装置識別情報が対応付けられていてよい。識別情報取得部106は、例えば、複数の予め定められた領域のそれぞれに配置された不図示のRFID(Radio Frequency Identifier)センサが、当該領域内の画像投射装置が有するRFタグから読み取った装置識別情報を、当該RFIDセンサから受信する。
姿勢検出部108は、予め定められた領域に存在する画像投射装置の姿勢を検出する。姿勢検出部108は、例えば、画像投射装置と無線通信して、画像投射装置が備えるジャイロセンサ等の姿勢検出センサから、画像投射装置の姿勢を示すデータを受信することによって、画像投射装置の姿勢を検出してよい。
制御部110は、予め定められた領域に画像投射装置が存在することを装置検出部102が検出した場合に、当該予め定められた領域に対応付けて格納されている画像を画像投射装置から投射させる。予め定められた領域に対応付けて格納されている動画像は音声データを含んでよく、予め定められた領域に対応付けて格納されている静止画像には音声データが対応付けられていてよい。画像投射装置は、制御部110の制御に従って画像を投射するとともに、音声データを出力してよい。予め定められた領域に対応付けて格納されている画像は、画像投射装置に格納されていてよい。また、予め定められた領域に対応付けて格納されている画像は、画像格納部120に格納されていてよい。
画像格納部120は、一の展示物に対応する複数の予め定められた領域に対応付けられた、当該一の展示物を説明するための画像を格納してよい。また、画像格納部120は、複数の展示物のそれぞれに対応する複数の予め定められた領域のそれぞれに対応付けて、複数の展示物のそれぞれを説明するための複数の画像を格納してよい。画像格納部120は、第1画像格納部の一例であってよい。
また、画像格納部120は、予め定められた領域における、画像投射装置の複数の姿勢のそれぞれに対応付けられた複数の画像を格納してもよい。画像格納部120は、第2画像格納部の一例であってよい。また、画像格納部120は、予め定められた領域における、複数の装置識別情報のそれぞれに対応付けられた複数の画像を格納してもよい。
投射指示送信部130は、画像投射装置に対して、画像の投射指示を送信する。投射指示送信部130は、画像投射装置から投射させる画像を識別する画像識別情報を画像投射装置に送信してよい。また、投射指示送信部130は、画像送信部132が画像投射装置に送信した画像を投射する指示を画像投射装置に送信してもよい。画像送信部132は、画像格納部120に格納された画像を画像投射装置に送信する。
制御部110は、複数の予め定められた領域のうちの第1領域に第1の画像投射装置が存在することを装置検出部102が検出した場合、複数の予め定められた領域に対応付けて格納されている動画像を当該動画像の開始位置から再生させた再生動画を第1の画像投射装置から投射させ、複数の予め定められた領域のうちの第2領域に第2の画像投射装置が存在することを装置検出部102が検出した場合、当該動画像を当該動画像の開始位置から再生させた再生動画を第2の画像投射装置から投射させてよい。例えば、制御部110は、展示物20に対応する複数の予め定められた領域である領域40及び領域42のうちの領域40に第1のウェアラブルプロジェクタ200が存在することを装置検出部102が検出した場合、領域40及び領域42に対応付けて画像格納部120に格納されている動画像を当該動画像の開始位置から再生させた再生動画を第1のウェアラブルプロジェクタ200に投射させ、領域42に第2のウェアラブルプロジェクタ200が存在することを装置検出部102が検出した場合、当該動画像を当該動画像の開始位置から再生させた再生動画を第2のウェアラブルプロジェクタ200から投射させる。
また、制御部110は、複数の予め定められた領域のうちの第1領域に画像投射装置が存在することを装置検出部102が検出した場合、第1領域に対応付けて格納されている画像を画像投射装置から投射させてよく、複数の予め定められた領域のうちの第2領域に画像投射装置が存在することを装置検出部102が検出した場合、第2領域に対応付けて格納されている画像を画像投射装置から投射させてよい。例えば、制御部110は、展示物20に対応する領域40にウェアラブルプロジェクタ200が存在することを装置検出部102が検出した場合、領域40に対応付けて画像格納部120に格納されている画像を当該ウェアラブルプロジェクタ200に投射させ、展示物22に対応する領域44にウェアラブルプロジェクタ200が存在することを装置検出部102が検出した場合、領域44に対応付けて画像格納部120に格納されている画像を当該ウェアラブルプロジェクタ200に投射させる。
また、制御部110は、予め定められた領域に画像投射装置が存在することを装置検出部102が検出した場合、姿勢検出部108が検出した画像投射装置の姿勢に対応付けて格納されている画像を当該画像投射装置から投射させてよい。例えば、制御部110は、領域40にウェアラブルプロジェクタ200が存在することを装置検出部102が検出した場合であって、姿勢検出部108が検出したウェアラブルプロジェクタ200の姿勢が、被提供者80が下を向いていることを示す場合、領域40における、ウェアラブルプロジェクタ200の下を向いた姿勢に対応付けられた画像を、当該ウェアラブルプロジェクタ200から投射させる。
また、制御部110は、予め定められた領域に画像投射装置が存在することを装置検出部102が検出した場合、当該予め定められた領域に対応付けて格納された複数の画像のうち、識別情報取得部106が取得した装置識別情報に対応する画像を、当該画像投射装置から投射させてよい。例えば、被提供者80が英語を母国語とする外国人であり、被提供者80が装着するウェアラブルプロジェクタ200の装置識別情報に対応付けて、英語によって展示物20を説明する画像が格納されていた場合、制御部110は、当該被提供者80に対して、英語によって展示物20を説明する画像を提供させることができる。
図5は、画像提供装置100による処理の流れを概略的に示す。図5に示す処理は、領域40にウェアラブルプロジェクタ200が存在することを装置検出部102が検出した状態を開始状態として説明する。図5に示す各処理は、画像提供装置100が備える制御部が主体となって実行される。
ステップ502(ステップをSと省略して記載する場合がある。)では、領域取得部104が、領域40を識別する領域識別情報を取得する。S504では、識別情報取得部106が、領域40に存在することが検出されたウェアラブルプロジェクタ200を識別する装置識別情報を取得する。S506では、姿勢検出部108が、領域40に存在することが検出されたウェアラブルプロジェクタ200の姿勢を検出する。
S508では、制御部110が、S502で取得した領域識別情報、S504で取得した装置識別情報及びS506で取得したウェアラブルプロジェクタ200の姿勢に対応する画像を選択する。S510では、投射指示送信部130が、S508で選択された画像を投射する指示を、ウェアラブルプロジェクタ200に送信する。S508で選択された画像をウェアラブルプロジェクタ200が格納していない場合、画像送信部132が当該画像をウェアラブルプロジェクタ200に送信してよい。
S512では、ウェアラブルプロジェクタ200が領域40の外に移動したか否かを、装置検出部102が判定する。S512で、ウェアラブルプロジェクタ200が領域40の外に移動したと判定した場合、S516に進み、移動していないと判定した場合、S514に進む。
S514では、ウェアラブルプロジェクタ200の姿勢が変化したか否かを姿勢検出部108が判定する。姿勢検出部108は、例えば、被提供者80が平行な方向を見ている姿勢から、被提供者80が下を向いている姿勢又は被提供者80が上を見ている姿勢に変化した場合に、ウェアラブルプロジェクタ200の姿勢が変化したと判定する。
S514で、姿勢に変化が無いと判定された場合、S512に戻り、姿勢に変化が有ると判定された場合、S508に戻る。S508では、制御部110が、S502で取得した領域識別情報、S504で取得した装置識別情報及びS514で検出した変化後のウェアラブルプロジェクタ200の姿勢に対応する画像を選択する。
S516では、投射指示送信部130が、画像の投射を停止する投射停止指示をウェアラブルプロジェクタ200に送信する。そして、処理が終了する。
図6は、画像提供装置400の一例を概略的に示す。画像提供装置400は、画像提供システムの一例であってよい。画像提供装置400は、例えば、展示物20、再帰性反射スクリーン50、再帰性反射スクリーン52、指向性スピーカ70、指向性スピーカ72、固定式プロジェクタ300及び固定式プロジェクタ320が配置された博物館及び展示会場等において、展示物20を説明するための画像を提供する。ここでは、画像提供装置100と異なる点を主に説明する。
再帰性反射スクリーン50及び再帰性反射スクリーン52は、予め定められた方向のみに画像を提供するスクリーンの一例であってよい。再帰性反射スクリーン50及び再帰性反射スクリーン52における予め定められた方向とは、入射方向と反対の方向であってよい。再帰性反射スクリーン50及び再帰性反射スクリーン52は、展示物20の近傍に配置される。
固定式プロジェクタ300及び固定式プロジェクタ320は、画像投射装置の一例であってよい。固定式プロジェクタ300は再帰性反射スクリーン50に対して画像を投射する。固定式プロジェクタ320は再帰性反射スクリーン52に対して画像を投射する。
指向性スピーカ70は、固定式プロジェクタ300が配置された位置に対して音声を出力する。指向性スピーカ70は、固定式プロジェクタ300が配置された位置に対して指向性を有する音声を出力できれば、任意の位置に配置されてよい。指向性スピーカ72は、固定式プロジェクタ320が配置された位置に対して音声を出力する。指向性スピーカ72は、固定式プロジェクタ320が配置された位置に対して指向性を有する音声を出力できれば、任意の位置に配置されてよい。
画像提供装置400は、予め定められた方向に画像を提供する再帰性反射スクリーン50から予め定められた方向に位置する領域60に、検出対象物が存在することを検出した場合、再帰性反射スクリーン50による、展示物20を説明するための画像の提供を開始させる。検出対象物は、例えば、被提供者80である。画像提供装置400は、例えば、固定式プロジェクタ300に、再帰性反射スクリーン50に対する画像の投射を開始させることによって、再帰性反射スクリーン50による画像の提供を開始させる。また、画像提供装置400は、指向性スピーカ70による、固定式プロジェクタ300が配置された位置に対する、展示物20を説明するための音声の提供を開始させてよい。
また、画像提供装置400は、予め定められた方向に画像を提供する再帰性反射スクリーン52から予め定められた方向に位置する領域62に、検出対象物が存在することを検出した場合、再帰性反射スクリーン52による画像の提供を開始させる。画像提供装置400は、例えば、固定式プロジェクタ320に、再帰性反射スクリーン52に対する画像の投射を開始させることによって、再帰性反射スクリーン52による画像の提供を開始させる。また、画像提供装置400は、指向性スピーカ72による、固定式プロジェクタ320が配置された位置に対する、展示物20を説明するための音声の提供を開始させてよい。
予め定められた領域60の位置は、被提供者80が領域60から展示物20を見たときに、再帰性反射スクリーン50が被提供者80の視界に含まれる位置であってよい。また、固定式プロジェクタ300は、被提供者80の視線の高さと同じ高さから画像を投射するべく配置されてよい。
画像提供装置100が、領域60に被提供者80が存在することを検出した場合に固定式プロジェクタ300に展示物20を説明するための画像を投射させることにより、被提供者80に、再帰性反射スクリーン50によって反射された画像と、展示物20とを併せて閲覧させることができる。
予め定められた領域62の位置は、被提供者82が領域62から展示物20を見たときに、再帰性反射スクリーン52が被提供者82の視界に含まれる位置であってよい。また、固定式プロジェクタ320は、被提供者82の視線の高さと同じ高さから画像を投射するべく配置されてよい。
画像提供装置100が、領域62に被提供者82が存在することを検出した場合に固定式プロジェクタ320に展示物20を説明するための画像を投射させることにより、被提供者82に、再帰性反射スクリーン52によって反射された画像と、展示物20とを併せて閲覧させることができる。
ここで、例えば、固定式プロジェクタ300は、大人の視線の高さと同じ高さから画像を投射するべく配置されてよく、固定式プロジェクタ320は、子供の視線の高さと同じ高さから画像を投射するべく配置されてよい。そして、画像提供装置100は、固定式プロジェクタ300に対して、展示物20を説明するための大人用の画像を投射させてよく、固定式プロジェクタ320に対して、展示物20を説明するための子供用の画像を投射させてよい。これにより、大人及び子供のそれぞれは、自分の身長に合った高さの画像投射装置が配置された領域に移動することによって、自分に合った展示物20の説明を閲覧することができる。
画像提供装置400は、画像提供装置100と同じように、複数の領域のそれぞれに対応付けられた複数の異なる画像を提供してもよい。例えば、展示物20に対応する固定式プロジェクタ300及び固定式プロジェクタ320には、展示物20を説明するための画像を投射させ、他の展示物に対応する他の固定式プロジェクタには、当該他の展示物を説明するための画像を投射させてよい。
なお、図6では、再帰性反射スクリーン50及び再帰性反射スクリーン52が離間して配置された場合を例に挙げているが、これに限らない。例えば、複数の面を有する一の再帰性反射スクリーンが配置されてもよい。固定式プロジェクタ300が複数の面のうちの一の面に画像を投射し、固定式プロジェクタ320が複数の面のうちの他の面に画像を投射することによって、互いの投射が、互いの画像を閲覧している被提供者の閲覧を阻害してしまうことを防止できる。
また、再帰性反射スクリーン30及び再帰性反射スクリーン32に代えて、鏡面反射スクリーン等の他の反射スクリーンが配置されてもよい。鏡面反射スクリーンを採用する場合、領域40に存在するウェアラブルプロジェクタ200が投射した画像が、被提供者80に向けて反射されるように、鏡面反射スクリーンの角度等が調整される。
また、再帰性反射スクリーン50及び固定式プロジェクタ300並びに再帰性反射スクリーン52及び固定式プロジェクタ320に代えて、指向性を有するディスプレイを配置してもよい。指向性を有するディスプレイは、例えば、表示面にスリットが設置されたディスプレイである。指向性を有するディスプレイは、予め定められた方向に画像を提供するスクリーンの一例であってよい。画像提供装置400は、例えば、領域40に被提供者80が存在することを検出した場合、指向性を有するディスプレイに、画像の提供を開始させてよい。
図7は、再帰性反射スクリーン50及び再帰性反射スクリーン52の配置例を概略的に示す。ここでは、傾斜された天井面90の上下方向に再帰性反射スクリーン50及び再帰性反射スクリーン52が配列された場合を例に挙げて説明する。
天井面90には、固定式プロジェクタ300と、固定式プロジェクタ300が投射する画像を反射するハーフミラー302を支持するミラー支持部304とが配置される。また、天井面90には、固定式プロジェクタ320と、固定式プロジェクタ320が投射する画像を反射するハーフミラー322を支持するミラー支持部324とが配置される。
ハーフミラー302は、固定式プロジェクタ300が投射する画像を反射した反射光の、再帰性反射スクリーン50による反射光が、領域60に向かうべく設置されてよい。ハーフミラー322は、固定式プロジェクタ320が投射する画像を反射した反射光の、領域42による反射光が、領域62に向かうべく設置されてよい。
このように、ハーフミラー302及びハーフミラー322を用いることによって、固定式プロジェクタ300及び固定式プロジェクタ320を天井面90に設置することができ、領域60及び領域62のスペースを有効活用することができる。なお、図6及び図7では、それぞれ2つの再帰性反射スクリーン50及び再帰性反射スクリーン52が配置された場合を例に挙げて説明したが、さらに多くの再帰性反射スクリーンが配置されてもよい。複数の再帰性反射スクリーンは、縦方向及び横方向の少なくともいずれかに配列されてよい。
図8は、画像提供装置400の機能構成の一例を概略的に示す。画像提供装置400は、対象物検出部402、領域取得部404、識別情報取得部406、制御部410、画像格納部420、投射指示送信部430、画像送信部432及び音声出力指示送信部440を備える。なお、画像提供装置400がこれらのすべての構成を備えることは必須とは限らない。
対象物検出部402は、予め定められた領域に検出対象物の存在することを検出する。対象物検出部402は、任意の手法を用いて検出対象物の存在を検出してよい。対象物検出部402は、装置検出部102と同様に、重量センサ、撮像装置及び人感センサ等と通信することによって検出対象物の存在を検出してよい。
領域取得部404は、複数の予め定められた領域のうち、対象物検出部402が検出対象物の存在を検出した領域を取得する。複数の予め定められた領域のそれぞれには、領域を識別する領域識別情報が対応付けられていてよく、領域取得部404は、領域識別情報によって、複数の予め定められた領域を識別してよい。
識別情報取得部406は、対象物検出部402が予め定められた領域に存在することを検出した検出対象物を識別する対象物識別情報を取得する。識別情報取得部406は、例えば、複数の予め定められた領域のそれぞれに配置された不図示のRFIDセンサが、検出対象物である被提供者が所持するRFタグから読み取った対象物識別情報を、当該RFIDセンサから受信する。
制御部410は、予め定められた領域に検出対象物が存在することを対象物検出部402が検出した場合に、当該予め定められた領域に対応付けて格納されている画像を画像投射装置から投射させる。予め定められた領域に対応付けて格納されている動画像は音声データを含んでよく、予め定められた領域に対応付けて格納されている静止画像には音声データが対応付けられていてよい。予め定められた領域に対応付けて格納されている画像は、画像投射装置に格納されていてよい。また、予め定められた領域に対応付けて格納されている画像は、画像格納部420に格納されていてよい。
画像格納部420は、一の展示物に対応する複数の予め定められた領域に対応付けられた、当該一の展示物を説明するための画像を格納してよい。また、画像格納部420は、複数の展示物のそれぞれに対応する複数の予め定められた領域のそれぞれに対応付けて、複数の展示物のそれぞれを説明するための複数の画像を格納してよい。また、画像格納部420は、予め定められた領域における、複数の装置識別情報のそれぞれに対応付けられた複数の画像を格納してもよい。
投射指示送信部430は、画像投射装置に対して、画像の投射指示を送信する。投射指示送信部430は、画像投射装置から投射させる画像を識別する画像識別情報を画像投射装置に送信してよい。また、投射指示送信部430は、画像送信部432が画像投射装置に送信した画像を投射する指示を画像投射装置に送信してもよい。画像送信部432は、画像格納部420に格納された画像を画像投射装置に送信する。
制御部410は、複数の予め定められた領域のうちの第1領域に第1の検出対象物が存在することを対象物検出部402が検出した場合、複数の予め定められた領域に対応付けて格納されている動画像を当該動画像の開始位置から再生させた再生動画を、第1領域に配置された第1の画像投射装置から投射させ、複数の予め定められた領域のうちの第2領域に第2の検出対象物が存在することを対象物検出部402が検出した場合、当該動画像を当該動画像の開始位置から再生させた再生動画を、第2領域に配置された第2の画像投射装置から投射させてよい。例えば、制御部410は、展示物20に対応する複数の予め定められた領域である領域60及び領域62のうちの領域60に被提供者80が存在することを対象物検出部402が検出した場合、領域60及び領域62に対応付けて画像格納部420に格納されている動画像を当該動画像の開始位置から再生させた再生動画を固定式プロジェクタ300に投射させ、領域62に被提供者82が存在することを対象物検出部402が検出した場合、当該動画像を当該動画像の開始位置から再生させた再生動画を固定式プロジェクタ320から投射させる。
また、制御部110は、複数の予め定められた領域のうちの第1領域に検出対象物が存在することを対象物検出部402が検出した場合、第1領域に対応付けて格納されている画像を第1領域に配置されている画像投射装置から投射させてよく、複数の予め定められた領域のうちの第2領域に検出対象物が存在することを対象物検出部402が検出した場合、第2領域に対応付けて格納されている画像を第2領域に配置されている画像投射装置から投射させてよい。
また、制御部410は、予め定められた領域に検出対象物が存在することを対象物検出部402が検出した場合、当該予め定められた領域に対応付けて格納された複数の画像のうち、識別情報取得部406が取得した対象物識別情報に対応する画像を、当該予め定められた領域に配置されている画像投射装置から投射させてよい。例えば、被提供者80が英語を母国語とする外国人であり、被提供者80が所持するRFタグに格納された対象物識別情報に対応付けて、英語によって展示物20を説明する画像が格納されていた場合、制御部410は、当該被提供者80に対して、英語によって展示物20を説明する画像を提供させることができる。
以上の説明において、画像提供装置100及び画像提供装置400の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよい。また、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせにより実現されてもよい。また、プログラムが実行されることにより、コンピュータが、画像提供装置100又は画像提供装置400として機能してもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、画像提供装置100又は画像提供装置400の少なくとも一部を構成するコンピュータにインストールされてよい。
コンピュータにインストールされ、コンピュータを本実施形態に係る画像提供装置100又は画像提供装置400として機能させるプログラムは、CPU等に働きかけて、コンピュータを、画像提供装置100又は画像提供装置400の各部としてそれぞれ機能させる。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータに読込まれることにより、ソフトウエアと画像提供装置100又は画像提供装置400のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。
なお、上記実施形態では、画像提供装置100及び画像提供装置400を画像提供システムの一例として挙げて説明したが、これに限らない。画像提供システムは、画像提供装置100又は画像提供装置400と、複数の再帰性反射スクリーンとを含むシステムであってもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。