JP6132377B1 - 歯科用ドリル及び該歯科用ドリルを用いた歯科インプラント埋込のための穿孔方法 - Google Patents
歯科用ドリル及び該歯科用ドリルを用いた歯科インプラント埋込のための穿孔方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
また、特許文献4には、特許文献2及び3に開示されているようなステップドリルとしての適用については記載されていない。
従って、本発明はドリルの回転に伴う摩擦熱により顎骨が壊死することのないように、ドリル先端部の主切刃とシンニング切刃の夫々のすくい角を適切に規定した歯科用ドリル及び該歯科用ドリルを用いた歯科インプラント埋込のための穿孔方法を提供することを目的とする。
また、主切刃により形成されたすくい角θ1と、シンニング切刃により形成されたすくい角θ2がチゼルの直下を除いて、θ1>θ2を満たすことにより、見掛け上のすくい角が小さくなって顎骨に食い込む量が少なくなり、顎骨を容易に切れるようになる。また、θ2>0°とすることにより、θ2を0°からマイナスとした場合の不具合(切削抵抗が増加して切れ味が悪くなる)が生じない。
また、逃げ角βouterが前記傾斜部の外周にのみ設けられ、外径部の外周には設けられていないため、第1の態様の歯科用ドリルを用いて空けた第1のパイロット孔を拡径する際に、主な切削場所となる傾斜部に大きな切削力を持たせることができる。また、ドリル先端部が第1のパイロット孔の底部に到達した後は、先端部の切削力と安定性が加味され穿孔が促進される。さらに、外径部に逃げ角βouterを設けていないため、先端部と傾斜部によって形成された円筒形状の第1のパイロット孔に沿って進み、外径部は円筒形状の第1のパイロット孔によって支えられる形となり、極めて安定した切削(穿孔)が可能となる。
さらに、外周溝が2つの切刃の両側に設けられているため、外周溝がブレーキとなり顎骨を穿孔する際に顎骨の切り過ぎを防ぐことができる。
また、すくい角は比較的大きくなり、前記延長線がドリルの切刃側にずれた場合や前記延長線がドリル先端中心部と交わる場合に比べて、切削力が最も大きくなる。
図1は本発明に係る歯科用ドリルの第一実施形態を示す図であって、(a)は上面図(ドリルを先端側から見た図)、(b)は先端部の正面図である。
切刃は、ドリル先端側から見たとき、チゼルエッジからドリル外周側に向けて曲線を含む形状に延びるシンニング切刃(1)と、シンニング切刃(1)の端部からドリル外周端まで延びる主切刃(2)とからなる。尚、図示例において、主切刃(2)は、シンニング切刃(1)の端部からドリル外周端まで直線状に延びているが、曲線状に延びていてもよいし、直線状部分と曲線状部分とを含む線状に延びていてもよい。これは本発明の全ての実施形態に共通する。
図中、(3)は逃げ面、(4)はチゼル、(5)は主切刃(2)により形成されたすくい面、(6)はシンニングにより形成された新たなすくい面、(W)はチゼル幅である。
シンニング切刃(1)の長さ(B)を、主切刃(2)の長さ(A)と同じかそれ以上に設定することにより、A>Bである従来の歯科用ドリルに比べて切削抵抗を大幅に低減することが可能となる場合がある。
但し、本発明においては、後述する実施形態(図8、図10参照)に示すように、A>Bとしてもよい。
主切刃(2)により形成されたすくい角(θ1)と、シンニング切刃(1)により形成されたすくい角(θ2)は、θ1>θ2>0°を満たす。但し、チゼル(4)の直下のみでθ2≒0°(ほぼ0°に近いθ2<0°)となる。
シンニング切刃(1)により形成されたすくい角(θ2)が、主切刃(2)により形成されたすくい角(θ1)より小さいということは、シンニングを施すことにより見掛け上のすくい角が小さくなる(緩くなる)ことを意味する。
本発明では、θ1>θ2を満たすようにシンニング切刃(1)を形成することにより、見掛け上のすくい角が小さくなって被切削物に食い込む量が少なくなり、容易に切れるようになる。
捩れ角を小さくすることによりすくい角を小さくして切削抵抗を低減する方法もあるが、捩れ角を変えてドリルを製作するよりも従来の捩れ角を変えずに本発明の如くシンニングのみで見掛けのすくい角を変える方法は極めて簡単に行うことができるという大きな利点がある。
ドリルが本来持っているすくい角(シンニング形成前のすくい角)では、刃先角が鋭すぎて、刃先が楔のように被切削物に鋭く食い込むため、切削抵抗が大きくなる。
シンニングを行うことにより、すくい角が減少して刃先角が増大し、これによって切れ味が向上する(切削抵抗が減少する)。特に、本発明に係る歯科用ドリルに施されるシンニングによれば、作業に適した緩やかなすくい角と大きめの刃先角が創成されることとなる。
一般的には、逃げ角を大きくとり、すくい角を大きくすることで、鋭利な刃先を形成することにより、鋭い切れ味が得られると考えられており、市販のドリルは共通してこのような形状を有している。
本発明では逃げ角(β)を0°<β≦4°と小さく設定することにより、被切削物に食い込む量が少なくなり、被切削物を容易に切れるようになる。
(イ)半径50mm以上の砥石外周部の砥石水平中心線上に、ドリル先端部の中心を合わせ、ドリル先端部の切刃部を砥石水平中心線と平行(=水平)に当て、ドリル後端部を、ドリル先端部を中心に砥石水平中心線より下降させたときの砥石水平中心線とドリル中心軸線のなす角度(図3(a)参照)。
(ロ)砥石側面(垂直平面)の砥石水平中心線上に、ドリル先端部の中心を合わせ、ドリル先端部の切刃部を砥石水平中心線と平行(=水平)に当て、ドリル後端部を、ドリル先端部を中心に砥石水平中心線より下降させたときの砥石水平中心線とドリル中心軸線のなす角度(図3(b)参照)。
そのため、(イ)で求める場合、この差分を加えたものを逃げ角とすることが好ましい。つまり、逃げ角は下式の通りに求めることが好ましい。
(イ)(図3(a))の場合:逃げ角=β+tan−1((1−cos(sin−10.5W/R))R÷0.5W)
(ロ)(図3(b))の場合:逃げ角=β
例えば、逃げ角3°で半径(R)50mmの砥石で研磨する、直径10mm、心厚2mmのドリルの実際の逃げ角は約3.573°となる。
従来のシンニングは、ドリル自体の強度・剛性を優先するために、シンニング形成時にドリルを砥石に当てる角度(θ)を大きめにしていた(図4(a)参照)。
角度(θ)を極力少なくし、砥石の研削面接線上にドリルの中心を近づけると、ドリル中心部のウエブと呼ばれる部分の抵抗を受けなくなるため、切削抵抗は大幅に減少する(図4(b)参照)。
(I)シンニングを行う砥石の垂直中心線に対してドリル中心軸線のなす角度(図4のθ)が0〜20°
(II)シンニングを行う砥石の幅方向の中心線に対してドリル中心軸線のなす角度が20〜35°(図5参照)
但し、上記(II)のシンニングの角度の範囲は、先端角118°、捩れ角30°の場合に求められたものであり、必ずしも全てのドリルに対して好適とはいえない。理論上は、上記(II)のシンニングの角度の上限値は、ドリルの刃先と平行な位置(=先端角)の1/2の角度(118°の場合は59°)までの範囲に設定することができる。
図6(a)はドリルのシンニング部に直角な断面(図6(b)のA−A断面)を示す図である。
図6(a)に示す例では、シンニングにより形成されたすくい面(6)の縁部(主切刃(2)により形成されたすくい面(5)との境界部)は、シンニングの半径(R2)によって円弧状に形成されている。尚、(R1)はドリル溝部の半径である。
図示のように、主切刃(2)により形成されたすくい角(θ1)と、シンニング切刃(1)により形成されたすくい角(θ2)は、θ1>θ2>0°を満たす。
また、主切刃(2)により形成された刃先角(α1)と、シンニング切刃(1)により形成された刃先角(α2)は、α1<α2<90°を満たす。
本発明者らは、すくい面の縁部形状が円弧状の場合(図6(a))と、円弧と直線を組み合わせた形状の場合(図7)とが、同等の切れ味を有し、切削抵抗に違いが無いことを実験により確認している。
傾斜の方向は、図示の通り、ドリル先端側から基端側に向かうにつれ、シンニング切刃(1)側から主切刃(2)側へと移行する方向(正面視にて左斜め下方向)である。後述する実施形態についても同様である。
傾斜の角度(γ)は、20〜35°の範囲(例えば27.5°)に設定する。この角度設定は、上述したように、シンニングを行う砥石の幅方向の中心線に対してドリル中心軸線のなす角度が20〜35°(図5参照)となるように設定することにより行うことができる。シンニングを行う際に、ドリル長手方向の中心軸に対して砥石の中心(図1(a)の一点鎖線(L)参照)を傾ける角度は、ドリルの捩れ角を考慮して、捩れ角−10°〜捩れ角+10°の範囲に設定することが好ましい。但し、理論上はこの角度は捩れ角−10°〜切刃側の先端角の1/2までに設定できる。
これらの構成(シンニング切刃の形状、傾斜の方向、傾斜の角度)は、本発明の全ての実施形態のドリルに共通する構成である。
第二実施形態の歯科用ドリルは、シンニング切刃(1)により形成されたシンニング面(8)が、ドリル正面側から見たとき、ドリル軸芯方向(C)に対して傾斜した略放物線状(略U字状)に形成されている(図8(b)参照)。
シンニング切刃(1)により形成されたシンニング面(8)の最深部(シンニングにより削り取られた最も深い部分)に沿って延びる線をドリル先端方向に延長した延長線(D)は、ドリル正面側から見たとき、ドリル先端中心部(7)と交わらずにドリルのヒール側にずれている。
ずれ量(d)は、ドリル直径の10%以内であることが好ましい。10%を超えると、切削抵抗が増加して切れ味が低下するためである。
チゼル(4)の直下を含む部分においてすくい角が形成されていることにより、チゼル(4)の直下にはチゼルと平行な方向の幅がチゼル幅(W)より狭い部分(9)が形成されている。(図11(a)参照)
主切刃(2)により形成されたすくい角(θ1)と、シンニング切刃(1)により形成されたすくい角(θ2)は、θ1>θ2>0°を満たしている。チゼル(4)の直下においても同様である。
第三実施形態の歯科用ドリルも、シンニング切刃(1)により形成されたシンニング面(8)が、ドリル正面側から見たとき、ドリル軸芯方向(C)に対して傾斜した略放物線状(略U字状)に形成されている(図9(b)参照)。
シンニング切刃(1)により形成されたシンニング面(8)の最深部に沿って延びる線をドリル先端方向に延長した延長線(D)は、ドリル正面側から見たとき、ドリル先端中心部(7)と交わらずにドリルの切刃側にずれている。
ずれ量(d)は、ドリル直径の10%以内であることが好ましい。10%を超えると、切削抵抗が増加して切れ味が低下するためである。
主切刃(2)により形成されたすくい角(θ1)と、シンニング切刃(1)により形成されたすくい角(θ2)は、θ1>θ2>0°を満たす。但し、チゼル(4)の直下のみでθ2≒0°(ほぼ0°に近いθ2<0°)となる。
第四実施形態の歯科用ドリルも、シンニング切刃(1)により形成されたシンニング面が、ドリル正面側から見たとき、ドリル軸芯方向(C)に対して傾斜した略放物線状(略U字状)に形成されている(図10(b)参照)。
シンニング切刃(1)により形成されたシンニング面(8)の最深部に沿って延びる線をドリル先端方向に延長した延長線(D)は、ドリル正面側から見たとき、ドリル先端中心部(7)と交わっている。
主切刃(2)により形成されたすくい角(θ1)と、シンニング切刃(1)により形成されたすくい角(θ2)は、θ1>θ2>0°を満たす。但し、チゼル(4)の直下のみでθ2≒0°(ほぼ0°に近いθ2<0°)となる。
本発明に係る歯科用ドリルは溝長(17)中で異なる直径を有するため、本明細書におけるドリル直径(12)とは溝長(17)中で最も大きい直径のことをいう。
また、本明細書において、ドリル直径(12)を有する部位の外周部分を外径部(14)という。
傾斜部(15)の逃げ角(βouter)は0°<βouter<20°を満たすように設定する。好ましくは0°<βouter≦15°、より好ましくは0°<βouter<8°を満たすように設定する。
尚、外径部(14)には逃げ角(βouter)を設けないことが好ましい。これにより、第五実施形態の歯科用ドリルを用いて空けた第1のパイロット孔を拡径する際に、主に傾斜部(15)の切刃で切削を行い、先端部(13)が第1のパイロット孔の底部に到達した後は、先端部(13)の切削力と安定性が加味され穿孔が促進される。さらに、外径部(14)に逃げ角(βouter)を設けていないため、先端部(13)と傾斜部(15)にて形成した円筒形状のパイロット孔に沿って進み、外径部(14)は円筒形状のパイロット孔によって支えられる形となり、極めて安定した切削(穿孔)が可能となる。
第六実施形態の歯科用ドリルは傾斜部(15)を有するため、本歯科用ドリルを用いて骨穿孔することにより、歯科用インプラントの形状に合致した第2のパイロット孔を形成することができる。
図16に示すように、外周溝(16)は2枚刃の外周に対し交互に設けられる、あるいは2枚刃の外周に対し同位置に設けられる。また、外周溝(16)を、2枚刃の外周に対し、ある箇所では交互に配置し、ある箇所では同位置に配置してもよい。2枚刃の外周に対し交互に設けることで、切削するパイロット孔に対して切刃が必ず接触している状況を確保することができる。また、2枚刃の外周に対し同位置に設けることで、切削するパイロット孔に切刃が接触しない箇所ができるため切削力が抑制される。
これにより、0<A≦Bを満たさなくとも、チゼルに掛かる負荷が減少し、チゼル幅を狭くすることが可能となる。具体的には、シンニング後のチゼル幅は、ドリル直径の3〜5%程度まで狭くすることが可能となる。そのため、切削抵抗が減少して優れた切れ味を得ることができ、骨穿孔にとって絶大な効果を発揮する。
また、本発明に係る歯科用ドリルの材質は、ステンレス、チタン合金など、医療用途に定められた材質が好ましい。
砥石は、回転端部に1つ以上の曲率半径をもった砥石とする。
砥石の曲率半径の1つをR1とし、このR1を主に切刃部に掛かるシンニング切刃創成用の半径とする。次にR1と隣り合ってR1と滑らかに繋がる曲面を形成する曲率半径R2を、主にヒール部に当たるように設ける。
また、上記1つ以上の曲率半径を組み合わせた砥石を使用することもできる。
更に、図13に示すように、R部の間に直線部を含ませたり、側面に傾斜をつけたりして、シンニングを施してもよい。
工程(1):この工程で第1の歯科用ドリル(DR1)を用いて、該第1の歯科用ドリルの直径によって顎骨の予め決められた位置に、顎骨の皮質を該第1の歯科用ドリル先端によって穿孔して第1のパイロット孔(PO1)を穿設して、顎骨内に穿設された前記第1のパイロット孔(PO1)に深さ測定ゲージを導入して前記第1のパイロット孔を正確な深さに制御する。
工程(2):この工程で前記第1の歯科用ドリル(DR1)の直径より大きい直径を有する第2の歯科用ドリル(DR2)を前記第1のパイロット孔(PO1)に挿入して穿孔して第2のパイロット孔(PO2)を穿設して、顎骨内に穿設された第2のパイロット孔(PO2)に対応する深さ測定ゲージを導入して前記第2のパイロット孔(PO2)を正確な深さに制御する。
工程(3):この工程で前記第2の歯科用ドリル(DR2)の直径より大きい直径を有する第3の歯科用ドリル(DR3)を前記第2のパイロット孔(PO2)に挿入して穿孔して第3のパイロット孔(PO3)を穿設して、顎骨内に穿設された第3のパイロット孔(PO3)に対応する深さ測定ゲージを導入して前記第3のパイロット孔(PO3)を正確な深さに制御する。
工程(4):この工程で前記第3のパイロット孔(PO3)にインプラントを螺着する。
尚、第1、第2及び第3の歯科用ドリルは、前述の第五から第七実施形態のものを使用することができるが、これに限定されない。
(試験方法)
NCフライス盤にモデルボーンを輪切りにしたテストピースを取り付けて、比較例と実施例1−3の計4種類×3形態の歯科用ドリルで切削を行い、各々の切削時に発生する温度及び、垂直方向に発生する切削抵抗を測定し、発熱と切れ味による各ドリルの性能を比較した(図18参照)。
各種ドリルは3段階(1st〜3rd)に分けて順次拡大し、3段階目(3rd)で最終形状(第3のパイロット孔)を形成できるものとしている。
各種ドリルによる切削は、以下の条件で実施した。
温度:16℃
モデルボーン(テストピース)表面温度:12℃
回転数:8.33s−1
送り速度:0.1mm/rev.
実施例1−3の2nd及び3rdのドリルの外周溝は、外周溝が2枚刃の外周に対し交互に設けられ、外周溝の入口がドリル先端側に傾斜した形状(図16の(a)参照)のものを使用した。
下記表1に実施例1−3の外周溝の有無を示す。
各種ドリルによる切削時に発生した温度及び、垂直方向に発生した切削抵抗の測定値を表2に示す。
また、切削性能試験から得られた実施例1−3の特徴を表3に示す。
さらに、切削抵抗においても、比較例では3.4〜5.5kgだったが、実施例では1.1〜2.0kgであった。
また、2nd及び3rdドリルの傾斜部と外周部に溝を設けることで、切削抵抗は多少上昇するが、切削時の発生温度を低く保ったまま操作性を良くすることが可能になり、温度上昇を防ぎ、且つ切り過ぎも防ぐことができる。
このように、本発明の歯科用ドリルは、従来の歯科用ドリルと比較して、切削抵抗を大きく低減でき、切削時の温度上昇を抑えることで顎骨の壊死を防ぐことができる。さらに、溝を傾斜部及び/又は外周部に設けることで、溝がストッパーとなり、切り過ぎを防止することもできる。
2 主切刃
3 逃げ面
4 チゼル
5 主切刃により形成されたすくい面
6 シンニングにより形成されたすくい面
7 ドリル先端中心部
8 シンニング切刃により形成されたシンニング面
9 チゼルと平行な方向の幅がチゼル幅より狭い部分
10 すくい角を形成しているすくい面
11 ドリル先端部の直径
12 ドリル直径
13 先端部
14 外径部
15 傾斜部
16 外周溝
17 溝長
A 主切刃の長さ
B シンニング切刃の長さ
C ドリル軸芯方向
D シンニング面の最深部に沿って延びる線をドリル先端方向に延長した延長線
DR1 第1の歯科用ドリル
DR2 第2の歯科用ドリル
DR3 第3の歯科用ドリル
d ずれ量
PO1 第1のパイロット孔
PO2 第2のパイロット孔
PO3 第3のパイロット孔
R ドリル半径
X 側面視略矩形状の外周溝の部分領域
Y 側面視略U字状の外周溝の部分領域
θ1 主切刃により形成されたすくい角
θ2 シンニング切刃により形成されたすくい角
α1 主切刃により形成された刃先角
α2 シンニング切刃により形成された刃先角
β 逃げ角
βouter 傾斜部の逃げ角
γ シンニング面の傾斜角度
R1 主切刃によるすくい面を形成する半径
R2 シンニングによるすくい面を形成する半径
W チゼル幅
θ シンニング形成時にドリルを砥石に当てる角度
Claims (14)
- 回転軸対称に形成された2つの切刃を有し、先端部にシンニングが施されており、
前記切刃が、ドリル先端側から見たとき、チゼルエッジからドリル外周側に向けて曲線を含む形状に延びるシンニング切刃と、前記シンニング切刃の端部からドリル外周端まで延びる主切刃とからなり、
前記シンニング切刃により形成されたシンニング面の切屑排出溝との境界の稜線が、前記切屑排出溝の開口側であるドリル正面側から見たとき、ドリル軸芯方向に対してドリル先端側から基端側に向かうにつれてシンニング切刃側から主切刃側へと移行する方向に傾斜した略U字状に形成されており、
前記主切刃により形成されたすくい角θ1と、前記シンニング切刃により形成されたすくい角θ2がチゼルの直下を除いて、θ1>θ2>0°を満たし、
前記先端部の直径がドリル直径よりも小さく、
前記先端部と前記ドリル直径の外径部との間に傾斜部を備え、
逃げ角β outer が前記傾斜部の外周にのみ設けられ、
外周溝が前記2つの切刃の両側に設けられていることを特徴とする歯科用ドリル。 - 前記シンニング面の最深部に沿って延びる線をドリル先端方向に延長した延長線が、前記ドリル正面側から見たとき、ドリル先端中心部と交わらずにドリルのヒール側又は切刃側にずれていることを特徴とする請求項1に記載の歯科用ドリル。
- 前記ずれの幅が、ドリル直径の10%以内であることを特徴とする請求項2に記載の歯科用ドリル。
- 前記延長線が、ドリルのヒール側にずれていることを特徴とする請求項2又は3に記載の歯科用ドリル。
- 前記延長線が、ドリルの切刃側にずれていることを特徴とする請求項2又は3に記載の歯科用ドリル。
- 前記シンニング面の最深部に沿って延びる線をドリル先端方向に延長した延長線が、前記ドリル正面側から見たとき、ドリル先端中心部と交わることを特徴とする請求項1に記載の歯科用ドリル。
- 前記シンニング切刃のチゼルの直下を含む部分にすくい角が形成されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1つに記載の歯科用ドリル。
- 前記シンニング切刃のチゼルの直下近傍であって且つ直下を含まない部分にすくい角が形成されていることを特徴とする請求項2、3、5、6のいずれか1つに記載の歯科用ドリル。
- 前記逃げ角βouterが0°<βouter<20°であることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1つに記載の歯科用ドリル。
- 前記外周溝が、2枚刃の外周に対し交互に設けられていることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか1つに記載の歯科用ドリル。
- 前記外周溝が、2枚刃の外周に対し同位置に設けられていることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか1つに記載の歯科用ドリル。
- ドリル直径が3.0mm〜5.0mmであることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか1つに記載の歯科用ドリル。
- ドリル直径が4.0mm〜6.0mmであることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか1つに記載の歯科用ドリル。
- 第1のパイロット孔を穿孔するための最もドリル径が小さい第1の歯科用ドリルと、第2のパイロット孔を穿孔するための該第1の歯科用ドリルよりもドリル径が大きい第2の歯科用ドリルと、第3のパイロット孔を穿孔するための該第2の歯科用ドリルよりもドリル径が大きい第3の歯科用ドリルの3つの歯科用ドリルを用いて行う歯科治療用の歯科用ドリルセットであって、該歯科用ドリルセットは、
第1の歯科用ドリルと、
請求項1乃至12のいずれか1つに記載の第2の歯科用ドリルと、
請求項1乃至11又は13のいずれか1つに記載の第3の歯科用ドリルと
を含む歯科用ドリルセット。
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