以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る、車両用表示装置を備えている車両用運転支援装置(スマートドライブサポートシステムとも言う)を示すブロック図である。符号1は、運転者による車両の運転操作状態の判定・評価制御を行うシステム側コントローラ(PCMとも言う)である。このシステム側コントローラ1は、車両の車速を検出する車速センサ20、車両の操舵角を検出する舵角センサ21、車両のアクセル開度を検出するアクセル開度センサ22、車両のブレーキ液圧を検出するブレーキ液圧センサ23等から信号が入力され、車両の運転操作状態(運転技術)を判定・評価する。具体的には、“しなやかな運転”状態であるか、”体がゆれる運転(以下、ゆれる運転と言う)”状態であるか、”やさしい運転”状態であるかと、“ばたつき運転度”から、運転操作状態を判定・評価する。詳細には、車両前後方向について、しなやかな運転状態であるか、ゆれる運転状態であるか、やさしい運転状態であるかと、車両前後方向のばたつき運転度から、車両前後方向の運転操作状態を判定・評価する一方、車両左右方向について、しなやかな運転状態であるか、ゆれる運転状態であるか、やさしい運転状態であるかと、車両左右方向のばたつき運転度から、車両左右方向の運転操作状態を判定・評価する。尚、車両前後方向の運転操作にはアクセル操作とブレーキ操作、車両左右方向の運転操作にはステアリング操作がある。
システム側コントローラ1は、変化量算出部(変化量算出手段)10と、躍度算出部(躍度算出手段)11と、加速度算出部(加速度算出手段)12と、状態判定部(状態判定手段)13と、ばたつき運転度判定部(ばたつき運転度判定手段)14と、比算出部15と、だらだら運転度判定部16と、総合判定部(総合判定手段)17と、変更部(変更手段)18とを有している。システム側コントローラ1は、車両用運転支援装置の一例である。
変化量算出部10は、車速センサ20及び舵角センサ21の検出信号から車両の速度、加速度、躍度等を算出する。具体的には、変化量算出部10は、車速センサ20及び舵角センサ21の検出信号から、車両の加速度(加減速)の変化量(変化巾)に関連する第1関連値を算出(計算)する。躍度算出部11は、車速センサ20及び舵角センサ21の検出信号から、車両の躍度に関連する第2関連値を算出する。加速度算出部12は、車速センサ20及び舵角センサ21の検出信号から、車両の加速度の絶対値に関連する第3関連値を算出する。
状態判定部13は、車両及び乗員の頭部の少なくとも一方の横加速度に基づいて、ハンドル操作が切り操作か、戻し操作か、切り返し操作であるかを判定する。また、状態判定部13は、車両及び乗員の頭部の少なくとも一方の横加速度の変化において、該横加速度の変化量及び変化後の乗員の頭部の速度に基づいて運転技量を判定する。詳細には、状態判定部13は、変化量算出部10によって算出された第1関連値と躍度算出部11によって算出された第2関連値から、車室内の質点の動きを表す振動モデルを用いて算出された、車両の加速度の変化量に対するその変化の終了時における質点の運動エネルギーの比から予め設定された判定基準に従って、適度な加速度変化のある(ゆっくり過ぎず、急激過ぎない加速度変化のある)しなやかな運転状態(好ましい運転操作状態、第1運転操作状態)であるか、急激な加速度変化のあるゆれる運転状態(好ましくない運転操作状態、第2運転操作状態)であるか、ゆっくりな加速度変化のあるやさしい運転状態(好ましい運転操作状態、第3運転操作状態)であるかを判定する。状態判定部13は、第1関連値が所定値以上のときには、第1判定マップを用いて、第1及び第2関連値から、判定基準に従って、しなやかな運転状態であるか、ゆれる運転状態であるか、やさしい運転状態であるかを判定する一方、第1関連値が所定値よりも小さいときには、第1判定マップとは異なる第2判定マップを用いて、第1関連値と加速度算出部12によって算出された第3関連値から、適度な加速度のあるしなやかな運転状態であるかを判定する。状態判定部13は、操作判定部及び技量判定部の一例である。
ばたつき運転度判定部14は、ばたつき運転度を判定する。比算出部15は、車両の車速の変化量(車速差とも言う)に対するその変化に要した時間の比を算出する。だらだら運転度判定部16は、だらだら運転度を判定する。
総合判定部17は、車両の今回の運転(直近のイグニッションオンから現在までの運転。以下、1DC(1トリップ)とも言う)における状態判定部13による判定結果についての点数を算出し、その点数を車両の今回の運転における状態判定部13による判定回数で除することにより第1評価指数を算出し、その第1評価指数から、車両の今回の運転における運転操作状態の総合評価点を算出する。詳細には、総合判定部17は、車両の今回の運転におけるばたつき運転度判定部14による判定結果についての点数を算出し、その点数を車両の今回の運転におけるばたつき運転度判定部14による判定時間又は判定回数で除することにより第2評価指数を算出し、第1及び第2評価指数から、第1及び第2評価点を算出し、その第1及び第2評価点から、車両の今回の運転における運転操作状態の総合評価点を算出する。変更部18は、総合判定部17によって算出された総合評価点から、前記判定基準を変更する。
以下に、判定・評価の詳細について説明する。
《しなやかな運転状態、ゆれる運転状態及びやさしい運転状態の判定・評価》
しなやかな運転状態、ゆれる運転状態及びやさしい運転状態の判定・評価は、以下に示すように行う。尚、この評価には”リアルタイム評価”と“総合評価”がある。
−車両前後方向についてのしなやかな運転状態、ゆれる運転状態及びやさしい運転状態の判定・評価−
まず、車速に相当する車速センサ20からの検出信号を時間について微分することにより、車両の前後方向の加速度(車両前後方向G)を算出する。
この加速度には高周波(例えば0.5Hz以上)のノイズ成分が含まれており、この高周波領域において、実際の車両は挙動を示さない。そこで、振動モデルを用いて、車室内の質点の位置を高周波のノイズ成分を除去した、車両の前後方向の加速度として算出する(車室内の質点の位置(車両の加速度が0のときにおける質点位置を基準として、その基準位置からの移動量)は、車両の一定加速度に比例した値となるため、質点位置を車両の加速度として算出することができる)。この詳細を以下、図2を用いて説明する。この図2は、ノイズを除去するための振動モデルを示す図である。
図2に示すように、ノイズを除去するための振動モデルとして、車両に固定された1自由度粘性減衰モデル(1自由度ばね・質量・ダンパーモデル)を用いる。このモデルは、メモリ(不図示)に予め記憶されている。このことは、以下の振動モデルすべてについて言える。
質点の質量をm、ばね定数をk、ダンパーの減衰定数(減衰係数)をc、質点位置をx(車両の加速度が0で且つ質点が静止状態の位置を基準位置x=0とする)、時間をt、質点への入力をf(t)とすると(尚、m、k、c、x、t及びf(t)は、振動モデルの算出結果を相対比較するためのものであり、無単位となる。以下、同様)、質点の微分方程式(運動方程式)は、次の式(1)で表される。
m、k及びcの値は次のように決定する。つまり、位相がずれず且つ0.5Hz以上のノイズ成分を最大限除去することができるように、固有振動数の値(k/mの値に比例)を0.5〜1Hzの範囲内とすべく、m及びkの値を設定する。例えば、m=5のときは、kの値を50〜200の範囲内とする。
また、連続走行中に実態と近いものとなるように、減衰比の値を0.5〜1.0の範囲内とすべく、cの値を設定する。減衰比をζとすると、ζは次の式で表される。
例えば、m=5、k=80のときは、cの値を20〜40の範囲内とする。
ここでは、例えば、m=5、k=80、c=25とする。
また、f(t)は、次の式で表される。
f(t)=(質点質量m)×(車両の前後方向の加速度)
式(1)の微分方程式の数値計算方法として、差分方程式を用いた逐次計算を行う。
質点位置xの時間tについての1回微分及び2回微分は、次の式(2)及び(3)でそれぞれ表される。
式(1)に式(2)及び(3)を代入して展開し、次の式(4)で表す。
この式(4)を用いて、時間tにおける質点位置x(t)及び時間t−Δtにおける質点位置x(t−Δt)から、時間t+Δtにおける質点位置x(t+Δt)を逐次計算する。この質点位置xは、前述したように、高周波のノイズ成分を除去した、車両の前後方向の加速度に相当する。
図3は、時間と車両の前後方向の加速度との関係の一例を示すグラフである。この図3において、実線は、時間と振動モデルを用いて算出された、高周波のノイズ成分を除去した、車両の前後方向の加速度(質点位置)との関係、破線は、時間と車速センサ20からの検出信号から算出された、車両の前後方向の加速度を示す。
以上のように、質点位置を高周波のノイズ成分を除去した、車両の前後方向の加速度として算出する。
尚、振動モデルを用いて、高周波のノイズ成分を除去した、車両の前後方向の加速度を求めたが、例えば、低域周波数通過フィルタを用いて求めてもよい。
次に、振動モデルを用いて、車室内に着座した乗員の頭である質点の位置を、高周波のノイズ成分を除去した、車両の前後方向の加速度による力f(t)を質点に入力して算出する。つまり、車両の前後方向の加速度の変化による頭の動きを振動モデルで仮想し、その質点位置を演算する。この質点を用いて、車両の運転操作状態を判定・評価するのは、車両の加速度の変化は、路面やシフトチェンジなどの様々な影響を受けて複雑になる一方、頭の動きは、その変化すべてに追従しないためである。この詳細を以下、図4を用いて説明する。この図4は、質点位置を算出するための振動モデルを示す図である。尚、図4では、車両の図示を省略している。
図4に示すように、質点位置を算出するための振動モデルとして、車両に固定された1自由度粘性減衰モデルを用いる。このモデルは、質点を着座した乗員の頭、ばね及びダンパーを乗員の首と仮想している。このモデルは、1自由度粘性減衰モデルなので、質点の微分方程式は、前記式(1)と同じである。
ただし、質点質量m、ばね定数k及びダンパー減衰定数cの値は、実際の頭の動きに近づくように決定される。つまり、固有振動数の値を0.2〜0.5Hzの範囲内とすべく、m及びkの値を設定する。例えば、m=5のときは、kの値を10〜50の範囲内とする。また、実際の頭の動きを想定し、減衰比ζの値を0.2〜0.5の範囲内の値とすべく、cの値を設定する。例えば、m=5、k=35のときは、cの値を6〜13の範囲内とする。ここでは、m=5、k=35、c=8とする。
また、f(t)は、次の式で表される。
f(t)=(質点質量m)×(高周波のノイズ成分を除去した、車両の前後方向の加速度)
高周波のノイズ成分を除去した、車両の前後方向の加速度は、前述の通り、車速センサ20からの検出信号と振動モデルとから算出された加速度である。
式(1)の微分方程式の数値計算方法として、前述の通り、式(4)に示す差分方程式を用いた逐次計算を行う。この質点位置xは、仮想した乗員の体に作用する車両前後方向の加速度に相当する(質点位置xと車両前後方向の加速度は比例関係にあるため)。
以上のように、質点位置を車両前後方向の加速度から算出する。
図5は、時間と質点位置との関係の一例を示すグラフである。この図5において、実線は、時間と高周波のノイズ成分を除去した、車両の前後方向の加速度による力f(t)が質点に加わったときの質点位置(質点の動的位置とも言う。図4の実線で示すように、オーバーシュートを含む質点の位置)との関係を示す。破線は、時間と高周波のノイズ成分を除去した、車両の前後方向の加速度による力f(t)が質点に静的に加わったときの安定した質点位置(質点の静的位置とも言う。図4の破線で示すように、オーバーシュートを含まない収束後の質点の位置)との関係を示す。つまり、実線は、高周波のノイズ成分を除去した、車両の前後方向の加速度による力が加わったときの乗員の頭の位置に相当し、破線は、実線は、高周波のノイズ成分を除去した、車両の前後方向の加速度による力が加わったときの車両の位置に相当する。
次に、その算出された質点位置を時間について微分することにより、質点速度を車両の前後方向の躍度として算出する。つまり、この質点速度は、車両の前後方向の躍度に相当する。
次に、車両の、前後方向の加速度の変化量及びその変化の終了時における質点の運動エネルギーをその変化毎に算出する。この詳細を以下、図5及び図6を用いて説明する。
図6は、オーバーシュートを考慮した振動モデルである。実線は、オーバーシュートを含む質点を示す。破線は、収束後の質点を示す。図6は、図5に示す時間と質点の動的及び静的位置とのグラフを部分的に拡大したものである。図6における実線は、図5の実線と同じであり、図6における破線は、図5の破線と同じである。白抜きの三角は、破線のピークを示す。黒塗りの三角は、実線のピークを示す。黒丸は、実線と破線との交点を示し、この交点において、質点への入力が0になる(質点位置の加速度が増加(減少)に転ずる)。
ここでは、質点の静的位置と動的位置との一の交点(図6における左下の黒丸)から次の交点(図6における右上の黒丸)までの変化を1つの変化と捉える。車両の、前後方向の加速度の変化量は、車両の、前後方向の加速度の変化に伴う質点の位置エネルギーの変化量(その変化に伴う質点の位置移動に最低限必要なエネルギー)に相当する変化量であり、質点の静的位置と動的位置との、相隣り合う交点(図6の黒丸)の、縦軸方向の長さに相当する変化量(図4、図6のΔG)である。この変化量は、車両の、前後方向の加速度の変化に伴う質点の位置エネルギーの変化量が大きくなるに従って大きくなる。つまり、頭の動く幅は、車両の、前後方向の加速度の変化量から決定される。車両の、前後方向の加速度の変化量をΔG、車両の、前後方向の加速度の変化の終了時(図6では、判定時点(右上の黒丸)に相当)における車両の、前後方向の加速度をGi(車両の、前後方向の加速度の変化の終了時における質点位置hiに相当)、車両の、前後方向の加速度の変化の開始時(図6では左下の黒丸)における車両の、前後方向の加速度をGi−1(車両の、前後方向の加速度の変化の開始時における質点位置hi−1に相当)とすると、ΔGは次の式で表される。
ΔG=Gi−Gi−1
一方、車両の、前後方向の加速度の変化の終了時における質点の運動エネルギーは、その変化時において質点がオーバーシュートしたことにより発生した余剰エネルギーであり、質点の静的位置と動的位置との、相隣り合う交点のうち時間的に後の交点(図6の右上側の黒丸)における質点の運動エネルギー(図4では、質点が破線位置にあるときの運動エネルギー)である。この運動エネルギーは、車両の前後方向の躍度が大きくなるに従って大きくなる。つまり、頭の動く速さは、車両の前後方向の躍度の大きさから決定される。車両の、前後方向の加速度の変化の終了時における質点の運動エネルギーをEk、その終了時における質点速度をvとすると、Ekは次の式(5)で表される。
Ek=1/2・m・v2…(5)
このEkは、車両の前後方向の加速度の、前回の変化の終了時における質点の運動エネルギー(図6では、左下側の黒丸における質点の運動エネルギー)、即ち、残存エネルギーの影響を受けたものである。そこで、Ekは、車両の前後方向の加速度の、前回の変化の終了時における質点の運動エネルギーの影響を除いたものとすることが好ましい。
車両の前後方向の加速度の、今回の変化の終了時における質点速度をvi、車両の前後方向の加速度の、前回の変化の終了時における質点速度をvi−1、車両の前後方向の加速度の、前回の変化の終了時から今回の変化の終了時までの自然減衰率をδ′とすると、車両の前後方向の加速度の、前回の変化の終了時における質点の運動エネルギーの影響を除いたEkは次の式で表される。
Ek=1/2・m・(vi−vi−1・δ′)2
車両の前後方向の加速度の、前回の変化の終了時から今回の変化の終了時までの経過時間をΔtp、角固有振動数をΩ、減衰角固有振動数をωdとすると、δ′は、対数減衰率から、次の式で表される。
Ω及びωdは、次の式でそれぞれ表される。
図7は、経過時間と減衰率との関係を示すグラフである。
以上のように、車両の、前後方向の加速度の変化量ΔG及びその変化の終了時における質点の運動エネルギーEkを算出する。
ここで、車両の、前後方向の加速度の変化量に対するその変化の終了時における質点の運動エネルギーの比である質点のオーバーシュート率について検討する。質点のオーバーシュート率をOSとすると、このOSは次の式(6)で表される。
OS=Ek /ΔG…(6)
尚、このΔGが所定値以下のときは、そのΔGをOSの算出対象としない。また、OS=Ek /ΔGとしているが、OS=v/ΔG、OS=v/ΔEP(車両の、前後方向の加速度の変化に伴う質点の位置エネルギーの変化量)又はOS=Ek/ΔEPとしてもよい。ただし、車両前後方向について、しなやかな運転状態であるか、ゆれる運転状態であるか、やさしい運転状態であるかを精度良く判定するには、実走フィーリングから、OS=Ek/ΔGとするのが好ましい。
図8は、平均車速と質点のオーバーシュート率との関係の一例を示すグラフである。この図8において、黒丸は、優良ドライバーの運転結果、黒四角は、優良ドライバーに準ずる運転者の運転結果、十字は、一般的な運転者の運転結果、×点は、運転が下手な運転者の運転結果を示す。
図8から、質点のオーバーシュート率は、同じ運転者において比較すると、平均車速が大きいほど、高くなる傾向にあることが分かる。また、質点のオーバーシュート率は、同じ平均車速において比較すると、運転が上手な運転者であるほど、低くなる傾向にあることが分かる。これらから予測される、最良ドライバーの運転結果を示すのが、図8の折れ線である。
このように、車両の運転操作の良否と、質点のオーバーシュート率との間には相関関係があることが分かる。つまり、車両の動きと、質点に相当する乗員の頭の動きとは、運転操作が急激であるほど、そのずれが大きくなる。そして、運転操作は、車両の動きと頭の動きとのずれが大きいほど、不良であり、そのずれが小さいほど、良好である。したがって、オーバーシュート率は、車両前後方向について、しなやかな運転状態であるか、ゆれる運転状態であるか、やさしい運転状態であるかを判定するのに用いる判定指数となり得る。
車両の、前後方向の加速度の変化の終了時における質点の運動エネルギーEkは、前記式(5)で表され、質点のオーバーシュート率OSは、前記式(6)で表される。
式(6)に式(5)を代入してvについて展開すると、次の式で表される。
例えば、アクセルオン(アクセル踏込)による車両の加速時において、しなやかな運転状態及びやさしい運転状態とゆれる運転状態との境界となるオーバーシュート率OSを車両の特性と実走フィーリングから求める。求めたオーバーシュート率OSを式(7)に代入し、式(7)で表される曲線を、横軸に加速度の変化量ΔG、縦軸に質点速度vをとったグラフに描くと、図9に示す「判定基準」のようになる。
図9は、アクセルオン(アクセル踏込)による車両の加速時において車両前後方向について、しなやかな運転状態、ゆれる運転状態及びやさしい運転状態を判定する際の第1判定マップである。つまり、式(7)は、アクセルオン(アクセル踏込)による車両の加速時において車両前後方向について、しなやかな運転状態であるか、ゆれる運転状態であるか、やさしい運転状態であるかを判定するのに用いる判定基準(判定閾値)である。
判定マップは、第1判定マップだけでなく、第2判定マップが用意されている。第1判定マップは、車両の発進時や停車時、加速時、減速時など加速度の変化量ΔGが所定値以上のとき(加速度が変化しているとみなせるとき)に用いるマップである。車両の加速中や減速中など加速度の変化量ΔGが該所定値よりも小さいとき(加速度が略一定とみなせるとき)には、第2判定マップを用いる。図10に、第2判定マップを示す。
これら第1及び第2判定マップは、前記メモリに予め記憶されている。第1及び第2判定マップには、アクセルオンによる車両の加速時に用いる第1及び第2判定マップとブレーキオフによる車両の加速時に用いる第1及び第2判定マップ、アクセルオフによる車両の減速時に用いる第1及び第2判定マップ、ブレーキオンによる車両の減速時に用いる第1及び第2判定マップがある。これらの第1及び第2判定マップは、互いに異なるものである。
第1判定マップの縦軸は、車両の前後方向の躍度に相当する質点速度v、横軸は、車両の、前後方向の加速度の変化量ΔGである。前記判定基準から下側の範囲(判定基準を下回る領域)がしなやかな運転状態とやさしい運転状態の範囲、判定基準から上側の範囲(判定基準を超える領域)がゆれる運転状態の範囲である。判定基準から下側の範囲のうち、車両の、前後方向の加速度の変化量が所定量以上の範囲がしなやかな運転状態の範囲、その変化量が所定量よりも小さい範囲がやさしい運転状態の範囲である。
第1判定マップにおけるしなやかな運転状態とは、運転操作が適度な速さで行われることにより、乗員の体が適度な大きさ、速さで揺れ、運転者にとって気持ちが良い運転状態である。ゆれる運転状態とは、運転操作が急激に行われることにより、乗員の体が大きく、ガックンガックンと揺れ、運転者以外の乗員にとって気持ちが悪く、燃費が悪い、不安定な(荒い)運転状態である。やさしい運転状態とは、運転操作がゆっくり行われることにより、乗員の体が小さく、ゆっくりと揺れ、運転者以外の乗員にとって気持ちが良く、燃費が良い、安定した運転状態である。
第2判定マップの縦軸は、車両の、前後方向の加速度の変化量ΔG、横軸は、車両の、前後方向の加速度の絶対値|G|である。車両の、前後方向の加速度の変化量が所定量以下で且つ車両の、前後方向の加速度の絶対値が所定値以上の範囲がしなやかな運転状態の範囲である。
第2判定マップにおけるしなやかな運転状態とは、運転操作が最適な操作量で一回で行われ、その操作状態が維持されることにより、乗員の体が一定に維持される、爽快な運転状態である。
尚、車両の、前後方向の加速度の変化量が相対的に小さい状態から大きい状態へ移行した場合は第1判定マップを用いる。
そして、前述の如く差分方程式から求めた質点位置から、車両の、前後方向の加速度の変化量ΔG(第1関連値)、その変化の終了時における質点速度v(第2関連値)及びその変化の終了時における車両の、前後方向の加速度の絶対値|G|(第3関連値)をその変化毎に算出する。
次に、加速度の変化量ΔG、質点速度v及び加速度の絶対値|G|のデータから、前記第1及び第2判定マップを用いて、車両前後方向について、しなやかな運転状態であるか、ゆれる運転状態であるか、やさしい運転状態であるかを判定する。
具体的には、車速センサ20からの検出信号から算出される車両の前後方向の加速度に基づいて、加減速状態がアクセルオン、アクセルオフ、ブレーキオン及びブレーキオフの何れであるかを判定する。この判定結果に基づいて、何れの加減速状態の判定マップを用いるか選択する。
また、加速度の変化量ΔGが所定量以上か、所定量未満かを判定する。加速度の変化量ΔGが所定量以上のとき(加速度が変化しているとき)には、第1判定マップを用いる。加速度の変化量ΔG及び質点速度vが第1判定マップ内のどの領域に位置するかによって、しなやかな運転状態、やさしい運転状態及びゆれる運転状態を判定する。つまり、加速度の変化量ΔGが相対的に大きく且つ質点速度vが相対的に小さいときはしなやかな運転状態と判定し、加速度の変化量ΔGが相対的に小さく且つ質点速度vが相対的に小さいときはやさしい運転状態と判定し、質点速度vが相対的に大きいときにはゆれる運転と判定する。
一方、加速度の変化量ΔGが所定量よりも小さいとき(加速度が略一定のとき)には、第2判定マップを用いる。加速度の絶対値|G|及び加速度の変化量ΔGが第2判定マップ内のしなやかな運転状態の範囲内にあるときはしなやかな運転状態と判定する。
また、車速センサ20からの検出信号から車両の、前後方向の加速度の変化があったと判定した場合であって、アクセル開度センサ22及びブレーキ液圧センサ23の検出信号からアクセル操作又はブレーキ操作が所定操作量以下で行われた(アクセル操作及びブレーキ操作が実質的に行われていない)と判定したときには、その加速度変化は車両前後方向の運転操作以外のものに起因する(例えば、車両が水たまりや段差のあるところ等の悪路を走行していることに起因する)として、車両前後方向について、しなやかな運転状態であるか、ゆれる運転状態であるか、やさしい運転状態であるかを判定しない。
さらに、アクセル開度センサ22及びブレーキ液圧センサ23の検出信号からアクセル操作又はブレーキ操作が一定操作量以上で一定頻度以上で行われたと判定したときには、加速度の変化量ΔG、質点速度v及び加速度の絶対値|G|の大きさに拘わらず、ゆれる運転状態(好ましくない運転操作状態)と判定する。つまり、アクセル操作又はブレーキ操作が短時間に繰り返し行われる(所定周期以下で行われる)と、車両前後方向の運転操作(例えばアクセル操作)が行われても、車両前後方向の加速度が変化しなかったり、振動モデルが車両前後方向の運転操作(例えばブレーキ操作)による車両の加速度変化の周波数に追従しなかったりして、前記第1及び第2判定マップを用いて、車両前後方向の運転操作状態を判定することができないが、そのアクセル操作又はブレーキ操作は好ましくない運転操作状態であるので、ゆれる運転状態と判定する。この判定の詳細を以下、説明する。
図11は、時間と後述のアクセル操作履歴値との関係の一例を示す操作履歴モデルである。この図11において、一点鎖線は、後述の所定値(閾値)を示す。アクセル操作が一定操作量以上で1回行われると、アクセル操作履歴値が所定値よりも小さい値(例えば20)だけ増加する。アクセル操作履歴値は所定時間毎に1ずつ減少する。そして、アクセル操作が一定操作量以上で一定頻度以上で行われ、アクセル操作履歴値が所定値以上になったときは、ゆれる運転状態と判定する。尚、ブレーキ操作が一定操作量以上で一定頻度以上で行われたかの判定方法は、アクセル操作が一定操作量以上で一定頻度以上で行われたかの判定方法とほぼ同様である。
以上の運転状態の判定に基づいて、車両の今回の運転における車両前後方向の”急激運転操作度”の評価点を算出する。この詳細を以下、説明する。
前記第1判定マップを用いて、しなやかな運転状態であると判定したときは1点の加点とされ、ゆれる運転状態であると判定したときは1〜3点の減点とされ、やさしい運転状態であると判定したときは加減点が0と判定される。一方、前記第2判定マップを用いて、しなやかな運転状態であると判定したときは0.3点の加点と判定される。
以下、ゆれる運転状態の減点について説明する。第1判定マップにおけるゆれる運転状態の範囲には、判定基準の上側に第1及び第2評価基準(評価閾値)が予め設定されている。これらの第1及び第2評価基準は、図9において、破線で示されている。第2評価基準は、第1評価基準よりも上側にある。そして、第1判定マップを用いて判定した場合には、(ΔG、v)が第1判定マップのゆれる運転状態の範囲における第1評価基準から下側の範囲内にあるときはNG1とされ、減点が1点、第1評価基準から第2評価基準までの範囲内にあるときはNG2とされ、減点が2点、第2評価基準から上側の範囲内にあるときはNG3とされ、減点が3点と評価される。つまり、この減点が大きいほど、車両の、前後方向の運転操作が急激である。前記評価点は、車両前後方向についてのゆれる運転状態度のリアルタイム評価点とされる。このリアルタイム評価点についての情報を含む信号は、後述のメータ側コントローラ3に送信される。
そして、車両の今回の運転における車両前後方向の急激運転操作度の評価指数は、車両の今回の運転において、車両前後方向について、しなやかな運転状態であるか、ゆれる運転状態であるか、やさしい運転状態であるかを判定した判定回数(評価回数)と、車両の今回の運転における前記減点の総和(合計)と、車両の今回の運転における前記加点の総和から、次の式で表される。
評価指数=(減点の総和−加点の総和)/判定回数
次に、この評価指数から、5点満点法における相関に従って、車両前後方向の急激運転操作度の評価点を算出する。図12は、評価指数と評価点の関係の一例を示すグラフである。この図12の実線に示すように、評価指数が第1所定値以下のときは5点、評価指数が第1所定値よりも大きい第2所定値以上のときは1点とし、その間は線形補間して、車両前後方向の急激運転操作度の評価点を算出する。
以上のように、車両前後方向についてのしなやかな運転状態、ゆれる運転状態及びやさしい運転状態の判定・評価を行う。
−車両左右方向についてのしなやかな運転状態、ゆれる運転状態及びやさしい運転状態の判定・評価−
続いて、車両左右方向についてのしなやかな運転状態、ゆれる運転状態及びやさしい運転状態の判定・評価について説明する。車両左右方向の運転状態の判定・評価は、車両前後方向の運転状態の判定・評価と基本的には同じである。
まず、車速センサ20及び舵角センサ21からの検出信号から、車両の左右方向の加速度を算出する。以下、「左右方向の加速度」を「横加速度」ともいう。車両の横加速度は次の式で表される。
(車両の横加速度)=係数・(車両の操舵角)・(車速)2
この係数は車速に依存するものである。この式は一般によく知られているので、その詳細な説明は省略する。
これ以降の判定工程は、車両前後方向について、しなやかな運転状態であるか、ゆれる運転状態であるか、やさしい運転状態であるかの判定工程とほぼ同様である。つまり、前述したノイズを除去するための振動モデルを用いて、その質点位置を高周波のノイズ成分を除去した、車両の横加速度として算出する。次に、質点位置を算出するための振動モデルを用いて、その質点位置を、高周波のノイズ成分を除去した、車両の横加速度による力f(t)を質点に入力して算出する。次に、質点速度を車両の左右方向の躍度として算出する。次に、車両の横加速度の変化量ΔG、その変化の終了時における質点速度v及びその変化の終了時における車両の横加速度の絶対値|G|を算出する。次に、横加速度の変化量ΔG、質点速度v及び横加速度の絶対値|G|から、前記第1及び第2判定マップを用いて、車両左右方向について、しなやかな運転状態であるか、ゆれる運転状態であるか、やさしい運転状態であるかを判定する。
ここで、車両の横加速度の変化は、ステアリングの切り操作(操舵角が増加する方向へのステアリング操作)、ステアリングの戻し操作(操舵角が減少する方向へのステアリング操作)及びステアリングの切り返し操作(左右の一方から他方へ操舵角が変化するステアリング操作)によるものがある。そして、運転状態の判定に用いられる第1判定マップは、運転操作に応じて設定されている。尚、第2判定マップは、全ての運転操作で共通である。これら第1及び第2判定マップは、前記メモリに予め記憶されている。
そこでまずは、車両の横加速度の変化が、切り操作、戻し操作及び切り返し操作の何れの運転操作によるものかを判定する。このステアリングの操作判定には、操作判定値Pが用いられる。操作判定値Pは、車両左右方向について、変化の開始時の車両の横加速度G’、変化の終了時の車両の横加速度G、車両の横加速度の変化量ΔG、変化の終了時の乗員頭部(即ち、動的位置)の躍度Jを用いて次式で表される。尚、横加速度G’及び横加速度Gは、左側への横加速度を正とし、右側への横加速度を負とする。
P=(G+G’)/|ΔG|×J/|J|
そして、P<x1のときは戻し操作と判定され、x1≦P≦x2(x1<x2)のときは切り返し操作と判定され、x2<Pのときは切り操作と判定される。
ここで、J/|J|は、1又は−1となる。右側への横加速度と左側への横加速度とは符号が異なるので、右側への躍度と左側への躍度との符号も異なる。そのため、(G+G’)/|ΔG|にJ/|J|を掛け合わせることによって、ハンドル操作が左か右かによる(G+G’)/|ΔG|への影響をキャンセルすることができる。すなわち、ハンドル操作の違いが左か右かだけで、ハンドル操作の内容や操作量が同じであれば、(G+G’)/|ΔG|は同じ値となる。
図13,14に、質点の静的位置及び動的位置の様々なパターンを示す。この例では、x1=−0.4、x2=0.4に設定されている。
図13(a)のパターンでは、G+G’=1.2で、|ΔG|=1で、J/|J|=1であるので、P=1.2となる。同様に、図13(b)のパターンは、P=0.6となる。これらのパターンではx2<Pとなり、Pが比較的大きい。また、躍度Jが正なので、横加速度の変化後においては乗員の頭部に左方向への横加速度が作用している。すなわち、これらのパターンでは、ステアリングを左方向へ切る操作を行ったものと判定される。
図13(c)のパターンでは、G+G’=0.2で、|ΔG|=1で、J/|J|=1であるので、P=0.2となる。同様に、図13(d)のパターンは、P=−0.2となる。これらのパターンではx1≦P≦x2となり、Pの絶対値が比較的小さい。また、躍度Jが正なので、横加速度の変化後においては乗員の頭部に左方向への横加速度が作用している。すなわち、これらのパターンでは、ステアリングを右側に切っていた状態から戻して、さらに左方向へ切る操作を行ったものと判定される。
図13(e)のパターンでは、G+G’=−0.6で、|ΔG|=1で、J/|J|=1であるので、P=−0.6となる。同様に、図13(f)のパターンは、P=−1.2となる。これらのパターンではP<x1となり、Pが比較的小さい(即ち、負の方向へ大きい)。また、躍度Jが正なので、横加速度の変化後においては乗員の頭部に左方向への横加速度が作用している。すなわち、これらのパターンでは、ステアリングを右側に切った状態から戻す操作を行ったものと判定される。
また、図14(a)のパターンでは、G+G’=−1.2で、|ΔG|=1で、J/|J|=−1であるので、P=1.2となる。同様に、図14(b)のパターンは、P=0.6となる。これらのパターンではx2<Pとなり、Pが比較的大きい。また、躍度Jが負なので、横加速度の変化後においては乗員の頭部に右方向への横加速度が作用している。すなわち、これらのパターンでは、ステアリングを右方向へ切る操作を行ったものと判定される。
図14(c)のパターンでは、G+G’=−0.2で、|ΔG|=1で、J/|J|=−1であるので、P=0.2となる。同様に、図14(d)のパターンは、P=−0.2となる。これらのパターンではx1≦P≦x2となり、Pの絶対値が比較的小さい。また、躍度Jが負なので、横加速度の変化後においては乗員の頭部に右方向への横加速度が作用している。すなわち、これらのパターンでは、ステアリングを左側に切っていた状態から戻して、さらに右方向へ切る操作を行ったものと判定される。
図14(e)のパターンでは、G+G’=0.6で、|ΔG|=1で、J/|J|=−1であるので、P=−0.6となる。同様に、図14(f)のパターンは、P=−1.2となる。これらのパターンではP<x1となり、Pが比較的小さい(即ち、負の方向へ大きい)。また、躍度Jが負なので、横加速度の変化後においては乗員の頭部に右方向への横加速度が作用している。すなわち、これらのパターンでは、ステアリングを左側に切った状態から戻す操作を行ったものと判定される。
このように、変化の開始時の車両の横加速度G’、変化の終了時の車両の横加速度G及び変化の終了時の乗員の頭部の躍度Jに基づいて、運転操作(ハンドル操作)が切り操作か、切り返し操作か、戻し操作かが判定される。尚、本実施形態では、車両の横加速度と乗員の頭部の横加速度が一致する、連続する2点間での横加速度の変化に基づいて運転操作を判定しているので、変化の開始時の車両の横加速度G’は変化の開始時の乗員の頭部の横加速度に等しく、変化の終了時の車両の横加速度Gは変化の終了時の乗員の頭部の横加速度に等しい。
続いて、横加速度の変化量ΔGに基づいて第1判定マップか第2判定マップかが選択される。第1判定マップは、車両の旋回開始時や旋回終了時など横加速度の変化量が相対的に大きいとき(横加速度が変化しているとみなされるとき)に用いるマップである。第2判定マップは、車両の旋回中など横加速度の変化量が相対的に小さいとき(横加速度が略一定と見なされるとき)に用いるマップである。横加速度の変化量ΔGが所定値以上のときには、第1判定マップが選択され、その場合には、運転操作に応じた第1判定マップが選択される。一方、横加速度の変化量ΔGが所定値未満のときには、第2判定マップが選択される。
図15に、切り操作の第1判定マップを、図16に、切り返し操作の第1判定マップを、図17に、戻し操作の第1判定マップを示す。
第1判定マップの縦軸は、車両の前後方向の躍度に相当する質点速度v、横軸は、車両の、前後方向の横加速度の変化量ΔGである。何れの操作の第1判定マップにおいても、車両前後方向の第1判定マップと同様に、しなやかな運転状態及びやさしい運転状態とゆれる運転状態との境界となるオーバーシュート率OSに基づいて判定基準が設定されている。判定基準から下側の範囲(判定基準を下回る領域)がしなやかな運転状態とやさしい運転状態の範囲、判定基準から上側の範囲(判定基準を超える領域)がゆれる運転状態の範囲である。判定基準から下側の範囲のうち、車両の、前後方向の横加速度の変化量が所定量以上の範囲がしなやかな運転状態の範囲、その変化量が所定量よりも小さい範囲がやさしい運転状態の範囲である。
尚、第2判定マップは、車両前後方向の第2判定マップと同様である。車両の、前後方向の横加速度の変化量が相対的に小さい状態から大きい状態へ移行した場合は第1判定マップを用いる。
第1判定マップの判定基準は、切り操作、切り返し操作及び戻し操作に応じて設定されている。判定基準を切り操作、切り返し操作及び戻し操作で比較すると、切り操作の判定基準が最も下側に位置し、戻し操作の判定基準が最も上側に位置している。すなわち、切り操作のゆれる運転の範囲が最も大きく、戻し操作のゆれる運転の範囲が最も小さい。戻し操作は、切り操作に比べて適度な速度で運転操作を行うことが難しく、運転操作が急激になり易い。そのため、切り操作ではゆれる運転及びしなやかな運転を判定する判定基準を厳しめに設定する一方、戻し操作ではゆれる運転及びしなやかな運転を判定する判定基準を甘めに設定している。切り返し操作については、ゆれる運転及びしなやかな運転を判定する判定基準が切り操作と戻し操作との中間に設定されている。
同様に、ゆれる運転の範囲内の第1及び第2評価基準についても、切り操作の第1及び第2評価基準が最も下側に位置し、戻し操作の第1及び第2評価基準が最も上側に位置している。
また、戻し操作の第1判定マップでは、判定基準よりも下側の範囲は、全てやさしい運転の範囲となっている。つまり、戻し操作についてはしなやかな運転を判定していない。
切り操作及び切り返し操作では、やさしい運転としなやかな運転とを判別する、横加速度の変化量ΔGの所定量は、同じ値になっている。つまり、やさしい運転かしなやかな運転かを判定する基準は、切り操作と切り返し操作とで同じに設定されている。
また、舵角センサ21の検出信号からステアリング操作が一定操作量以上で一定頻度以上で行われたと判定したときには、横加速度の変化量ΔG、質点速度v及び横加速度の絶対値|G|の大きさに拘わらず、ゆれる運転状態(好ましくない運転操作状態)と判定する。つまり、ステアリング操作が短時間に繰り返し行われると、振動モデルがステアリング操作による車両の横加速度変化の周波数に追従しなかったりして、前記第1及び第2判定マップを用いて、車両左右方向の運転操作状態を判定することができないが、そのステアリング操作は好ましくない運転操作状態であるので、ゆれる運転状態と判定する。尚、この判定方法は、前述したアクセル操作が一定操作量以上で一定頻度以上で行われたかの判定方法とほぼ同様である。
以上の運転状態の判定に基づいて、車両の今回の運転における車両左右方向の急激運転操作度の評価点を算出する。この詳細を以下、説明する。
つまり、前記第1判定マップを用いて、しなやかな運転状態であると判定したときは1点の加点とされ、ゆれる運転状態であると判定したときは1〜3点の減点とされ、やさしい運転状態であると判定したときは加減点が0と判定される。一方、前記第2判定マップを用いて、しなやかな運転状態であると判定したときは加点が0.3点と判定する。ゆれる運転状態の1〜3点の減点は、車両前後方向のうれる運転状態と同様に、(ΔG、v)が第1判定マップのゆれる運転状態の範囲において第1及び第2評価基準で区切られた、どの範囲に位置するかにより決定される。
そして、車両の今回の運転において、車両左右方向について、しなやかな運転状態であるか、ゆれる運転状態であるか、やさしい運転状態であるかを判定した判定回数と、車両の今回の運転における前記減点の総和と、車両の今回の運転における前記加点の総和から、車両の今回の運転における車両左右方向の急激運転操作度の評価指数が次の式で表される。
評価指数=(減点の総和−加点の総和)/判定回数
次に、この評価指数から、前述した車両前後方向の急激運転操作度の評価点の算出方法と同様の方法で、5点満点法における相関に従って、車両左右方向の急激運転操作度の評価点を算出する。
以上のように、車両左右方向についてのしなやかな運転状態、ゆれる運転状態及びやさしい運転状態の判定・評価を行う。
《ばたつき運転度の評価》
ばたつき運転度は、以下に示すように、車両の前後方向又は左右方向の躍度に相当する質点速度の、ピークの発生頻度を算出することにより求める。
<車両前後方向のばたつき運転度>
最初に、車両前後方向のばたつき運転度について説明する。
−車両の前後方向の躍度に相当する質点速度の、ピークの発生頻度の算出−
まず、車両の前後方向の躍度に相当する質点速度の、ピークの発生頻度の算出について説明する。
始めに、車両の、前後方向の加速度の変化量に対するその変化の終了時における質点の運動エネルギーの比の算出において算出された、車両の前後方向の躍度に相当する質点速度(前述した、車両の、前後方向の加速度の変化による頭の動きを仮想した質点の位置を算出するための振動モデルを用いて算出された質点速度)を微分することにより、質点の加速度を算出する。
次に、その算出された質点加速度が0のときにおける質点速度のピーク値を算出する(求める)。このピーク値は、質点速度の、前回のピーク値の影響を受けたものである。そこで、ピーク値は、質点速度の、前回のピーク値の影響を除いたものとすることが好ましい。質点速度の、前回のピーク値の影響を除いた、質点速度のピーク値をvpr・i、質点速度の今回のピーク値をvp・i、質点速度の前回のピーク値をvp・(i−1)、質点速度の前回のピークから今回のピークまでの自然減衰率をδ′とすると、質点速度の、前回のピーク値の影響を除いたvpr・iは次の式で表される。
vpr・i=vp・i−vp・(i−1)・δ′
質点速度の前回のピークから今回のピークまでの経過時間をΔtp、角固有振動数をΩ、減衰角固有振動数をωdとすると、δ′は、対数減衰率から、次の式で表される(図7を参照)。
Ω及びωdは、次の式でそれぞれ表される。
尚、質点速度のピーク値の絶対値が所定値(閾値)以下のときは、そのピークをピークとみなさない。
以上のように、質点速度のピーク値を算出する。
次に、その算出された質点速度のピークの、サンプル時間当たりの発生回数をカウント(算出)する。このピークの発生回数は、車両前後方向のばたつき運転度(スムーズ運転度とも言う)の評価指数である。このばたつき運転度は、運転操作の頻度、言い換えると、頭が動く頻度が多いばたつき運転の度合いを示すものである。ピークは、運転操作が1回行われると、その操作開始時と終了時の2回発生する。サンプル時間は、例えば、直近2sec間における車両の平均車速から決定される。具体的には、図18に示すように、直近2sec間における平均車速がV1km/h以下のときは、サンプル時間はS1sec、V2km/h以上のときは、サンプル時間はS1secよりも短いS2secである。直近2sec間における平均車速がV1〜V2km/hのときは、サンプル時間はその平均車速に正比例して小さくなる。また、サンプル時間は、時間が経過するのに従って、所定時間(例えば0.1sec)ずつ移動更新される。つまり、質点速度のピークの、サンプル時間当たりの発生回数のカウント値は、所定時間毎に更新される。
尚、質点速度のピークの、サンプル時間当たりの発生回数のカウント値が0のとき、即ち、車両前後方向の運転操作がないときは、そのカウント値をばたつき運転度の評価対象外とし、そのカウントをカウント回数に含まない。
図19は、時間と質点速度との関係の一例を示すグラフである。この図19において、黒丸は、質点速度のピーク、一点鎖線は、前記所定値を示す。
以上のように、車両の前後方向の躍度に相当する質点速度の、ピークの発生頻度を算出する。
−車両前後方向のばたつき運転度の判定・評価−
次に、車両前後方向のばたつき運転度の判定・評価について説明する。
図20は、平均車速と質点速度のピークの、サンプル時間当たりの発生回数との関係の一例を示すグラフである。この図20において、黒丸は、優良ドライバーの運転結果、黒四角は、優良ドライバーに準ずる運転者の運転結果、十字は、一般的な運転者の運転結果、×点は、運転が下手な運転者の運転結果を示す。
図20から、質点速度のピークの、サンプル時間当たりの発生回数は、同じ運転者において比較すると、平均車速が大きいほど、大きくなる傾向にあることが分かる。また、質点速度のピークの、サンプル時間当たりの発生回数は、同じ平均車速において比較すると、運転が上手な運転者であるほど、小さくなる傾向にあることが分かる。これらから予測される、最良ドライバーの運転結果を示すのが、図20の折れ線である。
このように、車両の運転操作の良否と、質点速度のピークの、サンプル時間当たりの発生回数、即ち、ばたつき運転度との間には相関関係があることが分かる。つまり、質点に相当する乗員の頭が動く頻度は、運転操作が多くなるほど、多くなる。そして、運転操作は、頭が動く頻度が多いほど、不良であり、その頻度が少ないほど、良好である。そこで、質点速度のピークの、サンプル時間当たりの発生回数から、車両前後方向のばたつき運転度を判定・評価する。この詳細を以下、説明する。
まず、質点速度のピークの、サンプル時間当たりの発生回数と2〜5(第1閾値〜第4閾値に相当)との大小関係を比較し、この比較結果から、車両前後方向のばたつき運転度を判定する。具体的には、質点速度のピークの、サンプル時間当たりの発生回数が2以下のときはOKで減点が0点、3のときはNG1で減点が1点、4のときはNG2で減点が2点、5のときはNG3で減点が3点、5よりも大きいときはNG4で減点が4点と判定する。つまり、ピークは、前述の如く、運転操作が1回行われると、2回発生するが、ピークが3回以上発生した、即ち、運転操作が2回以上行われたときは、不適切(不必要)な運転操作が行われたとして、減点対象とする。
次に、車両前後方向のばたつき運転度を5点法で評価する。具体的には、前記減点が0点のときは5点、減点が1点のときは4点、減点が2点のときは3点、減点が3点のときは2点、減点が4点のときは1点と評価する。つまり、この評価点は、5点から前記減点の点数を減点した点である。この評価点は、車両前後方向のばたつき運転度のリアルタイム評価点とされる。
また、車両の今回の運転における車両前後方向のばたつき運転度の評価指数を算出する。具体的には、この評価指数は、車両の今回の運転において車両前後方向について質点速度のピークが発生したサンプル時間(判定時間)の総和(ピークが発生したサンプル時間すべてを足し合わせたもの)と、車両の今回の運転における前記減点の総和から、次の式で表される。
評価指数=減点の総和/質点速度のピークが発生したサンプル時間の総和
次に、この評価指数から、前述した車両前後方向の急減運転操作度の評価点の算出方法と同様の方法で、5点満点法における相関に従って、車両の今回の運転における車両前後方向のばたつき運転度の評価点を算出する。
尚、車両の今回の運転における前記減点の総和を車両の今回の運転において質点速度のピークが発生したサンプル時間の総和で除することにより、車両の今回の運転における車両前後方向のばたつき運転度の評価指数を求めたが、その減点の総和を車両の今回の運転における質点速度のピークの、サンプル時間当たりの発生回数をカウントしたカウント回数(判定回数)で除することにより、その評価指数を求めてもよい。
以上のように、車両前後方向のばたつき運転度を判定・評価する。
<車両左右方向のばたつき運転度>
続いて、車両左右方向のばたつき運転度について説明する。
−車両の左右方向の躍度に相当する質点速度の、ピークの発生頻度の算出−
まず、車両の左右方向の躍度に相当する質点速度の、ピークの発生頻度の算出について説明する。
始めに、車両の横加速度の変化量に対するその変化の終了時における質点の運動エネルギーの比の算出において算出された、車両の左右方向の躍度に相当する質点速度(前述した、車両横加速度の変化による乗員の頭の動きを仮想した質点の位置を算出するための振動モデルを用いて算出された質点速度)を微分することにより、質点横加速度を算出する。
これ以降の算出工程は、車両の前後方向の躍度に相当する質点速度の、ピークの発生頻度の算出工程とほぼ同様である。つまり、その算出された質点横加速度が0のときにおける質点速度のピーク値を算出する。次に、その算出された質点速度のピークの、サンプル時間当たりの発生回数をカウントする。
以上のように、車両の左右方向の躍度に相当する質点速度の、ピークの発生頻度を算出する。
−車両左右方向のばたつき運転度の判定・評価−
次に、車両左右方向のばたつき運転度の判定・評価について説明する。
車両左右方向のばたつき運転度の判定・評価方法は、車両前後方向のばたつき運転度の判定・評価方法とほぼ同様である。つまり、質点速度のピークの、サンプル時間当たりの発生回数と2〜5との大小関係を比較し、この比較結果から、車両左右方向のばたつき運転度を判定する。次に、車両左右方向のばたつき運転度を5点法で評価する。また、車両の今回の運転における車両左右方向のばたつき運転度の評価指数を算出する。次に、この評価指数から、前述した車両前後方向の急減運転操作度の評価点の算出方法と同様の方法で、5点満点法における相関に従って、車両の今回の運転における車両左右方向のばたつき運転度の評価点を算出する。
以上のように、車両左右方向のばたつき運転度を判定・評価する。
《だらだら運転度の評価》
だらだら運転度は、以下に示すように、車両の車速の変化量に対するその変化に要した時間の比を算出することにより求める。
<車両の車速の変化量に対するその変化に要した時間の比の算出>
最初に、車両の車速の変化量に対するその変化に要した時間の比の算出について説明する。
まず、振動モデルを用いて、その質点位置を車両の前後方向の加速度として算出する。ここでは、車速の変化全体を振動モデルで仮想し、その質点位置を演算する。
振動モデルとして、図2と同様の車両に固定された1自由度粘性減衰モデルを用いる。この振動モデルは、1自由度粘性減衰モデルなので、質点の微分方程式は、前記式(1)と同じである。
ただし、質点質量m、ばね定数k及びダンパー減衰定数cの値は、車速履歴が大まかになる(車速の変化周期が長くなる)ように決定される。つまり、固有振動数の値を0.03〜0.1Hzの範囲とすべく、m及びkの値を設定する。例えば、k=20のときは、mの値を50〜500の範囲とする。また、連続走行中に実態と近いものとなるように、減衰比ζの値を0.5〜1.0の範囲の値とすべく、cの値を設定する。例えば、m=100、k=20のときは、cの値を45〜90の範囲とする。ここでは、m=100、k=20、c=50とする。
また、f(t)は、次の式で表される。
f(t)=(質点質量m)×(高周波のノイズ成分を除去した、車両の前後方向の加速度)
高周波のノイズ成分を除去した、車両の前後方向の加速度は、前述の通り、車速センサ20からの検出信号と振動モデルとから算出された加速度である。
差分方程式を用いた逐次計算によって、式(1)の微分方程式を計算する。具体的には、前記式(4)を用いて、時間tにおける質点位置x(t)及び時間t−Δtにおける質点位置x(t−Δt)から、時間t+Δtにおける質点位置x(t+Δt)を逐次計算する。この質点位置xは、車両の前後方向の加速度に相当する。
図21は、時間と車両の前後方向の加速度との関係の一例を示すグラフである。この図21において、実線は、時間と振動モデルを用いて算出された、車両の前後方向の加速度(質点位置)との関係、破線は、時間と車速センサ20からの検出信号から算出された、車両の前後方向の加速度との関係を示す。
以上のように、質点位置を車両の前後方向の加速度として算出する。
次に、その算出された質点位置を時間について積分することにより、車速を算出する。
図22は、時間と車速との関係の一例を示すグラフである。この図22において、実線は、時間と振動モデルを用いて算出された車速との関係、破線は、時間と車速に相当する車速センサ20からの検出信号との関係を示す。図23は、時間と車速との関係を示すグラフであり、図22の実線の一部を拡大したグラフである。この図23において、黒丸は、車両の加速度が0のときを示す。
次に、車両の加速度が0のときから次の0のときまでの間における車速の変化量とその変化に要した時間を算出し、それらの比を求める。この比は、だらだら運転度(めりはり運転度とも言う)の評価指数である。このだらだら運転度は、車速の変化、言い換えると、乗員の頭の動きがだらだらと長く続くだらだら運転の度合いを示すものである。車速の変化量に対するその変化に要した時間の比をDara、車速の変化量をΔvd、その変化に要した時間をΔtdとすると、Daraは次の式で表される。
Dara=Δtd/Δvd
尚、車速の変化量が所定値(例えば10km/h)以下のときは、車両は定常走行しているとみなし、その変化量をだらだら運転度の評価対象外とする。
以上のように、車速の変化量に対するその変化に要した時間の比を算出する。
<だらだら運転度の判定・評価>
続いて、だらだら運転度の判定・評価について説明する。
図24は、平均車速と車速の変化量に対するその変化に要した時間の比との関係の一例を示すグラフである。この図24において、黒丸は、優良ドライバーの運転結果、黒四角は、優良ドライバーに準ずる運転者の運転結果、十字は、一般的な運転者の運転結果を示す。図24から、車速の変化量に対するその変化に要した時間の比は、同じ運転者において比較すると、平均車速が大きいほど、小さくなる傾向にあることが分かる。
質点に相当する乗員の頭が継続的に動く継続時間は、車両の運転操作がだらだらと長く続くほど、長くなる。そして、運転操作は、その継続時間が長いほど、不良であり、継続時間が短いほど、良好である。そこで、車速の変化量に対するその変化に要した時間の比から、だらだら運転度を判定・評価する。この詳細を以下、説明する。
まず、車速の変化量に対するその変化に要した時間の比と第1〜第4閾値との大小関係を比較し、この比較結果から、だらだら運転度を判定する。この第1〜4閾値は、この順に段々大きくなるものである。具体的には、車速の変化量に対するその変化に要した時間の比が第1閾値以下のときはOKで減点が0点、第1閾値よりも大きく第2閾値以下のときはNG1で減点が1点、第2閾値よりも大きく第3閾値以下のときはNG2で減点が2点、第3閾値よりも大きく第4閾値以下のときはNG3で減点が3点、第4閾値よりも大きいときはNG4で減点が4点と判定する。
次に、だらだら運転度を5点法で評価する。具体的には、前記減点が0点のときは5点、減点が1点のときは4点、減点が2点のときは3点、減点が3点のときは2点、減点が4点のときは1点と評価する。この評価点は、だらだら運転度のリアルタイム評価点とされる。
また、車両の今回の運転におけるだらだら運転度の評価指数を算出する。具体的には、この評価指数は、車両の今回の運転において、車速の変化量に対するその変化に要した時間の比を算出された算出回数と、車両の今回の運転における前記減点の総和から、次の式で表される。
評価指数=減点の総和/算出回数
次に、この評価指数から、前述した車両前後方向の急減運転操作度の評価点の算出方法と同様の方法で、5点満点法における相関に従って、車両の今回の運転におけるだらだら運転度の評価点を算出する。
以上のように、だらだら運転度を判定・評価する。
《車両の運転操作状態の総合判定・評価》
車両の運転操作状態の総合判定・評価を以下、説明する。
まず、車両の今回の運転における急激運転操作度の評価指数(第1評価指数)を算出する。この評価指数#1は、車両の今回の運転において、車両前後方向及び車両左右方向について、しなやかな運転状態であるか、ゆれる運転状態であるか、やさしい運転状態であるかを判定した判定回数と、車両の今回の運転において、車両前後方向及び車両左右方向についてゆれる運転状態であると判定したことによる前記減点(減点が1点、2点又は3点)の総和と、車両の今回の運転において、車両前後方向及び車両左右方向についてしなやかな運転状態であると判定したことによる前記加点(加点が0.3点又は1点)の総和から、次の式で表される。
評価指数#1=(減点の総和−加点の総和)/判定回数
次に、車両の今回の運転におけるばたつき運転度の評価指数(第2評価指数)を算出する。この評価指数#2は、車両の今回の運転において車両前後方向及び車両左右方向について質点速度のピークが発生したサンプル時間の総和と、車両の今回の運転における車両前後方向及び車両左右方向についてのばたつき運転度の判定による前記減点の総和から、次の式で表される。
評価指数#2=減点の総和/質点速度のピークが発生したサンプル時間の総和
尚、車両の今回の運転における前記減点の総和を車両の今回の運転において質点速度のピークが発生したサンプル時間の総和で除することにより、車両の今回の運転におけるばたつき運転度の評価指数を求めたが、その減点の総和を車両の今回の運転における質点速度のピークの、サンプル時間当たりの発生回数をカウントしたカウント回数で除することにより、その評価指数を求めてもよい。
次に、前述した車両前後方向の急激運転操作度の評価点の算出方法と同様の方法で、5点満点法における相関に従って、評価指数#1から、車両の今回の運転における急激運転操作度の評価点(第1評価点)を算出し、評価指数#2から、車両の今回の運転におけるばたつき運転度の評価点(第2評価点)を算出する。
次に、車両の今回の運転における運転操作状態の総合評価点(SD度とも言う)を算出する。具体的には、車両の今回の運転における急激運転操作度の評価点が車両の今回の運転におけるばたつき運転度の評価点よりも重みが大きくなるようにこれらの評価点に重み付けをし、この重み付けした評価点から、総合評価点を算出する。つまり、この総合評価点は、次の式で表される。
総合評価点=急激運転操作度の評価点×重み*1+ばたつき運転度の評価点×重み*2
重み*1と重み*2の和は1であり、重み*1は重み*2よりも大きい値である。このように、重み*1を重み*2よりも大きい値としたのは、ゆれる運転状態度の評価点のみをリアルタイム表示するためである。この総合評価点についての情報を含む信号は、メータ側コントローラ3に送信される。
尚、急激運転操作度とばたつき運転度から、車両の今回の運転における運転操作状態の総合評価点を求めたが、急激運転操作度のみから、その総合評価点を求めてもよい。また、ばたつき運転度に代えて又は急激運転操作度とばたつき運転度に加えて、だらだら運転度から、その総合評価点を求めてもよい。
以上のように、車両の今回の運転における運転操作状態を総合判定・評価する。
<判定基準の変更>
前記判定基準の変更を以下、説明する。
つまり、車両の今回の運転におけるSD度から、判定基準を変更する。具体的には、車両の今回の運転におけるSD度に応じて変動する後述のステージの段階数が上がった(車両の運転操作の技術が向上した)ときには、しなやかな運転状態又はやさしい運転状態であると判定し難くなるように、判定基準を変更・設定する。即ち、ステージの段階数が上がったときには、図9の一点鎖線に示すように、前記オーバーシュート率の固定値に基づく判定基準を小さくしたり、前記所定量を大きくしたりすることにより、前記第1判定マップにおいて、判定基準を下側に移動させる(しなやかな運転状態とやさしい運転状態の範囲を狭くする)。また、ステージの段階数が上がったときには、前記振動モデルにおいて、質点がオーバーシュートし易くなるように、減衰比を低減させる。一方、ステージの段階数が下がったときには、第1判定マップにおいて、判定基準を上側に移動させたり、振動モデルにおいて、減衰比を増加させたりする。
《車両運転情報の表示》
前記車両用表示装置による車両運転情報の表示を以下、説明する。
図1の符号3は、車両運転についての情報である車両運転情報の表示制御を行うメータ側コントローラである。このメータ側コントローラ3は、車両のイグニッションスイッチのオン・オフ操作を検出するイグニッションセンサ40及び車両のステアリングスイッチ50(図25を参照)の操作を検出するステアリングセンサ41等から信号が入力され、運転者による車両の運転操作状態の判定・評価結果をディスプレイ60(表示手段、報知手段)に表示する。メータ側コントローラ3には、システム側コントローラ1が信号の授受可能に接続されている。
前記ステアリングスイッチ50は、図25に示すように、車両のステアリング5に設けられており、このステアリングスイッチ50を押し操作すると、その詳細は後述するが、ディスプレイ60への表示画面が切り替わる。
前記ディスプレイ60は、TFTカラー液晶のマルチインフォメーションディスプレイであり、図26に示すように、車内に設けられたメータ表示器6の右端部に設けられている。このメータ表示器6の左端部には、エンジンの回転数を表示する回転数表示部61、中央部には、車速を表示する車速表示部62が配設されている。
前記メータ側コントローラ3は、イグニッションセンサ40からの検出信号が入力される決定・判定部30(決定手段)と、イグニッションセンサ40及びステアリングセンサ41からの検出信号が入力される表示制御部31(表示手段、報知手段)とを有している。
決定・判定部30は、総合判定部17によって総合判定・評価された結果から、車両の今回の運転操作についてのメッセージ情報の決定、ステージの判定及び車両の次回の運転操作についてのアドバイス情報の決定を行う。この詳細を以下、説明する。
<車両の今回の運転操作についてのメッセージ情報の決定>
最初に、車両の今回の運転操作についてのメッセージ情報の決定について説明する。
つまり、イグニッションセンサ40の検出信号から、イグニッションオンからイグニッションオフされたと判定したときには、総合判定部17によって算出された、車両の今回の運転におけるSD度から、車両の今回の運転操作についてのメッセージ情報を選択・決定する。具体的には、車両の今回の運転におけるSD度が5.0のときは「すばらしい運転です」、4.0〜4.9のとき、又は、車両の今回の運転におけるSD度が2.0〜3.9で且つ車両の今回の運転におけるSD度が直近の累積平均SD度(この累積平均SD度は後述する)以上のときは「上達しています」をメッセージ情報として選択・決定する。尚、車両の今回の運転におけるSD度が2.0〜3.9で且つ車両の今回の運転におけるSD度が直近の累積平均SD度未満のとき、又は、車両の今回の運転におけるSD度が1.0〜1.9のときは、メッセージ情報の選択・決定対象外とする。
以上のように、車両の今回の運転操作についてのメッセージ情報を決定する。
<ステージの判定>
続いて、ステージの判定について説明する。このステージは、運転操作の段階評価を示すものであり、1stステージから5thステージまである。ステージについての情報を含む信号は、システム側コントローラ1に送信される。
まず、イグニッションセンサ40の検出信号から、イグニションオンからイグニッションオフされたと判定したときには、総合判定部17によって算出された直近10回分のSD度から、累積平均SD度を算出する。つまり、この累積平均SD度は、次の式で表される。
累積平均SD度=(直近10回分のSD度の合計)/10
そして、直近5回分の累積平均SD度すべてが4.75以上であるときは、ステージを1段階上げ、直近15回分の累積平均SD度すべてが2.0未満であるときは、ステージを1段階下げる。それ以外のときは、ステージを維持する。
以上のように、ステージを判定する。
尚、ステージの段階数が上がったときには、システム側コントローラ1による車両の運転操作状態の判定・評価を厳しくする。例えば、前記5点満点法に用いられる第1及び第2所定値を小さくしたり(図12の破線を参照)、前記ピークの発生頻度の算出に用いるサンプル時間を長くしたりする。一方、ステージの段階数が下がったときには、運転操作状態の判定・評価を緩くする。例えば、第1及び第2所定値を大きくしたり、サンプル時間を短くしたりする。
<車両の次回の運転操作についてのアドバイス情報の決定>
続いて、車両の次回の運転操作についてのアドバイス情報の決定について説明する。
つまり、イグニッションセンサ40の検出信号から、イグニッションオンからイグニッションオフされたと判定したときには、総合判定部17によって算出された、車両の今回の運転におけるSD度と直近の累積平均SD度から、車両の次回の運転操作についてのアドバイス情報を選択・決定する。具体的には、車両の今回の運転におけるSD度が5.0のときは「常にこの運転ができるように挑戦し続けましょう」、車両の今回の運転におけるSD度が4.0〜4.9のときは「この調子を維持して上のレベルに挑戦しましょう」をアドバイス情報として選択・決定する。
また、車両の今回の運転におけるSD度が2.0〜3.9で且つ車両の今回の運転におけるSD度が直近の累積平均SD度以上のときは、「この調子で上のレベルを目指しましょう」をアドバイス情報として選択・決定する。
さらに、車両の今回の運転におけるSD度が2.0〜3.9で且つ車両の今回の運転におけるSD度が直近の累積平均SD度未満のとき、又は、車両の今回の運転におけるSD度が1.0〜1.9(所定点数以下)のときは、今回の運転において最も評価が低い運転操作を判定し、その運転操作に応じたアドバイス情報を選択・決定する。このアドバイス情報には、「運転アドバイス 頻繁なアクセル操作は控えましょう」、「運転アドバイス 頻繁なブレーキ操作は控えましょう」、「運転アドバイス 頻繁なハンドル操作は控えましょう」、「運転アドバイス 適度な加速を心がけましょう」、「運転アドバイス 適度な減速を心がけましょう」、「運転アドバイス 滑らかなハンドル操作を心がけましょう」、「運転アドバイス メリハリのある運転を心がけましょう」がある。
以上のように、車両の今回の運転操作についてのメッセージ情報を決定する。
<車両運転情報のディスプレイへの表示>
続いて、前記表示制御部31による車両運転情報のディスプレイ60への表示について説明する。
つまり、イグニッションオン中(車両の走行中は勿論、車両の停車中も含む)には、総合判定部17及び決定・判定部30によって判定・評価された、しなやかな運転状態(好ましい運転操作状態)、ゆれる運転状態(好ましくない運転操作状態)及びやさしい運転状態(好ましい運転操作状態)についての情報を含む車両運転情報を通常画面としてディスプレイ60に表示する。この通常画面としてまず、第1通常画面が表示される。この第1通常画面の詳細を以下、図27〜図30を用いて説明する。これらの図27〜図30は、それぞれ第1通常画面NS1の一例を示すものであり、図27は、後述のしなやかな運転表示部が点灯表示された状態を示すもの、図28は、後述の前後ゆれる運転表示部が点灯表示された状態を示すもの、図29は、左右ゆれる運転表示部が点灯表示された状態を示すもの、図30は、やさしい運転表示部が点灯表示された状態を示すものである。
図27〜図30に示すように、第1通常画面NS1の一番上側には、左から順に、外気温、ATギア位置、CVTモードが表示される。図27〜図30の例では、外気温が「26°」、ATギア位置が「D」、CVTモードが「SS」と文字表示されている。
第1通常画面NS1の、外気温、ATギア位置及びCVTモードの表示部の下側には、しなやかな運転表示部(第1表示部)63、前後ゆれる運転表示部(第2表示部)64、左右ゆれる運転表示部(第2表示部)65及びやさしい運転表示部(第3表示部)66が設けられている。
しなやかな運転表示部63、前後ゆれる運転表示部64及び左右ゆれる運転表示部65は、車両左右方向に並設されており、これらの表示部(表示領域)は、全体として、車両左右方向中央部が両端部よりも上側に突出するように湾曲している。しなやかな運転表示部63の左側には左右ゆれる運転表示部65、右側には前後ゆれる運転表示部64がそれぞれ配設されている。やさしい運転表示部66は、しなやかな運転表示部63と車両左右方向の同じ位置に設けられている。しなやかな運転表示部63及びやさしい運転表示部66は略台形状、前後ゆれる運転表示部64及び左右ゆれる運転表示部65は略矩形状をなしている。
しなやかな運転表示部63は、前後ゆれる運転表示部64、左右ゆれる運転表示部65及びやさしい運転表示部よりも下側に突出している。尚、しなやかな運転表示部63は下側に突出しているが、上側又は上下方向両側に突出してもよい。しなやかな運転表示部63は、前後ゆれる運転表示部64、左右ゆれる運転表示部65及びやさしい運転表示部よりも面積が大きい。
しなやかな運転表示部63は、状態判定部13によって車両前後方向又は車両左右方向についてしなやかな運転状態であると判定されたときに、その旨を報知するため、リアルタイムで青色で点灯表示(ランプ点灯)される。詳細には、しなやかな運転表示部63は、図示省略するが、上下方向に3つの領域を有しており、その点灯表示時に、一番下側の領域から順に点灯表示されていき、最終的にすべての領域が点灯表示される(図27を参照)。
前後ゆれる運転表示部64は、状態判定部13によって車両前後方向についてゆれる運転状態であると判定されたときに、そのゆれる運転状態度がリアルタイムでバー表示される。このバー(ゲージ)は、車両左右方向に3目盛(セグメント)あり、これらの目盛(領域)は、左側(しなやかな運転表示部63側)から右側(しなやかな運転表示部63とは反対側)に行くに従って面積が大きくなっている。そして、車両前後方向についてのゆれる運転状態度が増すに従って、左側から右側に段階表示される。具体的には、そのゆれる運転状態度の評価点(リアルタイム評価点)が、減点が1点のときは一番内側(左側)の目盛、減点が2点のときは一番内側から2つ目までの目盛、減点が3点のときは一番内側から3つ目までの目盛が白色で点灯表示される(図28では、図を見易くするため、灰色表示している)。このように、前後ゆれる運転表示部64における表示色としなやかな運転表示部63における表示色は互いに異なる。図28の例では、3目盛すべて点灯表示されている(フルマークされている)。以上のように、ゆれる運転状態度が目盛の増減で表されるため、運転者の視線移動が抑えられる。
左右ゆれる運転表示部65は、状態判定部13によって車両左右方向についてゆれる運転状態であると判定されたときに、そのゆれる運転状態度がリアルタイムでバー表示される。このバーは、車両左右方向に3目盛あり、これらの目盛は、右側(しなやかな運転表示部63側)から左側(しなやかな運転表示部63とは反対側)に行くに従って面積が大きくなっている。そして、車両左右方向についてのゆれる運転状態度が増すに従って、内側から外側に段階表示される。具体的には、そのゆれる運転状態度の評価点(リアルタイム評価点)が、減点が1点のときは一番内側(右側)の目盛、減点が2点のときは一番内側から2つ目までの目盛、減点が3点のときは一番内側から3つ目までの目盛が白色で点灯表示される(図29では、図を見易くするため、灰色表示している)。このように、左右ゆれる運転表示部65における表示色と前後ゆれる運転表示部64における表示色は互いに同一である。図29の例では、3目盛すべて点灯表示されている。
やさしい運転表示部66は、状態判定部13によって車両前後方向及び車両左右方向についてやさしい運転状態であると判定されたときに、その旨を報知するため、リアルタイムで緑色で点灯表示される(図30を参照)。このように、やさしい運転表示部66における表示色と前後ゆれる運転表示部64における表示色としなやかな運転表示部63における表示色は互いに異なる。
また、しなやかな運転表示部63とゆれる運転表示部64,65とやさしい運転表示部66は、いずれか1つのみが点灯表示される。つまり、しなやかな運転表示部63とゆれる運転表示部64,65とやさしい運転表示部66は、同時に点灯表示されることはない。但し、前後ゆれる運転表示部64と左右ゆれる運転表示部65は、同時に点灯表示されることがある。
第1通常画面NS1の、しなやかな運転表示部63、前後ゆれる運転表示部64、左右ゆれる運転表示部65及びやさしい運転表示部66の下側には、上から順に、瞬間燃費、走行可能距離、フューエルゲージ、走行距離(総走行距離(ODO)又は走行距離(TRIP))が表示される。図27〜図30の例では、瞬間燃費が「32.6km/L」、走行可能距離が「1280km」、総走行距離が「262512」と文字表示されている。また、フューエルゲージは、半分の目盛が点灯表示されている。
また、ステアリングセンサ41の検出信号から、ステアリングスイッチ50が押し操作(所定の操作)されたと判定したときには、表示画面を切り替えてディスプレイ60に表示する。具体的には、ステアリングスイッチ50を押し操作すると、その操作の度に表示画面が第1通常画面NS1、第2通常画面、第3通常画面、第4通常画面、第5通常画面の順に切り替わる。そして、第5通常画面のときにおいて、ステアリングスイッチ50を押し操作すると、表示画面が第1通常画面NS1へと戻る。この第2〜第5通常画面を以下、図31〜図34を用いて説明する。この図31は、第2通常画面NS2の一例を示す図、図32は、第3通常画面NS3の一例を示す図、図33は、第4通常画面NS4の一例を示す図、図34は、第5通常画面NS5の一例を示す図である。
図31に示すように、第2通常画面NS2の一番上には、左から順に、外気温、ATギア位置、CVTモードが表示される。図31の例では、外気温が「26°」、ATギア位置が「D」、CVTモードが「SS」と文字表示されている。
第2通常画面NS2の、外気温、ATギア位置及びCVTモードの表示部の下側には、しなやかな運転表示部63、前後ゆれる運転表示部64、左右ゆれる運転表示部65及びやさしい運転表示部66が設けられている。これらの表示部の配置・構成と表示方法は、それぞれ第1通常画面NS1の、しなやかな運転表示部63、前後ゆれる運転表示部64、左右ゆれる運転表示部65及びやさしい運転表示部66の配置・構成と表示方法とほぼ同様である。
第2通常画面NS2の、しなやかな運転表示部63、前後ゆれる運転表示部64、左右ゆれる運転表示部65及びやさしい運転表示部66の下側には、上から順に、瞬間燃費、平均燃費、フューエルゲージ、走行距離が表示される。図31の例では、瞬間燃費が「32.6km/L」、平均燃費が「14.9km/L」、総走行距離が「262512」と文字表示されている。また、フューエルゲージは、半分の目盛が点灯表示されている。
図32に示すように、第3通常画面NS3の一番上には、左から順に、外気温、ATギア位置、CVTモードが表示される。図32の例では、外気温が「26°」、ATギア位置が「D」、CVTモードが「SS」と文字表示されている。
第3通常画面NS3の、外気温、ATギア位置及びCVTモードの表示部の下側には、しなやかな運転表示部63、前後ゆれる運転表示部64、左右ゆれる運転表示部65及びやさしい運転表示部66が設けられている。これらの表示部の配置・構成と表示方法は、それぞれ第1通常画面NS1の、しなやかな運転表示部63、前後ゆれる運転表示部64、左右ゆれる運転表示部65及びやさしい運転表示部66の配置・構成と表示方法とほぼ同様である。
第3通常画面NS3の、しなやかな運転表示部63、前後ゆれる運転表示部64、左右ゆれる運転表示部65及びやさしい運転表示部66の下側には、上から順に、平均燃費、平均車速、フューエルゲージ、走行距離が表示される。図32の例では、平均燃費が「14.9km/L」、平均車速が「50.9km/h」、総走行距離が「262512」と文字表示されている。また、フューエルゲージは、半分の目盛が点灯表示されている。
図33に示すように、第4通常画面NS4の一番上には、左から順に、外気温、ATギア位置、CVTモードが表示される。図33の例では、外気温が「26°」、ATギア位置が「D」、CVTモードが「SS」と文字表示されている。
第4通常画面NS4の、外気温、ATギア位置及びCVTモードの表示部の下側には、しなやかな運転表示部63、前後ゆれる運転表示部64、左右ゆれる運転表示部65及びやさしい運転表示部66が設けられている。これらの表示部の配置・構成と表示方法は、それぞれ第1通常画面NS1の、しなやかな運転表示部63、前後ゆれる運転表示部64、左右ゆれる運転表示部65及びやさしい運転表示部66の配置・構成と表示方法とほぼ同様である。
第4通常画面NS4の、しなやかな運転表示部63、前後ゆれる運転表示部64、左右ゆれる運転表示部65及びやさしい運転表示部66の下側には、上から順に、今回アイドリングストップ、累積アイドリングストップ、フューエルゲージ、走行距離が表示される。今回アイドリングストップには、車両の今回の運転におけるアイドリングストップ時間が表示される。累積アイドリングストップには、累積アイドリングストップ時間が表示される。図33の例では、今回アイドリングストップが「30h20m40s」、累積アイドリングストップが「1104h50m」、総走行距離が「262512」と文字表示されている。また、フューエルゲージは、半分の目盛が点灯表示されている。
図34に示すように、第5通常画面NS5の一番上には、左から順に、外気温、ATギア位置、CVTモードが表示される。図34の例では、外気温が「26°」、ATギア位置が「D」、CVTモードが「SS」と文字表示されている。
第5通常画面NS5の、外気温、ATギア位置及びCVTモードの表示部の下側には、「Smart Driving」(スマートドライブサポート)についての情報が表示される。この情報として、上から順に、ステージ、アベレージ、今回のスコアが表示される。このアベレージには、決定・判定部30によって算出された累積平均SD度が表示される。尚、アベレージは、イグニッションオン中に変動しない。今回のスコアには、総合判定部17によって算出された、車両の今回の運転におけるSD度(運転操作状態の総合評価点)がリアルタイムで表示される。今回のスコアは、5sec毎に更新される。図34の例では、ステージが「1stステージ」、アベレージが「2.8」、今回のスコアが「1.2」と文字表示されている。
第5通常画面NS5の、「Smart Driving」についての情報の表示部の下側には、上から順に、フューエルゲージ、走行距離が表示される。図34の例では、総走行距離が「262512」と文字表示されている。また、フューエルゲージは、半分の目盛が点灯表示されている。
以上のように、通常画面NS1〜NS5には、気温、ATギア位置、CVTモード、フューエルゲージ及び走行距離が常に表示される。
また、イグニッションセンサ40の検出信号から、イグニッションオンからイグニッションオフされたと判定したときには、決定・判定部30によって決定された、車両の今回の運転操作についてのメッセージ情報及び車両の次回の運転操作についてのアドバイス情報をエンディング画面としてディスプレイ60に表示した後に、ディスプレイ60への表示を終了する。具体的には、イグニッションオフされたと判定したときには、車両の今回の運転についての車両運転情報を第1エンディング画面としてディスプレイ60に所定時間(例えば5sec間)表示した後に、車両の今回の運転操作についてのメッセージ情報及び車両の次回の運転操作についてのアドバイス情報を第2エンディング画面としてディスプレイ60に所定時間(例えば5sec間)表示し、その後、表示を終了する。第1エンディング画面には、車両の今回の運転におけるしなやかな運転状態、ゆれる運転状態及びやさしい運転状態についての情報と、車両の今回のエコ運転についての情報とが含まれている。第1及び第2エンディング画面の詳細を以下、図35及び図36を用いて説明する。この図35は、第1エンディング画面ES1の一例を示す図、図36は、第2エンディング画面ES2の一例を示す図である。
図35に示すように、第1エンディング画面ES1には、その上側にアイドリングストップについての情報、下側に「Smart Driving」についての情報が表示される。アイドリングストップについての情報として、その上側に今回のアイドリングストップ率、下側に累積効果が表示される。このアイドリングストップ率は、車両の今回の運転における停車時間に対するアイドリングストップ時間の比である。累積効果は、車両購入時から現在までのアイドリングストップの累積効果を木の本数で示すものである。また、「Smart Driving」についての情報として、上から順に、ステージ、アベレージ、今回のスコアが表示される。図35の例では、今回のアイドリングストップ率が「87%」、累積効果が「20」、ステージが「1stステージ」、アベレージが「2.8」、今回のスコアが「1.2」と文字表示されている。
図36に示すように、第2エンディング画面ES2には、「Smart Driving」についての情報が表示される。この情報として、その上側に車両の今回の運転操作についてのメッセージ情報、下側に車両の次回の運転操作についてのアドバイス情報が表示される。図36の例では、車両の今回の運転操作についてのメッセージ情報として「すばらしい運転です」、車両の次回の運転操作についてのアドバイス情報として「常にこの運転ができるように挑戦し続けましょう」と文字表示されている。
さらに、イグニッションセンサ40の検出信号から、イグニッションオフからイグニッションオンされたと判定したときには、車両の前回の運転操作についての車両運転情報をスタート画面としてディスプレイ60に表示した後に、車両の今回の運転についての車両運転情報をディスプレイ60に表示する。具体的には、イグニッションオンされたと判定したときには、車両の前回の運転についての車両運転情報を第1スタート画面としてディスプレイ60に所定時間(例えば5sec間)表示した後に、車両の前回の運転操作についてのメッセージ情報及び車両の今回の運転操作についてのアドバイス情報を第2スタート画面としてディスプレイ60に所定時間(例えば5sec間)表示し、その後、第1通常画面NS1をディスプレイ60に表示する。第1及び第2スタート画面を以下、図37及び図36を用いて説明する。この図37は、第1スタート画面SS1の一例を示すものである。
図37に示すように、第1スタート画面SS1の一番上には、左から順に、外気温、ATギア位置、CVTモードが表示される。図37の例では、外気温が「26°」、ATギア位置が「D」、CVTモードが「SS」と文字表示されている。
第1スタート画面SS1の、外気温、ATギア位置及びCVTモードの表示部の下側には、上から順に、アベレージ、前回のスコアが表示される。前回のスコアには、車両の前回の運転におけるSD度が表示される。図37の例では、アベレージが「3.5」、前回のスコアが「2.4」と文字表示されている。
第1スタート画面SS1の、前回のスコアの表示部の下側には、上から順に、フューエルゲージ、走行距離が表示される。図34の例では、総走行距離が「262512」と文字表示されている。また、フューエルゲージは、半分の目盛が点灯表示されている。
第2スタート画面SS2は、車両の前回の運転において表示した第2エンディング画面ES2と全く同じである。
尚、イグニションオンされたときに、ステージに変動があると、その旨が音で報知される。
また、車両の運転操作状態に基づいて、車両運転情報のディスプレイ60への表示形態を変更する。具体的には、決定・判定部30によって判定されたステージの段階数に応じて、第5通常画面NS5及び第1エンディング画面ES1におけるステージの表示部における表示色を変更する。
《車両の運転操作状態の判定・評価制御》
以下、システム側コントローラ1による車両の運転操作状態の判定・評価制御について図38のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS1において、システム側コントローラ1は、車両前後方向についてのしなやかな運転状態、ゆれる運転状態及びやさしい運転状態の判定・評価制御を行う。続くステップS2において、システム側コントローラ1は、車両左右方向についてのしなやかな運転状態、ゆれる運転状態及びやさしい運転状態の判定・評価制御を行う。続くステップS3において、システム側コントローラ1は、だらだら運転度の判定・評価制御を行う。続くステップS4において、システム側コントローラ1は、車両前後方向のばたつき運転度の判定・評価制御を行う。続くステップS5において、システム側コントローラ1は、車両左右方向のばたつき運転度の判定・評価制御を行う。続くステップS6において、システム側コントローラ1は、車両の運転操作状態の総合判定・評価制御を行う。この詳細を以下、説明する。
最初に、ステップS1における車両前後方向についてのしなやかな運転状態、ゆれる運転状態及びやさしい運転状態の判定・評価制御について、図39のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップSA1において、変化量算出部10は、車速に相当する車速センサ20からの検出信号を時間について微分することにより、車両の前後方向の加速度を算出する。
続くステップSA2において、変化量算出部10は、ステップSA1において算出された車両の前後方向の加速度から、振動モデルを用いて、その質点位置を高周波のノイズ成分を除去した、車両の前後方向の加速度として算出する。
続くステップSA3において、変化量算出部10は、ステップSA2において算出された、高周波のノイズ成分を除去した、車両の前後方向の加速度から、車両の前後方向の加速度の変化による乗員の頭の動きを仮想した振動モデルを用いて、その質点位置を算出する。
続くステップSA4において、変化量算出部10は、ステップSA3において算出された質点位置を時間について微分することにより、質点速度を車両の前後方向の躍度として算出する。
続くステップSA5において、変化量算出部10、躍度算出部11及び加速度算出部12は、質点への入力が0のとき(質点の静的位置と動的位置との、連続する2つの交点)における車両の、前後方向の加速度の変化量、その変化の終了時(質点の静的位置と動的位置との、連続する2つの交点のうち時間的に後の交点)における質点速度及びその変化の終了時(質点の静的位置と動的位置との、連続する2つの交点のうち時間的に後の交点)における車両の、前後方向の加速度の絶対値を算出する。
続くステップSA6において、状態判定部13は、ステップSA5において算出された車両の、前後方向の加速度の変化量、その変化の終了時における質点速度及びその変化の終了時における車両の、前後方向の加速度の絶対値から、前記第1及び第2判定マップを用いて、車両前後方向について、しなやかな運転状態であるか、ゆれる運転状態であるか、やさしい運転状態であるかを判定する。
続くステップSA7において、状態判定部13は、ステップSA6においてゆれる運転状態であると判定したときに、そのゆれる運転状態度を評価する。
続くステップSA8において、状態判定部13は、車両の今回の運転における車両前後方向の急激運転操作度の評価指数を算出する。
続くステップSA9において、状態判定部13は、ステップSA8において算出された評価指数から、車両の今回の運転における車両前後方向の急激運転操作度の評価点を算出する。その後、リターンへ進む。
続いて、前記ステップS2における車両左右方向についてのしなやかな運転状態、ゆれる運転状態及びやさしい運転状態の判定・評価制御について、図40のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップSB1において、変化量算出部10は、車速センサ20及び舵角センサ21からの検出信号から、車両の横加速度を算出する。
続くステップSB2において、変化量算出部10は、ステップSB1において算出された車両の横加速度から、振動モデルを用いて、その質点位置を高周波のノイズ成分を除去した、車両の横加速度として算出する。
続くステップSB3において、変化量算出部10は、ステップSB2において算出された、高周波のノイズ成分を除去した、車両の横加速度から、車両の横加速度の変化による乗員の頭の動きを仮想した振動モデルを用いて、その質点位置を算出する。
続くステップSB4において、変化量算出部10は、ステップSB3において算出された質点位置を時間について微分することにより、質点速度を車両の左右方向の躍度として算出する。
続くステップSB5において、変化量算出部10、躍度算出部11及び加速度算出部12は、質点への入力が0のとき(質点の静的位置と動的位置との、連続する2つの交点)における車両の横加速度及びその変化量、その変化の終了時(質点の静的位置と動的位置との、連続する2つの交点のうち時間的に後の交点)における質点速度(即ち、躍度)並びにその変化の終了時(質点の静的位置と動的位置との、連続する2つの交点のうち時間的に後の交点)における車両の横加速度の絶対値を算出する。
続くステップSB6において、状態判定部13は、ステップSB5において算出された質点の静的位置と動的位置との、連続する2つの交点における車両の横加速度、それらの変化量、変化の終了時の動的位置(乗員の頭部)の躍度、及びその躍度の絶対値から、車両の横加速度の変化が、切り操作、戻し操作及び切り返し操作の何れの運転操作によるものかを判定する。さらに、状態判定部13は、ステップSB5において算出された車両の横加速度の変化量、その変化の終了時における質点速度及びその変化の終了時における車両の横加速度の絶対値から、前記第1及び第2判定マップを用いて、車両左右方向について、しなやかな運転状態であるか、ゆれる運転状態であるか、やさしい運転状態であるかを判定する。このとき、第1判定マップは、切り操作、戻し操作及び切り返し操作に応じて適宜選択される。
ステップSB7において、状態判定部13は、ステップSB6においてゆれる運転状態であると判定したときに、そのゆれる運転状態度を評価する。
続くステップSB8において、状態判定部13は、車両の今回の運転における車両左右方向の急激運転操作度の評価指数を算出する。
続くステップSB9において、状態判定部13は、ステップSB8において算出された評価指数から、車両の今回の運転における車両左右方向の急激運転操作度の評価点を算出する。その後、リターンへ進む。
続いて、前記ステップS3におけるだらだら運転度の判定・評価制御について、図41のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップSC1において、比算出部15は、前記ステップSA2において算出された、高周波のノイズ成分を除去した、車両の前後方向の加速度から、車速の大まかな変化を仮想した振動モデルを用いて、その質点位置を算出する。
続くステップSC2において、比算出部15は、ステップSC1において算出された質点位置を時間について積分することにより、車速を算出する。
続くステップSC3において、比算出部15は、車両の加速度が0のときから次の0のときまでの間における車速の変化量を算出する。
続くステップSC4において、比算出部15は、ステップSC3において算出された車速の変化量が所定値よりも大きいか否かを判定する。所定値よりも大きい場合(YESの場合)は、ステップSC5へ進む一方、所定値以下の場合(NOの場合)は、リターンへ進む。
ステップSC5において、比算出部15は、ステップSC3において算出された車速の変化量に対するその変化に要した時間の比を算出する。
続くステップSC6において、だらだら運転度判定部16は、ステップSC5において算出された、車速の変化量に対するその変化に要した時間の比と第1〜第4閾値との大小関係を比較し、この比較結果から、だらだら運転度を判定する。
続くステップSC7において、だらだら運転度判定部16は、だらだら運転度を評価する。
続くステップSC8において、だらだら運転度判定部16は、車両の今回の運転におけるだらだら運転度の評価指数を算出する。
続くステップSC9において、だらだら運転度判定部16は、ステップSC8において算出された評価指数から、車両の今回の運転におけるだらだら運転度の評価点を算出する。その後、リターンへ進む。
続いて、前記ステップS4における車両前後方向のばたつき運転度の判定・評価制御について、図42のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップSD1において、ばたつき運転度判定部14は、前記ステップSA4において算出された質点速度を微分することにより、質点加速度を算出する。
続くステップSD2において、ばたつき運転度判定部14は、ステップSD1において算出された質点加速度が0のときにおける質点速度のピーク値を算出する。
続くステップSD3において、ばたつき運転度判定部14は、ステップSD2において算出された質点速度のピーク値の絶対値が所定値よりも大きいか否かを判定する。所定値よりも大きい場合(YESの場合)は、ステップSD4へ進む一方、所定値以下の場合(NOの場合)は、リターンへ進む。
ステップSD4において、ばたつき運転度判定部14は、ステップSD2において算出された質点速度のピークの、サンプル時間当たりの発生回数をカウントする。
続くステップSD5において、ばたつき運転度判定部14は、ステップSD4においてカウントした、質点速度のピークの、サンプル時間当たりの発生回数と2〜5との大小関係を比較し、この比較結果から、車両前後方向のばたつき運転度を判定する。
続くステップSD6において、ばたつき運転度判定部14は、車両前後方向のばたつき運転度を評価する。
続くステップSD7において、ばたつき運転度判定部14は、車両の今回の運転における車両前後方向のばたつき運転度の評価指数を算出する。
続くステップSD8において、ばたつき運転度判定部14は、ステップSD7において算出された評価指数から、車両の今回の運転における車両前後方向のばたつき運転度の評価点を算出する。その後、リターンへ進む。
続いて、前記ステップS5における車両左右方向のばたつき運転度の判定・評価制御について、図43のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップSE1において、ばたつき運転度判定部14は、前記ステップSB4において算出された質点速度を微分することにより、質点横加速度を算出する。
続くステップSE2において、ばたつき運転度判定部14は、ステップSE1において算出された質点横加速度が0のときにおける質点速度のピーク値を算出する。
続くステップSE3において、ばたつき運転度判定部14は、ステップSE2において算出された質点速度のピーク値の絶対値が所定値よりも大きいか否かを判定する。所定値よりも大きい場合(YESの場合)は、ステップSE4へ進む一方、所定値以下の場合(NOの場合)は、リターンへ進む。
ステップSE4において、ばたつき運転度判定部14は、ステップSE2において算出された質点速度のピークの、サンプル時間当たりの発生回数をカウントする。
続くステップSE5において、ばたつき運転度判定部14は、ステップSE4においてカウントした、質点速度のピークの、サンプル時間当たりの発生回数と2〜5との大小関係を比較し、この比較結果から、車両左右方向のばたつき運転度を判定する。
続くステップSE6において、ばたつき運転度判定部14は、車両左右方向のばたつき運転度を評価する。
続くステップSE7において、ばたつき運転度判定部14は、車両の今回の運転における車両左右方向のばたつき運転度の評価指数を算出する。
続くステップSE8において、ばたつき運転度判定部14は、ステップSE7において算出された評価指数から、車両の今回の運転における車両左右方向のばたつき運転度の評価点を算出する。その後、リターンへ進む。
続いて、前記ステップS6における車両の運転操作状態の総合判定・評価制御について、図44のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップSF1において、総合判定部17は、車両の今回の運転における急激運転操作度の評価指数を算出する。
続くステップSF2において、総合判定部17は、車両の今回の運転におけるばたつき運転度の評価指数を算出する。
続くステップSF3において、総合判定部17は、ステップSF1において算出された評価指数から、車両の今回の運転における急激運転操作度を算出し、ステップSF2において算出された評価指数から、車両の今回の運転におけるばたつき運転度の評価点を算出する。
続くステップSF4において、総合判定部17は、ステップSF3において算出された評価点から、車両の今回の運転における運転操作状態の総合評価点を算出する。その後、リターンへ進む。
また、メータ側コントローラ3による車両運転情報の表示制御について、図45のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップSG1において、表示制御部31は、イグニッションセンサ40の検出信号から、イグニッションオフからイグニッションオンされたか否かを判定する。表示制御部31は、イグニッションオンされた場合(YESの場合)は、SG2へ進む一方、イグニッションオンされていない場合(NOの場合)は、SG1へ戻る。
ステップSG2において、表示制御部31は、第1スタート画面SS1(図37を参照)をディスプレイ60に表示した後に、第2スタート画面SS2(図36を参照)をディスプレイ60に表示する。
続くステップSG3において、表示制御部31は、第1通常画面NS1(図27〜図30を参照)をディスプレイ60に表示する。
続くステップSG4において、表示制御部31は、ステアリングセンサ41の検出信号から、ステアリングスイッチ50が押し操作されたか否かを判定する。表示制御部31は、押し操作された場合(YESの場合)は、ステップSG5へ進む一方、押し操作されていない場合(NOの場合)は、ステップSG6へ進む。
ステップSG5において、表示制御部31は、ディスプレイ60への表示画面を切り替える。具体的には、表示制御部31は、ステアリングスイッチ50の押し操作の度に、表示画面を第1通常画面NS1から第2通常画面NS2(図31を参照)、第3通常画面NS3(図32を参照)、第4通常画面NS4(図33を参照)、第5通常画面NS5(図34を参照)の順に切り替える。
ステップSG6において、表示制御部31は、イグニッションセンサ40の検出信号から、イグニッションオンからイグニッションオフされたか否かを判定する。表示制御部31は、イグニッションオフされた場合(YESの場合)は、ステップSG7へ進む一方、イグニションオフされていない場合(NOの場合)は、ステップSG4へ戻る。
ステップSG7において、表示制御部31は、第1エンディング画面ES1(図35を参照)をディスプレイ60に表示した後に、第2エンディング画面ES2(図36を参照)をディスプレイ60に表示する。
続くステップSG8において、ディスプレイ60への表示を終了する。その後、エンドへ進む。
以上のように、車両用運転支援装置は、運転者による車両の運転操作状態、特に、車両の加速度が変化しているときにおける運転操作状態を運転者に知らせ、これを運転者が学習することにより、運転操作の技術を向上させる。これにより、車両を運転する楽しさを増大させるとともに、経済的で環境に優しい運転を実現する。具体的には、乗員にとって気持ちが良い加減速運転や旋回運転、スムーズな運転を実現し、これに伴い、無駄な加減速が減ることとなり、燃費を向上させる。
−効果−
したがって、本実施形態の車両用運転支援装置は、車両の横加速度又は乗員の頭部の横加速度に基づいて、ハンドル操作が、操舵角が増加する方向への切り操作か、操舵角が減少する方向への戻し操作か、操舵角が左右の一方側から他方側まで変化する切り返し操作であるかを判定する状態判定部13を備える。
この構成によれば、ハンドル操作を切り操作と戻し操作だけでなく、切り操作、切り返し操作及び戻し操作の少なくとも3種類に分類するので、運転操作を的確に判定することができる。切り操作と戻し操作ではハンドル操作の難易度が異なるため、切り操作と判定されるか戻し操作と判定されるかによって、その後の処理やハンドル操作の評価が大きく異なる。ハンドル操作には、切り操作と戻し操作以外に切り返し操作がある。切り返し操作は、切り操作と戻し操作の何れにも判定される可能性があり、切り操作と戻し操作の何れに判定されるかによって、その後の処理やハンドル操作の評価が大きく異なる。それに対し、切り操作及び戻し操作の他に切り返し操作をハンドル操作の分類として加えることによって、運転操作を的確に判定することができる。
こうして運転操作を的確に判定することができると、例えば、運転技量を判定する際に運転操作に応じた運転技量を的確に判定することができる。例えば、運転技量の判定手法や判定基準を運転操作に応じて設定することができる。そうすることで、運転操作に応じて判定手法を変更したり、運転操作に応じた難易度を設定したりすることができる。
また、前記状態判定部13は、車両の横加速度と乗員の頭部の横加速度とが一致する、連続する2つの点間での該横加速度の変化に基づいて前記ハンドル操作を判定する。
この構成によれば、車両の横加速度と乗員の頭部の横加速度との両方を考慮してハンドル操作を判定することができる。例えば、車両の横加速度だけの変化に基づいてハンドル操作を判定すると、乗員の挙動を考慮せずにハンドル操作を判定することになる。一方、乗員の頭部の横加速度だけの変化に基づいてハンドル操作を判定すると、乗員の頭部の挙動は車両の挙動からタイムラグがあるため、ハンドル操作の判定にも実際のハンドル操作からタイムラグが生じてしまう。それに対し、車両の横加速度及び乗員の頭部の横加速度の両方に基づいてハンドル操作を判定することによって、乗員の挙動を考慮しつつ、実際のハンドル操作からタイムラグを低減して、ハンドル操作を判定することができる。
また、前記状態判定部13は、車両の横加速度の変化において、変化前の車両の横加速度をG’(左右の一方側への横加速度を正とし、左右の他方側への横加速度を負とする)、変化後の車両の横加速度をG(左右の一方側への横加速度を正とし、左右の他方側への横加速度を負とする)、車両の横加速度の変化量をΔGとすると、(G+G’)/|ΔG|の値に基づいて前記切り操作、前記戻し操作及び前記切り返し操作を判定する。
尚、状態判定部13は、車両の横加速度と乗員の頭部の横加速度とが一致する、連続する2つの点間での該横加速度の変化においてハンドル操作を判定しているので、変化前の車両の横加速度G’は変化前の乗員の頭部の横加速度に相当し、変化後の車両の横加速度Gは変化後の乗員の頭部の横加速度に相当し、車両の横加速度の変化量ΔGは乗員の頭部の横加速度の変化量に相当する。
また、本実施形態では躍度Jを用いることによって処理を簡単にしている。具体的には、(G+G’)/|ΔG|にJ/|J|を掛け合わせることによって、ハンドルを左側に操作したときと右側に操作したときとで共通の操作判定値Pを用いてハンドル操作を判定している。つまり、便宜上、J/|J|を用いているが、実質的には(G+G’)/|ΔG|の値で運転操作を判定している。
この構成によれば、左右の一方側への横加速度を正とし、左右の他方側への横加速度を負としているので、切り返し操作、即ち、直進状態を跨いだ左から右、又は右から左へのハンドル操作の場合には、変化の前後の横加速度の和(G+G’)は零に近い値となる。一方、切り操作又は戻し操作の場合には、変化の前後の横加速度の和(G+G’)は比較的大きな値か又は比較的小さな(負に大きな)値となる。そして、変化の前後の横加速度の和(G+G’)を車両の横加速度の変化量ΔGの絶対値で除することによって正規化を行っている。つまり、横加速度の変化量に対する変化の前後の横加速度の和の割合を求めることによって、様々なハンドル操作を共通の判定値で判定することができる。
また、状態判定部13は、技量判定部としても機能し、車両及び乗員の頭部の少なくとも一方の横加速度の変化において、該横加速度の変化量ΔG及び変化後の乗員の頭部の速度vに基づいて運転技量を判定する。
横加速度の変化が生じたときには、その変化によって乗員の頭部の速度vも変化する。つまり、横加速度の変化量ΔG及び変化後の乗員の頭部の速度vを考慮することによってどのような運転が行われたのかを判断することができ、ひいては、運転技量を的確に判定することができる。
また、前記状態判定部13は、好ましくない運転(即ち、ゆれる運転)の度合いを前記切り操作、前記切り返し操作及び前記戻し操作に対して判定し、前記好ましくない運転の度合いの判定基準は、前記切り操作、前記切り返し操作及び前記戻し操作に応じて設定されている。
この構成によれば、好ましくない運転の度合いが、切り操作、切り返し操作及び戻し操作のそれぞれに応じた判定基準で判定される。つまり、運転操作を的確に判定することに加え、判定した運転操作に応じた判定基準で好ましく運転の度合いを判定するので、好ましくない運転の度合いを的確に判定することができる。
尚、判定基準は、切り操作、切り返し操作及び戻し操作に応じて設定されていればよく、切り操作、切り返し操作及び戻し操作で互いに異なっていてもよく、切り操作、切り返し操作及び戻し操作で共通であってもよい。
さらに、前記状態判定部13は、好ましい運転(即ち、しなやかな運転)の度合いを少なくとも前記切り操作及び前記切り返し操作に対して判定し、前記好ましい運転の度合いの判定基準は、前記切り操作及び前記切り返し操作で同じに設定されている。
この構成によれば、好ましい運転の度合いが、切り操作と切り返し操作とで同じ判定基準で判定される。つまり、実際の車両の運転を検証すると、好ましい運転の度合いを判定する際には切り操作と切り返し操作とで判定基準を異ならせる必要がない場合もある。前記の構成は、切り操作と切り返し操作とで好ましい運転の判定基準を共通にすることによって、実際の運転技量に適した判定を可能としている。
また、本実施形態によれば、車両の加速度の変化量に関連する第1関連値と車両の躍度に関連する第2関連値とに基づいて、車室内の質点の動きを表す振動モデルを用いて算出された、車両の加速度の変化量に対するその変化の終了時における質点の運動エネルギーの比に基づいて予め設定された判定基準に従って、車両の運転操作状態を判定するので、車両の運転操作状態を精度良く判定することができる。
また、質点の運動エネルギーは、車両の加速度の、前回の変化の終了時における質点の運動エネルギーの影響を除いたものであるので、判定基準を精度良く設定することができ、車両の運転操作状態をより一層精度良く判定することができる。
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
前記実施形態では、車速センサ20及び舵角センサ21からの検出信号から、振動モデルを用いて、車両の加速度及び躍度並びに乗員の頭部の加速度及び躍度を算出しているが、これに限られるものではない。例えば、車両前後方向Gセンサ及び車両左右方向Gセンサからの検出信号から、振動モデルを用いて、車両の加速度及び躍度並びに乗員の頭部の加速度及び躍度を算出してもよい。
また、前記実施形態では、車両の加速度と乗員の頭部の加速度とが一致する、連続する2つの点間での加速度の変化において運転操作の判定や運転技量の判定を行っているが、これに限られるものではない。すなわち、車両の加速度又は乗員の頭部の加速度が変化する任意の2点間の加速度の変化において運転操作の判定や運転技量の判定を行うことができる。例えば、乗員の頭部の加速度の連続する2つの極値(ピーク値)の間での加速度の変化において運転操作の判定や運転技量の判定を行ってもよい。その場合、頭部の横加速度の変化において、変化前の頭部の横加速度をG’(左右の一方側への横加速度を正とし、左右の他方側への横加速度を負とする)、変化後の頭部の横加速度をG(左右の一方側への横加速度を正とし、左右の他方側への横加速度を負とする)、頭部の横加速度の変化量をΔGとし、(G+G’)/|ΔG|の値に基づいて切り操作、戻し操作及び切り返し操作を判定してもよい。あるいは、車両の加速度の連続する2つの極値(ピーク値)の間での加速度の変化において運転操作の判定や運転技量の判定を行ってもよい。
また、前記実施形態においては、運転操作の判定に用いる操作判定値Pにおいて、(G+G’)/|ΔG|にJ/|J|を掛け合わせているが、これに限られるものではない。これは、左側でのハンドル操作と右側でのハンドル操作とを共通の判定基準で判定するために行っていることである。左側でのハンドル操作と右側でのハンドル操作とで異なる判定基準で運転操作を判定する場合には、J/|J|を掛け合わせる必要はない。その場合には、変化の終了時の乗員頭部の躍度Jが正の場合には、P<x1のときは戻し操作と判定し、x1≦P≦x2(x1<x2)のときは切り返し操作と判定し、x2<Pのときは切り操作と判定すればよい。変化の終了時の乗員頭部の躍度Jが負の場合には、−x1<Pのときは戻し操作と判定し、−x2≦P≦−x1(x1<x2)のときは切り返し操作と判定し、P<−x2のときは切り操作と判定すればよい。このように、J/|J|を用いない場合には、変化の終了時の乗員頭部の躍度Jが正か負かによって、操作判定値Pの閾値の符号を変更すればよい。
また、運転操作の判定は、操作判定値Pを用いて行うものに限られない。車両及び乗員の頭部の少なくとも一方の横加速度に基づいて運転操作を判定する限り、任意の判定手法を採用することができる。例えば、変化前の車両又は頭部の横加速度をG’(左右の一方側への横加速度を正とし、左右の他方側への横加速度を負とする)、変化後の車両又は頭部の横加速度をG(左右の一方側への横加速度を正とし、左右の他方側への横加速度を負とする)とし、G/G’に基づいて運転操作を判定してもよい。G/G’を閾値と比較することによって、運転操作を切り操作、切り返し操作及び戻し操作に判定することができる。
また、前記実施形態では、運転技量を判定するために、その前提となる運転操作を判定しているが、これに限られるものではない。例えば、運転操作に応じた何らかの制御を行うために、運転操作の判定を行ってもよい。
また、前記実施形態では、第1判定マップは、切り操作、切り返し操作及び戻し操作で全く異なる形状としてもよい。つまり、判定基準を切り操作、切り返し操作及び戻し操作に応じて変更するだけでなく、ゆれる運転等の各運転領域の形状や、運転領域の種類、運転領域の個数を切り操作、切り返し操作及び戻し操作に応じて変更してもよい。
また、前記実施形態では、切り操作と切り返し操作とで、第1判定マップのやさしい運転としなやかな運転との判定基準を共通にしているが、異ならせてもよい。例えば、切り操作の方が切り返し操作よりもしなやかな運転と判定され難くなるように、やさしい運転としなやかな運転との判定基準を切り操作と切り返し操作とで異ならせてもよい。
さらに、戻し操作においては、しなやかな運転を判定していないが、切り操作及び切り返し操作と同様に、しなやかな運転を判定するようにしてもよい。その場合には、戻し操作の方が切り操作及び切り返し操作よりもしなやかな運転と判定され易くなるように、やさしい運転としなやかな運転との判定基準を設定してもよい。
また、前記実施形態では、状態判定部13が、操作判定部及び技量判定部の両方として機能しているが、これに限られるものではない。操作判定部に相当する機能ブロックと、技量判定部に相当する機能ブロックとを別々に設けてもよい。
また、前記実施形態では、車両の今回の運転におけるSD度が所定点数よりも低いときに、車両の次回の運転操作についてのアドバイス情報をディスプレイ60に表示しているが、その情報を音で報知してもよい。さらにまた、その表示に代えて又はこれに加えて、車両の今回の運転におけるSD度が所定点数よりも低い旨をディスプレイ60に表示したり、音で報知したりしてもよい(報知手段)。
さらに、前記実施形態では、ディスプレイ60をメータ表示器6の右端部に設けているが、図46に示すように、メータ表示器6の車両左右方向中央部に設けてもよい。このとき、ディスプレイ60の左側に回転数表示部61、右側に車速表示部62をそれぞれ配設する。図46の例では、やさしい運転表示部66が、しなやかな運転表示部63の下側に設けられており、しなやかな運転表示部63(又はやさしい運転表示部66)、前後ゆれる運転表示部64及び左右ゆれる運転表示部65が、車両左右方向に並設されている。
さらにまた、前記実施形態では、しなやかな運転表示部63(又はやさしい運転表示部66)、前後ゆれる運転表示部64及び左右ゆれる運転表示部65を車両左右方向に並設しているが、以下に示すように配設してもよい。
図47の例では、やさしい運転表示部66が、しなやかな運転表示部63と同じ位置に設けられている。また、前後ゆれる運転表示部64及び左右ゆれる運転表示部65がしなやかな運転表示部63(又はやさしい運転表示部66)の周囲に設けられている。具体的には、前後ゆれる運転表示部64がしなやかな運転表示部63(又はやさしい運転表示部66)の上下方向両側、左右ゆれる運転表示部65がしなやかな運転表示部63(又はやさしい運転表示部66)の車両左右方向両側にそれぞれ配設されている。しなやかな運転表示部63及びやさしい運転表示部66は円形状、前後ゆれる運転表示部64及び左右ゆれる運転表示部65は内側から外側に行くに従って細くなる先細形状をなしている。しなやかな運転表示部63は、やさしい運転表示部66よりも面積が大きい。そして、しなやかな運転状態であると判定されたときはしなやかな運転表示部63(図47(b)を参照)、やさしい運転状態であると判定されたときはやさしい運転表示部66(図47(c)を参照)が点灯表示される。一方、車両前後方向前側についてゆれる運転状態であると判定されたときは上側の前後ゆれる運転表示部64(図47(d)を参照)、後側についてゆれる運転状態であると判定されたときは下側の前後ゆれる運転表示部64、車両左右方向左側についてゆれる運転状態であると判定されたときは左側の左右ゆれる運転表示部65、右側についてゆれる運転状態であると判定されたときは右側の左右ゆれる運転表示部65(図47(e)を参照)が段階表示される。つまり、ゆれる運転表示部64,65は、ゆれる運転状態であると判定された方向(急激な加速度変化のあった方向)についての情報がその方向が分かる態様で表示される。
図48の例では、やさしい運転表示部66が、しなやかな運転表示部63と同じ位置に設けられている。また、前後ゆれる運転表示部64がしなやかな運転表示部63(又はやさしい運転表示部66)を通って上下方向に延びるように設けられている一方、左右ゆれる運転表示部65がしなやかな運転表示部63(又はやさしい運転表示部66)を通って車両左右方向に延びるように設けられている。しなやかな運転表示部63及びやさしい運転表示部66は円形状、前後ゆれる運転表示部64及び左右ゆれる運転表示部65は楕円状をなしている。しなやかな運転表示部63は、やさしい運転表示部66よりも面積が大きい。そして、しなやかな運転状態であると判定されたときはしなやかな運転表示部63(図48(b)を参照)、やさしい運転状態であると判定されたときはやさしい運転表示部66(図48(c)を参照)が点灯表示される。一方、車両前後方向についてゆれる運転状態であると判定されたときは前後ゆれる運転表示部64(図48(d)を参照)、車両左右方向についてゆれる運転状態であると判定されたときは左右ゆれる運転表示部65が点灯表示される。つまり、ゆれる運転表示部64,65は、ゆれる運転状態であると判定された方向についての情報がその方向が分かる態様で表示される。
以上のように、これらの図の例によれば、急激な加速度変化のあった方向についての情報をその方向が分かる態様で表示するので、運転者は、急激な加速度変化のあった方向を一目で把握することができ、この情報を基に、車両の運転操作の技術向上を図ることができる。