JP6131776B2 - レジスト材料及びこれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Description
EB用レジスト材料は、実用的にはマスク描画用途に用いられてきた。近年、マスク製作技術が問題視されるようになってきた。露光に用いられる光がg線の時代から縮小投影露光装置が用いられており、その縮小倍率は1/5であったが、チップサイズの拡大と、投影レンズの大口径化と共に1/4倍率が用いられるようになってきたため、マスクの寸法ズレがウエハー上のパターンの寸法変化に与える影響が問題になっている。パターンの微細化と共に、マスクの寸法ズレの値よりもウエハー上の寸法ズレの方が大きくなってきていることが指摘されている。マスク寸法変化を分母、ウエハー上の寸法変化を分子として計算されたMask Error Enhancement Factor(MEEF)が求められている。45nm級のパターンでは、MEEFが4を超えることも珍しくない。縮小倍率が1/4でMEEFが4であれば、マスク製作において実質等倍マスクと同等の精度が必要であることが言える。
特許第3865048号公報(特許文献1)に示されるインデン共重合、特開2006−169302号公報(特許文献2)に示されるアセナフチレン共重合は炭素密度が高いだけでなく、シクロオレフィン構造による剛直な主鎖構造によってエッチング耐性の向上が示されている。
微細化の進行と共に、酸の拡散による像のぼけが問題になっている。寸法サイズ45nm以降の微細パターンでの解像性を確保するためには、従来提案されている溶解コントラストの向上だけでなく、酸拡散の制御が重要であることが提案されている。しかしながら、化学増幅型レジスト材料は、酸の拡散によって感度とコントラストを上げているため、ポストエクスポジュアーベーク(PEB)温度や時間を短くして酸拡散を極限まで抑えようとすると感度とコントラストが著しく低下する。酸不安定基の種類と酸拡散距離とは密接な関係があり、極めて短い酸拡散距離で脱保護反応が進行する酸不安定基の開発が望まれている。
バルキーな酸が発生する酸発生剤を添加して酸拡散を抑えることは有効であるが、前述の通りエッジラフネスと感度が低下する。そこで、ポリマーに重合性オレフィンを有するオニウム塩の酸発生剤を共重合することが提案されている。特開平4−230645号公報(特許文献3)、特開2005−84365号公報(特許文献4)、特開2006−45311号公報(特許文献5)には、特定のスルホン酸が発生する重合性オレフィンを有するスルホニウム塩、ヨードニウム塩が提案されている。重合性の酸発生剤を共重合したベースポリマーを用いたフォトレジストは、酸拡散が小さくかつ酸発生剤がポリマー内に均一分散しているためにエッジラフネスも小さく、解像度とエッジラフネスの両方の特性を同時に向上させることができる。
〔1〕
酸によってアルカリ溶解性が向上するベース樹脂となる高分子化合物と、高分子添加剤としてアセナフチル基を除く炭素数12〜20の芳香族含有基をそれぞれ有する(メタ)アクリル酸エステル及びビニルエーテル類、ビニルフルオレン類、ビニルアントラセン類、ビニルピレン類、ビニルビフェニル類、スチルベン類、スチリルナフタレン類及びジナフチルエチレン類から選ばれる1以上のモノマーに由来する繰り返し単位並びに少なくとも1個のフッ素原子を有する繰り返し単位を含む高分子化合物とを含むレジスト材料であって、
前記アセナフチル基を除く炭素数12〜20の芳香族含有基をそれぞれ有する(メタ)アクリル酸エステル及びビニルエーテル類、ビニルフルオレン類、ビニルアントラセン類、ビニルピレン類、ビニルビフェニル類、スチルベン類、スチリルナフタレン類及びジナフチルエチレン類から選ばれる1以上のモノマーに由来する繰り返し単位並びに少なくとも1個のフッ素原子を有する繰り返し単位を含む高分子化合物が、下記一般式(1)で示されるものであることを特徴とするレジスト材料。
(式中、R1、R6、R9は水素原子又はメチル基である。R2は炭素数12〜20のアリール基又は炭素数12〜20のアラルキル基であり、R3、R4は同一又は異種の水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基、アシロキシ基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、−OC(=O)R基(Rは炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、又はハロゲン原子である。R5はフルオレニル基、アントラセルニル基又はピレニル基である。X1は−C(=O)−O−又は−O−であり、X2、X3はフェニレン基又はナフチレン基である。Y2は単結合、−O−、−C(=O)−O−R11−又は−C(=O)−NH−R11−であり、R11は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。mは1〜5の整数であり、nは1又は2である。n=1の場合、Y1は単結合、−O−、−C(=O)−O−R11−、又は−C(=O)−NH−R11−であり、R11は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、フッ素原子で置換されていてもよく、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。n=2の場合、Y1は−C(=O)−O−R12=又は−C(=O)−NH−R12=であり、R12は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基から水素原子が1個脱離した3価の基であり、フッ素原子で置換されていてもよく、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。R7は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、フェニレン基、又は該アルキレン基とフェニレン基が結合した基で、フッ素原子で置換されていてもよく、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。R8は水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメチル基、又はR7と結合して環を形成してもよく、環の中にエーテル基、フッ素で置換されたアルキレン基又はトリフルオロメチル基を有していてもよい。R10は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、少なくとも1個のフッ素原子で置換されていて、エーテル基、エステル基又はスルホンアミド基を有していてもよい。0≦(p−1)<1.0、0≦(p−2)<1.0、0≦(p−3)<1.0、0<(p−1)+(p−2)+(p−3)<1.0、0≦(q−1)<1.0、0≦(q−2)<1.0、0<(q−1)+(q−2)<1.0、(p−1)+(p−2)+(p−3)+(q−1)+(q−2)=1.0である。)
〔2〕
酸によってアルカリ溶解性が向上するベース樹脂となる高分子化合物と、高分子添加剤としてアセナフチル基を除く炭素数12〜20の芳香族含有基をそれぞれ有する(メタ)アクリル酸エステル及びビニルエーテル類、ビニルフルオレン類、ビニルアントラセン類、ビニルピレン類、ビニルビフェニル類、スチルベン類、スチリルナフタレン類及びジナフチルエチレン類から選ばれる1以上のモノマーに由来する繰り返し単位並びに少なくとも1個のフッ素原子を有する繰り返し単位を含む高分子化合物とを含むレジスト材料であって、
前記アセナフチル基を除く炭素数12〜20の芳香族含有基をそれぞれ有する(メタ)アクリル酸エステル及びビニルエーテル類、ビニルフルオレン類、ビニルアントラセン類、ビニルピレン類、ビニルビフェニル類、スチルベン類、スチリルナフタレン類及びジナフチルエチレン類から選ばれる1以上のモノマーに由来する繰り返し単位並びに少なくとも1個のフッ素原子を有する繰り返し単位を含む高分子化合物が、下記一般式(1)に示される繰り返し単位p−1〜p−3から選ばれる少なくとも1種、下記一般式(1)に示される繰り返し単位q−1及びq−2から選ばれる少なくとも1種、並びにカルボキシル基を有する繰り返し単位rを含むものであることを特徴とするレジスト材料。
(式中、R1、R6、R9は水素原子又はメチル基である。R2は炭素数12〜20のアリール基又は炭素数12〜20のアラルキル基であり、R3、R4は同一又は異種の水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基、アシロキシ基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、−OC(=O)R基(Rは炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、又はハロゲン原子である。R5はフルオレニル基、アントラセルニル基又はピレニル基である。X1は−C(=O)−O−又は−O−であり、X2、X3はフェニレン基又はナフチレン基である。Y2は単結合、−O−、−C(=O)−O−R11−又は−C(=O)−NH−R11−であり、R11は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。mは1〜5の整数であり、nは1又は2である。n=1の場合、Y1は単結合、−O−、−C(=O)−O−R11−、又は−C(=O)−NH−R11−であり、R11は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、フッ素原子で置換されていてもよく、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。n=2の場合、Y1は−C(=O)−O−R12=又は−C(=O)−NH−R12=であり、R12は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基から水素原子が1個脱離した3価の基であり、フッ素原子で置換されていてもよく、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。R7は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、フェニレン基、又は該アルキレン基とフェニレン基が結合した基で、フッ素原子で置換されていてもよく、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。R8は水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメチル基、又はR7と結合して環を形成してもよく、環の中にエーテル基、フッ素で置換されたアルキレン基又はトリフルオロメチル基を有していてもよい。R10は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、少なくとも1個のフッ素原子で置換されていて、エーテル基、エステル基又はスルホンアミド基を有していてもよい。繰り返し単位p−1、p−2、p−3、q−1及びq−2、並びに繰り返し単位rの割合は、0≦(p−1)<1.0、0≦(p−2)<1.0、0≦(p−3)<1.0、0<(p−1)+(p−2)+(p−3)<1.0、0≦(q−1)<1.0、0≦(q−2)<1.0、0<(q−1)+(q−2)<1.0、0<r<1.0、(p−1)+(p−2)+(p−3)+(q−1)+(q−2)+r=1.0である。)
〔3〕
式(1)に示される繰り返し単位p−1が、下記式で表されるモノマーに由来するものであることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載のレジスト材料。
式(1)に示される繰り返し単位q−1が、下記式で表されるモノマーに由来するものであることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のレジスト材料。
〔5〕
式(1)に示される繰り返し単位q−2が、下記式で表されるモノマーに由来するものであることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のレジスト材料。
〔6〕
化学増幅ポジ型レジスト材料であることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のレジスト材料。
〔7〕
前記ベース樹脂としての高分子化合物が、酸不安定基を有する繰り返し単位、及びヒドロキシ基及び/又はラクトン環の密着性基を有する繰り返し単位を含むものであることを特徴とする〔6〕に記載のレジスト材料。
〔8〕
前記ベース樹脂としての高分子化合物が、カルボキシル基及び/又はフェノール基の水酸基の水素原子が酸不安定基で置換されている下記一般式(2)で示される繰り返し単位a1、a2から選ばれる1つ以上の繰り返し単位と、フェノール性水酸基及び/又はラクトン環の密着性基を有する繰り返し単位を含む重量平均分子量が1,000〜500,000の範囲である高分子化合物であることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のレジスト材料。
〔9〕
前記ベース樹脂としての高分子化合物が、カルボキシル基及び/又はフェノール基の水酸基の水素原子が酸不安定基で置換されている上記一般式(2)で示される繰り返し単位a1、a2に加えて、下記一般式(3)で示されるスルホニウム塩b1〜b3から選ばれる1つ以上の繰り返し単位を共重合した重量平均分子量が1,000〜500,000の範囲である高分子化合物であることを特徴とする〔8〕に記載のレジスト材料。
〔10〕
更に、有機溶剤、塩基性化合物、溶解制御剤及び界面活性剤のいずれか1つ以上を含有するものであることを特徴とする〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載のレジスト材料。
〔11〕
〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載のレジスト材料を基板上に塗布する工程と、加熱処理後、高エネルギー線で露光する工程と、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
〔12〕
前記高エネルギー線が、波長248nmのKrFエキシマレーザー、波長193nmのArFエキシマレーザー、電子ビーム、又は波長3〜15nmの範囲の軟X線であることを特徴とする〔11〕に記載のパターン形成方法。
本発明者らは、上記した問題を解決するため鋭意検討及び研究を重ねた結果、EUV露光における真空中の露光中におけるレジスト膜からのアウトガスの発生を抑えるために酸によってアルカリに溶解する通常のベースポリマーに加えて炭素数12〜20のアセナフチル基を除く芳香族含有基を有する(メタ)アクリル酸エステル及びビニルエーテル類、ビニルフルオレン類、ビニルアントラセン類、ビニルピレン類、ビニルビフェニル類、スチルベン類、スチリルナフタレン類、ジナフチルエチレン類から選ばれる1以上のモノマーに由来する繰り返し単位とフッ素を1個以上有する繰り返し単位を共重合した高分子化合物をブレンドしたレジスト材料を用いることを発明した。炭素数12〜20のアセナフチル基を除く芳香族含有基を有する(メタ)アクリル酸エステル又はビニルエーテル類、ビニルフルオレン類、ビニルアントラセン類、ビニルピレン類、ビニルビフェニル類、スチルベン類、スチリルナフタレン類、又はジナフチルエチレン類は剛直で高密度なためにフォトレジスト膜からのアウトガスの発生を遮断する効果がある。フッ素原子を有する繰り返し単位と共重合することによって、スピンコート後のレジスト膜表面に配向させることができる。
(式中、R1、R6、R9は水素原子又はメチル基である。R2は炭素数12〜20のアリ−ル基を有する基又はアラルキル基であり、R3、R4は同一又は異種の水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基、アシロキシ基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、−OC(=O)R基(Rは炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、又はハロゲン原子である。R5はビフェニル基、フルオレニル基、アントラセルニル基又はピレニル基である。X1は−C(=O)−O−又は−O−であり、X2、X3はフェニレン基又はナフチレン基である。Y2は単結合、−O−、−C(=O)−O−R11−又は−C(=O)−NH−R11−であり、R11は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。mは1〜5の整数であり、nは1又は2である。n=1の場合、Y1は単結合、−O−、−C(=O)−O−R11−、又は−C(=O)−NH−R11−であり、R11は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、フッ素原子で置換されていてもよく、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。n=2の場合、Y1は−C(=O)−O−R12=又は−C(=O)−NH−R12=であり、R12は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基から水素原子が1個脱離した3価の基であり、フッ素原子で置換されていてもよく、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。R7は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、フェニレン基、又は該アルキレン基とフェニレン基が結合した基で、フッ素原子で置換されていてもよく、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。R8は水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメチル基、又はR7と結合して環を形成してもよく、環の中にエーテル基、フッ素で置換されたアルキレン基又はトリフルオロメチル基を有していてもよい。R10は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、少なくとも1個のフッ素原子で置換されていて、エーテル基、エステル基又はスルホンアミド基を有していてもよい。0≦(p−1)<1.0、0≦(p−2)<1.0、0≦(p−3)<1.0、0<(p−1)+(p−2)+(p−3)<1.0、0≦(q−1)<1.0、0≦(q−2)<1.0、0<(q−1)+(q−2)<1.0、0.5≦(p−1)+(p−2)+(p−3)+(q−1)+(q−2)≦1.0である。)
カルボキシル基を有する繰り返し単位rとしては、具体的には下記に例示することができる。
pは、0≦(p−1)<1.0、0≦(p−2)<1.0、0≦(p−3)<1.0、0<(p−1)+(p−2)+(p−3)<1.0、好ましくは0≦(p−1)≦0.9、0≦(p−2)≦0.9、0≦(p−3)≦0.9、0.02≦(p−1)+(p−2)+(p−3)≦0.9、更に好ましくは0≦(p−1)≦0.8、0≦(p−2)≦0.8、0≦(p−3)≦0.8、0.04≦(p−1)+(p−2)+(p−3)≦0.8である。
qは、0≦(q−1)<1.0、0≦(q−2)<1.0、0<(q−1)+(q−2)<1.0、0.5≦(p−1)+(p−2)+(p−3)+(q−1)+(q−2)≦1.0である。
rは、0≦r<1.0、好ましくは0≦r≦0.8、更に好ましくは0≦r≦0.7である。また、(p−1)+(p−2)+(p−3)+(q−1)+(q−2)+r=1.0である。
また、RL39は互いに同一又は異種の炭素数2〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基である。
A1は上記の通りである。
この場合、好ましくは、Aは2〜4価の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、アルキルトリイル基、アルキルテトライル基、炭素数6〜30のアリーレン基であり、これらの基はヘテロ原子を介在していてもよく、またその炭素原子に結合する水素原子の一部が水酸基、カルボキシル基、アシル基又はハロゲン原子によって置換されていてもよい。また、C1は好ましくは1〜3の整数である。
式(A−3)で示される3級アルキル基としては、tert−ブチル基、トリエチルカルビル基、1−エチルノルボニル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロペンチル基、2−(2−メチル)アダマンチル基、2−(2−エチル)アダマンチル基、tert−アミル基等を挙げることができる。
また、3級アルキル基としては、下記に示す式(A−3)−1〜(A−3)−18を具体的に挙げることもできる。
特開平4−230645号公報、特開2005−84365号公報、特開2006−45311号公報には、特定のスルホン酸が発生する重合性オレフィンを有するスルホニウム塩、ヨードニウム塩が提案されている。特開2006−178317号公報には、スルホン酸が主鎖に直結したスルホニウム塩が提案されている。
aは、0≦a1≦0.9、0≦a2≦0.9、0<a1+a2<1.0、好ましくは0≦a1≦0.8、0≦a2≦0.8、0.1≦a1+a2≦0.8、更に好ましくは0≦a1≦0.7、0≦a2≦0.7、0.2≦a1+a2≦0.7の範囲である。
bは、0≦b1≦0.3、0≦b2≦0.3、0≦b3≦0.3、0≦b1+b2+b3≦0.3の範囲である。
cは、0≦c<1.0、好ましくは0≦c≦0.9、更に好ましくは0≦c≦0.8、dは、0≦d≦0.5、好ましくは0≦d≦0.4、更に好ましくは0≦d≦0.3であり、0.5≦a1+a2+b1+b2+b3+c≦1.0、好ましくは0.6≦a1+a2+b1+b2+b3+c≦1.0、更に好ましくは0.7≦a1+a2+b1+b2+b3+c≦1.0であり、a1+a2+b1+b2+b3+c+d=1である。
なお、例えば、a+b+c=1とは、繰り返し単位a、b、cを含む高分子化合物において、繰り返し単位a、b、cの合計量が全繰り返し単位の合計量に対して100モル%であることを示し、a+b+c<1とは、繰り返し単位a、b、cの合計量が全繰り返し単位の合計量に対して100モル%未満でa、b、c以外に他の繰り返し単位を有していることを示す。
なお、重量平均分子量(Mw)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いたポリスチレン換算による測定値である。
また、レジストベースポリマーの組成比率や分子量分布や分子量が異なる2つ以上のポリマーをブレンドすることも可能である。
酸発生剤の具体例としては、特開2008−111103号公報の段落[0122]〜[0142]に記載されている。なお、ベース樹脂として上述した繰り返し単位bを共重合した高分子化合物を用いた場合、酸発生剤の配合を省略し得る。
有機溶剤の具体例としては、特開2008−111103号公報の段落[0144]〜[0145]に記載のシクロヘキサノン、メチル−2−n−アミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類及びその混合溶剤が挙げられ、塩基性化合物としては段落[0146]〜[0164]に記載の1級、2級、3級のアミン化合物、特にはヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、ラクトン環、シアノ基、スルホン酸エステル基を有するアミン化合物を挙げることができ、界面活性剤は段落[0165]〜[0166]、溶解制御剤としては特開2008−122932号公報の段落[0155]〜[0178]、アセチレンアルコール類は段落[0179]〜[0182]に記載されている。特開2008−239918号公報に記載のポリマー型のクエンチャーを添加することもできる。このものは、コート後のレジスト表面に配向することによってパターン後のレジストの矩形性を高める。ポリマー型クエンチャーは、液浸露光用の保護膜を適用したときのパターンの膜減りやパターントップのラウンディングを防止する効果もある。
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)現像液は2.38質量%の水溶液が最も広く用いられている。これは0.26Nに相当し、TEAH、TPAH、TBAH水溶液も同じ規定度であることが好ましい。0.26NとなるTEAH、TPAH、TBAHの質量は、それぞれ3.84質量%、5.31質量%、6.78質量%である。
EB、EUVで解像される32nm以下のパターンにおいて、ラインがよれたり、ライン同士がくっついたり、くっついたラインが倒れたりする現象が起きている。これは、現像液中に膨潤して膨らんだライン同士がくっつくのが原因と考えられる。膨潤したラインは、現像液を含んでスポンジのように軟らかいために、リンスの応力で倒れ易くなっている。アルキル鎖を長くした現像液はこのような理由で、膨潤を防いでパターン倒れを防ぐ効果がある。
炭素数8〜12のエーテル化合物としては、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジ−sec−ブチルエーテル、ジ−n−ペンチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジ−sec−ペンチルエーテル、ジ−tert−アミルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテルから選ばれる1種以上の溶剤が挙げられる。
前述の溶剤に加えてトルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、メシチレン等の芳香族系の溶剤を用いることもできる。
レジスト材料に添加される高分子化合物(高分子添加剤)として、各々のモノマーを組み合わせてメチルエチルケトン溶剤下で共重合反応を行い、ヘキサンに晶出し、更にヘキサンで洗浄を繰り返した後に単離、乾燥して以下に示す組成の高分子化合物を得た。得られた高分子化合物の組成は1H−NMR、分子量及び分散度はゲルパーミエーションクロマトグラフにより確認した。
(レジスト材料の調製)
EUV露光パターン形成評価
通常のラジカル重合で得られた上記レジスト膜表面改質用高分子化合物、下記レジスト用ポリマーを用いて、表1に示される組成で溶解させた溶液を、0.2μmサイズのフィルターで濾過してポジ型レジスト材料を調製した。
得られたポジ型レジスト材料を直径4インチφのSi基板上に、膜厚35nmで積層された信越化学工業(株)製の珪素含有SOG膜SHB−A940上に塗布し、ホットプレート上で、110℃で60秒間プリベークして35nmのレジスト膜を作製した。NA0.3、Pseudo PSMを使ってEUV露光し、表2記載の温度条件でPEBを行い、0.20規定のテトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)水溶液で30秒間現像し、純水リンス後スピンドライしてレジストパターンを形成した。20nmラインアンドスペースを形成している感度とこの時に解像している最小寸法の限界解像度と、エッジラフネス(LWR)をSEMにて測定した。結果を表2に示す。
下記レジスト材料をHMDS処理した12インチウエハーに塗布し、60nm膜厚のレジスト膜を作製した。EUVテクノロジー社のアウトガス測定装置を用いて露光量を変えてEB露光を行い、表3記載の温度でPEBを行い、2.38質量%のTMAHアルカリ水の現像液で現像を行い、膜厚が0nmになる露光量をE0とし、E0の露光量でウエハー全面を露光し、WitnessPlateに付着したコンタミネーション膜厚を分光エリプソメトリで測定した。結果を表3に示す。
Claims (12)
- 酸によってアルカリ溶解性が向上するベース樹脂となる高分子化合物と、高分子添加剤としてアセナフチル基を除く炭素数12〜20の芳香族含有基をそれぞれ有する(メタ)アクリル酸エステル及びビニルエーテル類、ビニルフルオレン類、ビニルアントラセン類、ビニルピレン類、ビニルビフェニル類、スチルベン類、スチリルナフタレン類及びジナフチルエチレン類から選ばれる1以上のモノマーに由来する繰り返し単位並びに少なくとも1個のフッ素原子を有する繰り返し単位を含む高分子化合物とを含むレジスト材料であって、
前記アセナフチル基を除く炭素数12〜20の芳香族含有基をそれぞれ有する(メタ)アクリル酸エステル及びビニルエーテル類、ビニルフルオレン類、ビニルアントラセン類、ビニルピレン類、ビニルビフェニル類、スチルベン類、スチリルナフタレン類及びジナフチルエチレン類から選ばれる1以上のモノマーに由来する繰り返し単位並びに少なくとも1個のフッ素原子を有する繰り返し単位を含む高分子化合物が、下記一般式(1)で示されるものであることを特徴とするレジスト材料。
(式中、R1、R6、R9は水素原子又はメチル基である。R2は炭素数12〜20のアリール基又は炭素数12〜20のアラルキル基であり、R3、R4は同一又は異種の水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基、アシロキシ基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、−OC(=O)R基(Rは炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、又はハロゲン原子である。R5はフルオレニル基、アントラセルニル基又はピレニル基である。X1は−C(=O)−O−又は−O−であり、X2、X3はフェニレン基又はナフチレン基である。Y2は単結合、−O−、−C(=O)−O−R11−又は−C(=O)−NH−R11−であり、R11は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。mは1〜5の整数であり、nは1又は2である。n=1の場合、Y1は単結合、−O−、−C(=O)−O−R11−、又は−C(=O)−NH−R11−であり、R11は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、フッ素原子で置換されていてもよく、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。n=2の場合、Y1は−C(=O)−O−R12=又は−C(=O)−NH−R12=であり、R12は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基から水素原子が1個脱離した3価の基であり、フッ素原子で置換されていてもよく、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。R7は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、フェニレン基、又は該アルキレン基とフェニレン基が結合した基で、フッ素原子で置換されていてもよく、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。R8は水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメチル基、又はR7と結合して環を形成してもよく、環の中にエーテル基、フッ素で置換されたアルキレン基又はトリフルオロメチル基を有していてもよい。R10は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、少なくとも1個のフッ素原子で置換されていて、エーテル基、エステル基又はスルホンアミド基を有していてもよい。0≦(p−1)<1.0、0≦(p−2)<1.0、0≦(p−3)<1.0、0<(p−1)+(p−2)+(p−3)<1.0、0≦(q−1)<1.0、0≦(q−2)<1.0、0<(q−1)+(q−2)<1.0、(p−1)+(p−2)+(p−3)+(q−1)+(q−2)=1.0である。) - 酸によってアルカリ溶解性が向上するベース樹脂となる高分子化合物と、高分子添加剤としてアセナフチル基を除く炭素数12〜20の芳香族含有基をそれぞれ有する(メタ)アクリル酸エステル及びビニルエーテル類、ビニルフルオレン類、ビニルアントラセン類、ビニルピレン類、ビニルビフェニル類、スチルベン類、スチリルナフタレン類及びジナフチルエチレン類から選ばれる1以上のモノマーに由来する繰り返し単位並びに少なくとも1個のフッ素原子を有する繰り返し単位を含む高分子化合物とを含むレジスト材料であって、
前記アセナフチル基を除く炭素数12〜20の芳香族含有基をそれぞれ有する(メタ)アクリル酸エステル及びビニルエーテル類、ビニルフルオレン類、ビニルアントラセン類、ビニルピレン類、ビニルビフェニル類、スチルベン類、スチリルナフタレン類及びジナフチルエチレン類から選ばれる1以上のモノマーに由来する繰り返し単位並びに少なくとも1個のフッ素原子を有する繰り返し単位を含む高分子化合物が、下記一般式(1)に示される繰り返し単位p−1〜p−3から選ばれる少なくとも1種、下記一般式(1)に示される繰り返し単位q−1及びq−2から選ばれる少なくとも1種、並びにカルボキシル基を有する繰り返し単位rを含むものであることを特徴とするレジスト材料。
(式中、R1、R6、R9は水素原子又はメチル基である。R2は炭素数12〜20のアリール基又は炭素数12〜20のアラルキル基であり、R3、R4は同一又は異種の水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基、アシロキシ基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、−OC(=O)R基(Rは炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、又はハロゲン原子である。R5はフルオレニル基、アントラセルニル基又はピレニル基である。X1は−C(=O)−O−又は−O−であり、X2、X3はフェニレン基又はナフチレン基である。Y2は単結合、−O−、−C(=O)−O−R11−又は−C(=O)−NH−R11−であり、R11は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。mは1〜5の整数であり、nは1又は2である。n=1の場合、Y1は単結合、−O−、−C(=O)−O−R11−、又は−C(=O)−NH−R11−であり、R11は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、フッ素原子で置換されていてもよく、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。n=2の場合、Y1は−C(=O)−O−R12=又は−C(=O)−NH−R12=であり、R12は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基から水素原子が1個脱離した3価の基であり、フッ素原子で置換されていてもよく、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。R7は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、フェニレン基、又は該アルキレン基とフェニレン基が結合した基で、フッ素原子で置換されていてもよく、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。R8は水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメチル基、又はR7と結合して環を形成してもよく、環の中にエーテル基、フッ素で置換されたアルキレン基又はトリフルオロメチル基を有していてもよい。R10は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、少なくとも1個のフッ素原子で置換されていて、エーテル基、エステル基又はスルホンアミド基を有していてもよい。繰り返し単位p−1、p−2、p−3、q−1及びq−2、並びに繰り返し単位rの割合は、0≦(p−1)<1.0、0≦(p−2)<1.0、0≦(p−3)<1.0、0<(p−1)+(p−2)+(p−3)<1.0、0≦(q−1)<1.0、0≦(q−2)<1.0、0<(q−1)+(q−2)<1.0、0<r<1.0、(p−1)+(p−2)+(p−3)+(q−1)+(q−2)+r=1.0である。) - 化学増幅ポジ型レジスト材料であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のレジスト材料。
- 前記ベース樹脂としての高分子化合物が、酸不安定基を有する繰り返し単位、及びヒドロキシ基及び/又はラクトン環の密着性基を有する繰り返し単位を含むものであることを特徴とする請求項6に記載のレジスト材料。
- 前記ベース樹脂としての高分子化合物が、カルボキシル基及び/又はフェノール基の水酸基の水素原子が酸不安定基で置換されている下記一般式(2)で示される繰り返し単位a1、a2から選ばれる1つ以上の繰り返し単位と、フェノール性水酸基及び/又はラクトン環の密着性基を有する繰り返し単位を含む重量平均分子量が1,000〜500,000の範囲である高分子化合物であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のレジスト材料。
- 前記ベース樹脂としての高分子化合物が、カルボキシル基及び/又はフェノール基の水酸基の水素原子が酸不安定基で置換されている上記一般式(2)で示される繰り返し単位a1、a2に加えて、下記一般式(3)で示されるスルホニウム塩b1〜b3から選ばれる1つ以上の繰り返し単位を共重合した重量平均分子量が1,000〜500,000の範囲である高分子化合物であることを特徴とする請求項8に記載のレジスト材料。
- 更に、有機溶剤、塩基性化合物、溶解制御剤及び界面活性剤のいずれか1つ以上を含有するものであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のレジスト材料。
- 請求項1乃至10のいずれか1項に記載のレジスト材料を基板上に塗布する工程と、加熱処理後、高エネルギー線で露光する工程と、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
- 前記高エネルギー線が、波長248nmのKrFエキシマレーザー、波長193nmのArFエキシマレーザー、電子ビーム、又は波長3〜15nmの範囲の軟X線であることを特徴とする請求項11に記載のパターン形成方法。
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