JP6131592B2 - 印刷流体カートリッジ及び印刷流体カートリッジの製造方法 - Google Patents

印刷流体カートリッジ及び印刷流体カートリッジの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、印刷流体が貯留される印刷流体カートリッジおよびその製造方法に関する。
従来、インクを用いて記録用紙(被記録媒体)に画像を記録するインクジェット記録装置が広く知られている。インクジェット記録装置は、インクジェット方式の記録ヘッドを備える。記録ヘッドは、インクカートリッジから供給されたインクを記録用紙へ向けてノズルから選択的に噴出する。インクカートリッジは、インクジェット記録装置に着脱可能に設けられる。
上記インクカートリッジには、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのようないずれか一色を有するインクが貯留されている。インクジェット記録装置においては、各インク色の消費量が異なるので、例えば、ブラックのインクを貯留するインクカートリッジは、インクを貯留可能な容積を多くすることが考えられている。しかしながら、インクの容量に応じて、インクカートリッジのインク室の容積を変化させる必要があった。このような問題に対して、インク室内にブロック体を配置することによりインク室の容積を変化させる構成が考案されている。
特開2005−67075号公報
しかしながら、上記のようにブロック体を配置することによってインク室の容積を変化させる構成では、インク室の容積のバリエーションに対応する数のブロック体を用意する必要があるので、生産性が低下する課題がある。
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、印刷流体を貯留する空間の容積を容易に変更可能な印刷流体カートリッジ及びその製造方法を提供することにある。
(1) 本発明の一形態に係る印刷流体カートリッジは、平板によって構成されており、平板の幅方向において対向する一対の面が開放された環状の外周壁、及び上記外周壁の内部空間を印刷流体が貯留される第1空間と印刷流体が貯留されない第2空間とに区画する隔壁を有するフレームと、上記第1空間を区画する上記外周壁及び上記隔壁の幅方向の両端面に固着されて、上記第1空間を印刷流体を貯留可能に封止する膜と、上記第1空間を区画する上記外周壁に設けられており、上記フレームの外部と上記第1空間との間で印刷流体を流通させる印刷流体流通部とを備える。そして、上記隔壁は、上記外周壁の内壁面の第1位置及び第2位置の間に延設されており、上記第1位置及び上記第2位置を結ぶ直線距離より延設方向の長さが長く、且つ延設方向の端部が中央部より薄肉に形成された複数の隔壁片を、その端部同士で互いに連結して構成されている。
上記構成によれば、膜が固着される前に、薄肉の端部同士の連結部分を基点として連結された隔壁片のなす角を変更することによって、第1空間及び第2空間の容積比率を任意に変更できる。すなわち、フレームと別体のブロック体等を用いることなく、印刷流体を貯留する第1空間の容積を容易に変更できる。
(2) 本発明の他の形態に係る印刷流体カートリッジは、平板によって構成されており、平板の幅方向において対向する一対の面が開放された環状の外周壁、及び上記外周壁の内部空間を印刷流体が貯留される第1空間と印刷流体が貯留されない第2空間とに区画する隔壁を有するフレームと、上記第1空間を区画する上記外周壁及び上記隔壁の幅方向の両端面に固着されて、上記第1空間を印刷流体を貯留可能に封止する膜と、上記第1空間を区画する上記外周壁に設けられており、上記フレームの外部と上記第1空間との間で印刷流体を流通させる印刷流体流通部とを備える。そして、上記隔壁は、一端が上記外周壁の内壁面に接続され且つ他端が上記フレームと同方向に開放された環状に構成されており、上記外周壁の内部空間を環状の外側の上記第1空間及び環状の内側の上記第2空間に区画する。
上記構成によっても、膜が固着される前に隔壁の環状部分の形状を変形させることによって、印刷流体を貯留する第1空間の容積を容易に変更できる。
(3) 本発明に係る印刷流体カートリッジの製造方法は、平板によって構成されており、平板の幅方向において対向する一対の面が開放された環状の外周壁及び上記外周壁の内部空間を印刷流体が貯留される第1空間と印刷流体が貯留されない第2空間とに区画する隔壁を有するフレームと、上記第1空間を区画する上記外周壁及び上記隔壁の幅方向の両端面に固着されて、上記第1空間を印刷流体を貯留可能に封止する膜と、上記第1空間を区画する上記外周壁に設けられており、上記フレームの外部と上記第1空間との間で印刷流体を流通させる印刷流体流通部と、を備える印刷流体カートリッジを製造する方法である。具体的には、上記第1空間及び上記第2空間の容積が予め定めた比率となる形状に上記隔壁を変形させる変形工程と、上記変形工程において変形された上記隔壁の形状を維持した状態で、上記第1空間を区画する上記外周壁及び上記隔壁の幅方向の両端面に上記膜を固着する封止工程と、上記封止工程において封止された上記第1空間に上記印刷流体流通部を通じて印刷流体を注入する注入工程とを含む。
本発明によれば、印刷流体を貯留する第1空間の容積を容易に変更できる印刷流体カートリッジ及びその製造方法を得ることができる。
図1は、実施形態におけるカートリッジ装着部110を備えたプリンタ10の内部構造を模式的に示す模式断面図である。 図2は、インクカートリッジ30の外観構成を示す斜視図である。 図3は、インクカートリッジ30の内部構成を示す分解斜視図である。 図4は、インクカートリッジ30の内部構成を示す縦断面図であって、(A)はインク室36の容積が最大の状態、(B)はインク室36の容積が最小の状態、(C)はインク室36の容積が中間の状態を示す。 図5は、インクカートリッジ30の製造工程を示すフローチャートである。 図6は、変形例1に係るインクカートリッジ30Aの内部構成を示す縦断面図であって、(A)はインク室36の容積が最大の状態、(B)はインク室36の容積が最小の状態、(C)はインク室36の容積が中間の状態を示す。 図7は、変形例2に係るインクカートリッジ30Bの内部構成を示す縦断面図であって、(A)はインク室36の容積が最大の状態、(B)はインク室36の容積が最小の状態を示す。
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
[プリンタ10の概要]
図1に示されるように、プリンタ10は、インクジェット記録方式に基づいて、記録用紙に対してインク滴を選択的に吐出することにより画像を記録するものである。プリンタ10は、インク供給装置100を備えている。インク供給装置100には、カートリッジ装着部110が設けられている。カートリッジ装着部110には、インクカートリッジ30が装着され得る。カートリッジ装着部110には、その一面が外部に開放された開口112が設けられている。インクカートリッジ30は、開口112を介してカートリッジ装着部110に挿入され、或いはカートリッジ装着部110から抜き出される。インクカートリッジ30が印刷流体カートリッジに相当する。
インクカートリッジ30には、プリンタ10で使用可能なインクが貯留されている。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態において、インクカートリッジ30と記録ヘッド21とがインクチューブ20で接続される。記録ヘッド21にはサブタンク28が設けられている。サブタンク28は、インクチューブ20を通じて供給されるインクを一時的に貯留する。記録ヘッド21は、インクジェット記録方式によって、サブタンク28から供給されたインクをノズル29から選択的に吐出する。
給紙トレイ15から給紙ローラ23によって搬送路24へ送給された記録用紙は、搬送ローラ対25によってプラテン26上へ搬送される。記録ヘッド21は、プラテン26上を通過する記録用紙に対してインクを選択的に吐出する。これにより、画像が記録用紙に記録される。プラテン26を通過した記録用紙は、排出ローラ対22によって、搬送路24の最下流側に設けられた排紙トレイ16に排出される。
なお、本実施形態に係るプリンタ10の概略構成は一例に過ぎず、例えば、記録用紙の給紙方式や搬送方式、搬送路の形状などは、公知のインクジェットプリンタにおける他の構成が採用されてもよいことは言うまでもない。
[インク供給装置100]
図1に示されるように、インク供給装置100は、プリンタ10に設けられている。インク供給装置100は、プリンタ10が備える記録ヘッド21へインクを供給するものである。インク供給装置100は、インクカートリッジ30を装着可能なカートリッジ装着部110を備えている。より具体的には、カートリッジ装着部110は、開口112によって一方が開口された空間を有するケースを備えており、そのケース内の空間にインクカートリッジ30が収容可能となっている。なお、図1においては、カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が装着された状態が示されている。カートリッジ装着部110には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応する4つのインクカートリッジ30が収容可能であるが、図1においては、1つのインクカートリッジ30が収容可能な空間が示されている。
図1に示されるように、開口112と対向するケースの終面の下部には、管状の樹脂針からなるインクニードル122が設けられている。インクニードル122は、ケースの終面において、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30のインク流通部34に対応する位置に配置されている。インクニードル122は、インクカートリッジ30のインク供給口71に挿入されてインク供給バルブ70に接触し、インク供給口71から離れるようにインク供給バルブ70を移動させる。これにより、インク室36内のインクは、インク流路72を通じてインクニードル122に接続されたインクチューブ20に流出される。
また、図1に示されるように、ケースの終面には、インクニードル122より重力方向の上側に光センサ114が設けられている。光センサ114は、馬蹄形の筐体の一方側の先端に設けられた発光素子と、他方側の先端に設けられた受光素子とで構成されている。発光素子は、例えばLED等であって、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に対して挿入および取出される方向である挿入及び取出方向50と垂直な水平方向(幅方向51)へ光を照射する。受光素子は、例えばフォトトランジスタ等であって、発光素子から照射された光を受光する。発光素子と受光素子との間の空間には、インクカートリッジ30の残量検知部33が進入可能である。光センサ114の光路に残量検知部33が進入すると、光センサ114は、残量検知部33による透過光量の変化を検知し得る。
[インクカートリッジ30]
図2〜4に示されるように、インクカートリッジ30は、インクが貯留される容器である。インクカートリッジ30の内部に形成されている空間がインクを貯留するインク室36である。なお、インク室36に貯留されているインクのインク室36の容積に対する割合は、大きい方が好ましい。具体的には、インク室36において高さ方向52の下側を占めるインクと、インク室36において高さ方向52の上側を占める空気との界面が、後述する残量検知部33よりも上側となることが好ましい。
インクカートリッジ30は、図2に示された起立状態、つまり、同図の下側の面を底面とし、同図の上側の面を上面として、カートリッジ装着部110に対して矢印50で示される方向(以下「挿入及び取出方向50」と称する。)に沿って挿抜される。すなわち、インクカートリッジ30は、挿入向き56に沿ってカートリッジ装着部110に挿入され、取出向き55に沿ってカートリッジ装着部110から抜き出される。インクカートリッジ30は、起立状態のままカートリッジ装着部110に挿抜される。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される向きが挿入向き56であり、抜き出される向きが取出向き55である。起立状態における高さ方向52が、重力方向に相当する。
図3及び図4に示されるように、インクカートリッジ30を構成するフレーム31は、幅方向(左右方向)51に細く、高さ方向(上下方向)52及び奥行き方向(前後方向)53の寸法が幅方向51の寸法よりも大きい扁平形状である。フレーム31は、フレーム31の外形を画定する外周壁80と、外周壁80の内部に配置される隔壁81とを有する。外周壁80及び隔壁81は、それぞれ平板によって形成されている。外周壁80及び隔壁81を構成する平板の幅方向の長さは、概ね同一である。外周壁80は、平板の幅方向において対向する一対の面が開放された環状に構成されている。隔壁81は、外周壁80の内部空間をインク室36と調整室37とに区画する。外周壁80及び隔壁81を構成する平板の幅方向が幅方向51に一致する。インク室36はインクが貯留される第1空間に相当し、調整室37はインクが貯留されない第2空間に相当する。
外周壁80は、奥行き方向53において互いに対向する前壁40及び後壁41と、高さ方向52において互いに対向する上壁39及び下壁42とで構成されている。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ装着されるときに前方側となるのが前壁40であり、後方側となるのが後壁41である。上壁39は、前壁40の上端と後壁41の上端とを接続する。下壁42は、前壁40の下端と後壁41の下端とを接続する。すなわち、本実施形態におけるフレーム31は、幅方向51から平面視した場合の外形が概ね矩形状であり、且つ幅方向51において対向する一対の面が開放されている。前壁40が第1壁に相当し、後壁41が第2壁に相当し、上壁39が第3壁に相当し、下壁42が第4壁に相当する。
隔壁81は、上壁39の内壁面と下壁42の内壁面とにそれぞれ接続されており、外周壁80の内部空間をインク室36及び調整室37に区画する。フレーム31の内部において、隔壁81より挿入向き56側の空間がインク室36であり、隔壁81より取出向き55側の空間が調整室37である。換言すれば、インク室36は、前壁40、隔壁81の挿入向き56側の壁面(隔壁81の厚み方向の一方側の面)、上壁39の一部、及び下壁42の一部によって区画される空間である。一方、調整室37は、後壁41、隔壁81の取出向き55側の壁面(隔壁81の厚み方向の他方側の面)、上壁39の一部、及び下壁42の一部によって区画される空間である。上壁39において隔壁81が接続された位置が第1位置に相当し、下壁42において隔壁81が接続された位置が第2位置に相当する。隔壁81の詳細な構成は、後述される。
図2〜4に示されるように、フレーム31の前壁40における高さ方向52の中央付近には、残量検知部33が設けられている。残量検知部33は、フレーム31を構成する外周壁80のうち、インク室36を区画する壁面(本実施形態では、前壁40)に設けられている。残量検知部33は、幅方向51に細く、高さ方向52と奥行き方向53の寸法が幅方向51の寸法よりも大きい扁平形状である。インク室36と残量検知部33の内部空間とは、インクが流通可能に連通されている。つまり、残量検知部33の内部空間とインク室36との間には隔壁が存在しない。
残量検知部33の内部は、インクを貯留可能とするために中空とされている。インク室36内にはセンサーアーム60が配置されており、残量検知部33の内部空間にはセンサーアーム60のインジケータ部62が配置されている。センサーアーム60は、板状のアーム本体61と、アーム本体61の一端に設けられたインジケータ部62と、アーム本体61の他端に設けられたフロート部63とで構成されている。センサーアーム60は、インク室36において幅方向51に延びる支軸64により回動可能に支持されている。センサーアーム60は、インク室36に存在するインク量に対応して回動する。
フロート部63がインク中に没しているときは、フロート部63に作用する浮力が重力に勝り、フロート部63は上方に移動しようする。フロート部63が上方に移動しようとすると、インジケータ部62は下方に移動しようとする。しかしながら、インジケータ部62が残量検知部33の内部空間の下側を区画する壁面に接触しているため、インジケータ部62の下方への移動およびフロート部63の上方への移動が規制されている。インク室36内のインクが消費されて、インクの液面(インクと空気との界面)が下降し、インクの液面からフロート部63の一部が露出すると、フロート部63に作用する浮力と重力とが釣り合う。インクの液面がさらに下降すると、それにつれてフロート部63も下降する。フロート部63が下降することにより、センサーアーム60が回動すると、インジケータ部62は上昇する。
インジケータ部62は、センサーアーム60が回動されることによって、残量検知部33内における重力方向の下側に位置する下位姿勢と、下位姿勢よりも残量検知部33内における重力方向の上側に位置する上位姿勢とに姿勢変化が可能である。インジケータ部62が上位姿勢のときの残量検知部33は、光センサ114から出射される赤外光を透過させる。一方、インジケータ部62が下位姿勢のときの残量検知部33は、光センサ114から出射される赤外光を遮光又は減衰させる。この残量検知部33の透光状態に応じて、インク室36内のインク残量が所定量未満になったことが判定される。
図2〜4に示されるように、フレーム31の前壁40における高さ方向52の残量検知部33より下側に、インク流通部34が設けられている。すなわち、インク流通部34は、フレーム31を構成する外周壁80のうち、インク室36を区画する壁面(本実施形態では、前壁40)に設けられている。インク流通部34は、円筒形状の外形をなしており、前壁40から挿入及び取出方向50に沿って外側へ突出している。インク流通部34の突出端にはインク供給口71が形成されている。インク流通部34の内部には、インク供給口71から挿入及び取出方向50に延びてインク室36へ通ずるインク流路72が形成されている。
インク供給口71は、インク供給バルブ70によって開閉可能に構成されている。すなわち、インク供給バルブ70は、インク流通部34の内部、すなわち、インク流路72に配置されている。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、カートリッジ装着部110に設けられたインクニードル122(図1参照)が、インク供給口71に挿入されてインク供給バルブ70に接触し、インク供給口71から離れるようにインク供給バルブ70を移動させる。つまり、インク供給口71が開かれる。これにより、インク室36内のインクは、インク流路72を通ってインクニードル122へ流出される。また、インクカートリッジ30の製造過程において、インク流通部34内にインク注入装置(不図示)のインクニードルが挿入されることによって、インク注入装置からのインクがインク流路72を通ってインク室36に注入される。インク流通部34が印刷流体流通部に相当する。
なお、インク供給口71は、必ずしもインク供給バルブ70によって開閉可能な構成に限定されない。例えば、インク室36にインクを注入した後でインク供給口71をフィルムやゴム栓などで閉塞してもよい。そして、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、インクニードル122がフィルムを突き破ることによりインク供給口71が開かれる構成であってもよい。
また、上述のインク流通部34をインク室36からインクを流出させるインク供給部としてのみ利用し、インク室36にインクを注入する通路を有するインク注入部(不図示)を別途設けてもよい。この場合、インク注入部は、フレーム31を構成する外周壁80のうち、インク室36を区画する壁面に設けられる。
また、フレーム31を構成する外周壁80のうち、インク室36を区画する壁面に大気連通口(不図示)が設けられている。インクカートリッジ30使用前は、大気連通口はシール等で閉塞されており、インク室36は負圧状態に維持されている。そして、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される際にシール等が剥がされ、大気連通口を介してインク室36がインクカートリッジ30の外部と連通することにより、インク室36が外気圧とされる。さらに、インク流通部34を介してインク室36からインクが流出すると、大気連通口を介してインク室36に大気が流入する。また、インクカートリッジ30の製造過程において、シールが貼着される前の大気連通口を介してインク室36が減圧されてもよい。また、大気連通口は、シールに代えて、バルブ等によって開閉可能に構成されてもよい。
フィルム44、45は、外周壁80の開放された一対の壁面を封止する膜である。フィルム44、45の外形は、幅方向51から平面視した場合のフレーム31の外形と概ね一致する。フィルム44、45は、フレーム31の幅方向51の一方側及び他方側に配置されて、幅方向51におけるインク室36及び調整室37の両側壁を構成する。なお、フィルム44、45は、外周壁80及び隔壁81のインク室36を区画する部分にのみ選択的に固着されていてもよい。すなわち、調整室37は、幅方向51において対向する面が開放されたままでもよい。
フィルム44、45は、外周壁80及び隔壁81の幅方向51の端面に熱溶着されることにより、フレーム31に固着される。フィルム44、45をフレーム31に固着することにより、インク室36にインクが貯留可能となる。また、インク室36と調整室37との間は、少なくとも液体が流通しない状態(液密状態)とされ、より望ましくは気体が流通しない状態(気密状態)とされる。なお、フィルム44、45の外側にフィルム44、45の破損を防止するためのカバーを配置してもよい。
図3及び図4に示されるように、隔壁81は、外周壁80の内部において屈曲された状態で配置されている。例えば図4(A)に示される隔壁81は、上壁39との連結位置(第1位置)から取出向き55に延設され、且つ取出向き55の先端から下壁42との連結位置(第2位置)に向かって挿入向き56且つ高さ方向52の下向きに斜めに延設されている。すなわち、隔壁81の延設方向の長さは、第1位置と第2位置とを結ぶ直線距離より長くなっている。隔壁81は、例えば、熱可塑性樹脂で形成できる。
本実施形態に係る隔壁81は、3つの可動隔壁片82、83、84と、4つのジョイント85、86、87、88とで構成されている。可動隔壁片82、83、84それぞれは、延設方向の長さが第1位置と第2位置とを結ぶ直線距離より短い平板によって形成されている。また、可動隔壁片82、83、84それぞれは、延設方向(幅方向51に直交する方向)の端部の肉厚が中央部より薄く設定されている。ジョイント85、86、87、88は、幅方向51に延設された円柱形状の部材である。
ジョイント85は、奥行き方向53の中央付近の第1位置において上壁39の内壁面に連結されている。ジョイント88は、奥行き方向53の中央付近の第2位置において下壁42の内壁面に連結されている。可動隔壁片82は、延設方向の一端がジョイント85に連結され、他端がジョイント86に連結されている。可動隔壁片83は、延設方向の一端がジョイント86に連結され、他端がジョイント87に連結されている。可動隔壁片84は、延設方向の一端がジョイント87に連結され、他端がジョイント88に連結されている。すなわち、可動隔壁片82、83、84は、それぞれ延設方向の端部においてジョイント85、86、87、88のいずれかに連結されている。換言すれば、ジョイント85、86、87、88は、外周壁80の内壁面及び可動隔壁片82、83、84の延設方向の端部のうちの2つに連結されている。
さらに換言すれば、可動隔壁片82の一端はジョイント85を介して上壁39の内壁面に連結されており、可動隔壁片82の他端はジョイント86を介して可動隔壁片83の一端に連結されており、可動隔壁片83の他端はジョイント87を介して可動隔壁片84の一端に連結されており、可動隔壁片84の他端はジョイント88を介して下壁42の内壁面に連結されている。すなわち、各可動隔壁片82、83、84は、ジョイント85、86、87、88を介して、外周壁80の内壁面及び隣接する可動隔壁片82、83、84の延設方向の端部に間接的に連結されている。
但し、外周壁80における隔壁81の連結位置は、上述の例に限定されない。すなわち、隔壁81の延設方向の一端及び他端は、外周壁80の対向する壁面(上述の例では、高さ方向52に対向する上壁39及び下壁42)に連結されている必要は必ずしもない。例えば、隔壁81の一端が後壁41に連結され、他端が下壁42に連結されていてもよい。すなわち、隔壁81の延設方向の一端及び他端は、外周壁80を構成する上壁39、前壁40、後壁41、及び下壁42のうちの異なる壁に連結されているのが望ましい。また、隔壁81は、少なくとも下壁42に連結されているのが望ましい。すなわち、隔壁81の延設方向の一端が下壁42に連結され、他端が上壁39、前壁40、及び後壁41のいずれかに連結されているのが望ましい。
フィルム44、45がフレーム31に固着される前の状態において、可動隔壁片82、83、84それぞれは、ジョイント85、86、87、88との連結部分を基点として回動可能に構成されている。すなわち、ジョイント85を挟んで隣接する上壁39と可動隔壁片82とのなす角、ジョイント86を挟んで隣接する可動隔壁片82、83のなす角、ジョイント87を挟んで隣接する可動隔壁片83、84、及びジョイント88を挟んで隣接する可動隔壁片84と下壁42とのなす角は、それぞれ変更可能に構成されている。換言すれば、隔壁81は、ジョイント85、86、87、88を基点として屈曲可能に構成されている。具体的には、可動隔壁片82、83、84の両端の薄肉部が塑性変形させられることにより、可動隔壁片82、83、84は、ジョイント85、86、87、88との連結部分を基点として回動する。
例えば、図4(A)に示される隔壁81と図4(C)に示される隔壁81とを比較すると、上壁39と可動隔壁片82とのなす角、可動隔壁片83、84のなす角、及び可動隔壁片84と下壁42とのなす角が、それぞれ変更されている。また、図4(B)に示される隔壁81と図4(C)に示される隔壁81とを比較すると、上壁39と可動隔壁片82とのなす角、可動隔壁片82、83のなす角、及び可動隔壁片83、84のなす角が、それぞれ変更されている。
図4(C)の状態から図4(A)の状態に遷移させるためには、ジョイント85との連結部分を基点として可動隔壁片82を時計回りに回動させればよい。図4(C)の状態から図4(B)の状態に遷移させるためには、ジョイント85との連結部分を基点として可動隔壁片82を反時計回りに回動させる過程において、一時的に可動隔壁片84をジョイント88との連結部を基点として時計回りに回動させればよい。なお、上述のような隔壁81の変形は、センサーアーム60をインク室36内に配置する前に行うのが望ましい。
上述のように、隔壁81は、例えば図4(C)に示される初期形状から、インク室36の容積を最大にする図4(A)の状態と、インク室36の容積を最小にする図4(B)の状態とに姿勢変化が可能に構成されている。なお、図4(A)はインク室36の容積を最大にした状態を示しており、図4(B)はインク室36の容積を最小にした状態を示しおり、図4(C)はその中間の状態を示しているが、本発明はこの3状態に限定されない。すなわち、可動隔壁片82、83、84を任意の位置に回動させることにより、インク室36と調整室37との容積比を連続的に変化させられる。
なお、ジョイント85、86、87、88は、省略してもよい。すなわち、薄肉に形成された可動隔壁片82、84の端部を上壁39及び下壁42の内壁面に直接連結してもよい。同様に、薄肉に形成された可動隔壁片82、83、84の端部同士を直接連結してもよい。このように構成しても、各連結部分を基点として隔壁81を屈曲させられる。
[インクカートリッジ30の製造方法]
次に、図5を参照して、本実施形態に係るインクカートリッジ30の製造方法が説明される。
まず、フレーム31が成型される(S11)。フレーム31は、例えば、樹脂を射出成型することによって形成できる。フレーム31を形成する樹脂の具体例は特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂を採用することができる。このとき、外周壁80と隔壁81とは一体成型されるのが望ましい。また、残量検知部33およびインク流通部34も一体成型されることが望ましい。その後、インク流通部34のインク流路72内にインク供給バルブ70が取り付けられる。
次に、隔壁81が変形される(S12)。隔壁81の初期形状は特に限定されないが、例えば図4(C)に示された形状である。隔壁81の形状は、インクカートリッジ30のインク室36に貯留されるインクの量に応じて決定される。すなわち、インク室36に貯留されるインクが多い場合、調整室37に対するインク室36の容積比が大きい状態(例えば、図4(A)の状態)となるように、隔壁81を変形する。一方、インク室36に貯留されるインクが少ない場合、調整室37に対するインク室36の容積比が小さい状態(例えば、図4(B)の状態)となるように、隔壁81を変形する。この工程により、インク室36及び調整室37の容積が、インクの量に応じて予め定められた比率となる。なお、インク室36に貯留されるインクが中程度の場合、隔壁81を初期形状から変形させなくてもよい。その場合、変形工程(S12)はスキップされる。
隔壁81が熱可塑性樹脂によって形成されている場合、変形工程(S12)は、例えば以下のように実行される。まず、隔壁81が所定の温度まで加熱される(S121)。所定の温度とは、隔壁81の変形を可能にする温度であって、熱可塑性樹脂の種類或いは隔壁81に加えられる力の大きさ等によって変動する。次に、加熱された隔壁81が所望の形状に変形される(S122)。そして、ステップS122における隔壁81の形状が維持された状態で隔壁81が冷却される(S123)。これにより、隔壁81を変形させる力を除去しても、隔壁81の形状が維持される。
次に、変形工程(S12)において変形された隔壁81の形状を維持した状態で、フレーム31の幅方向51の両面をフィルム44、45によって封止する(S13)。詳細には、外周壁80及び隔壁81それぞれの幅方向51の端面にフィルム44、45を熱溶着する。フレーム31の幅方向51の両面に同時にフィルム44、45を固着する場合、この工程より前の任意のタイミングにおいて、フレーム31内にセンサーアーム60を取り付けておく必要がある。一方、フレーム31の幅方向51の一方側の面にフィルム44を固着した後で他方側の面にフィルム45を固着する場合、フィルム45を固着する前の任意のタイミングにおいて、フレーム31内にセンサーアーム60を取り付ければよい。これにより、インク室36及び調整室37が封止される。なお、この時点におけるインク室36及び調整室37は、外気圧に維持されている。
次に、インク室36内にインクを注入する(S14)。詳細には、インク流通部34或いは図示されないインク注入部を通じてインク室36内にインクを注入する。また、この工程においては大気連通口(不図示)が開放されており、インク室36内にインクが注入されるのに伴って、インク室36内の空気が大気連通口を通じて外部に押し出される。すなわち、この時点におけるインク室36及び調整室37は、外気圧に維持されている。また、インク室36と調整室37との間は少なくとも液密状態となっているので、調整室37にはインクが流入しない。
次に、インク室36内を減圧する(S15)。詳細には、インク供給バルブ70によってインク供給口71を閉塞した状態で、図示されない大気連通口からインク室36内の空気を吸引すればよい。その後で大気連通口を閉塞することにより、インク室36が減圧状態に維持される。一方、調整室37はインク室36との間は気密状態となっているので、調整室37は外気圧のまま維持されている。
[本実施形態の効果]
本実施形態によれば、フィルム44、45が固着される前の状態において、隔壁81の形状を変更することによってインク室36及び調整室37の容積比率を任意に変更できる。これにより、インク室36の容積が異なる複数種類のフレーム31を用意する必要がなく、又はフレーム31と別体のブロック体等を用いることなく、貯留されるインクの量に応じてインク室36の容積を容易に変更できる。
また、本実施形態のように、3つの可動隔壁片82、83、84を4つのジョイント85、86、87、88との連結部分を基点として回動させることにより、隔壁81に無理な力を加えることなくインク室36及び調整室37の容積比率を変更できる。このとき、可動隔壁片82、83、84の延出方向の端部を薄肉化しておくことにより、更に容易に隔壁81を屈曲させることができる。
また、本実施形態のように、隔壁81の一端を上壁39に連結し、他端を下壁42に連結することにより、幅方向51及び奥行き方向53におけるインク室36の断面積(すなわち、インク室36の底面に平行な断面積)を小さくできる。これにより、インク室36に貯留されたインクの液面の位置を押し上げることができる。そして、初期状態におけるインク室36内のインクと空気との界面が押し上げられたことにより、センサーアーム60の回動がスムーズになる。
詳細には、未使用状態のインクカートリッジ30において、フロート部63は、例えば図4に示されるように、インク内に没入されている。このとき、例えば下位姿勢のインジケータ部62が残量検知部33の内部空間の下側を区画する壁面に当接されることによって、浮力によるフロート部63の浮き上がりが規制されている。インクカートリッジ30が使用されてインク室36内のインクの液面(インクと空気との界面)が下がると、フロート部63がインクの液面から徐々に露出され、フロート部63に作用する浮力と重力とが釣り合う。その後、インク室36内のインクが更に減少するのに伴ってフロート部63が徐々に下方に移動されることにより、センサーアーム60が回動される。その結果、インジケータ部62が下位姿勢から上位姿勢に徐々に姿勢変化される。
センサーアーム60を上述のように動作させるためには、初期状態におけるインク室36のインクの液面が、フロート部63をインク内に完全に没入させられる程度に高いことが要求される。そして、本実施形態のインクカートリッジ30は、インク室36内に貯留されるインク量に応じてインク室36の容積を変更することにより、初期状態におけるインクの液面を容易に押し上げることができる。
また、本実施形態のように、熱可塑性樹脂で形成された隔壁81を高温状態で変形させ且つ変形後に冷却することにより、フィルム44、45を固着する際に変形された隔壁81の形状を維持し続ける必要がなくなる。その一方で、熱可塑性樹脂以外の材料で隔壁81を形成した場合には、隔壁81の変形された形状を治具により維持しつつ、フィルム44、45の一方をフレーム31に熱溶着する。外周壁80と隔壁81とに亘って溶着されたフィルムにより、隔壁81の位置が固定される。その後、治具を取り外し、フィルム44、45の他方をフレーム31に熱溶着する。また、治具がなくとも、隔壁81の変形された形状が維持される場合には、治具は不要である。
さらに、本実施形態は、インク室36の容積を変更せずに注入するインクの量のみを変更する方式、すなわち、インク室36の容積が固定されたインクカートリッジに対して大量のインクを注入することにって大容量インクカートリッジとし、上記と同じ形状のインクカートリッジに対して少量のインクを注入することによって小容量インクカートリッジとする方式に対して、例えば以下のような効果がある。まず、上述のように、インク室36に貯留されるインクが少ない場合でも、フロート部63をインク内に完全に没入させることができる。また、インク室36に貯留されているインクのインク室36の容積に対する割合が大きくなる、すなわち、インク室36に存在している空気のインク室36の容積に対する割合が小さくなるので、減圧工程(S15)における減圧時間を短縮することができ、また、インクカートリッジ30の輸送時の振動によるインク室36のインクの泡立ちを抑制できる。
[変形例1]
図6を参照して、変形例1に係るインクカートリッジ30Aが説明される。なお、上記の実施形態との共通点の詳しい説明は省略され、相違点を中心に説明がされる。変形例1に係るインクカートリッジ30Aは、2つの固定隔壁片91、92と、3つの可動隔壁片93、94、95と、4つのジョイント96、97、98、99とで構成された隔壁90を有する点で、上記の実施形態と相違する。
固定隔壁片91は、延設方向の一端が奥行き方向53の中央付近において上壁39の内壁面に連結されており、他端がジョイント96に連結されている。固定隔壁片92は、延設方向の一端が奥行き方向53の中央付近において下壁42の内壁面に連結されており、他端がジョイント99に連結されている。なお、変形例1に係る固定隔壁片91、92の厚みは、延設方向の全域において概ね同一に設定されている。
可動隔壁片93は、延設方向の一端がジョイント96に連結されており、他端がジョイント97に連結されている。可動隔壁片94は、延設方向の一端がジョイント97に連結されており、他端がジョイント98に連結されている。可動隔壁片95は、延設方向の一端がジョイント98に連結されており、他端がジョイント99に連結されている。なお、変形例1に係る可動隔壁片93、94、95の延設方向の両端部は、上記の実施形態と同様に、中央部より薄肉に形成されている。
換言すれば、可動隔壁片93の一端はジョイント96を介して固定隔壁片91の一端に連結されており、可動隔壁片93の他端はジョイント97を介して可動隔壁片94の一端に連結されており、可動隔壁片94の他端はジョイント98を介して可動隔壁片95の一端に連結されており、可動隔壁片95の他端はジョイント99を介して固定隔壁片92の一端に連結されている。すなわち、上記の実施形態と同様に、変形例1に係る各可動隔壁片93、94、95は、ジョイント96、97、98、99を介して、隣接する固定隔壁片91、92の延設方向の端部及び隣接する可動隔壁片93、94、95の延設方向の端部に間接的に連結されている。また、上記の実施形態と同様に、ジョイント96、97、98、99を省略し、隣接する固定隔壁片91、92及び可動隔壁片93、94、95の延設方向の端部同士を直接連結してもよい。
上記構成の隔壁90において、固定隔壁片91、92は、外周壁80との連結部分を基点として回動できない。すなわち、上壁39或いは下壁42と固定隔壁片91、92とのなす角は初期状態(図6の例では、90°)から変更できない。但し、上壁39或いは下壁42と固定隔壁片91、92とのなす角が90°に限定されないことは言うまでもない。一方、可動隔壁片93、94、95は、上記の実施形態と同様に、ジョイント96、97、98、99との連結部分を基点として回動可能に構成されている。これにより、変形例1に係る隔壁90は、例えば図6(C)に示される初期形状から、インク室36の容積を最大にする図6(A)の状態と、インク室36の容積を最小にする図6(B)の状態とに姿勢変化が可能に構成されている。但し、隔壁90の姿勢が図6の3状態に限定されないことは、上記の実施形態と同様である。
変形例1の構成によっても、隔壁90に無理な力を加えることなくインク室36及び調整室37の容積比率を容易に変更できる。すなわち、インク室36と調整室37とを区画する隔壁は、複数の隔壁片で構成されていればよく、少なくとも3つの可動隔壁片を含んでいるのが望ましい。但し、隔壁の構成はこれらに限定されない。
[変形例2]
図7を参照して、変形例2に係るインクカートリッジ30Bが説明される。なお、上記の実施形態との共通点の詳しい説明は省略され、相違点を中心に説明がされる。変形例2に係るインクカートリッジ30Bは、一端が外周壁80の内壁面に接続され、且つ他端が幅方向51に開放された環状に構成された隔壁101を有する点で、上記の実施形態と相違する。
隔壁101は、その一端が上壁39の内壁面に連結されており、他端が環状に構成されている。少なくとも隔壁101の環状部分102は平板によって構成されており、且つ平板の幅方向を幅方向51に向けた状態で外周壁80内に配置されている。変形例2に係る環状部分102は、幅方向51に延びる筒形状である。すなわち、環状部分102において幅方向51に対向する一対の面は、開放されている。換言すれば、フレーム31と環状部分102とは、同一方向に開放されている。この隔壁101は、外周壁80の内部空間を、環状部分102の外側のインク室36と、環状部分102の内側の調整室37とに区画する。
隔壁101は、樹脂等によって弾性変形可能に構成されている。より詳細には、少なくとも環状部分102が弾性変形可能に構成されている。すなわち、環状部分102は、幅方向51から平面視した場合に、図7(A)に示される扁平な形状と、図7(B)に示される真円に近い形状とに変形可能である。これにより、インク室36及び調整室37の容積を、インク室36に貯留されるインクの量に応じて予め定められた比率に調整することができる。
なお、環状部分102の初期形状は、図7(A)に示される形状であってもよいし、図7(B)に示される形状であってもよい。例えば、図7(A)に示される隔壁101の環状部分102を、高さ方向52の下方に引き延ばす又は奥行き方向53の両側から押し縮めることにより、図7(B)に示される環状部分102の形状に変形できる。或いは、図7(B)に示される隔壁101の環状部分102を、高さ方向52の上方に押し縮める又は奥行き方向53の両側に引き延ばすことにより、図7(A)に示される環状部分102の形状に変形できる。
フレーム31の幅方向51の両面に固着されるフィルム44、45は、外周壁80の幅方向51の両端面と、隔壁101の環状部分102の幅方向51の両端面とに少なくとも固着される。これにより、インク室36及び調整室37が封止される。なお、上記の実施形態と同様に、熱可塑性樹脂で形成された隔壁101を高温状態で変形させ且つ変形後に冷却してからフィルム44、45を固着してもよいし、環状部分102を変形させる外力を加えた状態でフィルム44、45の一方を固着してもよい。
上記構成によっても、インク室36に貯留されるインクの量に応じてインク室36及び調整室37の容積比率を容易に変更できる。なお、変形例2に係る隔壁101の具体的な構成は、図7の例に限定されない。すなわち、隔壁101の一端が連結されるのは、上壁39の内壁面に限定されず、外周壁80の内壁面の任意の位置であればよい。また、環状部分102の変形させ方は図7の例に限定されない。例えば、図7(B)に示される環状部分102の一部をへこませてもよい。さらに、環状部分102の形状は、図7の例に限定されない。例えば、幅方向51から平面視した場合の環状部分102の形状が多角形や星形等であってもよい。すなわち、環状部分102は、外周壁80の内部空間をインク室36と調整室37とに区画でき、且つインク室36と調整室37との容積比率を変更可能に構成されていればよい。
さらに、上記の実施形態及び各変形例では、インクを印刷流体の一例として説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、インク等の液体に代えて、トナー等の粉体を印刷流体としてもよい。
さらに、上記の実施形態及び各変形例では、インク室36にセンサーアーム60が配置されていたが、インク室36にセンサーアーム60が配置されていなくてもよい。その場合には、記録ヘッド21からのインク吐出回数をカウントすることによりインク室36内のインク量を推定する等の公知の方法で、インク室36内のインク量が所定量未満になったことが判定されてもよい。
30・・・インクカートリッジ
31・・・フレーム
33・・・残量検知部
34・・・インク流通部
36・・・インク室
37・・・調整室
39・・・上壁
40・・・前壁
41・・・下壁
42・・・後壁
44・・・フィルム
45・・・フィルム
60・・・センサーアーム
63・・・フロート部
80・・・外周壁
81・・・隔壁
82・・・可動隔壁片
83・・・可動隔壁片
84・・・可動隔壁片

Claims (16)

  1. 平板によって構成されており、平板の幅方向において対向する一対の面が開放された環状の外周壁、及び上記外周壁の内部空間を印刷流体が貯留される第1空間と印刷流体が貯留されない第2空間とに区画する隔壁を有するフレームと、
    上記第1空間を区画する上記外周壁及び上記隔壁の幅方向の両端面に固着されて、上記第1空間を印刷流体を貯留可能に封止する膜と、
    上記第1空間を区画する上記外周壁に設けられており、上記フレームの外部と上記第1空間との間で印刷流体を流通させる印刷流体流通部と、を備え、
    上記隔壁は、上記外周壁の内壁面の第1位置及び第2位置の間に延設されており、上記第1位置及び上記第2位置を結ぶ直線距離より延設方向の長さが長く、且つ延設方向の端部が中央部より薄肉に形成された複数の隔壁片を、その端部同士で互いに連結して構成されている印刷流体カートリッジ。
  2. 上記隔壁は、3つの可動隔壁片を少なくとも有しており、
    上記3つの可動隔壁片それぞれは、少なくともその一端において隣接する上記可動隔壁片の端部と連結されており、上記膜が固着される前の状態において、隣接する上記可動隔壁片とのなす角が連結部分を基点として変更可能に構成されている請求項1に記載の印刷流体カートリッジ。
  3. 上記3つの可動隔壁片のうちの第1可動隔壁片及び第2可動隔壁片は、一端が上記第1位置或いは上記第2位置において上記外周壁の内壁面に連結され、他端が第3可動隔壁片の端部に連結されており、上記膜が固着される前の状態において、連結された上記外周壁とのなす角が連結部分を基点として変更可能に構成されている請求項2に記載の印刷流体カートリッジ。
  4. 上記隔壁は、2つの固定隔壁片を更に有しており、
    上記2つの固定隔壁片それぞれは、一端が上記第1位置或いは上記第2位置において上記外周壁の内壁面に固定され、他端が上記可動隔壁片の端部に連結されており、
    上記3つの可動隔壁片それぞれは、両端部が上記固定隔壁片の端部又は他の上記可動隔壁片の端部に連結されており、上記膜が固着される前の状態において、隣接する上記隔壁片とのなす角が連結部分を基点として変更可能に構成されている請求項2に記載の印刷流体カートリッジ。
  5. 上記隔壁は、隣接する上記隔壁片の端部それぞれが連結されたジョイントをさらに有し、
    上記可動隔壁片は、上記膜が固着される前の状態において、上記ジョイントとの連結部分を基点として屈曲可能に構成されている請求項2に記載の印刷流体カートリッジ。
  6. 上記外周壁は、その外面から上記印刷流体流通部が突出された第1壁と、上記第1壁と対向する第2壁と、上記第1壁及び上記第2壁に隣接し且つ互いに対向する第3壁及び第4壁とを有しており、
    上記隔壁は、その両端が上記第3壁及び上記第4壁の内壁面に接続され、厚み方向の一方側の面と上記第1壁とで上記第1空間を区画し、厚み方向の他方側の面と上記第2壁とで上記第2空間を区画する請求項1から5のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
  7. 上記第1空間内に配置されており、上記第1空間に貯留された印刷流体の量に応じて移動可能なフロートと、
    一端が上記フロートに接続されており、上記フロートの移動に応じて回動するアームと、を更に備える請求項1から6のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
  8. 平板によって構成されており、平板の幅方向において対向する一対の面が開放された環状の外周壁、及び上記外周壁の内部空間を印刷流体が貯留される第1空間と印刷流体が貯留されない第2空間とに区画する隔壁が一体成型されたフレームと、
    上記第1空間を区画する上記外周壁及び上記隔壁の幅方向の両端面に固着されて、上記第1空間を印刷流体を貯留可能に封止する膜と、
    上記第1空間を区画する上記外周壁に設けられており、上記フレームの外部と上記第1空間との間で印刷流体を流通させる印刷流体流通部と、を備え、
    上記隔壁は、一端が上記外周壁の内壁面に接続され且つ他端が上記フレームと同方向に開放された環状に構成されており、上記外周壁の内部空間を環状の外側の上記第1空間及び環状の内側の上記第2空間に区画し、且つ上記膜が固着される前の状態において変形可能に構成されている印刷流体カートリッジ。
  9. 上記第1空間は、負圧状態に維持されている請求項1から8のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
  10. 上記隔壁は、上記外周壁と一体成型されている請求項1から7、9のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
  11. 平板によって構成されており、平板の幅方向において対向する一対の面が開放された環状の外周壁及び上記外周壁の内部空間を印刷流体が貯留される第1空間と印刷流体が貯留されない第2空間とに区画する隔壁を有するフレームと、上記第1空間を区画する上記外周壁及び上記隔壁の幅方向の両端面に固着されて、上記第1空間を印刷流体を貯留可能に封止する膜と、上記第1空間を区画する上記外周壁に設けられており、上記フレームの外部と上記第1空間との間で印刷流体を流通させる印刷流体流通部と、を備える印刷流体カートリッジの製造方法であって、
    上記第1空間及び上記第2空間の容積が予め定めた比率となる形状に上記隔壁を変形させる変形工程と、
    上記変形工程において変形された上記隔壁の形状を維持した状態で、上記第1空間を区画する上記外周壁及び上記隔壁の幅方向の両端面に上記膜を固着する封止工程と、
    上記封止工程において封止された上記第1空間に上記印刷流体流通部を通じて印刷流体を注入する注入工程とを含む印刷流体カートリッジの製造方法。
  12. 上記隔壁は、3つの可動隔壁片を少なくとも有し、隣接する上記可動隔壁片の端部同士を連結して構成されており、
    上記変形工程では、隣接する上記可動隔壁片のなす角を変更することによって、上記第1空間及び上記第2空間の容積を予め定められた比率にする請求項11に記載の印刷流体カートリッジの製造方法。
  13. 上記隔壁は、一端が上記外周壁の内壁面に接続され且つ他端が上記フレームと同方向に開放された環状に構成されており、上記外周壁の内部空間を環状の外側の上記第1空間及び環状の内側の上記第2空間に区画するものであり、
    上記変形工程では、上記隔壁の環状部分を変形させることによって、上記第1空間及び上記第2空間の容積を予め定められた比率にする請求項11に記載の印刷流体カートリッジの製造方法。
  14. 上記隔壁は、熱可塑性樹脂で形成されており、
    上記変形工程では、上記隔壁を所定の温度まで加熱し、加熱された上記隔壁を上記形状に変形させ、変形された上記隔壁を冷却する請求項11から13のいずれかに記載の印刷流体カートリッジの製造方法。
  15. 上記注入工程において印刷流体が注入された上記第1空間を減圧する減圧工程をさらに含む請求項11から14のいずれかに記載の印刷流体カートリッジの製造方法。
  16. 上記変形工程の実行に先立って、上記外周壁と上記隔壁とを一体成型するフレーム成型工程をさらに含む請求項11から15のいずれかに記載の印刷流体カートリッジの製造方法。
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