JP6131541B2 - 評価支援方法、プログラム、および情報処理装置 - Google Patents

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本発明は、評価支援方法、プログラム、および情報処理装置に関する。
地球規模の大きな問題として、生物多様性の低下や、自然環境による気候調整機能の低下がある。そこで、現在、生態系の保全に向けた様々な活動がある。生態系の保全に向けた活動のうち、生態系を経済価値で評価する活動が注目されている。
生態系は、その生態系が有する生態系サービスの経済価値で評価することができる。生態系サービスとは、生態系によって提供される、人類にとっての恵みである。生態系サービスには、生態系内の動植物による食糧の供給サービスや、森林の木々が光合成を行い二酸化炭素を吸収することによる気候調整サービスなど、多種多様なサービスがある。生態系が有する生態系サービスそれぞれの経済的価値を合算すれば、生態系全体の経済価値となる。生態系の経済価値を評価することで、生態系の保全が経済的な側面からも有益であることが、分かりやすくなる。
生態系の経済価値を計算するには、まず、生態系の現状把握が行われる。生態系の現状把握する手段として、例えば、航空機や衛星などを利用したリモートセンシングと樹木形態パラメータの実測値を組み合わせた樹木生成量の評価方法が考えられている。また、森林の樹種を適切に判別して森林現況情報を作成する技術もある。
特開2008−79549号公報 特開2010−86276号公報
しかし、生態系の現状把握ができたとしても、専門知識の乏しい者が、生態系の経済価値を評価するのは容易でない。すなわち、生態系の経済価値を評価するには、その生態系によって提供される複数の生態系サービスの経済価値を網羅的に計算することとなる。生態系サービスには多種多様なものがあり、生態系サービス毎に、経済価値の計算に用いるデータや、計算方法が異なる。また、生態系サービスによっては、広く認知された一般的な計算方法が確立されているとも限らない。しかも、生態系サービスの経済価値の計算に用いるデータや計算方法を正しく把握するには、専門的な知識が要求される。そのため、専門知識の乏しい者が、生態系の経済価値の計算を試みても、計算に膨大な時間とコストがかかり、計算結果も正確性に欠けたものになるおそれがある。
一側面では、評価支援方法が提供される。この評価支援方法では、情報処理装置が、異なる種類の複数の生態系サービスのリストであって、生態系サービス毎に当該生態系サービスに対して選択された経済価値の評価方法で用いられる1またはそれ以上のパラメータを示す情報を含む評価リストを出力する。次に情報処理装置が、評価リストに記載された複数の生態系サービスのうち2以上の生態系サービスについて、評価リストに基づいて入力された1またはそれ以上のパラメータの値を受け付ける。そして情報処理装置が、2以上の生態系サービスの経済値価を、生態系サービス毎の評価方法および入力された1またはそれ以上のパラメータの値に基づいて算出する。
別の一側面では、情報処理装置に処理を実行させるプログラムが提供される。このプログラムを実行する情報処理装置は、異なる種類の複数の生態系サービスのリストであって、生態系サービス毎に当該生態系サービスに対して選択された経済価値の評価方法で用いられる1またはそれ以上のパラメータを示す情報を含む評価リストを出力する。次に情報処理装置は、評価リストに記載された複数の生態系サービスのうち2以上の生態系サービスについて、評価リストに基づいて入力された1またはそれ以上のパラメータの値を受け付ける。そして情報処理装置は、2以上の生態系サービスの経済値価を、生態系サービス毎の評価方法および入力された1またはそれ以上のパラメータの値に基づいて算出する。
さらに別の一側面では、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、異なる種類の複数の生態系サービスのリストであって、生態系サービス毎に当該生態系サービスに対して選択された経済価値の評価方法で用いられる1またはそれ以上のパラメータを示す情報を含む評価リストを記憶する記憶部と、評価リストに記載された複数の生態系サービスのうち2以上の生態系サービスについて、評価リストに基づいて入力された1またはそれ以上のパラメータの値を受け付ける、2以上の生態系サービスの経済値価を、生態系サービス毎の評価方法および入力された1またはそれ以上のパラメータの値に基づいて算出する演算部とを有する。
一側面によれば、生態系の経済価値を容易に評価できる。
第1の実施の形態の情報処理装置を示す図である。 第2の実施の形態の情報処理システムを示す図である。 サーバ装置のハードウェア例を示すブロック図である。 サーバ装置とクライアント装置との機能を示すブロック図である。 評価シートの一例を示す第1の図である。 評価シートの一例を示す第2の図である。 標準値テーブルの一例を示す図である。 計算情報テーブルの一例を示す図である。 クライアント装置とサーバ装置の通信例を示すシーケンス図である。 評価シート表示ウィンドウの一例を示す第1の図である。 評価シート表示ウィンドウの一例を示す第2の図である。 評価額計算処理の手順の一例を示すフローチャートである。 評価額の計算例を示す図である。 評価結果表示ウィンドウの一例を示す図である。
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態の情報処理装置を示す図である。第1の実施の形態は、生態系サービスのリストにサービス毎に採用した評価方法に応じたパラメータの情報を含めて提示し、そのパラメータの値を入力させることで、ある生態系の経済価値を複数のサービスの観点から総合的に評価することを容易にするものである。
情報処理装置10は、評価地域1の生態系の経済価値を評価し、評価結果2を表示する。評価地域1の生態系の経済価値は、その評価地域1の生態系が提供する生態系サービスの経済価値の合計である。情報処理装置10は、携帯電話機などの情報端末装置であってもよいし、デスクトップコンピュータやサーバコンピュータなどの据え置き型装置であってもよい。
情報処理装置10は、記憶部11と演算部12とを有する。記憶部11は、評価リスト11aと標準値リスト11bとを記憶する。記憶部11は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶装置でもよいし、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性記憶装置でもよい。演算部12は、記憶部11に格納された情報と、ユーザからの入力情報に基づいて、生態系サービスの経済価値を計算する。演算部12は、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサを含んでもよく、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの電子回路を含んでもよい。メモリに格納したプログラムをプロセッサが実行することで以下の処理が実現されるとき、情報処理装置10はコンピュータと言うことができる。
評価リスト11aは、異なる種類の複数の生態系サービスのリストである。また評価リスト11aは、生態系サービス毎に当該生態系サービスに対して選択された経済価値の評価方法で用いられる1またはそれ以上のパラメータを示す情報を含む。評価リスト11aは、例えば生態系サービスの評価方法で用いられるパラメータの説明と、そのパラメータの値を入力するための入力フィールドを有する。
標準値リスト11bは、生態系サービスの評価方法で用いられるパラメータの標準値のリストである。パラメータの標準値は、例えばそのパラメータの所定の地域での平均値である。
演算部12は、評価リスト11aを出力する。例えば演算部12は、評価リスト11aを、情報処理装置10に接続された表示装置に出力する。これにより評価リスト11aが表示装置で表示される。次に演算部12は、評価リスト11aに記載された複数の生態系サービスのうち2以上の生態系サービスについて、評価リスト11aに基づいて入力された1またはそれ以上のパラメータの値を受け付ける。例えば演算部12は、情報処理装置10に接続された入力装置によって、評価リスト11aのパラメータの値の入力フィールドに入力された値を、受け付ける。さらに演算部12は、2以上の生態系サービスの経済値価を、生態系サービス毎の評価方法および入力された1またはそれ以上のパラメータの値に基づいて算出する。例えば演算部12は、生態系サービスの経済価値の評価方法に用いるすべてのパラメータの値が入力された場合、入力された値を用いて生態系サービスの経済価値を算出する。演算部12は、例えば算出された経済価値を、評価結果2として表示装置に出力する。すると評価結果2が表示装置に表示される。評価結果2には、例えば、生態系サービスのカテゴリ毎の経済価値の評価額と、生態系全体での評価額とが含まれる。
なお、演算部12は、生態系サービスの経済価値の評価方法に用いるパラメータの一部について、値が入力されていない場合でも、生態系サービスの経済価値を算出できる。生態系サービスの経済価値の評価方法に用いられるパラメータのうち、値が入力されていないパラメータがある場合、演算部12は、記憶部11内の標準値リスト11bから、値が入力されていないパラメータの標準値を取得する。そして演算部12は、生態系サービスの経済値価を、生態系サービスの評価方法、入力されたパラメータの値、および記憶部11から取得した標準値に基づいて算出する。
第1の実施の形態の情報処理装置10によれば、演算部12により、評価リスト11aが出力される。ユーザは、出力された評価リスト11aに示されたパラメータの情報により、生態系サービスの経済価値の選択された評価方法で用いられるパラメータを認識できる。そしてユーザが情報処理装置10に、評価地域1の生態系に関するパラメータの値を入力する。すると、情報処理装置10の演算部12により、入力されたパラメータの値に基づいて、評価地域1の生態系によって提供される生態系サービスの経済価値が算出される。
このようにして、第1の実施の形態では、環境経済学や森林生態学などの専門知識を有していないユーザであっても、容易に生態系の経済価値を評価することが可能となる。すなわち、評価リスト11aには、生態系サービスのリストが含まれており、ユーザは、評価リスト11aを参照すれば、生態系サービスにどのようなものがあるかを、容易に把握できる。また評価リスト11aには、生態系サービスの経済価値のさまざまな評価方法の中から、選択された評価方法で用いられるパラメータの情報が含まれている。そのため、ユーザは、生態系サービスの経済価値の評価方法として、どのような評価方法が適切なのかや、適用する評価方法にどのようなパラメータを用いるのかについて、調査せずにすむ。そしてユーザは、評価地域1に関する、評価リスト11aに示されているパラメータの値を、情報処理装置10に入力すれば、評価地域1の生態系の経済価値の正確な評価結果2を得ることができる。このように、第1の実施の形態では、ユーザは、生態系の経済価値の評価の際に、専門知識に基づく判断をせずにすむ。その結果、例えば、森林を実際に持っている地主、自治体、企業などの、環境経済学や森林生態学の専門知識を有していない者であっても、生態系の経済価値を容易に評価することが可能となる。
しかも、経済価値の評価方法で用いられるパラメータのうち、評価地域1に関する該当パラメータの値が不明な場合、情報処理装置10は、そのパラメータの値として標準値を用いて経済価値を算出できる。その結果、ユーザは、評価地域1に関するパラメータの値に関する情報収集負担が軽減される。なお、生態系サービスの経済価値の算出の際に、パラメータの値として標準値を用いると、算出の結果として得られる評価額は、概算値となる。生態系全体の経済価値を評価したとき、一部の生態系サービスの経済価値が概算値であったとしても、その生態系サービスの経済価値を含まずに生態系全体の経済価値を算出する場合に比べれば、正確な評価結果となる。すなわち、値が不明なパラメータについて標準値を適用して経済価値を評価することで、生態系サービスの経済価値の評価漏れを抑止でき、生態系全体の経済価値の評価結果の正確性が向上する。
〔第2の実施の形態〕
次に第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、中山間地域の生態系の経済価値を評価する場合を例にとり、具体的な評価方法を説明する。中山間地域とは、都市や平地以外の、中間農業地域と山間農業地域の総称である。
第2の実施の形態では、中山間地域における生態系サービスの経済価値を評価するに当たり、生態系サービスを、機能によって複数のカテゴリに分類する。例えば、生態系サービスは、供給サービス、調整サービス、文化的サービスなどに分類できる。供給サービスは、食料、燃料、木材など、人間の生活に利用できる資源を供給するサービスである。調整サービスは、森林による気候の緩和、洪水の抑制、水の浄化のような、生態系のプロセスを制御するサービスである。文化的サービスは、人間の精神的充足、美的な楽しみ、レクリエーションの機会など、非物質的利益を提供するサービスである。さらに各カテゴリに属する生態系サービスは、大分類および小分類に分類される。
また第2の実施の形態では、カテゴリおよびカテゴリ内の分類によって整理した生態系サービスを、評価シートに列挙する。評価シートには、生態系サービス毎に、その生態系サービスの経済価値の評価方法や、その評価方法に従った評価額の計算に使用するデータ項目の説明が記載される。ユーザに対し、評価シートに経済価値の計算に使用するデータ項目の値を入力させることで、生態系サービスの評価額が計算できる。このように、評価シートを活用することによって、評価額を算出するための算出方法を事前に検討する工数を大幅に削減でき、情報収集にかける時間を節約し、簡潔に経済価値を試算することが可能となる。
なお、評価シートは、第1の実施の形態における評価リスト11aの一例である。またデータ項目は、第1の実施の形態におけるパラメータの一例である。
以下、第2の実施の形態について詳細に説明する。
図2は、第2の実施の形態の情報処理システムを示す図である。第2の実施の形態の情報処理システムは、ネットワーク31、サーバ装置100、およびクライアント装置200,200aを含む。ネットワーク31に、サーバ装置100、およびクライアント装置200,200aが接続されている。
サーバ装置100は、生態系サービスの経済価値を計算するコンピュータである。生態系サービスの経済価値は、金額(評価額)で表される。生態系によって提供される生態系サービスそれぞれの評価額の合計が、その生態系全体の経済価値となる。サーバ装置100には、生態系サービス毎に、生態系サービスの経済的な評価額の計算式が定義されている。またサーバ装置100は、生態系サービス毎に、生態系サービスの評価額の計算に使用するデータ項目の説明と、そのデータ項目の値の入力域(入力フィールド)とを有する評価シートを有している。サーバ装置100は、評価シートを利用して、生態系サービスの評価額の計算に用いるデータ項目の値を取得する。評価シートは、例えば入力フィールドを定義した1つの文書ファイルであってもよい。また評価シートは、入力フィールドを含む入力画面を定義したHTML(HyperText Markup Language)文書であってもよい。
例えばサーバ装置100は、評価シートをクライアント装置200,200a,・・・に送信する。その後、サーバ装置100は、クライアント装置200,200a,・・・から、評価シートの入力フィールドに入力された値を受信する。サーバ装置100は、受信した値を用いて、生態系サービスの評価額を計算する。
クライアント装置200,200a,・・・は、ユーザが操作する端末装置としてのクライアントコンピュータである。クライアント装置200,200a,・・・は、入力フィールドを含む評価シートを表示する。クライアント装置200,200a,・・・は、入力フィールドに対するユーザの文字入力を受け付け、サーバ装置100に送信するデータ項目の値をサーバ装置100に送信する。
図3は、サーバ装置のハードウェア例を示すブロック図である。サーバ装置100は、CPU101、RAM102、HDD103、画像信号処理部104、入力信号処理部105、ディスクドライブ106および通信インタフェース107を有する。サーバ装置100の上記の各ユニットは、バス108に接続されている。
CPU101は、プログラムの命令を実行する演算器を含むプロセッサである。CPU101は、HDD103に記憶されているプログラムやデータの少なくとも一部をRAM102にロードしてプログラムを実行する。なお、CPU101は複数のプロセッサコアを備えてもよく、サーバ装置100は複数のプロセッサを備えてもよく、以下で説明する処理を複数のプロセッサまたはプロセッサコアを用いて並列に実行してもよい。また、2以上のプロセッサの集合、FPGAやASICなどの専用回路、2以上の専用回路の集合、プロセッサと専用回路の組み合わせを「プロセッサ」と呼んでもよい。
RAM102は、CPU101が実行するプログラムやプログラムから参照されるデータを一時的に記憶する揮発性メモリである。なお、サーバ装置100は、RAM以外の種類のメモリを備えてもよく、複数個の揮発性メモリを備えてもよい。
HDD103は、OS(Operating System)やファームウェアやアプリケーションソフトウェアなどのソフトウェアのプログラム、および、データを記憶する不揮発性記憶装置である。なお、サーバ装置100は、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)などの他の記憶装置を備えてもよく、複数の不揮発性記憶装置を備えてもよい。
画像信号処理部104は、CPU101からの命令に従って、サーバ装置100に接続されたディスプレイ41に画像を出力する。ディスプレイ41としては、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイなどを用いることができる。なお、サーバ装置100に接続されたディスプレイ41は、サーバ装置100が備えている(サーバ装置100の一部である)と言うこともできる。また、ディスプレイ41は、サーバ装置100の筐体と一体に形成されていてもよい。
入力信号処理部105は、サーバ装置100に接続された入力デバイス42から入力信号を取得し、CPU101に通知する。入力デバイス42としては、マウスやタッチパネルなどのポインティングデバイス、キーボードなどを用いることができる。なお、サーバ装置100に接続された入力デバイス42は、サーバ装置100が備えている(サーバ装置100の一部である)と言うこともできる。また、入力デバイス42は、サーバ装置100の筐体と一体に形成されていてもよい。
ディスクドライブ106は、記録媒体43に記録されたプログラムやデータを読み取る駆動装置である。記録媒体43として、例えば、フレキシブルディスク(FD:Flexible Disk)やHDDなどの磁気ディスク、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスク、光磁気ディスク(MO:Magneto-Optical disk)を使用できる。ディスクドライブ106は、CPU101からの命令に従って、記録媒体43から読み取ったプログラムやデータをRAM102またはHDD103に格納する。
通信インタフェース107は、ネットワーク31を介してクライアント装置200とデータ通信を行うことができる有線通信インタフェースである。ただし、通信インタフェース107をアクセスポイントに接続する無線通信インタフェースとしてもよい。
なお、サーバ装置100は、ディスクドライブ106を備えなくてもよい。また、サーバ装置100は、ユーザが操作する他のコンピュータからアクセス可能な場合、画像信号処理部104や入力信号処理部105を備えなくてもよい。クライアント装置200,200aも、サーバ装置100と同様のハードウェア構成によって実現できる。また、第1の実施の形態に示した情報処理装置10も、図3に示したサーバ装置100と同様のハードウェア構成によって実現できる。そのとき、CPU101とRAM102の組み合わせは第1の実施の形態の演算部12の一例であり、HDD103は第1の実施の形態の記憶部11の一例である。
次に、第2の実施の形態を実現するためのサーバ装置100とクライアント装置200との機能について説明する。
図4は、サーバ装置とクライアント装置との機能を示すブロック図である。
サーバ装置100は、評価シート記憶部110、標準値記憶部120、計算情報記憶部130、アクセス受付部140、評価シート出力部150、補完部160、および計算部170を有する。評価シート記憶部110、標準値記憶部120、および計算情報記憶部130は、RAM102またはHDD103に確保した記憶領域として実現できる。アクセス受付部140、評価シート出力部150、補完部160、および計算部170は、CPU101に実行させるプログラムのモジュールとして実現できる。
評価シート記憶部110は、生態系サービスの評価額の計算に用いるデータ項目に関する値の入力を支援するための評価シートを記憶する。例えば評価シートには、生態系サービスの評価額の計算に用いるデータ項目の説明が記載されている。評価シートをクライアント装置200の画面に表示した場合、各データ項目の説明により、ユーザは、生態系サービスの評価額の計算に用いるデータ項目を認識できる。また評価シートには、生態系サービスの評価額の計算に用いるデータ項目の値を入力する入力フィールドを含んでいる。ユーザは、クライアント装置200,200a,・・・を用いて、評価シート内の入力フィールドにデータ項目の値を入力することができる。
標準値記憶部120は、生態系サービスの評価額の計算に用いるデータ項目の、標準値を記憶する。例えば標準値記憶部120には、データ項目に関する日本全国での平均値、各都道府県での平均値、各市町村での平均値などが、そのデータ項目の標準値として格納される。
計算情報記憶部130には、生態系サービスの評価額の計算に用いる計算式や、その計算式で使用する定数を記憶する。定数は、例えば、計算式で使用する数値のうち、評価地域に依存しない値である。定数には、係数や定数項が含まれる。
アクセス受付部140は、クライアント装置200,200a,・・・からアクセスを受け付ける。アクセス受付部140は、クライアント装置200,200a,・・・から評価シートの取得を要求するアクセスを受け付けたとき、そのアクセスを評価シート出力部150に通知する。またアクセス受付部140は、クライアント装置200,200a,・・・から、評価シートに入力された情報である入力情報を受信した場合、受信した入力情報を補完部160に出力する。さらにアクセス受付部140は、評価シート出力部150または計算部170から、アクセス結果を受け取ると、アクセス結果をクライアント装置200に送信する。例えばアクセス受付部140は、評価シート出力部150からアクセス結果として評価シートを受け取り、その評価シートをクライアント装置200に送信する。またアクセス受付部140は、計算部170からは、アクセス結果として、生態系の経済価値の評価結果を受け取り、その評価結果をクライアント装置200に送信する。
評価シート出力部150は、評価シートの取得を要求するアクセスを受け取ると、評価シート記憶部110から評価シート111を読み出す。そして評価シート出力部150は、読み出した評価シートを、アクセス受付部140を介してクライアント装置200に送信する。
補完部160は、クライアント装置200から送られた入力情報を取得すると、入力情報に含まれるデータ項目の値のうち、生態系サービスの評価額の計算に不足しているデータ項目の値を判断する。補完部160は、不足しているデータ項目の値がある場合、そのデータ項目の標準値を標準値記憶部120から取得する。そして補完部160は、生態系サービスの評価額の計算に不足しているデータ項目の値を標準値で補完し、生態系サービスの評価額計算に使用するすべてのデータ項目の値(標準値を含む)を、計算部170に送信する。
計算部170は、補完部160から取得したデータ項目の値を用いて、生態系サービスの評価額を計算する。例えば計算部170は、生態系サービスの評価額の計算式と定数とを、計算情報記憶部130から取得する。そして計算部170は、取得した計算式に、補完部160から取得したデータ項目の値(標準値を含む)と定数とを設定し、生態系サービスの評価額を算出する。さらに計算部170は、評価対象の生態系によって提供される複数の生態系サービスの評価額の合計値を、その生態系の評価額とする。計算部170は、算出した生態系の評価額を、アクセス受付部140を介してクライアント装置200に送信する。
クライアント装置200は、ウィンドウ表示部210、入力制御部220、およびアクセス部230を有する。ウィンドウ表示部210、入力制御部220、およびアクセス部230は、クライアント装置200が有するCPUに実行させるプログラムのモジュールとして実現できる。他のクライアント装置200a,・・・もクライアント装置200と同様のモジュール構成で実現できる。
ウィンドウ表示部210は、ウィンドウを表示させるプロセスに対応するモジュールである。プロセスがWebブラウザである場合、ウィンドウ表示部210は、サーバ装置100から受信するHTML文書に基づいてウィンドウ内にWebページをレンダリングする。プロセスがクライアント装置200にインストールされたアプリケーションソフトウェアである場合、ウィンドウ表示部210は、OSのAPI(Application Programming Interface)を利用してウィンドウ内に表示部品を描画する。
入力制御部220は、文字入力補助ソフトウェアのモジュールであり、ユーザによる文字入力を支援する。入力制御部220は、ウィンドウ表示部210に相当するプロセスがクライアント装置200で起動すると、当該プロセスの中に取り込まれて動作する。入力制御部220は、ウィンドウ表示部210により表示されたウィンドウ内の入力フィールドが選択され、文字列(数字も含む)が入力されると、選択された入力フィールドに入力された文字列を設定する。
アクセス部230は、ウィンドウ表示部210および入力制御部220からの要求に従ってサーバ装置100にアクセスする。例えば、アクセス部230は、ウィンドウが表示されたときやウィンドウに対する特定のユーザ操作が検出されたとき、入力制御部220からの要求に従ってサーバ装置100にアクセスする。また、アクセス部230は、入力フィールドに設定された値が確定されたとき、ウィンドウ表示部210からの要求に従ってデータ項目の値をサーバ装置100に送信する。
次に、サーバ装置100内に格納される情報ついて、詳細に説明する。まず評価シート記憶部110に格納される評価シートについて、図5・図6を参照して説明する。なお図5・図6に示す評価シートには、中山間地域における森林と農地に存在する自然の生態系サービスを評価する場合における、生態系サービスがリストアップされている。なお、図5・図6に示した生態系サービスは、評価シートに含まれる生態系サービスの一部である。評価シートには、図5・図6において省略されている生態系サービスも含め、中山間地域の生態系で提供される生態系サービスが網羅的にリストアップされている。
図5は、評価シートの一例を示す第1の図である。評価シート111の内容は、例えば、サーバ装置100の管理者により予め定義される。評価シート111は、生態系サービスのカテゴリ、大分類、要否、小分類、評価方法、使用するデータ項目、項目名、値、および評価対象追加の欄を含む。
生態系サービスのカテゴリの欄には、生態系サービスを機能により複数のカテゴリに分類したときの、カテゴリの名称が設定されている。例えば、「供給サービス」、「調整サービス」、「文化的サービス」などの名称が、生態系サービスのカテゴリの欄に設定される。
大分類の欄には、カテゴリ内の生態系サービスをさらに分類するとしたときの、大分類の名称が設定される。例えば、カテゴリが供給サービスである生態系サービスは、「食料」、「資源」などの大分類に分類できる。
要否の欄には、小分類に属する生態系サービスに対応付けて、評価額の計算を行うか否かの選択設定を行うチェックボックス51〜54が設けられている。例えば、ユーザは、クライアント装置200を用いて、評価対象とする生態系サービスが属する小分類のチェックボックスを選択し、チェックボックスにチェックマークを表示させることができる。評価シート111に列挙されている生態系サービスのうち、チェックボックスにチェックマークが表示された小分類に属する生態系サービスが、評価額の計算の対象となる。
小分類の欄には、大分類内の生態系サービスをさらに細かく分類した小分類の名称が設定されている。例えば大分類「食料」に属する生態系サービスを、「山からの生産物や農作物、種苗」と「養蜂」との小分類に分類できる。なお評価シート111では、各小分類の名称の後に、括弧書きで、その小分類に属する生態系サービスが農業由来なのか林業由来なのかが示されている。例えば、小分類「山からの生産物や農作物、種苗」に属する生態系サービスは、農業由来である。また小分類「木材」に属する生態系サービスは、林業由来である。
評価方法の欄には、生態系サービスの1年当たりの経済価値の評価方法が、生態系サービス毎に設定されている。小分類に属する生態系サービスが複数あれば、その小分類に対応付けて、複数の評価方法が設定される。例えば小分類「山からの生産物や農作物、種苗」に属する生態系サービスとして、飲料水の供給サービスや、生薬などの食料の供給サービスがある。そのため、小分類「山からの生産物や農作物、種苗」に対応付けて複数の評価方法が設定されている。例えば小分類「山からの生産物や農作物、種苗」に属する飲料水の供給サービスの評価額は、「飲料水の年間の生産量×市場価格」で計算できる。
使用するデータ項目の欄には、生態系サービスの評価に使用するデータ項目を説明する文字列が設定されている。例えば小分類「山からの生産物や農作物、種苗」に属する飲料水の供給サービスであれば、使用するデータ項目の欄に、「年間当りの飲料水の販売量、市場価格」と記載されている。
項目名の欄には、生態系サービスの評価額の計算に使用するデータ項目の名称が設定されている。例えば、小分類「山からの生産物や農作物、種苗」に属する飲料水の供給サービスに対応するデータ項目の欄には、項目名「販売量」、「市場価格」が設定されている。
値の欄には、項目名に対応付けて、データ項目の値を設定する入力フィールドが設けられている。例えば、項目名「種類」に対応する入力フィールドには、評価対象となる物の名前を示す文字列を設定できる。項目名「生産量」に対応する入力フィールドには、例えば評価対象の地域での生産物の1年間の生産量を示す数値を設定できる。項目名「市場価格」に対応する入力フィールドには、例えば評価対象の地域の生産物の市場での単位量当たりの販売価格を示す数値を設定できる。
評価対象追加の欄には、評価対象とする生態系サービスを追加するためのボタン71〜74が設けられている。例えば小分類「山からの生産物や農作物、種苗」に属する生薬などで利用されている物の供給サービスであれば、供給される物毎に、生態系サービスの経済価値が評価される。そこで、例えば生薬などで利用されている物が複数ある場合には、ユーザは、クライアント装置200を用いてボタン71を押下することができる。ボタン71が押下されると、評価対象とする物の経済価値の評価に使用するデータ項目の値の入力フィールドが、評価シート111内に追加される。
図5に示すように、供給サービスについては、供給される物が存在する。そのため、ほとんどの場合、供給される物の生産量に市場価格を乗算すれば、その物を供給する生態系サービスの経済価値となる。一方、供給サービス以外のカテゴリに属する生態系サービスについては、もっと複雑な方法で経済価値が計算されることが多い。
図6は、評価シートの一例を示す第2の図である。図6に示す評価シート111には、調整サービスと文化的サービスとに属する生態系サービスの例が示されている。図5と同様に、要否の欄には、小分類に対応付けて、経済価値の計算の要否を選択するチェックボックス55〜62が設けられている。以下、図6において省略している内容も含め、調整サービスや文化的サービスに関する経済価値の評価方法と使用するデータ項目について詳細に説明する。
調整サービスの大分類には、「循環」・「貯留」・「保全」が含まれる。大分類「循環」の小分類には、「表面浸食防止機能」・「土砂崩壊防止機能」が含まれる。大分類「貯留」の小分類には、「二酸化炭素吸収」・「水資源浄化」が含まれる。大分類「保全」の小分類には、「生息地保全」が含まれる。小分類に含まれる各生態系サービスの経済価値の評価方法と、使用するデータ項目は以下の通りである。
<表面浸食防止機能>
<<評価方法>>
まず、有林地における土砂の年間浸食深さと森林面積とにより、森林地域全体の侵食土砂量を求める。また無林地における土砂の年間侵食深さと森林面積とにより、森林地域をすべて無立木地とした場合の侵食土砂量を求める。次に、森林地域全体の侵食土砂量と、森林地域をすべて無立木地とした場合の侵食土砂量との差を、森林による土砂浸食防止量とする。
ただし、傾斜5度未満の浸食土砂量は、森林の平均傾斜度での浸食土砂量と比較して、極めて少ない。そのため、傾斜5度未満の森林については、表面浸食防止機能を有する地域から除外する。
そして、林を堰堤で代替し、森林による土砂浸食防止量分の土砂の浸食防止機能を堰堤で代替するための、堰堤の建設費を算出する。算出された堰堤の建設費が、表面浸食防止機能の評価額となる。
<<使用するデータ項目>>
・評価地域の全森林面積(ha)
・傾斜5度未満の森林面積の割合(%)
・堰堤建設費(円/ms
<土砂崩壊防止機能>
<<評価方法>>
水田の耕作により抑止されている土砂崩壊の推定発生件数を試算する。そして、地滑り1回当たりの平均被害額により、土砂崩壊防止器機能の経済価値を評価する。
<<使用するデータ項目>>
・耕作放棄地による地滑り災害発生件数
・地滑り1件当たり平均被害額(円/件)
<二酸化炭素吸収>
<<評価方法>>
森林の炭素蓄積量の増分を、以下の式で求める。
・炭素蓄積量の増分=幹材積の増加量×拡大係数×容積密度×炭素含有率
幹材積は、幹の体積である。幹材積の増加量は、樹木の種類と林齢に基づいて換算できる。拡大係数は、拡大係数は、幹材積を枝・葉・根を含めた樹木全体の体積にするための係数である。容積密度は、体積を重さに変える係数である。炭素含有率は、樹木の重さのうち炭素が占める重さの割合である。
次に、森林の炭素蓄積量の増分に、発電所における化学的吸着法によるCO2回収コストを乗算した結果を、森林の二酸化炭素吸収サービスの評価額とする。
<<使用するデータ項目>>
・評価地域の全森林面積
・それぞれの地域の主要林名と樹齢(齢級)
・人工の針葉樹、スギ・ヒノキの比率、樹齢
・人工の広葉樹(ha)、樹齢
・天然の針葉樹(ha)、スギ・ヒノキの比率、樹齢
・天然の広葉樹(ha)、樹齢
・二酸化炭素回収コスト(円/t‐CO2
<水資源浄化>
<<評価方法>>
森林によって雨水中の不純物を吸着し、水質を改善し、利用可能な水として河川などに流出させる機能を評価する。まず、流域貯留量を機能物質量とし、雨水利用施設を代替物として評価する。ただし、井戸水などで生活用水として利用する水量については、水道料金及び水道設備にかかる費用で代替とする。
流域貯留量は、以下の式で計算する。
・流域貯留量(年)=森林面積×(森林地帯の平均降雨量×裸地の流出係数−平均蒸発量)
流域貯留量に、水利用施設建設による雨水処理費を乗算した結果が、生活用水以外に使用される水資源の評価額となる。また生活用水の水量に水道料金を乗算した結果が、生活用水に使用される水資源の評価額となる。そして、生活用水以外に使用される水資源の評価額と生活用水に使用される水資源の評価額との合計が、水資源浄化サービスの評価額となる。
<<使用するデータ項目>>
・評価地域の平均降雨量
・評価地域の森林面積(ha)
・井戸水の利用戸数、使用量
・水道料金の平均(円/t)
・雨水利用施設建設による雨水処理費(円/t)
<生息地保全>
<<評価方法>>
自然の保全のために必要な管理費を地域住民が支払うと仮定した場合の、地域住民の支払意志額に、地域の世帯数を乗算し、地域住民の支払意思の総額を求める。また自然の保全のために必要な管理費の負担を観光客に求める場合の、保全のための観光客の支払意思額に、観光客数を乗算し、観光客の支払意思の総額を求める。そして地域住民の支払意思の総額と、観光客の支払意思の総額との合計が、生息地保全の評価額となる。
<<使用するデータ項目>>
・保存したい特別な保護対象生物種や景観の名称
・地域住民の保全のための支払意志額
・観光客の保全のための支払意志額
・地域の世帯数
・年間の観光客数
以上が、調整サービスに属する生態系サービスの評価方法と、評価に使用するデータ項目である。次に、文化的サービスに属する生態系サービスの評価方法と、評価に使用するデータ項目について説明する。
文化的サービスの大分類には、「娯楽・アメニティ」・「アイデンティティ」・「学術」が含まれる。大分類「娯楽・アメニティ」の小分類には、「レクリエーション」が含まれる。大分類「アイデンティティ」の小分類には、「伝統的行事」が含まれる。大分類「学術」の小分類には、「教育と科学の機会」が含まれる。小分類に含まれる各生態系サービスの経済価値の評価方法と、使用するデータ項目は以下の通りである。
<レクリエーション>
<<評価方法>>
森林・農業地域のレクリエーション施設毎の旅行者数に、そのレクリエーション施設利用者の旅行費を乗算し、乗算結果を、各レクリエーション施設の評価額とする。そしてレクリエーション施設毎の評価額の合計は、レクリエーションサービスの評価額となる。
<<使用するデータ項目>>
・キャンプや釣りなど森林山間地域の訪問者数(人/年)
・評価地域にある宿泊施設の利用客(人/年)
・各宿泊施設の宿泊代金(円)
・日帰り客の消費額(円/人)
・宿泊客の平均消費額(円/人)
<伝統的行事>
<<評価方法>>
伝統的行事については、評価額を算出する定量的な評価のみではなく、定性的な評価も合わせて行うことができる。
1)定性評価:定性的に地域の大事な行事を抽出
2)伝統的行事を保存し続けるために必要な資金を支払うと仮定した場合の、地域住民の支払意志額に、評価地域の世帯数を乗算し、地域住民の支払意思の総額を求める。また伝統行事に参加する観光客の保全に対する支払意志額に、行事に参加する観光客数を乗算しし、観光客の支払意思の総額を求める。そして地域住民の支払意思の総額と、観光客の支払意思の総額との合計を、伝統的行事の評価額とする。
<<使用するデータ項目>>
・山間地域に根付く考え方や大切にしている感覚や伝統行事の名称
・地域住民の保全への支払意志額(円/世帯)
・観光客の保全への支払意志額(円/人)
・評価地域の世帯数
・各行事の観光客数
<教育と科学の機会>
<<評価方法>>
評価地域が教育や研究の場となってときに、教育または研究に関与する人の滞在費、調査費などを合計する。
<<使用するデータ項目>>
・森林山間地域での研究調査の研究員の人数
・研究日数(年間)
・1日当たりの1人分の経費(滞在費・調査費)
以上のような評価方法により、各カテゴリに属する、評価地域内の生態系サービスの評価額を計算できる。そして評価シート111には、評価額の計算に使用するデータ項目がリストアップされているため、ユーザは、評価シート111を参照するだけで、各生態系サービスの評価額の計算に使用するデータ項目を認識できる。
なお第2の実施の形態では、生態系サービスの評価額の計算で使用するデータ項目の値として、標準値を用いることができる。データ項目の標準値は、例えば地域毎の標準値テーブルに設定される。
図7は、標準値テーブルの一例を示す図である。地域毎の標準値テーブル121,122,123,・・・は、標準値記憶部120に格納されている。標準値テーブル121には、全国の標準値が設定されている。例えば標準値テーブル121には、飲料水や堰堤建設費の全国の平均価格が設定されている。また標準値テーブル122には、「K県」の標準値が設定されている。例えば標準値テーブル122には、K県における森林の傾斜5度未満の割合が設定されている。
生態系サービスの評価額の計算に不足しているデータ項目の値がある場合、そのデータ項目の値として、いずれかの標準値テーブル121,122,123,・・・に設定されたそのデータ項目の標準値を使用することができる。例えば、評価地域との間で環境の共通性が高い地域の標準値テーブルに設定された標準値を使用することができる。評価地域と標準値テーブルに対応する地域との環境の共通性は、例えば評価地域と重なる面積の多さで判断することができる。また評価地域と標準値テーブルに対応する地域との距離の近さで、環境の共通性を判断することもできる。
図5・図6に示した評価シート111の入力フィールドに設定された値や、図7に示した標準値テーブル121,122,123,・・・から取得した標準値を用いて、生態系サービスの評価額が計算される。評価額の計算式や計算に用いられる定数は、例えば計算情報テーブルに設定されている。
図8は、計算情報テーブルの一例を示す図である。計算情報テーブル131は、計算情報記憶部130に格納されている。計算情報テーブル131は、生態系サービスのカテゴリ、大分類、小分類、計算式、および定数の欄を含む。生態系サービスのカテゴリ、大分類、および小分類の欄には、評価シート111の同名の欄と同種の情報が設定される。
計算式の欄には、小分類に対応付けて、その小分類に属する生態系サービスの評価額の計算式が設定される。例えば、カテゴリ「供給サービス」内の各小分類に属する評価額の計算式は、「年間の生産量×市場価格」である。またカテゴリ「調整サービス」内の小分類「表面浸食防止機能」の計算式の欄には、複数の計算式が設定さている。
定数の欄には、評価額の計算に用いられる定数が設定される。定数には、係数や定数項が含まれる。例えばカテゴリ「調整サービス」内の小分類「表面浸食防止機能」の定数の欄には、「無林地の年間浸食深さ:20mm/年」や「有林値の年間浸食深さ:0.05mm/年」といった定数が設定されている。
次に、評価地域の生態系の評価額の計算手順について説明する。
図9は、クライアント装置とサーバ装置の通信例を示すシーケンス図である。
クライアント装置200は、ユーザからの操作に応答して、評価シート111の取得要求をサーバ装置100に送信する(ステップS11)。評価シート111の取得要求を受信したサーバ装置100は、評価シート記憶部110から評価シート111を読み出し、クライアント装置200に送信する(ステップS21)。
評価シート111を受信したクライアント装置200は、評価シート111をモニタに表示する(ステップS12)。次にクライアント装置200は、評価シート111の入力フィールドへのデータ項目の値の入力を受け付ける(ステップS13)。このときクライアント装置200は、評価地域を示す情報(例えば評価地域の名称を示す文字列)の入力を受け付けることもできる。そしてクライアント装置200は、ユーザによる入力された値を確定する操作に応じて、評価シートに入力された入力情報をサーバ装置に送信する(ステップS14)。入力情報には、例えば、データ項目の識別情報と、そのデータ項目の値との組が含まれる。また入力情報に、評価対象の生態系サービスを指定する情報を含めることもできる。さらに、評価地域を示す情報がクライアント装置200に入力されていた場合、評価地域を示す情報を入力情報に含めることもできる。
サーバ装置100は、クライアント装置200から入力情報を受信すると、入力情報に基づいて評価地域の生態系の評価額を計算する(ステップS22)。評価額計算処理の詳細は後述する(図12参照)。サーバ装置100は、評価額の計算が完了すると、計算結果をクライアント装置200に送信する(ステップS23)。クライアント装置200は、受信した計算結果をモニタに表示する(ステップS15)。
このようにして、ユーザは、評価シート111の入力フィールドに、データ項目の値を入力することで、評価地域の生態系の評価額をサーバ装置100に計算させることができる。なお、クライアント装置200に送信された評価シート111は、例えばウィンドウ表示部210で制御される評価シート表示ウィンドウ内に表示される。
図10は、評価シート表示ウィンドウの一例を示す第1の図である。評価シート表示ウィンドウ211には、評価地域入力用の入力フィールド211a、確定ボタン211b、および評価シート111が表示されている。
評価地域入力用の入力フィールド211aには、評価地域を示す文字列を入力することができる。また入力フィールド211aに、評価地域が属する地名を入力することもできる。図10の例では、評価地域が「T自然公園」であり、その評価地域が「K県」内にあることを示す文字列が、入力フィールド211aに入力されている。
ユーザは、評価シート111の生態系サービスのカテゴリ、大分類、小分類を参照し、評価地域で提供される生態系サービスが属する小分類を、評価対象として特定する。そしてユーザは、評価対象の小分類に対応するチェックボックス51を選択し、チェックボックス51内にチェックマークを表示させる。
さらにユーザは、評価対象の小領域に属する生態系サービスに関する、使用するデータ項目の欄を参照し、評価額の計算に使用するデータ項目を把握する。ユーザは、評価額の計算に使用するデータ項目の値を、例えば、自治体などで公開された情報から取得する。そしてユーザは、評価額の計算に使用するデータ項目の値を、そのデータ項目に対応する入力フィールドに入力する。
またユーザは、評価対象の小分類に属する生態系サービスの評価額の計算に使用するデータ項目の値の入力フィールドが足りないときは、評価対象の追加の欄に設けられたボタン71を押下する。すると、押下されたボタン71に対応する生態系サービスのデータ項目の値を入力する入力フィールドが、評価シート111に追加される。図10の例では、生薬などで利用されている物の供給サービスとして、銀杏の供給サービスと松茸の供給サービスとがある。そこでユーザは、ボタン71を押下する。すると、生薬などで利用されている物の供給サービスのデータ項目の値の入力フィールドが、評価シート111内に追加され、生薬などで利用されている複数の物の供給サービスそれぞれについて、データ項目の値を入力することが可能となる。
確定ボタン211bは、評価シート表示ウィンドウ211内に入力した情報を確定するボタンである。例えばユーザが、マウスを操作し、確定ボタン211bを押下すると、評価シート表示ウィンドウ211内に入力した入力情報が、クライアント装置200からサーバ装置100に送信される。サーバ装置100に送信される入力情報には、小分類の評価要否のチェックボックスの状態(評価対象か否か)を示す情報、生態系サービスの評価額の計算に使用するデータ項目の値、および評価地域を示す情報が含まれる。
図11は、評価シート表示ウィンドウの一例を示す第2の図である。図11には、調整サービスのカテゴリに属する小分類「表面浸食防止機能」の生態系サービスに関するデータ項目の値の入力状況を示している。評価額の計算に使用するデータ項目として、森林面積、傾斜5度未満の割合、堰堤建設費がある。このうち、図11の例では、森林面積に対応する値のみが入力されており、傾斜5度未満の割合と堰堤建設費との値については入力されていない。ユーザは、傾斜5度未満の割合と堰堤建設費との値が未入力であっても、評価シート表示ウィンドウ211に入力された値を確定させることができる。使用するデータ項目の値の一部が未入力のまま確定ボタン211bが押下された場合、未入力の値として標準値が適用されることとなる。
次に、評価シート表示ウィンドウ211に入力された情報を受信したサーバ装置100による、評価額計算処理の手順について説明する。
図12は、評価額計算処理の手順の一例を示すフローチャートである。なお、評価額計算処理は、評価シート表示ウィンドウ211に入力された入力情報を、クライアント装置200から受信したときに実行される。
(ステップS111)補完部160は、生態系サービスのカテゴリのうち、評価額を計算していないカテゴリを選択する。
(ステップS112)補完部160は、選択したカテゴリ内で、評価対象と指定され、かつ評価額を計算していない生態系サービスを1つ選択する。
(ステップS113)補完部160は、選択した生態系サービスの評価額の計算に使用するデータ項目のうち、値が入力されていないデータ項目があるか否かを判断する。値が未入力のデータ項目があれば、処理がステップS114に進められる。値が未入力のデータ項目がなければ、処理がステップS115に進められる。
(ステップS114)補完部160は、標準値記憶部120から、値が未入力のデータ項目に対応する標準値を取得する。例えば補完部160は、評価地域との環境の共通性が高い地域の標準値テーブルから順に、未入力のデータ項目に対応する標準値の有無を判断する。
(ステップS115)計算部170は、補完部160から、クライアント装置200から、ステップS112で選択した生態系サービスの経済価値の計算に用いるデータ項目の値を受け取る。なお、補完部160が標準値記憶部120から標準値を取得した場合、計算部170は、その標準値を補完部160から受け取る。そして計算部170は、ステップS112で選択した生態系サービスの計算式と定数とを、計算情報記憶部130から取得する。
(ステップS116)計算部170は、ステップS112で選択した生態系サービスの経済価値を計算する。例えば計算部170は、計算情報記憶部130から取得した計算式に、計算情報記憶部130から取得した定数を設定し、計算式の変数に、補完部160から取得したデータ項目の値または標準値を設定する。そして計算部170は、定数と変数とが確定した計算式を計算し、計算結果を、ステップS112で選択した生態系サービスの経済価値とする。
(ステップS117)計算部170は、選択したカテゴリ内で評価対象と指定された小分類の生態系サービスのうち、経済価値を評価していない生態系サービスがあるか否かを判断する。該当する生態系サービスがあれば、処理がステップS112に進められる。該当する生態系サービスがなければ、処理がステップS118に進められる。
(ステップS118)計算部170は、選択したカテゴリ内の生態系サービスの評価額の合計を計算する。
(ステップS119)計算部170は、評価額が未計算のカテゴリがあるか否かを判断する。評価額が未計算のカテゴリがあれば、処理がステップS111に進められる。すべてのカテゴリについて評価額の計算が完了していれば、処理がステップS120に進められる。
(ステップS120)計算部170は、すべてのカテゴリの生態系サービスの評価額を合計する。
このようにして、カテゴリ毎の、生態系サービスの経済価値を示す評価額が計算できる。しかも、生態系サービスの経済価値の計算に用いるデータ項目のうち、値が未入力のデータ項目があっても、そのデータ項目の値として標準値を用い、評価額を概算することができる。
図13は、評価額の計算例を示す図である。図13には、「T自然公園」における表面浸食防止機能の評価額の計算例を示している。
まず、クライアント装置200からサーバ装置100に送信された入力情報81が、補完部160で受け取られる。入力情報81には、評価地域が「T自然公園」であること、この評価地域は「K県」内にあることが示されている。また入力情報81には、「表面浸食防止機能」が経済価値の評価対象であることが示されている。さらに入力情報81には、「表面浸食防止機能」の経済価値の計算に用いられるデータ項目のうち、森林面積の値が含まれている。なお「表面浸食防止機能」の経済価値の計算に用いられるデータ項目のうち、「森林の傾斜5度未満の割合」と「堰堤建設費」との各値については、入力情報81に含まれていない。
このような入力情報81を受け取った補完部160は、評価地域が「K県」内にあることから、まず、標準値記憶部120から「K県」の標準値テーブル122を参照する。これは、評価地域を含む県の自然環境は、評価地域の自然環境と共通性が高いと考えられるためである。そして、補完部160は、「森林の傾斜5度未満の割合」と「堰堤建設費」との標準値が、「K県」の標準値テーブル122に含まれていれば、その標準値を取得する。図13の例では、標準値テーブル122から「森林の傾斜5度未満の割合」の標準値は取得できたが、「堰堤建設費」の標準値は取得できていない。そこで、補完部160は、「K県」の標準値テーブル122以外の標準値テーブルから、「堰堤建設費」の標準値を取得する。図13の例では、「全国」の標準値テーブル121から、「堰堤建設費」の標準値83が取得されている。
補完部160は、入力情報81に取得した標準値を加え、計算部170に送信する。すると計算部170は、評価対象となっている「表面浸食防止機能」の計算式85と定数86とを、計算情報記憶部130から取得する。なお「表面浸食防止機能」の経済価値の計算に使用する定数86には、「無林地の年間浸食深さ:20mm/年」や「有林地の年間浸食深さ:0.05mm/年」がある。計算部170は、取得した計算式85に、定数と、補完部160から受け取ったデータ項目の値または標準値を設定する。そして計算部170は、計算式85に基づき、「T自然公園」で提供される「表面浸食防止機能」の経済価値を示す評価額を計算する。
図13では、「表面浸食防止機能」の評価額の計算例を示したが、評価対象の他の生態系サービスについても、評価額が計算される。そして、各生態系サービスの評価額や、すべての生態系サービスの評価額の合計が、評価結果として、クライアント装置200に送信される。そして評価結果が、例えばクライアント装置200の評価結果表示ウィンドウに表示される。
図14は、評価結果表示ウィンドウの一例を示す図である。評価結果表示ウィンドウ212には、評価結果表212aが表示されている。評価結果表212aは、カテゴリ、生態系サービス(小分類)、評価額、および単位面積当たりの価値の欄を有する。カテゴリの欄には、生態系サービスのカテゴリが示されている。生態系サービスの欄には、生態系サービスの小分類が示されている。評価額の欄には、生態系サービスの小分類毎の評価額、カテゴリ内の生態系サービスの評価額の合計、およびすべての生態系サービスの評価額の合計が示されている。すべての生態系サービスの評価額の合計が、評価地域の生態系全体の経済価値を表している。単位面積当たりの価値の欄には、評価地域の単位面積当たりの価値が示されている。単位面積当たりの価値は、評価額を、評価地域の面積で除算した値である。
このように、評価地域の経済価値が可視化される。そしてユーザは、評価結果表212aを参照し、評価地域の評価結果を認識することができる。例えば図14の例では、評価地域の森林などの生態系サービスの経済価値が329億6千万円であり、1ha単位面積当たり約350万円の価値となることが分かる。
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、ユーザは、評価シート111に示されている評価方法と使用するデータ項目とに基づいて、生態系サービスの経済価値の評価に用いるデータ項目を容易に認識できる。そのため、ユーザが、生態系サービスの経済価値の評価方法を調べたり、評価に用いるデータ項目を特定したりする手間が省ける。
また、評価シート111には、生態系サービスがリストアップされている。そのため、ユーザが、生態系サービスの評価漏れが抑止され、生態系サービスを網羅的に評価できる。その結果、正確な評価結果を得ることができる。すなわち、第2の実施の形態に示した評価シート111を用いないと、生態系サービスの評価漏れが発生しやすい。例えば、供給サービスの一つである食料などの一次産業の供給サービスのみが、経済価値として評価されることがあり得る。図14の例であれば、農産物などの供給サービスの評価額は5億円であり、この評価額を、生態系全体の経済価値と見なすと、非常に誤った評価結果となる。
一方、評価シート111には、生態系サービスが網羅されている。第2の実施の形態では、中山間地域の生態系サービスを例示しているが、評価シート111には、中山間地域だけなく、中山間地域以外の平地農業農地、海岸地域、湖沼、海などの自然全般の生態系で提供される生態系サービスがリストアップされている。そして評価シート111を利用して、様々な生態系で提供される各生態系サービスの経済価値を評価することができる。これは、地域を区切らず、繋がっている生態系のネットワークの広い範囲で、網羅的な評価ができることを意味する。中山間地域の生態系全体の経済価値を評価した図14の例であれば、農地から得られる生態系サービス「山からの生産物や農作物、種苗」の評価額は5億円であるが、森林などの農地以外の生態系を含めた評価額は329億6千万円となっている。このように第2の実施の形態による評価結果は、農地だけを抜き出して評価するよりも価値が上がっている。この評価結果は、中山間地域という生態系のネットワーク全体の経済価値を評価するという目的から考えると、森林と農地というつながりまで含めた自然生態系の相互依存を反映した適正な経済価値を表している。
さらに、ユーザは、評価シート111に設けられた入力フィールドにデータ項目の値を入力すれば、評価地域の生態系の評価額を入手できるため、生態系の経済価値の評価を容易に行うことができる。すなわち、評価シート111を使わずに、森林の生態系サービスを評価しようとすると、評価額の計算方法、計算に用いる定数などの蓄積がないため、簡単には評価額を計算できない。無理に評価して結果を出したとしても、評価に費やす期間が半年以上にもなり、精度の低い評価結果しか得られない。一方、第2の実施の形態では、生態系サービスの経済価値を評価するための知見が、評価式や定数といった形でサーバ装置100に蓄積されている。そしてユーザは、評価シート111への簡単な入力で、蓄積された評価式や定数を使用した評価額の計算をサーバ装置100に行われることができる。そのため、環境経済学や森林生態学の専門家以外の者でも、森林などの経済価値を容易に評価できる。
しかも、第2の実施の形態では、生態系サービスの経済価値を示す評価額の計算に用いるデータ項目の中に、ユーザによって値が入力されていないデータ項目があっても、そのデータ項目の値として標準値を用いて、評価額を計算することができる。その結果、ある生態系サービスの評価額の計算に用いるデータ項目の一部について、そのデータ項目の値をユーザが分からない場合であっても、その生態系サービスの評価額を概算で計算できる。概算であってもその生態系サービスの評価額を計算しておけば、生態系サービスの経済価値の評価漏れが抑止され、生態系全体の経済価値の正確性が向上する。
なお、前述のように、第1の実施の形態の情報処理は、情報処理装置10にプログラムを実行させることで実現できる。また、第2の実施の形態の情報処理は、サーバ装置100にプログラムを実行させることで実現できる。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、記録媒体43)に記録しておくことができる。記録媒体としては、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどを使用できる。磁気ディスクには、FDおよびHDDが含まれる。光ディスクには、CD、CD−R(Recordable)/RW(Rewritable)、DVDおよびDVD−R/RWが含まれる。
プログラムを流通させる場合、例えば、当該プログラムを記録した可搬記録媒体が提供される。また、プログラムを他のコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワーク経由でプログラムを配布することもできる。コンピュータは、例えば、可搬記録媒体に記録されたプログラムまたは他のコンピュータから受信したプログラムを、記憶装置(例えば、不揮発性メモリ)に格納し、当該記憶装置からプログラムを読み込んで実行する。ただし、可搬記録媒体から読み込んだプログラムを直接実行してもよく、他のコンピュータからネットワークを介して受信したプログラムを直接実行してもよい。
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
1 評価地域
2 評価結果
10 情報処理装置
11 記憶部
11a 評価リスト
11b 標準値リスト
12 演算部

Claims (5)

  1. 情報処理装置が、
    異なる種類の複数の生態系サービスのリストであって、生態系サービス毎に当該生態系サービスに対して選択された経済価値の評価方法で用いられる1またはそれ以上のパラメータを示す情報を含む評価リストを出力し、
    前記評価リストに記載された前記複数の生態系サービスのうち2以上の生態系サービスについて、前記評価リストに基づいて入力された前記1またはそれ以上のパラメータの値、および前記2以上の生態系サービスを提供する第1の地域を含む土地の地名を受け付け、
    前記2以上の生態系サービスの経済価値の評価方法に用いられるパラメータのうち、値が入力されていないパラメータがある場合、生態系サービスの経済価値の評価方法に用いられるパラメータそれぞれの、複数の第2の地域それぞれにおける標準値、および前記複数の第2の地域それぞれの地名を記憶する記憶部から、前記第1の地域を含む土地と同じ地名の第2の地域における、該値が入力されていないパラメータの標準値を取得し、
    前記2以上の生態系サービスの経済価値を、生態系サービス毎の前記評価方法および入力された前記1またはそれ以上のパラメータの値と、該値が入力されていないパラメータについて前記記憶部から取得した標準値とに基づいて算出する、
    評価支援方法。
  2. 前記評価リストには、前記1またはそれ以上のパラメータの値を入力する入力域が設けられており、
    前記1またはそれ以上のパラメータの値受け付けでは、前記評価リストの入力域に入力された値を受け付ける、
    ことを特徴とする請求項記載の評価支援方法。
  3. 経済価値の算出では、前記2以上の生態系サービスの経済価値の合計を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の評価支援方法。
  4. 情報処理装置に、
    異なる種類の複数の生態系サービスのリストであって、生態系サービス毎に当該生態系サービスに対して選択された経済価値の評価方法で用いられる1またはそれ以上のパラメータを示す情報を含む評価リストを出力し、
    前記評価リストに記載された前記複数の生態系サービスのうち2以上の生態系サービスについて、前記評価リストに基づいて入力された前記1またはそれ以上のパラメータの値、および前記2以上の生態系サービスを提供する第1の地域を含む土地の地名を受け付け、
    前記2以上の生態系サービスの経済価値の評価方法に用いられるパラメータのうち、値が入力されていないパラメータがある場合、生態系サービスの経済価値の評価方法に用いられるパラメータそれぞれの、複数の第2の地域それぞれにおける標準値、および前記複数の第2の地域それぞれの地名を記憶する記憶部から、前記第1の地域を含む土地と同じ地名の第2の地域における、該値が入力されていないパラメータの標準値を取得し、
    前記2以上の生態系サービスの経済価値を、生態系サービス毎の前記評価方法および入力された前記1またはそれ以上のパラメータの値と、該値が入力されていないパラメータについて前記記憶部から取得した標準値とに基づいて算出する、
    処理を実行させるプログラム。
  5. 異なる種類の複数の生態系サービスのリストであって、生態系サービス毎に当該生態系サービスに対して選択された経済価値の評価方法で用いられる1またはそれ以上のパラメータを示す情報を含む評価リストを記憶する記憶部と、
    前記評価リストを出力し、前記評価リストに記載された前記複数の生態系サービスのうち2以上の生態系サービスについて、前記評価リストに基づいて入力された前記1またはそれ以上のパラメータの値、および前記2以上の生態系サービスを提供する第1の地域を含む土地の地名を受け付け、前記2以上の生態系サービスの経済価値の評価方法に用いられるパラメータのうち、値が入力されていないパラメータがある場合、生態系サービスの経済価値の評価方法に用いられるパラメータそれぞれの、複数の第2の地域それぞれにおける標準値、および前記複数の第2の地域それぞれの地名を記憶する記憶部から、前記第1の地域を含む土地と同じ地名の第2の地域における、該値が入力されていないパラメータの標準値を取得し、前記2以上の生態系サービスの経済価値を、生態系サービス毎の前記評価方法および入力された前記1またはそれ以上のパラメータの値と、該値が入力されていないパラメータについて前記記憶部から取得した標準値とに基づいて算出する演算部と、
    を有する情報処理装置。
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