JP6127781B2 - センサレスブラシレスモータの駆動装置およびその駆動方法 - Google Patents

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本発明は、ブラシレスモータのロータ回転位置を推定して、推定されたロータ回転位置に基づいてブラシレスモータを駆動させるセンサレスブラシレスモータの駆動装置およびその駆動方法に関する。
センサレスブラシレスモータの駆動装置の一例として、特許文献1に記載の発明が挙げられる。特許文献1に記載の発明では、モータの電機子巻線に誘起される誘起電圧を検出して、検出された誘起電圧に基づいてロータ回転位置を推定している。そして、推定されたロータ回転位置に基づいて、パワートランジスタ群のオン−オフ制御(転流動作)を行っている。
特許第3382740号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、誘起電圧と基準電圧とを大小比較することによりロータ回転位置を推定するので、モータの回転数が低下すると誘起電圧は小さくなり、ロータ回転位置を推定することが困難になる。そのため、モータの回転数が低下すると、モータを駆動させることが困難になる。
電気自動車やハイブリッド自動車に用いられる電動オイルポンプやウォータポンプでは、燃費向上のために電動ポンプの低回転数駆動の要請がある。具体的には、電動ポンプの回転数を低下させてポンプ吐出量を低下させ、消費電力の低減およびオーバークール(過冷却)の防止を図る必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、センサレスブラシレスモータの駆動回転数を低減可能なセンサレスブラシレスモータの駆動装置およびその駆動方法を提供することを課題とする。
請求項1に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置は、ブラシレスモータのロータ回転位置を推定して、推定されたロータ回転位置に基づいて前記ブラシレスモータを駆動させるセンサレスブラシレスモータの駆動装置であって、非通電相の電機子巻線に発生する誘起電圧が0になる前記ロータ回転位置をゼロクロスポイントとするとき、3相の各相の前記ゼロクロスポイントを順次検出するゼロクロスポイント検出部と、前記ゼロクロスポイント検出部が前記ゼロクロスポイントを検出する直前の第1所定期間に通電相の電機子巻線に印加する電圧の電圧指令値を、前記ゼロクロスポイント検出部が前記ゼロクロスポイントを検出可能な電圧まで大きくした第1印加電圧に設定する電圧設定部と、を有する制御装置と、前記第1所定期間に前記通電相の電機子巻線に前記第1印加電圧を印加して、前記第1所定期間における前記ブラシレスモータの瞬時回転数を増加させる電力変換装置と、を備える。
請求項1に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置によれば、ゼロクロスポイント検出部がゼロクロスポイントを検出する直前の第1所定期間に通電相の電機子巻線に印加する印加電圧(第1印加電圧)を、ゼロクロスポイント検出部がゼロクロスポイントを検出可能な電圧まで大きくするので、電気角の1周期において通電相の電機子巻線に印加する印加電圧が一定の場合と比べて、ゼロクロスポイント検出部は、低回転数までゼロクロスポイントを検出することができる。よって、センサレスブラシレスモータの駆動装置は、ブラシレスモータの駆動回転数を低減させることができる。
請求項2に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置は、請求項1に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置において、前記電圧設定部は、前記ゼロクロスポイント検出部が前記ゼロクロスポイントを検出した後の第2所定期間に前記通電相の電機子巻線に印加する電圧の電圧指令値を、前記第1印加電圧と比べて小さい第2印加電圧に設定し、前記電力変換装置は、前記第2所定期間に前記通電相の電機子巻線に前記第2印加電圧を印加して、前記ブラシレスモータの平均回転数を低下させる。
請求項2に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置によれば、ゼロクロスポイント検出部がゼロクロスポイントを検出した後の第2所定期間に通電相の電機子巻線に印加する印加電圧(第2印加電圧)を、第1印加電圧と比べて小さくするので、ゼロクロスポイント検出部がゼロクロスポイントを検出した後に、ブラシレスモータの回転数を低下させて、ブラシレスモータの平均回転数を低下させることができる。そのため、例えば、電動オイルポンプやウォータポンプなどの電動ポンプの駆動装置として本駆動装置を用いると、電動ポンプの回転数を低減させてポンプ吐出量を低下させることができ、消費電力の低減およびオーバークール(過冷却)の防止を図ることができる。
請求項3に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置は、請求項2に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置において、前記制御装置は、前記ゼロクロスポイントの検出をトリガにして前記第2所定期間の計時を開始して、次に前記ゼロクロスポイント検出部が前記ゼロクロスポイントを検出する前に前記第2所定期間の計時を完了する計時部を備え、前記計時部が前記第2所定期間の計時を完了したときに前記第1所定期間を開始して、次に前記ゼロクロスポイント検出部が前記ゼロクロスポイントを検出したときに前記第1所定期間を終了する。
請求項3に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置によれば、制御装置は、第2所定期間を計時する計時部を備える。そして、第2所定期間の計時の完了に連動して第1所定期間が開始して次にゼロクロスポイントを検出したときに第1所定期間が終了する。よって、容易に第1所定期間および第2所定期間の計時を行うことができ、第1印加電圧および第2印加電圧の印加時間を適切に設定することができる。
請求項4に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置において、前記制御装置は、前記通電相の電機子巻線に印加する電圧の位相遅れ分を補償する進み角を設定する位相補償部を備え、前記電力変換装置は、前記位相補償部によって設定された前記進み角分、位相を進ませた電圧を前記通電相の電機子巻線に印加する。
請求項4に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置によれば、電力変換装置は、通電相の電機子巻線に印加する電圧の位相遅れ分を補償した電圧を通電相の電機子巻線に印加するので、位相遅れ分を考慮しない場合と比べて、ゼロクロスポイント検出部によるゼロクロスポイントの検出精度を向上させることができる。
請求項5に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動方法は、ブラシレスモータのロータ回転位置を推定して、推定されたロータ回転位置に基づいて前記ブラシレスモータを駆動させるセンサレスブラシレスモータの駆動方法であって、非通電相の電機子巻線に発生する誘起電圧が0になる前記ロータ回転位置をゼロクロスポイントとするとき、3相の各相の前記ゼロクロスポイントを順次検出するゼロクロスポイント検出工程と、前記ゼロクロスポイント検出工程で前記ゼロクロスポイントを検出する直前の第1所定期間に通電相の電機子巻線に印加する電圧の電圧指令値を、前記ゼロクロスポイント検出工程で前記ゼロクロスポイントを検出可能な電圧まで大きくした第1印加電圧に設定する電圧設定工程と、前記第1所定期間に前記通電相の電機子巻線に前記第1印加電圧を印加して、前記第1所定期間における前記ブラシレスモータの瞬時回転数を増加させる電圧出力工程と、を備える。
請求項5に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動方法によれば、ゼロクロスポイント検出工程でゼロクロスポイントを検出する直前の第1所定期間に通電相の電機子巻線に印加する印加電圧(第1印加電圧)を、ゼロクロスポイント検出工程でゼロクロスポイントを検出可能な電圧まで大きくするので、電気角の1周期において通電相の電機子巻線に印加する印加電圧が一定の場合と比べて、ゼロクロスポイント検出工程において低回転数までゼロクロスポイントを検出することができる。よって、ブラシレスモータの駆動回転数を低減させることができる。
センサレスブラシレスモータの駆動装置1の一例を示す構成図である。 電動ポンプ5の一例を示す断面図である。 ブラシレスモータ2の電機子巻線の通電状態および非通電状態を制御する方法を説明する説明図である。 各相の端子電圧VU,VV,VW、ゼロクロスポイント検出信号Qs、第1タイマTm1〜第3タイマTm3の計時値の一例を示すタイミングチャートである。 制御装置7の制御ブロックの一例を示すブロック図である。 PWM信号のデューティ比の経時変化の一例を示す図である。 センサレスブラシレスモータの駆動方法の手順の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図は概念図であり、細部構造の寸法まで規定するものではない。
<センサレスブラシレスモータの駆動装置1>
図1は、センサレスブラシレスモータの駆動装置1の一例を示す構成図である。同図に示すように、本実施形態のセンサレスブラシレスモータの駆動装置1は、ブラシレスモータ2と直流電源3との間に設けられる電力変換装置4と、電力変換装置4のスイッチング素子41UU〜41WLを開閉制御する制御装置7とを備えている。
ブラシレスモータ2は、公知のブラシレスモータであり、電機子巻線22、23、24がY結線されたステータ21と、ロータ27とを備えている。電機子巻線22、23、24は、この順にU相巻線、V相巻線、W相巻線を構成している。U相の電機子巻線22の一端側は、U相端子25Uに接続され、U相の電機子巻線22の他端側は、中性点26Nに接続されている。V相およびW相についても同様である。
電機子巻線22、23、24は、集中巻、分布巻などの公知の方法で巻装することができる。また、ブラシレスモータ2は、例えば、ロータ27に永久磁石を有する永久磁石方式を用いることができる。なお、極数やロータ27の磁極数に特段の制約はない。また、電機子巻線22、23、24は、Δ結線にすることもできる。
直流電源3は、直流電力を供給する電源装置であり、例えば、公知の鉛蓄電池(バッテリ)、リチウムイオン電池、電気二重層コンデンサなどを用いることができる。なお、直流電源3には、平滑コンデンサ(図略)が並列接続されており、リプル電圧が低減されている。
電力変換装置4は、ブラシレスモータ2と直流電源3との間に設けられ、直流電源3から給電された直流電力を交流電力に変換してブラシレスモータ2に給電する。具体的には、電力変換装置4は3相ブリッジ回路であり、6つのスイッチング素子41UU、41UL、41VU、41VL、41WU、41WLがブリッジ接続されている。
スイッチング素子41UU〜41WLは、例えば、公知の電界効果トランジスタ(FET)や絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)を用いることができる。同図に示すように、スイッチング素子41UU〜41WLには、還流ダイオードが設けられている。本実施形態では、還流ダイオードは、スイッチング素子41UU〜41WLのボディダイオード(寄生ダイオード)を用いている。なお、ボディダイオードの代わりに、還流ダイオードを別途設けて、スイッチング素子41UU〜41WLにそれぞれ並列接続することもできる。
同図に示すように、直流電源3の正側端子3Uと負側端子3Lの間に、U相正側スイッチング素子41UUとU相負側スイッチング素子41ULとが直列接続されている。両スイッチング素子41UU、41ULの間にはU相出力端子42Uが設けられている。同様に、V相正側スイッチング素子41VUとV相負側スイッチング素子41VLとの間にはV相出力端子42Vが設けられ、W相正側スイッチング素子41WUとW相負側スイッチング素子41WLとの間にはW相出力端子42Wが設けられている。このように、スイッチング素子41UU〜41WLの符号の第1添字U、V、Wは相を示し、第2添字のUは正側を、Lは負側を示している。
U相の出力端子42Uは、電源ケーブル43UによりU相の電機子巻線22の相端子25Uに接続されている。同様に、V相の出力端子42Vは、電源ケーブル43VによりV相の電機子巻線23の相端子25Vに接続されている。W相の出力端子42Wは、電源ケーブル43WによりW相の電機子巻線24の相端子25Wに接続されている。
スイッチング素子41UU〜41WLは、制御装置7から送信される通電制御信号DUU〜DWLにより、それぞれ独立して導通状態または遮断状態に切り替え制御される。同図では、スイッチング素子41UUの制御信号をDUUで示し、スイッチング素子41ULの制御信号をDULで示している。V相およびW相についても同様である。スイッチング素子41UU〜41WLの導通状態または遮断状態により、ステータ21の各相端子25U、25V、25Wは3つの状態をとる。3つの状態は各相で同様であるので、U相端子25Uを例に説明する。
U相端子25Uは、U相正側スイッチング素子41UUが導通状態でU相負側スイッチング素子41ULが遮断状態のとき電源電圧VBATに拘束され、U相正側スイッチング素子41UUが遮断状態でU相負側スイッチング素子41ULが導通状態のとき0電圧に拘束され、U相正側スイッチング素子41UUおよびU相負側スイッチング素子41ULがともに遮断状態のときハイインピーダンス状態になる。
ハイインピーダンス状態のU相端子25Uには、誘起電圧VUiが誘起される。U相誘起電圧VUiは、U相端子25Uに接続されたU相の電機子巻線22に、ロータ磁極からの磁束が鎖交することで発生する。したがって、U相誘起電圧VUiは、U相の電機子巻線22とロータ27との相対的な位置関係に基づいて変化し、ロータ回転位置を検出する指標となる。なお、U相正側スイッチング素子41UUおよびU相負側スイッチング素子41ULがともに導通状態になる制御は、デッドタイムを設けることにより禁止されており、直流電源3の短絡故障が防止されている。
本実施形態では、ブラシレスモータ2は、電動ポンプ5に搭載されている。電動ポンプ5は、例えば、車両のエンジン6の冷却水を送出するウォータポンプとすることができる。図2は、電動ポンプ5の一例を示す断面図である。同図に示すように、電動ポンプ5は、遠心ポンプであるポンプ部50と、ポンプ部50を駆動するブラシレスモータ2と、ブラシレスモータ2を駆動制御する電力変換装置4と、電力変換装置4に直流電力を供給する直流電源3と、電力変換装置4の切り替え動作を制御する制御装置7とを備えている。
ブラシレスモータ2は、電動ポンプ5のハウジング51内に収容されており、ロータ27はハウジング51内に固定的に設けられたポンプシャフト52に回転可能に支持されている。ポンプ部50は、インペラ53とインペラ53を覆うポンプカバー54とを有している。インペラ53はロータ27と一体に回転可能にポンプシャフト52に支持されている。
インペラ53はポンプシャフト52が通る中心穴を有するボス部55と、ボス部55に固定された円板形状の後面シュラウド56から前方に向けて立設された羽根部57を有している。なお、後面シュラウド56は、ボス部55と一体に形成することもできる。また、ポンプカバー54は、インペラ53の中心部分に対向する位置に設けられた吸入管58を構成している。
ハウジング51の外壁には放熱フィン59が設けられ、ハウジング51内の放熱フィン59近傍には基板70が設けられている。基板70には、電力変換装置4および制御装置7が実装されており、直流電源3は、直流電力を供給可能に電力変換装置4に接続されている。なお、同図では、制御装置7の一部である演算装置7Mが図示されている。
電動ポンプ5は、リザーバタンク(図略)に貯留された冷却水を、冷却菅(図略)を介してエンジン6に向けて圧送する。冷却水は、エンジン6および排熱交換器(図略)において、エンジン6からの排熱を吸熱し、吸熱した冷却水は、ラジエータ(図略)を介して放熱される。また、制御装置7の上位の制御装置(図略)によって、エンジン6の回転数の増減に応じて、冷却に必要な電動ポンプ5の出力が算出され、ブラシレスモータ2に要求される出力(電力、モータ回転数など)に応じて、制御装置7に入力されるPWM信号の基準デューティ比が増減される。
具体的には、エンジン6の回転数の上昇に伴って、制御装置7に入力されるPWM信号の基準デューティ比は増加し、エンジン6の回転数が減少すると、制御装置7に入力されるPWM信号の基準デューティ比は減少する。ブラシレスモータ2の出力とPWM信号の基準デューティ比との関係は、例えば、ブラシレスモータ2の回転数、モータ電流および電源電圧VBATなどに基づいて予め導出することができる。そして、ブラシレスモータ2の出力とPWM信号の基準デューティ比との関係は、マップ、テーブル、関係式などによって上位の制御装置内のメモリに記憶されている。
制御装置7は、CPUおよびメモリを有する演算装置7Mを備えており、メモリに記憶されている駆動プログラムを実行することによって、ブラシレスモータ2を駆動させることができる。具体的には、制御装置7は、スイッチング素子41UU〜41WLの各制御電極に制御電圧を印加してスイッチング素子41UU〜41WLの導通状態および遮断状態を制御する。
図3は、ブラシレスモータ2の電機子巻線の通電状態および非通電状態を制御する方法を説明する説明図である。同図に示すように、制御装置7は、6つの期間T1〜期間T6に分けて、各相端子25U、25V、25Wの状態制御を行う。同図は、該当する期間における各相端子25U、25V、25Wの状態を示しており、「Hi−Z」はハイインピーダンス状態を示し、「L」は0電圧に拘束された状態を示し、「PWM」はPWM制御状態を示している。
例えば、期間T1において、U相端子25Uの欄は「Hi−Z」であり、電力変換装置4のU相正側スイッチング素子41UUおよびU相負側スイッチング素子41ULの両方が遮断状態にされており、U相端子25Uがハイインピーダンス状態であることを示している。また、V相端子25Vの欄は「L」であり、電力変換装置4のV相正側スイッチング素子41VUが遮断状態とされV相負側スイッチング素子41VLが導通状態にされて、V相端子25Vが0電圧に拘束されていることを示している。
期間T1において、W相端子の欄は「PWM」であり、電力変換装置4のW相負側スイッチング素子41WLが遮断状態にされ、W相正側スイッチング素子41WUが指令されたPWM周波数およびデューティ比で導通状態または遮断状態に切り替え制御されることを示している。これにより、W相端子25Wには、電源電圧VBATと0電圧とが周期的に繰り返す矩形状の電圧が発生する。したがって、W相端子25WとV相端子25Vの間に接続されたV相の電機子巻線23およびW相の電機子巻線24がPWM制御により通電される。期間T1はU相の非通電時間帯であり、U相誘起電圧VUiの検知が可能になっている。
次に、期間T2において、U相端子25Uの欄は「PWM」であり、U相端子25Uには指令されたPWM周波数およびデューティ比で、電源電圧VBATと0電圧とが周期的に繰り返す矩形状の電圧が発生する。また、V相端子25Vの欄は「L」であり、V相端子25Vの0電圧への拘束が継続することを示している。また、W相端子の欄は「Hi−Z」であり、W相端子25Wがハイインピーダンス状態であることを示している。これにより、U相端子25UとV相端子25Vの間に接続されたU相の電機子巻線22およびV相の電機子巻線23がPWM制御により通電される。期間T2はW相の非通電時間帯であり、W相誘起電圧VWiの検知が可能になっている。
以下同様にして、期間T3〜T6でそれぞれ、順に各相端子25U、25V、25Wの状態、通電される電機子巻線および誘起電圧の検知が可能な相端子が変更される。なお、期間T1〜T6の制御状態は繰り返される。また、期間T1〜T6はそれぞれ電気角の60°に相当し、期間T1から始まり期間T6を経て再び期間T1の状態になるまでの期間は電気角の1周期に相当する。
図4は、各相の端子電圧VU,VV,VW、ゼロクロスポイント検出信号Qs、第1タイマTm1〜第3タイマTm3の計時値の一例を示すタイミングチャートである。実線L11はU相端子電圧VUを示し、破線L12はU相トルク定数を示している。実線L13はV相端子電圧VVを示し、破線L14はV相トルク定数を示している。また、実線L15はW相端子電圧VWを示し、破線L16はW相トルク定数を示している。なお、同図の横軸は共通の電気角を示しており、期間T1〜T6は図3に示す期間T1〜T6に対応している。
図3に示すようにブラシレスモータ2の通電時間帯および非通電時間帯を制御すると、各相端子25U、25V、25Wには、図4の実線L11、L13、L15に示す電圧波形が発生する。U相端子電圧VUにおいて、期間T2および期間T3は、PWM制御による通電時間帯を示し、期間T5および期間T6は、0電圧に拘束された通電時間帯を示している。また、U相端子電圧VUにおいて、期間T1に発生している増加する電圧波形および期間T4に発生している減少する電圧波形は、非通電時間帯の誘起電圧VUiを示している。
V相端子電圧VVおよびW相端子電圧VWについても、期間T1〜T6が異なる点を除いて同様である。また、各相端子電圧VU、VV、VWには、各スイッチング素子41UU〜41WLの開閉によるサージ電圧Zが発生しており、各期間T1〜T6の境界に重畳されている。同図においてサージ電圧Zは所定の時間幅をもって記載しているが、実際には瞬間的な波形である。
図5は、制御装置7の制御ブロックの一例を示すブロック図である。同図に示すように、制御装置7は、制御ブロックとして捉えると、ゼロクロスポイント検出部71、計時部72、ロータ回転位置推定部73、位相補償部74および電圧設定部75を備えている。以下、各制御ブロックについて詳細に説明する。
(ゼロクロスポイント検出部71)
図1に示すように、ゼロクロスポイント検出部71は、3相の合成抵抗71U、71V、71Wおよび比較器711を有しており、3相の各相のゼロクロスポイントを順次検出する。3相の合成抵抗71U、71V、71Wはそれぞれ抵抗値が等しく、各相の電源ケーブル43U、43V、43Wと、合成点712との間に接続されている。つまり、3相の合成抵抗71U、71V、71WはY結線され、合成点712はY結線の中性点になっている。合成点712には、各相の誘起電圧VUi、VVi、VWiを合成した合成電圧が発生する。
合成電圧は、各相の誘起電圧VUi、VVi、VWiが増加および減少する波形に、サージ電圧Zが重畳した波形となる。図4に示す波形例では、合成電圧は、期間T1のU相誘起電圧VUiの増加、期間T2のW相誘起電圧VWiの減少、期間T3のV相誘起電圧VViの増加、期間T4のU相誘起電圧VUiの減少、期間T5のW相誘起電圧VWiの増加および期間T6のV相誘起電圧VViの減少が連なり、各期間T1〜T6の境界にサージ電圧Zが重畳した波形となる。
図1に示すように、合成点712は、比較器711の正側入力端子(+)に接続されており、比較器711の正側入力端子(+)に合成電圧が入力される。比較器711の負側入力端子(−)には、直流電源3の電源電圧VBATを抵抗値の等しい2つの抵抗器71R、71Rで分圧した中間レベル値(=VBAT/2)が基準電圧として入力されている。比較器711は、正側入力端子(+)に入力された合成電圧を負側入力端子(−)の中間レベル値と大小比較して、出力端子713にゼロクロスポイント検出信号Qsを出力する。つまり、合成電圧が中間レベル値よりも小さい場合には、ゼロクロスポイント検出信号Qsは、ローレベル(Lo)となり、合成電圧が中間レベル値以上の場合には、ゼロクロスポイント検出信号Qsは、ハイレベル(Hi)になる。
ゼロクロスポイント検出部71は、ゼロクロスポイント検出信号Qsがローレベル(Lo)からハイレベル(Hi)に変化するタイミングでゼロクロスポイントを検出し、ゼロクロスポイント検出信号Qsがハイレベル(Hi)からローレベル(Lo)に変化するタイミングで次のゼロクロスポイントを検出することができる。ここで、ゼロクロスポイントとは、非通電相の電機子巻線に発生する誘起電圧が0になるロータ回転位置をいう。
図4に示す波形例では、誘起電圧VUi〜VWiの波形が中間レベル値と交差する点P1〜P6で、ゼロクロスポイント検出部71は、ゼロクロスポイントを検出する。このとき、各相端子電圧VU、VV、VWは、中間レベル値(=VBAT/2)と一致しており、非通電相の電機子巻線に発生する誘起電圧は0になっている。なお、点P1〜P6は、順に、電気角の30°、90°、150°210°、270°および330°であり、同図に示す実線L17は、ゼロクロスポイント検出信号Qsを示している。
(計時部72)
計時部72は、第1タイマTm1、第2タイマTm2および第3タイマTm3を有しており、ゼロクロスポイント検出信号Qsの検出間隔を計時するとともに、ゼロクロスポイント間における種々の計時を行う。図4において、実線L18は第1タイマTm1の計時値を示し、実線L19は第2タイマTm2の計時値を示し、実線L20は第3タイマTm3の計時値を示している。
第1タイマTm1は、ゼロクロスポイント検出信号Qsの検出間隔を計時する。具体的には、第1タイマTm1は、ゼロクロスポイント検出信号Qsがローレベル(Lo)からハイレベル(Hi)に変化するタイミングで計時を開始して、ゼロクロスポイント検出信号Qsがハイレベル(Hi)からローレベル(Lo)に変化するタイミングで計時を完了する。第1タイマTm1は、ゼロクロスポイント検出信号Qsが反転する毎に当該計時を繰り返す。なお、ゼロクロスポイント検出信号Qsは、電気角で60°毎に反転するので、第1タイマTm1の計時値は、ロータ27が電気角で60°回転するのに要する所要時間を示している。
第2タイマTm2は、ロータ27がゼロクロスポイントから電気角で30°回転するのに要する所要時間を計時する。具体的には、第2タイマTm2は、ゼロクロスポイント検出部71がゼロクロスポイントを検出したときの第1タイマTm1の計時値を半減した時間を計時する。例えば、ゼロクロスポイント検出部71がゼロクロスポイントを検出したときの第1タイマTm1の計時値が1000であったとする。このとき、第2タイマTm2は、第1タイマTm1の計時値1000を半減した計時値500に相当する時間を計時する。
第2タイマTm2の計時が完了すると、制御装置7は、ブラシレスモータ2の電機子巻線の通電状態および非通電状態を切り替える転流動作を行う。図3に基づいて既述したように、例えば、期間T1から期間T2に移行するときは、U相端子25Uの状態を「Hi−Z」から「PWM」の状態にし、W相端子25Wの状態を「PWM」から「Hi−Z」の状態にする。V相端子25Vは「L」の状態を継続する。他の期間についても同様である。このように、第2タイマTm2の計時値は、ゼロクロスポイントからの転流時間を示している。
第3タイマTm3は、ロータ27がゼロクロスポイントから電気角で45°回転するのに要する所要時間を計時する。具体的には、第3タイマTm3は、ゼロクロスポイント検出部71がゼロクロスポイントを検出したときの第1タイマTm1の計時値を3/4倍した時間を計時する。例えば、上述の例では、第3タイマTm3は、第1タイマTm1の計時値1000を3/4倍した計時値750に相当する時間を計時する。
ここで、第3タイマTm3の計時が完了したときから、次にゼロクロスポイント検出部71がゼロクロスポイントを検出するまでの期間を期間TQ1(本発明の第1所定期間に相当)とする。また、第3タイマTm3が計時を開始してから計時が完了するまでの期間を期間TQ2(本発明の第2所定期間に相当)とする。なお、第3タイマTm3の計時は、上記期間(電気角で45°)に限定されるものではない。第3タイマTm3(本発明の計時部に相当)は、ゼロクロスポイントの検出をトリガにして期間TQ2の計時を開始して、次にゼロクロスポイント検出部71がゼロクロスポイントを検出する前に期間TQ2の計時を完了する。
また、同図では、第1タイマTm1の計時値に基づいて、第2タイマTm2および第3タイマTm3の計時値が設定される点を、矢印を用いて模式的に示している。さらに、第2タイマTm2による計時の完了によって転流動作を行う点を、矢印を用いて模式的に示している。
(ロータ回転位置推定部73)
ロータ回転位置推定部73は、ゼロクロスポイント検出信号Qsに基づいて、ブラシレスモータ2のロータ回転位置θ1を推定する。具体的には、ロータ回転位置推定部73は、第1タイマTm1の計時値(ゼロクロスポイントの検出間隔)からブラシレスモータ2の回転数(回転速度)を推定する。そして、ロータ回転位置推定部73は、推定されたブラシレスモータ2の回転数を積分して、ロータ27の回転位置θ1を推定する。
(位相補償部74)
位相補償部74は、進み角θ2を設定する。進み角θ2は、通電相の電機子巻線に印加する電圧の位相遅れ分を補償する。ブラシレスモータ2の駆動電圧をモータ駆動電圧Vdrvとし、通電相の電機子巻線に流れる電流をモータ電流Imとし、ブラシレスモータ2の出力トルクをモータトルクTmとする。以下、ブラシレスモータ2のモータ回転数n、トルク定数Kt、逆起電力係数Kv、モータ慣性モーメントIiおよびモータ負荷係数Kpを用いて、通電相の電機子巻線に印加する電圧の位相遅れについて説明する。なお、モータ負荷係数Kpは、モータ回転数nに比例するものとして説明するが、モータ負荷係数Kpは、負荷特性に合わせて適宜設定することができる。例えば、モータ負荷係数Kpは、モータ回転数nの一次関数や二次関数などで表すこともできる。
モータ電流Imは下記数1で示され、モータ電流ImおよびモータトルクTmの関係は、下記数2で示される。また、回転体の運動方程式は下記数3で示される。
Figure 0006127781
Figure 0006127781
Figure 0006127781
数1および数2を数3に代入すると、数3は、下記数4で表すことができる。また、下記数4をラプラス変換すると、数4は、下記数5で表すことができる。但し、ラプラス演算子をsで示し、ラプラス変換されたモータ駆動電圧Vdrvをモータ駆動電圧VDRV(s)とし、ラプラス変換されたモータ回転数nをモータ回転数N(s)とする。また、モータ回転数nの初期値をN(0)とする。
Figure 0006127781
Figure 0006127781
数5で、モータ回転数nの初期値N(0)を0とすると、数5は、下記数6で表すことができる。また、モータ駆動電圧VDRV(s)を入力とし、モータ回転数N(s)を出力とする伝達関数G(s)は、数6から下記数7で表すことができる。さらに、時定数Tsは、数7から下記数8で表すことができる。
Figure 0006127781
Figure 0006127781
Figure 0006127781
数7に示すように、モータ駆動電圧Vdrvを入力とし、モータ回転数nを出力とする制御系は、一次遅れの制御系である。そのため、モータ駆動電圧Vdrvの位相遅れによって、通電相の電機子巻線に印加する電圧の位相が遅れる。そこで、本実施形態では、位相補償部74は、通電相の電機子巻線に印加する電圧の位相遅れ分を補償する進み角θ2を設定する。
具体的には、位相補償部74は、数8に示す時定数Tsに基づいて位相遅れを算出して、位相遅れ分を進み角θ2とする。そして、位相補償部74は、ロータ回転位置推定部73によって推定されたロータ回転位置θ1に対して、進み角θ2分、位相を進ませる。制御装置7は、位相を進ませたロータ回転位置(θ1−θ2)に基づいて、スイッチング素子41UU〜41WLの各制御電極に制御電圧を印加して、スイッチング素子41UU〜41WLの導通状態および遮断状態を制御する。なお、二次遅れの制御系や無駄時間を含む制御系の場合も同様にして、位相補償部74は、進み角θ2を設定することができる。
(電圧設定部75)
電圧設定部75は、通電相の電機子巻線に印加する電圧の電圧指令値を設定する。電圧設定部75は、矩形波状のパルス幅変調信号(PWM信号)によって、通電相の電機子巻線に印加する電圧の電圧指令値を設定することができる。
図6は、PWM信号のデューティ比の経時変化の一例を示す図である。横軸は、電気角を示しており、図4に示す横軸(電気角)に対応している。実線L31はU相の電機子巻線22の通電期間を示している。ハッチングされた領域R31は、U相のPWM信号のデューティ比の増減を模式的に示している。縦軸(正方向)はU相正側スイッチング素子41UUのPWM信号のデューティ比を示しており、縦軸(負方向)はU相負側スイッチング素子41ULのPWM信号のデューティ比を示している。
実線L32はV相の電機子巻線23の通電期間を示している。ハッチングされた領域R32は、V相のPWM信号のデューティ比の増減を模式的に示している。実線L33はW相の電機子巻線24の通電期間を示している。ハッチングされた領域R33は、W相のPWM信号のデューティ比の増減を模式的に示している。V相およびW相における縦軸の正方向および負方向は、U相の場合と同様に、各スイッチング素子41VU〜41WLのPWM信号のデューティ比を示している。
電圧設定部75は、ゼロクロスポイント検出部71がゼロクロスポイントを検出する直前の期間TQ1(本発明の第1所定期間に相当)に通電相の電機子巻線に印加する電圧の電圧指令値を、ゼロクロスポイント検出部71がゼロクロスポイントを検出可能な電圧まで大きくした第1印加電圧に設定する。具体的には、第1印加電圧に相当するPWM信号のデューティ比を第1デューティ比DF1とし、PWM信号の基準デューティ比を第2デューティ比DF2とすると、電圧設定部75は、期間TQ1(例えば、電気角で15°〜30°)のPWM信号のデューティ比を第1デューティ比DF1に設定する。
電力変換装置4は、期間TQ1に通電相の電機子巻線に第1印加電圧を印加して、期間TQ1におけるブラシレスモータ2の瞬時回転数を増加させる。ブラシレスモータ2の回転数が増加すると、非通電相の電機子巻線に発生する誘起電圧も増大する。よって、電気角の1周期(期間T1〜T6)において通電相の電機子巻線に印加する印加電圧が一定の場合と比べて、ゼロクロスポイント検出部71は、低回転数までゼロクロスポイントを検出することができる。なお、本明細書において「瞬時回転数」とは、電気角の1周期と比べて短い期間における局所的な回転数をいう。
また、ゼロクロスポイントを検出可能な電圧は、例えば、ブラシレスモータ2の回転数、モータ電流および電源電圧VBATなどに基づいて予め導出することができる。第1デューティ比DF1は、導出された電圧に基づいて予め設定されており、マップ、テーブル、関係式などによって制御装置7のメモリに記憶されている。
本実施形態では、ゼロクロスポイント検出部71がゼロクロスポイントを検出する直前の期間TQ1(本発明の第1所定期間に相当)に通電相の電機子巻線に印加する印加電圧(第1印加電圧)を、ゼロクロスポイント検出部71がゼロクロスポイントを検出可能な電圧まで大きくするので、電気角の1周期において通電相の電機子巻線に印加する印加電圧が一定の場合と比べて、ゼロクロスポイント検出部71は、低回転数までゼロクロスポイントを検出することができる。よって、センサレスブラシレスモータの駆動装置1は、ブラシレスモータ2の駆動回転数を低減させることができる。
電圧設定部75は、ゼロクロスポイント検出部71がゼロクロスポイントを検出した後の期間TQ2(本発明の第2所定期間に相当)に通電相の電機子巻線に印加する電圧の電圧指令値を、第1印加電圧と比べて小さい第2印加電圧に設定する。具体的には、電圧設定部75は、期間TQ2(例えば、電気角で30°〜75°)のPWM信号のデューティ比を第2デューティ比DF2に設定する。なお、第2印加電圧に相当するPWM信号のデューティ比は、PWM信号の基準デューティ比と異なるデューティ比に設定することもできる。
電力変換装置4は、期間TQ2に通電相の電機子巻線に第2印加電圧を印加して、ブラシレスモータ2の平均回転数を低下させる。本明細書において「平均回転数」とは、電気角の1周期以上の期間における大局的な回転数をいう。本実施形態では、期間TQ2(電気角で45°)は、期間TQ1(電気角で15°)と比べて長い。このように、期間TQ2を期間TQ1と比べて長く設定することにより、容易にブラシレスモータ2の平均回転数を低下させることができる。
本実施形態では、ゼロクロスポイント検出部71がゼロクロスポイントを検出した後の期間TQ2(本発明の第2所定期間に相当)に通電相の電機子巻線に印加する印加電圧(第2印加電圧)を、第1印加電圧と比べて小さくするので、ゼロクロスポイント検出部71がゼロクロスポイントを検出した後に、ブラシレスモータ2の回転数を低下させて、ブラシレスモータ2の平均回転数を低下させることができる。そのため、例えば、電動オイルポンプやウォータポンプなどの電動ポンプ5の駆動装置として本駆動装置を用いると、電動ポンプ5の回転数を低減させてポンプ吐出量を低下させることができ、消費電力の低減およびオーバークール(過冷却)の防止を図ることができる。
電圧設定部75は、PWM信号のデューティ比を第1デューティ比DF1または第2デューティ比DF2に交互に設定する。PWM信号のデューティ比は、三角波状のキャリア波形と正弦波波形とを大小比較して生成される。電圧設定部75は、正弦波波形の電圧振幅を増減させることにより、スイッチング素子41UU〜41WLの導通状態の時間を増減させることができ、PWM信号のデューティ比を第1デューティ比DF1または第2デューティ比DF2に切り替えることができる。なお、キャリア波形の周波数(キャリア周波数)を可変に制御することもできる。
また、本実施形態では、制御装置7は、期間TQ2(本発明の第2所定期間に相当)を計時する第3タイマTm3(本発明の計時部に相当)を備えている。そして、期間TQ2の計時の完了に連動して期間TQ1(本発明の第1所定期間に相当)が開始して次にゼロクロスポイントを検出したときに期間TQ1が終了する。よって、容易に期間TQ1および期間TQ2の計時を行うことができ、第1印加電圧および第2印加電圧の印加時間を適切に設定することができる。
さらに、本実施形態では、制御装置7は、通電相の電機子巻線に印加する電圧の位相遅れ分を補償する進み角θ2を設定する位相補償部74を備えている。そして、電力変換装置4は、位相補償部74によって設定された進み角分、位相を進ませた電圧を通電相の電機子巻線に印加する。よって、位相遅れ分を考慮しない場合と比べて、ゼロクロスポイント検出部71によるゼロクロスポイントの検出精度を向上させることができる。
<センサレスブラシレスモータの駆動方法>
本発明は、センサレスブラシレスモータの駆動方法として捉えることもでき、センサレスブラシレスモータの駆動方法を、演算装置7Mを機能させて実行するセンサレスブラシレスモータの駆動プログラムとして捉えることもできる。これらの場合、センサレスブラシレスモータの駆動装置1で既述した「○○部」を「○○工程」に読み替えれば良い。つまり、ゼロクロスポイント検出部71はゼロクロスポイント検出工程に、計時部72は計時工程に、ロータ回転位置推定部73はロータ回転位置推定工程に、位相補償部74は位相補償工程に、電圧設定部75は電圧設定工程に読み替えることができる。また、電力変換装置4における機能は、電圧出力工程に読み替えることができる。各工程についての説明は、既述の説明と同様であるので、重複した説明を省略する。
図7は、センサレスブラシレスモータの駆動方法の手順の一例を示すフローチャートである。まず、ゼロクロスポイント検出信号Qsが反転したか否かを判断する(ステップS101)。ゼロクロスポイント検出信号Qsがローレベル(Lo)からハイレベル(Hi)に変化したとき、または、ゼロクロスポイント検出信号Qsがハイレベル(Hi)からローレベル(Lo)に変化したときに、ゼロクロスポイント検出信号Qsが反転したと判断する。ゼロクロスポイント検出信号Qsが反転した場合(Yesの場合)は、ステップS102に進み、ゼロクロスポイント検出信号Qsが反転していない場合(Noの場合)は、ステップS105に進む。
ステップS102では、第3タイマTm3による計時が完了しているか否かを判断する。第3タイマTm3による計時が完了している場合(Yesの場合)は、ステップS103に進み、第3タイマTm3による計時が完了していない場合(Noの場合)は、ステップS105に進む。つまり、ゼロクロスポイント検出信号Qsが反転しても第3タイマTm3による計時が完了していない場合は、ステップS105に進む。これにより、例えば、図4に示すサージ電圧Zによってゼロクロスポイント検出信号Qsが反転した場合に、誤ってステップS103、S104による処理が実行されることを防止できる。
ステップS103では、第2タイマTm2および第3タイマTm3の計時値を設定して、第2タイマTm2および第3タイマTm3による計時を開始する。第2タイマTm2および第3タイマTm3の計時値は、ステップS101でゼロクロスポイント検出信号Qsが反転したときの第1タイマTm1の計時値に基づいて設定する。そして、ステップS104に進む。
ステップS104では、PWM信号のデューティ比を第2デューティ比DF2に設定して、ステップS105に進む。ステップS105では、ロータ27のロータ回転位置θ1を推定して、進み角θ2を設定する。そして、ステップS106に進む。なお、ロータ回転位置θ1の推定および進み角θ2の設定は、ステップS102で条件を充足する場合(Yesの場合)のみに行うこともできる。この場合、ステップS101、S102で条件を充足しない場合(Noの場合)には、制御周期に相当する分、ロータ回転位置(θ1−θ2)を進ませる。制御周期とは、本ルーチンが繰り返される周期をいう。
ステップS106では、第2タイマTm2による計時が完了したか否かを判断する。第2タイマTm2による計時が完了した場合(Yesの場合)は、ステップS107に進み、第2タイマTm2による計時が完了していない場合(Noの場合)は、ステップS108に進む。ステップS107では、通電パターンの切り替えを行い、ステップS108に進む。通電パターンの切り替えは、ブラシレスモータ2の電機子巻線の通電状態および非通電状態を切り替える転流動作をいう。
ステップS108では、モータ回転数が所定回転数以下であるか否かを判断する。モータ回転数が所定回転数以下の場合(Yesの場合)は、ステップS109に進み、モータ回転数が所定回転数より大きい場合(Noの場合)は、ステップS111に進む。なお、ステップS108における判断は、始動してからモータ回転数が一度、所定回転数以上になった後に行う。また、所定回転数は、電気角の1周期に亘ってPWM信号のデューティ比を基準デューティ比(第2デューティ比DF2)に設定してブラシレスモータ2を駆動させた場合に、ゼロクロスポイントを検出可能な駆動回転数にすると良い。
ステップS109では、第3タイマTm3による計時が完了したか否かを判断する。第3タイマTm3による計時が完了した場合(Yesの場合)は、ステップS110に進み、第3タイマTm3による計時が完了していない場合(Noの場合)は、ステップS111に進む。ステップS110では、PWM信号のデューティ比を第1デューティ比DF1に設定して、ステップS111に進む。ステップS111では、設定されたPWM信号のデューティ比に基づいて、通電相の電機子巻線に電圧を印加する。そして、一旦、本ルーチンを終了する。なお、本フローチャートで示す工程は、所定間隔(制御周期)で繰り返し実行される。
ゼロクロスポイント検出工程は、ステップS101で行われ、計時工程は、ステップS102、S103、S106、S109で行われる。ロータ回転位置推定工程および位相補償工程は、ステップS105で行われ、電圧設定工程は、ステップS104、S107、S108、S110で行われる。電圧出力工程は、ステップS111で行われる。なお、各工程は、図7に示す工程以外の工程を備えることもできる。
本実施形態のセンサレスブラシレスモータの駆動方法は、ブラシレスモータ2のロータ回転位置を推定して、推定されたロータ回転位置に基づいてブラシレスモータ2を駆動させるセンサレスブラシレスモータの駆動方法であって、ゼロクロスポイント検出工程、電圧設定工程および電圧出力工程を備えている。ゼロクロスポイント検出工程では、3相の各相のゼロクロスポイントを順次検出する。電圧設定工程では、ゼロクロスポイント検出工程でゼロクロスポイントを検出する直前の期間TQ1(本発明の第1所定期間に相当)に通電相の電機子巻線に印加する電圧の電圧指令値を、ゼロクロスポイント検出工程でゼロクロスポイントを検出可能な電圧まで大きくした第1印加電圧に設定する。電圧出力工程では、期間TQ1に通電相の電機子巻線に第1印加電圧を印加して、期間TQ1におけるブラシレスモータ2の瞬時回転数を増加させる。
本実施形態では、ゼロクロスポイント検出工程でゼロクロスポイントを検出する直前の期間TQ1(本発明の第1所定期間に相当)に通電相の電機子巻線に印加する印加電圧(第1印加電圧)を、ゼロクロスポイント検出工程でゼロクロスポイントを検出可能な電圧まで大きくするので、電気角の1周期において通電相の電機子巻線に印加する印加電圧が一定の場合と比べて、ゼロクロスポイント検出工程において低回転数までゼロクロスポイントを検出することができる。よって、ブラシレスモータ2の駆動回転数を低減させることができる。
<付記項>
上記の記載から次の技術的思想も把握できる。
(付記項1)
前記電圧設定工程は、前記ゼロクロスポイント検出工程で前記ゼロクロスポイントを検出した後の第2所定期間に前記通電相の電機子巻線に印加する電圧の電圧指令値を、前記第1印加電圧と比べて小さい第2印加電圧に設定し、
前記電圧出力工程は、前記第2所定期間に前記通電相の電機子巻線に前記第2印加電圧を印加して、前記ブラシレスモータの平均回転数を低下させる請求項5に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動方法。
(付記項2)
前記ゼロクロスポイントの検出をトリガにして前記第2所定期間の計時を開始して、次に前記ゼロクロスポイント検出工程で前記ゼロクロスポイントを検出する前に前記第2所定期間の計時を完了する計時工程を備え、
前記計時工程で前記第2所定期間の計時を完了したときに前記第1所定期間を開始して、次に前記ゼロクロスポイント検出工程で前記ゼロクロスポイントを検出したときに前記第1所定期間を終了する付記項1に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動方法。
(付記項3)
前記通電相の電機子巻線に印加する電圧の位相遅れ分を補償する進み角を設定する位相補償工程を備え、
前記電圧出力工程は、前記位相補償工程によって設定された前記進み角分、位相を進ませた電圧を前記通電相の電機子巻線に印加する請求項5または付記項1若しくは付記項2に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動方法。
<その他>
本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができる。例えば、PWM信号のデューティ比は、矩形波状に変化させる場合に限定されるものではない。例えば、PWM信号のデューティ比は、三角波状、のこぎり波状、正弦波状に変化させることもできる。また、ロータ回転位置推定部73によって推定されたブラシレスモータ2の回転数(回転速度)をフィードバックさせて、速度制御を行うこともでき、トルク制御を行うこともできる。
1:センサレスブラシレスモータの駆動装置、
2:ブラシレスモータ、
4:電力変換装置、
7:制御装置、
71:ゼロクロスポイント検出部、72:計時部、74:位相補償部、75:電圧設定部、
TQ1:第1所定期間、TQ2:第2所定期間

Claims (5)

  1. ブラシレスモータのロータ回転位置を推定して、推定されたロータ回転位置に基づいて前記ブラシレスモータを駆動させるセンサレスブラシレスモータの駆動装置であって、
    非通電相の電機子巻線に発生する誘起電圧が0になる前記ロータ回転位置をゼロクロスポイントとするとき、
    3相の各相の前記ゼロクロスポイントを順次検出するゼロクロスポイント検出部と、
    前記ゼロクロスポイント検出部が前記ゼロクロスポイントを検出する直前の第1所定期間に通電相の電機子巻線に印加する電圧の電圧指令値を、前記ゼロクロスポイント検出部が前記ゼロクロスポイントを検出可能な電圧まで大きくした第1印加電圧に設定する電圧設定部と、
    を有する制御装置と、
    前記第1所定期間に前記通電相の電機子巻線に前記第1印加電圧を印加して、前記第1所定期間における前記ブラシレスモータの瞬時回転数を増加させる電力変換装置と、
    を備えるセンサレスブラシレスモータの駆動装置。
  2. 前記電圧設定部は、前記ゼロクロスポイント検出部が前記ゼロクロスポイントを検出した後の第2所定期間に前記通電相の電機子巻線に印加する電圧の電圧指令値を、前記第1印加電圧と比べて小さい第2印加電圧に設定し、
    前記電力変換装置は、前記第2所定期間に前記通電相の電機子巻線に前記第2印加電圧を印加して、前記ブラシレスモータの平均回転数を低下させる請求項1に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置。
  3. 前記制御装置は、前記ゼロクロスポイントの検出をトリガにして前記第2所定期間の計時を開始して、次に前記ゼロクロスポイント検出部が前記ゼロクロスポイントを検出する前に前記第2所定期間の計時を完了する計時部を備え、
    前記計時部が前記第2所定期間の計時を完了したときに前記第1所定期間を開始して、次に前記ゼロクロスポイント検出部が前記ゼロクロスポイントを検出したときに前記第1所定期間を終了する請求項2に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置。
  4. 前記制御装置は、前記通電相の電機子巻線に印加する電圧の位相遅れ分を補償する進み角を設定する位相補償部を備え、
    前記電力変換装置は、前記位相補償部によって設定された前記進み角分、位相を進ませた電圧を前記通電相の電機子巻線に印加する請求項1〜3のいずれか一項に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置。
  5. ブラシレスモータのロータ回転位置を推定して、推定されたロータ回転位置に基づいて前記ブラシレスモータを駆動させるセンサレスブラシレスモータの駆動方法であって、
    非通電相の電機子巻線に発生する誘起電圧が0になる前記ロータ回転位置をゼロクロスポイントとするとき、
    3相の各相の前記ゼロクロスポイントを順次検出するゼロクロスポイント検出工程と、
    前記ゼロクロスポイント検出工程で前記ゼロクロスポイントを検出する直前の第1所定期間に通電相の電機子巻線に印加する電圧の電圧指令値を、前記ゼロクロスポイント検出工程で前記ゼロクロスポイントを検出可能な電圧まで大きくした第1印加電圧に設定する電圧設定工程と、
    前記第1所定期間に前記通電相の電機子巻線に前記第1印加電圧を印加して、前記第1所定期間における前記ブラシレスモータの瞬時回転数を増加させる電圧出力工程と、
    を備えるセンサレスブラシレスモータの駆動方法。
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