以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本実施形態においては、複数の画像形成装置夫々の動作履歴の情報を集計及び解析し、その解析結果に基づいて装置を動作させる際の好適な動作設定の情報を生成、送信する画像形成装置の管理システムにおいて、動作履歴の情報を集計する際の集計範囲に特徴を有するシステムについて説明する。換言すると、本実施形態に係るシステムは、画像形成装置の動作履歴解析システムである。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の管理システムの運用形態を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るシステムは、ログ解析サーバ1、複数の画像形成装置2a、2b、2c・・・(以降、総じて「画像形成装置2」とする)、複数のクライアント端末3a、3b、3c・・・(以降、総じて「クライアント端末3」とする)を含む。本実施形態に係るシステムにおいては、ログ解析サーバ1がサービス提供者によって運用され、画像形成装置2及びクライアント端末3は、オフィスLAN(Local Area Network)等のサービス利用者のネットワークに接続されている。また、サービス利用者のネットワークとログ解析サーバ1とはインターネットなどの公衆回線を介して通信可能に接続されている。
ログ解析サーバ1は、画像形成装置2の動作履歴の情報、即ちログ情報をネットワークを介して取得し、取得したログ情報を解析して画像形成装置2の動作設定として推奨される設定を生成し、画像形成装置2やクライアント端末3に送信する動作履歴解析装置である。このログ情報の解析に際して、サービス利用者のオフィス等における画像形成装置2の配置に応じた利用者のグループ分けの情報を参照することが、本実施形態に係る要旨の1つである。
画像形成装置2は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能なMFP(MultiFunction Peripheral:複合機)である。本実施形態に係る画像形成装置2は、ログ情報を蓄積し、ログ解析サーバ1に送信する機能を有する。
クライアント端末3は、ユーザが操作する情報処理端末であり、PC(Personal Computer)等の情報処理装置によって実現される。クライアント端末3は、インストールされたプリンタドライバの機能によって印刷ジョブ、即ち画像形成装置2に画像形成出力を実行させるための印刷命令を生成し、画像形成装置2に画像形成出力を実行させる。また、クライアント端末3は、画像形成装置2を管理する管理者の端末としても用いられ、管理者がログ解析サーバ1の機能を用いる際のユーザインタフェースとしても用いられる。
尚、本実施形態においては、図1に示すように、ログ解析サーバ1、画像形成装置2及びクライアント端末3によってシステムが構成される場合を例として説明する。この他、例えば、ログ解析サーバ1の機能のうち、上述したログ情報の収集機能、ログ情報の解析機能、動作設定の生成機能が別々の装置によって実現される態様や、ログ解析サーバ1の機能の一部や全部が複数の画像形成装置2のいずれか1つによって実現される態様など、ネットワークを介して情報をやり取りすることによって様々な態様が考えられる。
次に、本実施形態に係るログ解析サーバ1、画像形成装置2及びクライアント端末3等の情報処理装置のハードウェア構成について図2を参照して説明する。尚、画像形成装置2は、図2に示すハードウェア構成に加えて、スキャナ、プリンタ等を実現するためのエンジンを備える。
図2に示すように、本実施形態に係る情報処理装置は、一般的なサーバやPC等と同様の構成を含む。即ち、本実施形態に係る情報処理装置は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)40及びI/F50がバス80を介して接続されている。また、I/F50にはLCD(Liquid Crystal Display)60及び操作部70が接続されている。
CPU10は演算手段であり、情報処理装置全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納される。
I/F50は、バス80と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD60は、ユーザが情報処理装置の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部70は、キーボードやマウス等、ユーザが情報処理装置に情報を入力するためのユーザインタフェースである。尚、本実施形態に係るログ解析サーバ1は、ユーザが直接操作することの無いサーバとして運用されるため、LCD60や操作部70等のユーザインタフェースは省略可能である。
このようなハードウェア構成において、ROM30やHDD40若しくは図示しない光学ディスク等の記憶媒体に格納されたプログラムがRAM20に読み出され、CPU10がRAM20にロードされたプログラムに従って演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係るログ解析サーバ1、画像形成装置2及びクライアント端末3の機能を実現する機能ブロックが構成される。
次に、本実施形態に係る画像形成装置2の機能構成について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る画像形成装置2の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態に係る画像形成装置2は、コントローラ100、ADF(Auto Documennt Feeder:原稿自動搬送装置)101、スキャナユニット102、排紙トレイ103、ディスプレイパネル104、給紙テーブル105、プリントエンジン106、排紙トレイ107及びネットワークI/F108を有する。
また、コントローラ100は、主制御部110、エンジン制御部120、画像処理部130、操作表示制御部140、入出力制御部150及びログ記憶部160を含む。図3に示すように、本実施形態に係る画像形成装置2は、スキャナユニット102、プリントエンジン106を有する複合機として構成されている。尚、図3においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙の流れを破線の矢印で示している。
ディスプレイパネル104は、画像形成装置2の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像形成装置2を直接操作し、若しくは画像形成装置2に対して情報を入力する際の入力インタフェースでもある。即ち、ディスプレイパネル104は、ユーザによる操作を受けるための画像を表示する機能を含む。ディスプレイパネル104は、図2に示すLCD60及び操作部70によって実現される。
ネットワークI/F108は、画像形成装置2がネットワークを介してクライアント端末3等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。ネットワークI/F108は、TCP/IPプロトコルによる通信が可能である。また、ネットワークI/F108は、画像形成装置2がファクシミリとして機能する際に、ファクシミリ送信を実行するためのインタフェースとしても機能する。そのため、ネットワークI/F108は、電話回線にも接続されている。ネットワークI/F108は、図2に示すI/F50によって実現される。
コントローラ100は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM30や不揮発性メモリ並びにHDD40や光学ディスク等の不揮発性記憶媒体に格納されたプログラムが、RAM20等の揮発性メモリ(以下、メモリ)にロードされ、CPU10がそのプログラムに従って演算を行うことにより構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ100が構成される。コントローラ100は、画像形成装置2全体を制御する制御部として機能する。
主制御部110は、コントローラ100に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ100の各部に命令を与える。エンジン制御部120は、プリントエンジン106やスキャナユニット102等を制御若しくは駆動する駆動手段としての役割を担う。画像処理部130は、主制御部110の制御に従い、印刷出力すべき画像情報に基づいて描画情報を生成する。この描画情報とは、画像形成部であるプリントエンジン106が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。
また、画像処理部130は、スキャナユニット102から入力される撮像データを処理し、画像データを生成する。この画像データとは、スキャナ動作の結果物として画像形成装置2の記憶領域に格納され若しくはネットワークI/F108を介して他の情報処理端末や記憶装置に送信される情報である。
操作表示制御部140は、ディスプレイパネル104に情報表示を行い若しくはディスプレイパネル104を介して入力された情報を主制御部110に通知する。入出力制御部150は、ネットワークI/F108を介して入力される情報を主制御部110に入力する。また、主制御部110は、入出力制御部150を制御し、ネットワークI/F108及びネットワークを介してログ解析サーバ1や他のネットワークに接続された機器にアクセスする。
ログ記憶部160は、HDD40等の不揮発性の記憶媒体によって実現され、画像形成装置2の動作履歴の情報であるログ情報を蓄積する。ログ記憶部160に蓄積されたログ情報が、ログ解析サーバ1によって取得されることにより、ログ解析サーバ1によるログ解析及び設定情報の生成が実現される。
画像形成装置2がプリンタとして動作する場合は、まず、入出力制御部150がネットワークI/F108を介して印刷ジョブを受信する。入出力制御部150は、受信した印刷ジョブを主制御部110に転送する。主制御部110は、印刷ジョブを受信すると、画像処理部130を制御して印刷ジョブに含まれる文書情報若しくは画像情報に基づいて描画情報を生成させる。
本実施形態に係る印刷ジョブには、出力対象の画像情報が画像形成装置2の画像処理部130によって解析可能な情報形式で記述された画像の情報の他、画像形成出力に際して設定されるべきパラメータの情報が含まれる。このパラメータの情報とは、例えば、両面印刷の設定、集約印刷の設定、カラー/モノクロの設定等の情報である。
画像処理部130によって描画情報が生成されると、エンジン制御部120は、プリントエンジン106を制御し、上記生成された描画情報に基づき、給紙テーブル105から搬送される用紙に対して画像形成を実行させる。即ち、画像処理部130、エンジン制御部120及びプリントエンジン106が画像形成出力部として機能する。プリントエンジン106の具体的態様としては、インクジェット方式による画像形成機構や電子写真方式による画像形成機構等を用いることが可能である。プリントエンジン106によって画像形成が施された文書は排紙トレイ107に排紙される。
このような画像形成出力の動作において、主制御部110は、ログ記憶部160にログ情報を記憶させる。図4は、ログ記憶部160に蓄積されるログ情報、即ち動作履歴情報の例を示す図である。図4に示すように、ログ情報に蓄積される情報には、例えば、ログを識別する“ログID”、複数の画像形成装置2を識別する“マシンID”、画像形成出力が実行された“日時”、画像形成出力されたページ数を示す“ページ”の他、上述したパラメータの設定値である“両面”、“集約”、“カラー”の情報が含まれる。
“両面”は、用紙の両面に対する画像形成出力の要否を示す情報である。“集約”は、複数のページを集約して一のページに形成することを指定する情報である。尚、図4の“集約”の項目において、「2in1」とは、2ページが1ページに集約されている状態を示す。また「4in1」とは、4ページが1ページに集約されている状態を示す。“カラー”は、画像形成出力に用いられる色数を指定する情報である。
画像形成装置2がスキャナとして動作する場合は、ユーザによるディスプレイパネル104の操作若しくはネットワークI/F108を介してクライアント端末3等の他の端末から入力されるスキャン実行指示に応じて、操作表示制御部140若しくは入出力制御部150が主制御部110にスキャン実行信号を転送する。主制御部110は、受信したスキャン実行信号に基づき、エンジン制御部120を制御する。
エンジン制御部120は、ADF101を駆動し、ADF101にセットされた撮像対象原稿をスキャナユニット102に搬送する。また、エンジン制御部120は、スキャナユニット102を駆動し、ADF101から搬送される原稿を撮像する。また、ADF101に原稿がセットされておらず、スキャナユニット102に直接原稿がセットされた場合、スキャナユニット102は、エンジン制御部120の制御に従い、セットされた原稿を撮像する。即ち、スキャナユニット102が撮像部として動作すると共に、エンジン制御部120が、読取制御部として機能する。
撮像動作においては、スキャナユニット102に含まれるCCD等の撮像素子が原稿を光学的に走査し、光学情報に基づいて生成された撮像情報が生成される。エンジン制御部120は、スキャナユニット102が生成した撮像情報を画像処理部130に転送する。画像処理部130は、主制御部110の制御に従い、エンジン制御部120から受信した撮像情報に基づき画像情報を生成する。
画像処理部130が生成した画像情報は主制御部110が取得し、主制御部110がHDD40等の画像形成装置2に装着された記憶媒体に保存する。即ち、スキャナユニット102、エンジン制御部120及び画像処理部130が連動して、画像入力部として機能する。画像処理部130によって生成された画像情報は、ユーザの指示に応じてそのままHDD40等に格納され若しくは入出力制御部150及びネットワークI/F108を介して文書管理サーバ2やクライアント端末3等の外部の装置に送信される。
また、画像形成装置2が複写機として動作する場合は、エンジン制御部120がスキャナユニット102から受信した撮像情報若しくは画像処理部130が生成した画像情報に基づき、画像処理部130が描画情報を生成する。その描画情報に基づいてプリンタ動作の場合と同様に、エンジン制御部120がプリントエンジン106を駆動する。尚、描画情報と撮像情報との情報形式が同一である場合は、撮像情報をそのまま描画情報として用いることも可能である。
次に、本実施形態に係るログ解析サーバ1の機能構成について説明する。図5は、本実施形態に係るログ解析サーバ1の機能構成を示す図である。図5に示すように、本実施形態に係るログ解析サーバ1は、コントローラ200及びネットワークI/F201を有する。また、コントローラ200は、入出力制御部210、ログ取得制御部220、ログ記憶部230及びログ解析部240を含む。
ネットワークI/F201は、ログ解析サーバ1がネットワークを介して画像形成装置2やクライアント端末3等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。
コントローラ200は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM30や不揮発性メモリ並びにHDD40や光学ディスク等の不揮発性記憶媒体に格納されたプログラムが、RAM20等の揮発性メモリ(以下、メモリ)にロードされ、CPU10がそのプログラムに従って演算を行うことにより構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ200が構成される。コントローラ200は、ログ解析サーバ1全体を制御する制御部として機能する。
入出力制御部210は、ネットワークI/F201を介してのネットワーク通信を制御する。ログ取得制御部220は、ログ解析サーバ1における、画像形成装置2からのログ情報の取得を制御するソフトウェアモジュールであり、ログ解析サーバ1の管理者による操作や、あらかじめ設定されたスケジュールに従って夫々の画像形成装置2からログ情報を取得する。即ち、ログ取得制御部220が、複数の画像形成装置2から動作履歴情報を取得して記憶媒体に格納する動作履歴情報取得部として機能する。
ログ記憶部230は、ログ取得制御部220が画像形成装置2から取得したログ情報を蓄積する。ログ記憶部230に蓄積される情報は、図4において説明した情報と同一であるが、夫々の画像形成装置2から取得された情報であるため、図4に示す“マシンID”が、取得先の画像形成装置2に応じて異なる。
ログ解析部240は、ログ記憶部230に蓄積されたログ情報を解析し、夫々の画像形成装置2について好適な動作設定の情報を生成する。即ち、ログ解析部240が、動作設定情報生成部として機能する。ここで、本実施形態に係るログ解析部240は、画像形成装置2の配置に応じた利用者のグループ分けの情報を保持している。図6、図7を参照して、ログ解析部240が保持ししているグループ分けの情報について説明する。
図6は、本実施形態に係るグループ分けの情報のうち、夫々の画像形成装置2が属しているグループを示すグループ分けテーブルの例を示す図である。図6に示すように、本実施形態に係るグループ分けテーブルにおいては、夫々の画像形成装置2を識別するための“マシンID”と、夫々の画像形成装置2が属するグループを示す“グループID”とが関連付けられている。図6の例においては、マシンID「MFP001」、「MFP002」、「MFP003」によって識別される画像形成装置2が、「Group001」によって識別されるグループに属している。
図7は、図6の“グループID”によって識別される夫々のグループに所属している部署を示す所属グループテーブルの例を示す図である。図7に示すように、本実施形態に係る所属グループテーブルにおいては、夫々のグループを識別する“グループID”、夫々のグループに含まれる部署を示す“包含部署”及び夫々のグループに含まれる部署に所属するユーザの人数の合計である“合計人数”が関連付けられている。図7の例においては、「Group001」によって識別されるグループに「経理、総務、人事」の3つの部署が属している。また、「Group002」によって識別されるグループには「営業1部」が属しており、「Group003」によって識別されるグループには「営業2部」が属している。
図8は、複数の画像形成装置2の配置とグループ分けの位置関係の例を示す図である。図6、図7において説明したように、「Group001」には、「MFP001」、「MFP002」、「MFP003」によって夫々識別される画像形成装置2が属しており、部署としては「経理、総務、人事」が属している。
ここで、図8に示すように、「MFP002」は、「総務」の部署の近傍に配置されているが、「人事」の部署の近傍でもある。従って、「MFP002」は「総務」、「人事」の両方の部署によって使用される可能性のある装置(以降、「共有装置」とする)である。他方、「人事」の部署の近傍には「MFP003」が配置されており、「人事」の部署のユーザは「MFP002」及び「MFP003」の両方を使用する可能性がある。更に、「MFP001」は「経理」に最も近い位置に配置されているが、「総務」にも近く、「総務」の部署のユーザは「MFP002」及び「MFP001」の両方を使用する可能性がある。
画像形成装置2の出力枚数の解析に際しては、夫々の装置の出力枚数が多いか少ないかではなく、夫々の装置を使用するユーザ数に対して多いか少ないかを解析する必要がある。これに対して、図8の「Group001」のような場合において、同一のユーザが複数の装置を使用するような可能性がある場合、使用者数に応じた出力枚数や出力頻度の高精度な解析が非常に困難である。
これに対して、本実施形態に係るシステムにおいては、図6、図7に示すように、画像形成装置2の配置に基づき、上述した共有装置を基準として、共有装置を使用するユーザが使用する可能性のある他の装置を共有装置とグループ化することにより、図6に示すような画像形成装置2のグループを生成すると共に、図7に示すようなユーザのグループを生成する。そして、解析の際には、装置単位ではなくグループ単位で解析を行う。これにより、上述したような人数に応じた解析を高精度に行うことが可能となる。
このようなグループ化の処理について説明する。グループ化の処理を実行する前提として、図9に示すような、夫々の装置を使用する部署が特定された情報が必要となる。図9に示すような情報は、画像形成装置2の管理者によって手動で生成する場合の他、実際の使用履歴に基づいて自動的に生成する態様が考えられる。
また、図9に示す情報を生成する他の態様として、夫々のクライアント端末3におけるプリンタドライバのインストール状況に基づく態様が考えられる。即ち、夫々のクライアント端末3にインストールされているプリンタドライバが、いずれの画像形成装置2のためのものかを解析し、夫々のクライアント端末3を使用するユーザが所属している部署との対応関係を集計することにより、図9に示すような情報を生成することが可能である。
また、図9に示す情報を生成する更に他の態様として、夫々の画像形成装置2の位置情報に基づく態様が考えられる。即ち、夫々の画像形成装置2に搭載された無線通信機能によって夫々の画像形成装置2が設置されている位置を示す情報を特定可能である場合、オフィス等における夫々の部署の配置を示す情報との関係により、夫々の画像形成装置がどのような部署によって使用されるかを判断することが可能である。
夫々の画像形成装置2の位置を特定する方法としては、オフィス内に所定間隔で配置された通信装置であって、夫々の配置位置を示す位置情報が設定された通信装置から位置情報を画像形成装置2が受信し、画像形成装置2がその位置情報と自信を識別するための識別子とを関連付けてログ解析サーバ1に送信することにより、ログ解析サーバ1において夫々の画像形成装置2の位置を特定することが可能である。
図10は、図6、図7に示す情報を生成する動作を示すフローチャートである。図10に示す動作は、例えば、ログ解析サーバ1のログ解析部240によって実行されるが、クライアント端末3において実行されても良い。図10に示すように、ログ解析部240は、図9に示す情報を参照し、複数の部署によって使用されている共有装置を抽出し(S1001)、その共有装置を共有している部署(以降、「共有部署」とする)を抽出する(S1002)。これにより、共有部署として抽出された部署、即ちその部署に所属するユーザがグループ化される。
共有部署を抽出したログ解析部240は、抽出した共有部署をキーとして図9の“使用部署”を検索し、S1001において抽出した共有装置とは別の装置を使用していないか否か確認する(S1003)。換言すると、ログ解析部240は、既にグループ化されたユーザが使用する他の画像形成装置2の有無を判断する。S1003の確認の結果、他の装置の使用があれば(S1003/NO)、ログ解析部240は、S1001において抽出した共有装置と、他の装置とを図6に示すようにグループ化する(S1005)。
更にログ解析部240は、グループ化した他の装置を使用している部署に、S1002において共有部署として抽出されていない部署があった場合には、その部署を判断対象の共有部署として追加し(S1006)、S1003の処理を繰り返す。即ち、ログ解析部240は、グループ化されたユーザが使用する他の画像形成装置を共有しているユーザを更にグループ化する。
S1005、S1006の処理を繰り返した結果、共有部署として判断対象となっている部署について、未だ判断されていない他の使用装置がなくなると(S1003/YES)、ログ解析部240は、その時点で共有部署として判断対象となっている部署を図7に示すようにグループ化し(S1004)、処理を終了する。このような処理により、図6、図7に示すテーブルが生成される。
換言すると、図7に示す所属グループテーブルは、同一の画像形成装置を共有するユーザがグループ化されていると共に、そのようにグループ化されたユーザが使用する他の画像形成装置を共有しているユーザを更にグループ化したグループ識別子である“グループID”と、夫々のグループに含まれるユーザに関連する情報である“包含部署”とが関連付けられたユーザグループ情報である。
また、図6に示すグループ分けテーブルは、夫々の画像形成装置2を識別する画像形成装置識別子である“マシンID”と、夫々の画像形成装置を使用するユーザに対応するグループのグループ識別子である“グループID”とが関連付けられた装置グループ情報である。
次に、本実施形態に係るログ解析態様について説明する。図11は、図4に示すように蓄積されたログ情報を集計し、“ページ”の値を“日時”の情報に基づいて所定の期間毎に時系列に合計した結果を示すグラフである。また、図11においては、“ページ”の値の合計値を、夫々のグループ毎の“合計人数”で割った値である“一人あたりページ数”が縦軸となっている。また、図11においては、「片面」が実線、「両面」が破線、「両面2in1」が一点鎖線のように、図4の“両面”、“集約”の情報に応じた印刷の種類毎に集計が行われている。このような解析はログ解析部240がログ記憶部230に蓄積されたログ情報を、上述したようにグループ毎に集計することによって実行される。
図12は、図11に示すグラフを出力枚数として集計したグラフである。例えば、「片面」の場合にはページ数がそのまま出力枚数になるが、「両面」の場合の出力枚数はページ数の2分の1である。また、「両面2in1」の場合の出力枚数はページ数の4分の1である。ログ解析部240は、そのように「片面」、「両面」、「両面2in1」といった出力態様に応じて一人あたりページ数に基づく出力枚数を計算し、その計算結果を合計することによって図12に示すような“一人あたり出力枚数”の集計を行う。
図12において示されている点線は、出力枚数の上限目安を示す閾値を示す線である。即ち、図12においては、期間t1〜t2及びt3〜t4において、出力枚数が設定された上限値を超えていることとなる。本実施形態に係るログ解析部240は、このような上限値の超過を判断し、上限値をクリアできるような画像形成装置2の動作パラメータの設定を示す情報を生成する。
図13は、ログ解析部240によるログの集計結果の例を示す図である。図13に示すように、本実施形態に係るログ解析部240が生成するログ情報の集計結果は、“期間”、“総出力枚数”、“総コスト”、“両面率”、“集約率”、“モノクロ率”、“2色率”及び“カラー率”が関連付けられた情報である。“期間”は、図4の“日時”に対応する情報であり、30分毎、1時間毎等のように“日時”の範囲を指定する情報である。図13に示す情報の集計は、上述したグループ毎に行われ、その中で“期間”に対応する“日時”を参照して行われる。
“総出力枚数”は、夫々の期間において出力された紙の枚数を示す値である。上述したように、ログ解析部240は、“両面”、“集約”の情報に基づいて“ページ数”を計算することにより、“総出力枚数”を計算する。また、図13に示す“総出力枚数”は、集計対象のグループの“合計人数”で割った値であり、図11、図12のグラフと同様に、一人当たりの総出力枚数を示す。即ち、本実施形態に係るログ解析部240は、夫々のグループ毎及び期間毎に動作履歴の情報を集計し、夫々のグループに含まれるユーザ数に応じた画像形成出力の実行量の情報を生成する。
“総コスト”は、夫々の期間において実行された画像形成出力によって課金された金額を示す値である。画像形成出力によって課金される金額は、原則として図4に示す“ページ数”に基づくが、“両面”や“集約”によって変動する出力枚数や、「モノクロ」、「フル」、「2色」等の“カラー”の情報によっても異なる。従って、ログ解析部240は、これらの情報に基づいて夫々の期間毎に“総コスト”を計算する。また、図13に示す“総コスト”は、集計対象のグループの“合計人数”で割った値であり、図11、図12のグラフと同様に、一人当たりの総コストを示す。
“両面率”は、夫々の期間において出力された“総出力枚数”のうち、“両面”が「1」である枚数、即ち両面印刷が用いられた枚数の割合を示す値である。この値が高いほど、出力枚数の削減やコストの削減が行われていることになると共に、この値が低いほど、出力枚数の削減やコストの削減の余地があるということになる。
“集約率”は、夫々の期間において実行された画像形成出力において、集約印刷が行われることによってページ数が集約された割合を示す値である。ログ解析部240は、図4に示すログ情報において、“集約”が「無し」の場合の重み値を1、「2in1」の場合を0.5、「4in1」の場合を0.25として、夫々の重み値を夫々のページ数に乗じた値を合算し、その合算結果を総ページ数で割ることにより“集約率”を計算する。この値が高いほど、出力枚数の削減やコストの削減が行われていることになると共に、この値が低いほど、出力枚数の削減やコストの削減の余地があるということになる。
“モノクロ率”は、夫々の期間において実行された画像形成出力において、モノクロ印刷が行われたページ数の割合を示す値である。ログ解析部240は、図4に示すログ情報において、“カラー”が「モノクロ」であるログの“ページ数”を合計し、その値を総ページ数で割ることにより“モノクロ率”を計算する。この値が高いほど、コストの削減が行われていることになると共に、この値が低いほど、コストの削減の余地があるということになる。
“2色率”は、夫々の期間において実行された画像形成出力において、2色印刷が行われたページ数の割合を示す値である。ログ解析部240は、図4に示すログ情報において、“カラー”が「2色」であるログの“ページ数”を合計し、その値を総ページ数で割ることにより“2色率”を計算する。この値が高いほど、コストの削減が行われていることになると共に、この値が低いほど、コストの削減の余地があるということになる。
“カラー率”は、夫々の期間において実行された画像形成出力において、フルカラー印刷が行われたページ数の割合を示す値である。ログ解析部240は、図4に示すログ情報において、“カラー”が「フル」であるログの“ページ数”を合計し、その値を総ページ数で割ることにより“カラー率”を計算する。この値が低いほど、コストの削減が行われていることになると共に、この値が高いほど、コストの削減の余地があるということになる。
このような情報に基づき、本実施形態に係るログ解析及び設定情報の生成処理が実行される。本実施形態に係る出力枚数についてのログ解析動作について、図14を参照して説明する。図14に示すように、ログ解析部240は、上述したようなログ集計を行って図13に示す情報を生成すると(S1401)、集計結果のレコードの1つ、即ちいずれかの“期間”を選択する(S1402)。
いずれかのレコードを選択したログ解析部240は、選択したレコードの“総出力枚数”を参照し、その値が設定された閾値を超過しているか否か判断する(S1403)。S1403の判断の結果、設定された閾値を超過していた場合(S1403/YES)、ログ解析部240は、両面化されていない画像形成出力のログ、即ち、図4において“両面”が“0”である動作ログを両面印刷に変更した場合の総出力枚数をシミュレーションする(S1404)。
S1404において、ログ解析部240は、選択中の期間に含まれる動作ログの情報について、“両面”が「0」である動作ログの情報の“両面”を「1」に変更し、再度総出力枚数の計算を行う。そして、ログ解析部240は、シミュレーションにより算出された総出力枚数を再度閾値と比較する(S1405)。S1405の判断の結果、シミュレーション結果が閾値を満たしていた場合(S1405/NO)、ログ解析部240は、現状のシミュレーション設定に基づいて対象の画像形成装置2の動作設定の情報を生成する(S1409)。
他方、S1405の判断の結果、シミュレーション結果が閾値を満たしていない場合(S1405/YES)、ログ解析部240は、両面印刷の適用はそのままに、更に集約印刷を適用した場合の総出力枚数のシミュレーションを行う(S1406)。S1406において、ログ解析部240は、選択中の期間に含まれる動作ログの情報について、まず“集約”が「無し」である動作ログの情報の“集約”を「2in1」に変更し、再度総出力枚数の計算を行う。
ログ解析部240は、そのようにして算出した総出力枚数のシミュレーション結果を再度閾値と比較し(S1407)、閾値を満たしていれば上述したS1409の処理に進む。他方、閾値を満たしていない場合(S1407/YES)、ログ解析部240は、“集約”を「2in1」から「4in1」に変更し、再度S1406の処理を繰り返す。
S1406の処理を繰り返した結果、算出した総出力枚数のシミュレーション結果が閾値を満たした段階で(S1407/NO)、ログ解析部240は、S1409の処理に進む。集約率の変更は、理論的には22に従って、「2in1」、「4in1」、「8in1」・・・と繰り返すことが出来る。しかしながら、集約率が上がると1ページの大きさが小さくなるため、現実的な限界がある。従って、ログ解析部240は、予め設定された集約率の限界を超えても閾値が満たされない場合、エラーとして図14の動作を途中で中断しても良い。
S1403の判断の結果、閾値が満たされていた場合(S1403/NO)、若しくは、S1409の処理を経た後、ログ解析部240は、図13に示すように集計した集計結果の全ての“期間”を選択したかを確認し、全ての期間についての処理が完了するまでS1402〜S1409の処理を繰り返す(S1410/NO)。
そして、全ての期間についての処理が完了すると(S1410/YES)、ログ解析部240は、S1409を経ることによって生成した設定情報を送信し(S1411)、処理を終了する。即ち、ログ解析部240が、動作設定送信部として機能する。S1411における設定情報の送信先は、画像形成装置2の管理者のメールアドレスや、設定を行うべき画像形成装置2等、あらかじめ定められた送信先である。また、設定を行うべき画像形成装置2とは、ログ情報の判断対象となったグループに含まれる画像形成装置2である。
次に、本実施形態に係るコストについてのログ解析動作について、図15を参照して説明する。図15に示すように、ログ解析部240は、上述したようなログ集計を行って図13に示す情報を生成すると(S1501)、集計結果のレコードの1つ、即ちいずれかの“期間”を選択する(S1502)。
いずれかのレコードを選択したログ解析部240は、選択したレコードの“総コスト”を参照し、その値が設定された閾値を超過しているか否か判断する(S1503)。S1503の判断の結果、設定された閾値を超過していた場合(S1503/YES)、ログ解析部240は、モノクロではない画像形成出力、即ち、図4において“カラー”が「フル」若しくは「2色」である動作ログをモノクロに変更した場合の総コストをシミュレーションする(S1504)。
S1504において、ログ解析部240は、選択中の期間に含まれる動作ログの情報について、“カラー”が「フル」若しくは「2色」である動作ログの情報の“カラー”を「モノクロ」に変更し、再度総コストの計算を行う。そして、ログ解析部240は、シミュレーションにより算出された総コストを再度閾値と比較する(S1505)。S1505の判断の結果、シミュレーション結果が閾値を満たしていた場合(S1505/NO)、ログ解析部240は、現状のシミュレーション設定に基づいて対象の画像形成装置2の動作設定の情報を生成する(S1511)。
他方、S1505の判断の結果、シミュレーション結果が閾値を満たしていない場合(S1505/YES)、ログ解析部240は、図14のS1404以降と同様の処理を行い、出力枚数を低減する方法でのコストダウンを行う(S1506〜S1510)。
S1503の判断の結果、閾値が満たされていた場合(S1503/NO)、若しくは、S1511の処理を経た後、ログ解析部240は、図13に示すように集計した集計結果の全ての“期間”を選択したかを確認し、全ての期間についての処理が完了するまでS1502〜S1511の処理を繰り返す(S1512/NO)。
そして、全ての期間についての処理が完了すると(S1512/YES)、ログ解析部240は、S1511を経ることによって生成した設定情報を送信し(S1513)、処理を終了する。S1513における設定情報の送信先は、画像形成装置2の管理者のメールアドレスや、設定を行うべき画像形成装置2等、あらかじめ定められた送信先である。
尚、図14及び図15においては、総出力枚数に対する閾値判断と総コストに対する閾値判断とを別々の動作として説明したが、夫々を一連の処理において判断し、総出力枚数に対する閾値及び総コストに対する閾値の両方を満たす設定情報を生成するようにしても良い。
図16は、図14や図15の動作によって生成される設定情報の例を示す図である。図16に示すように、本実施形態に係る設定情報には、ログ解析の対象となったグループを示す“グループID”、設定情報が生成された際に閾値判断の対象となった“期間”を指定する情報と、“両面”、“集約”、“カラー”の夫々の設定値の情報とが含まれる。
このように、本実施形態に係るシステムにおいては、夫々の画像形成装置2の動作履歴に基づいて算出された時間毎の総出力枚数や総コストが上限として定められた閾値を超えている場合に、両面や集約による総出力枚数の低減や、フルカラー印刷、2色印刷をモノクロ印刷に変更する減色処理を行うことによる総コストの低減を図るシミュレーションを行い、閾値が満たされるような両面、集約、減色の設定を生成する。これにより、システムの利用者、即ち、画像形成装置2のユーザに対して、定められた閾値を満たすような画像形成装置2の動作設定を提示することが可能となる。
また、本実施形態に係るシステムにおいては、上述した総出力枚数や総コストを判断するための集計を行う際に、図8において説明したような画像形成装置2の配置と夫々の画像形成装置2を利用するユーザの所属に応じて設定されたグループに基づいてグループ毎に集計を行い、一人当たりの総出力枚数や総コストを求める。
従って、例えば図8に示す「Group001」において、「MFP002」に使用が集中したとしても、その分「MFP001」、「MFP003」の使用量が少なくなり、グループ全体として閾値を満たすことを確認することが可能となる。これに対して、装置毎に判断を行う場合には、使用が集中している「MFP002」の動作履歴に基づいて判断を行うことになるため、閾値を満たさず、不要な両面、集約、減色等の動作設定が生成されてしまうこととなる。
このように、本実施形態に係るシステムによれば、画像形成装置の動作状況の集計をより効果的に行い、より有意義な提案を行うことが可能となる。
尚、上記実施形態においては、ログ解析によって生成された設定情報を、画像形成装置2の管理者用の端末であるクライアント端末3や、画像形成装置2に対して送信する場合を例として説明した。管理者用の端末であるクライアント端末3に設定情報が送信された場合には、管理者によって対象グループに含まれるユーザに周知され、若しくは手動により画像形成装置2のデフォルト、即ち標準の動作設定が行われる。また、画像形成装置2に対して送信された場合には、画像形成装置2のデフォルトの動作設定が行われる。
ここで、画像形成装置2のデフォルトの動作設定が行われた場合であっても、画像形成出力に際しての両面、集約、減色等の動作設定は、印刷ジョブを生成するクライアント端末3において行われる。これに対して、デフォルトの動作設定と印刷ジョブにおいて指定された動作設定とが異なるか否かを画像形成装置2において判断することにより、ログ解析によって得られた動作設定を活かすことが可能となる。そのような態様について図17を参照して説明する。
図17は、クライアント端末3から印刷ジョブを受信した画像形成装置2であって、図14、図15において説明した動作により設定情報が生成され、デフォルトの動作設定がされている画像形成装置2の動作を示すフローチャートである。図17に示す動作の前提として、画像形成装置2は、クライアント端末3から印刷ジョブを受信した際に即座に画像形成出力を実行するのではなく、印刷ジョブを送信したクライアント端末3のユーザがディスプレイパネル104を操作することにより、出力の実行指示操作が行われて初めて画像形成出力を実行する。
図17に示すように、印刷ジョブを受信した画像形成装置2においては、主制御部110が、その印刷ジョブをHDD40等の記憶媒体に保存する(S1701)。その後、ユーザによるディスプレイパネル104の操作によって出力指示が入力されると(S1702/YES)、主制御部110は、対象の印刷ジョブをHDD40から読み出し、印刷ジョブにおける設定を参照して(S1703)、デフォルトとして設定された図16のような設定情報との比較を行う。
尚、この設定の比較処理に際して、主制御部110は、現在時刻を考慮し、図16に示す“期間”を参照して、考慮するべき設定情報を抽出して比較を行う。設定の比較の結果、超過する設定があった場合(S1704/YES)、主制御部110は、操作表示制御部140を制御し、図18に示すような設定変更確認画面をディスプレイパネル104に表示させる(S1705)。
図18に示すように、設定変更確認画面においては、図16に示す設定情報に基づき、その時間帯において推奨されている設定が提示され、設定変更の可否をユーザに確認するためのメッセージ及び設定変更の許諾を受け付けるためのユーザインタフェースが表示される。図18に示すような設定変更画面において設定変更が許諾されると(S1707)、主制御部110は、印刷ジョブの設定を図16に示すような設定情報に基づいて変更し、変更後の設定に基づいて画像形成出力の実行を制御する(S1707)。
他方、設定の変更が許諾されなかった場合(S1706/NO)及び超過する設定が無かった場合(S1704/NO)、主制御部110は、そのまま画像形成出力を実行する。このような動作により、設定情報に基づくデフォルトの設定が行われた画像形成装置2が印刷ジョブを受信した場合の動作が完了する。このような制御により、図14、図15に示すような動作によって生成された設定情報を効果的に反映することができ、総出力枚数や総コストの削減効果を高めることができる。
尚、図17においては、設定変更が許諾されなかった場合に、そのまま出力を実行する場合を例として説明した。この他、出力を禁止するような態様も可能である。その場合、ディスプレイパネル104に出力を中断した旨の表示や、異なる期間での出力を促す表示を行うことにより、推奨設定の遵守をユーザに浸透させることが可能である。
また、異なる期間での出力を促す場合、主制御部110は、印刷ジョブにおける動作設定と、夫々の期間毎に受信されている図16に示すような設定情報とを比較し、印刷ジョブにおける動作設定を用いることが可能な期間をユーザに通知することによって、ユーザの利便性を向上することができる。また、図14、図15における動作において、閾値を超過していない期間については設定情報が生成されないため、印刷ジョブにおける動作設定を用いることが可能な期間をユーザに通知する際、主制御部110は、設定情報が存在しない期間をユーザに通知するようにしても良い。
また、上記実施形態においては、図14、図15において用いられる閾値は予め設定されていることを例として説明した。しかしながら、この閾値とは総出力枚数や総コストの上限値であり、適正な値の判断は難しい。これに対して、グループ毎の集計結果を閾値判断のために用いることが考えられる。そのような例について図19を参照して説明する。
図19は、ログ解析部240による閾値の設定動作を示すフローチャートである。図19に示すように、ログ解析部240は、図13に示すような集計結果を、ゾーン毎、即ち、図8の「Group001」、「Group002」、「Group003」のように夫々区切られたグループ毎に生成する(S1901)。
次に、ログ解析部240は、図7に示す所属グループテーブルを参照し、「営業1部」と「営業2部」のような、類似部署についての比較を行う(S1902)。S1902において、ログ解析部240は、例えば文字検索等によって所属グループテーブルの“包含部署”を検索し、“包含部署”が類似するグループを抽出する。この他、予め類似するグループを設定しておいても良い。そして、ログ解析部240は、部署が類似するグループについて、“総出力枚数”や“総コスト”の比較を行う。その比較の結果、差分値が所定の閾値以上であれば(S1903/YES)、その差分値や夫々の“総出力枚数”、“総コスト”に基づいて閾値を生成する(S1404)。
S1902においては、包含部署が類似しているグループであることを条件として比較を行う。包含部署が類似しているということは、業務内容も類似しており、結果的に一人あたりに必要な画像形成出力の枚数やコストも類似する可能性が高い。そのような条件において、“総出力枚数”や“総コスト”に大きな差異があるという場合、“総出力枚数”や“総コスト”が大きい側には、削減の余地があるということができる。
従って、ログ解析部240は、S1904の処理において閾値を生成する際、S1902において比較の対象となった2つの値のうち低い方の値を基準として閾値を生成する。例えば、比較の対象となった2つの値の中間値を閾値とすることが出来る。また、S1904における閾値の生成処理の具体的態様としては、S1903における差分値の判断態様に応じて様々な態様が考えられる。
例えば、S1903の判断条件として、2つの値のうち大きい方の値が、低い方の値の150%以上である場合に、差分値が所定以上であると判断するような条件の場合、低い方の値の125%の値を閾値とする等の態様が考えられる。このような態様における150%や125%等の値は一例であり、他にも様々な値を用いることができる。また、値のレベルやオーダーに応じてパーセンテージを変更しても良い。
また、ログ解析によって生成された設定情報を、画像形成装置2の管理者用の端末であるクライアント端末3や、画像形成装置2に対して送信する場合の他、ログ解析の対象となったグループに属するユーザのクライアント端末3に送信し、クライアント端末3におけるプリンタドライバのデフォルト設定を変更する態様も考えられる。このような場合、印刷所の生成に際しての設定が変更されるため、図17において説明した動作のように、画像形成装置2において印刷ジョブにおける設定の内容とデフォルトの設定とを比較する必要がなくなる。
他方、クライアント端末3のプリンタドライバのデフォルト設定を変更した場合、クライアント端末3において印刷ジョブを生成して画像形成装置2に送信する際に、図17のS1704の処理のように、ユーザによって指定された設定と設定情報によるデフォルトの設定とを比較し、超過設定の有無を確認するようにしても良い。