本稿に記載されるいくつかの実施形態は、光ネットワーク内の光信号伝送経路をモデル化する方法を含んでいてもよい。特に、本稿に記載されるいくつかの実施形態は、従来技術により光信号伝送経路をモデル化するシミュレーションの数に比べて、光信号伝送経路をモデル化するためのシミュレーションの数を減らす、光信号伝送経路をモデル化する方法を含んでいてもよい。
いくつかの従来技術では、光信号が光信号伝送経路を進む際の光信号の偏光状態のランダムな回転のため、光ネットワーク内の光信号伝送経路の劣化因子を正確にモデル化するためには数千または数万のシミュレーションが実行される。光信号伝送経路をモデル化するためのシミュレーションの数を減らすため、光信号伝送経路をモデル化する方法は、光ネットワークのあるパラメータおよび光信号伝送経路内の光信号の偏光状態をランダムに変化させることに基づいて光ネットワークの光信号伝送経路の第一の伝送特性を取得することを含んでいてもよい。本方法はまた、前記パラメータおよび前記光信号の第一の固定した偏光状態に基づいて前記光信号伝送経路の第二の伝送特性を取得することを含んでいてもよい。前記第一の伝送特性は前記第二の伝送特性との相関を調べられて、前記パラメータおよび前記光信号の有効偏光状態に基づく前記光信号伝送経路のシミュレーションが、前記第一の伝送特性を近似するよう、前記光信号の有効偏光状態が得られる。
光信号の有効偏光状態を使うことは、二桁ないし三桁少ないシミュレーションを実行することによる光ネットワークの正確なモデル化を許容しうる。たとえば、いくつかの実施形態では、普通なら数千または数万回のシミュレーションを必要とする結果を得るために、十回またはそれ未満のシミュレーションが、光信号の有効偏光状態を使って実行されてもよい。
本発明の実施形態について、付属の図面を参照して説明する。
図1は、本稿に記載される少なくともいくつかの実施形態に基づいて構成された、例示的な光ネットワーク100のブロック図である。光ネットワーク100は、光ネットワーク100のコンポーネントによって通信される一つまたは複数の光信号を転送するよう構成された光ファイバー140を含んでいてもよい。光ファイバー140によって結合された光ネットワーク100のコンポーネントは、末端ノード110a、110bおよび光ノード130を含んでいてもよい。光ネットワーク100は末端ノード110a、110bをもつポイントツーポイントの光ネットワークとして図示されているが、光ネットワーク100はリング光ネットワーク、メッシュ光ネットワークまたは他の任意の光ネットワークまたはネットワークの組み合わせとして構成されてもよい。光ネットワーク100は、短距離(short-haul)ネットワーク、長距離(long-haul)ネットワークまたは他の任意の光ネットワークまたは光ネットワークの組み合わせとして使われてもよい。光ファイバー140は、中でもシングルモード・ファイバー(SMF: Single-Mode Fiber)、向上大有効面積ファイバー(E-LEAF: Enhanced Large Effective Area Fiber)、分散補償ファイバー(DCF: Dispersion Compensating Fiber)、マルチモード・ファイバー(MMF: Multi-Mode Fiber)およびそれらの組み合わせのような任意の好適な型の光ファイバーを含みうる。
末端ノード110aは、一つまたは複数のトランシーバ112、マルチプレクサ114および増幅器116を含んでいてもよい。各トランシーバ112は、データをエンコードするために光信号を変調し、該光信号を光ネットワーク100内で送信するよう構成された任意の型のトランシーバを含みうる。トランシーバ112によって送信された光信号のそれぞれは、異なる特定の波長を中心としていてもよく、波長チャネルと称されてもよい。マルチプレクサ114は、トランシーバ112からの複数の波長チャネルを多重化信号に組み合わせて、該多重化信号を光ファイバー140中に送信してもよい。たとえば、マルチプレクサ114は波長選択性スイッチ(WSS: wavelength selective switch)を含んでいてもよい。増幅器116は、多重化信号を増幅するよう構成されていてもよく、いくつかの実施形態では、光リピーターを含んでいてもよい。
光ノード130は増幅器132、光分散補償モジュール(DCM: dispersion compensating module)134および挿入/分岐モジュール(ADM: add/drop module)136を含んでいてもよい。増幅器132は増幅器116と同様であってもよく、多重化信号を増幅するよう構成されていてもよい。DCM 134は多重化信号内でデータを担持する一つまたは複数の波長チャネルに対して光分散補償を実行するよう構成されていてもよい。ADM 136は、多重化信号内でデータを担持する波長チャネルを挿入または分岐するとともに、波長チャネルの一つまたは複数の光分散を補償するよう構成されていてもよい。
末端ノード110bは、トランシーバ122、デマルチプレクサ120、増幅器124およびDCM 126を含んでいてもよい。増幅器124は、多重化信号を増幅するよう構成されていてもよく、いくつかの実施形態では、光リピーターを含んでいてもよい。DCM 126は多重化信号の一つまたは複数の波長チャネルに対して光分散補償を実行するよう構成されていてもよい。デマルチプレクサ120は、増幅器124および/またはDCM 126から受け取った増幅された多重化信号を、別個の波長チャネルに分離するよう構成されていてもよい。各波長チャネルは諸トランシーバ122のうちの対応するものに渡されてもよい。たとえば、デマルチプレクサ120は波長選択性スイッチ(WSS)を含んでいてもよい。各トランシーバ122は、対応する波長チャネルを受信し、それを復調して電気信号にするよう構成された任意の型のトランシーバを含みうる。いくつかの実施形態では、トランシーバ122は、デジタル信号処理を含むコヒーレントな受信機(coherent receiver)であってもよい。
いくつかの実施形態では、図のような光ネットワーク100は、末端ノード110a、110bの間に延在し、これらを含む光信号伝送経路であってもよい。他の実施形態では、光ネットワーク100内の光信号伝送経路は末端ノード110aと光ノード130の一つとの間に延在していてもよい。光ネットワーク100は、一つまたは複数の光信号伝送経路を含む例示的な光ネットワークとして例示されているのであり、限定するべきではない。いくつかの実施形態では、光ネットワーク100は二つより多くまたは二つより少ない光ノード130を含んでいてもよい。代替的または追加的に、光ノード130は、図1に示したもの以外の構成要素を含んでいてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、末端ノード110a、110bは図1に示したもの以外の構成要素を含んでいてもよい。代替的または追加的に、末端ノード110a、110bはいずれも、光ネットワーク100を通じて光信号を受信および送信するよう構成されていてもよい。
光ネットワーク100は、光ネットワークの光モデル化(optical modeling)を論じるときに例示的な光ネットワークとして使用されうる。光ネットワークの光モデル化は、光ネットワークにおける光信号伝送経路の伝送特性を決定することを含んでいてもよい。光信号伝送経路の伝送特性は、色分散(CD: chromatic dispersion)、非線形(NL: nonlinear)効果、偏光モード分散(PMD: polarization mode dispersion)および変更依存性損失(PDL: polarization dependent loss)のような偏光効果、増幅された自発放射(ASE: amplified spontaneous emission)その他といった伝送劣化因子がいかに光信号伝送経路に沿った光信号に影響しうるかに対する洞察を提供する。たとえば、光ネットワーク100の光モデル化は、増幅器116、132、124、ADM 136、DCM 134、光ファイバー140およびその他のコンポーネントといった光ネットワーク100内のさまざまな構成要素がどのように光ネットワーク100内の光信号伝送経路に沿って伝送される光信号の伝送劣化につながるかに対する洞察を提供しうる。特に、光ネットワーク100内の光信号伝送経路の光モデル化は、種々の伝送劣化因子の個別的な型がどのように光信号の伝送劣化につながるかに対する洞察を提供しうる。
上記のように、伝送劣化因子は、光信号の信号劣化につながりうる。光信号の劣化は、光信号対雑音比(OSNR: optical signal to noise ratio)ペナルティーとして表現されてもよい。よって、個別的な劣化因子に起因する光信号の劣化は、その劣化因子のOSNRペナルティーと称されてもよい。たとえば、PDLに起因する光信号の劣化は、PDL OSNRペナルティーと称されてもよい。光信号のOSNRを低下させることのほか、劣化因子は、光信号に対して他の効果をもつこともある。たとえば、ファイバー複屈折が、光信号の偏光状態をランダムに回転させることがある。光信号の偏光状態のランダムな回転は、結果としてPDLのランダムな蓄積(accumulation)につながる。PDLは、PDLの軸と光信号の偏光の軸との間の配向または角度に基づいて蓄積するからである。状況によっては、特により高いデータ・レート、たとえば毎秒40ギガビットまたはそれ以上のデータ・レートでは、PDLは、NL効果のような他の信号劣化因子から寄与されるOSNRペナルティーの量に影響しうる。図2のAおよびBは、本稿に記載される少なくともいくつかの実施形態に基づいて構成される、光信号210およびPDL 220の例示的な成分を示している。光信号210は第一および第二の偏光成分212、214を有していてもよい。同様に、PDL 220は第一および第二の偏光成分222、224を有していてもよい。図2のAに示されるように、光信号210およびPDL 220は、デカルト座標系のx軸およびy軸に関して配向されていてもよい。光信号210およびPDL 220の第一の成分212、222はy軸に沿って配向されていてもよく、光信号210およびPDL 220の第二の成分214、224はx軸に沿って配向されていてもよい。
光信号の偏光状態は、光信号210の第一および第二の偏光成分212、214の間の関係ならびに第一および第二の偏光成分212、214の互いに対するおよび光信号210の伝搬方向に対する配向を示す。少なくともいくつかの偏光状態では、光信号210の偏光状態をランダムに回転させることは、第一および第二の偏光成分212、214がxy平面内でランダムに回転し、それにより第一および第二の偏光成分212、214がそれぞれy軸およびx軸と整列しなくなることを示す。光信号210のランダム回転は左に行われても右に行われてもよく、さまざまな量の回転が行われてもよい。
図2のBは、第一および第二の偏光成分212、214がそれぞれy軸およびx軸と整列しなくなるよう回転された光信号210を示す。光信号210が回転するとき、光信号210は光信号210の偏光軸とPDL 220の軸との間の角230をなす。光信号210の偏光軸とPDL 220との間の角230は、本稿では光信号210のPDL角と称されることがある。図2のBに示されるような光信号210の偏光軸とPDL 220の軸との間の角230は45度である。この角230は単に例解のために示されている。角230は、光信号210が光信号伝送経路を進む際にランダムに回転されるので、変わりうる。
図3は、本稿に記載される少なくともいくつかの実施形態に基づいて構成された、光信号伝送経路の伝送特性をモデル化する例示的なシステム300のブロック図である。システム300は経路計算エンジン306、データベース330、パラメータ・モジュール340、プロセッサ350、メモリ360およびインターフェース・モジュール370を含んでいてもよい。
インターフェース・モジュール370は、モデル化されるべき光ネットワーク内の光信号伝送経路に関するデータを受領するよう構成されていてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、インターフェース・モジュール370は、人とのインターフェースをもち、光信号伝送経路についてのデータを受け取るよう構成されていてもよい。代替的または追加的に、インターフェース・モジュール370は、ある装置からその光信号伝送経路についてのデータを受け取るよう構成されていてもよい。インターフェース・モジュール370は、中でもファイバー型;ファイバー長;光信号伝送経路におけるDCM、ADM、増幅器、マルチプレクサまたはデマルチプレクサのようなコンポーネントの数および/または型;データ・レート;データの変調フォーマット;光信号の入力パワー;本稿でチャネルと称されることのある信号を担持する波長の数;チャネル間隔;トラフィック需要;ネットワーク・トポロジーといった、光信号伝送経路についてのデータを受け取ってもよい。
インターフェース・モジュール370は、光信号伝送経路についてのデータを人から受け取るおよび/またはシミュレーション結果を人に対して出力することを容易にするための一つまたは複数の入力装置および/または出力装置を含んでいてもよいし、および/またはそのような入力装置および/または出力装置に結合されていてもよい。一つまたは複数の入力および/または出力装置は、これに限られないが、キーボード、マウス、タッチパッド、マイクロホン、ディスプレイ、タッチスクリーン・ディスプレイ、オーディオ・スピーカーなどを含んでいてもよいが、これに限定されない。
パラメータ・モジュール340は、光信号伝送経路について受け取られたデータに基づいて光信号伝送経路に関するパラメータを提供するよう構成されていてもよい。たとえば、パラメータ・モジュール340は、ファイバー型に関するパラメータ、たとえばファイバー型についての分散マップ(dispersion map)およびファイバー型の他の光学的属性を提供してもよい。もう一つの例として、パラメータ・モジュール340は、光信号伝送経路中のコンポーネントに関するパラメータを提供してもよい。たとえば、パラメータ・モジュール340によって提供されるかかるコンポーネントのパラメータは、コンポーネントのPDLおよびコンポーネントの他の光学的属性を含んでいてもよい。本質的には、パラメータ・モジュール340は、光信号伝送経路をモデル化するために経路計算エンジン306が使用することがありうる光信号伝送経路中のコンポーネントの光学的属性の一部または全部を提供してもよい。
経路計算エンジン306はパラメータ・モジュール340からのパラメータおよびインターフェース・モデル370からのデータを、光信号伝送経路の伝送特性を決定するために使うよう構成されていてもよい。光信号伝送経路の伝送特性は、色分散(CD: chromatic dispersion)、非線形(NL: nonlinear)効果、偏光モード分散(PMD: polarization mode dispersion)および変更依存性損失(PDL: polarization dependent loss)のような偏光効果、増幅された自発放射(ASE: amplified spontaneous emission)および/またはその他といった伝送劣化因子がいかに光信号伝送経路内の光信号に影響しうるかに対する洞察を提供してもよい。光信号伝送経路の伝送特性を決定するために、経路計算エンジン306は、伝送劣化因子間の相互作用を考慮してもよい。
いくつかの実施形態では、経路計算エンジン306は、光信号伝送経路についての各伝送劣化因子の蓄積された量を提供してもよい。代替的または追加的に、経路計算エンジン306は、各伝送劣化因子に起因するOSNRペナルティーを提供してもよい。代替的または追加的に、経路計算エンジン306は、一つまたは複数の伝送劣化因子の組み合わせに起因するOSNRペナルティーを提供してもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーが、別個に決定されたNL OSNRペナルティーおよびPDL OSNRペナルティーの組み合わせより高いことがある。組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーは、光信号伝送経路におけるNL効果とPDL効果の間の相互作用を考慮に入れることができるからである。代替的または追加的に、経路計算エンジン306は、光信号伝送経路の総OSNRを提供してもよい。総OSNRは、何ら劣化なしにその光信号伝送経路に沿って達成されうる最適なOSNRであってもよい。いくつかの実施形態では、経路計算エンジン306は、光信号伝送経路に関する追加的な情報を提供してもよい。
データベース330は、光信号伝送経路について経路計算エンジン306によって生成されたデータを記憶するよう構成されていてもよい。プロセッサ350は、システム300に本稿に記載される機能および動作を実行させるコンピュータ命令を実行するよう構成されていてもよい。コンピュータ命令はプロセッサ350による実行のためにメモリ360にロードされてもよく、および/または、本稿に記載される機能および動作の実行の際に生成、受領または操作されるデータが少なくとも一時的にメモリ360に記憶されてもよい。
光信号伝送経路中の光信号のランダムに回転する偏光状態に起因する光信号伝送経路の伝送特性のいくつかを正確にシミュレートするためには、経路計算エンジン306は、光信号伝送経路の伝送特性を決定するために、光信号の変化する偏光状態を使って少なくとも千回のシミュレーションを実行することがある。特に、PDLおよびNL効果のような伝送特性およびPDLおよびNL効果の間の相互作用をシミュレートするためには、経路計算306は、光信号の変化する偏光状態を使って少なくとも千回のシミュレーションを実行することがある。いくつかの実施形態では、システム300は、組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーを決定してもよい。これは、PDL効果、NL効果およびPDLおよびNL効果の間の相互作用を考慮に入れてもよい。システム300は代替的に、光信号伝送経路のPDLおよびNL効果およびPDLおよびNL効果の間の相互作用のような伝送特性を近似するために、光信号の有効偏光状態(effective state of polarization)を使ってもよい。有効偏光状態は、経路計算エンジン306に、光信号伝送経路の伝送特性を近似するために光信号の固定偏光状態を使って十回またはそれ未満のシミュレーションを実行することを許容する。特に、有効偏光状態は、経路計算エンジン306が、光信号伝送経路のPDLおよびNL効果の間の相互作用を近似することを許容する。端的に言うと、有効偏光状態は、シミュレートされるときに、光信号のランダムに変化する偏光状態をシミュレートすることから帰結する伝送特性を生成する、光信号の固定した偏光状態である。
有効偏光状態は、光信号伝送経路の異なる型については異なっていてもよい。特に、有効偏光状態は、光信号伝送経路内の異なるパラメータについては異なっていてもよい。たとえば、有効偏光状態は、光信号伝送経路の種々のファイバー型、変調フォーマットおよび/または分散特性について決定されてもよい。
特定のパラメータを用いて光信号伝送経路についての有効偏光状態を決定するために、光信号伝送経路のモデルが、経路計算エンジン306によるシミュレーションのための該特定のパラメータを用いて生成されてもよい。光信号伝送経路についての有効偏光状態の決定について、下記で図3、図4、図5のA〜D、図6のA〜Dおよび図7を参照して論じる。
図4は、本稿に記載される少なくともいくつかの実施形態に基づいて構成される、例示的なモデル化された光信号伝送経路のブロック図である。モデル化された光信号伝送経路400は、光ファイバー440で相互接続されたモデル化された光ノード410、412、414、416を含む。モデル化された光ノード410、412、414、416は、図1に示される光ネットワーク100中の末端ノード110a、110bおよび光ノード130のような、光ネットワーク中のノードをモデル化するための特性を表すまたはもつのでもよい。
図3〜図4を合わせて参照するに、経路計算エンジン306は、光信号のランダムに変化する偏光状態を用いてモデル化された光信号伝送経路400に対して複数のシミュレーションを実行するよう構成されていてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、経路計算エンジン306は、モデル化された光信号伝送経路400の1000回、5000回、10000回またはそれ以上のシミュレーションを実行してもよい。モデル化された光信号伝送経路400内の光信号のランダムに変化する偏光状態をシミュレートするために、経路計算エンジン306は、シミュレーションの間に、モデル化された光信号伝送経路400内の種々の位置において種々の配向に、光信号をランダムに回転させてもよい。あるシミュレーションの間に回転される光信号の例示的な配向は図5のA〜Dに関して示されている。
図5のA〜Dは、本稿に記載される少なくともいくつかの実施形態に基づいて構成される、図4のそれぞれ直線A-A、B-B、C-C、D-Dに沿った第一の例示的な断面図を示している。図4の直線A-Aでは、図5のAに示されるように、光ファイバー440内の光信号520は、光信号520の成分が、描かれているデカルト座標系のx軸およびy軸と整列されるよう配向されていてもよい。図4の直線B-Bでは、図5のBに示されるように、光信号520は、光信号520の成分がもはや描かれているデカルト座標系の軸と整列されないようxy平面内で回転されていてもよい。
図4の直線C-Cでは、図5のCに示されるように、光信号520は、前の諸配向とは異なる配向をもつようxy平面内で再び回転されてもよい。図4の直線D-Dでは、図5のDに示されるように、光信号520は、前の諸配向とは異なる別の配向をもつようxy平面内で再び回転されてもよい。
図3〜図5の合わせて参照するに、光信号のランダムに変化する偏光状態を用いてモデル化された光信号伝送経路400について実行される各シミュレーションについて、経路計算エンジン306は、モデル化された光信号伝送経路400の蓄積されたPDL、PDL OSNRペナルティー、NL、NL OSNRペナルティーおよび/または組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーのような、モデル化された光信号伝送経路400の伝送特性を決定してもよい。そうしたシミュレーションの一つまたは複数からの結果に基づいて、経路計算エンジン306は、モデル化された光信号伝送経路400のモデル化されたPDL、PDL OSNRペナルティー、NL、NL OSNRペナルティーおよび/または組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーのような、モデル化された光信号伝送経路400のモデル化された伝送特性を決定してもよい。
いくつかの実施形態では、モデル化された光信号伝送経路400についてのモデル化された伝送特性を得たのち、パラメータ・モジュール340は、モデル化された光信号伝送経路400内のPDLを調整してもよい。PDLを調整することは、モデル化された光信号伝送経路400のモデル化されたPDLを調整することになることを注意しておく。モデル化された光信号伝送経路400内のPDLを調整したあとモデル化された光信号伝送経路400のモデル化された伝送特性を得るためには、経路計算エンジン306は、モデル化された光信号伝送経路400の複数のシミュレーションを実行してもよい。
経路計算エンジン306は、光信号の固定偏光状態を用いてモデル化された光信号伝送経路400に対してシミュレーションを実行するよう構成されていてもよい。モデル化された光信号伝送経路400内の光信号の固定偏光状態をシミュレートするために、経路計算エンジン306は、諸シミュレーションの間、光信号を、モデル化された光信号伝送経路400を通じて単一の配向に維持してもよい。あるシミュレーションの間光信号の配向を維持する例は、図6のA〜Dに関して例解される。
図6のA〜Dは、本稿に記載される少なくともいくつかの実施形態に基づいて構成される、図4のそれぞれ直線A-A、B-B、C-C、D-Dに沿った第二の例示的な断面図である。図4の直線A-Aでは、図6のAに示されるように、光ファイバー440内の光信号620は、光信号620の成分が、描かれているデカルト座標系のx軸およびy軸と整列されるよう配向されていてもよい。図6のB〜Dに示されるように、図4の直線B-B、C-C、D-Dでは、光信号620は、光信号520の成分が、描かれているデカルト座標系のx軸およびy軸と整列されるよう、同じ配向に留まっている。
図3〜図4および図6のA〜Dを引き続き参照するに、経路計算エンジン306は、光信号の固定偏光状態について、PDL、PDL OSNRペナルティー、NL、NL OSNRペナルティーおよび/または組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーのような、モデル化された光信号伝送経路400の伝送特性を決定するよう構成されていてもよい。
経路計算エンジン306は、光信号のPDL角に基づいて光信号の種々の固定偏光状態についてシミュレーションを実行してもよい。たとえば、経路計算エンジン306は、光信号の、0度のPDL角をもつ第一の固定偏光状態および光信号の、45度のPDL角をもつ第二の固定偏光状態を選択してもよい。さまざまなPDL角をもつ光信号のさらなる固定偏光状態もシミュレートされてもよい。光信号のシミュレートされる各固定偏光状態について、経路計算エンジン306は、光信号のその固定偏光状態について、PDL、PDL OSNRペナルティー、NL、NL OSNRペナルティーおよび/または組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーのような、モデル化された光信号伝送経路400の伝送特性を決定するよう構成されていてもよい。
経路計算エンジン306、プロセッサ350または他の何らかの計算装置は、光信号の前記一つまたは複数の固定偏光状態をもつモデル化された光信号伝送経路400の伝送特性の、光信号のランダムに変化する偏光状態をもつモデル化された光信号伝送経路400の伝送特性との相関を調べるよう構成されていてもよい。その相関に基づいて、モデル化された光信号伝送経路400についての有効偏光状態が得られてもよい。
いくつかの実施形態に基づいて、モデル化された光信号伝送経路400について、光信号の有効偏光状態がどのように得られるかを例解する例を以下で述べる。モデル化された光信号伝送経路400は、ある型の光ファイバー、データ変調フォーマットおよび/または分散マップのようなある種の設定されたパラメータを有していてもよい。経路計算エンジン306は、光信号のランダムに変化する偏光状態をもつモデル化された光信号伝送経路400に対して複数のシミュレーションを実行してもよい。各シミュレーションについて、経路計算エンジン306は、モデル化された光信号伝送経路400の伝送特性を生成してもよい。特に、経路計算エンジン306は、各シミュレーションについて、モデル化された光信号伝送経路400についての蓄積された組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーおよびPDLを決定してもよい。経路計算エンジン306は、それらのシミュレーションの全部または部分集合についての決定された組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーを平均してもよいし、および/またはそれらのシミュレーションの全部または部分集合についての決定されたPDLを平均してもよく、モデル化された光信号伝送経路400についてのモデル化された組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーならびにモデル化されたPDLを決定してもよい。
モデル化されたPDLをもつモデル化された光信号伝送経路400を使って、経路計算エンジン306は、光信号の複数の固定偏光状態のそれぞれについて、組み合わされたNLおよびPDL OSNRを決定してもよい。光信号の固定偏光状態は、光信号のPDL角が0度である、および光信号のPDL角が45度である状態を含んでいてもよい。0度と45度の間の光信号のPDL角をもつ追加的な偏光状態についてのPDL OSNRペナルティーが決定されてもよい。たとえば、追加的な偏光状態は、10度、20度、30度および40度の光信号のPDL角を有していてもよい。光信号の複数の固定偏光状態についての組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーは、光信号のPDL角に対する、モデル化された光信号伝送経路400の組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーの分布を決定するために使われてもよい。
0度および45度のPDL角およびその中間の角をもつ光信号の固定偏光状態が選択されてもよいのは、モデル化された光信号伝送経路400における光ノード412、414、416、418のPDLに起因する光ピーク・パワー変動の量が0度の光信号のPDL角において最低であり、45度において最高であり、その中間でさまざまな量をもつからである。光ピーク・パワー変動の最低および最高量をもつPDL角を提供することによって、PDLと、組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーによって実証されるところのPDLとNL効果の間の相互作用とが、より正確にモデル化されうる。光信号の組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーの分布を決定するために使われる状態の数は変化してもよく、モデル化された光信号伝送経路400についての決定される有効偏光状態の精度に影響しうることを注意しておく。
光信号の有効偏光状態を決定するために、光信号のPDL角に対する、モデル化された光信号伝送経路400の組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーの決定された分布は、モデル化された組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーとの相関を調べられてもよい。より具体的には、モデル化された組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーの量は、PDL角に対する、組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーの分布と比較されて、どのPDL角において、モデル化された光信号伝送経路400が、モデル化された組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーに一致する組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーを生成したかを判定してもよい。モデル化された組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーを生成したPDL角が、モデル化された光信号伝送経路400についての有効偏光状態であってもよい。本質的には、モデル化された光信号伝送経路400について、有効偏光状態は、ランダムに変化する偏光状態を用いて実行されるシミュレーションによって生成される結果を近似する組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーを生成する。有効偏光状態はまた、光信号のPDLおよびランダムに変化する偏光状態が、組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーによってモデル化されるNL効果のような他の伝送特性に対してもちうる効果を決定するために使われてもよい。
いくつかの実施形態では、モデル化された光信号伝送経路400内のPDLの量が変えられてもよい。該変化のそれぞれについて、モデル化された光信号伝送経路400についてのモデル化されたPDLおよびモデル化されたPDL OSNRペナルティーが、光信号のランダムに変化する偏光状態を用いた複数のシミュレーションに基づいて決定されてもよい。各モデル化された光信号伝送経路400について、光信号のPDL角に対する組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーの分布が決定されてもよい。有効偏光状態は、モデル化された組み合わされたNLおよびPDL OSNRのそれぞれとその対応する分布の間の相関に基づいて決定されてもよい。変化するPDLをもつ複数のモデル化された光信号伝送経路400を使うことによって、より正確な結果が達成されうる。
有効偏光状態は、同様のパラメータをもつ他の光信号伝送経路をモデル化するために使用されてもよい。特に、有効偏光状態は、その有効偏光状態を導出するために使われたモデル化された光信号伝送経路400と同じ型の光ファイバー、データ変調フォーマットおよび/または分散マップをもつ他の光信号伝送経路をモデル化するために使用されてもよい。前記他の光信号伝送経路における他のパラメータは、その有効偏光状態を導出するために使われたモデル化された光信号伝送経路400において使われたパラメータとは異なっていてもよい。
光信号の有効偏光状態を決定したのち、経路計算エンジン306は、有効偏光状態およびその有効偏光状態を得るために使われた前記一つまたは複数のパラメータ(すなわち、光ファイバーの型、データ変調フォーマットおよび/または分散マップ)をデータベース330に記憶してもよい。
図7は、本稿に記載される少なくともいくつかの実施形態に基づいて構成される、光信号の有効偏光状態を得るために伝送特性の間の相関を例解するために使われる例示的なグラフ700を示している。グラフ700は、光信号伝送経路の組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーを、該光信号伝送経路内の光信号のPDL角と相関付けるy軸710およびx軸712を含んでいる。
グラフ700は、第一の光信号伝送経路における光信号のPDL角に対する、第一の光信号伝送経路の組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーの第一の分布720を示している。第一の分布720についての第一の光信号伝送経路は、約6dBのPDLおよび第一の光ファイバー型を有していてもよい。第一の分布720は、それぞれ点722、724、726、728、730、732によって表される、0、10、20、30、40および45度のPDL角をもつ光信号の固定偏光状態を用いて実行されたシミュレーションに基づいて決定されてもよい。シミュレートされた点722、724、726、728、730、732の間のグラフ700に示される線形分布は、シミュレートされた点722、724、726、728、730、732に基づいて外挿されるか他の仕方で計算されてもよい。
グラフ700は、当該光信号伝送経路における光信号のPDL角に対する、第二の光信号伝送経路の組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーの第二の分布740をも示している。第二の分布740についての第二の光信号伝送経路は、4dBのPDLおよび前記第一の光ファイバー型を有していてもよい。PDLの相違のほかは、第二の光信号伝送経路は第一の光信号伝送経路と同様であってもよい。第二の分布740は、それぞれ点742、744、746、748、750、752によって表される、0、10、20、30、40および45度のPDL角をもつ光信号の固定偏光状態を用いて実行されたシミュレーションに基づいて決定されてもよい。シミュレートされた点742、744、746、748、750、752の間のグラフ700に示される線形分布は、シミュレートされた点742、744、746、748、750、752に基づいて外挿されるか他の仕方で計算されてもよい。
グラフ700は、当該光信号伝送経路における光信号のPDL角に対する、第三の光信号伝送経路の組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーの第三の分布760を示している。第三の分布760についての第三の光信号伝送経路は、2dBのPDLおよび前記第一の光ファイバー型を有していてもよい。PDLの相違のほかは、第三の光信号伝送経路は第一および第二の光信号伝送経路と同様であってもよい。第三の分布760は、それぞれ点762、764、766、768、770、772によって表される、0、10、20、30、40および45度のPDL角をもつ光信号の固定偏光状態を用いて実行されたシミュレーションに基づいて決定されてもよい。シミュレートされた点762、764、766、768、770、772の間のグラフ700に示される線形分布は、シミュレートされた点762、764、766、768、770、772に基づいて外挿されるか他の仕方で計算されてもよい。
光信号のランダムに変化する偏光状態を用いた複数のシミュレーションに基づく、第一の光信号伝送経路についてのモデル化された組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーも決定されてもよい。第一の光信号伝送経路についてのモデル化された組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーは、X 780によって示されるように、第一の分布720上にマッピングされてもよく、第一の光信号伝送経路について、約29または30度の有効偏光状態を決定するために使われてもよい。
光信号のランダムに変化する偏光状態を用いた複数のシミュレーションに基づく、第二の光信号伝送経路についてのモデル化された組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーも決定されてもよい。第二の光信号伝送経路についてのモデル化された組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーは、X 782によって示されるように、第二の分布740上にマッピングされてもよく、第二の光信号伝送経路について、約28度の有効偏光状態を決定するために使われてもよい。
光信号のランダムに変化する偏光状態を用いた複数のシミュレーションに基づく、第三の光信号伝送経路についてのモデル化された組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーも決定されてもよい。第三の光信号伝送経路についてのモデル化された組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーは、X 784によって示されるように、第三の分布760上にマッピングされてもよく、第三の光信号伝送経路について、約23度の有効偏光状態を決定するために使われてもよい。
第一の光ファイバー型についての有効偏光状態は、上記第一、第二および第三の光信号伝送経路についての有効偏光状態に基づいて決定されてもよい。いくつかの実施形態では、第一の光ファイバー型についての有効偏光状態は、第一、第二および第三の光信号伝送経路についての有効偏光状態の平均、メジアン、重み付き平均または他の何らかの組み合わせであってもよい。他の実施形態では、第一の光ファイバー型についての有効偏光状態は、第一、第二および第三の光信号伝送経路についての最大の有効偏光状態であってもよい。第一、第二および第三の光信号伝送経路についての最大の有効偏光状態を選ぶことは、光信号伝送経路をモデル化するときの最大の組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーにつながりうる。状況によっては、あるシミュレーションについて最大の組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーをもつことは、モデル化に基づいて設計を損なうことなく、モデル化における誤差を許容しうる。
図8は、本稿で記載される少なくともいくつかの実施形態に基づいて構成された、光ネットワークをモデル化する例示的な方法800のフローチャートである。方法800は、いくつかの実施形態では、図3の光ネットワークの伝送特性をモデル化するためのシステム300のようなモデル化システムによって実装されてもよい。たとえば、図3のシステム300の経路計算エンジン306は、方法800のブロック802、804および/または806の一つまたは複数によって表される光ネットワークをモデル化するための動作を実行するためのコンピュータ命令を実行するよう構成されていてもよい。離散的なブロックとして示されているものの、所望される実装に依存して、さまざまなブロックがさらなるブロックに分割されてもよいし、より少数のブロックに組み合わされてもよいし、なくされてもよい。
方法800はブロック802で始まってもよい。ここでは、光ネットワーク内の光信号伝送経路の第一の伝送特性が得られる。第一の伝送特性は、光ネットワークのパラメータおよび光信号伝送経路内の光信号のランダムに変化する偏光状態に基づいていてもよい。
いくつかの実施形態では、第一の伝送特性は、光信号伝送経路の伝送特性を生成する、該光信号伝送経路の複数のシミュレーションに基づいていてもよい。それらのシミュレーションは、前記パラメータおよび光信号のランダムに変化する偏光状態を使って実行されてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、500、1000、5000、10000または他の何らかの回数のシミュレーションが実行されてもよい。
ブロック804では、光信号伝送経路の第二の伝送特性が、前記パラメータおよび光信号の第一の固定偏光状態に基づいて得られてもよい。いくつかの実施形態では、第二の伝送特性は、第一の固定偏光状態を使って光信号伝送経路の単一のシミュレーションに基づいて得られてもよい。これらおよび他の実施形態において、光信号の第一の固定偏光状態は、第二の伝送特性を生成する、当該シミュレーションを通じて固定したPDL角を有する光信号であってもよい。
第一および第二の伝送特性は、光信号伝送経路内の偏光依存性損失、光信号伝送経路内の非線形光学効果、光信号伝送経路内の偏光モード分散および光信号伝送経路内の増幅された自発放射効果を含んでいてもよい。代替的または追加的に、第一および第二の伝送特性のそれぞれはOSNRペナルティーとして表現されてもよい。
第一および第二の伝送特性を決定するために使われるパラメータは、光信号を担持するファイバーの型、光信号伝送経路内の光信号の分散特性、光信号の変調フォーマット、光信号の入力パワー、光信号伝送経路の長さおよび光信号伝送経路についてのデータ・レートを含んでいてもよい。
ブロック806では、光信号の有効偏光状態を得るために、前記パラメータおよび光信号の有効偏光状態に基づく光信号伝送経路のシミュレーションが前記第一の伝送特性を近似する伝送特性を生成するよう、第一の伝送特性が第二の伝送特性と相関付けされてもよい。いくつかの実施形態では、光信号の有効偏光状態は、光信号の偏光軸と光信号の偏光依存性損失の軸との間の、0度から45度までの間のある角度を有していてもよい。
いくつかの実施形態では、有効偏光状態を使った光信号伝送経路のシミュレーションは、NLおよびPDL効果の間の相互作用および光信号のランダムに変化する偏光状態から帰結する伝送特性を推定してもよい。
当業者は、本稿に開示されるこのおよびその他のプロセスおよび方法のために、該プロセスおよび方法において実行される機能は、異なる順序で実装されてもよいことを認識するであろう。さらに、概説されたステップおよび動作は単に例として与えられているのであり、開示される実施形態の本質を損なうことなく、ステップおよび動作のいくつかは任意的であってもよく、より少数のステップおよび動作に組み合わされてもよく、追加的なステップおよび動作に拡張されてもよい。
たとえば、方法800はさらに、有効偏光状態を前記パラメータと関連付けるデータベースを生成することを含んでいてもよい。代替的または追加的に、方法800はさらに、前記パラメータおよび光信号の第二の固定偏光状態に基づいて、光信号伝送経路の第三の伝送特性を得ることを含んでいてもよい。ここで、光信号の有効偏光状態は、第一の伝送特性と、第二および第三の伝送特性との相関付けに基づく。
図9は、本稿に記載される少なくともいくつかの実施形態に基づいて構成された、光信号伝送経路の伝送特性をモデル化する例示的なシステム900のブロック図である。システム900は、経路計算エンジン906、データベース930、パラメータ・モジュール940、プロセッサ950、メモリ960およびインターフェース・モジュール970を含んでいてもよい。
インターフェース・モジュール970は、モデル化されるべき光ネットワーク内の光信号伝送経路に関するデータを受領するよう構成されていてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、インターフェース・モジュール970は、人とのインターフェースをもち、光信号伝送経路についてのデータを受け取るよう構成されていてもよい。代替的または追加的に、インターフェース・モジュール970は、ある装置からその光信号伝送経路についてのデータを受け取るよう構成されていてもよい。インターフェース・モジュール970は、中でもファイバー型;ファイバー長;光信号伝送経路におけるDCM、ADM、増幅器、マルチプレクサまたはデマルチプレクサのようなコンポーネントの数および/または型;データ・レート;データの変調フォーマット;光信号の入力パワー;チャネルの数;チャネル間隔;トラフィック需要;ネットワーク・トポロジーといった、光信号伝送経路についてのデータを受け取ってもよい。図3のインターフェース・モジュール370と同様に、図9のインターフェース・モジュール970は、データを人から受け取るおよび/またはシミュレーション結果を人に対して出力することを容易にするための一つまたは複数の入力装置および/または出力装置を含んでいてもよいし、および/またはそのような入力装置および/または出力装置に結合されていてもよい。
パラメータ・モジュール940は、光信号経路について受け取られたデータに基づいて光信号伝送経路に関するパラメータを提供するよう構成されていてもよい。たとえば、パラメータ・モジュール940は、ファイバー型に関するパラメータ、たとえばファイバー型についての分散マップおよびファイバー型の他の光学的属性を提供してもよい。もう一つの例として、パラメータ・モジュール940は、光信号伝送経路中のコンポーネントに関するパラメータを提供してもよい。たとえば、パラメータ・モジュール940によって提供されるかかるコンポーネントのパラメータは、コンポーネントのPDLおよびコンポーネントの他の光学的属性を含んでいてもよい。本質的には、パラメータ・モジュール940は、光信号伝送経路をモデル化するために経路計算エンジン906が使用することがありうる光信号伝送経路中のコンポーネントの光学的属性の一部または全部を提供してもよい。
データベース930は、種々の光信号伝送経路についての有効偏光状態を含んでいてもよい。たとえば、データベース930は、光信号伝送経路において使用されうる種々の型のファイバーについての有効偏光状態を含んでいてもよい。代替的または追加的に、データベース930は、種々のファイバー型およびそのファイバー型を通じて伝送されるデータの異なる各変調フォーマットについて有効偏光状態を含んでいてもよい。代替的または追加的に、データベース930は、種々の分散マップをもつ光信号伝送経路についての有効偏光状態を含んでいてもよい。
経路計算エンジン906はパラメータ・モジュール940からのパラメータおよびインターフェース・モデル970およびデータベース930からのデータを、光信号伝送経路の伝送特性を決定するために使うよう構成されていてもよい。特に、経路計算エンジン906は、受領モジュール910および推定モジュール914を含んでいてもよい。受領モジュール910は、パラメータ・モジュール940からのパラメータおよびインターフェース・モジュール970およびデータベース930からのデータを受領するよう構成されていてもよい。特に、受領モジュール910は、パラメータ・モジュール940およびインターフェース・モジュール970からそれぞれパラメータおよびデータを受領してもよく、それらのパラメータおよびデータを、データベース930から有効偏光状態を選択するために使用してもよい。受領モジュール910はそれらのパラメータ、データおよび有効偏光状態を推定モジュール914に送ってもよい。
たとえば、インターフェース・モジュール970は、光信号伝送経路において使用されるファイバーの型および該ファイバーを通じて伝送されるデータの変調フォーマットに関する情報を受領するよう構成されていてもよい。インターフェース・モジュール970はそのデータを受領モジュール910に送ってもよい。受領モジュール910は、そのデータを、データベース930から、受領されたファイバー型および変調フォーマットに対応する有効偏光状態を選択するために使ってもよい。
推定モジュール914は、受領モジュール910から前記パラメータ、データおよび有効偏光状態を受領し、前記有効偏光状態、前記パラメータおよび前記データに基づいて、光信号伝送経路内の光信号のランダムに変化する偏光状態から帰結する光信号伝送経路の伝送特性を推定するよう構成されていてもよい。有効偏光状態を使うことによって、推定モジュール914は、ランダムに変化する偏光状態を用いた数百または数千回のシミュレーションを実行することなく、光信号伝送経路のPDLと光信号伝送経路内のNL光学効果の間の相互作用から帰結する伝送特性を推定してもよい。有効偏光状態を使うことは、推定モジュール914が、光信号伝送経路のPDL効果とNL効果の間の相互作用を取り入れつつも、ランダムに変化する偏光状態を使うよりも、数百倍高速に、光信号伝送経路の伝送特性の推定を実行することを許容しうる。
伝送特性を推定するために、推定モジュール914は色分散モジュール(CDモジュール)916、非線形効果モジュール(NLモジュール)918、偏光モード分散モジュール(PMDモジュール)922、偏光依存性損失モジュール(PDLモジュール)924および経路光信号対雑音比(path optical signal to noise ratio)モジュール(POSNRモジュール)926を含んでいてもよい。
POSNRモジュール926は、CD、NL、PMD、PDLその他のような伝送劣化因子に起因する伝送劣化がないとの想定のもとに、光信号伝送経路についての受領されたパラメータおよびデータに基づいて達成されうる最適なOSNRを計算するよう構成されていてもよい。
CDモジュール916は、光信号伝送経路に沿った色分散の劣化効果を判別するよう構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、CDモジュール916は、光信号伝送経路についてのCD OSNRペナルティーを決定してもよい。
NLモジュール918は、光信号伝送経路に沿ったNL効果の劣化効果を判別するよう構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、NLモジュール918は、ファイバー型、光信号伝送経路に沿って伝送されるデータの変調フォーマット、光信号伝送経路内のチャネル間隔、光信号伝送経路内のチャネル数および光信号伝送経路の分散マップといったデータに基づいてNL効果を決定してもよい。いくつかの実施形態では、NLモジュール918は光信号伝送経路についてのNL OSNRペナルティーを決定してもよい。
PMDモジュール922は、光信号伝送経路に沿ったPMDの劣化効果を判別するよう構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、PMDモジュール922は、光信号伝送経路についてのPMD OSNRペナルティーを決定してもよい。
PDLモジュール924は、光信号伝送経路に沿ったPDLの劣化効果を判別するよう構成されていてもよい。光信号伝送経路に沿った光信号のランダムに変化する偏光状態を考慮に入れるとき、PDLの量は、光信号のPDL角に基づいて変化しうる。これらの状況のもとでは、光信号伝送経路についてのPDLは、PDLの非一様な分布に基づいて計算されてもよい。いくつかの実施形態では、PDLモジュール924は、光信号伝送経路についてのPDL OSNRペナルティーを決定してもよい。
いくつかの実施形態では、PDLモジュール922またはNLモジュール918は、有効偏光状態を使って、NLおよびPDL両方の劣化効果およびNLとPDLの間の相互作用を判別してもよい。これらおよびその他の実施形態では、光信号伝送経路についての組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーも決定されてもよい。これらの状況では、組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティーが計算されるとき、個々のNLおよびPDL OSNRペナルティーは、推定モジュール914によって計算されなくてもよく、PDLモジュール922またはNLモジュール918の一つが利用されなくてもよい。
いくつかの実施形態では、推定モジュール914は、PDL OSNRペナルティー、CD OSNRペナルティー、NL OSNRペナルティー、PMD OSNRペナルティーのような計算されたOSNRペナルティーを組み合わせて、光信号伝送経路についての組み合わされたOSNRペナルティーを決定してもよい。他の実施形態では、推定モジュール914は、組み合わされたNLおよびPDL OSNRペナルティー、CD OSNRペナルティーおよびPMD OSNRペナルティーのような計算されたOSNRペナルティーを組み合わせて、光信号伝送経路についての組み合わされたOSNRペナルティーを決定してもよい。推定モジュール914は、組み合わされたOSNRペナルティーを、POSNRモジュール926によって計算された最適OSNRから減算することによって、光信号伝送経路についての推定されたOSNRを提供してもよい。光信号伝送経路についての推定されたOSNRは、光信号伝送経路を設計し、その設計を検証する際に使われてもよい。
いくつかの実施形態では、プロセッサ950は、システム900に本稿に記載される機能および動作を実行させるコンピュータ命令を実行するよう構成されていてもよい。コンピュータ命令はプロセッサ950による実行のためにメモリ960にロードされてもよく、および/または、本稿に記載される機能および動作の実行の際に生成、受領または操作されるデータが少なくとも一時的にメモリ960に記憶されてもよい。
経路計算エンジン906は推定モジュール914および受領モジュール910のようなさまざまな離散的なコンポーネントを示しているが、所望される実装に依存して、さまざまなコンポーネントはさらなるコンポーネントに分割されてもよいし、より少数のコンポーネントに組み合わされてもよいし、なくされてもよい。いくつかの実施形態では、システム900はシステム300と同様であってもよい。追加的または代替的に、システム900はNL効果とPDL効果の間の相互作用を判別するために光信号の偏光状態をランダムに回転させなくてもよいという点で、システム900はシステム300とは異なってもよい。これらおよびその他の実施形態において、システム900は、NL効果とPDL効果の間の相互作用を判別するために、有効偏光状態を使ってもよい。
本稿に記載される実施形態は、下記で詳細に論じるような、さまざまなコンピュータ・ハードウェアまたはソフトウェア・モジュールを含む特殊目的または汎用コンピュータの使用を含んでいてもよい。
本稿に記載される実施形態は、コンピュータ実行可能命令またはデータ構造を担持するまたは記憶しているコンピュータ可読媒体を使って実装されてもよい。そのようなコンピュータ可読媒体は、汎用または特殊目的コンピュータによってアクセスされうるいかなる利用可能な媒体であってもよい。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMまたは他の光ディスク記憶、磁気ディスク記憶または他の磁気記憶デバイスまたはコンピュータ実行可能命令またはデータ構造の形の所望されるプログラム・コード手段を担持もしくは記憶するために使用でき汎用もしくは特殊目的コンピュータによってアクセスできる他の任意の媒体を含む有形のコンピュータ可読を含んでいてもよい。上記のものの組み合わせもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
コンピュータ実行可能命令はたとえば、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータまたは特殊目的処理装置に、ある機能または一群の機能を実行させる命令およびデータを含む。主題は構造的な特徴および/または方法論的な工程に固有の言語で記述されてきたが、付属の請求項において定義される主題は必ずしも上記の特定の特徴または工程に限定されないことは理解しておくものとする。むしろ、上記の個別的な特徴および工程は請求項を実装する例示的な形として開示されているのである。
本稿での用法では、「モジュール」または「コンポーネント」の用語は、コンピューティング・システム上で実行されるソフトウェア・オブジェクトまたはルーチンを指しうる。本稿に記載される種々のコンポーネント、モジュール、エンジンおよびサービスは、コンピューティング・システム上で実行されるオブジェクトまたはプロセスとして(たとえば別個のスレッドとして)実装されてもよい。本稿に記載されるシステムおよび方法は、好ましくはソフトウェアにおいて実装されるが、ハードウェアまたはソフトウェアとハードウェアの組み合わせにおける実装も可能であり、考えられている。本稿において、「コンピューティング・エンティティ」は、本稿で先に定義した任意のコンピューティング・システムまたはコンピューティング・システム上で走る任意のモジュールもしくはモジュールの組み合わせであってよい。
本稿におけるあらゆる例および条件付きの言辞は読者が本発明および当該技術を発達させるために発明者によって寄与される概念を理解するのを助ける教育上の目的のために意図されており、そのように個別的に挙げられている例および条件に限定することなく解釈されるものとする。本発明の実施形態について詳細に記述してきたが、本発明の精神および範囲から外れることなく、それにさまざまな変更、置換および改変ができることは理解しておくべきである。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
光信号伝送経路をモデル化する方法であって:
光ネットワーク内の光信号伝送経路の第一の伝送特性を、前記光ネットワークのパラメータおよび前記光信号伝送経路内の光信号のランダムに変化する偏光状態に基づいて取得する段階と;
前記光信号伝送経路の第二の伝送特性を、前記パラメータおよび前記光信号の第一の固定した偏光状態に基づいて取得する段階と;
前記第一の伝送特性と前記第二の伝送特性との相関を調べて、前記パラメータおよび前記光信号の有効偏光状態に基づく前記光信号伝送経路のシミュレーションが、前記第一の伝送特性を近似する伝送特性を生成するよう、前記光信号の有効偏光状態を取得する段階とを含む、
方法。
(付記2)
前記有効偏光状態を前記パラメータと関連付けるデータベースを生成する段階をさらに含む、付記1記載の方法。
(付記3)
前記パラメータが、前記光信号を担持するファイバーの型、前記光信号伝送経路内の光信号の分散特性または前記光信号の変調フォーマットを含む、付記1記載の方法。
(付記4)
前記第一の伝送特性が前記光信号伝送経路の複数のシミュレーションに基づき、前記シミュレーションは、前記パラメータおよび前記光信号のランダムに変化する偏光状態を使って実行され、前記光信号伝送経路の伝送特性を生じる、付記1記載の方法。
(付記5)
前記光信号の前記有効偏光状態は、前記光信号の偏光軸と前記光信号の偏光依存性損失の軸との間の0度から45度までの間の角度を有する、付記1記載の方法。
(付記6)
前記第一および第二の伝送特性は前記光信号の光信号対雑音比である、付記1記載の方法。
(付記7)
前記光信号伝送経路の第三の伝送特性を、前記パラメータおよび前記光信号の第二の固定した偏光状態に基づいて取得する段階をさらに含み、
前記光信号の前記有効偏光状態は、前記第一の伝送特性と、前記第二および第三の伝送特性との相関に基づく、
付記1記載の方法。
(付記8)
光信号伝送経路をモデル化する動作をシステムに実行させるコンピュータ命令を実行するよう構成されたプロセッサであって、前記動作は:
光ネットワーク内の光信号伝送経路の第一の伝送特性を、前記光ネットワークのパラメータおよび前記光信号伝送経路内の光信号のランダムに変化する偏光状態に基づいて取得する段階と;
前記光信号伝送経路の第二の伝送特性を、前記パラメータおよび前記光信号の第一の固定した偏光状態に基づいて取得する段階と;
前記第一の伝送特性と前記第二の伝送特性との相関を調べて、前記パラメータおよび前記光信号の有効偏光状態に基づく前記光信号伝送経路のシミュレーションが、前記第一の伝送特性を近似する伝送特性を生成するよう、前記光信号の有効偏光状態を取得する段階とを含む、
プロセッサ。
(付記9)
前記動作が、前記有効偏光状態を前記パラメータと関連付けるデータベースを生成する段階をさらに含む、付記8記載のプロセッサ。
(付記10)
前記パラメータが、前記光信号を担持するファイバーの型、前記光信号伝送経路内の光信号の分散特性または前記光信号の変調フォーマットを含む、付記8記載のプロセッサ。
(付記11)
前記第一の伝送特性が前記光信号伝送経路の複数のシミュレーションに基づき、前記シミュレーションは、前記パラメータおよび前記光信号のランダムに変化する偏光状態を使って実行され、前記光信号伝送経路の伝送特性を生じる、付記8記載のプロセッサ。
(付記12)
前記光信号の前記有効偏光状態は、前記光信号の偏光軸と前記光信号の偏光依存性損失の軸との間の0度から45度までの間の角度を有する、付記8記載のプロセッサ。
(付記13)
前記第一および第二の伝送特性は前記光信号の光信号対雑音比である、付記8記載のプロセッサ。
(付記14)
前記動作が、前記光信号伝送経路の第三の伝送特性を、前記パラメータおよび前記光信号の第二の固定した偏光状態に基づいて取得する段階をさらに含み、
前記光信号の前記有効偏光状態は、前記第一の伝送特性と、前記第二および第三の伝送特性との相関に基づく、
付記8記載のプロセッサ。
(付記15)
光ネットワークの光信号伝送経路内の光信号の有効偏光状態を含むよう構成されたデータベースと;
前記データベースから前記光信号の有効偏光状態を受け取るよう構成され、前記有効偏光状態に基づいて、前記光信号伝送経路内の前記光信号のランダムに変化する偏光状態から帰結する前記光信号伝送経路の伝送特性を推定するよう構成された経路計算エンジンとを有する、
光信号伝送経路をモデル化するシステム。
(付記16)
前記経路計算エンジンが、前記有効偏光状態と、前記光信号を担持するファイバーの型、前記光信号の分散特性、前記光信号の変調フォーマット、前記光信号の入力パワー、前記光信号伝送経路の長さおよび前記光信号伝送経路のデータ・レートのうちの一つまたは複数とに基づいて伝送特性を推定するよう構成されている、付記15記載の方法。
(付記17)
伝送特性は前記光信号の光信号対雑音比である、付記15記載のシステム。
(付記18)
前記経路計算エンジンが、前記光信号伝送経路内の偏光依存性損失、前記光信号伝送経路内の非線形光学効果、前記光信号伝送経路内の偏光モード分散のうちの一つまたは複数から帰結する伝送特性を推定するよう構成されている、付記15記載のシステム。
(付記19)
前記経路計算エンジンが、前記有効偏光状態に基づいて、前記光信号のランダムに変化する偏光状態および偏光依存性損失との間の相互作用から帰結する伝送特性を推定するよう構成されている、付記15記載のシステム。
(付記20)
前記経路計算エンジンが、前記有効偏光状態に基づいて、前記光信号伝送経路の偏光依存性損失と前記光信号伝送経路内の非線形光学効果との間の相互作用から帰結する伝送特性を推定するよう構成されている、付記15記載のシステム。