JP6126540B2 - 関係性推定装置、関係性推定方法およびプログラム - Google Patents

関係性推定装置、関係性推定方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、関係性推定装置、関係性推定方法およびプログラムに関し、特に、複数の対象者間同志の関係性を推定する関係性推定装置に関するものである。
従来、ユーザの将来の行動を推定する情報処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この情報処理装置は、GPS部、ユーザ内的状態取得部、履歴取得部、行動候補推定部を備えている。
情報処理装置は、GPS部がユーザの保持する端末の位置情報を取得し、ユーザ内的状態取得部が3軸加速度センサの出力に基づいてユーザの内的状態を示すユーザ状態情報を取得し、履歴取得部が当該位置情報と当該ユーザ状態情報とを対応付けてユーザの行動履歴として取得する。そして情報処理装置は、行動候補推定部が当該ユーザの行動履歴に基づいて将来のユーザの複数の行動を推定し、その推定結果を複数の行動候補として出力する。
特開2013−206139号公報
しかしながら上述した特許文献1の情報処理装置においては、一人のユーザの行動を予測するものに過ぎなかった。本出願人は、複数の対象者同士が一緒に行動を共にしているような同行状態を検出することについては既に出願済みであるが、同行した対象者同士の関係性についてまでは推定できなかった。
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、同行した複数の対象者同士の関係性を推定できるようにした関係性推定装置、関係性推定方法およびプログラムを提案することにある。
このような目的を達成するために、本発明にかかる関係性推定装置は、2以上の対象者に装着されたセンサにより取得されたセンサデータに基づいて対象者同士が一緒に行動を共にする同行状態を検出する同行検出部と、前記対象者のうち対象者X1が他の対象者X2と前記同行状態にある同行時における前記対象者X1の活動状態を示す活動状態データである1つ以上の同行時活動状態データY12と、前記対象者X1が他のいずれの対象者とも前記同行状態にない通常時における前記対象者X1の活動状態を示す活動状態データである1つ以上の通常時活動状態データY1とを取得する活動状態取得部と、前記対象者X1と前記対象者X2との人間関係の繋がりに関する関係性を示す指標として、前記同行時活動状態データY12と前記通常時活動状態データY1とに基づいて、前記対象者X1が前記対象者X2の行動に合わせて譲歩している度合いを示す譲歩度J12を計算する譲歩度計算部とを備えている。
また、本発明にかかる上記関係性推定装置の一構成例は、前記対象者X1と前記対象者X2との間における前記関係性を推定する関係性推定部をさらに備え、前記活動状態取得部は、前記対象者X2が前記対象者X1と前記同行状態にある同行時における前記対象者X2の活動状態を示す活動状態データである同行時活動状態データY21と、前記対象者X2が他のいずれの対象者とも前記同行状態にない通常時における前記対象者X2の活動状態を示す活動状態データである通常時活動状態データY2とを取得し、前記譲歩度計算部は、前記同行時活動状態データY21と前記通常時活動状態データY2とに基づいて、前記対象者X2が前記対象者X1の行動に合わせて行動している度合いを示す譲歩度J21を計算し、前記関係性推定部は、前記譲歩度J12と前記譲歩度J21とを比較することにより、前記関係性として前記対象者X1と前記対象者X2との上下関係を推定するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記関係性推定装置の一構成例は、前記活動状態データが、単位時間当たりに前記対象者が歩いた歩数からなり、前記関係性推定部は、前記譲歩度J12と前記譲歩度J21との大小関係に基づいて、前記上下関係において前記対象者X1が前記対象者X2より下位,上位,同位に位置することを推定するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記関係性推定装置の一構成例は、前記関係性推定部が、前記譲歩度J12に関する過去の履歴に基づいて前記対象者X1の前記対象者X2に対する譲歩のし易さに関する傾向を認識するとともに、前記譲歩度J21に関する過去の履歴に基づいて前記対象者X2の前記対象者X1に対する譲歩のし易さに関する傾向を認識し、これら認識の結果を考慮して前記上下関係を推定するようにしたものである。
また、本発明にかかる他の関係性推定装置は、2以上の対象者に装着されたセンサにより取得されたセンサデータに基づいて対象者同士が一緒に行動を共にする同行状態を検出する同行検出部と、前記対象者のうち対象者X1が他の対象者X2〜Xn(nは2以上の整数)のそれぞれと前記同行状態にある同行時における、前記対象者X1の活動状態を示す活動状態データである同行時活動状態データY12〜Y1nを、それぞれ1つ以上取得する活動状態取得部と、前記対象者X1と前記対象者X2〜Xnとの人間関係の繋がりに関する関係性を示す指標として、前記同行時活動状態データY12〜Y1nと前記同行時活動状態データY1i(i=2〜nの整数のいずれか)とに基づいて、前記対象者X1から前記対象者Xiに向けられた感情の度合いを示す好感度P1iを計算する好感度計算部とを備えている。
また、本発明にかかる上記関係性推定装置の一構成例は、前記活動状態データが、単位時間当たりに前記対象者が歩いた歩数からなり、前記好感度P1iの正負に基づいて、前記対象者X1から前記対象者Xiに向けられた感情がポジティブなものかネガティブなものかを推定する関係性推定部をさらに備えている。
また、本発明にかかる上記関係性推定装置の一構成例は、前記関係性推定部が、前記好感度P1iに関する過去の履歴に基づいて前記対象者X1から前記対象者Xiに向けられた感情に関する傾向を認識し、前記認識の結果を考慮して前記対象者X1から前記対象者Xiに向けられた感情を推定するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記関係性推定装置の一構成例は、前記同行状態を検出した同行前後における前記センサデータの変化に基づいて、推定された前記関係性を補正する関係性補正部をさらに備えている。
また、本発明にかかる関係性推定方法は、2以上の対象者に装着されたセンサにより取得されたセンサデータに基づいて対象者同士が一緒に行動を共にする同行状態を検出する同行検出ステップと、前記対象者のうち対象者X1が他の対象者X2と前記同行状態にある同行時における前記対象者X1の活動状態を示す活動状態データである1つ以上の同行時活動状態データY12と、前記対象者X1が他のいずれの対象者とも前記同行状態にない通常時における前記対象者X1の活動状態を示す活動状態データである1つ以上の通常時活動状態データY1とを取得する活動状態取得ステップと、前記対象者X1と前記対象者X2との人間関係の繋がりに関する関係性を示す指標として、前記同行時活動状態データY12と前記通常時活動状態データY1とに基づいて、前記対象者X1が前記対象者X2の行動に合わせて譲歩している度合いを示す譲歩度J12を計算する譲歩度計算ステップとを備えている。
また、本発明にかかる他の関係性推定方法は、2以上の対象者に装着されたセンサにより取得されたセンサデータに基づいて対象者同士が一緒に行動を共にする同行状態を検出する同行検出ステップと、前記対象者のうち対象者X1が他の対象者X2〜Xn(nは2以上の整数)のそれぞれと前記同行状態にある同行時における、前記対象者X1の活動状態を示す活動状態データである同行時活動状態データY12〜Y1nを、それぞれ1つ以上取得する活動状態取得ステップと、前記対象者X1と前記対象者X2〜Xnとの人間関係の繋がりに関する関係性を示す指標として、前記同行時活動状態データY12〜Y1nと前記同行時活動状態データY1i(i=2〜nの整数のいずれか)とに基づいて、前記対象者X1から前記対象者Xiに向けられた感情の度合いを示す好感度P1iを計算する好感度計算ステップとを備えている。
また、本発明にかかるプログラムは、コンピュータが、前述したいずれかの関係性推定装置を構成する各部として機能させるためのプログラムである。
本発明によれば、センサにより取得されたセンサデータに基づいて同行を検出した対象者同士の関係性を推定することができる。
本発明の第1または第2の実施の形態における関係性推定システムの構成を示すシステム構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係る関係性推定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における関係性推定装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における同行検出部の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における歩数計により得られる歩数データの波形を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態における譲歩度計算部の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における教師無し機械学習法による譲歩度計算の一例を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態における教師有り機械学習法による譲歩度計算の一例を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態における関係性推定処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における推定結果に基づく対象者間の関係性を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係る関係性推定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態における推定結果に基づく対象者間の関係性を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<概要>
本実施の形態にかかる関係性推定装置は、関係性推定の対象者が装着している歩数計等のセンサにより得られるセンサデータを用いて特定の対象者同士が一緒に行動を共にしているという同行の有無を検出し、対象者それぞれの同行状態に応じて得られる、対象者の活動状態を表す複数の活動状態データを対象者ごとにそれぞれ取得し、対象者ごとの複数の活動状態データから算出される距離に基づいて、その対象者同士の組織上の繋がりまたは私的な繋がりを表す関係性を推定するものである。
<用語の定義>
本実施の形態における関係性推定システムの説明に入る前に、当該関係性推定システムで用いられる種々の用語の一部について説明する。
本実施の形態において、センサとは対象者の活動状態を検出する装置である。本実施の形態においてセンサとしては、対象者に装着される歩数計を例に説明する。しかしながらセンサは歩数計に限るものではなく、いわゆる活動量計であっても良い。このようなセンサはBluetooth(登録商標)、Wifi(登録商標)、赤外線等の無線通信デバイスを備えていることが望ましい。因みに歩数計とは、加速度センサによって加速度を検出し、歩数を計測するものである。しかしながら、これに限るものではなく、振り子によって加速度を検知し、その検知結果に基づいて歩数を計測するものであっても良い。
また、センサとしては、位置情報を取得するGPS機能を搭載した携帯端末、加速度を検出する加速度センサ、角速度を検出するジャイロセンサ、磁界の向きを検知する地磁気センサ、温度を検知する温度センサ、湿度を検知する湿度センサ、気圧を検知する気圧センサ、時刻情報を検出するタイマー、加速度計または消費カロリー計等を用いてもよい。さらに、これらのセンサを複数組み合わせて用いるようにしてもよい。
センサにより得られる「センサデータ」とは、センサによって得られる対象者のその時その時の活動量を表すデータである。例えば、センサとして歩数計が用いられているのであれば、当該歩数計から得られる単位時間当たりの歩数情報(例えば1分間当たりの歩数)をセンサデータ(歩数データ)として用いることができる。しかしながら、センサデータはこれに限るものではなく、センサとして加速度センサが用いられた場合、加速度データまたはこれに基づいて算出された対象者の歩数情報や消費カロリー等であってもよい。さらには、日記のような日時情報および行き先情報が記録された記録データをセンサデータとして読み出すようにしてもよい。
本実施の形態において用いる「歩数データ」は、例えば歩数計によって得られる1分間当たりの歩数情報と、その歩数情報が得られたときの時点を示す時刻情報とが組み合わされたものである。しかしながら、これに限るものではなく、歩数計によって得られる1秒間、または1時間当たりの歩数情報と、その歩数情報が得られたときの時点を示す時刻情報とが組み合わされたものであっても良い。例えば歩数計によって8時00分00秒から8時01分00秒までの1分間に得られた歩数データは、8時01分00秒の時刻情報と1分間当たりの歩数90歩などの歩数情報とが組み合わされたものとなる。なお、歩数データには、歩数計を装着している対象者を識別するための識別情報が含まれているものとする。
<第1の実施の形態における関係性推定システムの全体構成>
図1には、関係性推定システム100の全体構成を示す。この関係性推定システム100は、関係性推定の対象となる複数の対象者A〜Dがそれぞれ装着したセンサ(歩数計)SE1〜SE4と、当該センサSE1〜SE4からネットワークNWを介して得られるセンサデータ(歩数データ)S1〜S4に基づいて対象者A〜D同士の関係性を推定する関係性推定装置1と、センサデータ(歩数データ)S1〜S4を蓄積するデータ蓄積部2と、当該関係性推定装置1による関係性推定結果を表示する表示部3とを備えている。
ここで、対象者A、B、C、Dのうち3人または4人の同行状態が検出された場合に、その3人または4人の対象者同士の関係性を推定することも可能であるが、説明の便宜上、対象者A、B同士の2人の関係性を推定する場合について以下に説明する。
複数の対象者A〜Dは、それぞれ独自に行動しており、その行動がセンサSE1〜SE4によって歩数データS1〜S4として検出される。したがって、対象者A〜Dの行動に応じてセンサSE1〜SE4から得られる歩数データS1〜S4がアクセスポイントAPからネットワークNWを介して関係性推定装置1へ送られる。
関係性推定装置1は、センサSE1〜SE4から送られてきた対象者A〜Dの歩数データS1〜S4をデータ蓄積部2に順次蓄積していく。そして関係性推定装置1は、データ蓄積部2に蓄積した多数の歩数データS1〜S4のうち、歩数データS1、S2を用いて対象者A、B同士の関係性を推定し、その推定した関係性推定結果を視覚的かつ直感的に理解し易い形態で表示部3に表示するのである。
<第1の実施の形態における関係性推定装置の構成>
図2に示すように、関係性推定装置1は歩数データS1〜S4に基づいて複数の対象者A〜Dが同行しているか否かを検出する同行検出部4、対象者A〜Dの同行時の活動状態および同行時以外の通常時の活動状態を取得する活動状態取得部5、対象者A〜D間の同行時の活動状態と通常時の活動状態との相違に基づいて第1の指標としての譲歩度を計算する譲歩度計算部6と、対象者A〜Dごとの譲歩度の大小に基づいて対象者同士の関係性を推定する関係性推定部7とにより構成される推定部9、およびその関係性を補正する関係性補正部8を備えている。
この関係性推定装置1は、図3に示すように、CPU(Central processing Unit)10、メモリやハードディスクなどの記憶装置11、およびインタフェース部12からなるコンピュータ(ハードウェア)にプログラム(ソフトウェア)をインストールすることによって実現される。関係性推定装置1の各部4〜8による機能は、コンピュータの各種ハードウェア資源とプログラムとが協働することによって実現される。なお、プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体や記憶装置11に格納された状態で提供されてもよく、或いは電気通信回線を介して提供されてもよい。
<同行検出部>
同行検出部4は、複数の対象者A〜Dのそれぞれが他の対象者と行動を共にしていたと考えられる「同行状態」であったことを検出する機能部である。
より具体的には、同行検出部4は、複数の対象者A〜Dから得られるセンサデータ(本実施の形態においては歩数データS1〜S4)のうち、任意の2人の対象者のもの(例えば、対象者A、Bの歩数データS1、S2)に基づいてこの2人が同行状態であったか否かを判定し、両者が同行状態にあったことを検出した場合、同行状態にあったことを意味する同行検出結果T1を活動状態取得部5へ出力し、両者が同行していないことを検出した場合、同行状態にはなかったことを意味する非同行検出結果T2を活動状態取得部5へ出力するものである。以下、説明の便宜のため、同行検出の対象として着目する対象者A、Bが同時刻において一緒に行動を共にしていたことを意味する同行状態であったか否かを対象者A、Bの歩数データS1、S2に基づいて検出する場合を例に説明する。
同行検出部4のより具体的な機能構成を図4に基づいて説明する。同行検出部4は、センサ情報入力部21、類似情報算出部22、同行判定部23および関係強度情報算出部24を備えている。
<センサ情報入力部>
センサ情報入力部21は、対象者A〜DのセンサSE1〜SE4からアクセスポイントAPおよびネットワークNWを経由して送られてきた歩数データS1〜S4を順次受信して後述する類似情報算出部22に入力するものである。対象者A、Bに着目すると、歩数データS1、S2は対象者A、Bの例えば1分間ごとの歩数情報であるため、センサSE1、SE2から1分間隔で同じ時刻情報を持つ歩数データS1、S2がセンサ情報入力部21に入力される。なお、図4に示すように、歩数データS1、S2は、時間tに対応した対象者A、Bの1分間あたりの歩数の変化を表す波形として表現することができる。
<類似情報算出部>
類似情報算出部22は、センサ情報入力部21から供給された対象者A、Bの同じ時刻情報を持つ歩数データS1、S2に基づいて、お互いの行動(この場合は歩行)の類似度を示す類似情報R1を算出するものである。この類似情報R1は、例えば対象者A、Bにおける歩数データS1、S2を比較して、両者が一致する度合いが大きいほど高くなる値である。
したがって、所定の時間区間ごとに歩数データS1、S2から類似情報R1を算出し、その類似情報R1が大きければ、その時間区間において対象者Aと対象者Bとは同じ行動をとっていた可能性が高く、類似情報R1が小さければ、その時間区間において対象者Aと対象者Bと別々に行動していた可能性が高いと考えることができる。類似情報算出部22は、この類似情報R1を同行判定部23へ出力する。このような2つのデータに基づいて類似情報R1を算出する手法は公知技術であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
<同行判定部>
同行判定部23は、類似情報算出部22から供給された類似情報R1が予め決められた所定の閾値を越えているか否かに基づき、類似情報R1を算出する対象となった時間区間において対象者A、B同士が同行状態にあったか否かを判定するものである。
ここで類似情報R1が閾値を越えている場合、同行判定部23は、当該類似情報R1を算出する対象となった時間区間において対象者A、B同士が同行していたと判定する。また類似情報R1が閾値を越えていない場合、同行判定部23は、当該類似情報R1を算出する対象となった時間区間において対象者A、B同士が同行していなかったと判定する。
このような判定結果は、その時間区間に属する対象者A、Bの歩数データS1、S2の時刻情報と関連付けられ、その時刻情報の時点において当該対象者A、B同士が同行していたことを表す同行判定結果T1、またはその時刻情報の時点において対象者A、B同士が同行していなかったことを表す非同行判定結果T2としてデータ蓄積部2および後段の活動状態取得部5へ出力される。
したがって同行判定部23は、8時01分00秒の時刻情報が含まれた同行判定結果T1から、1分間おきに8時10分00秒の時刻情報が含まれた同行判定結果T1を連続して得ることができた場合には、同行判定部23は8時00分00秒から8時10分00秒までの10分間において対象者A、B同士が同行していたと判定することができる。このように同行判定部23は、同行の有無と同行時間についても判定することができるのである。
なお、閾値は、人手または統計的な処理によって、過去実際に対象者A、B同士が同行していたときの歩数データS1、S2を参考に決定してもよいが、関係性推定装置1の開発者や管理者により当該閾値が適宜設定しても良い。
<関係強度情報算出部>
関係強度情報算出部24は、同行判定部23に接続されており、対象者A、B間の同行判定結果T1、非同行判定結果T2に基づいて当該対象者A、B間の人間同士の繋がりの強さ表す関係強度情報K1を算出し、この関係強度情報K1を内部の記憶部に保持するとともに同行判定部23を介して後段の活動状態取得部5へ出力するものである。
この関係強度情報K1とは、センサSE1、SE2を装着している対象者A、B同士が同行判定結果T1に基づいて同行状態であった場合に、当該対象者A、B間の人間同士の繋がり、つまり結び付きの強さを表すものであり、例えば数値化した情報であっても良く、または「強い」、「弱い」等の段階的に示される情報であっても良い。
関係強度情報K1が数値化した情報として表される場合、同行判定部23の同行判定結果T1に基づいて同行状態であったと判定した対象者A、B同士の同行時間が長ければ長いほど大きな値として表される。但し、関係強度情報K1はこれに限るものではなく、同行判定部23の同行判定結果T1に基づいて同行状態であったと判定した対象者A、B同士の同行回数が多ければ多いほど大きな値として表されるようにしても良い。
同行検出部4は、以上のように複数の対象者A〜Dのうちの任意の2人について同行状態であったか否かを検出し、その結果を後述する活動状態取得部5へ出力する。したがって、対象者A〜D中の2人の全ての組み合わせについて同行検出を行うことにより、対象者A〜D中の各人が他の対象者と同行していた時間帯や同行していた相手を特定することができるのである。
<活動状態取得部>
活動状態取得部5(図2)は、同行検出部4の同行判定結果T1に基づいて、すなわち、各対象者が他の対象者と同行していた時間帯や同行していた相手に基づいて、任意の対象者が他の特定の対象者と同行状態にあったときの活動状態(以下、このように他の対象者と同行状態にあった状態を「同行時活動状態」という。)を表すセンサデータと、その対象者が当該他の対象者と同行状態になかったときの活動状態(以下、このように他の対象者と同行状態になかった状態を「通常時活動状態」という。)を表すセンサデータとを着目する対象者ごとに取得する機能部である。
ここで「活動状態」とは、対象者の動作の他、血圧や心拍数等の生理状態や嗜好等を含むもので、対象者または対象者の所有物に装着したセンサによって取得できる情報によって把握できるものである。
本実施の形態においては、対象者の活動状態を表すセンサデータとして、上述した歩数データを用いることとして説明するが、活動状態を表すセンサデータは、歩数データに限られるものではなく、例えば、対象者が通った経路に関する経路データや、加速度データを用いるようにしてもよい。これらの経路データや加速度データは、対象者が所持するスマートフォンやウェアラブル端末等の携帯情報機器のGPS(Global Positioning System)機能や加速度センサにより得ることが可能である。
また、ウェアラブル端末に取り付けられたセンサにより対象者のうなずきの量、身体の揺れ、対象者間の距離、食事所要時間および会話量等を、活動状態を表す情報として用いることもできる。さらに、食べ物の好みとして例えば味付け情報(塩分が多いまたは少ないという情報)についても対象者がセンサ付きフォークを用いることにより活動状態を表す情報として取得することもできる。
本実施の形態において、活動状態取得部5によって同行時活動状態を表すセンサデータと通常時活動状態を表すセンサデータとを取得するのは、対象者は他者との同行時にあっては一人でいるときの通常時活動状態とは異なる活動状態を示すと考えられるからである。この同行時活動状態と通常時活動状態との違いは、後述する推定部9の譲歩度算出部6により第1の指標である「譲歩度」として表される。
ここで「通常時活動状態」は、着目する2人の対象者のうちの1人について、他の対象者と同行状態になかったときの活動状態としてもよいが、この場合は、着目する2人以外の対象者と同行状態にあったときのセンサデータも、当該他の対象者と同行状態にない限り「通常時活動状態」を表すセンサデータ、すなわち通常時活動状態データとして扱われる。
着目する2人以外の対象者の影響を排除する必要がある場合には、当該対象者が他の対象者のいずれとも同行状態になかったとき、すなわち、当該対象者が一人でいたと考えられるときの活動状態を「通常時活動状態」とし、いずれかの対象者と同行状態にあったときのセンサデータは、「通常時活動状態データ」から除くようにしてもよい。
以下に、対象者A、Bに着目した場合を例に、活動状態取得部5の動作を説明する。なお、本実施の形態においては、着目する当該対象者AまたはBが他の対象者C、Dを含む他の対象者のいずれとも同行していなかったときを「通常活動状態」とする考え方に基づくものとする。
<同行時活動状態を表すデータの取得>
活動状態取得部5は、まず、一方の対象者Aについて、対象者Aが他の対象者Bと同行していたという同行判定結果T1に基づいて、同行判定結果T1の時刻情報に対応した対象者Aの歩数データS1をデータ蓄積部2から取得して、後述する譲歩度計算部6に出力する。
したがって、このときの対象者Aの歩数データS1は、対象者A、B同士が同行していたときの対象者Aの単位時間(1分間)当たりの歩数情報である。本実施の形態においては、対象者Aが対象者Bと同行しているときの対象者Aの同行時活動状態を表すセンサデータ(以下、「同行時活動状態データA1」という。)として、この歩数データS1を用いるものとする。
<通常時活動状態を表すデータの取得>
また、活動状態取得部5は、対象者Aに関する同行判定結果(または非同行判定結果)に基づいて、対象者Aが他の対象者のいずれとも同行していなかったときの歩数データS0をデータ蓄積部2から取得して、後述する譲歩度計算部6に出力する。この対象者Aの歩数データS0は、対象者Aが一人で行動しているときの対象者Aの単位時間(1分間)当たりの歩数情報である。本実施の形態においては、対象者Aが一人で行動しているときの対象者Aの通常時活動状態を表すセンサデータ(以下、「通常時活動状態データA2」という。)として、この歩数データS0を用いるものとする。
このようにして、活動状態取得部5は、対象者Aについて対象者Bと同行しているときの同行時活動状態と対象者Aが一人でいるときの通常時活動状態とをそれぞれ表す歩数データS1、S0をデータ蓄積部2から取得してこれらを譲歩度計算部6に出力する。
次いで、対象者Bについても、対象者Bに関する同行判定結果T1(または非同行判定結果T2)に基づいて、対象者Bが対象者Aと同行しているときの同行時活動状態を表すセンサデータ(以下、「同行時活動状態データB1」という。)と対象者Bの通常時活動状態を表すセンサデータ(以下、「通常時活動状態データB2」という。)とをそれぞれデータ蓄積部2から取得して譲歩度計算部6に出力する。
<譲歩度計算部>
推定部9の譲歩度計算部6は、上述した活動状態取得部5から入力された2人の対象者A、Bの活動状態を表すセンサデータから、着目する2人の対象者A、Bのそれぞれについて、両者が同行しているときの同行時活動状態と各人の通常時活動状態との間の距離(変化量)を「譲歩度」として求めるものである。
このような「譲歩度」は、1対の対象者(例えば、対象者A、B)の間において、例えば、対象者Aの譲歩度は、対象者Aが対象者Bと同行する際に対象者Bに合わせて行動している度合い、すなわち対象者Aが対象者Bに譲歩している度合いを表し、対象者Bの譲歩度は、対象者Bが対象者Aと同行する際に対象者Aに合わせて行動している度合い、すなわち対象者Bが対象者Aに譲歩している度合いを表すと考えることができる。
このような譲歩度は、例えば、活動状態を表すパラメータによって規定される空間において、同行時活動状態を表すセンサデータによって規定される部分空間と通常時活動状態を表すセンサデータによって規定される部分空間との距離や、同行時活動状態を表すセンサデータの代表値と通常時活動状態を表すセンサデータの代表値との差(距離)等によって表すことができる。
具体的には、対象者A、Bに着目すると、譲歩度計算部6は、対象者Aの対象者Bとの同行時活動状態データA1の平均値等の代表値と通常時活動状態データA2の平均値等の代表値との差を当該対象者Aの対象者Bに対する譲歩度J1として算出し、関係性推定部7へ出力する。また譲歩度計算部6は、対象者Bの同行時活動状態データB1の平均値等の代表値と通常時活動状態データB2の平均値等の代表値との差を当該対象者Bの譲歩度J2として算出し、関係性推定部7へ出力する。
例えば、対象者Aの通常時活動状態データA2として歩数データS0の平均値が「80歩/分」であるところ、同行時活動状態データA1として歩数データS1の平均値が「90歩/分」であった場合、対象者Aの通常時活動状態と対象者Bとの同行時活動状態との間には「10歩/分」の変化が生じている。これは、対象者Aは対象者Bとの同行時において、対象者Bに合わせて「10歩/分」だけ譲歩したと考えることができる。そこで、対象者Aの対象者Bに対する譲歩度J1は「10歩/分」とすることができる。
また、対象者Bの通常時活動状態データB2(歩数データ)の平均値が「120歩/分」であるところ、同行時活動状態データB1(歩数データ)の平均値が「90歩/分」であった場合、対象者Bの通常時活動状態と対象者Aとの同行時活動状態との間には「30歩/分」の変化が生じている。これは、対象者Bは対象者Aとの同行時において、対象者Aに合わせて「30歩/分」だけ譲歩したと考えることができる。したがって、この場合の対象者Bの譲歩度J2は「30歩/分」とすることができる。
このような譲歩度を計算する機能を実現するために、譲歩度計算部6は、図6に示すように、学習部42および譲歩度測定部43を備えている。ここで学習部42は、各対象者の活動状態に関するセンサデータに基づいて、それらが対象者の同行時活動状態のものであるか通常時活動状態のものであるかを学習により判別する機能部である。
また、譲歩度測定部43は、学習部42における学習結果に基づいて通常時活動状態から把握される活動状態と、同行時活動状態から把握される活動状態との距離を譲歩度として算出する機能部である。本実施の形態においてはセンサデータとしては歩数データが用いられ、具体的には、対象者Aにあっては同行時活動状態データA1および通常時活動状態データA2、対象者Bにあっては同行時活動状態データB1および通常時活動状態データB2を用いるものとして説明する。
学習部42における学習方法としては、例えば教師無し機械学習法(例えばLOF(Local Outlier Factor))や、教師有り機械学習法を用いることができる。
<教師無し機械学習法による学習と譲歩度の算出の例>
教師無し機械学習法を用いて対象者A、Bの関係における対象者A、Bの譲歩度J1、J2を求める方法の例について説明する。活動状態取得部5から入力された対象者Aの対象者Bとの同行時活動状態データA1および通常時活動状態データA2は、図7に示すように、「1分間あたりの歩数」と「時刻」とをパラメータとする2次元座標上の点として表すことができる。
教師無し機械学習法を用いて対象者A、Bの関係における対象者Aの譲歩度J1を求めるには、まず、学習部42は、対象者Aの対象者Bとの同行時活動状態データA1および通常時活動状態データA2を、時刻が互いに近いもの同士をグループ化して、クラスタC1、C2、C3およびC4に分類する。
例えば、クラスタC1は、対象者Aの出勤時刻における歩数データを含む集合であり、クラスタC2は対象者Aの休憩時刻における歩数データを含む集合であり、クラスタC3は対象者Aの帰宅時における歩数データを含む集合であると考えられる。これらは1分間あたりの歩数がおよそ揃っていることから、クラスタC1〜C3のセンサデータは通常時活動状態データA2であることがわかる。
これに対してクラスタC4のセンサデータは、クラスタC2と同じく対象者Aの休憩時刻における歩数データを含む集合であるが、通常時活動状態のクラスタC2とは異なり、1分間あたりの歩数が他のクラスタC1〜C3の値とは離れた値を持つ歩数データの集合であると考えられる。したがって、クラスタC4のセンサデータは同行時活動状態データA1であることがわかる。
このようにして、学習部42は、対象者Aの対象者Bとの同行時活動状態データA1および通常時活動状態データA2を分類したクラスタC1、C2、C3およびC4がそれぞれ同行時活動状態データであるか通常時活動状態データであるのかを特定し、その結果を学習結果G1として譲歩度測定部43へ出力する。
譲歩度測定部43は、クラスタC1〜C3のいずれかまたは全部の通常時活動状態データの代表値とクラスタC4の同行時活動状態データの代表値との間の距離を、対象者Aの対象者Bに対する譲歩度J1として算出する。
本実施の形態においては、譲歩度測定部43は学習結果G1に基づいて休憩時刻における通常時活動状態のクラスタC2の重心と同行時活動状態のクラスタC4の重心とのユークリッド距離D1を対象者Aの対象者Bに対する譲歩度J1として算出し、関係性推定部7へ出力する。以上のように、学習部42および譲歩度測定部43からなる譲歩度計算部6は、対象者Aの対象者Bに対する譲歩度J1を計算し、後述する関係性推定部7へ出力する。
また、譲歩度計算部6は、同様にして、対象者Bの対象者Aとの同行時活動状態データB1および通常時活動状態データB2に基づいて、対象者Bの対象者Aに対する譲歩度J2についても算出し、関係性推定部7へ出力する。
<教師有り機械学習法による学習と譲歩度の算出の例>
一方、教師無し機械学習法に代えて教師有り機械学習法を用いて対象者A、Bの関係における対象者A、Bの譲歩度を求めることもできる。
教師有り機械学習法において、活動状態取得部5から入力された対象者Aの対象者Bとの同行時活動状態データA1および通常時活動状態データA2は、図8に示すように、「1分間あたりの歩数」と「時刻」とをパラメータとする2次元座標上の点として表すことができる。このとき、上述した教師無し機械学習と異なり、各データには予め「同行時活動状態」か「通常時活動状態」かの別を示すラベルが付されている。
図8においては、同行時活動状態データA1を「×」のラベルで表し、通常活動状態データA2を通常活動状態を表す「○」のラベルで表す。このようにラベルによって識別されたデータに基づいて、上記の二次元空間を、通常活動状態データA1を含む領域AR1と、同行時活動状態データA2を含む領域AR2、AR3とに分割し、これらの領域の境界線L1、L2を定義しておく。学習部42は、これらの領域AR1、AR2、AR3および境界線L1、L2を学習結果G2として譲歩度測定部43へ出力する。
なお、学習部42により領域AR1、AR2、AR3および境界線L1、L2が定義されれば、新たに取得されたセンサデータをこの分割された空間に写像することによって、その新たなセンサデータが同行時活動状態時のものであるのか、それとも通常時活動状態時のものであるのかを判別することができる。すなわち、新たな対象者Aの歩数データS1の点P1が境界線L1、L2に基づいて領域AR1に位置付けられるのであれば通常活動状態の点であると判断し、境界線L1、L2に基づいて領域AR2またはAR3に位置付けられるのであれば同行時活動状態の点であると判断することができる。
ここで、例えば今回着目する対象者Aの歩数データS1の点P1が同行時活動状態の領域AR2に位置付けられたものであると学習部42が判断すると、譲歩度測定部43は点P1から境界線L1に垂線を下ろしたときの当該点P1から境界線L1までのユークリッド距離d2を対象者Aの譲歩度J1として算出し、関係性推定部7へ出力する。ちなみに、歩数データS1の点P1が同行時活動状態の領域AR3に位置付けられたものであると学習部42が判断した場合も同様の方法により対象者Aの譲歩度J1を算出する。また、譲歩度計算部6は、同様にして対象者Bの譲歩度J2についても算出し、関係性推定部7へ出力する。
なお、本実施の形態では、教師無し機械学習法または教師有り機械学習法において、譲歩度を表す「距離」としてユークリッド距離を採用しているが、これに限るものではなく、マハラノビス距離等の統計学的な距離を用いることも可能である。
また、本実施の形態においては、教師無し機械学習法または教師有り機械学習法において、活動状態を表すセンサデータとして歩数データを採用したことから、活動状態を表すパラメータとして「1分あたりの歩数」と「時刻」を用いたが、この他にも、曜日、天気などの各種パラメータを加えた多次元空間によって活動状態を表すことも可能である。
また、教師無し機械学習法において、クラスタC2、C4の重心の間の距離に代えて、クラスタC2のセンサデータの1分あたりの歩数の平均値とクラスタC4のセンサデータの1分あたりの歩数の平均値との差や、クラスタC2のセンサデータの1分あたりの歩数のピーク値とクラスタC4の1分あたりの歩数のピーク値との差、さらにはクラスタC2の標準偏差の値とクラスタC4の標準偏差の値との差を、対象者Aの対象者Bに対する譲歩度J1として算出してもよい。
<関係性推定部>
推定部9の関係性推定部7(図2)は、譲歩度計算部6から入力された譲歩度J1、J2に基づいて、着目する対象者A、Bの間の関係性を推定し、これを関係性推定結果Q1として関係性補正部8へ出力するものである。
ここで「関係性」とは、例えば組織上の関係または私的な人間関係の繋がりと理解することができる。例えば、組織上の関係は、対象者Aが対象者Bの上司であり、対象者Bが対象者Aの部下であるという職責上の上下関係が考えられる。このような関係性においては、職責上の権限の大小関係や、部下である対象者Bの尊敬の念が上司である対象者Aへ向かっているという方向性が存在すると考えることができる。
そこで、関係性推定部7は、譲歩度計算部6により算出した対象者Aの譲歩度J1および対象者Bの譲歩度J2を比較して、譲歩度J1、J2の大きい方の対象者が他の対象者よりも多く譲歩していると考え、例えば、会社組織内の上下関係で言えば、譲歩度の大きい方が部下であり、譲歩度の小さい方が上司である、といった対象者A、B同士の関係性を推定し、これを関係性推定結果Q1とする。
例えば、上述したような対象者Aの譲歩度J1は「10歩/分」であり、対象者Bの譲歩度J2は「30歩/分」であるとした例に基づけば、対象者Aの譲歩度J1<対象者Bの譲歩度J2であるので、関係性推定部7では、対象者Aが対象者Bの上司であり、対象者Bが対象者Aの部下であるという関係性推定結果Q1を得ることができる。
このように2人の対象者A、Bにおいて譲歩度J1、J2のより小さい方を他方の上司とするのは一例にすぎず、このような譲歩度J1、J2の大小関係に基づく関係性は、様々な事例を分析することによって定義することができる。その結果によっては、例えば、関係性推定部7はこれとは逆に、譲歩度J1、J2の小さい方が部下、譲歩度J1、J2の大きい方が上司であるとすることも可能である。いずれの場合も、対象者A、B間において双方の譲歩度J1、J2に違いがあれば、その関係性には一方から他方への方向性が存在すると解することができる。
また、関係性推定部7は、対象者Aの譲歩度J1と対象者Bの譲歩度J2とが同じである場合、対象者A、B同士の関係性は上司部下ではなく同僚の関係性であるとした関係性推定結果Q1を得ることもできる。
なお、上述したような関係性は、譲歩度の算出の元となる、活動状態取得部5によって取得される活動状態データの時間範囲を適当に選択することによって、対象者A、Bについて、例えば、1回の同行時の同行時活動状態と通常時活動状態との違いに基づく対象者A、Bの譲歩度J1、J2に基づいて対象者A、B同士の関係性を推定することもできるし、複数回の同行時の同行時活動状態のそれぞれと通常時活動状態との違いに基づく対象者A、Bの複数の譲歩度J1、J2に基づいて、対象者A、B同士の関係性を最終的に判断することも可能である。
特に後者の場合は、例えば、対象者Aが対象者Bの上司であるという関係性が4回推定され、対象者Bが対象者Aの上司であるという関係性が1回推定された場合には、推定回数の多い「対象者Aが対象者Bの上司である」という関係性を最終的な関係性推定結果Q1とすることができる。また、対象者Aが対象者Bの上司であるという関係性が3回推定され、対象者Bが対象者Aの上司であるという関係性が3回推定された場合には、推定回数が同じであるため「対象者Aと対象者Bとは同僚である」という関係性を最終的な関係性推定結果Q1とすることもできる。
また、関係性推定部7は、対象者A、Bの過去の譲歩度J1、J2の履歴を、当該対象者A、Bの個人的な譲歩し易さという傾向(以下、これを第1の傾向と呼ぶ。)を関係性推定時の一要素として考慮することができる。
例えば、関係性推定部7は、対象者Aの過去の譲歩度J1の履歴を参照し、当該対象者Aの過去の譲歩度J1が常に「0歩/分」であった場合、すなわち、同行時活動状態と通常時活動状態との間に差が見られない場合、対象者Aは対象者Bに対して譲歩し難い第1の傾向を持っていると認識する。
このような場合、関係性推定部7は、対象者Aの譲歩度J1が「10歩/分」であって、対象者Bの譲歩度J2が「30歩/分」であるため、対象者Aの譲歩度J1よりも対象者Bの譲歩度J2の方が大きいが、対象者Aの譲歩し難い第1の傾向を考慮して、対象者Aが対象者Bの部下であるという関係性を推定することができる。このような譲歩し易い、或いは譲歩し難いという2種類の第1の傾向が存在する場合、そのような傾向情報が予め対象者A、Bの識別情報にそれぞれ付加されているようにすればよい。
したがって関係性推定部7は、対象者Aの識別情報に対して譲歩し難いという第1の傾向の傾向情報が付加されており、対象者Bの識別情報に対しては傾向情報が何ら付加されていない場合、対象者Aの譲歩度J1の「10歩/分」に対して例えば重み係数「5」を乗算することにより対象者Aの譲歩度J1を「50歩/分」と計算し、対象者Bの譲歩度J2の「30歩/分」と比較する。この結果、重み計数の乗算された対象者Aの譲歩度J1の方が対象者Bの譲歩度J2よりも大きくなるため、対象者Aが対象者Bの部下であるという関係性を推定することができるのである。したがって、対象者A、Bの傾向情報に合わせた関係性推定結果Q1を得ることができる。
また関係性推定部7は、対象者A、Bの個人的状態を関係性推定時の一要素として考慮することができる。個人的状態とは、例えば、急いでいるのか否か等の状態が挙げられる。この場合、関係性推定部7は対象者A、Bのスケジュールデータを当該対象者A、Bの端末やサーバから取得して参照し、同行時の直後に対象者Aのスケジュールが存在したことを検出した場合、対象者Aのように通常時活動状態データA2の歩数データS0が「80歩/分」のところ、同行時活動状態データA1の歩数データS1が「90歩/分」になるような歩数増になっても、その要因が同行というだけではなく対象者Aがそもそも急いでいたという個人的状態を考慮し、譲歩度「10歩/分」に対して例えば「0.8」等の1.0以下の係数を乗算する。
これに対して、対象者Bのように通常時活動状態データA2の歩数データS0が「120歩/分」のところ、同行時活動状態データA1の歩数データS2が「90歩/分」になるような歩数減になっても、その要因が、対象者Bが急いでいるにも拘わらず同行により急ぐことができずに歩数減としているという個人的状態を考慮し、譲歩度「30歩/分」に対して例えば「1.2」等の1.0以上の係数を乗算する。そうすると、対象者Aの譲歩度J1が「8歩/分」となり、対象者Bの譲歩度J2が「36歩/分」となる。
これにより関係性推定部7は、対象者Aの譲歩度J1、対象者Bの譲歩度J2に基づいて対象者A、B同士の関係性を推定するだけでなく、対象者A、Bの個人的状態を関係性推定時の一要素として考慮した譲歩度J1、J2を求め、その譲歩度J1、J2に基づいて対象者A、B同士の関係性を推定することができるので、関係性推定結果Q1の精度を個人的状態に合わせて更に向上させることができる。
なお関係性推定部7は、対象者A、B同士の関係性を推定することに加えて、その関係性の時系列的な変化を推定する関係性変化推定部7a(後述する)を備えている。この関係性変化推定部7aは、対象者A、Bの譲歩度J1、J2の時系列変化を関係性推定時の一要素として考慮し、対象者A、B同士の関係性の変化を推定し、その関係性変化結果を関係性補正部8へ出力するものである。
この場合、関係性変化推定部7aは過去の一定期間における対象者A、Bの譲歩度J1、J2の時系列変化を監視し、当初は対象者Bの譲歩度J2の方が対象者Aの譲歩度J1よりも大きかったが、その後、対象者Aの譲歩度J1の方が対象者Bの譲歩度J2よりも大きくなった場合に、当初は対象者Aが対象者Bの上司であったが、その後対象者Bが対象者Aの上司になったという対象者A、B同士の関係性変化結果についても推定することができる。
具体的には、関係性変化推定部7aは対象者A、Bの前回の同行時における譲歩度J1、J2と今回の同行時における譲歩度J1、J2との差分を算出する。対象者Aの前回の同行時における譲歩度J1が「10歩/分」であり、対象者Bの前回の同行時における譲歩度J2が「30歩/分」であったところ、対象者Aの今回の同行時における譲歩度J1が「35歩/分」であり、対象者Bの今回の同行時における譲歩度J2が「5歩/分」であった場合、対象者Aの譲歩度J1の差分は「+25歩/分」となり、対象者Bの譲歩度J2の差分は「−25歩/分」となるため、対象者Aの譲歩度J1の方が対象者Bの譲歩度J2よりも大きくなる。これにより関係性推定部7は対象者A、B同士の関係性が時系列の変化とともに逆転したと推定することができる。
このように推定部9(譲歩度計算部6および関係性推定部7)は、対象者A、Bごとの同行状態に応じて得られる複数の活動状態データ(同行時活動状態データA1、B1および通常時活動状態データA2、B2)から算出される距離(譲歩度J1、J2)に基づいて対象者A、B同士の関係性を推定し、その関係性推定結果Q1を関係性補正部8へ出力できるのである。
<関係性補正部>
関係性補正部8(図2)は、推定部9の関係性推定部7により推定した対象者A、B同士の関係性推定結果Q1を必要に応じて補正することにより当該関係性推定結果Q1の精度を向上させた補正後の関係性推定補正結果Q1Sを得、これを表示部3へ出力し、最終的な表示内容として反映させるものである。
具体的には、関係性補正部8は対象者A、Bの同行前後における歩数データS1、S2を参照し、対象者A、Bの同行前活動状態(歩数情報)と同行後活動状態(歩数情報)とに基づいて対象者A、B同士の関係性推定結果Q1が正しいか否かを検証するとともに、当該関係性推定結果Q1に誤りがあると判断した場合には対象者A、B同士の関係性を補正した関係性推定補正結果Q1Sを求める。
例えば、関係性推定部7により対象者Aが上司であり対象者Bが部下であるという関係性推定結果Q1が得られた後、関係性補正部8により対象者Bの歩数が同行前よりも同行後の方が減少していることを検出した場合、部下の対象者Bは上司の対象者Aとの同行後に緊張が解けてリラックスした状態となったため同行前の歩数よりも同行後の歩数が減少していると考え、この場合対象者A、B同士の関係性推定結果Q1が正しいと解釈し、関係性補正部8は当該関係性推定結果Q1に対する補正を行わない。
また、関係性推定部7により対象者Aが上司であり対象者Bが部下であるという関係性推定結果Q1が得られた後、対象者Aの歩数が同行前よりも同行後に減少していることを検出した場合、上述したように、同行後に緊張が解けてリラックスした状態となったため同行前の歩数よりも同行後の歩数が減少していると考えられるため、この場合対象者Aは対象者Bの上司ではなく対象者Aが対象者Bの部下であった可能性が高いと解釈し、関係性補正部8は関係性推定部7により推定した対象者A、B同士の関係性推定結果Q1を補正し、対象者Aが部下であり対象者Bが上司であるとした関係性推定補正結果Q1Sに変更する。
このように関係性補正部8は、関係性推定部7により対象者A、B同士の関係性推定結果Q1を得た後、対象者A、Bの同行前後における同行前活動状態および同行後活動状態の変化に基づいて関係性推定結果Q1の確からしさ検証するとともに、当該関係性推定結果Q1が誤りの可能性が高いと判断した場合には関係性推定補正結果Q1Sに補正する。
<表示部>
表示部3は、関係性補正部8から供給される関係性推定結果Q1または関係性推定補正結果Q1Sに基づいて対象者A、Bの関係性を視覚的かつ直感的に理解できるよう有向グラフ化した状態でモニタに表示するものである。
表示部3は、まず関係性推定結果Q1または関係性推定補正結果Q1Sに基づいて対象者A、Bが同行していたことを認識すると、当該対象者A、Bのアイコン間を結ぶ線分を表示する。そして表示部3は、同行検出部4の関係強度情報算出部24で算出した関係強度情報K1の値が所定の閾値を越えている場合には対象者A、Bのアイコン間を結ぶ線分を太線で表示し、関係強度情報K1の値が所定の閾値以下である場合には対象者A、Bのアイコン間を結ぶ線分を細線で表示する。
そのうえで表示部3は、関係性推定部7および関係性補正部8を介して得られた関係性推定結果Q1または関係性推定補正結果Q1Sに基づいて、対象者A、B同士の関係性が方向性を意味していることを考慮し、その方向性に応じて対象者A、Bのアイコン間を結ぶ線分に矢印を付し、当該矢印により対象者A、B同士の関係性を示す。例えば対象者Aが対象者Bの上司である場合には、対象者A←対象者Bのように対象者A、B間を結ぶ線分に矢印を付し、対象者Aが対象者Bの部下である場合には、対象者A→対象者Bのように対象者A、Bのアイコン間を結ぶ線分に矢印を付して表示する。
なお表示部3は、関係性推定部7の関係性変化推定部7aにより対象者A、Bの譲歩度J1、J2の時系列変化を監視した結果、当初対象者Aが対象者Bの上司であったが、その後、対象者Aが対象者Bの部下になったことを認識した場合、例えば対象者A←対象者Bの矢印を破線で付すとともに、対象者A→対象者Bの矢印を実線で付して表示することができる。
さらに表示部3は、関係性推定部7により対象者A、B同士が同僚の関係性であると推定された場合、例えば対象者A←→対象者Bのように対象者A、Bのアイコン間を結ぶ線分に対して両矢印を付して表示することができる。
<第1の実施の形態における関係性推定装置の動作>
このような構成の関係性推定装置1の動作について図9のフローチャートを用いて説明する。関係性推定装置1は、ルーチンRT1の開始ステップから入って次のステップSP1へ移り、同行検出部4により現在着目している対象者A、B同士の歩数データS1、S2に基づいて同行検出を行い、同行の有無およびその同行期間や、対象者A、B間の関係強度情報K1を当該同行検出部4の検出結果として活動状態取得部5へ出力する。
ステップSP2において関係性推定装置1は、ステップSP1における同行検出部4の検出結果として対象者A、B同士が同行していることを検出できたか否かを判定し、非同行判定結果T2に基づいて同行していないという検出結果が得られたときは次のステップSP3へ移り、同行判定結果T1に基づいて対象者A、B同士が同行しているという検出結果が得られたときは次のステップSP4へ移る。
ステップSP3において関係性推定装置1は、対象者A、B同士が同行していないときの対象者A、Bそれぞれの通常時活動状態データA2(歩数データS0)を活動状態取得部5により取得し、次のステップSP5へ移る。
ステップSP4において関係性推定装置1は、対象者A、B同士が同行しているときの対象者A、Bそれぞれの同行時活動状態データA1(歩数データS1)を活動状態取得部5により取得し、次のステップSP5へ移る。
ステップSP5において関係性推定装置1は、対象者A、B同士が同行していないときの通常時活動状態データA2および対象者A、B同士が同行しているときの同行時活動状態データA1の両方を取得できたか否かを判定し、両方を取得できていないときはステップSP2に戻って上述の処理を繰り返し、両方を取得できたときは次のステップSP6へ移る。
ステップSP6において関係性推定装置1は、譲歩度計算部6により教師無し機械学習法または教師有り機械学習法などによって、対象者A、Bそれぞれの通常時活動状態データA2と同行時活動状態データA1との距離d1、d2を求めることにより当該対象者A、Bの譲歩度J1、J2をそれぞれ計算する。
ステップSP7において関係性推定装置1は、推定部9の譲歩度計算部6で計算された対象者A、Bの譲歩度J1、J2の比較結果(大小)に基づいて、当該対象者A、B同士の関係性を関係性推定部7により推定することにより関係性推定結果Q1を得、次のステップSP8へ移る。
ステップSP8において関係性推定装置1は、関係性推定部7により推定された対象者A、B同士の関係性推定結果Q1に対し、関係性補正部8により対象者A、Bの同行前後における同行前活動状態の歩数データと同行後活動状態の歩数データとを比較することにより、対象者A、B同士の関係性推定結果Q1が正しいか否かを検証するとともに、その関係性推定結果Q1に誤りがあると判断した場合には関係性補正部8により対象者A、B同士の関係性を補正し、その関係性推定補正結果Q1Sを表示部3へ出力した後、次のステップSP9へ移る。なお関係性推定装置1は、関係性推定結果Q1に誤りがないと判断した場合には、その関係性推定結果Q1を補正することなくそのままの状態で表示部3へ出力する。
ステップSP9において関係性推定装置1は、表示部3により、関係性推定部7および関係性補正部8を介して得られた関係性推定結果Q1または関係性推定補正結果Q1Sに基づく対象者A〜D同士の関係性について、図10に示すような対象者A〜Dのアイコン間の線分を矢印により示す有向グラフ化した人間関係グラフHG1として表示し、一連の処理を終了する。
この場合、○は対象者A、B、C、Dのアイコンを示しており、対象者A、B、C、Dのアイコン間の線分の太さは関係強度情報K1に基づく対象者間の関係性の強さに比例して太く表示されている。この場合、対象者間の線分の存在により対象者同士の同行の有無が示されており、同行したことのない対象者間には線分が表示されることはない。この場合、例えば対象者A、B同士が同行したことがあり、当該対象者Aが当該対象者Bの上司であることが矢印によって示されるとともに、対象者A、B同士が同行したことがあり、当該対象者Bが当該対象者Cの上司であることが矢印によって示されている。
したがって、表示部3により表示された複数の対象者A、B、C、D間における同行の有無や関係性の強さが対象者A、B、C、Dのアイコン間の線分の太さによって直感的に理解させることができるうえ、その対象者A、B、C、D同士の関係性についてもアイコン間の線分に付された矢印によって直感的に理解させることができる。さらに対象者C、D同士が同僚であり組織上の上下関係が無い場合には、対象者C、Dのアイコン間に両矢印が表示されるため、対象者C、D同士の関係性についても同僚であることを瞬時かつ直感的に理解させることができる。
このように関係性推定装置1は、対象者A〜Dにそれぞれ装着されたセンサSE1〜SE4から得られる歩数データS1〜S4だけを用いて、対象者A〜D同士の関係性を推定し、その関係性を直感的に理解できるような人間関係グラフHG1を表示部3に表示することができる。
<第2の実施の形態における関係性推定システムの全体構成>
第2の実施の形態における関係性推定システムは、関係性推定の対象者が装着している歩数計等のセンサにより得られるセンサデータ(歩数データ)を用いて例えば着目する対象者Aの他の対象者B〜Dとの同行時における当該他の対象者B〜Dに対する第2の指標としての好感度を求め、その好感度に基づいて対象者Aの対象者B〜Dに対する1対nの好意関係を推定するものである。もちろん、第2の実施の形態における関係性推定システムにおいては、対象者Aだけではなく、対象者B、C、Dの他の対象者との同行時における当該他の対象者に対する1対nの好意関係を推定することも可能である。
図1に示されるように、第2の実施の形態における関係性推定システム200について説明するが、第1の実施の形態における関係性推定システム100の関係性推定装置1に替えて、対象者間の好意関係を推定する関係性推定装置111が設けられている以外の構成は同じであるため、その説明を省略する。
<第2の実施の形態における関係性推定装置の構成>
図2との対応部分に同一符号を付した図11に示すように、関係性推定装置110は同行検出部4、活動状態取得部5、好感度計算部112および関係性推定部7からなる推定部111を備えており、第1の実施の形態における推定部9の譲歩度計算部6に替えて好感度計算部112が設けられた構成を有する。
関係性推定装置110の同行検出部4は、センサSE1〜SE4からの歩数データS1〜S4に基づいて好感度計算の対象となる対象者Aの対象者B〜Dに対する同行状態を検出し、対象者B〜Dごとの同行判定結果T1または非同行判定結果T2を活動状態取得部5へ出力する。
活動状態取得部5は、同行検出部4からの同行判定結果T1に基づいて対象者Aの対象者B〜Dとの同行時活動状態データAB1、AC1、AD1をそれぞれ取得し、これらを推定部111の好感度計算部112へ出力する。
推定部111の好感度計算部112は、着目する対象者Aが同行時の他の対象者B〜Dに対してどの程度の好感または嫌悪感を持っているか、すなわちポジティブな感情(プラス極性)を有しているか、またはネガティブな感情(マイナスの極性)を有しているかを表す第2の指標である好感度PB1、PC1、PD1を算出するものである。
具体的に好感度計算部112は、活動状態取得部5から供給された対象者Aの対象者B〜Dとの同行時活動状態データAB1、AC1、AD1の全平均値(以下、これを「基準指標」と呼ぶ。)と、対象者Aの複数の対象者B〜Dに対するそれぞれの同行時活動状態データAB1の平均値(以下、これを「対象者指標」と呼ぶ。)、同行時活動状態データAC1の平均値(対象者指標)、同行時活動状態データAD1の平均値(対象者指標)とをそれぞれ比較し、同行時活動状態データAB1、AC1、AD1の全平均値(基準指標)と各同行時活動状態データAB1、AC1、AD1の平均値(対象者指標)との間のそれぞれの差(距離)を第2の指標である好感度PB1、PC1、PD1として算出し、これらを関係性推定部7へ出力する。ここで、第2の指標とは好感度PB1、PC1、PD1だけではなく、当該好感度PB1、PC1、PD1を算出するための「基準指標」および「対象者指標」をも含む概念である。
関係性推定部7は、好感度計算部112から供給された好感度PB1、PC1、PD1に基づいて、対象者Aの対象者B〜Dへ向けられたポジティブな感情またはネガティブな感情の度合いを示す好意関係をそれぞれ推定し、これを好意関係推定結果Z1として表示部3へ出力する。
例えば、同行時活動状態データAB1、AC1、AD1の全平均値(基準指標)と同行時活動状態データAB1の平均値(対象者指標)との間の差(距離)が一番長い場合、対象者Aが対象者Dに対して最も強いポジティブな感情を持っていると考えることができるので、対象者Dと同行しているときには、当該対象者Dに対する対象者Aのポジティブな感情が対象者A、D同士の同行時の同行時活動状態データD1に反映されるはずである。
したがって、対象者Aが対象者Dと同行したときには、対象者Aの気分が高揚して1分間当たりの歩数が多くなると考えられるため、対象者Aの同行時活動状態データAD1の平均値(対象者指標)が同行時活動状態データAB1、AC1、AD1の全平均値(基準指標)よりも大きく上回り、その距離(好感度PD1)はプラス側に最も大きな値(プラス極性)となる。この場合、関係性推定部7は、対象者Aが対象者Dに対して最も高好感度であると推定し、これを好意関係推定結果Z1として表示部3へ出力する。
また関係性推定部7は、対象者Aの同行時活動状態データAD1の平均値(対象者指標)が同行時活動状態データAB1、AC1、AD1の全平均値(基準指標)よりも下回り、その距離(好感度PD1)がマイナス側の値(マイナス極性)となっている場合、対象者Dとの同行時に対象者Aの気分が落ち込んで1分間当たりの歩数が少なくなると考えられるため、対象者Aが対象者Dに対して嫌悪感すなわちネガティブな感情を有していると推定することができる。
その一方で関係性推定部7は、対象者Aが対象者Dに対して最も強いポジティブな感情を持っている場合、対象者Aが対象者Dと同行したときに、対象者Aが対象者Dと出来るだけ長い時間一緒に居たいという心理により1分間当たりの歩数が少なくなると考えることもできる。この場合、対象者Aの同行時活動状態データAD1の平均値が同行時活動状態データAB1、AC1、AD1の全平均値よりも大きく下回り、その距離(好感度PD1)はマイナス側に最も大きな値となるので、関係性推定部7は対象者Aが対象者Dに対して高好感度であると判定し、この判定結果を好意関係推定結果Z1として表示部3へ出力することも可能である。
さらに関係性推定部7は、対象者Aの対象者Dに対する好感度PD1だけでなく、対象者B、Cに対する好感度PB1、PC1や、対象者Dの対象者Aに対する好感度など、着目する対象者と、それ以外の他の対象者との間の相互の好感度をそれぞれ算出することができ、その算出結果の好感度に応じた判定結果を対象者A〜D間の好意関係推定結果Z1として表示部3へ出力することができる。
このように推定部111(好感度計算部112および関係性推定部7)は、対象者Aの他の対象者B〜Dごとの同行状態に応じて得られる複数の活動状態データ(同行時活動状態データAB1、AC1、AD1)から得られる基準指標および対象者指標に基づいて算出される距離を好感度PB1、PC1、PD1として求め、これらの好感度PB1、PC1、PD1に基づいて対象者Aの他の対象者B〜Dに対する好意関係を推定し、その好意関係推定結果Z1を関係性補正部8へ出力できるのである。
ここで好意関係推定結果Z1は、私的な人間関係の繋がりにおいて、例えば対象者Aが対象者Dに好意を持っているという好意関係を表現するものであるが、この好意関係推定結果Z1には対象者Aの気持ちが対象者Dへ向かっているという方向性に加え、対象者Aが対象者Dに対してポジティブな感情(プラス極性)またはネガティブな感情(マイナス極性)を有しているかの方向性の「極性」が存在すると考えることができる。
したがって表示部3は、関係性推定部7から供給された好意関係推定結果Z1に応じて例えば対象者Aの対象者Dへ向けられたポジティブな感情があることを認識した場合、図12に示すような対象者A、D間を結ぶ線分に当該対象者Aから対象者Dへ向けられる矢印を付すとともに、その矢印を赤色(RED)で表現する有向グラフ化した人間関係グラフHG2を表示することにより、対象者Aが対象者Dに対しポジティブな感情を持っていることを矢印および赤色によって瞬時かつ直感的に理解させることができる。
また表示部3は、好意関係推定結果Z1に応じて例えば対象者Dの対象者Aへ向けられたポジティブな感情があることについても認識した場合には、対象者Aから対象者Dへ向けられる赤色の矢印に加えて、対象者Dから対象者Aへ向けられる矢印を赤色(RED)で付した人間関係グラフHG2(図12)を表示することにより、対象者A、D同士は赤色の両矢印によりお互いにポジティブな感情を持ち合わせた良好な関係にあることを瞬時かつ直感的に理解させることができる。
さらに表示部3は、関係性推定部7から供給された好意関係推定結果Z1に応じて例えば対象者Aの対象者Bへ向けられたネガティブな感情があることを認識した場合、対象者A、B間を結ぶ線分に当該対象者Aから対象者Bへ向けられる矢印を付すとともに、その矢印を青色(BLUE)で表現する人間関係グラフHG2(図12)を表示することにより、対象者Aが対象者Bに対しネガティブな感情を持っていることを矢印および青色によって瞬時かつ直感的に理解させることができる。
なお、表示部3は、ポジティブな感情を赤色の矢印で表現するとともにネガティブな感情を青色の矢印で表現するようにしたが、これに限るものではなく、ポジティブな感情を濃い色の矢印、太線の矢印、実線の矢印で表現するとともにネガティブな感情を淡い色の矢印、細線の矢印、破線の矢印で表現するようにしても良い。また、最もシンプルな表現形式としては、ポジティブな感情を矢印で表現するとともにネガティブな感情を×の付いた矢印で表現するようにしても良い。
また関係性推定部7は、着目する対象者Aの他の対象者B〜Dに対する過去の好感度PB1、PC1、PD1の履歴に基づく当該対象者Aの他の対象者B〜Dへの個人的な感情(ポジティブな感情またはネガティブな感情の極性)の傾向(以下、これを第2の傾向と呼ぶ。)を関係性推定時の一要素として考慮することができる。
関係性推定部7は、例えば、着目する対象者Aの他の対象者Dに対する過去の好感度PD1が複数回ともにネガティブが感情の極性を有していたが、今回の好感度PD1がポジティブの感情の極性を有していたとしても、対象者Aの対象者Dに対して過去ネガティブな感情を有していたという第2の傾向を考慮し、対象者Aが対象者Dに対しネガティブな感情を持っているという好意関係性を推定することができる。
なお、関係性変化推定部7aは、着目する対象者Aの他の対象者B〜Dに対する好感度PB1、PC1、PD1の時系列変化を関係性推定時の一要素として考慮し、対象者Aと対象者B〜D同士の関係性の変化を推定し、その関係性変化結果を関係性補正部8へ出力することができる。
この場合、関係性変化推定部7aは過去の一定期間における対象者Aの他の対象者B〜Dに対する好感度PB1、PC1、PD1の時系列変化を監視し、当初、対象者Aは対象者Dに対してネガティブな感情を有していたが、その後、対象者Aは対象者Dに対してポジティブな感情を有するようになったという対象者A、D同士の関係性変化結果についても推定することができる。
さらに、関係性補正部8は、関係性推定部7により推定された対象者A、D同士の好意関係推定結果Z1に対し、対象者A、Dの同行前後における同行前活動状態の歩数データと同行後活動状態の歩数データとを比較することにより、対象者A、D同士の好意関係推定結果Z1が正しいか否かを検証するとともに、その好意関係推定結果Z1に誤りがあると判断した場合には対象者A、D同士の関係性を補正し、その好意関係推定補正結果Z1Sを表示部3へ出力することができる。但し、関係性補正部8は、関係性推定部7による好意関係推定結果Z1に誤りがないと判断した場合には、その好意関係推定結果Z1を補正することなくそのままの状態で表示部3へ出力する。
(7)他の実施の形態
なお、上述した第1および第2の実施の形態においては、4名の対象者A〜D同士の関係性を推定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、更に多くの複数の対象者同士の関係性を推定するようにしても良い。
また上述した第1および第2の実施の形態においては、対象者A、B同士の関係性として組織における上司部下のような組織上の上下関係や、対象者Aが対象者Bを好きという私的な好意関係を推定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、対象者同士の個人的な相性を推定するようにしても良い。例えば、対象者同士の相性を示す場合は、対象者ごとの譲歩度が互いに同じか或いは互いに近い場合に相性が良いと推定し、対象者同士を結ぶ線分に両矢印を付して表示してもよい。
さらに上述した第1の実施の形態においては、対象者A〜D同士の組織上の上下関係を推定し、第2の実施の形態においては対象車Aの他の複数の対象者B〜Dに対する好意関係を推定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、組織上の上下関係および好意関係の双方を同時に推定するようにしてもよい。この場合、表示部3は組織上の上下関係を表示するモードが選択された場合には組織上の上下関係を表す人間関係グラフHG1を表示した後、私的な好意関係を表示するモードが選択された場合には、組織上の上下関係から私的な好意関係を表す人間関係グラフHG2を表示することにより、着目する対象者Aについて他の対象者B〜Dとの間の組織上の上下関係および私的な好意関係の双方を認識させることができる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、対象者A〜D同士の関係性を対象者間の線分に矢印を付すことにより表現するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該線分の太さ、濃淡、線分の線種(実線、破線等)等のその他種々の表示形態で対象者A〜D同士の関係性を表現するようにしても良い。
さらに上述した第1および第2の実施の形態においては、関係性推定装置1、111が外部の表示部3に対して関係性推定結果Q1や好意関係性推定結果Z1を出力することにより対象者A〜D同士の関係性を表現するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、表示部3を外部ではなく関係性推定装置1、111とともに一体に設けるようにしても良い。
1、110…関係性推定装置、2…データ蓄積部、3…表示部、4…同行検出部、5…活動状態取得部、6…譲歩度計算部(第1の指標計算部)、7…関係性推定部、7a…関係変化推定部、8…関係性補正部、9…推定部、10…CPU、11…記憶装置、12…インタフェース部、21…センサ情報入力部、22…類似情報算出部、23…同行判定部、24…関係強度情報算出部、42…学習部、43…譲歩度測定部、100、200…関係性推定システム、111…推定部、112…好感度計算部(第2の指標計算部)。

Claims (11)

  1. 2以上の対象者に装着されたセンサにより取得されたセンサデータに基づいて対象者同士が一緒に行動を共にする同行状態を検出する同行検出部と、
    前記対象者のうち対象者X1が他の対象者X2と前記同行状態にある同行時における前記対象者X1の活動状態を示す活動状態データである1つ以上の同行時活動状態データY12と、前記対象者X1が他のいずれの対象者とも前記同行状態にない通常時における前記対象者X1の活動状態を示す活動状態データである1つ以上の通常時活動状態データY1とを取得する活動状態取得部と、
    前記対象者X1と前記対象者X2との人間関係の繋がりに関する関係性を示す指標として、前記同行時活動状態データY12と前記通常時活動状態データY1とに基づいて、前記対象者X1が前記対象者X2の行動に合わせて譲歩している度合いを示す譲歩度J12を計算する譲歩度計算部と
    を備えることを特徴とする関係性推定装置。
  2. 請求項1に記載の関係性推定装置において、
    前記対象者X1と前記対象者X2との間における前記関係性を推定する関係性推定部をさらに備え、
    前記活動状態取得部は、前記対象者X2が前記対象者X1と前記同行状態にある同行時における前記対象者X2の活動状態を示す活動状態データである同行時活動状態データY21と、前記対象者X2が他のいずれの対象者とも前記同行状態にない通常時における前記対象者X2の活動状態を示す活動状態データである通常時活動状態データY2とを取得し、
    前記譲歩度計算部は、前記同行時活動状態データY21と前記通常時活動状態データY2とに基づいて、前記対象者X2が前記対象者X1の行動に合わせて行動している度合いを示す譲歩度J21を計算し、
    前記関係性推定部は、前記譲歩度J12と前記譲歩度J21とを比較することにより、前記関係性として前記対象者X1と前記対象者X2との上下関係を推定する
    ことを特徴とする関係性推定装置。
  3. 請求項2に記載の関係性推定装置において、
    前記活動状態データは、単位時間当たりに前記対象者が歩いた歩数からなり、
    前記関係性推定部は、前記譲歩度J12と前記譲歩度J21との大小関係に基づいて、前記上下関係において前記対象者X1が前記対象者X2より下位,上位,同位に位置することを推定する
    ことを特徴とする関係性推定装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の関係性推定装置において、
    前記関係性推定部は、前記譲歩度J12に関する過去の履歴に基づいて前記対象者X1の前記対象者X2に対する譲歩のし易さに関する傾向を認識するとともに、前記譲歩度J21に関する過去の履歴に基づいて前記対象者X2の前記対象者X1に対する譲歩のし易さに関する傾向を認識し、これら認識の結果を考慮して前記上下関係を推定することを特徴とする関係性推定装置。
  5. 2以上の対象者に装着されたセンサにより取得されたセンサデータに基づいて対象者同士が一緒に行動を共にする同行状態を検出する同行検出部と、
    前記対象者のうち対象者X1が他の対象者X2〜Xn(nは2以上の整数)のそれぞれと前記同行状態にある同行時における、前記対象者X1の活動状態を示す活動状態データである同行時活動状態データY12〜Y1nを、それぞれ1つ以上取得する活動状態取得部と、
    前記対象者X1と前記対象者X2〜Xnとの人間関係の繋がりに関する関係性を示す指標として、前記同行時活動状態データY12〜Y1nと前記同行時活動状態データY1i(i=2〜nの整数のいずれか)とに基づいて、前記対象者X1から前記対象者Xiに向けられた感情の度合いを示す好感度P1iを計算する好感度計算部と
    を備えることを特徴とする関係性推定装置。
  6. 請求項5に記載の関係性推定装置において、
    前記活動状態データは、単位時間当たりに前記対象者が歩いた歩数からなり、
    前記好感度P1iの正負に基づいて、前記対象者X1から前記対象者Xiに向けられた感情がポジティブなものかネガティブなものかを推定する関係性推定部をさらに備える
    ことを特徴とする関係性推定装置。
  7. 請求項6に記載の関係性推定装置において、
    前記関係性推定部は、前記好感度P1iに関する過去の履歴に基づいて前記対象者X1から前記対象者Xiに向けられた感情に関する傾向を認識し、前記認識の結果を考慮して前記対象者X1から前記対象者Xiに向けられた感情を推定することを特徴とする関係性推定装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の関係性推定装置において、
    前記同行状態を検出した同行前後における前記センサデータの変化に基づいて、推定された前記関係性を補正する関係性補正部をさらに備えることを特徴とする関係性推定装置。
  9. 2以上の対象者に装着されたセンサにより取得されたセンサデータに基づいて対象者同士が一緒に行動を共にする同行状態を検出する同行検出ステップと、
    前記対象者のうち対象者X1が他の対象者X2と前記同行状態にある同行時における前記対象者X1の活動状態を示す活動状態データである1つ以上の同行時活動状態データY12と、前記対象者X1が他のいずれの対象者とも前記同行状態にない通常時における前記対象者X1の活動状態を示す活動状態データである1つ以上の通常時活動状態データY1とを取得する活動状態取得ステップと、
    前記対象者X1と前記対象者X2との人間関係の繋がりに関する関係性を示す指標として、前記同行時活動状態データY12と前記通常時活動状態データY1とに基づいて、前記対象者X1が前記対象者X2の行動に合わせて譲歩している度合いを示す譲歩度J12を計算する譲歩度計算ステップと
    を備えることを特徴とする関係性推定方法。
  10. 2以上の対象者に装着されたセンサにより取得されたセンサデータに基づいて対象者同士が一緒に行動を共にする同行状態を検出する同行検出ステップと、
    前記対象者のうち対象者X1が他の対象者X2〜Xn(nは2以上の整数)のそれぞれと前記同行状態にある同行時における、前記対象者X1の活動状態を示す活動状態データである同行時活動状態データY12〜Y1nを、それぞれ1つ以上取得する活動状態取得ステップと、
    前記対象者X1と前記対象者X2〜Xnとの人間関係の繋がりに関する関係性を示す指標として、前記同行時活動状態データY12〜Y1nと前記同行時活動状態データY1i(i=2〜nの整数のいずれか)とに基づいて、前記対象者X1から前記対象者Xiに向けられた感情の度合いを示す好感度P1iを計算する好感度計算ステップと
    を備えることを特徴とする関係性推定方法。
  11. コンピュータが、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の関係性推定装置を構成する各部として機能させるためのプログラム。
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