JP6126321B1 - 母乳パッド - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、装着時や着脱時に不用意な折れ曲がりや皺等の変形が生じにくい上、装着者の肌との間に蒸れを生じにくい母乳パッドを提供する。【解決手段】本発明の母乳パッド(1)は、液透過性の内面シート(2)と、液不透過性の外面シート(3)と、これらのシートの間に位置する吸収体(4)と、を備え、前記外面シート(3)が通気性を有する不織布からなり、前記吸収体(4)が1.30g/cm3以下の密度を有し、さらに、前記母乳パッド(1)は、平面視にて、中央領域(AC)と、前記中央領域(AC)を囲繞するように延在する端部領域(AE)と、を有すると共に、前記端部領域(AE)において前記吸収体(4)が前記厚さ方向に圧搾された圧搾部(P)を含む圧搾領域(AP)を有し、前記中央領域(AC)において前記圧搾部(P)を含まない非圧搾領域(AN)を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、ブラジャー等の下着の内側に装着して使用する母乳パッドに関する。
母親等の授乳者の母乳がブラジャー等の下着に漏出するのを防ぐ、母乳パッドが知られている。かかる母乳パッドは、ブラジャー等の下着と授乳者(装着者)の乳房との間において、装着者の乳房を包み込むように装着されて使用されるものであり、一般に、装着者の肌面に対向する内面シートと、ブラジャー等の下着の内面に対向する外面シートと、これら両シートの間に位置する母乳吸収用の吸収体とを基本構成として備えており、母乳パッド全体として、装着者の乳房の形状に適合しやすい湾曲形状(具体的には、母乳パッドの略中央部分が下着側に向かって凸となるドーム状の湾曲形状)を有している。
そして、中には、装着者の乳房の形状に適合した湾曲形状を維持しつつ、母乳パッドの装着時や着脱時に不用意な折れ曲がりや皺などが生じにくい母乳パッドも知られている。そのような母乳パッドとして、例えば、特許文献1には、縦方向及び横方向とを有し、装着者の肌に対向する第1面及びその反対側の第2面を有する体液吸収体を含む体液吸収層と前記第2面に位置する体液防漏性シートとから構成されるパッド本体と、前記第1面を凹曲形に変形させるための、前記パッド本体の両側縁部において前記縦方向へ延びる一対の弾性伸縮部材とを備える母乳パッドにおいて、前記体液吸収体がその前記縦方向における上下端部の少なくとも一方に高剛性領域を有し、前記高剛性領域の剛性が前記高剛性領域を除く他の領域のそれよりも高いことを特徴とする母乳パッドが開示されている。この特許文献1に開示された母乳パッドは、母乳パッドの装着時や着脱時において、母乳パッドの周縁部を装着者の肌に安定的に密着させて母乳の漏れを有効に防止することができるとされている。
特開2007−327158号公報
しかしながら、この特許文献1に開示された母乳パッドは、折れ曲がりや母乳の漏れを防止する観点から体液吸収体の密度が高く、また、体液防漏性シートがプラスチックフィルムと熱可塑性合成繊維の不織布との積層体によって構成されていて、通気性を有していないため、装着者の母乳や汗等から生じる湿気と装着者の体温とによって、装着者の肌と母乳パッドとの間に蒸れが生じやすく、装着者に不快感を生じさせる虞があった。
そこで、本発明は、装着時や着脱時に不用意な折れ曲がりや皺等の変形が生じにくい上、装着者の肌との間に蒸れを生じにくい母乳パッドを提供することを目的とする。
本発明の一態様(態様1)は、互いに直交する縦方向、横方向及び厚さ方向を有し、前記厚さ方向において肌対向面側に位置する液透過性の内面シートと、前記厚さ方向において非肌対向面側に位置する液不透過性の外面シートと、これらのシートの間に位置する吸収体と、を備えた母乳パッドであって、
前記外面シートは、通気性を有する不織布からなり、
前記吸収体は、1.30g/cm以下の密度を有し、
さらに、前記母乳パッドは、平面視にて、前記母乳パッドの中央部を含む中央領域と、前記中央領域を囲繞するように延在する端部領域と、を有するとともに、前記端部領域において前記吸収体が前記厚さ方向に圧搾された圧搾部を含む圧搾領域を有し、前記中央領域において前記圧搾部を含まない非圧搾領域を有する、
前記母乳パッドである。
本態様1の母乳パッドは、端部領域においては、吸収体が厚さ方向に圧搾された圧搾部を含む圧搾領域を有することによって剛性が高くなっている一方、中央領域においては、前記圧搾部を含まない非圧搾領域を有することによって装着者の乳房の形状に適応しやすくなっているため、装着時や着脱時に不用意な折れ曲がりや皺等の変形が生じにくく、装着者の乳房の形状に適合した湾曲形状を維持して、上述の変形に起因する母乳の漏出を抑制することができる。さらに、本態様1の母乳パッドは、外面シートが通気性を有する不織布からなる上に、吸収体が1.30g/cm以下の密度を有するものであるため、母乳パッド全体として良好な通気性を発揮することができ、装着者の肌との間における蒸れを生じにくくすることができる。
また、本発明の別の態様(態様2)では、前記態様1の母乳パッドにおいて、前記母乳パッドは、前記厚さ方向において前記外面シートの非肌対向面側に位置する通気性の外装シートを更に備え、
前記吸収体と前記外面シートとの間には、所定の第1方向に延び且つ前記第1方向と直交する第2方向に並ぶ複数の第1接着剤層が配置されており、
前記外面シートと前記外装シートとの間には、前記第1方向に延び且つ前記第2方向に並ぶ複数の第2接着剤層が配置されており、
前記第2方向に隣接する前記第1接着剤層同士の間隔が、前記第2方向に隣接する前記第2接着剤層同士の間隔よりも狭い。
本態様2の母乳パッドは、厚さ方向において外面シートの非肌対向面側に位置する通気性の外装シートを更に備えているため、一定の通気性を確保しつつ母乳の漏出をより確実に防ぐことができる。
また、一般に、2層以上の層が面方向に所定の配置間隔で並ぶ複数の接着剤層を介して積層された積層物を湾曲させると、曲率の大きい内側の層には皺が寄りやすく、曲率の小さい外側の層には張力が掛かって突っ張りやすくなるが、本態様2の母乳パッドは、吸収体と外面シートとの間に配置される第1接着剤層の配置間隔が、外面シートと外装シートとの間に配置される第2接着剤層の配置間隔よりも狭くなっているため、装着者の乳房の形状に適合するように湾曲させても、上述の第1接着剤層が狭い間隔で配置されていることによって、相対的に内側(すなわち、肌対向面側)に位置する外面シートには皺が寄りにくくなる一方、上述の第2接着剤層が広い間隔で配置されていることによって、相対的に外側(すなわち、非肌対向面側)に位置する外装シートには張力による突っ張りが生じにくくなり、母乳パッドを、装着者の乳房の形状に適合した湾曲形状に、より一層維持しやすくすることができる。その結果、本態様2の母乳パッドは、装着時や着脱時における不用意な折れ曲がりや皺等の変形をより生じにくくすることができ、さらに、上述の各接着剤層がそれぞれ所定の間隔で配置されていることによって、良好な通気性を確保することができる。
本発明の更に別の態様(態様3)では、前記態様2の母乳パッドにおいて、前記外装シートは、通気性を有する不織布からなり、
前記外面シートの繊維密度は、前記外装シートの繊維密度よりも大きい。
本態様3の母乳パッドは、外面シートの繊維密度が外装シートの繊維密度よりも大きいため、吸収体に吸収された母乳が当該吸収体から滲出したとしても、上述の外面シートと外装シートの繊維密度勾配によって、母乳が外装シートよりも外面シート内に(具体的には、外面シートを構成する不織布の構成繊維間に)保持されやすく、母乳パッドの外部へ漏出しにくくすることができる。
本発明の更に別の態様(態様4)では、前記態様1〜3のいずれかの母乳パッドにおいて、前記吸収体は、水溶性エチレン性不飽和単量体の重合物である吸水性樹脂と、湿潤促進剤とを含む吸水性樹脂組成物であって、以下の(A)〜(D)の要件を満たす前記吸水性樹脂組成物を含み、
前記母乳パッドの2g吸水時通気度が、10cm/cm・s以上である。
(A)生理食塩水保水能が、38〜44g/g
(B)無加圧DWの5分値が、50mL/g以上
(C)無加圧DWの60分値が、60mL/g以上
(D)生理食塩水通液速度が、5g/分以上
本態様4の母乳パッドは、吸収体が上記特定の吸水性樹脂組成物を含むものであるため、吸水後(母乳の吸収後)においても、吸水性樹脂組成物のゲルブロッキングが生じにくく、吸収体における通気性を一定以上確保することができ、結果的に、母乳パッドとして10cm/cm・s以上の2g吸水時通気度を得ることができる。これにより、本態様4の母乳パッドは、装着者との間における蒸れを、より一層生じにくくすることができる。
本発明の更に別の態様(態様5)では、前記態様4の母乳パッドにおいて、前記母乳パッドの10g吸水時通気度が、10cm/cm・s以上である。
本態様5の母乳パッドは、10g吸水時通気度が10cm/cm・s以上であるため、母乳量が多いとき(例えば、10g等)でも、一定以上の通気性を確保することができ、装着者との間における蒸れを、より確実に生じにくくすることができる。
本発明の更に別の態様(態様6)では、前記態様1〜5のいずれかの母乳パッドにおいて、前記母乳パッドは、非肌対向面側の表面に、前記母乳パッドを下着に固定するための止着部を有し、
当該止着部は、前記吸収体の平面視形状に内接し且つすべての前記圧搾部と重なる仮想四角形の四隅に位置する前記圧搾部の各々と、前記厚さ方向に重複する部分を有する。
本態様6の母乳パッドは、装着時や着脱時に不用意な折れ曲がりや皺等の変形が生じやすい部分に位置する圧搾部(すなわち、上述の仮想四角形の四隅に位置する圧搾部)の各々と重複するように、上述の止着部が配置されているため、当該止着部が装着者の下着に固定されることによって、上述の不用意な折れ曲がりや皺等の変形をより一層生じにくくすることができる。
本発明によれば、装着時や着脱時に不用意な折れ曲がりや皺等の変形が生じにくい上、装着者の肌との間に蒸れを生じにくい母乳パッドを提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る母乳パッド1を、外装シート側から見た斜視図である。 図2は、母乳パッド1を、展開した状態で内面シート側から厚さ方向に見た平面図である。 図3は、母乳パッド1を、展開した状態で外装シート側から厚さ方向に見た平面図である。 図4は、図2の母乳パッド1を、横方向に延びる縦方向の中央軸線Cに沿った断面の端面図である。 図5(a)は、母乳パッド1における圧搾部と止着部の位置関係を説明するための平面図であり、図5(b)は、図5(a)に示す仮想四角形Vqの四隅を説明するための模式図である。
以下、本発明の母乳パッドの好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書においては、特に断りのない限り、「展開した状態で水平面上に置いた対象物(例えば、母乳パッド、吸収体等)を、垂直方向の上方側(例えば、対象物が母乳パッドの場合、内面シート側)から対象物の厚さ方向に見ること」を、単に「平面視」という。
本明細書において用いられる各種方向等については、特に断りのない限り、以下のとおりである。
本明細書において、母乳パッドの「縦方向D」は、「平面視における母乳パッドにおいて当該母乳パッドの装着時に上下方向となる方向」を指し、「横方向D」は、「平面視における母乳パッドにおいて当該母乳パッドの装着時に水平方向となる方向」を指し、「厚さ方向D」は、「展開した状態で水平面上に置いた母乳パッドに対して垂直方向」を指し、これらの縦方向D、横方向D及び厚さ方向Dは、直交する関係にある。
さらに、本明細書では、「母乳パッドの縦方向Dにおいて、該母乳パッドの縦方向Dの中央に位置し且つ横方向Dに延びる縦方向の中央軸線Cに対して相対的に近位側」を「縦方向の内方側」といい、「母乳パッドの縦方向Dにおいて、前記縦方向の中央軸線Cに対して相対的に遠位側」を「縦方向の外方側」という。同様に、「母乳パッドの横方向Dにおいて、該母乳パッドの横方向Dの中央に位置し且つ縦方向Dに延びる横方向の中央軸線Cに対して相対的に近位側」を「横方向の内方側」といい、「母乳パッドの横方向Dにおいて、前記横方向の中央軸線Cに対して相対的に遠位側」を「横方向の外方側」という。また、本明細書では、「平面視にて、母乳パッドの前記横方向の中央軸線C及び縦方向の中央軸線Cの交点」を「母乳パッドの中央部」という。
また、本明細書では、特に断りのない限り、母乳パッドの厚さ方向Dにおいて、「母乳パッドの装着時に、装着者の肌面に対して相対的に近位側」を「肌対向面側」といい、「母乳パッドの装着時に、装着者の肌面に対して相対的に遠位側」を「非肌対向面側」という。ここで、「装着時」とは、装着者が母乳パッドを装着した時点(すなわち、使用可能な状態を形成した時点)からその状態を維持している間(すなわち、装着している間)を意味し、さらに、「着脱時」とは、装着者が母乳パッドを装着する動作を行っている間、或いは装着者が装着した状態の母乳パッドを取り外す動作を行っている間を意味する。
なお、本明細書においては、母乳パッドを構成する各種部材(例えば、内面シート、吸収体、外面シート、外装シート等)の「肌対向面側の表面」及び「非肌対向面側の表面」を、それぞれ単に「肌対向面」及び「非肌対向面」ということがある。
図1は、本発明の一実施形態に係る母乳パッド1を、外装シート側から見た斜視図であり、図2は、母乳パッド1を、展開した状態で内面シート側から厚さ方向に見た平面図であり、さらに図3は、母乳パッド1を、展開した状態で外装シート側から厚さ方向に見た平面図である。また、図4は、図2の母乳パッド1を、横方向に延びる縦方向の中央軸線Cに沿った断面の端面図である。
図1〜図4に示すように、本発明の一実施形態に係る母乳パッド1は、展開した状態の平面視にて、互いに直交する縦方向D及び横方向Dを有し、全体として、略円形形状の横方向Dの両端部が縦方向Dに延びる直線で切断されたような外形形状を有している。なお、本発明において、母乳パッドの外形形状は、このような態様の外形形状に限定されず、装着者の乳房を包み込むように覆うことができる形状であれば、任意の外形形状(例えば、円形、楕円形、角の丸い四角形など)を採用することができる。
本発明の一実施形態に係る母乳パッド1は、図2〜図4に示すように、厚さ方向Dにおいて、装着者の肌対向面側に位置する液透過性の内面シート2と、非肌対向面側に位置する液不透過性の外面シート3と、これらのシートの間に位置し且つ前記外面シート3の肌対向面側の表面にホットメルト型接着剤等の任意の接着剤層(第1接着剤層A)を介して接合された吸収体4とを、主な構成部材として備えている。さらに、この母乳パッド1は、図4に示すように、厚さ方向Dにおいて外面シート3の非肌対向面側の表面にホットメルト型接着剤等の任意の接着剤層(第2接着剤層A)を介して接合され且つ外面シート3の横方向Dにおける両端部を非肌対向面側から覆うようにして横方向Dの両端部が肌対向面側へ折り返された外装シート5と、当該外装シート5の折り返された部分に挟まれ且つ縦方向Dに延在するように配置された1対の弾性部材EL(なお、本実施形態においては、弾性部材ELは、横方向Dにおける一方の端部の折り返された部分と他方の端部の折り返された部分の各々に、1対ずつ(合計4本)配置されている。)と、前記外装シート5の非肌対向面側の表面に配置され且つ縦方向Dに延在する4対の粘着剤等からなる止着部6と、を備えている。
かかる母乳パッド1は、外装シート5の非肌対向面側の表面に配置された止着部6によって装着者の下着(例えば、ブラジャー等)の内側の表面(すなわち、肌対向面側の表面)に着脱自在に固定されるとともに、内面シート2の肌対向面側の表面が装着者の乳房の表面を覆うように当接して使用される。
そして、本実施形態において母乳パッド1は、外面シート3が通気性を有する不織布からなるとともに、吸収体4が1.30g/cm以下の密度を有しており、さらに、図2に示すように、平面視にて、母乳パッド1の中央部(すなわち、横方向Dの中央軸線Cと縦方向Dの中央軸線Cとの交点)を含む中央領域Aと、前記中央領域Aを囲繞するように延在する端部領域Aと、を有するとともに、前記端部領域Aにおいて吸収体4が厚さ方向Dに圧搾された圧搾部Pを含む圧搾領域Aを有し、前記中央領域Aにおいて前記圧搾部Pを含まない非圧搾領域Aを有している。
本実施形態の母乳パッド1は、上述の端部領域Aにおいては、吸収体4が厚さ方向Dに圧搾された圧搾部Pを含む圧搾領域Aを有することによって剛性が高くなっている一方、上述の中央領域Aにおいては、前記圧搾部Pを含まない非圧搾領域Aを有することによって装着者の乳房の形状に変形して適応しやすくなっているため、装着時や着脱時に不用意な折れ曲がりや皺等の変形が生じにくく、装着者の乳房の形状に適合した湾曲形状を維持して上述の変形に起因する母乳の漏出を抑制することができる。さらに、この母乳パッド1は、外面シート3が通気性を有する不織布からなる上に、吸収体4が1.30g/cm以下の密度を有するものであるため、母乳パッド1全体として良好な通気性を発揮することができ、装着者の肌との間における蒸れを生じにくくすることができる。
ここで、本発明の母乳パッドが吸収する対象物は、主に装着者から排出される母乳であるが、このような母乳以外にも、例えば、装着者から排出される汗や装着者の乳房に付着した乳児のよだれ等の各種体液を含む。なお、本明細書においては、便宜的に母乳を対象として説明する。
以下、本発明の母乳パッドを構成する各種部材について、上述の実施形態に係る母乳パッド1を用いて更に詳細に説明する。
[内面シート]
上記実施形態において、母乳パッド1に用いられる内面シート2は、図2及び図4に示すように、平面視にて、母乳パッド1の縦方向D及び横方向Dに延在し且つ母乳パッド1全体の外形形状と同様に略円形形状の横方向Dの両端部が縦方向Dに延びる直線で切断されたような外形形状を有しており、母乳パッド1の厚さ方向Dにおいて、装着者の肌面(具体的には、装着者の乳房の肌面)に当接し得る肌対向面側の位置に配置されて、装着者から排出された母乳を非肌対向面側に位置する吸収体4へ向けて素早く移行させるように機能する、液透過性のシート状部材によって構成されている。
なお、本発明において、内面シートの外形形状は、上述のような特定の態様の外形形状に限定されず、装着者の乳房を包み込むように覆うことができる形状であれば、任意の外形形状(例えば、円形、楕円形、角の丸い四角形など)を採用することができる。
本発明において、内面シートとして用い得る液透過性のシート状部材としては、所定の液透過性を有するものであれば特に制限されず、例えば、エアースルー不織布、スパンボンド不織布、SMS不織布(すなわち、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンドの積層不織布)、ポイントボンド不織布等の不織布や織布、編布などのシート状の繊維構造体;樹脂フィルムに複数の開孔を施した開孔フィルムなどを好適に用いることができる。なお、シート状の繊維構造体は、界面活性剤により親水化処理が施されていてもよい。これらの中でも、液透過性や強度、柔軟性等の点から、シート状の繊維構造体を用いることが好ましく、さらに、エアースルー不織布やスパンボンド不織布を用いることがより好ましい。
また、内面シートとしてシート状の繊維構造体を用いる場合、その構成繊維は特に制限されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂などの熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂繊維が挙げられ、これらの樹脂は単独で用いても、2種以上の樹脂を併用してもよい。なお、熱可塑性樹脂繊維の構造は、特に制限されず、例えば、芯鞘型繊維等の複合繊維や異形断面型繊維、立体捲縮繊維などを用いてもよい。
さらに、上述の熱可塑性樹脂繊維は、例えば、界面活性剤や親水化剤等を用いた処理(例えば、繊維内部への界面活性剤の練り込み、繊維表面への界面活性剤の塗布等)などの親水化処理が施されていてもよく、また、消臭剤、抗菌剤などの任意の添加剤を含んでいてもよい。なお、これらの添加剤は、2種以上を併用してもよい。
本発明において、内面シートとして用い得る液透過性のシート状部材の坪量は、所定の液透過性及び強度を有するものであれば特に制限されず、例えば、6g/m〜60g/mの範囲内であり、好ましくは10g/m〜40g/mの範囲内である。
また、内面シートとして用い得る液透過性のシート状部材の構造は、所定の液透過性を有するものであれば特に制限されず、シート状部材は、例えば、略平坦な構造を有するものや肌対向面側の表面(すなわち、母乳の供給面側の表面)に凹凸構造を有するものなどを好適に用いることができる。母乳の供給面側の表面に凹凸構造を有する内面シートは、母乳を厚さ方向に透過させる液透過性に優れる上、母乳が内面シートの表面を伝わりにくいため、母乳パッドの肌対向面側の表面に供給された母乳を、内面シートを介して吸収体へ素早く移行させることができ、さらに、面方向の外方側への母乳の漏れを、より一層生じにくくすることができる。
なお、内面シートの凹凸構造の形態は、母乳の移行を促進し得るものであれば特に制限されず、例えば、平面視にて、内面シートの所定方向に延び且つ当該所定方向に直交する方向に所定間隔で並ぶ複数本の直線状の凸条部と、隣り合う凸条部の間に位置し且つ前記凸条部と並行して延びる複数本の直線状の凹溝部と、によって構成された、前記凸条部の内部構造が中空又は中実である凹凸構造;略平坦な基部上に半球状や円柱状等の凸部が複数個配置された凹凸構造;内面シートの供給面側の表面の略全体に亘って凸部と凹部が不規則に形成された凹凸構造などが挙げられる。このような凹凸構造を形成する手段は、特に制限されず、例えば、繊維ウェブに連続的に気体(例えば、エア等)を吹き付ける方法や圧縮成形法、ギア延伸法などの任意の賦形方法を採用することができる。
また、内面シートとして用い得る液透過性のシート状部材の寸法形状や厚み等は、かかるシート状部材が母乳パッドの内面シートとして機能し得るものであれば特に制限されず、所望の液透過性や強度等に応じた任意の寸法形状や厚み等を採用することができる。
[外面シート]
上記実施形態において、母乳パッド1に用いられる外面シート3は、平面視にて、母乳パッド1の縦方向D及び横方向Dに延在し且つ吸収体4の非肌対向面側の表面の大部分を覆うことのできる所定の外形形状及び外形寸法を有しており、母乳パッド1の厚さ方向Dにおいて、吸収体4の非肌対向面側に配置されて、装着者から排出された母乳の透過を防止して当該母乳が装着者の下着等に漏れ出ないようにしつつ、蒸れの原因となる水蒸気等の気体を透過させて母乳パッド内又は母乳パッドと装着者の肌との間の湿度の増大を防止するように機能する、液不透過性及び通気性を有する不織布によって構成されている。なお、本実施形態においては、外面シート3は、図4に示すように、吸収体4の非肌対向面側の表面の一部とホットメルト型接着剤等の任意の接着剤層(第1接着剤層A)を介して接合されている。
また、本発明において外面シートの外形形状は、吸収体の非肌対向面側の表面の大部分(例えば、吸収体の非肌対向面側の表面面積の60%以上等)を覆うことのできる形状であれば、任意の外形形状(例えば、円形、楕円形、角の丸い四角形、或いは内面シートと同様の形状など)を採用することができる。
本発明において、外面シートとして用い得る液不透過性及び通気性を有する不織布としては、所定の通気性を備えつつ、母乳の透過を防ぐように機能し得るものであれば特に限定されず、例えば、防水処理を施した又は疎水性を有する合成樹脂繊維からなる、SMS不織布、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、メルトブローン不織布、1dtex以下の繊度を有する極細繊維によって構成された不織布又は極細繊維によって構成された繊維層を含む不織布、加熱又は加圧による高密度化処理が施された不織布などの任意の不織布を用いることができる。このような不織布の中でも、SMS不織布を用いることが特に好ましい。SMS不織布は、通気性と、(特に、スパンボンド層による)一定の強度とを兼ね備えつつ、(特に、極細繊維層であるメルトブローン層によって)母乳の滲出をより効果的に抑制することができる不織布であるため、このような不織布を外面シートとして用いると、当該外面シートにおいて、一定の通気性と強度を確保しつつも、母乳の滲出をより効果的に且つ安定的に抑制することができる。
また、外面シートを構成する不織布の構成繊維は、不織布の通気性及び液不透過性を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維;複合繊維などの疎水性の熱可塑性樹脂繊維を用いることができる。
なお、本明細書において、外面シートや外装シート、母乳パッドの通気性は、任意の通気度試験機(例えば、株式会社大栄科学精器製作所のフラジール形通気度試験機)を使用して、JIS L1096Aのフラジール(Frazir)法に準拠した方法により測定した通気度(cm/cm・s)によって評価することができる。
また、本発明においては、外面シートは、当該外面シートを構成する不織布の繊維密度が、後述する外装シートを構成する不織布の繊維密度よりも大きいことが好ましい。このように外面シートを構成する不織布の繊維密度が外装シートを構成する不織布の繊維密度よりも大きいと、吸収体に吸収された母乳が当該吸収体から滲出してきたとしても、外面シートと外装シートとの繊維密度勾配によって、滲出してきた母乳が外装シートよりも外面シート内に(具体的には、外面シートを構成する不織布の構成繊維間に)保持されやすくなるため、当該母乳を母乳パッドの外部へ漏出しにくくすることができる。
ここで、各不織布の繊維密度の大小の比較は、繊維密度の大小を比較する各不織布の任意の箇所を、走査型電子顕微鏡等により20倍〜100倍程度の倍率で拡大観察し、一定面積当たりの繊維の本数等から目視により判断することができる。
本発明において、外面シートとして用い得る不織布の坪量は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、通気性や液不透過性等を考慮した任意の坪量を採用することができる。そのような坪量としては、例えば、8g/m2〜60g/m2の範囲内の坪量が挙げられ、好ましくは10g/m2〜30g/m2の範囲内である。
さらに、外面シートとして用い得る不織布の厚みについても、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、例えば、0.01mm〜5.0mmの範囲内の厚みを採用することができるが、通気性や液不透過性などの点から、好ましくは0.05mm〜3.0mmの範囲内である。なお、外面シートとして用い得る不織布の寸法形状等は、かかる不織布が母乳パッドの外面シートとして機能し得るものであれば特に制限されず、所望の液不透過性等に応じた任意の寸法形状等を採用することができる。
[吸収体]
上記実施形態において、母乳パッド1に用いられる吸収体4は、図2に示すように、平面視にて、母乳パッド1の縦方向D及び横方向Dに延在し且つ母乳パッド1全体の外形形状と同様に略円形形状の横方向Dの両端部が縦方向Dに延びる直線で切断されたような外形形状を有するとともに、母乳パッド1の外形寸法よりも一回り小さい外形寸法を有しており、母乳パッド1の厚さ方向Dにおいて、内面シート2と外面シート3の間に配置されて、内面シート2を透過してきた母乳を吸収及び保持するように機能する、吸収性部材によって構成されている。
なお、本発明において、吸収体の外形形状は、上述のような特定の態様の外形形状に限定されず、装着者から排出された母乳を十分に吸収及び保持し得る形状であれば任意の外形形状(例えば、円形、楕円形、角の丸い四角形など)を採用することができる。
また、上記実施形態において、吸収体4は、平面視にて、母乳パッド1の中央部を含む中央領域から端部領域Aに亘って延在するように配置されており、パルプ等の親水性繊維と吸水性樹脂の粒状物との混合物からなる吸収性材料によって構成された吸収コア41と、該吸収コア41の肌対向面側の表面を覆うように配置された肌対向面側のコアラップシート42と、吸収コア41の非肌対向面側の表面を覆い且つ前記吸収コア41及び前記コアラップシート42を前記吸収コア41の非肌対向面側から包み込むように配置された非肌対向面側のコアラップシート43とを含む、吸収性部材によって構成されている。
そして、本発明においては、吸収体は、1.30g/cm以下の密度を有している。吸収体がこのような密度の低いものであると、吸収体においても所定の通気性を確保することができるため、外面シートが通気性を有する不織布によって構成されていることと併せて、母乳パッド全体が良好な通気性を発揮することができ、結果的に装着者の肌との間における蒸れをより一層生じにくくすることができる。なお、吸収体の密度の下限値は、吸収体として機能し得る限り特に制限されないが、吸収体は、0.01g/cm以上の密度を有していることが好ましい。
本明細書において、吸収体の密度は、次式に基づいて算出することができる。
D(g/cm)=B(g/m)/T(mm)×10−3
[式中、D、B及びTは、それぞれ吸収コアの密度、坪量及び厚みを表す。]
ここで、吸収体の坪量B(g/m)は、以下のようにして測定することができる。
(1)測定対象の吸収体の任意の3箇所から、所定サイズ(例えば、30mm×30mm等)のサンプル片を3個切り出し、標準状態(温度23±2℃、相対湿度50±5%)における各サンプル片の質量(g)を直示天秤(例えば、研精工業株式会社製 電子天秤HF−300)で測定する。
(2)測定した各サンプル片の質量の平均値を算出し、さらに、該平均値をサンプル片の面積(m)で除することにより、吸収体の単位面積当たりの質量を算出する。算出した吸収体の単位面積当たりの質量を吸収体の坪量B(g/m)とする。
なお、吸収体の坪量の測定に関し、上述の測定条件以外の条件については、ISO 9073−1又はJIS L 1913 6.2に記載の測定条件を採用する。
また、吸収体の厚みT(mm)は、以下のようにして測定することができる。
任意の厚み計(例えば、株式会社大栄科学精器製作所製 FS−60DS、測定面44mm(直径)、測定圧3g/cm)を用いて、標準状態(温度23±2℃、相対湿度50±5%)における吸収体の任意の5箇所を、定圧3g/cmで加圧し、各箇所における加圧10秒後の厚み(mm)を測定する。測定した5箇所の厚みの平均値を、吸収体の厚みT(mm)とする。
なお、本発明において、吸収体の密度は、例えば、親水性繊維及び吸水性樹脂の混合物からなる吸収性材料の量や密度を適宜調節することにより、所望の範囲内の密度を得ることができる。
また、上述の実施形態において、吸収体4は、図2に示すように、平面視にて、母乳パッド1の端部領域Aに対応する部分おいて吸収体4が厚さ方向Dに圧搾された複数本の圧搾部Pを有している。本実施形態において、前記複数本の圧搾部Pは、図2に示すように、平面視にて、それぞれ母乳パッド1の縦方向Dに沿って延び且つ吸収体4の縦方向Dにおける両端部の各端縁から前記縦方向Dの内方側の所定部分まで延在するように配置されている一方、母乳パッド1の中央領域Aに対応する部分には、圧搾部Pは配置されていない。
圧搾部Pがこのように配置されていると、母乳パッド1の端部領域Aは、上述の圧搾部Pを含む圧搾領域Aを有することによって剛性が高くなる一方、母乳パッド1の中央領域Aは、上述の圧搾部Pを含まない非圧搾領域Aを有することによって装着者の乳房の形状に変形して適応しやすくなるため、母乳パッド1は、装着時や着脱時に不用意な折れ曲がりや皺等の変形が生じにくく、装着者の乳房の形状に適合した湾曲形状を維持しやすくなり、上述の不用意な折れ曲がりや皺等の変形に起因する母乳の漏出を抑制することができる。
さらに、上述の実施形態においては、母乳パッド1は、図2に示すように、中央領域Aだけでなく、端部領域Aにおける横方向の中央軸線C上及びその近傍並びに縦方向の中央軸線C上及びその近傍のそれぞれにおいても、上述の圧搾部Pを含んでいないため、当該母乳パッド1の中央部を中心として装着者の乳房の形状により精度よく適合することができる。
なお、本発明において、吸収体に上述の圧搾部を形成する手段は特に制限されず、エンボス加工等の任意の圧搾手段を採用することができる。
また、本発明において、圧搾部の態様(例えば、圧搾部が配置されるパターンや圧搾部が延びる方向、圧搾部の寸法形状等)は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、例えば、特開2007−327158号公報に開示されている態様等の任意の態様を採用することができる。
また、本発明において、吸収体として用い得る吸収性部材としては、母乳等の液体を吸収して保持することのできるものであれば特に制限されず、上述の実施形態のような吸収性材料によって構成される吸収コアを、1枚又は2枚以上の親水性を有するティッシュ等のコアラップシートで覆ったものなどが挙げられる。吸収コアを構成する吸収性材料としては、例えば、親水性繊維や吸水性樹脂などが挙げられ、更に具体的には、粉砕パルプ、コットン等のセルロース繊維;レーヨン、フィブリルレーヨン等の再生セルロース繊維;アセテート、トリアセテート等の半合成セルロース繊維;アクリル酸ナトリウムコポリマー等の吸水性樹脂からなる粒状物又は当該吸水性樹脂を含む吸水性樹脂組成物からなる粒状物、及びこれら2種以上の任意の組み合わせなどが挙げられる。
このような各種吸収性材料の中でも、本発明の母乳パッドの吸収体に用いられる吸収性材料は、水溶性エチレン性不飽和単量体の重合物である吸水性樹脂と、湿潤促進剤とを含む吸水性樹脂組成物であって、以下の(A)〜(D)の要件を満たす、特定の吸水性樹脂組成物を用いることが好ましい。
(A)生理食塩水保水能が、38〜44g/g
(B)無加圧DWの5分値が、50mL/g以上
(C)無加圧DWの60分値が、60mL/g以上
(D)生理食塩水通液速度が、5g/分以上
吸収体に用いられる吸収性材料が上記特定の吸水性樹脂組成物であると、かかる吸水性樹脂組成物は吸水後にゲルブロッキングが生じにくいものであるため、母乳パッドが母乳を吸収した後においても、吸収体における通気性を一定以上確保することができ、結果的に、母乳パッドとして10cm/cm・s以上の2g吸水時通気度を得ることができる。これにより、かかる吸収体を備えた母乳パッドは、装着者との間における蒸れを、より一層生じにくくすることができる。
なお、本発明において、母乳パッドの吸水時通気度は、10gの吸水時において10cm/cm・s以上(すなわち、10g吸水時通気度が10cm/cm・s以上)であることが更に好ましい。母乳パッドの10g吸水時通気度が10cm/cm・s以上であると、装着者の母乳量が多いとき(例えば、10g等)でも、一定以上の通気性を確保することができ、装着者との間における蒸れを、より確実に生じにくくすることができる。
ここで、母乳パッドの吸水時通気度は、所定量(例えば、2g、5g、10g等)の生理食塩水を吸収させた後の母乳パッドの通気度を意味し、例えば、母乳パッドの10g吸水時通気度は、10gの生理食塩水を吸収させた後の母乳パッドの通気度を意味する。
なお、母乳パッドの吸水時通気度は、測定対象の母乳パッドに所定量の生理食塩水を滴下し、室温にて30分間静置した後、任意の通気度試験機(例えば、株式会社大栄科学精器製作所のフラジール形通気度試験機)を使用して、JIS L1096Aのフラジール(Frazir)法に準拠した方法により測定することができる。この吸水度通気度の測定に用いる生理食塩水は、室温と同程度の温度を有するものを用いる。
また、本発明において、吸収体の吸収性材料として用い得る上記特定の吸水性樹脂組成物は、水溶性エチレン性不飽和単量体の重合物である吸水性樹脂と、湿潤促進剤とを含み、且つ、上記の(A)〜(D)の要件を満たすものであれば特に制限されず、任意の組成を有するものを用いることができる。例えば、上記水溶性エチレン性不飽和単量体は、上述の吸水性樹脂組成物によって奏される作用効果がより有利に発揮される点から、(メタ)アクリル酸及びその塩、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドなどを好適に用いることができ、これらの水溶性エチレン性不飽和単量体は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
この水溶性エチレン性不飽和単量体の重合方法は、特に制限されず、逆相懸濁重合法、水溶液重合法、塊状重合法、沈殿重合法等の任意の重合方法を採用することができる。これらの重合方法の中でも、得られる吸水性樹脂の吸水性能が高く、重合が制御しやすいという点から、逆相懸濁重合法及び水溶液重合法が好ましく、逆相懸濁重合を2段以上で行う多段重合方法が更に好ましい。
さらに、この重合に用い得る水溶性ラジカル重合開始剤も特に制限されないが、より優れた吸水性能が得られる点から、水溶性ラジカル重合開始剤は、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]四水和物などを好適に用いることができ、これらの水溶性ラジカル重合開始剤は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、上記特定の吸水性樹脂組成物に用いられる湿潤促進剤は、特に制限されず、例えば、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム及びゼオライト等の親水性の無機微粉末;グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール化合物;ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール及びポリアクリル酸塩等の粘度平均分子量が1万以下の親水性高分子微粉末などを用いることができる。中でも、優れた無加圧DW及び優れた通液速度を両立させる点から、親水性の無機微粉末が好ましく、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミ及びゼオライトがより好ましい。これらの湿潤促進剤は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。なお、湿潤促進剤の添加量は、吸水性樹脂100質量部に対し、0.1質量部〜3質量部の範囲内が好ましく、0.2質量部〜2質量部の範囲内がより好ましい。
湿潤促進剤と吸水性樹脂との混合方法は、特に制限されず、例えば、湿潤促進剤を粉末状態のまま又は溶媒等に溶解した溶液として吸水性樹脂に添加し、任意の混合装置を用いて混合することができる。
なお、上記特定の吸水性樹脂組成物は、その他の機能付与を目的として、更に他の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、抗菌剤、消臭剤等が挙げられる。
このように、水溶性エチレン性不飽和単量体の重合物である吸水性樹脂に湿潤促進剤を添加することで、以下の(A)〜(D)の要件を満たす、特定の吸水性樹脂組成物を得ることができる。
(A)生理食塩水保水能が、38〜44g/g
(B)無加圧DWの5分値が、50mL/g以上
(C)無加圧DWの60分値が、60mL/g以上
(D)生理食塩水通液速度が、5g/分以上
ここで、上記吸水性樹脂組成物の「生理食塩水保水能」は、母乳パッドの吸収容量を増大させる点から38g/g以上であり、39g/g以上が好ましい一方、ゲルブロッキングを防止する点から44g/g以下であり、43g/g以下が好ましい。なお、吸水性樹脂組成物の生理食塩水保水能は、以下の<生理食塩水保水能の測定方法>に従って測定することができる。
<生理食塩水保水能の測定方法>
(1)500mLのビーカーに、生理食塩水(0.9質量%の塩化ナトリウム水溶液)500gを量り取り、600rpmの回転数で撹拌させながら、測定対象の吸水性樹脂組成物2.00gを分散させる。
(2)撹拌したままの状態で30分間放置し、吸水性樹脂組成物を十分に膨潤させた後、綿袋(メンブロード6060番、横100mm×縦200mm)内にビーカーの内容物(膨潤ゲルと生理食塩水)をすべて注ぎ込み、綿袋の上部を輪ゴムで縛る。
(3)遠心力が167Gとなるように設定した脱水機(国産遠心機株式会社製、品番:H−122)を用いて、綿袋を1分間脱水し、脱水後の膨潤ゲルを含んだ綿袋の質量Wa(g)を測定する。
(4)吸水性樹脂組成物を添加せずに上記(1)〜(3)と同様の操作を行なうことにより、綿袋の湿潤時の空質量Wb(g)を測定し、以下の式から生理食塩水保水能を算出する。
生理食塩水保水能(g/g)=[Wa−Wb](g)/2.00(g)
また、上記吸水性樹脂組成物の「無加圧DWの5分値」は、当該吸水性樹脂組成物を用いた吸収体の初期吸収速度を高める点から50mL/g以上であり、53mL/g以上が好ましい一方、液漏れ(母乳漏れ)の発生を抑制する点から100mL/g以下が好ましく、90mL/g以下がより好ましい。さらに、上記吸水性樹脂組成物の「無加圧DWの60分値」は、上述の5分値と同様の点から60mL/g以上であり、63mL/g以上が好ましい一方、液漏れの発生を抑制する点から110mL/g以下が好ましく、100mL/g以下がより好ましい。なお、吸水性樹脂組成物の無加圧DWの5分値及び無加圧DWの60分値は、以下の<無加圧DWの測定方法>に従って測定することができる。
<無加圧DWの測定方法>
(1)ビュレット部と導管、測定台、ナイロンメッシュシート、架台、クランプからなる無加圧DWの測定装置を用意する。
具体的には、ビュレット部は、上側から0〜100mLまで0.2mL毎に目盛が付されたビュレットの上部にゴム栓を取り付けるとともに、下部に空気導入管とコックとを連結し、さらに、ビュレットの下部の先端にコックを連結した後、クランプに固定する。さらに、ビュレット部と測定台の間に、内径6mmの導管を取り付け、該導管を測定台の中央部に形成された直径2mmの穴に連結した後、測定台を架台により支持する。
(2)温度25±1℃、湿度60±10%の室内にて、25±1℃に調節された生理食塩水を、上部のゴム栓を外したビュレット内に供給し、導管を液封状態にしつつ、ビュレット部の導管との接続部からビュレット部の目盛の上部に至るまで、気泡を含まないように上記生理食塩水を充填する。このとき、空気導入管に生理食塩水が入り込まないようにする。
(3)ゴム栓でビュレットの上部を封じた後、空気導入管に連結したコックとビュレットの下部の先端に連結したコックとを開放して、測定台の中心部の導管口から出てくる生理食塩水の水面と、測定台の上面とが同じ高さになるように測定台の高さを調整する。この調整の後、ビュレットの目盛を読んで、ゼロ点を確認する。
(4)ナイロンメッシュシート(100mm×100mm、250メッシュ、厚さ約50μm)を用意し、中央部に内径30mmのシリンダーを載置する。
(5)測定対象の吸水性樹脂組成物を1.00g量り取り、その全量を上記シリンダー内に均一に投入した後、シリンダーを注意深く取り除く。
(6)このようにして中央部に吸水性樹脂組成物が散布されたナイロンシートを、前記測定台の導管口上に、吸水性樹脂組成物が散逸しないように素早く移動させ、測定を開始する。なお、空気導入管からビュレットへの最初の気泡発生が確認できた時点を吸水開始時点とする。
(7)ビュレット内の生理食塩水の減少量(すなわち、吸水性樹脂組成物が吸水した生理食塩水量)を順次読み取り、吸水性樹脂組成物の吸水開始時点から5分後の生理食塩水の減量分Wc(mL)を、吸水性樹脂組成物1.00g当たりの無加圧DWの値として読み取って、5分間の無加圧DWの値を以下の式により求める。
5分間の無加圧DW(mL/g)=Wc/1.00
(8)同様にして、吸水性樹脂組成物の吸水開始時点から60分後における生理食塩水の減量分Wd(mL)を、吸水性樹脂組成物1.00g当たりの無加圧DWの値として読み取って、60分間の無加圧DWの値を以下の式により求める。
60分間の無加圧DW(mL/g)=Wd/1.00
(9)なお、上述の無加圧DWの測定は、1種類の吸水性樹脂組成物に対して5回実施し、最低値と最高値とを除いた3点の平均値を採用する。
さらに、上記吸水性樹脂組成物の「生理食塩水通液速度」は、当該吸水性樹脂組成物を用いた母乳パッドにおける液拡散性を高める点から5g/分以上であり、6g/分以上が好ましい一方、液漏れ(母乳漏れ)の発生を抑制する点から、20g/分以下が好ましく、15g/分以下がより好ましい。なお、吸水性樹脂組成物の生理食塩水通液速度は、以下の<生理食塩水通液速度の測定方法>に従って測定することができる。
<生理食塩水通液速度の測定方法>
(1)生理食塩水通液速度の測定は、ナイロンメッシュシート(250メッシュ)が接着された、内径19mm、外径25mm、高さ120mmで、約30gの重さを有するプレキシグラス製の円筒状容器(A)と、上記と同様のナイロンメッシュシートが接着された、内径26mm、外径40mm、高さ80mmのプレキシグラス製円筒状容器(B)と、膨潤ゲルと、によって構成された測定部が、100mm×100mmのサイズで、2mm四方の格子状開口部を有する金網の上に載置されるとともに、該金網の下に、内径約90mmのシャーレが載置された測定装置を用いて行う。なお、この測定は、約25℃の室温条件で行う。
(2)まず、円筒状容器(B)に、予め250μm〜500μmのサイズに分級した吸水性樹脂組成物0.20gを均一に入れ、上部から円筒状容器(A)を挿入することにより、測定部を形成する。生理食塩水を適量入れたシャーレに、測定部のメッシュ側を浸漬して30分間膨潤させ、膨潤ゲルを形成する。
(3)次に、測定部全体を空のシャーレ上に移動させ、200gの重りを円筒状容器(A)の上部にゆっくりと載置し、膨潤ゲルを3分間荷重する。
(4)予め空の質量を測定したシャーレ(We)上に、目開き2mmの金網を載置し、さらに膨潤ゲルを含む測定部を載置する。
(5)次いで、円筒状容器(A)の上部から生理食塩水を添加すると同時にストップウォッチをスタートさせる。以降、測定終了まで、液面の高さが円筒状容器(A)の下端から6〜7cmの範囲内となるように、生理食塩水を適宜追加する。
(6)生理食塩水の投入から30秒間(0.5分間)が経過するまでに、膨潤ゲルを通過して流出した生理食塩水を含むシャーレの質量(Wf)を測定し、通液速度(g/分)を、以下の式により求める。
通液速度(g/分)=(Wf−We)/0.5
なお、本発明の母乳パッドの吸収体に用い得る上記特定の吸水性樹脂組成物の具体的な例及び上記各物性値の測定方法における具体的な条件等は、特開2016−121297号公報に開示されたものを好適に採用することができる。
また、本発明において、吸収体の厚さは、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、例えば、上述の圧搾部においては、2.0mm〜5.0mmの範囲内であり、当該圧搾部以外の部分においては、3.0mm〜6.0mmの範囲内である。
なお、吸収体の寸法形状等は、かかる吸収体が母乳パッドの吸収体として機能し得るものであれば特に制限されず、所望の吸収性能や強度等に応じた任意の寸法形状等を採用することができる。
[外装シート]
上記実施形態において、母乳パッド1に用いられる外装シート5は、図3及び図4に示すように、平面視にて、母乳パッド1の縦方向D及び横方向Dに延在し且つ母乳パッド1全体の外形形状と同様に略円形形状の横方向Dの両端部が縦方向Dに延びる直線で切断されたような外形形状を有しており、母乳パッド1の厚さ方向Dにおいて、外面シート3の非肌対向面側の表面にホットメルト型接着剤等の任意の接着剤層(第2接着剤層A)を介して接合され且つ外面シート3の横方向Dにおける両端部を非肌対向面側から覆うようにして横方向Dの両端部が肌対向面側へ折り返されている。この外装シート5は、装着者から排出された母乳の漏出を防止しつつ、母乳パッド1の外形を画定するように機能する、液不透過性及び通気性を有するシート状部材によって構成されている。
本実施形態の母乳パッド1は、厚さ方向Dにおいて外面シート3の非肌対向面側に位置する通気性の外装シート5を備えているため、一定の通気性を確保しつつ母乳の漏出をより確実に防ぐことができる。なお、本発明において、外装シートの外形形状は、上述のような特定の態様の外形形状に限定されず、母乳の漏出を防止しつつ、母乳パッドの外形を画定することができる形状であれば任意の外形形状(例えば、円形、楕円形、角の丸い四角形など)を採用することができる。
また、本発明において、外装シートとして用い得る液不透過性及び通気性を有するシート状部材としては、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、例えば、上述の外面シートと同様の不織布や合成樹脂材料を成形してなる複数の開孔部を有する開孔フィルムなどの任意のシート状部材を用いることができる。なお、かかる外装シートは、1枚のシート状部材から構成されていても、2枚以上のシート状部材から構成されていてもよい。
なお、外装シートの厚みや坪量等は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、所望の液不透過性や柔軟性等に応じた任意の厚みや坪量等を採用することができ、例えば、坪量は、5g/m2〜60g/m2の範囲内であり、好ましくは8g/m2〜30g/m2の範囲内である。
また、このような外装シートを備えることは、本発明の母乳パッドにおいては必須の構成要件ではないため、例えば、上述の外面シートが外装シートとしても機能し得る場合等には、母乳パッドは、このような外装シートを備えていなくてもよい。
[接着剤層]
上記実施形態において母乳パッド1は、図4に示すように、吸収体4と外面シート3との間に、縦方向D(第1方向の一例)に延び且つ横方向D(第2方向の一例)に並ぶ複数の第1接着剤層Aが配置されて、上述の吸収体4と外面シート3とが接合されている一方、外面シート3と外装シート5との間には、縦方向Dに延び且つ横方向Dに並ぶ複数の第2接着剤層Aが配置されて、上述の外面シート3と外装シート5とが接合されている。
そして、本実施形態においては、図4に示すように、横方向Dに隣接する第1接着剤層A同士の間隔が、横方向Dに隣接する第2接着剤層A同士の間隔よりも狭くなるように、上述の複数の第1接着剤層A及び複数の第2接着剤層Aが配置されている。
なお、本発明において、第1接着剤層及び第2接着剤層の配置態様は、上述の実施形態の態様に限定されず、所望の接合強度や通気性等を考慮した任意の配置態様を採用することができるが、以下の理由により、これらの接着剤層の配置態様は、上述の実施形態の態様であることが好ましい。すなわち、一般に、2層以上の層が面方向に所定の配置間隔で並ぶ複数の接着剤層を介して積層された積層物を湾曲させると、曲率の大きい内側の層には皺が寄りやすく、曲率の小さい外側の層には張力が掛かって突っ張りやすくなるが、上述の実施形態に係る母乳パッド1は、吸収体4と外面シート3との間に配置される第1接着剤層Aの配置間隔が、外面シート3と外装シート5との間に配置される第2接着剤層Aの配置間隔よりも狭くなっているため、装着者の乳房の形状に適合するように湾曲させても、上述の第1接着剤層Aが狭い間隔で配置されていることによって、相対的に内側(すなわち、肌対向面側)に位置する外面シート3には皺が寄りにくくなる一方、上述の第2接着剤層Aが広い間隔で配置されていることによって、相対的に外側(すなわち、非肌対向面側)に位置する外装シート5には張力による突っ張りが生じにくくなり、母乳パッド1を、装着者の乳房の形状に適合した湾曲形状に、より一層維持しやすくすることができる。それにより、本実施形態の母乳パッド1は、装着時や着脱時における不用意な折れ曲がりや皺等の変形をより生じにくくすることができ、さらに、上述の複数の第1接着剤層A及び複数の第2接着剤層Aがそれぞれ所定の間隔で配置されていることによって、良好な通気性を確保することができる。
なお、本発明において、上述の各接着剤層が延びる方向(すなわち、第1方向)は、上述の実施形態のような母乳パッドの縦方向に限定されず、装着者の乳房の形状に応じて、より大きく湾曲する方向等の任意の方向に設定することができる。
本発明において、上述の各接着剤層を形成し得る接着剤は特に制限されず、当分野において公知の任意の接着剤を用いることができる。そのような接着剤としては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−エチレン共重合体(SEBS)等のホットメルト型接着剤が挙げられる。
また、本発明において、接着剤の塗工量及び塗工形態は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、任意の塗工量(例えば、0.1g/m〜10g/m)及び塗工形態(例えば、複数本の直線状、帯状、スパイラル状、ジグザグ状等)を採用することができる。
なお、本明細書において、所定の第1方向に延び且つ前記第1方向と直交する第2方向に並ぶ複数の接着剤層における第2方向に隣接する接着剤層同士の間隔は、第1方向に延びる各々の接着剤層における第2方向の中心仮想直線同士の間隔を意味する。
[弾性部材]
上記実施形態において、母乳パッド1は、図4に示すように、外装シート5の折り返された部分に挟まれ且つ縦方向Dに延在するように配置された1対の弾性部材EL(なお、本実施形態においては、弾性部材ELは、横方向Dにおける一方の端部の折り返された部分と他方の端部の折り返された部分の各々に、1対ずつ(合計4本)配置されている。)を備えており、かかる弾性部材ELの収縮力によって、母乳パッド1が、当該母乳パッド1の中央部が下着側に向かって凸となるドーム状の湾曲形状に変形しやすくなっている。これにより、本実施形態の母乳パッド1は、装着者が動いたりしても、装着者の乳房の形状に適合した湾曲形状を維持しやすく、母乳の漏出がより生じにくくなっている。
このような弾性部材を形成する材料は、特に制限されず、例えば、天然ゴムや合成ゴム等の任意の弾性材料を採用することができる。
また、かかる弾性部材の寸法形状や配置形態等も特に制限されず、母乳パッドの変形のしやすさ等に応じた任意の寸法形状や配置形態等を採用することができる。
[止着部]
上記実施形態において、外装シート5の非肌対向面側の表面に配置された粘着剤等からなる止着部6は、図1、図3及び図4に示すように、縦方向Dに延在し且つ横方向Dに所定間隔をあけて並ぶようにストライプ状に配置されている。なお、本実施形態においては、止着部6は、縦方向Dに延在する1対の止着部を1組として、4対の止着部6が横方向Dに所定間隔をあけて配置されている。この止着部6は、装着者が母乳パッド1を乳房に当てて装着する際に、母乳パッド1の非肌対向面側の表面を、ブラジャー等の下着の内側の表面に着脱自在に固定するための適度な粘着力を有している。
なお、本発明において、止着部の配置形態は、上述の実施形態のような特定の形態に限定されず、上述のストライプ状のほか、1本又は複数本のスパイラル状や間欠状、ドット状等の任意の形態で配置することができる。
ここで、図5(a)は、母乳パッド1における圧搾部と止着部の位置関係を説明するための平面図であり、図5(b)は、図5(a)に示す仮想四角形Vqの四隅を説明するための模式図である。なお、図5(a)においては、説明を簡略化するために、吸収体4及び止着部6以外の構成部材については、記載を省略している。
上述の実施形態において、止着部6は、図5(a)に示すように、吸収体4の平面視形状に内接し且つすべての上記圧搾部Pと重なる仮想四角形Vqの四隅Vcに位置する圧搾部Pの各々と、厚さ方向Dに重複する部分を有するように配置されている。
なお、上述の吸収体4の平面視形状に内接し且つすべての上記圧搾部Pと重なる仮想四角形Vqの四隅Vcは、図5(b)に示すように、仮想四角形Vqの4つの辺をそれぞれ4等分したときに、一の頂点Vaから延びる2つの辺において前記頂点Vaに最も近いそれぞれの等分点と、前記頂点Vaとを直線で結ぶことによって形成される三角形の領域(図5(b)における斜線部で示す領域)を指す。
本実施形態の母乳パッド1は、装着時や着脱時に不用意な折れ曲がりや皺等の変形が生じやすい部分に位置する圧搾部(すなわち、上述の仮想四角形Vqの四隅Vcに位置する圧搾部Pc)の各々と重複するように、上述の止着部6が配置されているため、当該止着部6が装着者の下着に固定されることで、上述の不用意な折れ曲がりや皺等の変形をより一層生じにくくすることができる。
本発明において、母乳パッドの非肌対向面側の表面に配置される止着部は、母乳パッドを装着者の下着の内側の表面に着脱自在に固定し得るものであれば特に制限されず、例えば、スチレン系ポリマー等の粘着剤や面ファスナーなどの任意の固定手段を用いることができる。なお、このような止着部を配置することは、本発明の母乳パッドにおいては必須の構成要件ではないため、かかる母乳パッドの使用態様等によっては、このような止着部を有していなくてもよい。
本発明の母乳パッドは、上述の実施形態等に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜組み合わせや代替、変更等が可能である。なお、本明細書において、「第1」、「第2」等の序数は、当該序数が付された事項を区別するためのものであり、各事項の順序や優先度、重要度等を意味するものではない。
1 母乳パッド
2 内面シート
3 外面シート
4 吸収体
41 吸収コア
42 コアラップシート
43 コアラップシート
5 外装シート
6 止着部
中央領域
端部領域
圧搾領域
非圧搾領域
第1接着剤層
第2接着剤層
P 圧搾部

Claims (5)

  1. 互いに直交する縦方向、横方向及び厚さ方向を有し、前記厚さ方向において肌対向面側に位置する液透過性の内面シートと、前記厚さ方向において非肌対向面側に位置する液不透過性の外面シートと、これらのシートの間に位置する吸収体と、を備えた母乳パッドであって、
    前記外面シートは、通気性を有する不織布からなり、
    前記吸収体は、1.30g/cm以下の密度を有し、
    さらに、前記母乳パッドは、平面視にて、前記母乳パッドの中央部を含む中央領域と、前記中央領域を囲繞するように延在する端部領域と、を有するとともに、前記端部領域において前記吸収体が前記厚さ方向に圧搾された圧搾部を含む圧搾領域を有し、前記中央領域において前記圧搾部を含まない非圧搾領域を有しており
    さらに、前記母乳パッドは、非肌対向面側の表面に、前記母乳パッドを下着に固定するための止着部を有し、当該止着部は、前記吸収体の平面視形状に内接し且つすべての前記圧搾部と重なる仮想四角形の四隅に位置する前記圧搾部の各々と、前記厚さ方向に重複する部分を有する、前記母乳パッド。
  2. 前記母乳パッドは、前記厚さ方向において前記外面シートの非肌対向面側に位置する通気性の外装シートを更に備え、
    前記吸収体と前記外面シートとの間には、所定の第1方向に延び且つ前記第1方向と直交する第2方向に並ぶ複数の第1接着剤層が配置されており、
    前記外面シートと前記外装シートとの間には、前記第1方向に延び且つ前記第2方向に並ぶ複数の第2接着剤層が配置されており、
    前記第2方向に隣接する前記第1接着剤層同士の間隔が、前記第2方向に隣接する前記第2接着剤層同士の間隔よりも狭い、請求項1に記載の母乳パッド。
  3. 前記外装シートは、通気性を有する不織布からなり、
    前記外面シートの繊維密度は、前記外装シートの繊維密度よりも大きい、請求項2に記載の母乳パッド。
  4. 前記吸収体は、水溶性エチレン性不飽和単量体の重合物である吸水性樹脂と、湿潤促進剤とを含む吸水性樹脂組成物であって、以下の(A)〜(D)の要件を満たす前記吸水性樹脂組成物を含み、
    前記母乳パッドの2g吸水時通気度が、10cm/cm・s以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の母乳パッド。
    (A)生理食塩水保水能が、38〜44g/g
    (B)無加圧DWの5分値が、50mL/g以上
    (C)無加圧DWの60分値が、60mL/g以上
    (D)生理食塩水通液速度が、5g/分以上
  5. 前記母乳パッドの10g吸水時通気度が、10cm/cm・s以上である、請求項4に記載の母乳パッド。
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