JP6125598B2 - 照明ランプ - Google Patents

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Description

この発明は、LEDランプなどの照明ランプに関する。特に、熱膨張に影響されない直管形照明ランプに関する。
直管形蛍光ランプと類似の形状をしたLED(発光ダイオード)を光源とする照明用光源がすでに商品化されている。例えば日本電球工業会にてJEL801として日本電球工業会規格に制定されているL形(GX16t−5)口金を有する直管形LEDランプシステムや、従来蛍光ランプと同じG13口金を用いた直管形LEDランプシステムがある。
直管形LEDランプには、両口金間に、“ランプのほぼ全幅に渡る構成物”が複数存在する場合がある。例えばLED冷却用金属ヒートシンク、外郭外管である拡散用の樹脂カバー等がそれに該当する。
両口金間に、“ランプのほぼ全幅に渡る構成物”が複数存在する場合、複数の構成物の熱膨張係数が異なり、口金にストレスを与える恐れがある。
そこで、樹脂カバーの両端部を固定せずに両端部に隙間を持たせることが提案されている。
特開2004−303614号公報 特開2012−9398号公報 特開2011−187973号公報 特開2011−044306号公報
樹脂カバー等の外管バルブの両端部を固定せずに両端部に隙間を持たせると、樹脂カバーが左右に移動できるので、樹脂カバーの両端における膨張を隙間で吸収することができる。しかし、樹脂カバーが左右に移動するので、樹脂カバーでランプを保持した場合に、左右へのがたつきがあり、違和感があった。また、樹脂カバーが左右に移動するので、不良製品ではないかと疑問を持たれる虞があった。
本発明では、熱膨張を吸収しながら、外管バルブを保持しても違和感のない照明ランプを提供することを目的とする。
この発明に係る照明ランプは、
筒状の外管バルブと、
前記外管バルブに収納されて光を発光する発光部と、
前記発光部の両端に固定された1対の口金とを備え、
前記外管バルブの内壁の長手方向の一部のみが前記発光部に固定され、前記外管バルブの両端を前記口金に対して伸縮自由な自由端にしたことを特徴とする。
この発明に係る照明ランプは、外管バルブの両端をフリーにするのではなく外管バルブの一部のみを固定しているのでがたつきがなく、外管バルブの自由端をフリーにしているので、外管バルブの自由端で熱膨張を吸収することができる。
実施の形態1の照明ランプ50を示す図。 実施の形態1の照明ランプ50の平温組立時のZZ断面を示す図。 実施の形態1の照明ランプ50のAA断面を示す図。 実施の形態1の照明ランプ50の低温時のZZ断面を示す図。 実施の形態1の照明ランプ50の高温時のZZ断面を示す図。 実施の形態2の照明ランプ50のZZ断面を示す図。 実施の形態3の照明ランプ50のZZ断面を示す図。 実施の形態4の照明ランプ50のZZ断面を示す図。 実施の形態5の照明ランプ50の外管バルブ6を示す図。 実施の形態5の照明ランプ50のZZ断面を示す図。 実施の形態5の照明ランプ50のZZ断面を示す図。 実施の形態7の照明ランプ50のAA断面を示す図。 実施の形態7の照明ランプ50のAA断面を示す図。 実施の形態7の照明ランプ50のAA断面を示す図。 実施の形態8の照明ランプ50のZZ断面を示す図。 実施の形態8の照明ランプ50のAA断面を示す図。 実施の形態8の照明ランプ50のZZ断面を示す図。 実施の形態9の照明ランプ50のZZ断面を示す図。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の照明ランプ50を示す図である。
照明ランプ50は、筒状の外管バルブ6(伸縮構成物の一例)を有している。外管バルブ6は、ポリカーボネート等の樹脂製の直管形円筒管である。外管バルブ6は、外管カバー、あるいはカバーとも呼ばれる。
発光部54は、発光ダイオード1(LED1)と基板2とヒートシンク4(伸縮構成物の一例)を有している。基板2は、複数のLED1を均等に配置配列している。外管バルブ6の両端に一対の口金5を備えている。ヒートシンク4は、アルミニウム製などの金属製であり、基板を取り付ける台座となりかつ放熱部材となる。基板2とヒートシンク4との間には絶縁接着剤又は両面接着フィルム(以下、これらを絶縁フィルム3という)がある。
各口金5は、一対の給電端子8を備えている。給電端子8の本数や形は、図に限らず他の本数でも他の形状でもよい。
LED1は、LED(発光ダイオード)単体又はLEDモジュールからなる。
発光部54は、外管バルブ6に収納されて光を発光する。発光部54は、外管バルブ6の長手方向に渡って延在している。発光部54は、外管バルブ6よりも線膨張係数の小さな伸縮構成物としてアルミニウム製のヒートシンク4を有する。
1対の口金5は、外管バルブ6の両端を覆うとともに、発光部54のヒートシンク4の両端に固定されている。
右の口金5は、外管バルブ6の固定端80に固定されており、左の口金5は、外管バルブ6の自由端90に固定されていない。ただし、自由端90は、外管バルブ6が伸縮する範囲で移動可能に粘性・軟性の接着剤で左側の口金5に取り付けられていてもよい。
照明ランプ50は、安定的に動作するために必要な制御装置が一体となっていない構造である。すなわち、照明ランプ50は、外部にある電源からLED1を点灯する直流の定電流を供給されて点灯する。
電力の供給は、給電端子8から受けてもよいが、図示していないコネクタから受けてもよい。
照明ランプ50の外形は、既存の直管形蛍光ランプの外形と同じである。
図2は、図1に示した照明ランプ50の平温組立時のZZ断面図(外管バルブ6の中心軸を含む縦断面図)である。
発光部54(ヒートシンク4)と外管バルブ6とは接着されていない。
口金5は、全体として円柱形状をしている。口金5は、上半分が上口金51であり下半分が下口金52である。上口金51は、下口金52に、はめ込み機構(図示せず)によりはめ込まれる。一旦はめ込まれると分解できない。
上口金51と下口金52の間には、給電端子8が固定される。
図2に示した右側の給電端子8の中央胴部は口金5に固定される。
給電端子8の右端側は、口金ピンとして照明ランプ50のソケット装着に用いられ、さらに、電力の供給に用いられる。
給電端子8の左端側は、リード線10により基板2の電気回路に接続されている。給電端子8からリード線10を介して直流定電流が基板2に供給される。
図2に示した左側の給電端子8は、照明ランプ50のソケット装着のみに用いられ、リード線10は接続されない。
下口金52の内端面の上部(口金5の中央部分)からはヒートシンク4へ固定される舌状の固定部56が外管バルブ6の長手方向に向かって突き出ている。固定部56はネジ穴を有し、固定部56は固定ネジ7によりヒートシンク4にネジ止めされる。こうして口金5は、発光部54(ヒートシンク4)の端部に固定ネジ7で固定される。
口金5の円柱形状の内端面55の周囲縁部に、外管バルブ6の端部の外周を覆う環状外壁部53を有している。環状外壁部53の内側には、環状内壁部63が筒状に形成されている。環状外壁部53と環状内壁部63とは、リング形状の環状面66によりつながっている。
環状外壁部53と環状内壁部63と環状面66とにより環状凹部64を形成している。環状凹部64は外管バルブ6のバルブ端面61を収納する360度の円形溝である。
バルブ端面61は、環状面66に向かって環状凹部64に挿入される。
右側のバルブ端面61は、接着剤、たとえば、シリコーン9により接着される。左側のバルブ端面61は、環状凹部64に挿入されるが接着されることはない。したがって、左側のバルブ端面61は環状凹部64内で長手方向左右に移動することができる。
右側の口金5の環状凹部64は、接着剤、たとえば、シリコーン9を介して外管バルブ6の右側の環状のバルブ端部をはめこんでいる。シリコーン9は、リード線10が有るほうに塗布するのがよい。なぜならば、シリコーン9により口金5の環状凹部64から埃やちりが浸入しにくくなり、埃やちりによる短絡が防止できるからである。
図3は図1の右側の口金側のAA断面図である。
図3に示すように、右側の口金5の環状凹部64には、シリコーン9が、外管バルブ6の内周と外周とに360度全周に渡って塗布され、外管バルブ6の右端部(固定端80)に口金5がはめ込まれる。
左側の口金5の環状凹部64は、外管バルブ6の左端部(自由端90)が口金5に対して長手方向に変位可能なようにフリーに挿入される。
図2に示すように、右側の口金と外管バルブの固定端80との間にはクリアランスKが存在する。左側の口金と外管バルブの自由端90との間にはクリアランスCが存在する。
クリアランスとは、外管バルブ6と口金5との隙間である。より正確には、クリアランスとは、外管バルブ6のバルブ端面61と口金5の環状面66との距離である。
右側片側の環状凹部64には、シリコーン9が接着剤として充填されている。このシリコーンは硬化して外管バルブ6と口金5とを固定する。
なお、この接着剤として、完全に外管バルブ6と口金5との相対位置を固定するものを用いてもよいし、硬化後もある程度弾性があるものにしてもよい。
本実施の形態の照明ランプを、JEL801に規定されたLDL40に沿って説明する。構造は、公称寸法1198mmで、外郭に外径25.5mmの外管バルブ6があり、発光素子のLED1を配置した電子基板2が、絶縁接着剤又は両面接着フィルム(絶縁フィルム3)を挟んで、線膨張係数23.7×10−6/Kのアルミニウム製のヒートシンク4に接着される。
LED1と基板2と絶縁フィルム3とヒートシンク4は発光部54として一体となっており、膨張の主体は外管バルブ6と発光部54のアルミ製ヒートシンク4である。外管バルブ6とヒートシンク4とは長さは約1170mm程度であり、いずれも“ランプのほぼ全幅に渡る構成物”である。
外管バルブ6とアルミ製ヒートシンク4との線膨張係数には差があり、これが長手方向の熱膨張の差の原因になっている。
図4は、照明ランプ50の低温時の縦断面を示す図である。
図5は、照明ランプ50の高温時の縦断面を示す図である。
図4では、クリアランスCが拡大してクリアランスDとなっている。
図5では、クリアランスCが縮小してクリアランスEとなっている。
右側の口金と外管バルブとの間のクリアランスKは変化していない。
図2、図4、図5に示す外管バルブ6と口金5の間のクリアランスC,D,Eの関係は、
D>C>E
である。
ここで、外管バルブ6とアルミ製ヒートシンク4との45度の温度差による長手方向の膨張長さの差がXmmとする。70℃と25℃の時の熱膨張による膨張長さの差はXmmとなる。また、25℃と−20℃の時の熱膨張による膨張長さの差もXmmとなる。
すなわち、70℃、25℃の時のクリアランスC,Dの関係は、
D=C+Xmm
である。
また、25℃、−20℃の時のクリアランスC,Eの関係は、
C−X=E
である。
クリアランスEは、最小値が0mmであるから、クリアランスCはXmm以上必要である。また、口金5の環状凹部64の深さFは、Xmm×2以上必要である。
環状凹部64の深さF=環状外壁部53の深さF=環状内壁部63の深さF≧X×2mm
クリアランスには何らかのシリコーン9が存在するから、口金5の環状凹部64の深さFは、Xmm×2超が必要である。
なお、本実施の形態(公称寸法1198mmのLDL40ランプ)において、前記Xの値は2.5mmである。また、公称寸法580mmのLDL20ランプの場合、Xの値は1.25mmである。
環状凹部64の深さF=環状外壁部53の深さF=環状内壁部の深さF>Xmm×2=45度の温度差の膨張長さの差×2
実際には、余裕を持つ必要があるため、Xmm×2×1.1以上あればよい。最大でXmm×2×1.3以下であればよい。
すなわち、口金5の環状凹部64の深さFは、最低温消灯放置時の伸縮構成物温度Tc(K)と、最高温雰囲気点灯時の伸縮構成物温度Th(K)との伸縮構成物の長さの差より大きくなければならない。
また、当該ランプの組み立て作業を(Tc+Th)/2(K)程度の室温で組み立て、その時の外管バルブ6と口金5の間のクリアランスCは、口金5の環状凹部64の深さFの半分にすればよい。
口金5の環状凹部64の深さF≧Th(K)の長さ−Tc(K)の長さ
外管バルブ6と口金5の間のクリアランスCの長さ=F÷2
実施の形態1の照明ランプ50は、両端の口金5がランプ長手方向の“ランプのほぼ全幅に渡る構成物”に接合され固定されており、前記“ランプのほぼ全幅に渡る構成物”が少なくとも2つ以上存在する。更に、この構成物同士の線膨張係数に差があり、かつ全長(JEL801におけるA寸法、或いはJISC7601におけるA寸法相当の両端口金の外端面65の間の長さ)が1000mmを超えるものである。
ランプ両端の口金5は、両方とも、ランプほぼ全幅に渡る構造物の内、最も線膨張係数の小さなものに固定されている。
ランプ両端の口金5のうち片方の口金5は、ランプほぼ全幅に渡る構造物の内、最も線膨張係数の小さなもの以外のほぼ全幅に渡る構造物に固定され、他方の口金5は固定されていない。
実施の形態1の照明ランプ50によれば、ランプが組立て時よりも高温となり、各構造物が熱膨張して、一番熱膨張する部材が、口金と片側で固定されていないため、高温雰囲気に曝されても、歪みや切断応力の発生が有効に抑制される効果がある。
実施の形態1の照明ランプ50は、25±5℃雰囲気で組立てられる。
実施の形態1の照明ランプ50によれば、該ランプの組み立て作業が(Tc+Th)/2(K)程度の室温で組み立てられるため、温度変化による熱膨張の歪が最も少なくできる。
***実施の形態1のまとめ***
実施の形態1では、直管型LEDランプは、両端に口金5を有し、樹脂製の外管バルブ6とアルミニウム製のヒートシンク4とLED基板2とを有している。熱膨張の少ないヒートシンク4(又はLED基板2)の両端に口金5を固定ネジ7で固定する。この場合、熱膨張の大きい外管バルブ6の端部はフリーにしておく必要があるが、ランプ取り扱い時にがたつくため、外管バルブ6の片側のみを口金5に固定し、他の片側は口金5に固定しない。
こうして、外管バルブ6のがたつきを防止できる。また、外管バルブ6が伸縮しても、自由端が伸縮して口金5に当たることがなく、外管バルブ6や口金5の破壊が防止できる。
同時に、外管バルブ6の外周接線方向への回転を防止する回り止め効果もある。
実施の形態2.
図6のように、環状外壁部53を内端面55あるいは環状内壁部63より外管バルブ6の長手方向中央に向かって突き出してもよい。環状外壁部53を内端面55あるいは環状内壁部63より外管バルブ6の中央に向かって突き出せば、口金5が外管バルブ6からはずれにくくなる。
その他は、実施の形態1と同じである。
実施の形態3.
環状凹部64ではなく、図7のように、環状内壁部63をなくし環状外壁部53と環状面66のみを設けてもよい。
環状外壁部53は、口金5の内端面55から360度周囲において内端面55から外管バルブ6に向かって突き出た壁である。
右側の口金5の環状外壁部53の内周面にシリコーン9を塗布し、外管バルブ6の端部を横からはめ込めば、環状外壁部53の内周面に外管バルブ6の外周面が嵌め込まれてシリコーン9で接着される。
左側の口金5の環状外壁部53の内周面に、外管バルブ6の端部を横からはめ込めこみ、フリーにしておく。
その他は、実施の形態1と同じである。
実施の形態4.
環状凹部64ではなく、図8のように、環状外壁部53をなくし環状内壁部63と環状面66のみを設けてもよい。
環状内壁部63は、口金5の内端面55から360度周囲において内端面55から外管バルブ6に向かって突き出た筒状の壁である。
右側の口金5の環状内壁部63の外周面にシリコーン9を塗布し、外管バルブ6の端部を横からはめ込めば、環状内壁部63の外周面に外管バルブ6の内周面が嵌め込まれてシリコーン9で接着される。
右側の口金5の環状内壁部63の外周面に、外管バルブ6の端部を横からはめ込み、フリーにしておく。
その他は、実施の形態1と同じである。
実施の形態5.
図9の(a)は、外管バルブ6の端部を切欠いてL字状の鉤型切欠き67を2箇所に設けた場合を示している。
図9の(b)は、外管バルブ6の端部を貫通して穴68を2箇所に設けた場合を示している。
図10は、口金5の環状外壁部53の内周の2箇所に突起69を設けた場合を示している。
突起69は、鉤型切欠き67又は穴68に係合する。
鉤型切欠き67の場合は、外管バルブ6の鉤型切欠き67の切欠き端部を突起69に対して長手方向に押しこんで挿入し外周接線方向に圧力を加えて回転させることにより係合が完成する。圧力を加えて回転させるので容易に逆回転せず外れない。
穴68の場合は、圧力を加えて外管バルブ6を長手方向に押しこんで、突起69を穴68にはめ込む。
いずれの場合も、外管バルブ6はクリアランスKで口金5に固定される。
図11は、口金5の環状内壁部63の外周の2箇所に突起69を設けた場合を示している。
鉤型切欠き67と突起69の数は、1個以上あればよい。
穴68と突起69の数は、1個以上あればよい。
この実施の形態は、片方の口金5に突起69(凸部)を設け、外管バルブ6の片方の端部に鉤型切欠き67や穴68等の凹部を設け、凸部を凹部にはめ込むことで、外管バルブ6のがたつき、回転を防止する。
なお、口金5に凹部を設け、外管バルブ6に凸部を設けてもよい。
凹部と凸部とは、互いに係合でき、長手方向に位置決めできるものであれば、どのような構造のものでもよい。
その他は、実施の形態1と同じである。
実施の形態6.
外管バルブ6は、樹脂製ではなく、他の素材でもよい。
例えば、外管バルブ6は、ガラス製でもよい。線膨張係数10×10−6/Kのソーダライムガラスによるガラス管が好適である。
ヒートシンク4を、線膨張係数23.7×10−6/Kのアルミニウム製のヒートシンクとすると、ガラスバルブのほうが、線膨張係数が小さい。
外管バルブ6がガラスバルブの場合も、図1、図2と同じ構成になるが、図4と図5の場合は逆転する。すなわち、外管バルブ6がガラスバルブの場合、図4は、照明ランプ50の高温時の縦断面を示す図となる。図5は、照明ランプ50の低温時の縦断面を示す図となる。
ここで、外管バルブ6とアルミ製ヒートシンク4との45度の温度差による長手方向の膨張長さの差がYmmとすると以下の関係するのがよい。
環状凹部64の深さF=環状外壁部53の深さF=環状内壁部63の深さF≧Ymm×2
環状凹部64の深さF=環状外壁部53の深さF=環状内壁部の深さF>Ymm×2=45度の温度差の膨張長さの差×2
実際には、余裕を持つ必要があるため、環状凹部64の深さFは、Ymm×2×1.1以上あればよい。最大でYmm×2×1.3以下であればよい。
その他は、実施の形態1と同じである。
なお、本実施の形態(公称寸法1198mmのLDL40ランプ)において、前記Yの値は0.7mmである。また、公称寸法580mmのLDL20ランプの場合、Yの値は0.35mmである。
なお、ヒートシンク4の材質を、銅、鉄、鋼、亜鉛、スズ、鉛などの他の金属にしてもよい。鉄の線膨張係数は、12.1×10−6/Kであり、銅の線膨張係数は、16.8×10−6/Kである。
実施の形態7.
以下、シリコーン9(接着剤)の塗布について図3の外周内周の全周塗布以外の塗布方法について説明する。
図12は、外管バルブ6の片方の端部の内側にのみ、シリコーン9を360度全周塗布して接着した場合を示している。
図示しないが、外管バルブ6の片方の端部の外側にのみ、シリコーン9を塗布して接着してもよい。
図示しないが、外管バルブ6のバルブ端面61と環状凹部64の環状面66との間にのみシリコーン9を塗布して接着してもよい。
図13は、シリコーン9を外管バルブ6の片方の端部の一部分(約全周/12、中心角約30度)にのみ塗布して接着した場合を示している。シリコーン9を外管バルブ6の一部分にのみに塗布した場合、半径方向にがたつきがないとともに、外管バルブ6が半径方向に膨張縮小した場合でもクリアランスGとHがあるので、半径方向に膨張縮小を吸収することができる。
図14は、シリコーン9を外管バルブ6の片方の端部の2箇所部分にのみ塗布して接着した場合を示している。シリコーン9を外管バルブ6の2箇所部分にのみに塗布した場合は、半径方向にがたつきがないとともに、外管バルブ6が半径方向に膨張縮小した場合でもクリアランスGとHがあるので、半径方向に膨張縮小を吸収することができる。
図示しないが、外管バルブ6の半周部分(約全周/2、中心角約180度)にシリコーン9を塗布して接着してもよい。
シリコーン9で外管バルブ6の一部分を接着する場合は、熱の影響が少ない場所がよい。
例えば、図13のように、発光方向の裏側がよい。
あるいは、図14のように、基板2の両サイドがよい。
その他は、実施の形態1と同じである。
実施の形態8.
図15、図16は、シリコーン9(接着剤)で、外管バルブ6の長手方向中央の内壁の対向する2箇所のみと発光部54(ヒートシンク4と基板2との両方)の両サイドを接着した場合を示している。
また、図17のように、シリコーン9で、外管バルブ6の中央内壁とヒートシンク4の底部分とを1箇所のみで接着してもよい。
図15、図16、図17の場合は、外管バルブ6の長手方向中央で接着しているので、外管バルブ6の両端が自由端90となり、外管バルブ6の伸縮が長手方向の両側で可能になる。
ヒートシンク4と基板2とのいずれか一方のみに接着する場合でもかまわない。また、両サイドでななく、片方のサイドのみ接着する場合でもかまわない。
また接着場所は、長手方向中央に限るものではなく、発光部54、ヒートシンク4又は基板2の長手方向のいずれかの部分一カ所であればよい。外管バルブ6の内壁とヒートシンク4又は基板2との距離が最小の部分を接着すれば、シリコーンの使用量を節約できる。
その他は、実施の形態1と同じである。
実施の形態9.
図18は、接着剤の代わりに、ばね70を用いた場合を示している。
ばね70は、環状凹部64と同一半径のコイルばねであり、ばね70は、環状凹部64に埋めこまれる。
ばね70は、外管バルブ6のバルブ端面61を全周360度に渡り長手方向に押圧する。ばね70の弾性を強くすれば、外管バルブ6が長手方向にがたつくことはない。
また、ランプが衝撃を受けた場合、ばね70により、衝撃を吸収できるので、外管バルブ6の破壊・破損が防止できる。
ばね70は、片側にのみあってもよい。ばね70が片側のみにある場合は、リード線10がない左側に配置するのがよい。外管バルブ6のバルブ端面61と環状凹部64の環状面66とが右側で接触するので埃やちりの浸入を防止することができるからである。
ばね70は、コイルばねでなくてもよく、環状凹部64と同一半径のリング状・ドーナツ状の板ばねでもよい。
ばね70は、全周360度に存在しなくてもよく、円周の一部分に部分的にあってもよい。ばね70は、部分的に1箇所以上あればよい。
その他は、実施の形態1と同じである。
***各実施の形態のまとめ***
各実施の形態で説明した照明ランプは、
筒状の外管バルブ6と、
外管バルブに収納されて光を発光する発光部54と、
発光部54の両端に固定された1対の口金5とを備え、
外管バルブ6の一端のみを固定端80として片方の口金5に固定し、外管バルブ6の他端を自由端90として他方の口金5に対して伸縮自由な自由端にしたことを特徴とする。
外管バルブ6の固定端80は、片方の口金5に接着剤で固定されていることを特徴とする。
外管バルブ6の固定端80は、360度全周が固定されていることを特徴とする。
外管バルブ6の固定端80は、片方の口金5に、凹部と凸部との係合により固定されていることを特徴とする。
外管バルブ6の固定端80は、360度全周のうち、一部分一カ所のみが固定されていることを特徴とする。
外管バルブ6の固定端80は、360度全周のうち、一部分複数箇所が固定されていることを特徴とする。
外管バルブ6の固定端80は、発光部54に給電するリード線がある方の一端であることを特徴とする。
発光部54は、
発光ダイオード1と、
発光ダイオードを取り付けた基板2と、
基板を取り付ける金属製のヒートシンク4と
を有し、
口金5は、円柱形状をしており、ヒートシンク4の両端に固定され、
口金5は、円柱形状の円形の端面の縁部に、外管バルブ6のバルブ端面に向き合う環状凹部64を有し、
前記一方の口金5の環状凹部64は、外管バルブ6の固定端80を嵌め込んで固定し、
前記他方の口金5の環状凹部64は、外管バルブ6の自由端90を口金5に対して長手方向に変位可能なよう挿入していることを特徴とする。
外管バルブ6とヒートシンクとの45度の温度差による膨張長さの差をXmmとすると、
環状凹部64の深さFは、「膨張長さの差Xmm×2」よりも大きいことを特徴とする。
また、照明ランプ50は、
筒状の外管バルブ6と、
外管バルブ6に収納されて光を発光する発光部54と、
発光部54の両端に固定された1対の口金5とを備え、
外管バルブ6の内壁の長手方向の一部のみを発光部54に固定し、外管バルブ6の両端を口金5に対して伸縮自由な自由端にしたことを特徴とする。
あるいは、外管バルブ6の端面と口金5の間に設けられたばね70を備え、
外管バルブ6のバルブ端面61を口金5に対して伸縮自由な自由端にしたことを特徴とする。
上記各実施の形態において、G13タイプの口金5で説明したが、口金5はG13に限るのではなく、GX16タイプのもの、その他のタイプのものであっても構わない。
上記各実施の形態を組み合わせてもかまわない。
1 LED、2 基板、3 絶縁フィルム、4 ヒートシンク、5 口金、6 外管バルブ、7 固定ネジ、8 給電端子、9 シリコーン、10 リード線、50 照明ランプ、51 上口金、52 下口金、53 環状外壁部、54 発光部、55 内端面、56 固定部、60 両面テープ、61 バルブ端面、63 環状内壁部、64 環状凹部、65 外端面、66 環状面、67 鉤型切欠き、68 穴、69 突起、70 ばね、80 固定端、90 自由端。

Claims (6)

  1. 筒状の外管バルブと、
    前記外管バルブに収納されて光を発光する発光部と、
    前記発光部の両端に固定された1対の口金とを備え、
    前記外管バルブの内壁の長手方向の一部のみが前記発光部に固定され、前記外管バルブの両端を前記口金に対して伸縮自由な自由端にしたことを特徴とする照明ランプ。
  2. 前記外管バルブの長手方向中央の内壁の対向する2箇所のみと前記発光部の両サイドとが接着されたことを特徴とする請求項1記載の照明ランプ。
  3. 前記外管バルブの長手方向中央の内壁の1箇所と前記発光部の片方のサイドのみとが接着されたことを特徴とする請求項1記載の照明ランプ。
  4. 前記発光部は、ヒートシンクを有し、
    前記外管バルブの中央内壁と、前記ヒートシンクの底部分とが1箇所のみで接着されたことを特徴とする請求項1記載の照明ランプ。
  5. 前記発光部は、
    基板と、
    前記基板を取り付けたヒートシンクと
    を有し、
    前記外管バルブの内壁と前記ヒートシンクの長手方向のいずれかの部分一カ所と、又は、前記外管バルブの内壁と前記基板の長手方向のいずれかの部分一カ所とが接着されたされたことを特徴とする請求項1記載の照明ランプ。
  6. 前記発光部は、
    基板と、
    前記基板を取り付けたヒートシンクと
    を有し、
    前記外管バルブの内壁と前記ヒートシンクとの距離が最小の部分、又は、前記外管バルブの内壁と前記基板との距離が最小の部分が接着されたことを特徴とする請求項1記載の照明ランプ。
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