JP6125344B2 - 磁歪式振動発電装置 - Google Patents

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本発明は、振動部材の振動エネルギーを磁歪素子の逆磁歪効果を利用して電気エネルギーに変換して取り出す磁歪式振動発電装置に関するものである。
従来から、振動エネルギーを電気エネルギーに変換して取り出す振動発電装置の一種として、磁歪素子の逆磁歪効果を利用する磁歪式の振動発電装置が提案されている。即ち、特許第4905820号公報(特許文献1)等に示されているように、発電素子が磁歪素子を備えており、磁歪素子を含んで構成される磁路上にコイルが巻回されると共に、磁路に対して永久磁石によるバイアス磁界が印加された構造を有している。そして、磁歪素子が振動入力によって変形すると、磁歪素子の透磁率が変化することでコイルに流れる誘導電流が、電気エネルギーとして取り出されるようになっている。
ところで、特許文献1に示された磁歪式振動発電装置では、磁歪素子を含んで構成される振動系の共振を利用することで、特定周波数の振動入力時に磁歪素子の変形を効率的に生ぜしめて、目的とする発電量を実現することが提案されている。
ところが、特許文献1に記載された1自由度振動系の1次共振は、特定の狭い周波数域において生じることから、振動系に固有の1次共振周波数を外れた周波数域の振動入力に対しては、磁歪素子の歪みが小さくなることから、発電効率の大幅な低下を避け難い。それ故、周波数の異なる複数種類の振動が入力される場合に、より効率的に発電可能な発電装置が求められていた。
なお、2次以上の共振モードを利用して発電することも考えられるが、一般的に、2次以上の共振モードでは1次共振モードに比して振幅が小さいことから、磁歪素子の歪みが小さくなって、大きな発電量を得難いという問題がある。しかも、1次共振モードの共振周波数に対して2次共振モードの共振周波数は大幅に高周波数となることから、振動部材からの振動入力に対して、1次共振と2次共振の両方を利用してそれぞれに有効な発電量を得ることは現実的ではなかった。
特許第4905820号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、複数の異なる周波数域乃至は広い周波数域において電気エネルギーを有効に得ることができる、新規な構造の磁歪式振動発電装置を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、本発明の第一の態様は、振動部材に取り付けられる振動系を備えており、該振動系に設けられた発電素子が磁歪材料で形成された磁歪素子を含んで構成される磁路上にコイルが巻回されていると共に該磁路に対してバイアス磁界を印加する永久磁石が配設された構造とされて、該発電素子が該振動部材の振動エネルギーを電気エネルギーに変換する磁歪式振動発電装置において、前記振動系が振動伝達方向で直列的に配される複数の部分振動系を備えていると共に、該振動系における少なくとも1つの該部分振動系が前記発電素子を備えた発電振動系とされている一方、該発電振動系の共振周波数が振動伝達方向で該発電振動系より先端側に位置する該部分振動系の共振周波数の√2倍よりも高周波に設定されていることを、特徴とする。
このような第一の態様に従う構造とされた磁歪式振動発電装置によれば、複数の部分振動系の各共振周波数の振動入力に対して、部分振動系の共振によって発電振動系の磁歪素子に大きな歪みが生じることから、周波数の異なる複数種類の入力振動の何れに対しても高効率の発電が実現される。
特に、磁歪素子を備えた発電振動系の共振周波数が、振動伝達方向で発電振動系より先端側に位置する部分振動系の共振周波数よりも高周波に設定されることにより、発電振動系の反共振による振動絶縁作用で振動伝達が著しく阻害されることなく、振動部材の振動エネルギーが発電振動系より先端側に位置する部分振動系に伝達される。それ故、発電振動系より先端側に位置する部分振動系の共振によって、発電振動系の磁歪素子に大きな歪みが生じて、発電振動系より先端側に位置する部分振動系の共振周波数の振動入力に対して、効率的な発電が実現される。
さらに、本態様では、発電振動系を含む各部分振動系の共振周波数において、それぞれ部分振動系の共振による高効率の発電が実現される。従って、互いに周波数の異なる複数種類の振動入力が想定される場合には、各部分振動系の共振周波数を、想定される各振動の周波数に合わせることで、何れの入力振動に対しても電気エネルギーを有効に得ることができる。
本発明の第の態様は、振動部材に取り付けられる振動系を備えており、該振動系に設けられた発電素子が磁歪材料で形成された磁歪素子を含んで構成される磁路上にコイルが巻回されていると共に該磁路に対してバイアス磁界を印加する永久磁石が配設された構造とされて、該発電素子が該振動部材の振動エネルギーを電気エネルギーに変換する磁歪式振動発電装置において、前記振動系が振動伝達方向で直列的に配される複数の部分振動系を備えていると共に、該振動系における少なくとも1つの該部分振動系が前記発電素子を備えた発電振動系とされている一方、該発電振動系の共振周波数が振動伝達方向で該発電振動系より先端側に位置する部分振動系の共振周波数よりも高周波且つ該部分振動系の共振周波数の√2倍よりも低周波に設定されていることを、特徴とする
本発明の第二の態様では、上記[0010],[0011]に記載の効果に加えて、次の効果が発揮され得る。すなわち、の態様によれば、発電振動系を含む各部分振動系の振動が相互に影響し合う連成状態で生じることから、広い周波数域に亘って連続的に高い発電効率を実現することができる。従って、相互に周波数の異なる複数種類の振動が同時に或いは複合して入力される場合に、特定の周波数域において電気エネルギーを有効に得ることができる。
本発明の第の態様は、振動部材に取り付けられる振動系を備えており、該振動系に設けられた発電素子が磁歪材料で形成された磁歪素子を含んで構成される磁路上にコイルが巻回されていると共に該磁路に対してバイアス磁界を印加する永久磁石が配設された構造とされて、該発電素子が該振動部材の振動エネルギーを電気エネルギーに変換する磁歪式振動発電装置において、前記振動系が振動伝達方向で直列的に配される複数の部分振動系を備えていると共に、該振動系における少なくとも1つの該部分振動系が前記発電素子を備えた発電振動系とされている一方、該発電振動系の共振周波数が振動伝達方向で該発電振動系より先端側に位置する該部分振動系の共振周波数よりも高周波に設定されていると共に、磁性材料で形成されたヨークが長手状とされた前記磁歪素子の側方に並列配置されて、該磁歪素子と該ヨークを含んで前記磁路が形成されており、前記永久磁石が磁路上でヨークに取り付けられていると共に、該ヨークが該磁路における磁路長方向の少なくとも一方の側で磁歪素子に対して相対的な変位を許容されていることを、特徴とする
本発明の第三の態様では、上記[0010],[0011]に記載の効果に加えて、次の効果が発揮され得る。すなわち、第三の態様によれば、磁歪素子の側方に配置されるヨークを利用して磁路が形成されることで、磁路を大きな自由度で設定可能であると共に、磁路における磁気ギャップが低減されて、バイアス磁界が効率的に印加される。しかも、並列配置された磁歪素子とヨークを、それぞれ発電振動系のばね成分を構成する部材とすれば、発電振動系のばね定数を容易に大きく設定できて、発電振動系の共振周波数を高周波に設定し易くなる。さらに、本態様では、磁歪素子の変形に対してヨークが追従して変形するのを防いで、ヨークに取り付けられる永久磁石に歪みが生じるのを回避することで、永久磁石の割れ等が防止される。
本発明の第四の態様は、第一〜第三の何れか1つの態様に記載された磁歪式振動発電装置において、前記振動系における振動伝達方向の最基端に位置する前記部分振動系が前記発電振動系とされているものである。
第四の態様によれば、振動伝達系における振動伝達方向の最基端に配置される部分振動系が発電振動系とされることで、発電振動系の共振周波数の振動が振動部材から発電振動系に有効に伝達されて、発電振動系の共振による効率的な発電が実現される。
本発明の第五の態様は、第一〜第四の何れか1つの態様に記載された磁歪式振動発電装置において、複数の前記部分振動系の各共振周波数が、振動伝達方向の基端側に向かって次第に高周波とされているものである。
第五の態様によれば、各部分振動系に対してそれぞれの共振周波数の振動が有効に伝達されて、各部分振動系の共振周波数の振動入力に対して、共振を利用した効率的な発電がそれぞれ実現される。
本発明の第六の態様は、第一〜第五の何れか1つの態様に記載された磁歪式振動発電装置において、前記発電振動系におけるばね成分のばね定数が振動伝達方向で該発電振動系より先端側に位置する前記部分振動系におけるばね成分のばね定数よりも大きく設定されているものである。
第六の態様によれば、各部分振動系においてばね成分を構成する部材のばね定数の差によって、発電振動系の共振周波数を発電振動系より先端側に位置する部分振動系の共振周波数よりも高周波数に設定し易くなる。特に、ばね成分を構成する部材のばね定数の差で共振周波数をチューニングすれば、マス質量で共振周波数をチューニングする場合に比して、振動系の大型化や重量増が抑えられる。
本発明によれば、発電振動系を含む複数の部分振動系の共振によって、互いに周波数の異なる複数種類の振動の入力に対して、優れた効率で電気エネルギーを得ることができる。しかも、発電振動系の共振周波数が、発電振動系に対して振動伝達方向で先端側に位置する部分振動系の共振周波数に対して、高周波数に設定されていることから、発電振動系よりも先端側の部分振動系に振動部材の振動が有効に伝達されて、発電振動系よりも先端側の部分振動系の共振による発電効率の向上が有効に図られ得る。
本発明の第一の実施形態としての磁歪式振動発電装置を示す正面図。 図1に示す磁歪式振動発電装置の平面図。 図1に示す磁歪式振動発電装置において入力振動の周波数に対する発電量の関係を示すグラフ。 本発明の第二の実施形態としての磁歪式振動発電装置を示す正面図。 図4のV−V断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1,2には、本発明の第一の実施形態としての磁歪式振動発電装置10(以下、発電装置10と称する)が示されている。発電装置10は、振動系11を備えており、その振動系11が第一の部分振動系12と第二の部分振動系14を含んで構成されて、振動系11の第一の部分振動系12が振動部材16に取り付けられるようになっている。なお、以下の説明において、先端側とは、発電装置10の振動部材16への装着状態において、振動部材16からの振動伝達方向で先端側となる図1中の右方を言う。一方、基端側とは、振動部材16からの振動伝達方向で基端側となる図1中の左方を言う。
より詳細には、第一の部分振動系12は、発電素子18を備えた発電振動系とされている。この発電素子18は、磁歪素子20の逆磁歪効果を利用するものであって、ロッド状乃至は長手板状とされた一対の磁歪素子20,20が互いに並列に配置されていると共に、各磁歪素子20にそれぞれコイル22が巻回されている。この磁歪素子20は、変形によって透磁率が変化するようになっており、強度に優れた鉄系の磁歪材料で形成されることが望ましく、形成材料として、例えば、鉄−ガリウム系合金や鉄−コバルト系合金、鉄−ニッケル系合金、テルビウム−ジスプロシウム−鉄系合金等が、好適に採用され得る。なお、本実施形態では、一対の磁歪素子20,20が両端部において連結部材28,28で相互に連結されている。
また、一対の磁歪素子20,20の側方には、ロッド状乃至は長手板状のヨーク24が並列配置されている。このヨーク24は、鉄等の強磁性材料で形成されており、両端部分が一対の磁歪素子20,20に連結されることで、一対の磁歪素子20,20とヨーク24を含んで磁路25が形成されている。更に、一対の磁歪素子20,20とヨーク24の両端部間には、それら一対の磁歪素子20,20とヨーク24の対向方向に着磁された永久磁石26がそれぞれ配設されており、一対の磁歪素子20,20とヨーク24によって構成された磁路25に対して、永久磁石26,26によるバイアス磁界が印加されている。
また、先端側の連結部材28には、第二の部分振動系14が取り付けられている。第二の部分振動系14は、ロッド状乃至は長手板状のばね部材30と、ばね部材30の先端に固定されたマス部材32で構成されており、ばね部材30とマス部材32で構成されたマス−バネ共振系によって、第二の部分振動系14が構成されている。そして、ばね部材30の基端が第一の部分振動系12の先端側の連結部材28に取り付けられることにより、第一の部分振動系12と第二の部分振動系14が振動伝達方向で直列的に配置されている。なお、本実施形態の第二の部分振動系14では、発電効率の向上等を目的として、先端部分にマス部材32が設けられているが、マス部材32を省略した構造の第二の部分振動系も採用可能である。
ここにおいて、振動系11では、第一の部分振動系12の一次共振周波数(f1 )が、第二の部分振動系14の一次共振周波数(f2 )よりも高周波(f1 >f2 )に設定されている。更に、本実施形態では、第一の部分振動系12の一次共振周波数(f1 )が、第二の部分振動系14の一次共振周波数(f2 )の√2倍よりも高周波(f1 >√2*f2 )に設定されており、第一の部分振動系12の一次共振と、第二の部分振動系14の一次共振とが、互いに非連成で略独立して生じるようになっている。
本実施形態では、第一の部分振動系12の磁歪素子20,20やコイル22,22、ヨーク24等によって構成されるばね成分のばね定数が、第二の部分振動系14のばね部材30によって構成されるばね成分のばね定数よりも大きく設定されている。特に、第一の部分振動系12のばね成分が上記の如く並列的に配された複数の部材で構成されていることから、ばね部材30のみで構成された第二の部分振動系14のばね成分よりもばね定数を大きく設定し易くなっており、第一の部分振動系12の共振周波数(f1 )が第二の部分振動系14の共振周波数(f2 )よりも高周波に容易に設定可能とされている。なお、第一の部分振動系12においてばね成分を構成する部材のばね定数は、第二の部分振動系14においてばね成分を構成する部材のばね定数に対して1.4倍以上に設定されることが望ましく、これによって実用的な周波数で各部分振動系12,14の共振による発電効率の向上が図られる。
また、第二の部分振動系14のマス成分が実質的にマス部材32のみで構成されているのに対して、第一の部分振動系12のマス成分としては、磁歪素子20,20、コイル22,22、ヨーク24、永久磁石26,26、連結部材28,28に加えて、第二の部分振動系14による等価マスも作用することから、第一の部分振動系12に対して特別に大型のマス部材を設ける必要もない。
そして、このような第一の部分振動系12と第二の部分振動系14とを備えた発電装置10は、第一の部分振動系12の基端が振動部材16に取り付けられており、第一の部分振動系12が振動系11における振動伝達方向の最基端に位置している。かかる振動部材16への装着状態において、発電装置10では、振動エネルギーの入力に対して磁歪素子20,20が歪むことで、逆磁歪作用による透磁率の変化が生じて、コイル22に誘導電流が流れる。このようにして、発電装置10において、振動部材16の振動エネルギーが、発電素子18によって電気エネルギーに変換されるようになっている。そこにおいて、発電装置10では、第一の部分振動系12の共振周波数(f1 )と、第二の部分振動系14の共振周波数(f2 )において、それぞれ共振による大きな歪みが磁歪素子20に生ぜしめられて、高い発電効率が実現されるようになっている。
すなわち、発電装置10では、第一の部分振動系12の共振時には、第一の部分振動系12の磁歪素子20,20が共振状態で大きく歪むことから、磁歪素子20,20において逆磁歪効果に基づく透磁率の変化が大きく生ぜしめられる。その結果、磁路25上に配されたコイル22を貫通する磁束が大きく変化して、コイル22に大きな誘導電流が流れることから、振動エネルギーが電気エネルギーに有利に変換されて取り出される。本実施形態では、振動部材16の主たる振動の入力方向が、一対の磁歪素子20,20の対向方向である図2中の上下方向とされており、主たる振動の入力によって曲げられた一対の磁歪素子20,20は、一方の磁歪素子20が長さ方向(図2中、左右方向)で伸長変形すると共に、他方の磁歪素子20が長さ方向で収縮変形するようになっている。そして、各磁歪素子20に巻き付けられるコイル22の巻回方向をそれぞれ適切に設定することで、各コイル22に流れる電気エネルギーの総計を発電電力として得ることができる。
一方、第二の部分振動系14の共振時にも、第二の部分振動系14からの入力によって、第一の部分振動系12の磁歪素子20,20の歪みが大きく生じることから、逆磁歪効果に基づいた高効率の発電が実現される。そこにおいて、発電振動系である第一の部分振動系12の共振周波数(f1 )が、第二の部分振動系14の共振周波数(f2 )よりも高周波数に設定されることにより、f2 に相当する低周波数の振動が振動部材16から第二の部分振動系14に有効に伝達されて、第二の部分振動系14の共振が生じるようになっている。蓋し、f1 <f2 であれば、f2 に相当する高い周波数の振動入力時には、第一の部分振動系12の反共振による振動絶縁作用により、振動部材16から第二の部分振動系14への振動伝達が低減されると共に、第一の部分振動系12の振動が著しく制限されることから、第二の部分振動系14の共振による効果的な発電が実現され難くなるからである。なお、本実施形態では、発電装置10の振動系11が、第一の部分振動系12と第二の部分振動系14によって構成されており、各部分振動系12,14の共振周波数が基端側の部分振動系ほど高周波になるように設定されている。
このように、本実施形態に係る発電装置10では、図3のグラフに実線で示すように、異なる二つの周波数(f1 ,f2 )において、それぞれ高効率の発電が実現される。従って、振動部材16から周波数の異なる二種類の振動が発電装置10に入力される場合に、それら二種類の振動の何れに対しても、有効な発電が可能とされる。なお、第一の部分振動系12と第二の部分振動系14とを備えた本実施形態に係る発電装置10(実施例)と、第一の部分振動系12のみで振動系を構成した発電装置(比較例)とにおいて、それぞれ磁歪素子20の長さ方向での歪みを計測した。それによれば、振幅(加速度振幅)が10Gで周波数が500Hzの振動入力に対して、実施例の歪みが約200με、比較例の歪みが約160μεであった。更に、振幅(加速度振幅)が10Gで周波数が1000Hzの振動入力に対して、実施例の歪みが約120με、比較例の歪みが約20μεであった。この結果からも明らかなように、実施例では、比較例に比して、特に第二の部分振動系14の共振周波数において、磁歪素子20の逆磁歪効果に基づく発電量を大きく得ることができる。
また、第一の部分振動系12および第二の部分振動系14の共振周波数を外れた周波数域においても、第一の部分振動系12と第二の部分振動系14が互いに逆位相で変位乃至は変形する周波数域の振動入力時には、磁歪素子20,20に生じる歪みが大きく得られて、発電効率の向上が図られ得る。
また、本実施形態では、磁路25が、長手板状とされた一対の磁歪素子20,20と、それら磁歪素子20,20の側方に配置されたヨーク24とを含んで構成された閉磁路とされている。これにより、磁路25に対してバイアス磁界が効率的に印加されることから、小型の永久磁石26によって目的とするバイアス磁界が印加されて、有効な発電効率を実現できる。
なお、第一の部分振動系12の共振周波数(f1 ’)を、第二の部分振動系14の共振周波数(f2 ’)よりも高周波で、且つ第二の部分振動系14の共振周波数(f2 ’)の√2倍よりも低周波(f2 ’<f1 ’<√2*f2 ’)に設定することで、第一の部分振動系12の振動と第二の部分振動系14の振動が相互に影響し合う連成状態で生じるようにしても良い。これによれば、図3のグラフ中に破線で示すように、f2 ’付近からf1 ’付近に亘る広い周波数域で、連続的に高い発電効率を実現できる。従って、例えば周波数域が異なる多種類の振動が入力される場合に、特に優れた発電効率をもって電気エネルギーを有利に取り出すことが可能となる。
図4,5には、本発明の第二の実施形態としての磁歪式振動発電装置40が示されている。この発電装置40は振動系42を備えており、振動系42が発電振動系としての第一の部分振動系44と第二の部分振動系14とによって構成されている。なお、以下の説明において第一の実施形態と実質的に同一の部材および部位については、図中に同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
より詳細には、第一の部分振動系44は、発電素子46の一部を含んで構成されている。発電素子46は、略一定の円形断面で延びるロッド形状の磁歪素子48にコイル50が巻回された構造を有しており、磁歪素子48とコイル50によって本実施形態の第一の部分振動系44が構成されている。なお、磁歪素子48の形成材料は、第一の実施形態と同様である。
また、発電素子46は、ヨーク52を備えている。ヨーク52は、第一の実施形態のヨーク24と同様に強磁性材料で形成されており、長手板状で磁歪素子48の側方を並列に延びるヨーク本体54と、ヨーク本体54の先端部から磁歪素子48側に向かって突出する近接部56とを、一体で備えている。近接部56は、磁歪素子48の軸方向に対して略直交して広がる板状の部分であって、中央部分を厚さ方向に貫通する挿通孔58が形成されている。この挿通孔58は、磁歪素子48よりも僅かに大きな直径で形成されており、図5に示すように、挿通孔58に対して磁歪素子48が全周に亘って隙間を持った状態で挿通可能とされている。
そして、ヨーク52は、ヨーク本体54が磁歪素子48の側方に配されて磁歪素子48と並列に延びていると共に、近接部56の挿通孔58に対して磁歪素子48が挿通されている。これにより、磁歪素子48の先端部分は、挿通孔58内でヨーク52に対して相対変位を許容されている。なお、磁歪素子48の外周面が挿通孔58の内周面に対して周上の一部で当接していても良いが、より好適には全周に亘って隙間が形成された非接触状態に配置される。また、磁歪素子48の外周面と挿通孔58の内周面との間の隙間は、想定される入力振動に対する磁歪素子48のヨーク52に対する相対変位量に応じて設定されて、磁歪素子48の変形時にヨーク52に対する打ち当たりが回避されることが望ましい。
一方、磁歪素子48の基端部とヨーク本体54の基端部は、それぞれ振動部材16に取り付けられるようになっている。本実施形態では、振動部材16が強磁性体とされており、磁歪素子48とヨーク52と振動部材16とによって、磁路59が形成されるようになっている。尤も、例えば、ヨーク本体54の基端部を磁歪素子48の基端部に接触状態で連結する、或いは非接触で近接配設することにより、振動部材16を含まずに磁路を形成することも可能であり、その場合には振動部材16が強磁性体である必要はない。
そして、ヨーク本体54に矩形筒状の永久磁石60が取り付けられており、永久磁石60によって磁路59に所定のバイアス磁界が印加されている。なお、磁歪素子48とヨーク52の近接部56との間に隙間が形成されているが、磁歪素子48の外周面と挿通孔58の内周面とが充分に近接していることにより、磁路59が実質的に閉磁路とされており、バイアス磁界が磁気ギャップによる損失を充分に抑えられて効率的に印加されている。
また、第一の部分振動系44の先端側には、第二の部分振動系14が配設されており、ばね部材30の基端が磁歪素子48の先端に固定されている。そこおいて、第一の部分振動系44の共振周波数(f1 )が、第二の部分振動系14の共振周波数(f2 )よりも高周波数(f2 <f1 )に設定されている。本実施形態では、磁歪素子48の先端部分がヨーク52に対する相対変位を許容されていることから、第一の部分振動系44のばね成分が磁歪素子48およびコイル50で構成されている。そして、それら磁歪素子48およびコイル50で構成された第一の部分振動系44のばね成分のばね定数が、ばね部材30で構成された第二の部分振動系14のばね成分のばね定数よりも大きくされることで、第一の部分振動系44の共振周波数が第二の部分振動系14の共振周波数よりも高周波数に設定されている。
このような本実施形態に従う構造とされた発電装置40においても、第一の部分振動系44の共振と第二の部分振動系14の共振とによって、周波数の異なる複数種類の振動入力に対して、高い発電効率をもって電気エネルギーを得ることができる。
しかも、ヨーク52の先端部分が磁歪素子48の先端部分に対する相対変位を許容されていることから、振動入力時にヨーク52が磁歪素子48の変形に追従して変形するのを回避できる。それ故、磁歪素子48の変形時に、ヨーク52に取り付けられた永久磁石60に大きな外力が作用するのを防ぐことができて、永久磁石60の割れ等の不具合が回避される。
特に、磁歪素子48が挿通孔58に対して周囲に全周に亘って隙間が形成されるように挿通されていると共に、磁歪素子48と挿通孔58の内周面との間に形成される隙間が、磁歪素子48の変形時に磁歪素子48と挿通孔58の内周面との離隔状態を維持する大きさとされている。これにより、磁歪素子48とヨーク52の打ち当たりによる損傷や打音の発生等が回避される。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、振動系において、第一の部分振動系12のような発電素子を備える発電振動系が、複数設けられていても良い。同様に、第二の部分振動系14のような発電素子を持たない部分振動系が、直列的に複数配され得ることは、言うまでもない。
前記実施形態では、2つの部分振動系12,14で構成された振動系11が例示されているが、本発明に係る磁歪式振動発電装置では、3つ以上の部分振動系で構成された振動系も採用され得る。3つ以上の部分振動系を有する振動系では、好適には、振動伝達方向の最基端に位置する部分振動系が発電振動系とされるが、例えば振動の伝達方向で中間に位置する部分振動系が発電振動系とされていても良い。更に、振動系を構成する3つ以上の部分振動系は、少なくとも発電振動系の共振周波数が発電振動系よりも先端側に位置する部分振動系の共振周波数よりも高周波であれば良いが、より好適には、各部分振動系の共振周波数が、振動伝達方向の基端側に向かって順に低周波となるように、チューニングされる。
前記実施形態では、磁路25がヨーク24を含んで構成されているが、例えば、一対の磁歪素子20,20の長手方向両端部の間にそれぞれ永久磁石26を配設する等して、ヨーク24なしで磁路を形成することもできる。
10,40:磁歪式振動発電装置、11,42:振動系、12,44:第一の部分振動系(発電振動系)、14:第二の部分振動系、18,46:発電素子、20,48:磁歪素子、22,50:コイル、24,52:ヨーク、25,59:磁路、26,60:永久磁石

Claims (6)

  1. 振動部材に取り付けられる振動系を備えており、該振動系に設けられた発電素子が磁歪材料で形成された磁歪素子を含んで構成される磁路上にコイルが巻回されていると共に該磁路に対してバイアス磁界を印加する永久磁石が配設された構造とされて、該発電素子が該振動部材の振動エネルギーを電気エネルギーに変換する磁歪式振動発電装置において、
    前記振動系が振動伝達方向で直列的に配される複数の部分振動系を備えていると共に、該振動系における少なくとも1つの該部分振動系が前記発電素子を備えた発電振動系とされている一方、
    該発電振動系の共振周波数が振動伝達方向で該発電振動系より先端側に位置する該部分振動系の共振周波数の√2倍よりも高周波に設定されていることを特徴とする磁歪式振動発電装置。
  2. 振動部材に取り付けられる振動系を備えており、該振動系に設けられた発電素子が磁歪材料で形成された磁歪素子を含んで構成される磁路上にコイルが巻回されていると共に該磁路に対してバイアス磁界を印加する永久磁石が配設された構造とされて、該発電素子が該振動部材の振動エネルギーを電気エネルギーに変換する磁歪式振動発電装置において、
    前記振動系が振動伝達方向で直列的に配される複数の部分振動系を備えていると共に、該振動系における少なくとも1つの該部分振動系が前記発電素子を備えた発電振動系とされている一方、
    発電振動系の共振周波数が振動伝達方向で該発電振動系より先端側に位置する部分振動系の共振周波数よりも高周波且つ該部分振動系の共振周波数の√2倍よりも低周波に設定されていることを特徴とする磁歪式振動発電装置。
  3. 振動部材に取り付けられる振動系を備えており、該振動系に設けられた発電素子が磁歪材料で形成された磁歪素子を含んで構成される磁路上にコイルが巻回されていると共に該磁路に対してバイアス磁界を印加する永久磁石が配設された構造とされて、該発電素子が該振動部材の振動エネルギーを電気エネルギーに変換する磁歪式振動発電装置において、
    前記振動系が振動伝達方向で直列的に配される複数の部分振動系を備えていると共に、該振動系における少なくとも1つの該部分振動系が前記発電素子を備えた発電振動系とされている一方、
    該発電振動系の共振周波数が振動伝達方向で該発電振動系より先端側に位置する該部分振動系の共振周波数よりも高周波に設定されていると共に、
    磁性材料で形成されたヨークが長手状とされた前記磁歪素子の側方に並列配置されて、該磁歪素子と該ヨークを含んで前記磁路が形成されており、前記永久磁石が磁路上でヨークに取り付けられていると共に、該ヨークが該磁路における磁路長方向の少なくとも一方の側で磁歪素子に対して相対的な変位を許容されていることを特徴とする磁歪式振動発電装置。
  4. 前記振動系における振動伝達方向の最基端に位置する前記部分振動系が前記発電振動系とされている請求項1〜3の何れか1項に記載の磁歪式振動発電装置。
  5. 複数の前記部分振動系の各共振周波数が、振動伝達方向の基端側に向かって次第に高周波とされている請求項1〜4の何れか1項に記載の磁歪式振動発電装置。
  6. 前記発電振動系におけるばね成分のばね定数が振動伝達方向で該発電振動系より先端側に位置する前記部分振動系におけるばね成分のばね定数よりも大きく設定されている請求項1〜の何れか1項に記載の磁歪式振動発電装置。
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