JP6124453B2 - 循環流動層ボイラ - Google Patents
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Description
また、ダクト21内に飛灰や流動媒体Sが堆積・固化した状態で高負荷燃焼に移行した場合、ダクト21内の開口面積が狭くなっているため、ダクト21内のガス流速が急上昇し、排ガスG中に含まれる流動媒体Sによりサイクロン23の周壁に摩耗を生じることになる。
しかし、ただ単にダクト全体を傾斜させてサイクロンに接続する場合、ボイラ水管の構造が難しく、燃焼室を形成する炉本体とサイクロンとを一体で構成する必要がある。
また、炉本体側のダクトとサイクロン側のダクトを伸縮継手(図示省略)で接続する場合、伸縮継手部分に飛灰や流動媒体が堆積し易く、伸縮継手の能力低下や損傷を引き起こすことがある。
また、水管パネルの溶射部分が削り取られることを避けるために水管パネルの全面を耐火物で保護した場合には、熱回収率が悪くになるので伝熱面積を増加させる必要があり、その結果、ボイラ自体が大きくなって製造コストが増加することになる。
図1及び図2は本発明の実施形態に係る循環流動層ボイラを示し、当該循環流動層ボイラは、流動層1a及び燃焼室1bを有する炉本体1と、炉本体1に燃焼室出口ダクト2及び伸縮継手3を介して接続された円筒状の流動媒体回収器4と、流動媒体回収器4にダウンカマー5を介して接続されたループシール部6と、ループシール部6と炉本体1を接続する循環用ダクト7等から構成されており、炉本体1等の構成材(水管パネル等)による吸収熱及び煙道に配設した熱交換器等による吸収熱により発電用の高温高圧の過熱蒸気を発生させるようにしたものである。
また、炉本体1の側壁の上部位置には、炉内の燃焼ガス及び吹き上げられた飛灰、流動媒体Sを水平方向へ排出する燃焼室出口1cが形成されていると共に、炉本体1の側壁の下部位置には、流動媒体回収器4で排ガスGから分離された流動媒体Sの戻し口1dが形成されている。
また、水管パネルの燃焼室1bに対向する部分は、水管を裸管状態としても良く、或いは耐摩耗性の金属やセラミックを溶射して保護皮膜を形成し、この保護皮膜により水管パネルを保護するようにしても良い。
また、上記の実施形態においては、炉本体1の横断面形状を四角形としたが、他の実施形態においては、炉本体1の横断面形状を円形としても良い。
この燃焼室出口ダクト2の燃焼室1b側の上壁2cは、水平に形成され、また、燃焼室1b側の底壁2dは、燃焼室1bに対して下向きに傾斜させて形成され、更に、燃焼室出口ダクト2の流動媒体回収器4側の上壁2e及び底壁2fは、流動媒体回収器4側へ下向きに傾斜させて形成されている。即ち、燃焼室出口ダクト2は、底壁2d,2fに水平部分を極力設けない構成となっている。
また、燃焼室出口ダクト2の流動媒体回収器4側の上壁2eは、その内面に更に耐摩耗性に優れた耐火物(耐火煉瓦やキャスタブル耐火物)が内張りされており、燃焼室出口ダクト2の他の部位よりも耐摩耗性を向上させ、流動媒体S等による上壁2c部分の水管の摩耗を防止するようにしている。
更に、燃焼室出口ダクト2の流動媒体回収器4側の上壁2eには、流動砂等の補充用流動媒体、脱硫剤(石灰石やドロマイト等)及び粉末状のクリンカ抑制剤(Mg、Si、Ca、Al等の化合物)の投入口2gが形成されており、当該投入口2gから自然落下により補充用流動媒体、脱硫剤又はクリンカ抑制剤のうちの何れか一つ又は二つ以上を同時に投入することができるようになっている。
また、上記の実施形態においては、燃焼室出口ダクト2全体を水管パネル構造としたが、他の実施形態においては、燃焼室出口ダクト2全体を鋼板製のケーシングに耐火物を内張りして成る耐火物構造としても良い。
この入口ダクト4Cの垂直部4C′は、排ガスGと流動媒体Sが同じ向きに流れるため、局所的な渦流を生じることがなく、流動媒体S等の摩耗によるトラブルを生じないので、この部分の水管には、耐火物や溶射による保護が不要となる。そのため、この入口ダクト4Cは、少なくとも垂直部4C′が裸管状態の水管パネルにより構成されており、排ガスGからの熱回収量を高められるようになっている。尚、入口ダクト4Cの傾斜部4C″は、裸管状態の水管パネル構造としても良く、或いは、耐火物や溶射で保護された水管パネル構造としても良い。
また、入口ダクト4Cの垂直部4C′の上端部には、脱硫剤及びクリンカ抑制剤の投入口4eが複数形成されており、当該投入口4eから脱硫剤又はクリンカ抑制剤のうちの何れか一つ又は二つを同時に投入することができるようになっている。
また、入口ダクト4Cの傾斜部4C″の断面積(高さ×幅)は、入口ダクト4C内を流通する排ガスGの流速が所定の値になるように設定されている。
この実施形態においては、入口ダクト4Cの傾斜部4C″の傾斜角度αを10°〜45°に設定し、また、入口ダクト4Cの傾斜部4C″の断面積を入口ダクト4C内の排ガスGの流速が循環流動層ボイラの最大負荷燃焼時で20m/s以下になるように設定すると共に、低負荷燃焼時の下限を設けないようにしている。これらの値は、実機を用いた試験結果から決定されたものである。
従って、流動媒体回収器4は、入口ダクト4C、ダウンカマー5及び排ガス出口ダクト8に伸縮継手3を接続することによって、炉本体1とは別に複数本の支柱9による中間支持構造で自立させることができる。これに伴って、炉本体1も、複数本の支柱9による中間支持構造で自立させることができる。
また、流動媒体回収器4の外形の大きさは、トラックによる搬送に支障を来たさない程度に設定されている。
この実施形態においては、入口ダクト4Cを含まない流動媒体回収器4の平面視における外形の大きさは2500mm以下に、また、入口ダクト4Cを含む流動媒体回収器4の平面視における外形の大きさは3800mm以下になるようにそれぞれ設定されている。
また、ループシール部6内には、その底部から流動化空気が供給されており、これによりループシール部6内にも流動層が形成されている。
また、燃焼室出口ダクト2の流動媒体回収器4側の上壁2cを流動媒体回収器4側へ下向きに傾斜させて形成しているため、排ガスGの流速が上昇した場合でも、、燃焼室出口ダクト2内での排ガスGの流れが滑らかになり、燃焼室出口ダクト2の上壁2e部分での排ガスGと流動媒体Sによる摩耗を低減することができる。
更に、燃焼室出口ダクト2の流動媒体回収器4側の上壁2e内面に耐摩耗性に優れた耐火物を内張りしているため、流動媒体Sの衝突による上壁2e部分の水管の摩耗を防止することができる。
更に、流動媒体回収器4に入口ダクト4Cを下向き傾斜姿勢で接続しているため、極低負荷運転を行った場合でも、流動媒体Sの落下が滑らかになる。その結果、流動媒体回収器4の下部の絞り部分(円錐部4B)に流動媒体Sがまとまって落ちることにより生じる閉塞を回避することができる。
更に、燃焼室出口ダクト2の垂直部4C′に伸縮継手3を介して入口ダクト4Cを接続しているため、低負荷運転でガス流速が遅い場合でも、伸縮継手3部分に飛灰や流動媒体Sが堆積すると云うことがない。
また、分離された飛灰等を含んだ排ガスGは、流動媒体回収器4の排ガス出口ダクト8から煙道を通って熱交換器等で熱を回収され、バグフィルタ等の排ガス処理装置により飛灰等が除去された後、煙突から大気中へ放出される。
Claims (6)
- 流動層及び燃焼室を有する炉本体と、炉本体の上部に設けた燃焼室出口に接続され、燃焼室出口から水平方向へ排出された排ガス、流動媒体、飛灰を下向きの流れにする四角筒状の燃焼室出口ダクトと、燃焼室出口ダクトに伸縮継手を介して接続された下向き傾斜状の入口ダクトを有し、燃焼室出口ダクトから下向きに排出された排ガス、流動媒体、飛灰を入口ダクトから受け入れてこれらを排ガス及び飛灰と流動媒体とに分離する円筒状の流動媒体回収器と、流動媒体回収器で分離された流動媒体を流動媒体回収器から炉本体内の流動層に戻すループシール部とを備えた循環流動層ボイラにおいて、前記燃焼室出口ダクトの燃焼室側の上壁は、水平に形成し、また、燃焼室側の底壁は、燃焼室に対して下向きに傾斜させて形成し、更に、燃焼室出口ダクトの流動媒体回収器側の上壁及び底壁は、流動媒体回収器側へ下向きに傾斜させて形成し、燃焼室出口ダクトの底壁に極力水平部分を設けない構成としたことを特徴とする循環流動層ボイラ。
- 燃焼室出口ダクトを内面を耐火物で保護した水管パネル構造とすると共に、燃焼室出口ダクトの流動媒体回収器側の上壁内面に耐摩耗性に優れた耐火物を内張りし、前記上壁を燃焼室出口ダクトの他の部位よりも耐磨耗性を向上させたことを特徴とする請求項1に記載の循環流動層ボイラ。
- 燃焼室出口ダクトを内面を耐火物で保護した水管パネル構造とすると共に、燃焼室出口ダクトの流動媒体回収器側の上壁を鋼板に耐火物を内張りして成る耐火物構造としたことを特徴とする請求項1に記載の循環流動層ボイラ。
- 燃焼室出口ダクトに伸縮継手を介して接続される流動媒体回収器の入口ダクトの少なくとも垂直部を水管が裸管状態になっている水管パネル構造としたことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の循環流動層ボイラ。
- 燃焼室、燃焼室出口ダクト、流動媒体回収器、流動媒体回収器とループシール部を接続するダウンカマー、ループシール部、ループシール部と炉本体を接続する循環用ダクトをそれぞれ水管パネル構造としたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の循環流動層ボイラ。
- 燃焼室、燃焼室出口ダクト、流動媒体回収器、流動媒体回収器とループシール部を接続するダウンカマー、ループシール部、ループシール部と炉本体を接続する循環用ダクトをそれぞれ耐火物構造としたことを特徴とする請求項1に記載の循環流動層ボイラ。
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