図1は、本実施例のスロットマシン1の正面図である。スロットマシン1は、前方に開放された筐体2と、該筐体2を前方から覆う前扉3とを備え、該前扉3が筐体2の一側縁に枢支されている。筐体2の内部には、回転可能な四つのリール9a〜9c,13が配設されており、筐体2の前面中央部には、各リール9a〜9c,13を視認可能とする表示窓4a,4bが設けられる。四つのリール9a〜9c,13のうち、左側から三つのリール9a〜9cは、役の入賞に係るメインリール9a〜9cであり、右端のリール13は、演出に用いられるサブリール13である。表示窓4a,4bの上方には、演出用の画像を表示する画像表示器10が配設されている。また、前扉3の前面側には、表示窓4a,4bの下方に、遊技操作に用いるベットスイッチ5、スタートスイッチ6、ストップスイッチ7、精算スイッチ8等の各種スイッチが配設される。
図2は、本実施例のスロットマシン1の遊技を制御する制御回路を示すブロック図である。スロットマシン1の制御装置は、メイン制御装置20とサブ制御装置21の二つの制御装置により構成される。各制御装置20,21は、マイクロコンピュータ30,40等を配設したプリント基板によって構成されるものであり、基板ケースに収容された状態で、筐体2の内部に配設されている。メイン制御装置20は、スロットマシン1の遊技のうち、ゲームの進行に関する制御を主に実行し、サブ制御装置21は、スロットマシン1の遊技のうち、演出に関する制御を主に実行する。
メイン制御装置20は、メイン用マイクロコンピュータ30と、コマンド送信回路31とを備えている。メイン用マイクロコンピュータ30は、CPU30a、タイマ30b、ROM30c、RAM30d、入出力ポート30e等を備えてなる。タイマ30bは、一定時間間隔でCPU30aに割込信号を出力するものである。RAM30dは、各種のデータを一時的に記憶保持するものであり、作業領域や、各種のスイッチ・センサからの信号を一時的に記憶する記憶領域、カウンタ等を構成するレジスタ領域、バックアップ用記憶領域などからなる。ROM30cには、CPU30aが実行する制御プログラムや、抽選に用いるテーブル等の固定データが格納される。
ベットスイッチ5は、クレジットされているメダルを投入する操作に用いるものである。
スタートスイッチ6は、メインリール9a〜9cの回転を開始させる操作(開始操作)に用いるものである。本実施例では、レバー式スイッチが用いられており、レバーを傾動させることで、三つのメインリール9a〜9cが回転を開始する。
ストップスイッチ7は、メインリール9a〜9cの回転を停止させる操作(停止操作)に用いるものである。ストップスイッチ7は、三つのメインリール9a〜9cに個別に対応付けられたものが計3個配設される。すなわち、ストップスイッチ7を操作すると、当該ストップスイッチ7に対応するメインリール9a〜9cが停止するよう構成されている。
精算スイッチ8は、クレジットされているメダル、及び投入されたものの未だ遊技に用いられていないメダルを返却する操作に用いるものである。
メインリールユニット17は、三つのメインリール9a〜9cと、メインリール9a〜9cを個別に回転駆動する三つのステッピングモータ(図示省略)とを備えてなるものである。メインリール9a〜9cは、円筒形状をなしており、筐体2の内部で左右に並設される。メインリール9a〜9cには、その外周面に複数種類の図柄が配される。メイン制御装置20は、ステッピングモータによってメインリール9a〜9cを回転させることで、外周面の図柄を表示窓4aで変動表示させ、各ステッピングモータによってメインリール9a〜9cを任意の角度で停止させることで、表示窓4aに外周面の図柄を選択的に停止表示させ得るよう構成されている。ここで、表示窓4aには、中央部分を横断する一本の有効ラインが設定されており、三つのメインリール9a〜9cが停止した状態で、各メインリール9a〜9cの図柄のいずれか一つが有効ライン上に停止表示されるよう構成されている。後述するように、有効ラインの上に停止表示される図柄の組合せによって各種の役に入賞したか否かが決定される。
ホッパーユニット18はメダルを払い出すためのものであり、メダルを貯留するタンクと、タンクのメダルを払出口に向けて送り出す送出機構とを備えている。送出機構は、駆動源となるモータと、送出されるメダルを検出するための払出センサとを備えている。
外部端子板19は、遊技情報(投入・払出情報、遊技履歴情報、エラー情報など)を外部出力し、遊技場設備によってスロットマシン1の大当り履歴などの情報を閲覧可能とするものである。
サブ制御装置21は、サブ用マイクロコンピュータ40と、コマンド受信回路41と、音声制御回路42と、画像制御回路43と、LED駆動回路44等を備えている。サブ用マイクロコンピュータ40は、CPU40a、タイマ40b、ROM40c、RAM40d、入出力ポート40e等を備えてなる。タイマ40bは、一定時間間隔でCPU40aに割込信号を出力するものである。具体的には、タイマ40bは、水晶発振器からのクロック信号に基づいて、1.5ミリ秒ごとに割込信号をCPU40aの割込信号入力部に出力するよう構成される。CPU40aはかかる割込信号が入力される度に、所定の割込処理を実行する。RAM40dは、各種のデータを一時的に記憶保持するものであり、作業領域や、各種のスイッチ・センサからの信号を一時的に記憶する記憶領域、カウンタ等を構成するレジスタ領域、バックアップ用記憶領域などからなる。ROM40cには、CPU40aが実行する制御プログラムや、多岐に亘る演出制御内容を規定するテーブル等の固定データが格納される。
メイン制御装置20のコマンド送信回路31と、サブ制御装置21のコマンド受信回路41は、信号線16によって相互接続されており、サブ用マイクロコンピュータ40のCPU40aは、メイン制御装置20から受信したコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、入出力ポート40eから信号を音声制御回路42へ出力することで音声制御回路42がスピーカ11から音を出力し、また、入出力ポート40eから信号を画像制御回路43へ出力することで画像制御回路43が画像表示器10に画像を出力し、また、入出力ポートから信号をLED駆動回路44へ出力することでLED駆動回路44が演出用ランプ12を点灯させる。また、入出力ポート40eから信号をサブリールユニット14へ出力することで、サブリール13の回転を制御する。
図3は、サブリールユニット14の斜視図である。サブリールユニット14は、サブリール13と、筐体2に固定されてサブリール13を正逆方向に回転可能に支持するベース部材50と、サブリール13を正逆両方向に回転駆動するステッピングモータ51とを備えてなる。また、図3では図示されていないが、ベース部材50には後述するサブリール接続基板60(図6参照)が配設される。
サブリール13は、円筒形状をなしており、その外周面には「三日月」、「7」、「星」などの複数種類の図柄15が合計18個配される(図1参照)。後述するように、サブ制御装置21は、ステッピングモータ51によってサブリール13を回転させた後に停止して、表示窓4bに表示される図柄15の種類によって遊技状態等を遊技者に示唆するサブリール演出を実行する。
ステッピングモータ51は、ハイブリッド型の4相モータであり、A,B,/A,/Bの4相のコイルを個別に励磁するための4つの入力部を備えている(図6参照)。各入力部は、サブ用マイクロコンピュータ40と接続されており、サブ用マイクロコンピュータ40からの入力信号に応じて4相のコイルの励磁パターンが切り替わるよう構成される。ステッピングモータ51の基本ステップ角は約1.4°(1周252ステップ)である。かかるステッピングモータ51の構造は、既存の遊技機でリールの回転駆動に用いられているものと同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、サブリールユニット14は、サブリール13の回転位置を検知するための回転位置検知手段を備えている。回転位置検知手段は、サブリール13が所定の基準位置にあることを検知する基準位置検知手段と、サブリール13の回転を検知する回転検知手段とからなる。なお、本実施例では、図1に示すように、「7」の図柄15が真正面に位置することとなる回転位置をサブリール13の基準位置として設定している。
基準位置検知手段は、サブリール13とともに回転する基準位置指標部52と、サブリール13が基準位置にあるときに基準位置指標部52を検知する基準位置センサ53とで構成される。具体的には、図4に示すように、基準位置指標部52は、サブリール13の回転方向に対して3°の角度幅を有する小突片である。基準位置センサ53は、サブリール13が基準位置にある時に、基準位置指標部52を検知して出力信号(出力状態)がONとなるよう配置された光電センサである。なお、基準位置指標部52は、サブリール13の回転方向に対して3°の角度幅を有しているため、基準位置センサ53が検知状態となる範囲(検知範囲)は、3°の角度幅を有している。
回転検知手段は、サブリール13が1/256回転する度に、回転方向に応じた信号を出力するものである。具体的には、回転検知手段は、サブリール13とともに回転する移動指標部58と、移動指標部58の回転を光学的に検知する第一移動検知センサ56及び第二移動検知センサ57を備えてなる。図4に示すように、移動指標部58は、サブリール13よりも小径な円環状をなし、サブリール13と中心が一致するように設けられている。移動指標部58の一側縁には、光を遮蔽する遮蔽部54と、光を遮蔽しない非遮蔽部55とが、サブリール13の回転方向に沿って交互に配設される。遮蔽部54は櫛歯状に突出する小突片であり、非遮蔽部55は、隣り合う遮蔽部54の間に形成される間隙である。全ての遮蔽部54及び非遮蔽部55は、サブリール13の回転方向に対して1/128回転(約2.8°)の角度幅を有しており、移動指標部58の一側縁には、全周に亘って64個の遮蔽部54と64個の非遮蔽部55が交互に配設されている。
二つの移動検知センサ56,57は、図5に示すように、サブリール13の回転に伴って、移動指標部58の遮蔽部54と非遮蔽部55が、投光部と受光部の間の検知領域59を交互に通過するよう配置された光電センサであり、図5(a)のように、検知領域59に遮蔽部54が位置する時に出力信号(出力状態)がONになり、図5(b)のように、検知領域59に非遮蔽部55が位置する時に出力信号がOFFになる。上述のように、全ての遮蔽部54及び非遮蔽部55は、サブリール13の回転方向に対して1/128回転の角度幅を有しているから、各移動検知センサ56,57の出力信号は、サブリール13が1/128回転する度にON/OFFが切り替わることとなる。ここで、二つの移動検知センサ56,57は、出力信号が切り替わる位相が90°(1/4周期)ずれるように配置されており、これにより、サブリール13が1/256回転する度に、少なくとも一方の移動検知センサ56,57の出力信号が切り替わるよう構成されている。すなわち、かかる回転検知手段によれば、サブリール13の回転量を1/256回転(360°/256)の分解能で検知できる。また、かかる回転検知手段では、サブリール13の正転時には、第一移動検知センサ56の出力信号の位相が、第二移動検知センサ57の出力信号よりも90°遅れ、サブリール13の逆転時には、第一移動検知センサ56の出力信号の位相が、第二移動検知センサ57の出力信号よりも90°進むため、二つの移動検知センサ56,57の出力信号が切り替わる態様が、正転時と逆転時のいずれの態様であるかを識別することで、サブリール13の回転方向を検知できる。なお、サブリール13の正転方向とは、図柄15が表示窓4bで上から下に移動表示される回転方向であり、逆転方向は正転方向と逆向きの回転方向である。
図6は、サブリール13の制御に係る制御回路を示すブロック図である。上述のように、ステッピングモータ51は、A,B,/A,/Bの4相のコイルを個別に励磁するための4つの入力部を備えている。各入力部は、サブリールユニット14のベース部材50に配設されたサブリール接続基板60を介して、サブ用マイクロコンピュータ40と接続されており、サブ用マイクロコンピュータ40が、夫々の入力部へ「1」(励磁)又は「0」(非励磁)を入力することで、ステッピングモータ51の励磁パターンを制御し得るよう構成されている。
図6に示すように、サブリール接続基板60には、センサ回路61が配設されており、基準位置センサ53、第一移動検知センサ56、及び第二移動検知センサ57の出力信号はセンサ回路61に入力される。センサ回路61は、これらのセンサ53,56,57の出力信号の切り替わりを検知して、CW信号,CCW信号,RST信号の3つの信号をサブ用マイクロコンピュータ40に出力する回路である。
CW信号はサブリール13の正転方向の回転を示す信号であり、CCW信号はサブリール13の逆転方向の回転を示す信号である。具体的には、センサ回路61は、移動検知センサ56,57が正転時の態様で切り替わった場合に、CW信号をONに切り替え、移動検知センサ56,57が逆転時の態様で切り替わった場合には、CCW信号をONに切り替える。すなわち、センサ回路61は、サブリール13が正転方向に1/256回転する度にCW信号をONに切り替え、サブリール13が逆転方向に1/256回転する度にCCW信号をONに切り替える。センサ回路61は、CW信号又はCCW信号をONに切り替えると、サブ用マイクロコンピュータ40からCLR信号を受信するまで、各信号の出力をONに維持し続ける。
RST信号は、後述する移動量カウンタをリセットするための信号である。センサ回路61は、基準位置センサ53が基準位置指標部52を検知して、基準位置センサ53の出力信号がOFFからONに変化するのを契機に、RST信号をOFFからONに切り替え、基準位置センサ53の出力信号がONからOFFに変化するのを契機に、RST信号をOFFからONに切り替える。具体的には、センサ回路61は、基準位置センサ53の出力がONに切り替わった後に、いずれかの移動検知センサ56,57の出力が最初に切り替わるタイミングで、RST信号の出力をONにする。そして、センサ回路61は、基準位置センサ53の出力がOFFの状態で、いずれかの移動検知センサ56,57の出力が切り替わると、RST信号の出力をOFFに切り替える。
サブ用マイクロコンピュータ40は、サブリール13の回転位置を示す移動量カウンタを具備している。移動量カウンタは、「0」〜「255」の256通りの値をとるカウンタである。移動量カウンタは循環式のカウンタである。すなわち、最大値(「255」)の時点で1を加算されると最小値「0」となり、「0」の時点で1を減算されると最大値(「255」)となる。
サブ用マイクロコンピュータ40は、センサ回路61からCW信号が入力される度に移動量カウンタの値に1を加算し、センサ回路61からCCW信号が入力される度に移動量カウンタの値から1を減算することで、移動量カウンタの値を、サブリール13の現在位置を示す値に更新する。本実施例では、基本的に、サブリール13が正転方向に1/256回転する度にCW信号が入力され、サブリール13が逆転方向に1/256回転する度にCCW信号が入力されるため、サブリール13を任意の回転位置から正転方向又は逆転方向に1回転させると、移動量カウンタの値が一巡して、元の回転位置で同じ値を示すようよう構成されている。
また、サブ用マイクロコンピュータ40は、センサ回路61からのRST信号がONに切り替わるのを契機として、移動量カウンタの値を「0」にリセットするカウンタリセット処理を実行する。かかるカウンタリセット処理は、移動量カウンタの値と、サブリール13の回転位置のずれを補正するためのものである。
図7は、正転中のサブリール13の回転検知態様を示すタイミングチャートである。なお、以下の説明では、便宜上、サブリール13の回転位置を、基準位置から正転方向の回転角度で表す。すなわち、回転位置「0°」は、基準位置を表し、回転位置「90°」は、基準位置から正転方向に1/4回転した回転位置を表す。図7に示すように、正転中は、サブリール13が1/256回転する度に、移動検知センサ56,57の出力信号が正転時の態様で切り替わり、その度に、CW信号が出力されて、移動量カウンタの値が1ずつ加算される。なお、CW信号は、サブ用マイクロコンピュータ40からのCLR信号によって、ONに切り替わった直後にOFFに復帰する。ここで、本実施例では、図7中のT1の時点で、サブリール13が基準位置(0°)になると、基準位置指標部52が基準位置センサ53を遮光することにより、基準位置センサ53の出力信号がONに切り替わる。そして、T1直後のT2の時点で、第二移動検知センサ57が遮蔽部54に遮蔽されて、第二移動検知センサ57の出力が切り替わると、センサ回路61がRST信号をONに切り替える。これにより、サブ用マイクロコンピュータ40はT2の時点でカウンタリセット処理を実行して、移動量カウンタの値が「0」になる。上述のように、基準位置指標部52は、サブリール13の回転方向に対して3°の角度幅に設計されているため、基準位置センサ53の出力は、基準位置から正転方向に3°回転したT3の時点でONからOFFに切り替わる。そして、T3直後のT4の時点で、第二移動検知センサ57の出力信号が切り替わると、センサ回路61はRST信号をOFFに切り替える。
図8は、逆転中のサブリール13の回転検知態様を示すタイミングチャートである。図8に示すように、逆転中は、サブリール13が1/256回転する度に、移動検知センサ56,57の出力信号が逆転時の態様で切り替わり、その度に、CCW信号が出力されて、移動量カウンタの値が1ずつ減算される。なお、CCW信号は、サブ用マイクロコンピュータ40からのCLR信号によって、ONに切り替わった直後にOFFに復帰する。ここで、図8中のT1の時点で、サブリール13が基準位置の手前(3°)まで回転すると、基準位置指標部52が基準位置センサ53を遮光することにより、基準位置センサ53の出力信号がONに切り替わる。そして、T1直後のT2の時点で、第一移動検知センサ56が遮蔽部54に遮蔽されて、第一移動検知センサ56の出力が切り替わると、センサ回路61がRST信号をONに切り替える。これにより、サブ用マイクロコンピュータ40がT2の時点でカウンタリセット処理を実行して、移動量カウンタの値が「0」になる。そして、基準位置センサ53の出力は、サブリール13が基準位置まで回転したT3の時点でONからOFFに切り替わる。そして、T3直後のT4の時点で、第一移動検知センサ56の出力が切り替わると、センサ回路61はRST信号をOFFに切り替える。
このように、移動量カウンタの値は、サブリール13が基準位置となるのを契機に「0」にリセットされるとともに、正転方向に1/256回転する度に1加算され、逆転方向に1/256回転する度に1減算されることで、サブリール13の現在の回転位置を正しく示すよう構成される。後述するように、サブ用マイクロコンピュータ40は、かかる移動量カウンタの値を参照することによって、サブリール13の停止位置を制御する。
ここで、本実施例では、図7,8に示すように、回転位置が0°〜3°の範囲が、基準位置センサ53の出力信号がONになる検知範囲となっており、かかる検知範囲内に、第一移動検知センサ56及び第二移動検知センサ57の出力信号が切り替わる回転位置が、夫々一箇所ずつ含まれている。かかる構成にあっては、図7,8に示すように、カウンタリセット処理を、サブリール13の正転中に実行する場合と、逆転中に実行する場合とで、リセット後の移動量カウンタの値が示す回転位置にずれが生じない。例えば、図7,8の例では、カウンタリセット処理を正転中に実行する場合(図7)でも、逆転中に実行する場合(図8)でも、「0°」の回転位置において移動量カウンタの値は「255」を示している。このため、本実施例では、サブリール13の回転方向に応じてカウンタリセット処理の処理内容を変更したり、移動量カウンタの値を補正したりする処理が不要である。また、かかる構成では、基準位置センサ53の出力信号がONに切り替わるタイミングでなく、移動検知センサ56,57の出力信号が切り替わるタイミングでカウンタリセット処理を実行するため、基準位置指標部52の寸法誤差が比較的大きくても、サブリール13の位置制御の精度が低下しないという利点がある。
次に、サブリール13の駆動制御について説明する。
本実施例のスロットマシン1では、遊技中にサブリール13を用いたサブリール演出が実行される。具体的には、サブリール演出では、停止中のサブリール13が回転した後に停止して、表示窓4bに停止表示された図柄15の種類等によって遊技者に内部状態を示唆する。サブリール演出の実行は、主としてサブ用マイクロコンピュータ40によって制御される。具体的には、スタートスイッチ6が操作された時点で、遊技状態や役抽選結果、その他の抽選結果に基づいて、サブ用マイクロコンピュータ40がサブリール演出を実行するか否かを決定する。そして、サブリール演出の実行を決定した場合には、遊技状態や役抽選結果、その他の抽選結果に基づいて、当該サブリール演出の内容を決定する。
サブリール演出は、多種類の演出パターンが用意されている。具体的には、サブリール13の停止位置は、各図柄15を表示窓4bの真正面に表示し得る数の停止位置が用意されている。また、サブリール13の回転方向は正転方向と逆転方向が用意され、回転数は、1回転未満から10回転以上まで複数パターンが用意されている。また、サブリール13の停止態様についても、サブリール13の回転を円滑に停止させる通常停止態様と、サブリール13の回転停止直後にサブリール13を正逆方向に往復振動させる振動停止態様が用意されている。
サブ用マイクロコンピュータ40のROM40cには、サブリール演出を実現するためのサブリール13の駆動パターンが複数種類記憶されており、サブ用マイクロコンピュータ40は、複数の駆動パターンを適切な順序で組み合わせることにより、サブリール演出を実行する。サブリール13の駆動パターンは、待機パターンと、加速パターンと、定速パターンと、減速停止パターンと、振動パターンの5つに大別される。
待機パターンは、ステッピングモータ51を休止させている時の駆動パターンであり、サブリール演出を終了してから、次のサブリール演出を実行するまでの期間は、この待機パターンで制御される。加速パターンは、停止したサブリール13を、サブリール演出における制御上の最高回転速度まで加速する時の駆動パターンであり、サブ用マイクロコンピュータ40は、スタートスイッチ6が操作された時点でサブリール演出の実行を決定すると、サブリール13を加速パターンで駆動する。加速パターンは、サブリール13を正転方向に連続的に加速する正転加速パターンと、逆転方向に連続的に加速する逆転加速パターンとからなる。
定速パターンは、サブリール演出における制御上の最高回転速度でサブリール13を定速回転させる駆動パターンであり、サブ用マイクロコンピュータ40は、サブリール13を加速パターンで最高回転速度まで加速した後に、サブリール13を定速パターンで駆動する。定速パターンは、サブリール13を正転方向に連続回転させる正転定速パターンと、逆転方向に連続回転させる逆転定速パターンとからなる。減速停止パターンは、最高回転速度で定速回転しているサブリール13を減速して停止させる時の駆動パターンである。サブ用マイクロコンピュータ40は、定速回転中のサブリール13が目標の停止位置に接近した時に、減速停止パターンで駆動することにより、サブリール13を目標の停止位置で停止させる。振動パターンは、サブリール13を振動停止態様で停止させる時の駆動パターンである。
サブリール13の駆動パターンは、ステッピングモータ51の励磁パターンの切替順序と、各励磁パターンの切替間隔とによって規定される。具体的には、サブ用マイクロコンピュータ40のROM40cには、図9に示すように、サブリール13を回転させる時の励磁パターンの切替順序を規定した励磁順序テーブルが記憶される。励磁順序テーブルは、4通りの励磁パターンを示す励磁データを0〜3の励磁ポインタの値で順序付けして記憶したものである。励磁データは、ステッピングモータ51の各入力部に1ビットずつ入力する計4ビットのデータであり、励磁データの各ビットの値によって4相のコイルの励磁パターンが決定される。例えば、励磁データのA相に入力するビットが「1」であればA相のコイルが励磁状態となり、「0」であればA相のコイルは非励磁状態となる。
サブ用マイクロコンピュータ40は、サブリール13を正転させる場合は、ステッピングモータ51に入力する励磁データを、励磁ポインタの昇順(0→1→2→3→0→1…)で繰返し切り替える。これにより、ステッピングモータ51は、A相→B相→/A相→/B相→A相→B相…の順番に励磁されて、励磁パターンが切り替わる度に正転方向に1ステップ(1/252回転)ずつ回転する。これに対して、サブ用マイクロコンピュータ40は、サブリール13を逆転させる場合は、ステッピングモータ51に入力する励磁データを励磁ポインタの降順(3→2→1→0→3→2…)で繰返し切り替える。これにより、ステッピングモータ51は、/B相→/A相→B相→A相→/B相→/A相…の順番に励磁されて、励磁パターンが切り替わる度に、逆転方向に1ステップ(1/252回転)ずつ回転する。
また、サブ用マイクロコンピュータ40は、サブリール13を正逆方向に往復振動させる場合は、ステッピングモータ51に入力する励磁データを、励磁ポインタの昇順に1つ切り替える正転ステップと、励磁ポインタの降順に1つ切り替える逆転ステップとを交互に繰り返す。例えば、現時点の励磁ポインタが「0」の場合は、まず、正転ステップで励磁ポインタ「1」の励磁パターンに切り替えて、サブリール13を正転方向に付勢し、次の逆転ステップで励磁ポインタ「0」の励磁パターンに切り替えて、サブリール13を逆転方向に付勢する。そして、かかる正転ステップと逆転ステップを繰り返すことにより、サブリール13を正逆方向に往復振動させる。
サブリール演出の制御を時系列的に説明する。まず、サブリール演出の開始前は、駆動パターンは待機パターンとなっている。待機パターンでは、サブ用マイクロコンピュータ40は、ステッピングモータ51に入力する励磁データを「0000」にして、サブリール演出を開始するまで、ステッピングモータ51を、4相のコイル全てが非励磁となる無励磁状態に制御する。
そして、サブ用マイクロコンピュータ40は、サブリール演出の実行を決定すると、サブリール13を正転させるために、駆動パターンを加速パターンに変更する。加速パターンでは、サブ用マイクロコンピュータ40は、ステッピングモータ51の励磁パターンを励磁ポインタの昇順(正回転時)又は降順(逆回転時)で切り替えることでサブリール13をいずれかの方向に加速させる。ここで、加速パターンにおいては、加速パターン用の励磁切替テーブルに規定された切替間隔で、ステッピングモータ51の励磁パターンを切り替える。励磁切替テーブルは、図10(a)に示すように、励磁パターンの切替間隔を測定するタイマ値を、タイマ用ポインタの値で順序付けて記憶したものである。なお、励磁切替テーブルのタイマ値は、1.5ミリ秒間隔で更新されるものであり、タイマ値が「15」の時は、22.5ミリ秒(15×1.5ミリ秒)経過後に、次の励磁パターンに切り替える。
図10(a)に示すように、加速パターン用の励磁切替テーブルには、「15」→「11」→・・・→「5」→「4」と段階的に減少するタイマ値が設定されており、励磁パターンの切替間隔が減少するに連れて、サブリール13の回転が加速されていく。そして、加速パターンでは、タイマ用ポインタが最大値「7」となった時点で、励磁データの切替間隔が6ミリ秒(タイマ値「4」)となり、サブリール13の回転が、制御上の最高回転速度(約40回転/分)に到達する。サブ用マイクロコンピュータ40は、加速パターンによってサブリール13が最高回転速度に達すると、駆動パターンを定速パターンに変更する。定速パターンでは、サブ用マイクロコンピュータ40は、ステッピングモータ51の励磁パターンを、6ミリ秒間隔で、励磁ポインタの昇順(正転時)又は降順(逆転時)に繰返し切り替えることで、サブリール13をいずれかの方向に最高回転速度で定速回転させる。
その後、定速パターンでサブリール13が所定回数回転して、サブリール13が目標の停止位置に接近すると、サブ用マイクロコンピュータ40は、駆動パターンを減速停止パターンに変更する。減速停止パターンでは、サブ用マイクロコンピュータ40は、ステッピングモータ51に入力する励磁データを「1111」にして、ステッピングモータ51を、一定時間(60ミリ秒)の間、4相のコイル全てが励磁される全相励磁状態に制御する。そして、かかる減速停止パターンにより、サブリール13は急速に減速し、目標の停止位置で停止する。ここで、サブリール演出におけるサブリール13の停止態様が通常停止態様である場合には、サブ用マイクロコンピュータ40は、減衰停止パターン開始から一定時間が経過した時点で駆動パターンを待機パターンに変更して、一連のサブリール演出を終了する。
一方、サブリール演出におけるサブリール13の停止態様が振動停止態様である場合は、サブ用マイクロコンピュータ40は、減速停止パターンでサブリール13を停止させた時点で、駆動パターンを振動パターンに変更する。振動パターンでは、サブ用マイクロコンピュータ40は、正転ステップと逆転ステップを交互に繰り返すことで、サブリール13を正逆方向に往復振動させる。ここで、振動パターンにおいては、サブ用マイクロコンピュータ40は、図10(b)に示す振動パターン用の励磁切替テーブルに規定された切替間隔で、正転ステップと逆転ステップを交互に実行する。なお、サブリール演出でサブリール13を正転方向に回転させた場合は、逆転ステップ→正転ステップ→逆転ステップ→・・・の順序で振動パターンを実行し、サブリール13を逆転方向に回転させた場合は、正転ステップ→逆転ステップ→正転ステップ→・・・の順序で振動パターンを実行する。振動パターン用の励磁切替テーブルのタイマ値は、開始時と終了時(タイマ用ポインタ=0,10)を除いて、「2」(3ミリ秒)に設定されている。すなわち、振動パターンでは、サブリール13は、3ミリ秒間隔で正転方向と逆転方向に交互に付勢され、6ミリ秒周期で正逆方向に往復振動する。このように、振動パターンでは、正転ステップと逆転ステップを短時間で交互に実行するため、振動の振幅は、ステッピングモータ51の基本ステップ角以下となる。そして、サブ用マイクロコンピュータ40は、振動パターンにおいて、タイマ用ポインタが最大値(「10」)に達した時点で、駆動パターンを待機パターンに変更する。これにより、サブリール13は、振動前の回転位置に停止して、一連のサブリール演出が終了する。
以上のように、サブ用マイクロコンピュータ40は、サブリール13の駆動パターンを、待機パターン→加速パターン→定速パターン→減速停止パターンの順序で切り替えることにより、サブリール演出を実行する。また、サブリール13を振動停止態様で停止させる場合は、減速停止パターンの後に、駆動パターンを振動パターンに切り替える。
以下に、本発明の要部に係る構成を説明する。
図11に示すように、センサ回路61は、第二移動検知センサ57の出力状態の変化を契機として、第一移動検知センサ56の出力信号を保持し、保持した出力信号を出力する第一保持回路63と、第一移動検知センサ56の出力信号の変化を契機として、第二移動検知センサ57の出力信号を保持し、保持した出力信号を出力する第二保持回路64と、第一保持回路63及び第二保持回路64からの入力信号の変化に応じて、CW信号又はCCW信号を出力する移動検知回路65と、基準位置検知センサの出力変化を契機にRST信号を出力する基準位置検知回路66とを備えている。
第一保持回路63には、第一移動検知センサ56と第二移動検知センサ57の出力信号が入力され、第一保持回路63の出力信号は、移動検知回路65に入力される。第一保持回路63は、パルス信号発生回路68aとラッチ回路69aとを備えてなる。パルス信号発生回路68aは、第二移動検知センサ57の出力信号の変化を契機として、Hレベルのパルス信号を短時間出力するものである。具体的には、パルス信号発生回路68aは、遅延回路70とXORゲート71で構成され、第二移動検知センサ57の出力信号を分岐させ、一方を直接XORゲート71に入力し、他方を、遅延回路70を介してXORゲート71に入力することで、第二移動検知センサ57の出力信号が変化した時に、遅延回路70の遅延時間分だけ、XORゲート71の出力信号がHレベルとなるよう構成されたものである。
ラッチ回路69aは、一般的なDラッチ(Delayed Latch)であり、データ端子D及びクロック端子Cの二つの入力端子と、二つの出力端子Q,/Qとを備えている。このラッチ回路69aのデータ端子Dには、第一移動検知センサ56の出力信号が入力され、クロック端子Cには、パルス信号発生回路68aの出力信号が入力される。すなわち、ラッチ回路69aは、パルス信号発生回路68aの出力信号がHレベルの時は、第一移動検知センサ56の出力信号を取り込んで、当該出力信号を出力端子Qから出力するとともに、当該出力信号を反転した信号を出力端子/Qから出力する。また、クロック端子Cへの入力がHレベルからLレベルに切り替わると、当該時点の第一移動検知センサ56の出力信号を保持して、クロック端子Cへの入力がLレベルからHレベルに切り替わるまで、保持した出力信号を出力端子Qから出力するとともに、当該出力信号を反転した信号を他方の出力端子/Qから出力する。そして、第一保持回路63は、ラッチ回路69aの一方の出力端子Qの出力を、移動検知回路65に出力する。上述のように、パルス信号発生回路68aの出力は、第二移動検知センサ57の出力信号の変化を契機に短時間Hレベルとなるため、図12に示すように、第一保持回路63は、第二移動検知センサ57の出力信号がONからOFFに、又はOFFからONに変化するのを契機として、第一移動検知センサ56の出力信号を取り込んで保持し、保持した状態を移動検知回路65に出力する。
第二保持回路64は、第一保持回路63と同様の回路構成を有している。具体的には、第二保持回路64にも、第一移動検知センサ56と第二移動検知センサ57の出力信号が入力され、第二保持回路64の出力信号は、移動検知回路65に入力される。また、第二保持回路64は、パルス信号発生回路68bとラッチ回路69bとを備えてなる。パルス信号発生回路68bとラッチ回路69bは、第一保持回路63のパルス信号発生回路68aとラッチ回路69aと同様のものであるが、第二保持回路64に係るパルス信号発生回路68bは、第一移動検知センサ56の出力信号の変化を契機として、Hレベルのパルス信号を短時間出力する。そして、第二保持回路64に係るラッチ回路69bには、データ端子Dに第二移動検知センサ57の出力信号が入力され、第二保持回路64は、ラッチ回路69bの一方の出力端子Qの出力を、移動検知回路65に出力する。このため、図12に示すように、第二保持回路64は、第一移動検知センサ56の出力信号がONからOFFに、又はOFFからONに変化するのを契機として、第二移動検知センサ57の出力状態を取り込んで保持し、保持した状態を移動検知回路65に出力する。
移動検知回路65は、三つの入力端子Q1,Q2,CLRを備えている。入力端子Q1には、第一保持回路63が保持した第一移動検知センサ56の出力信号が入力され、入力端子Q2には、第二保持回路64が保持した第二移動検知センサ57の出力信号が入力される。また、入力端子CLRには、サブ用マイクロコンピュータ40から上述のCLR信号が入力される。また、移動検知回路65は、二つの出力端子CW,CCWを備えている。各出力端子CW,CCWからは、サブ用マイクロコンピュータ40に上述のCW信号とCCW信号が出力される。
上述のように、二つの移動検知センサ56,57の出力信号は、サブリール13の正転時と逆転時で異なる態様で切り替わるため、二つの保持回路63,64を介して移動検知回路65に入力される二つの移動検知センサ56,57の出力信号も、サブリール13の正転時と逆転時で異なる態様で変化する。このため、移動検知回路65は、図13に示すように、いずれかの入力端子Q1,Q2に入力される信号が変化した際に、当該信号の変化の前後の態様が、サブリール13の正転時の態様(正転態様)の場合はCW信号をONに切り替え、サブリール13の逆転時の態様(逆転態様)の場合はCCW信号をONに切り替えるよう構成される。また、移動検知回路65は、入力端子CLRにCLR信号が入力されると、CW信号及びCCW信号をOFFに切り替える。
このように、本実施例では、センサ回路61の移動検知回路65が二つの移動検知センサ56,57の出力信号の変化を検知して、CW信号又はCCWをサブ用マイクロコンピュータ40に出力する。ただし、センサ回路61では、二つの移動検知センサ56,57の出力信号の変化は、二つの保持回路63,64が当該出力信号を取り込むまで、移動検知回路65に入力されないため、第一移動検知センサ56及び第二移動検知センサ57の出力信号の変化は、移動検知回路65に遅れて入力される。
図14(a)は、サブリール13が正転している時のセンサ回路61の動作を示したものである。上述したように、サブリール13の正転中は、第一移動検知センサ56と第二移動検知センサ57の出力信号が正転時の態様で交互に変化することとなる。ここで、図14(a)中の矢印に示されるように、サブリール13の正転中は、センサ回路61において、第一移動検知センサ56及び第二移動検知センサ57の出力信号の変化が、各保持回路63,64の出力信号を介することで移動検知回路65に遅れて入力されることとなる。しかしながら、センサ回路61では、第一移動検知センサ56の出力信号が変化するタイミングでは、第一保持回路63の出力信号は変化しないものの、第一移動検知センサ56の出力信号の変化を契機として第二保持回路64が出力信号を正転態様で変化させる。また、第二移動検知センサ57の出力信号が変化するタイミングでは、第二保持回路64の出力信号は変化しないものの、第二移動検知センサ57の出力信号の変化を契機として第一保持回路63が出力信号を正転態様で変化させる。このように、サブリール13の正転中は、センサ回路61において、第一移動検知センサ56及び第二移動検知センサ57の出力信号の変化が移動検知回路65に遅れて入力されるが、一方の移動検知センサ56,57の出力信号の変化を契機として、他方の移動検知センサ56,57の出力信号の変化が移動検知回路65に入力されるため、センサ回路61は、第一移動検知センサ56又は第二移動検知センサ57の出力信号が変化する度にCW信号を出力する。
図14(b)は、サブリール13が逆転している時のセンサ回路61の動作を示したものである。上述したように、サブリール13の逆転中は、第一移動検知センサ56と第二移動検知センサ57の出力信号が逆転時の態様で交互に変化することとなる。ここで、図14(b)中の矢印に示されるように、サブリール13の逆転中でも、センサ回路61において、第一移動検知センサ56及び第二移動検知センサ57の出力信号の変化が、各保持回路63,64の出力信号を介することで移動検知回路65に遅れて入力されることとなる。しかしながら、センサ回路61では、第一移動検知センサ56の出力信号が変化するタイミングでは、第一保持回路63の出力信号は変化しないものの、第一移動検知センサ56の出力信号の変化を契機として第二保持回路64が出力信号を逆転態様で変化させる。また、第二移動検知センサ57の出力信号が変化するタイミングでは、第二保持回路64の出力信号は変化しないものの、第二移動検知センサ57の出力信号の変化を契機として第一保持回路63が出力信号を逆転態様で変化させる。このように、サブリール13の逆転中も、センサ回路61において、第一移動検知センサ56及び第二移動検知センサ57の出力信号の変化が移動検知回路65に遅れて入力されるが、一方の移動検知センサ56,57の出力信号の変化を契機として、他方の移動検知センサ56,57の出力信号の変化が移動検知回路65に入力されるため、センサ回路61は、第一移動検知センサ56又は第二移動検知センサ57の出力信号が変化する度にCCW信号を出力する。
このように、本実施例にあっては、第一移動検知センサ56及び第二移動検知センサ57の出力信号の変化が、センサ回路61の移動検知回路65に遅れて入力されるが、サブリール13の回転中は、一方の移動検知センサ56,57の出力信号が変化するタイミングで、他方の移動検知センサ56,57の出力信号の変化が移動検知回路65に入力されるため、センサ回路61は、移動検知センサ56,57の出力信号が変化する度にサブ用マイクロコンピュータ40にCW信号やCCW信号を出力する。このため、かかる構成によれば、サブリール13の回転中は、サブ用マイクロコンピュータ40は、サブリール13の回転に合わせて移動量カウンタを更新して、移動量カウンタの値を、サブリール13の回転位置を反映した値に維持することができる。
なお、本実施例では、サブリール13の回転方向を反転させた時に、センサ回路61からのCW信号とCCW信号の出力が遅延する。例えば、図15(a)は、サブリール13を正転方向に回転させた後に、停止させ、その後、逆転方向に回転させた場合のタイミングチャートであるが、かかる例では、逆転方向への回転を開始した直後のT1時点で第一移動検知センサ56の出力信号が変化し、また、その直後のT2時点で第二移動検知センサ57の出力信号が変化するが、T1及びT2時点では、いずれの保持回路63,64の出力信号も変化せず、センサ回路61はCCW信号を出力しない。
また、図15(b)は、サブリール13を逆転方向に回転させた後に、停止させ、その後、正転方向に回転させた場合のタイミングチャートであるが、かかる例では、正転方向への回転を開始した直後のT3時点で第一移動検知センサ56の出力信号が変化し、また、その直後のT4時点で第二移動検知センサ57の出力信号が変化するが、T3及びT4時点では、いずれの保持回路63,64の出力信号も変化せず、センサ回路61はCW信号を出力しない。
このように、本実施例のセンサ回路61では、サブリール13の回転方向を反転させた時に、センサ回路61からのCW信号とCCW信号の出力開始が遅延する。かかる遅延により、サブリール13の回転位置と移動量カウンタの値の間にずれが生じるのを防止するために、本実施例では、サブ用マイクロコンピュータ40が、サブリール13の回転方向を反転させる時に、移動量カウンタの値を補正する補正処理を実行する。具体的には、図15(a)の例であれば、サブ用マイクロコンピュータ40は、サブリール13の逆転を開始する時点で、移動量カウンタの値から「2」を減算して、CCW信号の出力遅延によるずれを予め補正する。また、図15(b)の例であれば、サブ用マイクロコンピュータ40は、サブリール13の正転を開始する時点で、移動量カウンタの値に「2」を加算して、CW信号の出力遅延によるずれを予め補正する。なお、移動量カウンタの補正タイミングは、サブリール13の回転開始時点に限られず適宜変更可能である。具体的には、回転開始後にCW/CCW信号を最初に受信した時点や、サブリール13の回転停止時点で、移動量カウンタを補正することが挙げられる。
本実施例にあっては、サブリール13を振動パターンで駆動している時は、センサ回路61は、CW信号及びCCW信号を出力しない。詳述すると、振動パターンでは、上述のようにサブリール13が正逆方向に往復振動することとなるが、振動の振幅は、ステッピングモータ51の基本ステップ角以下であるため、サブリール13が振動している時の移動検知センサ56,57の出力信号の変化は、以下の(1)〜(3)のいずれかとなる。
(1)いずれの移動検知センサ56,57の出力信号も変化しない
(2)一方の移動検知センサ56,57の出力信号だけが繰り返し変化する
(3)一方の移動検知センサ56,57の出力信号の変化と、他方の移動検知センサ56,57の出力信号の変化が2回ずつ交互に生じる
上記(1)の場合は、サブリール13の振動範囲内に、移動検知センサ56,57の出力信号が変化する回転位置が含まれない場合である。かかる場合には、当然ながら、センサ回路61がサブリール13の振動中にCW信号及びCCW信号を出力することはない。
上記(2)の場合は、図16(a)に示すように、サブリール13が回転位置θ〜θ+αの範囲で振動する場合にあって、当該振動範囲内に、一方の移動検知センサ(ここでは、第一移動検知センサ56)の出力信号が変化する回転位置θ+βが一箇所含まれる場合である。かかる場合には、図16(a)に示すように、一方の移動検知センサ56の出力信号が繰返し変化することとなるが、他方の移動検知センサ57の出力信号が変化しないため、第一保持回路63及び第二保持回路64の出力信号は変化しない。したがって、かかる場合においても、センサ回路61が、サブリール13の振動中にCW信号及びCCW信号を出力することはない。
上記(3)の場合は、図16(b)に示すように、サブリール13が回転位置θ〜θ+αの範囲で振動する場合にあって、当該振動範囲内に、両方の移動検知センサ56,57の出力信号が変化する回転位置θ+β,θ+γが一箇所ずつ含まれる場合である。かかる場合には、図16(b)に示すように、二つの移動検知センサ56,57の出力信号が2回ずつ交互に変化することとなるが、第一移動検知センサ56の出力信号が変動するタイミングでは、第二の移動検知センサ56,57の出力信号は常にONであり、また、第二移動検知センサ57の出力信号が変動するタイミングでは、第一移動検知センサ56の出力信号は常にOFFであるため、第一保持回路63及び第二保持回路64の出力信号は変化しない。したがって、かかる場合においても、センサ回路61が、サブリール13の振動中にCW信号及びCCW信号を出力することはない。
このように、本実施例にあっては、サブリール13を振動パターンで駆動している時は、センサ回路61はCW信号及びCCW信号を出力しない。なお、サブリール13の振動範囲内に、移動検知センサ56,57の出力信号が変化する位置が3箇所以上含まれる場合には、振動中にCW信号又はCCW信号が出力されるが、振動パターンでは、サブリール13は基本ステップ角以下の振幅で往復振動するため、サブリール13の振動範囲内に、移動検知センサ56,57の出力信号が変化する位置が3箇所以上含まれることはない。
なお、上述のように、本実施例では、サブリール13を振動パターンで駆動している時は、センサ回路61はCW信号及びCCW信号を出力しないが、例外的に、ステッピングモータ51が脱調した場合には、センサ回路61からCW信号又はCCW信号が出力される。具体的には、サブリール13の振動中にステッピングモータ51が脱調した場合は、本来引き寄せられる磁気的安定点でなく、隣の磁気的安定点に引き寄せられることとなる。ここで、4相ステッピングモータの場合は、磁気的安定点の間隔は基本ステップ角度の4倍と大きいため、本実施例では、ステッピングモータ51が脱調して隣の磁気的安定点に引き寄せられた場合は、二つの移動検知センサ56,57の出力信号が交互に変化することとなり、これにより、センサ回路61からCW信号又はCCW信号が出力される。したがって、本実施例では、振動パターンで駆動している時にステッピングモータ51が脱調した場合には、サブ用マイクロコンピュータ40は、センサ回路61が出力するCW信号やCCW信号に基づいて、脱調によって生じたサブリール13の位置変化を反映するよう、移動量カウンタの値を更新することができる。
このように、本実施例にあっては、サブリール13の回転中は、移動検知センサ56,57の出力信号が変化する度に、その変化態様に応じて、センサ回路61からサブ用マイクロコンピュータ40にCW信号又はCCW信号が出力されて移動量カウンタが加減算されるため、移動量カウンタの値は、サブリール13の回転位置を正しく反映した値に維持される。このため、本実施例では、サブ用マイクロコンピュータ40は、移動量カウンタの値に基づいてサブリール13の停止位置を正確に制御できる。
これに対して、サブリール13を振動パターンで駆動する場合は、移動検知センサ56,57の出力信号が変化しても、センサ回路61からサブ用マイクロコンピュータ40にCW信号又はCCW信号が出力されず、移動量カウンタの値が更新されない。このため、本実施例では、サブ用マイクロコンピュータ40が移動量カウンタを更新する処理を軽減することができる。なお、振動パターンは、停止位置を中心にサブリール13を振動させる駆動パターンであり、基本的に振動の前後でサブリール13の回転位置が変化しないため、移動量カウンタが更新されなくても、サブリール13の位置制御に不具合は生じない。なお、上述のように、本実施例では、振動パターンでの駆動中にステッピングモータ51が脱調してサブリール13の回転位置が変動した場合には、センサ回路61からサブ用マイクロコンピュータ40にCW信号又はCCW信号が出力されるため、サブ用マイクロコンピュータ40は、脱調によって生じた回転位置の変動を反映するよう移動量カウンタを適正に更新できる。
また、本実施例のセンサ回路61によれば、チャタリングによって移動検知センサ56,57の出力信号が変動したとしても、保持回路63,64の出力信号は変動しないため、移動検知センサ56,57のチャタリングによって移動量カウンタが更新されることもなくなる。さらに言えば、ステッピングモータ51を低速で駆動する場合には、ステッピングモータ51が1ステップ毎にオーバーシュートとアンダーシュートを繰り返すことで、サブリール13が1ステップ毎に正逆方向に微振動することとなるが、本実施例では、かかる微振動に基づいて移動検知センサ56,57の出力信号が変化しても、保持回路63,64の出力信号は変動しない。したがって、本実施例では、移動量カウンタの更新処理の頻度を従来構成に比べて一層低減できる。
このように、本実施例では、移動量カウンタの更新に係る処理負担が従来構成に比べて軽減されるため、移動量カウンタの更新処理を担う専用CPUを配設せず、演出全般の処理を担うサブ用マイクロコンピュータ40に移動量カウンタの更新処理を実行させることができ、これにより、遊技機の製造コストを低減できるという利点がある。また、本実施例では、サブリール13の振動停止態様等を、移動量カウンタの更新処理の負担を考慮することなく決定できるため、従来構成に比べて、サブリール演出の自由度を向上させることが可能となる。