JP6121441B2 - 放射要素を具備する蒸気ボイラ - Google Patents

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Description

本発明は、蒸気ボイラ内の高温の煙道ガスにより加熱される、少なくとも1つの水及び/又は蒸気搬送要素を具備する、蒸気ボイラに関する。
蒸気ボイラ発電所は、ボイラ壁内に蒸気管等の水及び/又は蒸気搬送要素を備えており、更にボイラで生成される飽和蒸気を搬送して過熱蒸気を乾燥させるための、過熱器を備えることもしばしばあり、過熱蒸気は発電にとって効率的である。
高温水又は蒸気を生成する、ボイラの全体的な動作原理は、化石燃料又は再生可能な燃料を燃焼させて発電所の場合には電気に変換される、高温水又は蒸気を生成することによる、高温の煙道ガスの生成である。高温ガスは、工業プロセスにおいて又は発電するための動力ボイラにおいて、家庭用及び工業用加熱のために使用されてもよい、高温水又は加圧蒸気に、熱交換器を介して熱エネルギを伝達する。後者の場合、最終段階の熱伝達は、動力ボイラに配置された管の束で一般的に構成される、過熱器において通常実施される。動作において、ボイラ壁の管内で生成される、高温水や蒸気は、過熱器管を介してボイラ内に再流入する。ボイラからの高温の煙道ガスは、主に対流で過熱器管を加熱し、熱は過熱器管壁を介して、そこ(過熱器管壁)の中を流れる蒸気に導かれる。それにより、蒸気の温度は、過熱乾き蒸気が生成されるように上昇する。
従って、従来のボイラにおいて、煙道ガスからボイラの壁又は過熱器への熱伝達は、ボイラ内の高温の煙道ガスからの主に対流加熱に制限される。従って、ボイラ壁及び過熱器は、高温の煙道ガスから水又は蒸気への効果的な熱伝達を達成するために、大きな表面積を有する必要がある。その結果として、従来のボイラ及び過熱器は、高い材料費の問題に関連する。更なる問題は、膨大なボイラ壁及び過熱器が、発電所の高い建設費に結果的に繋がる、発電所の全体の寸法を増大させることである。
その様なボイラの一例は、ある特許文献に示されており、その特許文献には、4つの包囲壁及び隔壁を形成する相互接続された管により構成されていて且つ2つの燃焼室が形成されるように包囲壁内に配置される、相互接続された管により製作される、蒸気ボイラが示される(例えば、特許文献1参照。)。水は、包囲壁及び隔壁内で蒸発して蒸気になる。蒸気はその後、第一の過熱のためにプラテン加熱面を介して導かれ、その後、別の過熱器を介して導かれる。
煙道ガス偏向器と、ボイラ内のガスの流れを制御するために邪魔板と、を配置することも知られている。
また、ある特許文献には、煤粒子が蒸気管の上を横方向に移動することを防止するために、蒸気ボイラ内の管に溶接された、フィンが示される(例えば、特許文献2参照。)。この特許文献は、ボイラ内の邪魔板の歪及び座屈の問題を克服することを目的とする。この問題は、管を通って流れる流体によりフィンが冷却されるように、直接チューブ部分にフィンを溶接することにより、この特許文献において解決される。
ある特許文献は、ボイラ管を通して均一なガス流を実現するという課題を解決することを目的とする(例えば、特許文献3参照。)。この特許文献によれば、これは、ボイラ内の幾つかの位置にガス流に対する抵抗を設けることにより、ボイラ管の上でガスを強制的により均一に流す、邪魔板を導入することによって実現される。この特許文献において、邪魔板は、水管と接触しているか、又は代替的に、邪魔板は、ガス流に対して垂直に配置される。これは、邪魔板上のガス流れを制限しており、その結果として、邪魔板は、水管に比べて、かなりより高い温度にはならない。
ある特許文献は、ボイラの一部に煤粒子を集めるために、ガス流れに対して急角度で配置された、邪魔板を示す(例えば、特許文献4参照。)。
別の試みはまた、過熱器管への熱伝達を増加させ、燃焼効率を高めることがなされてきた。一つのこのような商品化設計は、250―300kW/m2℃の熱伝達が、ボイラ容積内及び過熱器管の周りで高温の固体粒子(砂及び灰)を循環させることにより達成される、循環流動床ボイラである。しかし、この方法は、より高度な複雑性及びボイラのより高い価格に関係し、ボイラ内部の過熱器管及びその他の部品の摩耗の増大に関係する。
類似の方法が、ある特許文献に記載されており(例えば、特許文献5参照。)、この特許文献では、蒸気が板状の過熱器を通って流れ更に蒸気は煙道ガス中の高温の煤粒子からの熱放射により加熱される、ボイラを記載する。
米国特許第4226279号明細書 英国特許第10233号明細書 特開昭49−104001号公報 仏国特許第1154090号明細書
従って、本発明の目的は、エネルギ効率的なボイラを実現することである。本発明の別の目的は、費用対効果の高い蒸気ボイラを実現することである。更なる別の目的は、NOxガス及び未燃炭化水素の形態の排出物が低減される、ボイラを実現することである。
本発明によれば、これらの目的の少なくとも一つは、ボイラ内の高温の煙道ガスにより加熱される、少なくとも1つの水及び/又は蒸気搬送要素を具備する、蒸気ボイラにより実現されており、蒸気ボイラは、少なくとも1つの放射要素を具備しており、前記放射要素は、冷却されない要素であり、前記放射要素は、それ(放射要素)が煙道ガスにより対流的に加熱されるように、高温の煙道ガスの流れに配置されており、放射要素と水及び/又は蒸気搬送要素との間で高温の煙道ガスの流れが妨げられないように、且つ水及び/又は蒸気搬送要素が前記放射要素からの熱放射により加熱されるように、前記放射要素は、前記少なくとも1つの水及び/又は蒸気搬送要素から所定の距離に設置されることを特徴とする。
本発明の背後にある一般的な原理は、次のように説明できる。即ち、蒸気ボイラの動作において、水及び/又は蒸気搬送要素及び放射要素の両者は、高温の煙道ガスにより対流的に加熱され、結果的に水及び/又は蒸気搬送要素及び放射要素の両者は、幾何学的な仮定が適用される場合、ステファン・ボルツマン法側に基づいて熱エネルギを放射する。
P =φ×σ×ε×(Te4−Ts4
ここで、
Pは、放射要素の表面積当たりの放射エネルギであり、W/m2で示される。
φは、0と1との間の放射要素の自己遮蔽の量に依存する幾何学的係数である。
σは、5,67×1O―8W/ m2である。
εは、表面放射率(一般的に、酸化された表面に関して、約0,7〜0,9)である。
Te及びTsは、放射要素及び周囲の温度であり、°Kで示される。
しかし、放射要素と管路との間の相違は、水及び/又は蒸気搬送管が、そこを通り流れる流体により冷却されるのに対し、放射要素は冷却されない要素であることである。従って、蒸気及び水は、放射要素内を流れないか、又は循環しない。
放射要素は、高温の煙道ガス内に設置され、蒸気により冷却されないので、それ(放射要素)は、蒸気搬送管に比べてかなりより高い温度に加熱される。
蒸気ボイラの動作中に、蒸気又は水と接触する、最も高温の構成要素の温度、即ち蒸気搬送管の外面の温度でさえも、一般的に、管を通り流れる、蒸気の最高温度に比べて50℃以上高いことはなく、ここで、蒸気の最高温度は一般的に、400−650℃ より高くない。他方で、放射要素は、一般的には800−1250℃の間にある、煙道ガスのそれ(温度)により近い温度となる。従って、放射要素は、温度が定常状態に達した時に,蒸気搬送管に比べて一般的に表面積当たり3〜10倍のオーダーの、より多くの熱を放射する。この熱は、主として蒸気搬送管により吸収される。
放射要素によって、過熱器管及び/又はボイラ壁への総熱伝達は、主に対流により加熱される、従来の過熱器と比較すると増大する。単位面積当たりの熱伝達の増大によって、ボイラ壁及び過熱器の寸法は、ボイラの効率を維持した状態で低減可能である。
本発明はまた、別の利点を提供する。
ボイラ内の放射要素及び水及び/又は蒸気搬送要素の表面は、ガス/表面反応が動的に促進される、温度に加熱されるので、NOx−ガス及び未燃炭化水素の形態の排出物は、煙道ガス中において減少する。従って、放射要素の高温によって、煙道ガスがより安定した化合物に反応することができる、より化学的に活性な表面が形成される。
従来のボイラにおいて、煙道ガスは、ボイラ内の管路の比較的低温の表面上で凝縮し、大量の堆積物を形成する。発明的なボイラにおいて、放射要素からの熱放射は堆積物の凝縮位置を、重要性がより小さい、ボイラ内の領域に制御する可能性を提供するので、これらの問題は最小化される。凝縮された堆積物の表面上への熱放射の導入は、凝結した被覆を改変又は溶解さえする可能性があると考えられる。ボイラ壁内の、例えば蒸気管の一部分上への放射の増加は、望ましくない化合物が凝縮しない、レベルまで表面温度を上昇させることができる。
本発明において、放射要素は、煙道ガスが蒸気搬送管上で放射要素上を妨害されずに流れていて更に放射要素と蒸気搬送管との間の空間においても妨げられずに流れるように、配置されることが重要である。煙道ガスの流れが妨害されないことは、出来るだけ多くの熱が高温の煙道ガスから蒸気搬送管に対流により伝達されることを確保するために重要である。放射要素上の流れが妨害されないこともまた、放射要素の対流加熱が最大化されることを確保するために重要であるが、その理由は、放射要素が担う、温度がより高いほど、より多くの熱エネルギが放射要素から蒸気搬送管へ熱放射により伝達されるためである。
「妨害されずに」流れることは、煙道ガスが放射要素の表面及び蒸気搬送管の表面上を自由に流れることを意味しており、更に煙道ガスの流れが放射要素と蒸気搬送要素との間で決して制限されないことを意味する。従って、放射要素は、蒸気搬送管から所定の距離で、即ち、放射要素と蒸気搬送管の間に開放空間が存在するように、配置されるべきである。
前記少なくとも1つの放射要素と前記少なくとも1つの水及び/又は蒸気搬送要素との間の所定の距離は、従って、煙道ガスが前記放射要素と前記水及び/又は蒸気搬送要素との間で妨害されないで流れ得るように、決定されることが好ましい。放射要素と水及び/又は蒸気搬送要素との間の所定の距離は、後者(水及び/又は蒸気搬送要素)間における煙道ガスの流れが、水及び/又は蒸気搬送要素における煙道ガスの有益な加熱効果を発生させることを保証するのに十分大きいことが好ましい。所定の距離は、ボイラ内の圧力条件、煙道ガス温度等に応じて、各特定のケースについて最適化されるべきである。放射要素は、前記放射要素の有益な加熱効果を発揮するために、水及び/又は蒸気搬送要素から離れ過ぎないことが好ましい。最大距離は、約500cm、好ましくは250cm、より好ましくは100cm、更により好ましくは60cmであり、最も好ましくは30cmであることが、ほとんどの用途に関して考えられる。
本発明によれば、放射要素と水及び/又は蒸気搬送要素との間の最小距離は、20cm、好ましくは10cm、好ましくは5cm、より好ましくは1cm、より好ましくは2cm、更により好ましくは5mm、最も好ましくは3mmである。これにより、煙道ガスの十分な流れが、最も考えられるボイラ用途について実現される。間隔は開いており、前記要素間において煙道ガスの流れを可能にする。
放射要素の最大対流加熱を確保するために、放射要素の全ての側面が煙道ガスの流れに暴露されるように、即ち、放射要素の全ての側部において煙道ガスの流れが存在しなければならないように、放射要素が、煙道ガスの流れの中に配置されることも重要である。放射要素は、従って、放射要素の全ての側面とボイラの他の部分との間に開放空間が存在するように、ボイラの他の部分、例えば、周壁、から所定の距離で配置されるべきである。放射要素は、放射要素の一部を形成しないボイラ部分から、少なくとも5mm、好ましくは少なくとも1cm、より好ましくは少なくとも5cm、さらにより好ましくは少なくとも10cmの距離に配置されることが好ましい。
蒸気搬送管への対流熱伝達を最大にするために、放射要素が蒸気搬送管から離れるように煙道ガスの流れを偏向しないことも重要である。従って、煙道ガスが、主要な流れの方向を基本的に変えることなく、蒸気搬送要素に向かう方向において放射要素のそばを通り流れることができるように、放射要素は配置されるべきである。従って、放射要素は、煙道ガスが放射要素上で一定の流れ方向において流れることができるように配置されるべきである。
「主流れ方向」は、バーナ部分からボイラ内のガス出口に向かう流れ方向、又はガス入口からガス出口に向かう流れ方向である。
ガス流の偏向を回避するために、放射要素は、それ(放射要素)が煙道ガスの主要な流れ方向に基本的に平行な方向に延びるように配置されることが好ましい。
第一の実施の形態に従って、放射要素は、平坦な鋼薄板等の薄板である。平坦な薄板の利点は、それがその質量に対して大きな表面積を有することである。これは、放射効率に関して有利である。鋼薄板は、その大きな側面に対する法線がガス流の方向に対して垂直であるように、即ち、鋼薄板の側面が流れ方向に平行であるように、配置されるべきである。更に鋼薄板は、比較的薄く従ってガス流対してほとんど抵抗が無い、その縁部がガス流に対面するように、配置されるべきである。
放射要素が、波形鋼薄板、即ち、蛇行形状であることも可能である。波形薄板の利点は、それが非常に剛性であることである。
放射要素はまた、平坦又は波形の細長い切れ(一般的に、1−20cm幅)であってもよい。放射要素は、重量を最小化するために、できるだけ薄くすべきである。しかし、熱的安定性を確保し、腐食による早い故障を回避するために、放射要素の厚みは、少なくとも0.5mmであるべきである。一般的に、放射要素の厚みは、0.5〜20mm、好ましくは1.5〜10mmである。放射要素の長さと高さは、対象の用途に依って選択される。
第二の実施の形態によれば、放射要素は、細長いロッド要素である。ロッド要素は、丸棒又はワイヤ又は厚肉管等の、円形の断面を有することができる。それはまた、矩形断面を有することができる。ロッド形状の放射要素は、ロッド要素の長手方向軸線がガス流に平行であるように、更にロッド要素の長手方向軸線に対する法線がガス流に対して垂直であるように配置されるべきである。
放射要素は、蒸気及び/又は水搬送要素に熱を放射してボイラの効率を高めるためにボイラ内に慎重に配置される、別個で単一の要素であることが理解されるべきである。
放射要素の対流加熱を最大にするためには、放射要素が、蒸気搬送管の上流側からその下流側に向かって煙道ガスの流れの中において延びることが好ましい。過熱器装置においては、放射要素が過熱器装置の上流部に配置されていることが好ましい。その理由は、煙道ガスが蒸気搬送管上を流れる際に、煙道ガスが冷却されることである。放射要素を最も高温のガスに暴露するために、好ましくは、それ(放射要素)は、蒸気搬送管に対してできるだけ上流側に配置されるべきである。もし放射要素が過熱器装置の下流部に配置されるならば、それ(放射要素)は、より低温の煙道ガスに暴露されており、放射要素の対流加熱は効果的ではない。
好ましくは、放射要素は、放射要素にできるだけ近い温度、好ましくは同じ温度を有する、ボイラ内の表面に取り付けられるべきである。それにより、放射要素の機械的応力と座屈と割れにつながる可能性がある、温度勾配は、放射要素内において回避される。従って、蒸気管で覆われていない、ボイラの屋根又は壁の一部に放射要素を取り付けることは、適切である。
放射要素は、それ(放射要素)が加熱時に熱膨張するので可動であるように、ボイラにフレキシブルに、即ち移動可能に取り付けられることが好ましい。その利点は、機械的応力の蓄積が放射要素において回避されることである。
放射要素は、放射要素がボイラの、例えば、棒部等に吊り下げられることができるように、フック又は輪の形態の締結要素を具備することが好ましい。フック又は輪は、放射要素が熱膨張中に移動することを可能にする。
放射要素がフック又は輪を具備する場合に、それ(放射要素)はまた、過熱器管等の、水及び/又は蒸気搬送要素に直接吊り下げられてもよい。フック又は輪は、放射要素が移動することを可能にし、それにより放射要素と水及び/又は蒸気搬送要素との間の温度差に起因する機械的応力は回避される。締結要素は、放射要素と水及び/又は蒸気搬送要素との間における熱伝達を最小化するために、細線(例えば、1〜5mm厚み)から製造されることが好ましい。
締結要素のフックの機能は、純粋に機械的であり、放熱機能に寄与はしない。
放射要素は、放射要素の少なくとも一方の端部が自由であるように、ボイラに取り付けられることが好ましい。これにより、通常、熱膨張及びクリープ伸びである、放射要素の膨張は許容される。
代替案によれば、水及び/又は蒸気搬送要素は、少なくとも1つの蒸気搬送過熱器管である。
代替案によれば、前記水及び/又は蒸気搬送要素は、ボイラの壁の少なくとも一部分内の水及び/又は蒸気搬送管である。
代替案によれば、前記水及び/又は蒸気搬送要素は、二重壁の内張りである。
前記少なくとも1つの水及び/又は蒸気搬送要素に対面する、放射要素の一部の表面領域は、前記少なくとも1つの水及び/又は蒸気搬送要素の全外側表面領域の少なくとも3%であることが好ましい。
一つの代替案によれば、前記放射要素は、隣接する水及び/又は蒸気搬送要素の方向を向く、凹面を具備する。それにより、特に、もし後者(水及び/又は蒸気搬送要素)が管状の形状を有し、それにより、放射要素により部分的に囲まれている場合には、放射要素からの放射は、水及び/又は蒸気搬送要素に集中する。凹面は、前記放射要素を形成する、曲がった薄板の表面であることが好ましい。前記凹面の半径は、後者(水及び/又は蒸気搬送要素)が管状である場合において、水及び/又は蒸気搬送要素の半径の0.8〜2倍の範囲内、好ましくは1.0〜1.5倍の範囲内であることが好ましい。
放射要素は、Fe(鉄)又はNi(ニッケル)を基本にして、Al(アルミニウム)を含有していて、更に、酸素含有雰囲気中で熱に曝された場合に、その外面に保護アルミナ層を形成する、合金により形成されることが好ましい。このような鋼は、優れた耐熱性を有する利点と、ボイラ内で発生する過酷な環境において放射要素として長寿命を提供する利点とを有する。
特に好適な実施の形態によれば、放射要素は、10〜30質量%の、好ましくは15〜25質量%のCr(クロム)と、2〜7質量%のAl(アルミニウム)と、残余のFe(鉄)と、不可避的不純物とを含有する、鋼により形成される。このような鋼は、酸素含有雰囲気中で熱に曝された時に、優れた耐熱性と、優れた耐食性と、保護アルミナ層を生成する優れた能力と、を有する。好ましくは、その様な保護アルミナ層を形成するために、鋼は、700 ℃の温度、好ましくは1050℃以上の温度に曝されるべきである。
更に別の実施の形態によれば、放射要素は、10〜30質量%の、好ましくは15〜25質量%のCr(クロム)と、2〜7質量%のAl(アルミニウム)と、1〜4質量%のMo(モリブデン)と、残余のFe(鉄)と、不可避的不純物とを含有する、鋼により形成される。この鋼におけるMoの存在は、より改良された熱間強度に貢献する。
更に別の実施の形態によれば、放射要素は、10〜30質量%の、好ましくは15〜25質量%のCr(クロム)と、2〜7質量%のAl(アルミニウム)と、1〜4質量%のMo(モリブデン)と、0,01〜1,0質量%の希土類金属(REM)と、残余のFe(鉄)と、不可避的不純物とを含有する、鋼により形成される。REMは、改善された耐食性及び耐酸化性に貢献する。
更に別の実施の形態によれば、放射要素は、10〜30質量%の、好ましくは15〜25質量%のCr(クロム)と、2〜7質量%のAl(アルミニウム)と、1〜4質量%のMo(モリブデン)と、0,01〜1,0質量%の希土類金属(REM)と、0,05〜2,0質量%のTi(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Y(イットリウム)及びHf(ハフニウム)と、残余のFe(鉄)と、不可避的不純物とを含有する、鋼により形成される。REMは、改善された耐食性及び耐酸化性に貢献する。
蒸気ボイラは、複数の放射要素を具備してもよい。水及び/又は蒸気搬送要素が1つ又は複数の列で配置される、ボイラ設計において、放射要素は、その様な列の間又は各列の各側部に設置されてもよい。それにより、前記各列は、前記列の対向する側に配置された、2つの隣接する放射要素によって、それ(列)の2つの対向する側部から加熱されてもよい。
放射要素は、それら(放射要素)が水及び/又は蒸気搬送要素の所定の部分を覆うように、所定の方法で分配されてもよい。これにより、放射要素は、堆積物の凝縮の制御を可能にする技術的効果を有する。
図1は、本発明の第1の好適な実施の形態に係る蒸気ボイラプラントの図式図である。 図2は、本発明の蒸気ボイラにおける過熱器管の配置の断面の図式図である。 図3は、第1の好適な実施の形態に係る蒸気ボイラの放射要素及び過熱器の配置の図式図である。 図4は、本発明の第2の好適な実施の形態に係る蒸気ボイラの放射要素及び過熱器の配置の、側面から見た図式図である。 図5は、本発明の第2の好適な実施の形態に係る蒸気ボイラの放射要素及び過熱器の配置の、頂面から見た図式図である。 図6は、伝熱計算のための基礎となる、従来の過熱器装置の、頂面から見た図式図である。 図7は、伝熱計算のための基礎となる、本発明の過熱器装置の、頂面から見た図式図である。
図1は、本発明の第1の好適な実施の形態に係る蒸気ボイラを図式的に示す。明確にするために、本発明に関連する構成要素のみが図示される。
ボイラ1は、石炭燃料式蒸気ボイラである。このタイプのボイラは、バーナ11が1250℃までの温度の高温の煙道ガスを生成する、燃焼区画11を具備する。ボイラ内で生成される蒸気の温度は、400〜700℃の範囲にある。 ボイラは、燃焼がボイラの底部上の1メートル深さの砂層の燃焼区画で発生する、バブリング(沸騰)流動床蒸気ボイラとすることもできる。
ボイラ1は、周壁9によって形成された、第1の部分10及び第2の部分20を具備する。ボイラが、1つの部分、即ち、第1の部分10、だけを具備することが可能である。ボイラが、1つより多い、2つの部分を具備することも可能である。バーナ11は、ボイラ1の第1の部分10の底部8の内の燃焼区画に配置されており、この場合、バーナは石炭燃料式であるが、しかしバーナは、天然ガス等の別のタイプの燃焼性材料を燃料とすることができる。バーナ11は、高乱流の下で、ボイラの第1の部分10を通って上昇し第2の部分20を越えてガス出口40を介して流出する、高温の煙道ガス12を生成する。ボイラが1つの部分だけを具備する場合には、ガス出口40は、この部分に設けられる。排出された煙道ガス12は、その後、触媒精製処理が施され、放出されるか又は別の目的に使用される。これらの手順は、図1に示されない。ボイラ1は、屋根13を更に具備する。
第1及び第2の部分10、20の周壁の内側面、即ち、燃焼ガスに面する面は、蒸気管30の形態で水及び/又は蒸気搬送要素がずらりと並べられる。図1において、ボイラ部分の底部の管30の一部分のみが、ボイラの他の関連部分を不明瞭にしないために示されている。しかしその結果、基本的にボイラの内部全体が管で覆われるように、管30は、各ボイラ部分10、20の底から各部分10、20の頂部まで伸びる。水は、第1のボイラ部分10の水入口21で蒸気管に流入し、図示されない循環ポンプによりボイラを介して圧送される。水が第1のボイラ部分10から第2のボイラ部分20へ蒸気管30を介して圧送されるので、それ(水)は、ボイラ内の高温流体ガスにより加熱され蒸気になる。
ボイラはまた、蒸気管30から流入する蒸気の温度を上昇させるための過熱器管の2つの構成の形態の、別の水及び/又は水蒸気搬送要素を具備する。図1において、一次過熱器装置50は、ボイラの第2の部分20内に配置されており、二次過熱器装置60は、ボイラの第1の部分10に配置される。しかし、任意の数の過熱器装置が、ボイラ内に配置され得ることは明らかである。
飽和蒸気は、第2のボイラ部分内の蒸気管30から一次過熱器装置50内へ導かれる。蒸気は、一次過熱器装置50を通って循環し、過熱された乾燥蒸気がボイラから外に導き出される、蒸気出口52を具備する、ボイラの第1の部分10の二次過熱器装置60まで導かれる。
過熱器装置50及び60は一般的に、大きな管容積が実現されるように、隣に並んだ状態で配置される、U字形状管61の幾つかの部分を具備する。図2は、幾つかのU字形状管61a、61b、61cを具備する、過熱器装置の一部分61の詳細図を示す。
本発明の第1の実施の形態によれば、過熱器装置50、60は、過熱器管又はボイラ内の蒸気管とは異なって、蒸気や水により冷却されない、放射要素70を具備する。
出来るだけ多くの放射要素の表面が、過熱器管に対面するように、複数の放射要素は、過熱器内のU字形状管61の部分の間に配置される。図1において、放射要素は、煙道ガスの主な流れ方向に平行に配置される。放射要素は、過熱器装置60及び50により部分的に隠される。
図3は、放射要素と過熱器装置60の3つの部分の詳細を図式的に示す。
例示の目的のために、図3は、3つの過熱器部分61と、1つの放射要素70とを示す。しかし、過熱器装置が、任意の数の管部分61と、更に、任意の数の放射要素70とを具備することができることは明らかである。例えば、2つの追加の放射要素は、管部分61の間の空き空間に配置可能である。図3の過熱器部分61は、図2の過熱器部分61と同一であるが、しかし、放射要素を不明瞭にしないように、最も外側のU字形状管だけが、各部分において示される。
放射要素70は、耐熱性鋼の平らな薄板である。それ(平らな鋼薄板)は、比較的低価格で入手可能で且つ大表面を覆うので、平らな鋼薄板は、放射要素として有利である。平らな鋼薄板は、2つの大きな平らな側面71、72と、周縁部73とを有する。一般的に、鋼薄板は、30〜50mmの厚みを有する。図3から分かるように、放射要素70は、その平坦な側面の法線Nが煙道ガス12の主流方向に対して垂直になるように、及びその縁部73がガス流に面するように配置される。
鋼は、煙道ガスによる酸化及び腐食に対して高い耐性を有する、FeCrAI鋼を形成するアルミナであることが好ましい。鋼は、重量%で、15から25%のCr(クロム)と、 2から7%のAl(アルミニウム)と、1から4%のMo(モリブデン)と、0.01〜1.0%の希土類金属と、残余のFe(鉄)と、不可避的不純物とを含むことが好ましい。一つのその様な合金は、市販合金であるサンドビックABが商品化したカンタルAPMTである。粉末冶金による分散強化型であるこの合金は、良好な腐食特性、良好な機械的強度及び高温でのクリープ変形に対して高い耐性を示す。
適当なアルミナ形成合金の別のグループは、15―30%のCrと、2−7%のAlと、更に微小添加物とを含む、NiFeCrAl合金である。 Ni(ニッケル)は、残余部分であるが、また部分的に鉄で置換されてもよい。
放射要素は、その二つの大きな側面の少なくとも一方が過熱器の管部61と対面するように構成される。更に、過熱器に対面する放射要素の一部分の全表面積が、過熱器管の全外側表面積の少なくとも3%に等しいように、寸法が決定される。
もし放射要素の全表面積が、過熱器管の全外側表面積の少なくとも3%であれば、放射線によるかなりの熱が過熱器管内の蒸気に寄与することが示されている。しかし、もし放射要素の表面積が、過熱器管の全外側表面積に比べて大きい場合には、過熱器管への放射線による熱伝達がそれにより増大するので有利である。過熱器管に対面する、放射要素の一部分の表面積が、過熱器管の全外側表面積の少なくとも5%である表面積を有することが好ましく、7%であることがより好ましく、少なくともその10%であることがより好ましく、少なくともその15%であることがより好ましく、少なくともその25%であることがより好ましい。
放射要素の最大寸法は、ボイラ内の流れ条件、ならびに動作条件及びボイラの設計によって制限されており、それぞれ個別のケースで決定される。
上記実施の形態において、各放射要素は、6mの高さ及び2mの幅を有する、矩形形状を有する。放射要素はまた、幾つかのより小さな部分から組み立てられてもよい。
過熱器の周りの煙道ガスの流れを妨げないために、開口は、放射要素内に設けることができる。図3は、放射要素70の矩形の開口71の位置を破線で図式的に示している。鋼薄板の残部、即ち、開口の周りの縁72は、過熱器管を覆う。更に、放射要素は、過熱器と放射要素の周りに乱流を促進する乱流促進要素(図示せず)を備えることができる。
点形状又は線形状の熱源からの熱放射の単位表面当たりの強度は、距離と共に減少する。放射要素と過熱器との間で放射交換を最大化するためには、従って、放射要素の所定の幾何学的寸法に関して、放射要素と過熱器管との間の距離ができる限り小さいことが重要である。
しかし、放射要素と過熱器管との間の距離は、煙道ガスが過熱器管上で妨げられることなく流れることを可能にするのに十分に大きいことも重要である。好ましくは、前記距離は、過熱器管と放射要素との間で煙道ガスが乱流になることを可能にするのに十分大きくなければならない。
放射要素と過熱器管は、様々な形状及び寸法を有することができるので、過熱器管と放射要素との間の正確な距離は、問題の各用途毎に決定されなければならない。図3に図式的に示される好適な実施の形態において、放射要素と過熱器管との間の距離は、20〜60cmである。
放射要素70は、ボイラの屋根に取り付けられていることが好ましい。一つの代替案によれば、1つ又は幾つかの鋼棒90が過熱器管上のボイラの屋根に取り付けられる。放射要素70は、例えば溶接やリベットにより薄板の上端部に取り付けられる、例えばピン等の締結要素80、あるいはフック又は輪を具備する。放射要素は、例えば、2、3、5等の、任意の数の締結要素を具備可能である。放射要素が過熱器管の間で吊り下がるように、締結要素は、鋼棒90に取り付けられる。これは、多くの異なる方法で実現することができ、締結要素は例えば、放射要素が固定された状態で吊り下がるように、バーに溶接されてもよい。放射要素の上縁部をボイラの屋根に直接取り付けることも可能である。また、例えば壁等の、ボイラの別の部分に、放射要素を取り付けることが可能である。しかし、座屈や歪を回避するために、放射要素は、冷却されない表面、即ち、蒸気又は水により冷却されない表面、例えば、屋根の一部又は棒90、に取り付けられることが好ましい。
ボイラの運転中の温度勾配と組み合わされた熱膨張は、放射要素内に機械的応力を発生させる可能性があり、曲げ又は座屈等の変形を引き起こす。放射要素内の機械的応力を防止又は低減するために、それ(放射要素)の少なくとも一端が、例えば、上記のように、ボイラの屋根から放射要素を吊り下げることにより、自由に膨張できるように、放射要素を配置することが従って好ましい。
これを実現するために、放射要素は、輪又はフックの形態の締結要素を具備しており、棒90に吊り下げられる。これにより、放射要素は、全方向に膨張することができ、機械的応力の量は更に減少する。
放射要素が、輪又はフックの形態の締結要素を具備する場合に、例えば過熱器管等の、ボイラ内の水及び/又は蒸気搬送要素に放射要素を直接吊り下げることも可能である。
それ(放射要素)が、過熱器管に向かって又は離れるように、ボイラの外側から移動させることができるように、あるいは放射要素と過熱器管との間の角度をボイラの外側から変更できるように、放射要素を配置することも可能である。従って、放射要素変位要素が装備されてもよく、放射要素変位要素は、放射要素に係合し且つボイラの外側に伸長するので、放射要素70を変位させる目的のために、それ(放射要素変位要素)は、ボイラの外側から操作することができる。これは、放射要素70が取り付けられる、鋼棒90を、ボイラの屋根の回動タップに取り付けることにより、又は屋根の長穴スロット内に摺動可能に鋼棒を配置することにより実現できる。鋼棒90は、レバーにより外側から操作されてもよい。
過熱器装置の機能は前述から明らかなはずである。従って、運転において、バーナ11からの煙道ガス12は、平衡状態において煙道ガス温度と放射熱損失により与えられる、所定の温度になる、放射要素70を加熱する。正味の効果は、放射要素に比べてより低温の過熱器管により放射熱が吸収され、更に管内を流れる蒸気に導かれることである。
蒸気ボイラ内の別の水及び/又は蒸気搬送要素に隣接して放射要素を配置することも可能である。
第2の実施の形態(図示せず)によれば、放射要素は、ボイラの壁を形成する蒸気又は水搬送管30に隣接して配置される。この場合にも、蒸気管と対面する、放射要素の一部分の表面積は、管内の蒸気又は水への顕著な熱伝達を実現するために、ボイラの壁の蒸気管の全面積の少なくとも3%であるべきである。しかし、ボイラの設計及び寸法に依存して、顕著な熱伝達はまた、放射要素の面積が、ボイラの壁の一部分内の管30の全表面積の少なくとも3%である時に達成可能である。例えば、ボイラの部分10、20の内の一方の管の全表面の、少なくとも3%である。
放射要素の全表面積が、好ましくは蒸気管の全外側表面積の少なくとも5%であるべきであり、7%であることがより好ましく、少なくともその10%であることがより好ましく、少なくともその15%であることがより好ましく、少なくともその25%であることがより好ましい。
ボイラ壁の少なくとも一部が二重壁の内張り(図示されない)の形態の、水及び/又は蒸気搬送要素を具備することも可能である。これ(二重壁の内張りの形態)は一般的に、共に溶接された鋼薄板から製造される、細長い矩形閉空間である。水は、二重壁の内張りの一端に導入されており、他端において水は、ボイラ壁と並ぶ、マニホールド上に分配されて、蒸気管に流入する。
第3の実施形態によれば(図示されない)、放射要素は、このような二重壁の内張りに隣接して配置される。また、二重壁内張りの場合には、二重壁の内張りに対面する、放射要素の一部分の表面積は、顕著な熱伝達を達成するように、二重壁の内張りの全面積の少なくとも3%であるべきである。放射要素の全表面積が、二重壁の内張りの全外側表面積の少なくとも5%であるべきことが好ましく、少なくともその10%であることがより好ましく、少なくともその15%であることがより好ましく、少なくともその25%であることがより好ましい。
ボイラの壁内の蒸気管の近傍、及び過熱器や二重壁の内張りの近傍の両方に、放射要素を配置することも勿論可能である。これらの水及び/又は蒸気搬送要素の幾つかの近傍に、放射要素を単に配置することも可能である。放射要素の選択的な適用は、ボイラの異なる部分の熱流量を制御する可能性を提供する。それにより、変化する組成物又は灰分を含む燃料によって生じ得る、変動する熱分布を補償することが可能である。
放射要素は、水及び/又は蒸気搬送要素上で任意の方法により離間させることができる。例えば、複数の放射要素は、ボイラの壁内の蒸気管の一つの部分においてお互いに近接して配置することができる一方で、別の要素は、ボイラ壁の別の部分において、より離間して配置することができる。上述したように、それにより、ボイラ内で凝縮する、堆積物の量及び位置を制御することができる。
第4の実施の形態によれば、図4を参照すると、放射要素は、丸棒等の、円形断面の細長い棒状の形態のロッド形状の要素である。しかし、放射要素はまた、矩形の断面を有することができる。放射要素は、例えば厚肉管等の、中空であり得る。放射要素は、例えば2―20mmの、任意の適切な直径を有することができ、蒸気搬送要素の寸法に応じて、例えば6mの、任意の長さで形成可能である。
円形断面の放射要素の利点は、等量の熱が放射要素の周り360度で放射されることである。それにより、幾つかの蒸気搬送要素を比較的少数の放射要素で加熱することが可能である。コンパクトな丸い放射要素は、僅かな空間しか占有せず、従って、ガスの流れにほとんど影響を与えない。
煙道ガスが放射要素の端面に出合うように、棒状の放射要素は、煙道ガスの流れの中に配置されている。放射要素は、その長手方向軸線Lはガス流に平行であり、その法線Nはガス流に対して垂直であるように配置される。
[例]
蒸気ボイラにおける発明的放射要素の加熱効果は、以下に計算例により示す。この例では、温度及び熱伝達の計算は、従来のボイラの設計からの経験的データに基づいて実施された。煙道ガスの吸収及び放出係数は、等しいと仮定し、全ての表面は、放出及び吸収係数0.8を有し、更に、同一の対流熱伝達特性を有すると仮定する。計算のために、ガス容積において、一次放射と第1と第2の反射と第1と第2の吸収とが考慮された。
計算は、油燃料式のコンパクトなボイラの過熱器装置に吸収される、熱を示す。1つの計算は、放射要素を有する発明的な過熱器装置に関して実施され、1つの計算は、放射要素を有さない従来型の過熱器装置に関して実施される。
図6は、側面から見た、従来の過熱器管の配置を示す。ガス流は、垂直方向において管を横切る。過熱器装置は、幾つかの過熱器管60により構成される。管間の距離は、この例において約80mmである。図7は、平坦な放射要素70が過熱器管60間に配置された、発明的な過熱器装置を示す。放射要素が、過熱器管から所定の距離を置いて配置されていることを留意する。
入力データ及び計算結果を、表1において以下に示す。
結果は、発明的な過熱器装置により吸収される総熱量は、従来の過熱器装置と比較して19%、即ち57〜68 kW/m2、増加していることを示している。
Figure 0006121441
表2は、本発明の別のシミュレーション結果を示す。表2において、水及び/又は蒸気搬送の温度及び平坦な薄板放射要素の温度は、種々の煙道ガス温度及び種々のボイラ構成要素について計算された。
Figure 0006121441
特定の実施の形態が詳細に開示されたが、これは単に例示の目的のためだけのなされたものであり、限定することを意図するものではない。特に、種々の置換、変更及び修正が、添付の特許請求の範囲内でなされ得ることが企図される。例えば、放射要素は、例えば、航空機の翼の形状又はスプール状の形状等の、任意のタイプの幾何学的形状を有してもよい。ボイラはまた、ボイラの壁内の蒸気/水管の形態の水及び/又は蒸気搬送要素を単に具備する、タイプにより形成可能である。

Claims (14)

  1. 蒸気ボイラ内(1)の高温の煙道ガスにより加熱される、少なくとも1つの水及び/又は蒸気搬送要素(30,60)を具備する、蒸気ボイラ(1)において、
    前記蒸気ボイラ(1)は、少なくとも1つの放射要素(70)を具備しており、
    前記放射要素(70)は、冷却されない要素であり、
    前記放射要素(70)は、前記放射要素が前記煙道ガスにより対流的に加熱されるように、前記高温の煙道ガス(12)の流れに配置されており、
    前記放射要素(70)は、前記少なくとも1つの水及び/又は蒸気搬送要素(30,60)から所定の距離で設置されており、
    前記放射要素と前記水及び/又は蒸気搬送要素との間の前記高温の煙道ガスの流れが妨げられないように、且つ、前記水及び/又は蒸気搬送要素が前記放射要素からの熱放射により加熱されるように、前記所定の距離が設定されており
    前記放射要素(70)は、Fe又はNiを基本にしていて且つAlを含む、合金であって、酸素含有雰囲気中で熱に曝された場合にその外面に保護アルミナ層を形成する、合金により形成される、蒸気ボイラ。
  2. 前記放射要素(70)は、前記高温の煙道ガス(12)の流れが前記放射要素(70)を、実質的に流れ方向を変えないで通過できるように配置される、求項1に記載の蒸気ボイラ。
  3. 前記放射要素は、前記放射要素の全体が前記煙道ガスの流れに暴露されるように、前記煙道ガスの流れの中に配置される、求項1又は2に記載の蒸気ボイラ。
  4. 前記水及び/又は蒸気搬送要素(30,60)は、少なくとも1つの蒸気搬送過熱器管(60)である、求項1〜3のいずれか一項に記載の蒸気ボイラ。
  5. 前記放射要素(70)の表面積は、前記煙道ガスに直接暴露される、前記少なくとも1つの水及び/又は蒸気搬送要素(30,60)の面積の、少なくとも3%、好ましくは少なくとも10%である、求項1〜4のいずれか一項に記載の蒸気ボイラ。
  6. 前記放射要素は、前記煙道ガスの流れ方向に実質的に平行に延びる、求項1〜5のいずれか一項に記載の蒸気ボイラ。
  7. 前記放射要素(70)は、2つの側面(71,72)と周縁部(73)とを具備する、薄板(70)であり、
    前記放射要素は、その複数の側面(71、72)の内の一つに対する法線が、前記高温の煙道ガス(12)の流れ方向に垂直であるように、且つ前記薄板(70)の端部が前記高温の煙道ガスの流れに対面するように、配置される請求項1〜6のいずれか一項に記載の蒸気ボイラ。
  8. 前記放射要素(70)は波形薄板である、求項1〜7のいずれか一項に記載の蒸気ボイラ。
  9. 前記放射要素は、細長いロッド要素であり、
    前記放射要素は、その半径方向軸線Rが前記煙道ガスの流れ方向に垂直であるように、配置される請求項1〜6のいずれか一項に記載の蒸気ボイラ。
  10. 前記放射要素は、円形断面又は矩形断面を有する、求項9に記載の蒸気ボイラ。
  11. 前記放射要素は、前記蒸気ボイラ(1)の冷却されない面にフレキシブルに取り付けられる、求項1〜10のいずれか一項に記載の蒸気ボイラ。
  12. 前記放射要素(70)は、前記放射要素の少なくとも1つの端部が自由に膨張又は収縮するように、前記蒸気ボイラ(1)にフレキシブルに取り付けられる、求項1〜11のいずれか一項に記載の蒸気ボイラ。
  13. 前記放射要素(70)は、それが前記水及び/又は蒸気搬送要素からフレキシブルに吊り下がるように配置される、ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の蒸気ボイラ。
  14. 前記放射要素は、前記水及び/又は蒸気搬送要素に前記放射要素を吊り下げるためのフック又は輪を具備する、求項1113のいずれか一項に記載の蒸気ボイラ。
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