JP6121307B2 - 機械分岐挿入装置 - Google Patents

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Description

本発明は、薄膜機械構造からなるフォノニック導波路と、このフォノニック導波路と結合した環状の薄膜機械構造からなるメカニカルリング共振器とを用いた機械分岐挿入装置に関するものである。
近年の著しい微細加工技術の発展によって、μmスケール、さらには、nmスケールの精巧な薄膜機械構造の作製が可能となったため、ng〜pgレベルの極小な有効質量を有し、GHzにまで達する高速動作が可能で、Q値が最大で〜105と高品質なNEMS(Nano electromechanical system)やMEMS(Micro electromechanical system)が数多く報告されている(非特許文献1)。
これら高性能な機械素子の登場は、従来のNEMS/MEMS分野のメイントピックである超高感度な物理量センサーの研究開発に加えて、NEMS/MEMSをベースにした高周波(Radio-frequency:RF)信号処理技術の研究というトピックを新たに創成した。その理由は、NEMS/MEMSの微小な構造と高いQ値のおかげで、機械振動の非線形現象が容易に発現するようになり、機械振動制御法が一気に多様化したためである。
これまでに、単一の機械素子において、その非線形性を巧みに利用した複雑なロジック演算処理の実施(非特許文献2)や電力消費を低く抑えた機械メモリーの動作確認(非特許文献3)がなされている。また、これら機械素子は既存の半導体デバイスが動作不可能な高温下や高放射線下といった極限環境においても動作するため、既存の半導体デバイスの補完的役割としての利用が特に期待されている(非特許文献4)。
加えて、機械振動は熱によっても駆動することができるため(非特許文献5)、既存の情報処理システムでは忌避されてきた熱を新たなエネルギー源として有効活用できる究極の省エネデバイスの実現も期待されている。しかしながら、これまで提案されてきたNEMS/MEMSでは、局所的な機械振動のみを扱っており、その制御の過程において、電気−機械エネルギー変換が必要なため、その変換による莫大なエネルギー損失は不可避なものであった。
従来、余剰なエネルギー損失が発生することなく、NEMS/MEMS等の機械素子を機械的な信号で以て繋げることができる「フォノニック導波路」という、最も基本的な機械素子が存在しなかった。高度なRF信号処理能力を有するフォノニック導波路が実現できれば、光情報通信の歴史において光ファイバやシリコンナノワイヤ、フォトニック結晶導波路といった光導波路の登場により全光的な情報通信技術や信号処理技術が急速に進展したことからみても自明なように(非特許文献6)、機械振動を情報キャリアとして利用した全く新しい概念のRF信号処理技術が生まれ、全機械的な機械情報処理システムの実用可能性が高まると思われる。
全機械的な情報処理システムにおいて、フォノニック導波路は複数のNEMS/MEMS素子間を有機的に繋ぎ、多数の機械情報を巧みに取り扱う役割が求められる。しかしながら、複数の機械素子間を有機的に繋ぎ、かつ多数の機械振動の中から特定の周波数の振動のみを取捨選択する、つまり機械振動フィルタのような機能を有するフォノニック導波路は実現できておらず、現状のままでは、複数の機械振動を同時に扱うことは不可能である。
一方、光情報通信の場合では、一本の光ファイバやナノワイヤ内に重畳した光は、光学分岐挿入装置(Optical Add-Drop Multiplexer:OADM)と呼ばれる光学部品によって、導波路中で光の波長(周波数)によるフィルタリングを行うことで、大規模な光多重通信を実現している(非特許文献7)。このOADM装置は、バス導波路と入出力用導波路、光学共振器から構成され、共振器の共振条件を基に波長によってバス導波路内の光のフィルタリングを行い、共振条件を満足する光は入出力用導波路を介して空間的に分離できる。また、その逆の過程を経ることにより、入出力用導波路を介して特定の光をバス導波路へ挿入することもできる。
K.L.Ekinci and M.L.Roukes,"Nanoelectromechanical systems",Review Of Scientific Instruments 76,p.061101-1〜061101-12,2005 I.Mahboob et al.,"Interconnect-free parallel logic circuits in a single mechanical resonator",Nature Communications 2,198,2011 I.Mahboob and H.Yamaguchi,"Bit storage and bit flip operations in an electromechanical oscillator",Nature Nanotechnology 3,p.275-279,2008 O.Y.Loh and H.D.Espinosa,"Nanoelectromechanical contact switches",Nature Nanotechnology 7,p.283-295,2012 P.G.Steeneken et al.,"Piezoresistive heat engine and refrigerator",Nature Physics 7,p.354-359,2011 J.Leuthold et al.,"Nonlinear silicon photonics",Nature Photonics 4,p.535-544,2010 S.Fan et al.,"Channel Drop Tunneling through Localized States",Physical Review Letters 80,p.960-963,1998
複数の機械素子間を繋ぐフォノニック導波路においても光導波路のような多重伝送やデバイス制御を行うには、OADM装置のような機械部品が必要である。しかしながら、上記のとおり機械振動フィルタのような機能を有するフォノニック導波路は実現できていなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、機械振動の選択・分岐の操作が可能な機械分岐挿入装置を提供することを目的とする。
本発明の機械分岐挿入装置は、基板と、この基板との間に空間をあけて配置された環状の薄膜からなり、共振条件を満足する機械振動を選択可能なメカニカルリング共振器と、前記基板との間に空間をあけて配置され且つ前記メカニカルリング共振器の環の外縁の一部と結合するように配置された薄膜からなり、機械振動の分岐もしくは挿入に用いられる複数の導波路と、前記基板上に形成され、機械振動の伝搬方向と垂直な方向から前記メカニカルリング共振器および導波路を支える支持部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の機械分岐挿入装置の1構成例は、少なくとも1つの前記導波路と前記メカニカルリング共振器との間の結合距離が、その他の前記導波路と前記メカニカルリング共振器との間の結合距離と異なることを特徴とするものである。
また、本発明の機械分岐挿入装置の1構成例において、前記支持部は、前記メカニカルリング共振器の環の外縁もしくは内縁のどちらか一方を支持し、前記メカニカルリング共振器の内周側もしくは外周側が自由端となることを特徴とするものである。
また、本発明の機械分岐挿入装置の1構成例は、さらに、前記機械振動の伝搬方向に沿って周期的に配列され、前記導波路と前記メカニカルリング共振器のうち少なくとも一方を、前記機械振動の伝搬方向と垂直な方向に貫通する複数の孔、もしくは前記導波路と前記メカニカルリング共振器のうち少なくとも一方に、前記機械振動の伝搬方向に沿って周期的に配列された段差を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の機械分岐挿入装置の1構成例において、前記メカニカルリング共振器となる薄膜および前記導波路となる薄膜は、圧電材料からなる。前記薄膜が圧電材料からなる構成においては、さらに、前記導波路となる薄膜の一部の上に形成された電極を備える。
また、本発明の機械分岐挿入装置の1構成例において、前記メカニカルリング共振器となる薄膜および前記導波路となる薄膜は、非圧電材料からなる。前記薄膜が非圧電材料からなる構成においては、さらに、前記導波路となる薄膜の一部の上に形成された第1の金属膜と、この第1の金属膜の上に形成された圧電材料と、この圧電材料の上に形成された第2の金属膜とからなる積層構造を備える。
本発明によれば、基板との間に空間をあけて配置された環状の薄膜からなり、共振条件を満足する機械振動を選択可能なメカニカルリング共振器と、基板との間に空間をあけて配置され且つメカニカルリング共振器の環の外縁の一部と結合するように配置された薄膜からなり、機械振動の分岐もしくは挿入に用いられる複数の導波路とを用いることにより、機械振動の選択・分岐の操作が可能な機械分岐挿入装置を実現することができる。本発明では、バス用の導波路から導入した機械振動のうち特定の周波数を有する機械振動のみをメカニカルリング共振器で選択・分岐し、メカニカルリング共振器と機械的に結合している入出力用の導波路から取り出すことができる。また、逆の過程で、入出力用の導波路から導入した機械振動のうち特定の周波数を有する機械振動のみをメカニカルリング共振器で選択・分岐し、メカニカルリング共振器と機械的に結合しているバス用の導波路から取り出すこともできる。また、本発明では、バス用の導波路とメカニカルリング共振器の結合距離を調節することで、バス用の導波路中を伝搬する特定の機械振動のみ、その伝搬効率を自在に変調できる。本発明では、メカニカルリング共振器をフォノニック導波路と組み合わせた機械分岐挿入装置によって、導波路による機械振動の多重伝送の制御性が改善される。それにより、機械振動を制御要素として用いる全機械的なRF信号処理システム性能の飛躍的向上が期待される。本発明によれば、機械分岐挿入装置の実現によって、機械的作用のみで導波路内の機械振動を選別・操作することができるようになり、さらに、取り出した機械振動を空間的に分離・展開することも可能であり、将来のRF信号処理プロセスに必要不可欠な部品になると思われる。
本発明の実施の形態に係る機械分岐挿入装置の製造方法を説明する工程図である。 本発明の実施の形態に係る機械分岐挿入装置の製造方法を説明する工程図である。 本発明の実施の形態に係る機械分岐挿入装置の製造方法を説明する工程図である。 本発明の実施の形態に係る機械分岐挿入装置の製造方法を説明する工程図である。 本発明の実施の形態に係る機械分岐挿入装置のモーダル解析結果を示す図である。 本発明の実施の形態に係る機械分岐挿入装置の導波路の別の形状例を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る機械分岐挿入装置の別の形状例を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る機械分岐挿入装置の別の形状例を示す平面図および断面図である。 本発明の実施の形態に係る機械分岐挿入装置の別の形状例を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る機械分岐挿入装置の別の形状例を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。本実施の形態では、2本以上のフォノニック導波路とメカニカルリング共振器とを組み合わせた機械分岐挿入装置(Mechanical Add Drop Multiplexer、以下、MADM装置)に関して、その制御手法と、有限要素法(Finite-Element Method:FEM)計算から得られた機械伝搬特性の議論を通して説明する。
図1(A)〜図1(C)、図2(A)〜図2(C)、図3(A)〜図3(C)、図4(A)〜図4(C)は本発明の実施の形態に係るMADM装置の製造方法を説明する工程図である。図1(A)、図2(A)、図3(A)、図4(A)はMADM装置の製造方法を説明する平面図、図1(B)、図2(B)、図3(B)、図4(B)はそれぞれ図1(A)、図2(A)、図3(A)、図4(A)のA−A線断面図、図1(C)、図2(C)、図3(C)、図4(C)はそれぞれ図1(A)、図2(A)、図3(A)、図4(A)のB−B線断面図である。
本実施の形態では、フォトリソグラフィ法もしくは電子ビーム(EB)リソグラフィ法、リン酸またはフッ化水素酸を用いたウェットエッチング法、及び反応性イオンエッチング等の技術を用いて、図1(A)〜図1(C)、図2(A)〜図2(C)、図3(A)〜図3(C)、図4(A)〜図4(C)に示す作製プロセスにより、化合物半導体であるガリウムヒ素(GaAs)/アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)のヘテロ構造から成る薄膜構造を有する2本以上のフォノニック導波路とメカニカルリング共振器とを組み合わせたMADM装置を作製する。
具体的には、GaAs基板100上のGaAs/AlXGa1-XAs多層膜を、フォトリソグラフィ法もしくはEBリソグラフィ法によるレジストパターンニングと、リン酸によるウェットエッチング法もしくは反応性イオンエッチングによるドライエッチング法により加工して、図1(A)〜図1(C)に示すようにリング共振器や導波路の土台となるメサ構造を形成する。ここでは、GaAs基板100上に形成するGaAs/AlXGa1-XAs多層膜として、Al0.65Ga0.35As層101と、Al0.65Ga0.35As層101上に形成されたSiドープGaAs層102と、SiドープGaAs層102上に形成されたAl0.27Ga0.73As層103と、Al0.27Ga0.73As層103上に形成されたGaAs層104とからなる構造を用いた。
次に、機械振動の誘起・検出で用いる電極105a,105b,105c,105dを、フォトリソグラフィ法もしくはEBリソグラフィ法と、真空蒸着法と、リフトオフ法によってメサ構造のGaAs/AlXGa1-XAs多層膜上(GaAs層104上)に形成する(図2(A)〜図2(C))。
そして、MADM装置の導波路部を作製する。具体的には、フォトリソグラフィ法もしくはEBリソグラフィ法と、リン酸によるウェットエッチング法もしくは反応性イオンエッチングによるドライエッチング法によって、メサ構造のGaAs/AlXGa1-XAs多層膜の表面(GaAs層104)からAl0.65Ga0.35As層101(犠牲層)まで届く孔106(106a,106b,106c)を複数個形成する(図3(A)〜図3(C))。
このとき、図3(A)〜図3(C)に示すように、共振器を形成したい位置には、最終工程で形成されるリング薄膜部の内径に等しい直径を有する孔106aを形成し、導波路を形成したい位置には導波路を形成したい方向(図3(A)、図3(C)のX方向)に沿って複数の孔106b,106cを形成する。ただし、孔106aの直径をd1、孔106b,106cの直径をd2、導波路の幅をw2(図4(A))とすると、少なくともd1>w2>d2の関係が成り立つものとする。また、孔106aの端から孔106bの端までの距離s1、孔106aの端から孔106cの端までの距離s2は、犠牲層エッチングによって作製される導波路の幅w2よりも小さくなるよう設計する(s1,s2<w2)。
最後に、希フッ化水素酸によって犠牲層であるAl0.65Ga0.35As層101のみを、孔106a,106b,106cを中心にして等方的にエッチングすることで、SiドープGaAs層102とAl0.27Ga0.73As層103とGaAs層104とからなる多層膜は、GaAs基板100と離間し、残ったAl0.65Ga0.35As層101によって支持される状態となる(図4(A)〜図4(C))。すなわち、エッチング後に残ったAl0.65Ga0.35As層101は、多層膜を支える支持部となる。
Al0.65Ga0.35As層101を孔106aを中心にして等方的にエッチングすると、孔106aの位置のAl0.65Ga0.35As層101に、孔106aの直径d1よりも直径が大きい平面視円形の空間107が形成され、この空間107上の多層膜が平面視円環状のメカニカルリング共振器108となる。エッチング後に残ったAl0.65Ga0.35As層101は、機械振動の伝搬方向(メカニカルリング共振器108の場合は円周方向)と垂直な方向からメカニカルリング共振器108の外縁を支える支持部となる。メカニカルリング共振器108の内周側は、GaAs基板100から浮いた状態の自由端となる。
また、Al0.65Ga0.35As層101をエッチングによって削る距離Dを、孔106bの間隔(および孔106cの間隔)s3よりも長くすると、孔106b,106cが並ぶ方向に沿ってAl0.65Ga0.35As層101に平面視略矩形の空間109b,109cが形成され、この空間109上の多層膜が平面視略矩形の導波路110,111となる。エッチング後に残ったAl0.65Ga0.35As層101は、機械振動の伝搬方向(導波路110,111の場合は図1(A)〜図1(C)、図2(A)〜図2(C)、図3(A)〜図3(C)、図4(A)〜図4(C)のX方向)と垂直な方向から導波路110,111を支える支持部となる。メカニカルリング共振器108と導波路110,111は、s1,s2<2D=w2の関係性によって、機械的に結合しており、メカニカルリング共振器108と導波路110,111間の機械振動の伝搬が可能となる。
以上の製造方法により、円環状のメカニカルリング共振器108とフォノニック導波路である導波路110,111とを機械的に結合したMADM装置の作製が可能である。ここでは、2本の導波路110,111がメカニカルリング共振器108の接線方向に長軸を向けて機械的に結合している。この結合によって、導波路110,111とメカニカルリング共振器108の間で機械振動の往来が可能になる。
本実施の形態では、Al0.65Ga0.35As層101の厚さを3000nm、SiドープGaAs層102の厚さを100nm、Al0.27Ga0.73As層103の厚さを95nm、GaAs層104の厚さを5nm、電極105a,105b,105c,105dの厚さを80nmとしている。また、メカニカルリング共振器108の内径(孔106aの直径d1)を100〜200μm程度、メカニカルリング共振器108の幅w1を10〜30μm程度、導波路110,111の幅w2を10〜30μm程度としている。すなわち、メカニカルリング共振器108の内径d1は、メカニカルリング共振器108の幅w1よりも大きい。
次に上述の方法で作製したMADM装置の動作について説明する。本実施の形態のMADM装置は、圧電特性をもつ材料(本実施の形態では、GaAs、AlGaAs等の化合物半導体)で作製されている。そのため、バス用導波路110の一端に配置された電極105aとその下のSiドープGaAs層102との間に周波数fの交流電圧を印加すると、GaAsやAlGaAsのピエゾ電気効果によりSiドープGaAs層102とAl0.27Ga0.73As層103とGaAs層104とからなる多層膜内に面内歪みが誘起される。その結果、Al0.27Ga0.73As層103内の電極界面に近い領域とそれ以外の領域で歪み分布に偏りが生じ、多層膜に曲げモーメントが発生する。それゆえ、印加した交流電圧の周波数fに等しい周波数の機械振動がバス用導波路110中に発生する。
このようにして局所的に誘起された機械振動は、バス用導波路110内に閉じ込められ、その長軸方向に沿って群速度vgでメカニカルリング共振器108との結合箇所まで伝搬する。ここで、その機械振動の周波数fが、次式に示すメカニカルリング共振器108の共振条件の関係を満たせば、バス用導波路110を伝搬していた周波数fの機械振動はメカニカルリング共振器108へも伝搬が許され、リングの共振を引き起こすことができる。
式(1)におけるd3はメカニカルリング共振器108の直径である。そして、メカニカルリング共振器108内を伝搬する機械振動の一部は他方の入出力用導波路111へも伝搬するため、バス用導波路110の機械振動を周波数によって選択・分離し、異なる導波路111によって取り出す機械振動フィルタリングが可能となる。
図5(A)、図5(B)にFEMにより得られたMADM装置のモーダル解析結果を示す。この計算では、直径d3=150μmのメカニカルリング共振器108と幅w2=30μm、長さl=300μm、孔106b,106cの直径d2=5μmを有する2本の導波路110,111とを、結合距離s1=s2=26μmで結合しているMADM装置を設計し、用いている。図5(A)は周波数f=4.15MHzの機械振動における伝搬の様子をシミレーションした結果を示し、図5(B)は周波数f=3.97MHzの機械振動における伝搬の様子をシミレーションした結果を示している。
バス用導波路110を伝搬する4.15MHzの機械振動は、メカニカルリング共振器108の共振条件を満足するため、ほぼ全ての振動がメカニカルリング共振器108へと伝わり、メカニカルリング共振器108内を周回する。その結果、入出力用導波路111へもメカニカルリング共振器108から機械振動が伝搬し、電極105c,105dに達する。電極105c,105dに達した機械振動伝搬波は、ピエゾ電気効果によって電圧に変換されるので、電極105cまたは105dを介して電気的に検出することができる。
一方で、周波数3.97MHzの機械振動は、メカニカルリング共振器108の共振条件を満たさないため、バス用導波路110を伝搬する機械振動のメカニカルリング共振器108への大規模な伝搬は発生せず、そのまま、バス用導波路110内を伝搬していく様子が観られる。以上のFEM計算結果からも明らかなように、メカニカルリング共振器108をフィルタとして利用することで、導波路中の機械振動の周波数による分離・挿入が可能であり、本実施の形態で提案した構造を用いれば、MADM装置の構築が可能であることが分かる。
メカニカルリング共振器108の共振条件はその直径d3を調節することで変更できるため、適当な直径でメカニカルリング共振器108を設計すれば、どの機械振動においても分岐・挿入が可能である。さらに、バス用導波路110とメカニカルリング共振器108の結合距離s1を調整すれば、バス用導波路110とメカニカルリング共振器108間のクリティカルカップリング(Critical Coupling)をつくり出すことができ、バス用導波路110を伝搬する周波数fの機械振動とメカニカルリング共振器108からバス用導波路110へ伝搬する周波数fの機械振動とが互いに干渉し、打ち消し合う結果、バス用導波路110の機械振動はメカニカルリング共振器108との結合箇所付近においてほぼ完全に消失させることができる。
そして、入出力用導波路111とメカニカルリング共振器108間では、メカニカルリング共振器108から入出力用導波路111への伝搬効率が最大となるように結合距離s2を調整することで、機械振動の取り出し効率を高めることもできる。このような2本の導波路110,111との非対称な結合特性を有するメカニカルリング共振器108を設計することで、MADM装置の性能をより向上させることが可能である。以上のような結合距離調整は、バス用導波路110の機械振動の強度制御を行う上でも有用である。
なお、上記の製造方法では、MADM装置の材料として圧電特性を有するGaAs/AlXGa1-XAs多層膜を用いたが、PZTやZnO等の圧電材料の積層構造からなるものは勿論のこと、SiやSiO2を含む非圧電材料を用いてもMADM装置の作製が可能である。
PZTやZnO等の圧電性酸化物をMADM装置の材料として用いると、それら圧電性酸化物の大きなピエゾ定数のため、電圧による機械振動の効率的な励振・検出が可能となり、MADM装置の駆動エネルギーの省電力化が期待される。
一方、SiやSiO2等の非圧電材料をMADM装置の材料として用いる場合、上記で説明したような電極のみによる機械振動の誘起は不可能である。この場合、SiやSiO2等の非圧電材料の上に形成される第1の金属膜と、第1の金属膜の上に形成される圧電材料と、圧電材料の上に形成される第2の金属膜とからなる積層構造を電極105a,105b,105c,105dの代わりに形成し、電極105aまたは105bの位置に形成した積層構造の下側の第1の金属膜と上側の第2の金属膜との間に交流電圧を印加すれば、機械振動の局所励振が実現できる。また、電極105cまたは105dの位置に形成した積層構造の下側の第1の金属膜と上側の第2の金属膜との間からMADM装置の出力を電気的に取り出すことができる。第1、第2の金属膜の材料としては例えばMO、圧電材料としては例えばAlNがある(文献「S.Mohammadi and A.Adibi,“Waveguide-Based Phononic Crystal Micro/Nanomechanical High-Q Resonators”,Journal Of Microelectromechanical Systems,Vol.21,No.2,p.379-384,2012」参照)。SiやSiO2といったIV族半導体とその周辺物質は、既存の電子デバイスやMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、光デバイス部品の主要素であり、SiやSiO2等の非圧電材料をMADM装置の母材として使用することで、既存技術との高い整合性が得られる。
また、上記の製造方法では、メカニカルリング共振器108と導波路110,111の作製において、フッ化水素酸溶液をエッチャントに用いて選択エッチングを行ったが、メカニカルリング共振器及び導波路を構成する層と犠牲層と基板とからなる積層構造において、犠牲層のみを等方的に除去できるエッチャントであれば、エッチャントはフッ化水素酸溶液に限られるものではない。
さらに、上記の製造方法では、メカニカルリング共振器108と導波路110,111の作製のため、基板表側からの選択エッチングを用いていたが、基板裏面からのエッチングでも、基板の種類によってはメカニカルリング共振器108と導波路110,111の作製が可能である。上記の製造方法で使用したGaAs基板において、基板裏面からのリン酸ウェットエッチングは、GaAsの結晶異方性のため、等方性エッチングが必要となる円環状の振動部形成が困難であった。しかしながら、結晶異方性のない材料を基板に用いれば、裏面からのエッチングによってメカニカルリング共振器108と導波路110,111を形成できる。その場合、犠牲層を含む多層構造を用いなくとも、単層構造においてMADM装置は作製可能である。
また、本実施の形態では、GaAsベースの化合物半導体を母材に扱う場合を仮定したため、周期的に配列した複数の孔106b,106cを有した導波路110,111を用いたが、フォノニック導波路として機能するならば、図6(A)に示すように孔の無い導波路110,111を用いてもよい。また、図6(B)に示すように孔106b,106cの代わりに周期的な段差112を有した導波路110,111を用いてもよい。また、メカニカルリング共振器108の機械振動の伝搬方向に沿って、図6(B)と同様の周期的な段差をメカニカルリング共振器108に設けてもよい。
また、本実施の形態では、導波路110,111のメカニカルリング共振器108と接する側とその反対側の両方をAl0.65Ga0.35As層101からなる支持部によって支える構造としているが、これに限るものではなく、図6(C)に示すように導波路110,111のメカニカルリング共振器108と接する側とその反対側のうちどちらか一方のみを支持部によって支える構造としてもよい。
また、本実施の形態では、2本の導波路110,111を1つのメカニカルリング共振器108で結合した例を示したが、図7に示すように2本の導波路110,111を複数のメカニカルリング共振器108−1,108−2,108−3によって接合した構造を用いることもできる。
また、本実施の形態では、MADM装置として、平面視円環状のメカニカルリング共振器108を有するものを例に挙げて説明しているが、これに限るものではなく、メカニカルリング共振器108が環状の構造をしていれば、メカニカルリング共振器108の平面形状は円に限られるものではない。
また、本実施の形態では、メカニカルリング共振器108として、それを支持するメザ構造の内側より形成されている構造のもの、すなわちAl0.65Ga0.35As層101からなる支持部がメカニカルリング共振器108の外縁を支え、メカニカルリング共振器108の内周側がGaAs基板100から浮いた状態の自由端となっている構造のものを用いたが、これに限るものではなく、図8(A)〜図8(C)に示すように、メザ構造の外側より形成された庇状導波路構造のもの、すなわち支持部がメカニカルリング共振器108の内縁を支え、メカニカルリング共振器108の外周側が自由端となっている構造のものを用いてもよい。なお、図8(A)はMADM装置の平面図、図8(B)は図8(A)のA−A線断面図、図8(C)は図8(A)のC−C線断面図である。
また、本実施の形態では、メカニカルリング共振器108の接線方向と平行になるように、直線状の導波路110,111を配置しているが、導波路110,111とメカニカルリング共振器108の結合領域において、局所的に、導波路110,111の伝搬方向とメカニカルリング共振器108の伝搬方向が互いに平行であればよいとする(文献「A.Vorckel et al.,“Asymmetrically Coupled Silicon-On-Insulator Microring Resonators for Compact Add.Drop Multiplexers”,IEEE Photonics Technology Letters 15,p.921-923,2003」)。そのため、メカニカルリング共振器108の平面形状は、図9(A)に示すように結合領域において直線状であってもよく、また図9(B)に示すように導波路110,111の平面形状が曲線状であってもよい。
また、本実施の形態では、メカニカルリング共振器108と結合する導波路の本数を2本としているが、これに限るものではなく、3本以上の導波路をメカニカルリング共振器108と結合してもよい。
以上、詳細を示したように、本実施の形態によれば以下のような効果を奏することができる。
(a)バス用導波路110から導入した機械振動のうち特定の周波数を有する機械振動のみをメカニカルリング共振器108で選択・分岐し、メカニカルリング共振器108と機械的に結合している入出力用導波路111から取り出すことができる。
(b)上記の(a)と逆の過程で、入出力用導波路111から導入した機械振動のうち特定の周波数を有する機械振動のみをメカニカルリング共振器108で選択・分岐し、メカニカルリング共振器108と機械的に結合しているバス用導波路110から取り出すこともできる。
(c)バス用導波路110とメカニカルリング共振器108の結合距離を調節することで、バス用導波路110中を伝搬する特定の機械振動のみ、その伝搬効率を自在に変調できる。
このようにメカニカルリング共振器をフォノニック導波路と組み合わせたMADM装置によって、導波路による機械振動の多重伝送の制御性が改善される。それにより、機械振動を制御要素として用いる全機械的なRF信号処理システム性能の飛躍的向上が期待される。本実施の形態によれば、MADM装置の実現によって、機械的作用のみで導波路内の機械振動を選別・操作することができるようになり、さらに、取り出した機械振動を空間的に分離・展開することも可能であり、将来のRF信号処理プロセスに必要不可欠な部品になると思われる。
なお、本発明のMADM装置の作製は既存の微細加工技術(EBリソグラフィ、フォトリソグラフィ、ナノインプリント、ドライエッチング、ウェットエッチング、蒸着、スパッタリング、化学気相成長法など)を複数組み合わせて使用することも可能であり、MADM装置の作製法は本実施の形態に限定されるものではない。
例えば、本実施の形態では、メサ構造のGaAs/AlXGa1-XAs多層膜の表面(GaAs層104)からAl0.65Ga0.35As層101(犠牲層)まで届く孔106aを形成して、希フッ化水素酸によってAl0.65Ga0.35As層101のみを、孔106aを中心にして等方的にエッチングすることで、メカニカルリング共振器108を形成しているが、孔106aを設けなくてもよい。
孔106aを設けない場合は、上記のように基板裏面からのエッチングによってメカニカルリング共振器108を形成してもよいし、図10に示すようにGaAs/AlXGa1-XAs多層膜の表面(GaAs層104)からAl0.65Ga0.35As層101(犠牲層)まで届く孔106dを、メカニカルリング共振器108を配置したい周方向に沿って複数形成してもよい。希フッ化水素酸によって犠牲層であるAl0.65Ga0.35As層101のみを、孔106dを中心にして等方的にエッチングすれば、導波路110,111と同様の形成原理により、孔106dが並ぶ方向に沿ってAl0.65Ga0.35As層101に平面視円環状の空間が形成され、この空間上の多層膜がメカニカルリング共振器108となる。また、孔106b,106cを設けずに、例えば基板裏面からのエッチングによって導波路110,111を形成してもよい。
本発明は、機械振動を選択・分岐する技術に適用することができる。
100…GaAs基板、101…Al0.65Ga0.35As層、102…SiドープGaAs層、103…Al0.27Ga0.73As層、104…GaAs層、105a,105b,105c,105d…電極、106b,106a,106c…孔、107,109b,109c…空間、108…メカニカルリング共振器、110,111…導波路。

Claims (8)

  1. 基板と、
    この基板との間に空間をあけて配置された環状の薄膜からなり、共振条件を満足する機械振動を選択可能なメカニカルリング共振器と、
    前記基板との間に空間をあけて配置され且つ前記メカニカルリング共振器の環の外縁の一部と結合するように配置された薄膜からなり、機械振動の分岐もしくは挿入に用いられる複数の導波路と、
    前記基板上に形成され、機械振動の伝搬方向と垂直な方向から前記メカニカルリング共振器および導波路を支える支持部とを備えることを特徴とする機械分岐挿入装置。
  2. 請求項1記載の機械分岐挿入装置において、
    少なくとも1つの前記導波路と前記メカニカルリング共振器との間の結合距離が、その他の前記導波路と前記メカニカルリング共振器との間の結合距離と異なることを特徴とする機械分岐挿入装置。
  3. 請求項1または2記載の機械分岐挿入装置において、
    前記支持部は、前記メカニカルリング共振器の環の外縁もしくは内縁のどちらか一方を支持し、
    前記メカニカルリング共振器の内周側もしくは外周側が自由端となることを特徴とする機械分岐挿入装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の機械分岐挿入装置において、
    さらに、前記機械振動の伝搬方向に沿って周期的に配列され、前記導波路と前記メカニカルリング共振器のうち少なくとも一方を、前記機械振動の伝搬方向と垂直な方向に貫通する複数の孔、もしくは前記導波路と前記メカニカルリング共振器のうち少なくとも一方に、前記機械振動の伝搬方向に沿って周期的に配列された段差を備えることを特徴とする機械分岐挿入装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の機械分岐挿入装置において、
    前記メカニカルリング共振器となる薄膜および前記導波路となる薄膜は、圧電材料からなることを特徴とする機械分岐挿入装置。
  6. 請求項5記載の機械分岐挿入装置において、
    さらに、前記導波路となる薄膜の一部の上に形成された電極を備えることを特徴とする機械分岐挿入装置。
  7. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の機械分岐挿入装置において、
    前記メカニカルリング共振器となる薄膜および前記導波路となる薄膜は、非圧電材料からなることを特徴とする機械分岐挿入装置。
  8. 請求項7記載の機械分岐挿入装置において、
    さらに、前記導波路となる薄膜の一部の上に形成された第1の金属膜と、この第1の金属膜の上に形成された圧電材料と、この圧電材料の上に形成された第2の金属膜とからなる積層構造を備えることを特徴とする機械分岐挿入装置。
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