JP6121179B2 - 反力制御装置 - Google Patents
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Description
前記反力制御手段は、前記姿勢変化量検出手段により検出された前記姿勢変化量の絶対値が減少し始めたとき、その時点の前記ペダル反力を所定期間維持した後、前記ペダル反力を減少させてもよい。前記踏込状態検出手段により検出された前記踏込量及び踏込速度の少なくも一方が所定の踏込閾値を上回る場合、前記反力制御手段は、前記所定期間の経過を待たずに前記姿勢変化量の減少に応じて前記ペダル反力を減少させてもよい。
1.車両10の構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る反力制御装置12を搭載した車両10のブロック図である。車両10は、アクセルペダル14と、アクセルペダル14に反力Fr_sp[N]を付与するリターンスプリング16と、開度センサ18と、車速センサ20と、横加速度センサ22と、ナビゲーション装置24と、電子制御装置26(以下「ECU26」という。)と、アクチュエータ28とを備える。このうち、開度センサ18、車速センサ20、横加速度センサ22、ナビゲーション装置24、ECU26及びアクチュエータ28が、反力制御装置12を構成する。
[2−1.ペダル反力Frの制御の概要]
次に、第1実施形態におけるペダル反力Frの制御について説明する。第1実施形態では、主として、車速誘導反力制御(以下「第1反力制御」ともいう。)と、横加速度対応反力制御(以下「第2反力制御」ともいう。)とを組み合わせて用いる。
図2は、第1実施形態におけるペダル反力Frの制御のフローチャートである。図2のステップS1において、ECU26は、車速センサ20から車速Vを取得し、ナビゲーション装置24からナビゲーション情報Ir(推奨車速Vrecを含む。)を取得し、横加速度センサ22から横加速度Glを取得し、開度センサ18からペダル開度θを取得する。
図3は、第1実施形態におけるペダル反力Frの制御を説明する機能ブロック図である。以下では、ペダル反力Frの設定に用いるペダル反力Frv、Frgのうちペダル反力Frvについて説明する。
車速誘導ペダル反力Frvを設定するに際しては、まず、ECU26の補正器50において、ナビゲーション装置24からのナビゲーション情報Irを用いて補正推奨車速Vrec_cを算出する。補正推奨車速Vrec_cは、ナビゲーション装置24からの推奨車速Vrecを必要に応じて補正したものである。なお、ナビゲーション装置24と補正器50により推奨車速設定手段52が構成される。
次いで、ECU26の減算器54において、車速センサ20からの車速Vと、補正器50からの補正推奨車速Vrec_cとの差(以下「差ΔV」という。)を算出する(ΔV=V−Vrec_c)。
次いで、ECU26の車速誘導ペダル反力演算器56(以下「Frv演算器56」ともいう。)において、減算器54からの差ΔVに応じて車速誘導ペダル反力Frvを設定する。具体的には、差ΔVが、ゼロよりも大きい閾値であるΔV1未満であるとき、ペダル反力Frvをゼロとする。差ΔVが、ΔV1以上ΔV2未満であるとき、差ΔVの増加に応じてペダル反力Frvを増加させる。差ΔVがΔV2以上であるとき、ペダル反力Frvを最大値で一定とする。なお、ペダル反力Frvには、後述する横加速度対応ペダル反力Frgと同様、ヒステリシス特性を持たせてもよい。設定したペダル反力Frvは、比較器70に出力される。
次に、ペダル反力Frの設定に用いるペダル反力Frv、Frgのうちペダル反力Frgについて説明する。
横加速度対応ペダル反力Frgを設定するに際しては、まず、ECU26の絶対値算出器60において、横加速度センサ22からの横加速度Glの絶対値|Gl|を算出する。
次いで、ECU26の横加速度ペダル反力演算器62(以下「Frg演算器62」ともいう。)において、絶対値算出器60からの絶対値|Gl|と、開度センサ18からのペダル開度θとを用いて車速誘導ペダル反力Frvを設定する。
ECU26の比較器70(図3)では、Frv演算器56からの第1ペダル反力FrvとFrg演算器62からの第2ペダル反力Frgとを比較し、大きい方の値をペダル反力Fr(目標値)として信号生成器72に出力する。
ECU26の信号生成器72(図3)では、比較器70からのペダル反力Frに応じた制御信号Srをアクチュエータ28に出力する。例えば、アクチュエータ28がモータである場合、ペダル反力Frに応じて駆動デューティを調整した制御信号Srを出力する。
次に、上記のような第1実施形態に係る反力制御と比較例に係る反力制御とを比較する。比較例では、車速誘導反力制御のみを用い、横加速度対応反力制御を用いない。
以上のように、第1実施形態によれば、車両10の旋回時に発生する横加速度Gl(旋回状態量)の増加に応じてペダル反力Frを増加させる(図4等)。このため、旋回時における運転者による意図しないアクセルペダル14の踏込み又はアクセルペダル14のばたつきを抑制することが可能となる。従って、車両10の旋回時におけるアクセルペダル14の操作性を向上させることが可能となる。
1.第1実施形態との相違
本発明の第2実施形態におけるハードウェアの構成は、第1実施形態と同様である。このため、第1実施形態と同様の構成要素については同一の参照符号を付して説明を省略する。
[2−1.ペダル反力Frの制御の概要]
図7及び図8は、本発明の第2実施形態に係る反力制御装置12を用いた場合の反力付与特性の第1例及び第2例を示す図である。図7及び図8並びに後述する図9〜図12において、横軸はペダル開度θである。また、縦軸は、リターンスプリング16からのスプリング反力Fr_spと、アクチュエータ28からのペダル反力Fr(アクチュエータ反力Fr)の合計(以下「合計ペダル反力Ftotal」という。)である(Ftotal=Fr_sp+Fr)。
図7に示すように、ペダル開度θがθ1以上となると、ECU26は、ペダル反力Fr(ここでのペダル反力Frは、車速誘導ペダル反力Frvに等しい。)を急激に増加させる。以下では、ペダル開度θがθ1からθ2の領域を反力急増領域という。
第2実施形態では、絶対値|Gl|が横加速度閾値Gl5を上回ると、図8に示すように、ペダル反力Frの特性(反力付与特性)をFr1(=Frv)からFr2に切り替える。これにより、ペダル開度θがθ2を上回る領域(すなわち、反力一定領域)におけるペダル反力Frの増加の傾きを急にする。例えば、絶対値|Gl|が横加速度閾値Gl5以下の場合、ペダル開度θがθ2を上回る領域(反力一定領域)においてペダル反力Frは一定(増加率が0%。換言すると、ペダル反力Frについての傾きが1)とする。
以上のように、第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え又はこれに代えて以下の効果を奏することが可能となる。
なお、本発明は、上記各実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
[1−1.旋回状態量]
上記各実施形態では、横加速度Glを用いる横加速度対応反力制御を実行したが、車両10の旋回度合いに基づいてペダル反力Frを制御するとの観点に立てば、横加速度Gl以外の検出値を旋回状態量として用いてペダル反力Frを制御するものであってもよい。
上記項目[1−1.旋回状態量]では、車両10の旋回度合いに基づいてペダル反力Frを制御するとの観点に基づく制御について言及したが、走行時における車両10の姿勢の変化度合いに基づいてペダル反力Frを制御するとの観点に立てば、旋回状態量に加え又はこれに代えて、旋回状態量以外の検出値を姿勢変化量として用いてペダル反力Frを制御することもできる。
[2−1.目標車速Vtar]
第1実施形態では、ナビゲーション装置24の記憶部30に記憶されている推奨車速Vrecを、ECU26の補正器50で補正して補正推奨車速Vrec_cを目標車速Vtarとして算出して車速Vとの差ΔVの算出に用いた。しかしながら、車速Vと目標車速Vtarとの差ΔVに基づいてペダル反力Frv(ペダル反力Fr)を算出するとの観点からすれば、目標車速Vtarは、車両10の外部状況又は車両10の走行状態に応じて設定されるものであれば、その他の方法により算出してもよい。
上記各実施形態では、横加速度対応反力制御(第2反力制御)に加え、車速誘導反力制御(第1反力制御)を実行したが、第2反力制御に着目すれば、第1反力制御は実行しなくてもよい。或いは、第1反力制御を一時的に停止することも可能である。そのような一時的停止を行う場合として、例えば、カーブを抜け出る直前(カーブの出口から所定距離手前までの区間)が考えられる。カーブを抜け出る直前に第1反力制御を一時的に停止することで、カーブを抜け出る際の加速を容易にすることが可能となる。
[3−1.不感帯]
第1実施形態では、横加速度対応反力制御に際し、横加速度Glの不感帯を設けた。すなわち、横加速度Gl(絶対値|Gl|)が閾値Gl1を下回る場合、ペダル反力Frgをゼロとした。しかしながら、横加速度Glに応じてペダル反力Frg(ペダル反力Fr)を付与するとの観点からすれば、不感帯を設けない構成も可能である。第2実施形態についても同様である。
第1実施形態では、横加速度対応反力制御に際し、ヒステリシス特性を設定した(図3、図4参照)。横加速度Glに応じてペダル反力Frg(ペダル反力Fr)を付与するとの観点からすれば、ヒステリシス特性を設定しない構成も可能である。この場合、ペダル開度θを用いずに横加速度Gl又は絶対値|Gl|のみを用いてペダル反力Frgを設定することができる。
上記各実施形態では、ナビゲーション情報Irの一部(推奨車速Vrec等)は、記憶部30に記憶されていたが、ナビゲーション情報Irを取得する観点からすれば、これに限らない。例えば、上記「[2−1.目標車速Vtar]」で記載したように、外部サーバ又は周辺車両からの情報、道路上に設けられた通信設備(例えば、光ビーコン)からの情報又は前方センサ(画像センサ、赤外線レーダ等)からの情報を用いてもよい。
第1実施形態では、車速誘導反力制御により算出したペダル反力Frvと、横加速度対応反力制御により算出したペダル反力Frgを比較し、より大きい値をペダル反力Frとして設定した(図2、図3)。また、第2実施形態では、反力一定領域(θ2を上回る領域)におけるペダル反力Frの増加率を上げるように補正してペダル反力Frとして設定した。換言すると、横加速度Glの絶対値|Gl|に基づく加算値(=横加速度対応ペダル反力Frg)を車速誘導ペダル反力Frvに対して加算した。しかしながら、その他の方法でペダル反力Frを設定することも可能である。以下に第1〜第4変形例について説明する。
図9は、本発明の第1変形例に係る反力制御装置12を用いた場合の反力付与特性の一例を示す図である。上記のように、第2実施形態(図8)では、反力急増領域(θ1〜θ2の領域)及び反力急増領域よりも低いペダル開度θに対応する領域(θ1を下回る領域)におけるペダル反力Frは、横加速度Gl(絶対値|G|)にかかわらず、特性Fr1、Fr2を等しくした。また、ペダル開度θがθ2を上回る領域では、横加速度Gl(絶対値|G|)が閾値Gl5を上回ると、特性Fr1から特性Fr2に切り替えて、ペダル反力Frの増加率を大きくした。
図10は、本発明の第2変形例に係る反力制御装置12を用いた場合の反力付与特性の一例を示す図である。上記のように、第2実施形態(図8)では、反力急増領域(θ1〜θ2の領域)及び反力急増領域よりも低いペダル開度θに対応する領域(θ1を下回る領域)における反力付与特性は、横加速度Gl(絶対値|G|)にかかわらず、特性Fr1、Fr2を等しくした。また、ペダル開度θがθ2を上回る領域では、横加速度Gl(絶対値|G|)が閾値Gl5を上回ると、特性Fr1から特性Fr2に切り替えて、ペダル反力Frの増加率を大きくした。
図11は、本発明の第3変形例に係る反力制御装置12を用いた場合の反力付与特性の一例を示す図である。第3変形例(図11)では、横加速度Glの絶対値|Gl|が横加速度閾値Gl8を上回ると、ペダル反力Frの特性をFr1(=Frv)からFr5に切り替える。これにより、反力急増領域(θ1〜θ5)におけるペダル反力Frの増加率を大きくすると共に、反力急増領域におけるペダル反力Frの最大値を初期特性Fr1よりも大きくする。また、第3変形例では、反力緩増領域(θ5〜100%)を有する。
図12は、本発明の第4変形例に係る反力制御装置12を用いた場合の反力付与特性の一例を示す図である。第4変形例(図12)では、横加速度Glの絶対値|Gl|が横加速度閾値Gl9を上回ると、ペダル反力Frの特性をFr1(=Frv)からFr6に切り替える。これにより、反力急増領域(θ1〜θ5)におけるペダル反力Frの増加率を大きくすると共に、反力急増領域におけるペダル反力Frの最大値を初期特性Fr1よりも大きくする。また、第4変形例では、反力一定領域(θ5〜100%)を有する。
第1〜第2実施形態及び第1〜第4変形例では、横加速度Glの絶対値|Gl|と横加速度閾値Gl1〜Gl9を比較したが、各横加速度閾値Gl1〜Gl9について正の値と負の値を設定し、横加速度Glと比較しても実質的に同じことである。換言すると、横加速度Glの絶対値|Gl|を実際に算出しなくても、実質的に、絶対値|Gl|を用いているのと同様の処理を行うことが可能である。
上記実施形態では、ペダル反力Frを制御対象としたが、車両10の旋回時又は車両10の姿勢の変化時における運転者による意図しない動作を抑制するとの観点からすれば、ペダル反力Frの代わりに図示しないステアリングに対する反力(ステアリング反力)を制御対象とすることも可能である。
14…アクセルペダル
18…開度センサ(踏込量検出手段、踏込状態検出手段)
20…車速センサ(車速検出手段)
22…横加速度センサ(旋回状態量検出手段、横加速度検出手段、姿勢変化量検出手段)
26…ECU(反力制御手段) 52…推奨車速設定手段
Fr…ペダル反力 Frg…第2ペダル反力
Frv…第1ペダル反力
Gl…横加速度(旋回状態量、姿勢変化量)
|Gl|…横加速度の絶対値 Gl1、Gl5〜Gl9…横加速度閾値
THθ…閾値(踏込閾値、踏込量閾値) V…車速
Vtar…目標車速
θ…ペダル開度(アクセルペダルの踏込量)
θ1〜θ3、θ5…踏込量閾値
ΔV…車速と目標車速との差
Claims (6)
- アクセルペダルに付与する反力であるペダル反力を制御する反力制御手段と、
車両の旋回度合いを示す旋回状態量を検出する旋回状態量検出手段と、
前記アクセルペダルの踏込量及び踏込速度の少なくとも一方を検出する踏込状態検出手段と
を有し、
前記反力制御手段は、前記旋回状態量検出手段により検出された前記旋回状態量の増加に応じて前記ペダル反力を増加させ、
前記反力制御手段は、
前記旋回状態量検出手段により検出された前記旋回状態量の絶対値が減少し始めたとき、その時点の前記ペダル反力を所定期間維持した後、前記ペダル反力を減少させ、
前記踏込状態検出手段により検出された前記踏込量及び踏込速度の少なくも一方が所定の踏込閾値を上回る場合、前記所定期間の経過を待たずに前記旋回状態量の減少に応じて前記ペダル反力を減少させる
ことを特徴とする反力制御装置。 - 請求項1記載の反力制御装置において、
前記旋回状態量検出手段は、前記車両の横加速度を検出する横加速度検出手段を有し、
前記反力制御手段は、前記横加速度検出手段により検出された前記横加速度が所定の横加速度閾値を超えると、前記横加速度が増加するに連れて前記ペダル反力を増加させる
ことを特徴とする反力制御装置。 - 請求項1記載の反力制御装置において、
前記反力制御装置は、前記アクセルペダルの踏込量を検出する踏込量検出手段をさらに有し、
前記旋回状態量検出手段は、前記車両の横加速度を検出する横加速度検出手段を有し、
前記反力制御手段は、前記踏込量検出手段により検出された前記踏込量が所定の踏込量閾値を上回り、且つ前記横加速度検出手段により検出された前記横加速度が所定の横加速度閾値を上回ると、前記踏込量に対する前記ペダル反力の増加率を大きくする又は前記横加速度が増加するに連れて前記ペダル反力の増加量を大きくする
ことを特徴とする反力制御装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の反力制御装置において、
前記旋回状態量検出手段により検出された前記旋回状態量の絶対値が減少する際、前記反力制御手段は、前記旋回状態量に対する前記ペダル反力の変化量にヒステリシス特性を持たせる
ことを特徴とする反力制御装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の反力制御装置において、
前記反力制御装置は、
前記車両の現在の車速を検出する車速検出手段と、
前記車両の外部状況又は前記車両の走行状態に応じて、前記車両の目標車速を設定する目標車速設定手段と
を備え、
前記反力制御手段は、
前記現在の車速が前記目標車速を超えているとき、前記現在の車速と前記目標車速との差に応じて増加させる前記ペダル反力を第1ペダル反力として設定すると共に、前記旋回状態量に応じて設定される前記ペダル反力を第2ペダル反力として設定し、
前記第1ペダル反力と前記第2ペダル反力のうち大きい値に基づいて前記ペダル反力を増加させる
ことを特徴とする反力制御装置。 - アクセルペダルに付与する反力であるペダル反力を制御する反力制御手段と、
走行時における車両の姿勢の変化度合いを示す姿勢変化量を検出する姿勢変化量検出手段と、
前記アクセルペダルの踏込量及び踏込速度の少なくとも一方を検出する踏込状態検出手段と
を有し、
前記反力制御手段は、前記姿勢変化量検出手段により検出された前記姿勢変化量の増加に応じて前記ペダル反力を増加させ、
前記反力制御手段は、
前記姿勢変化量検出手段により検出された前記姿勢変化量の絶対値が減少し始めたとき、その時点の前記ペダル反力を所定期間維持した後、前記ペダル反力を減少させ、
前記踏込状態検出手段により検出された前記踏込量及び踏込速度の少なくも一方が所定の踏込閾値を上回る場合、前記所定期間の経過を待たずに前記姿勢変化量の減少に応じて前記ペダル反力を減少させる
ことを特徴とする反力制御装置。
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