JP6119989B2 - 蓄電装置 - Google Patents

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Description

この発明は、蓄電装置に関する。
EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug in Hybrid Vehicle)などの車両には、原動機となる電動機への供給電力を蓄える蓄電装置としてリチウムイオン電池などの二次電池が搭載されている。二次電池は、金属箔に正極活物質を塗布した正極電極と金属箔に負極活物質を塗布した負極電極との間をセパレータで絶縁し、層状に積層した電極組立体を有する。二次電池のケースは、有底筒状のケース本体と、ケース本体の開口部を閉塞する蓋体とで構成されるとともに、電極組立体と電解液とが収容されている。
また、二次電池のケースには、圧力開放弁(ガス排出弁)や電流遮断装置(CID)等、ケースの内圧によって作動する圧力作動部材が配置される。例えば、特許文献1に記載の二次電池では、ケースの蓋体に圧力開放弁が設けられている。
特開2011−181214号公報
アルミニウムは温度が上昇するにつれて強度が低下する性質を有する。このため、例えば二次電池のケースにアルミニウム製のケース本体を採用する場合では、ケースの温度が上昇するほどケース本体の強度が低下することとなる。通常、ケースの温度上昇に伴ってケースの内圧が上昇するが、ケースの温度上昇に伴ってケース本体の強度が低下する場合には、ケースの温度上昇に伴ってケース本体が膨らむことによりケースの内圧が低下するようになる。そして、ケースが高温であるにもかわらず、ケースの内圧が予め設定された圧力作動部材の作動圧に到達せず、圧力作動部材が作動しないおそれがある。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、ケース本体の強度低下に起因する圧力作動部材の作動不良を抑制することのできる蓄電装置を提供することにある。
上記課題を解決するための蓄電装置は、有底筒状のケース本体と、ケース本体の開口部を閉塞する蓋体とで構成されるとともに、電極組立体と電解液とが収容されるケースと、ケースの内圧によって作動する圧力作動部材とを備えている。そして、ケース本体は、Si:4.5〜5.5質量%、Cu:2.5〜3.5質量%、Mg:1.2〜1.5質量%、Ni:0.3質量%未満(但し、0質量%を含む)、Fe:0.5質量%未満(但し、0質量%を含む)を含み、残部Al及び不可避不純物からなるとともに、Cu含有量に対するMg含有量の比率[Mg/Cu]が0.4〜0.6であるアルミニウム合金を用いて巣の量が5vol%以下となるように作製されている。
銅(Cu)及びマグネシウム(Mg)は、アルミニウムマトリックス中に固溶すると、固溶強化によりアルミニウム合金の機械的強度を向上させる。また、アルミニウム合金中に銅及びマグネシウムが共存していると、巣の量が5vol%以下となるように鋳造品や鍛造品を作製することによって、S相(Cu2MgAl)が析出し、析出強化作用によりアルミニウム合金の機械的強度を向上させる。しかしながら、銅及びマグネシウムの含有量が少なすぎると、上述した効果が得られない。また、銅及びマグネシウムの含有量の上限値は、上述したアルミニウム合金中での固溶限である。
アルミニウム合金中に銅及びマグネシウムとともにシリコン(Si)を含有していると、巣の量が5vol%以下となるように鋳造品や鍛造品を作製することによって、S相(Cu2MgAl)とβ相(Mg2Si)とが析出し、この両者の析出強化作用により高温領域において求められる機械的強度を得ることができる。しかしながら、シリコン、銅及びマグネシウムの含有量が少なすぎると、上述した効果が得られない。
また、銅及びマグネシウムの含有量が上記下限値以上になると、鋳造性が著しく低下するが、シリコンの含有量が上記下限値以上であれば、この鋳造性の低下を抑制することができる。一方、シリコンの含有量が多すぎると、アルミニウムと銅を含む粗大な金属間化合物が生成し、かえって高温強度が低下する。
上記アルミニウム合金中には種々の不可避不純物が含まれるが、その中にニッケル(Ni)及び鉄(Fe)が含まれていると、巣の量が5vol%以下となるように鋳造品や鍛造品を作製することによって、アルミニウムとともに金属間化合物を形成し、高温強度を向上させる。しかしながら、ニッケル及び鉄の含有量が上記上限値以上になると、粗大な金属間化合物が形成され、高温強度が低下する。なお、ニッケル及び鉄の含有量は0質量%の場合がある。
また、巣の量を5vol%以下としたのは、巣の量が多すぎると高温強度に大きく影響を与えて当該高温強度を低下させるからである。
上記構成によれば、上記の成分割合を有するアルミニウム合金で作製されたケースのケース本体を採用することにより、ケースの温度が上昇してもケース本体の強度を確保することができる。このため、ケースの温度上昇に伴ってケース本体が膨らみにくくなり、ケースの内圧が低下しにくくなる。したがって、ケース本体の強度低下に起因する圧力作動部材の作動不良を抑制することができる。
圧力作動部材として、蓋体に設けられるとともに、ケースの内圧が所定の作動圧を越えた場合に開放する圧力開放弁を採用する場合には、圧力開放弁及び蓋体が、Si:4.5〜5.5質量%、Cu:2.5〜3.5質量%、Mg:1.2〜1.5質量%、Ni:0.3質量%未満(但し、0質量%を含む)、Fe:0.5質量%未満(但し、0質量%を含む)を含み、残部Al及び不可避不純物からなるとともに、Cu含有量に対するMg含有量の比率[Mg/Cu]が0.4〜0.6であるアルミニウム合金を用いて巣の量が5vol%以下となるように作製されていることが望ましい。
仮に、アルミニウム製の蓋体をケースに採用するとともに、同じくアルミニウム製の圧力開放弁を蓋体に設ける場合には、ケースの温度上昇によって蓋体及び圧力開放弁の強度が低下することにより、圧力開放弁の作動圧が変動するおそれがある。
上記構成によれば、上記の成分割合を有するアルミニウム合金で作製された蓋体及び圧力開放弁を採用することにより、ケースの温度が上昇しても蓋体及び圧力開放弁の強度を確保することができる。したがって、蓋体及び圧力開放弁の強度低下に起因する圧力開放弁の作動圧の変動を抑制することができる。
圧力作動部材としては、ケースの内圧が所定の作動圧を越えた場合に電流を遮断する電流遮断装置を採用することも可能である。
圧力作動部材として電流遮断装置(CID)を採用する場合にも、ケースの温度上昇に伴ってケース本体が膨らんでケースの内圧が低下すると、電流遮断装置の作動不良のおそれがある。
上記構成によれば、ケースの温度が上昇してもケース本体の強度を確保することができるため、ケース本体の強度低下に起因する電流遮断装置の作動不良を抑制することができる。
蓄電装置としては、例えば二次電池が挙げられる。
本発明によれば、ケースの温度変化に起因する圧力作動部材の作動不良を抑制することができる。
二次電池の外観を示す斜視図。 アルミニウム合金の組成を示す表。 実施例のアルミニウム合金と比較例のアルミニウム合金とについて、温度と引張強度との関係を示すグラフ。 実施例のアルミニウム合金と比較例のアルミニウム合金とについて、温度が230℃の状況下での引張強度を示す表。
以下、蓄電装置を具体化した一実施形態について図1〜図4を参照して説明する。
図1に示すように、蓄電装置としての二次電池10は、ケース11に電極組立体12が収容されている。また、ケース11には、電極組立体12とともに電解液も収容されている。ケース11は、有底筒状のケース本体13と、ケース本体13に電極組立体12を挿入する開口部13aを閉塞する平板状の蓋体14とからなる。ケース11においては、ケース本体13の開口部13aと蓋体14の外周部分とが例えばレーザー溶接によって接合されている。ケース本体13及び蓋体14は、何れもアルミニウム合金製である。なお、この実施形態の二次電池10は、ケース本体13が有底四角筒状であり、蓋体14が矩形平板状であることから、その外観が角型をなす角型電池である。また、この実施形態の二次電池10は、リチウムイオン電池である。
電極組立体12は、正極電極、負極電極、及び正極電極と負極電極とを絶縁するセパレータを有する。正極電極は、正極金属箔(アルミニウム箔)の両面に正極活物質を塗布して構成される。負極電極は、負極金属箔(銅箔)の両面に負極活物質を塗布して構成される。そして、電極組立体12は、複数の正極電極と複数の負極電極とを交互に積層するとともに、両電極の間にセパレータを介在した積層構造とされている。また、電極組立体12には、正極端子15及び負極端子16が電気的に接続されている。これらの正極端子15及び負極端子16の各一部分は、蓋体14からケース11外に露出している。また、正極端子15及び負極端子16には、ケース11から絶縁するためのリング状の絶縁リング17aがそれぞれ取り付けられている。
また、ケース11には、ケース11内の圧力が上昇し過ぎないように、ケース11内の圧力が所定の圧力である作動圧に達した場合に開裂し、ケース11内の圧力をケース11外に開放させる圧力作動部材としての圧力開放弁20が設けられている。この実施形態において、圧力開放弁20は蓋体14に位置している。また、圧力開放弁20の作動圧は、ケース11自体やケース本体13と蓋体14との接合部分に亀裂や破断などが生じ得る前に開裂し得る圧力に設定されている。
圧力開放弁20は、蓋体14の板厚よりも薄い薄板状の弁体21を有する。また、圧力開放弁20は、平行な2つの直線部を弧部で繋いだトラック形状の周縁を有する。なお、圧力開放弁20の弁体21は、圧力開放弁20の周縁に繋がっており、圧力開放弁20と同様にトラック形状である。また、弁体21は、蓋体14に凹設された凹部22の底に位置しており、蓋体14と一体的に成形されている。そして、弁体21は、例えばX字状に交差する2本の直線溝を含む開裂溝23を有する。
本実施形態において、ケース11のケース本体13は、例えば重力鋳造法等の鋳造によって、所定の組成のアルミニウム合金を用いて作製されたものである。ケース11のケース本体13は、巣の量が5vol%以下となるように作製されている。
次に、本実施形態のケース本体13に用いられている実施例としてのアルミニウム合金と、実施例のアルミニウム合金とは異なる組成を有する比較例としてのアルミニウム合金との比較結果について、図2〜図4を参照して説明する。
図2に組成の異なるアルミニウム合金A〜Fを示す。尚、アルミニウム合金Aは、本実施形態において、ケース11のケース本体13の材料として用いられる実施例としてのアルミニウム合金である。また、アルミニウム合金B〜Fは、比較例としてのアルミニウム合金である。
図2に示すように、実施例としてのアルミニウム合金Aは、シリコン(Si)を4.96質量%、銅(Cu)を3.02質量%、マグネシウム(Mg)を1.48質量%、ニッケル(Ni)を0.29質量%、鉄(Fe)を0.47質量%それぞれ含んでいる。そして、残部Alおよび不可避不純物からなるとともに、Cu含有量に対するMg含有量の比率[Mg/Cu]が0.49となっている。なお、不可避不純物には、例えばマンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、及びクロム(Cr)が含まれる。実施例としてのアルミニウム合金Aでは、不可避不純物として、マンガンを0.01質量%、亜鉛を0.01質量%、チタンを0.02質量%含んでいる。すなわち、実施例としてのアルミニウム合金Aは、Si:4.5〜5.5質量%、Cu:2.5〜3.5質量%、Mg:1.2〜1.5質量%、Ni:0.3質量%未満(但し、0質量%を含む)、Fe:0.5質量%未満(但し、0質量%を含む)を含むアルミニウム合金である。また、残部Al及び不可避不純物からなるとともに、Cu含有量に対するMg含有量の比率[Mg/Cu]が0.4〜0.6であるアルミニウム合金である。一方、比較例としてのアルミニウム合金B〜Fは、含有する成分のうち一部の成分の割合が上記範囲外となっている。
各アルミニウム合金A〜Fを用いて鋳造品を作製するとともに、作製した各鋳造品の中心部から引張試験片を切り出し、温度が25℃〜230℃の状況下で引張試験を行って引張強度を測定した。図3及び図4は、アルミニウム合金Aを用いて作製した鋳造品(以下、「実施例の鋳造品」と称する)の引張強度と、アルミニウム合金B〜Fを用いて作製した鋳造品(以下、「比較例の鋳造品」と称する)の引張強度とについて、本発明者が行った実験のデータを示す図である。なお、上記の各鋳造品は、530℃で10時間加熱する溶体化処理を施した後、沸騰している水で焼き入れし、さらに170℃で10時間加熱する時効処理を施している。また、図3には、比較例の鋳造品として、1つの傾向を示しているが、アルミニウム合金B〜Fは引張強度の数値は互いに異なるものの、この傾向と同様の傾向を示すものとする。
上述の通り、ケース11の高温時にケース本体13が膨らむと、ケース11の内圧が低下して圧力開放弁20の作動圧にまで達しないおそれがある。また、ケース11が200℃付近であるときには、二次電池10の性能が大きく低下するおそれがあるため、200℃付近にて圧力開放弁20を開放させることが望ましい。すなわち、アルミニウムの引張強度は、200℃を境に急激に低下する。これは、絶対温度でアルミニウムの融点(約660℃)の半分の温度が200℃(≒(660℃+273℃)/2−273℃)であり、この温度になるとアルミニウム合金層内の各含有成分の拡散が早くなり、合金金属組織の崩壊が始まるためである。こうしたケース11の高温時における圧力開放弁20の作動不良を抑制して二次電池10の性能低下を回避するためには、上記の200℃に30℃を加えた温度である230℃の状況下で170MPaの引張強度を確保できるアルミニウム合金をケース11のケース本体13の材料とすることが望ましいことが実験により明らかになった。
図3に示すように、実施例の鋳造品と比較例の鋳造品とは、いずれも温度上昇に伴って引張強度が低下する。
図4に示すように、温度が230℃の状況下での引張強度は、実施例としてのアルミニウム合金Aが175MPaであるのに対し、比較例としてのアルミニウム合金B〜Fが170MPa未満である。
図2〜図4をもとに、比較例としてのアルミニウム合金B〜Fの組成と引張強度との関係について以下に考察する。
アルミニウム合金Bは、銅を1.20質量%、マグネシウムを0.52質量%、それぞれ含んでいる。すなわち、アルミニウム合金Bにおいては、Cu:2.5〜3.5質量%といった範囲よりも銅の含有量が少なく、Mg:1.2〜1.5質量%といった範囲よりもマグネシウムの含有量が少なくなっている。
ここで、上述した通り、銅及びマグネシウムは、アルミニウムマトリックス中に固溶すると、固溶強化によりアルミニウム合金の機械的強度を向上させる。また、アルミニウム合金中に銅及びマグネシウムが共存していると、巣の量が5vol%以下となるように鋳造品や鍛造品を作製することによって、S相(Cu2MgAl)が析出し、析出強化作用によりアルミニウム合金の機械的強度を向上させる。しかしながら、銅及びマグネシウムの含有量が少なすぎると、上述した効果が得られない。また、銅及びマグネシウムの含有量の上限値は、上述したアルミニウム合金中での固溶限である。アルミニウム合金Bでは、銅及びマグネシウムの含有量が少なすぎるため、銅及びマグネシウムによる機械的強度の向上の効果が得られず、温度が230℃の状況下での引張強度が130MPaであったと推測される。
アルミニウム合金Cは、銅を1.80質量%、マグネシウムを0.51質量%、それぞれ含んでおり、上記アルミニウム合金Bと同様、銅及びマグネシウムの含有量が上記の範囲よりも少なくなっている。更に、アルミニウム合金Cは、シリコンを8.90質量%含んでいる。すなわち、アルミニウム合金Cにおいては、Si:4.5〜5.5質量%といった範囲よりもシリコンの含有量が多くなっている。
ここで、上述した通り、シリコンの含有量が多すぎると、アルミニウムと銅を含む粗大な金属間化合物が生成し、かえって高温強度が低下する。アルミニウム合金Cでは、銅及びマグネシウムの含有量が少なすぎるため、銅及びマグネシウムによる機械的強度の向上の効果が得られず、またシリコンの含有量が多すぎるため、高温強度が低下している。こうした原因により、アルミニウム合金Cでは、温度が230℃の状況下での引張強度が125MPaであったと推測される。
アルミニウム合金Dは、クロムを0.25質量%含んでいる。ここで、上述した通り、アルミニウム合金中に不可避不純物としてニッケル及び鉄が含まれていると、巣の量が5vol%以下となるように鋳造品や鍛造品を作製することによって、アルミニウムとともに金属間化合物を形成し、高温強度を向上させる。アルミニウム合金Dでは、ニッケルに代えて同じ遷移金属のクロムを含有しているため、ニッケルを含有することによる上述した効果が認められず、金属間化合物を晶出してしまう。こうした原因により、アルミニウム合金Dでは、温度が230℃の状況下での引張強度が100MPaであったと推測される。
アルミニウム合金Eは、銅を2.50質量%、マグネシウムを0.48質量%、それぞれ含んでいる。すなわち、アルミニウム合金Eでは、銅の含有量が上記アルミニウム合金B〜Dよりも多く、上記の範囲内となっている。一方、マグネシウムの含有量は、上記アルミニウム合金B〜Dと同様、上記の範囲よりも少なくなっている。アルミニウム合金Eでは、銅による機械的強度の向上の効果は得られるものの、マグネシウムの含有量が少なすぎるため、マグネシウムによる機械的強度の向上の効果が得られず、温度が230℃の状況下での引張強度が148MPaであったと推測される。
アルミニウム合金Fは、銅を3.02質量%、マグネシウムを1.22質量%、それぞれ含んでいる。すなわち、アルミニウム合金Fでは、銅及びマグネシウムの含有量が上記アルミニウム合金B〜Eよりも多く、上記の範囲内となっている。更に、アルミニウム合金Fは、シリコンを0.19質量%含んでいる。すなわち、アルミニウム合金Fでは、シリコンの含有量が上記の範囲よりも少なくなっている。
ここで、上述した通り、アルミニウム合金中に銅及びマグネシウムとともにシリコンを含有していると、巣の量が5vol%以下となるように鋳造品や鍛造品を作製することによって、S相(Cu2MgAl)とβ相(Mg2Si)とが析出し、この両者の析出強化作用により高温領域において求められる機械的強度を得ることができる。しかしながら、シリコン、銅及びマグネシウムの含有量が少なすぎると、上述した効果が得られない。
また、アルミニウム合金Fは、ニッケルを0.89質量%、鉄を1.80質量%、それぞれ含んでいる。すなわち、アルミニウム合金Fにおいては、Ni:0.3質量%未満(但し、0質量%を含む)といった範囲よりもニッケルの含有量が多く、Fe:0.5質量%未満(但し、0質量%を含む)といった範囲よりも鉄の含有量が多くなっている。
ここで、上述した通り、アルミニウム合金中に不可避不純物としてニッケル及び鉄が含まれていると、巣の量が5vol%以下となるように鋳造品や鍛造品を作製することによって、アルミニウムとともに金属間化合物を形成し、高温強度を向上させる。しかしながら、ニッケル及び鉄の含有量が上記上限値以上になると、粗大な金属間化合物が形成され、高温強度が低下する。
アルミニウム合金Fでは、シリコンの含有量が少なすぎるため、シリコン、銅及びマグネシウムによる機械的強度の向上の効果が得られず、またニッケル及び鉄の含有量が多すぎるため、高温強度が低下している。こうした原因により、アルミニウム合金Fでは、温度が230℃の状況下での引張強度が150MPaであったと推測される。
次に、この実施形態の作用について説明する。
上記のアルミニウム合金Aで作製されたケース11のケース本体13を採用することにより、ケース11の温度が上昇してもケース本体13の強度を確保することができる。このため、ケース11の温度上昇に伴ってケース本体13が膨らみにくくなり、ケース11の内圧が低下しにくくなる。すなわち、ケース11の高温時に、ケース11の内圧が予め設定された圧力開放弁20の作動圧に到達するようになるため、圧力開放弁20を作動させることができる。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)上記の成分割合を有するアルミニウム合金で作製されたケース11のケース本体13を採用することにより、ケース11の温度が上昇してもケース本体13の強度を確保することができる。したがって、ケース本体13の強度低下に起因する圧力開放弁20の作動不良を抑制することができる。
(2)仮にケース本体13の材料として展伸材を採用する場合には、溶湯の流動性が低く、ケース本体13の作製方法に鋳造を採用できない。このため、ケース本体13が複雑な形状である場合、ケース本体13を作製しづらくなる。本実施形態によれば、ケース本体13の材料としてシリコンを含有したアルミニウム合金を採用するため、溶湯の流動性を確保することができ、ケース本体13の作製方法に鋳造を採用できる。このため、ケース本体13が複雑な形状である場合であっても、ケース本体13を容易に作製することができる。
尚、上述の実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
○ ケース11のケース本体13に用いられるアルミニウム合金は、上述したアルミニウム合金Aの組成を有するものに限らない。すなわち、Si:4.5〜5.5質量%、Cu:2.5〜3.5質量%、Mg:1.2〜1.5質量%、Ni:0.3質量%未満(但し、0質量%を含む)、Fe:0.5質量%未満(但し、0質量%を含む)を含むアルミニウム合金であればよい。また、残部Al及び不可避不純物からなるとともに、Cu含有量に対するMg含有量の比率[Mg/Cu]が0.4〜0.6であるアルミニウム合金であればよい。各含有成分がこうした範囲内であれば、ケース本体13に用いられるアルミニウム合金の組成は限定しない。
○ ケース11の蓋体14及び圧力開放弁20も、上記範囲内の組成を有するアルミニウム合金製として、巣の量が5vol%以下となるように作製してもよい。こうした形態によれば、上記実施形態で得ることのできる効果に加えて以下の効果を得ることができる。
仮にアルミニウム製の蓋体14をケース11に採用するとともに、同じくアルミニウム製の圧力開放弁20を蓋体14に設ける場合には、ケース11の温度上昇によって蓋体14及び圧力開放弁20の強度が低下することにより、圧力開放弁20の作動圧が変動するおそれがある。この変形例によれば、上記の成分割合を有するアルミニウム合金で作製された蓋体14及び圧力開放弁20を採用することにより、ケース11の温度が上昇しても蓋体14及び圧力開放弁20の強度を確保することができる。したがって、蓋体14及び圧力開放弁20の強度低下に起因する圧力開放弁20の作動圧の変動を抑制することができる。
○ 圧力開放弁20の形状は円形状等、トラック形状以外の形状であってもよい。
○ 圧力開放弁20の開裂溝23の形状を変更してもよい。
○ 圧力開放弁20の弁体21における開裂溝23の形成を省略してもよい。
○ 蓋体14と圧力開放弁20とを別体部品とし、圧力開放弁20をケース11の蓋体14に接合してもよい。接合は、例えばレーザー溶接等で行う。この場合、圧力開放弁20の作製に用いる金属は、蓋体14と同じ組成のアルミニウム合金であってもよいし、異なる組成のアルミニウム合金であってもよい。
○ 圧力開放弁20はアルミニウム合金以外の金属製であってもよい。また、圧力開放弁20はアルミニウム合金以外の金属製とするとともに、その表面に金属層を設けてケース11の温度変化に伴う圧力開放弁20の強度の変動を抑制するようにしてもよい。
○ 蓋体14はアルミニウム合金以外の金属製であってもよい。また、蓋体14はアルミニウム合金以外の金属製とするとともに、その表面に金属層を設けてケース11の温度変化に伴う蓋体14の強度の変動を抑制するようにしてもよい。
○ 圧力開放弁20は、ケース11のケース本体13に設けてもよい。この場合、圧力開放弁20は、ケース本体13と同じ組成のアルミニウム合金であってもよいし、異なる組成のアルミニウム合金であってもよい。また、アルミニウム合金以外の金属製であってもよい。
○ 二次電池10は、圧力開放弁20に代えて、ケース11内の圧力が所定の作動圧を越えた場合に電流を遮断する電流遮断装置(CID)を備えるようにしてもよい。また、圧力開放弁20と電流遮断装置との両方を備えるようにしてもよい。こうした形態によれば、上記実施形態や上記変形例で得ることのできる効果に加えて以下の効果を得ることができる。
圧力作動部材として電流遮断装置(CID)を採用する場合にも、ケース11の温度上昇に伴ってケース本体13が膨らんでケース11の内圧が低下すると、電流遮断装置の作動不良のおそれがある。本形態によれば、ケース11の温度が上昇してもケース本体13の強度を確保することができるため、ケース本体13の強度低下に起因する電流遮断装置の作動不良を抑制することができる。
○ ケース本体13を鍛造によって作製してもよい。
○ ケース11の形状を変更してもよい。例えば、ケース11は円筒型でもよい。
○ 電極組立体12は、積層型に限らず、帯状の正極電極と帯状の負極電極とを捲回して層状に積層した捲回型でもよい。
○ 二次電池10は、リチウムイオン二次電池であったが、これに限らず、他の二次電池であってもよい。要は、正極活物質層と負極活物質層との間をイオンが移動するとともに電荷の授受を行うものであればよい。また、蓄電装置としてキャパシタでもよい。
○ 二次電池10は、車両電源装置として自動車に搭載しても良いし、産業用車両に搭載してもよい。また、定置用の蓄電装置に適用してもよい。
10…二次電池、11…ケース、12…電極組立体、13…ケース本体、13a…開口部、14…蓋体、20…圧力開放弁、23…開裂溝。

Claims (4)

  1. 有底筒状のケース本体と、前記ケース本体の開口部を閉塞する蓋体とで構成されるとともに、電極組立体と電解液とが収容されるケースと、
    前記ケースの内圧によって作動する圧力作動部材とを備える蓄電装置であって、
    前記ケース本体は、Si:4.5〜5.5質量%、Cu:2.5〜3.5質量%、Mg:1.2〜1.5質量%、Ni:0.3質量%未満(但し、0質量%を含む)、Fe:0.5質量%未満(但し、0質量%を含む)を含み、残部Al及び不可避不純物からなるとともに、Cu含有量に対するMg含有量の比率[Mg/Cu]が0.4〜0.6であるアルミニウム合金を用いて巣の量が5vol%以下となるように作製されている蓄電装置。
  2. 前記圧力作動部材は、前記ケースの内圧が所定の作動圧を越えた場合に開放する圧力開放弁を含み、
    前記圧力開放弁は、前記蓋体に設けられ、
    前記圧力開放弁及び前記蓋体は、Si:4.5〜5.5質量%、Cu:2.5〜3.5質量%、Mg:1.2〜1.5質量%、Ni:0.3質量%未満(但し、0質量%を含む)、Fe:0.5質量%未満(但し、0質量%を含む)を含み、残部Al及び不可避不純物からなるとともに、Cu含有量に対するMg含有量の比率[Mg/Cu]が0.4〜0.6であるアルミニウム合金を用いて巣の量が5vol%以下となるように作製されている請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 前記圧力作動部材は、前記ケースの内圧が所定の作動圧を越えた場合に電流を遮断する電流遮断装置を含む請求項1又は請求項2に記載の蓄電装置。
  4. 前記蓄電装置は、二次電池である請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の蓄電装置。
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