JP6119687B2 - 金属部材の溶接良否判定方法及び装置 - Google Patents

金属部材の溶接良否判定方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6119687B2
JP6119687B2 JP2014138979A JP2014138979A JP6119687B2 JP 6119687 B2 JP6119687 B2 JP 6119687B2 JP 2014138979 A JP2014138979 A JP 2014138979A JP 2014138979 A JP2014138979 A JP 2014138979A JP 6119687 B2 JP6119687 B2 JP 6119687B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal member
central axis
cylindrical portion
metal
clamp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014138979A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016016412A (ja
Inventor
大輔 藤井
大輔 藤井
晃 橋本
晃 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2014138979A priority Critical patent/JP6119687B2/ja
Publication of JP2016016412A publication Critical patent/JP2016016412A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6119687B2 publication Critical patent/JP6119687B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Retarders (AREA)
  • Gears, Cams (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)

Description

本発明は、円筒状部と該円筒状部の中心軸方向の一側に円筒状部の外周面から径方向外側に全周に亘って突出したフランジ部とを有する第1金属部材における該円筒状部の外周面に、リング状の第2金属部材を嵌合した状態で、該第2金属部材と上記フランジ部との上記中心軸方向の間を全周に亘ってレーザ溶接して、該溶接の良否を判定する、金属部材の溶接良否判定方法及び装置に関する技術分野に属する。
従来より、円筒状部と該円筒状部の中心軸方向の一側に円筒状部の外周面から径方向外側に全周に亘って突出したフランジ部とを有する第1金属部材における該円筒状部の外周面に、リング状の第2金属部材を嵌合し、その嵌合状態で該第2金属部材と上記フランジ部との上記中心軸方向の間を全周に亘ってレーザ溶接することが行われている。その際、第1及び第2金属部材を上記円筒状部の中心軸回りに回転させながら、第2金属部材と上記フランジ部との上記中心軸方向の間にレーザを照射して、その間を全周に亘ってレーザ溶接する。
このような方法でレーザ溶接する場合、溶接中の入熱及び溶接後の冷却によって、上記第2金属部材が特に上記中心軸方向に変形(膨張、収縮)し、溶接後において上記中心軸方向に残留歪みが生じる場合がある。この場合、第2金属部材が上記中心軸方向に変形していることになる。また、上記残留歪みが周方向の位置によってばらつく場合があり、この場合には、第2金属部材が上記中心軸に対して傾斜した状態で固定されたことになる。
例えば特許文献1では、被加工物の外周上及び内周上の位置とそれぞれ対向する位置に一対の非接触変位計測装置であるギャップセンサを、溶接前に、被加工物からの距離が等しくなるようにセットし、溶接後の両ギャップセンサの測定値から、溶接作業によって被加工物に生じた歪み量が許容値内におさまっているかどうかを判定するようにしている。
特開平7−136787号公報
ところが、上記特許文献1で使用している非接触変位計測装置は高価であるため、例えば歪みゲージのような歪み測定手段を第2金属部材に直接取り付けて該第2金属部材の歪み量を検出するようにすれば、コスト的に有利になる。
しかしながら、歪み測定手段を第2金属部材に直接取り付けるようにする場合、それの取付け及び取外しの作業が必要になり、工数が増大するとともに、その取付け及び取外しの繰り返しにより歪み測定手段に不具合が生じて、測定に悪影響を及ぼす可能性がある。また、第2金属部材の形状によっては、歪み測定手段を第2金属部材に直接取り付けることができない場合もある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡便な方法で、第1及び第2金属部材の溶接良否を判定できるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、円筒状部と該円筒状部の中心軸方向の一側に円筒状部の外周面から径方向外側に全周に亘って突出したフランジ部とを有する第1金属部材における該円筒状部の外周面に、リング状の第2金属部材を嵌合した状態で、該第2金属部材と上記フランジ部との上記中心軸方向の間を全周に亘ってレーザ溶接して、該溶接の良否を判定する、金属部材の溶接良否判定方法を対象として、上記第1金属部材の上記円筒状部の外周面に上記第2金属部材を嵌合する嵌合ステップと、上記嵌合した第2金属部材が上記第1金属部材の上記フランジ部における円筒状部側の側面に当接するように、2つのクランプ部材により、第1及び第2金属部材を上記中心軸方向に挟んでクランプするクランプステップと、上記クランプした第1及び第2金属部材を上記円筒状部の中心軸回りに回転させながら、該両金属部材の当接部間を全周に亘ってレーザ溶接するレーザ溶接ステップと、上記レーザ溶接ステップの後、上記第1及び第2金属部材をクランプした状態にある上記2つのクランプ部材のうち上記第2金属部材を上記フランジ部側へ押圧するクランプ部材のクランプ面近傍における外周面に周方向に間隔をあけて配設されかつ該クランプ部材の上記中心軸方向の歪み量を測定する複数の歪み測定手段よりそれぞれ得られる上記中心軸方向の残留歪み量に基づいて、上記第2金属部材の上記中心軸方向への変形量及び上記中心軸に対する傾斜度合いの少なくとも一方が正常であるか否かを判定する正常/異常判定ステップと、を備えるようにした。
上記の構成により、第2金属部材をフランジ部側へ押圧するクランプ部材の歪み測定手段が配設された部分に生じる、円筒状部の中心軸方向の歪み量は、第2金属部材における該歪み測定手段配設部分に対応する周方向部分に生じる上記中心軸方向の歪み量と対応しており、このことから、第2金属部材に歪み測定手段を取り付けなくても、クランプ部材のクランプ面近傍における外周面に複数の歪み測定手段を周方向に間隔をあけて配設することで、レーザ溶接後にこれら歪み測定手段により測定される上記中心軸方向の残留歪み量に基づいて、第2金属部材の上記中心軸方向への変形量及び上記中心軸に対する傾斜度合いが分かることになる。したがって、簡便な方法で、第1及び第2金属部材の溶接良否を判定することができる。また、2つのクランプ部材により、第2金属部材がフランジ部に押し当てられて第1金属部材に対して上記中心軸方向に位置決めされるので、レーザ光を両金属部材の当接部間に確実に照射することができるとともに、第2金属部材の上記中心軸方向への変形量自体を小さくすることができる。よって、上記変形量及び/又は上記傾斜度合いの正常/異常判定と相俟って、溶接完了後の、両金属部材からなる溶接品の品質を向上させることができる。
上記金属部材の溶接良否判定方法の一実施形態では、上記正常/異常判定ステップは、上記複数の歪み測定手段よりそれぞれ得られる上記残留歪み量のうちの最大値が第1所定値以下であるときには、上記変形量が正常であると判定する一方、上記最大値が上記第1所定値よりも大きいときには、上記変形量が異常であると判定するステップであるとする。
このことにより、第2金属部材の上記中心軸方向への変形量が正常であるか否かを容易に判定することができる。
上記金属部材の溶接良否判定方法の別の実施形態では、上記正常/異常判定ステップは、上記複数の歪み測定手段よりそれぞれ得られる上記残留歪み量のうちの最大値と最小値との差が第2所定値以下であるときには、上記傾斜度合いが正常であると判定する一方、上記差が上記第2所定値よりも大きいときには、上記傾斜度合いが異常であると判定するステップであるとする。
このことで、第2金属部材の上記中心軸に対する傾斜度合いが正常であるか否かを容易に判定することができる。
上記金属部材の溶接良否判定方法の更に別の実施形態では、上記第1金属部材は、車両用デファレンシャル装置のデフケースであり、上記第2金属部材は、上記デフケースに固定されるリングギヤであるとする。
このことにより、リングギヤをデフケースに対して正確な位置及び姿勢でもって固定することができるので、車両用デファレンシャル装置が車両に搭載された状態で、ギヤノイズや振動が生じるのを防止することができる。
本発明の別の態様は、円筒状部と該円筒状部の中心軸方向の一側に円筒状部の外周面から径方向外側に全周に亘って突出したフランジ部とを有する第1金属部材における該円筒状部の外周面に、リング状の第2金属部材を嵌合した状態で、該第2金属部材と上記フランジ部との上記中心軸方向の間を全周に亘ってレーザ溶接して、該溶接の良否を判定する、金属部材の溶接良否判定装置の発明であり、この発明では、上記第1金属部材の上記円筒状部の外周面に上記第2金属部材を嵌合した状態で、該第2金属部材が該第1金属部材の上記フランジ部における円筒状部側の側面に当接するように、第1及び第2金属部材を上記中心軸方向に挟んでクランプする2つのクランプ部材と、上記クランプした第1及び第2金属部材を上記円筒状部の中心軸回りに回転させるための駆動装置と、上記駆動装置により、上記クランプした第1及び第2金属部材を上記円筒状部の中心軸回りに回転させながら、該両金属部材の当接部間を全周に亘ってレーザ溶接するレーザ溶接装置と、上記2つのクランプ部材のうち上記第2金属部材を上記フランジ部側へ押圧するクランプ部材のクランプ面近傍における外周面に周方向に間隔をあけて配設され、該クランプ部材の上記中心軸方向の歪み量を測定する複数の歪み測定手段と、上記レーザ溶接装置による上記レーザ溶接の後、上記2つのクランプ部材により上記第1及び第2金属部材をクランプした状態にあるときに上記複数の歪み測定手段よりそれぞれ得られる上記中心軸方向の残留歪み量に基づいて、上記第2金属部材の上記中心軸方向への変形量及び上記中心軸に対する傾斜度合いの少なくとも一方が正常であるか否かを判定する正常/異常判定装置と、を備えているものとする。
この発明により、上記金属部材の溶接良否判定方法と同様に、簡便な方法で、第1及び第2金属部材の溶接良否を判定することができるとともに、溶接完了後の、両金属部材からなる溶接品の品質を向上させることができる。
以上説明したように、本発明によると、第1及び第2金属部材の当接部間のレーザ溶接の後、該第1及び第2金属部材をクランプした状態にある2つのクランプ部材のうち第2金属部材を第1金属部材のフランジ部側へ押圧するクランプ部材のクランプ面近傍における外周面に周方向に間隔をあけて配設された複数の歪み測定手段よりそれぞれ得られる円筒状部中心軸方向の残留歪み量に基づいて、上記第2金属部材の円筒状部中心軸方向への変形量及び円筒状部中心軸に対する傾斜度合いの少なくとも一方が正常であるか否かを判定するようにしたことにより、簡便な方法で、第1及び第2金属部材の溶接良否を判定することができるとともに、溶接完了後の、両金属部材からなる溶接品の品質を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る金属部材の溶接良否判定装置を示す概略断面図である。 図1のI−I線に沿って切断した第1クランプ部材の断面図である。 第1〜第4歪みゲージによる出力の時間による変化を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る金属部材の溶接良否判定装置1を示す。この溶接良否判定装置1は、円筒状部2aと該円筒状部2aの中心軸C方向の一側(図1の右側)に円筒状部2aの外周面から径方向外側に全周に亘って突出したリング状のフランジ部2bとを有する第1金属部材2における該円筒状部2aの外周面に、リング状の第2金属部材3を嵌合した状態で、該第2金属部材3とフランジ部2bとの中心軸C方向の間を全周に亘ってレーザ溶接して、該溶接の良否を判定するものである。
本実施形態では、第1金属部材2は、車両用デファレンシャル装置のデフケースであって、鋳鉄からなる。上記第2金属部材3は、そのデフケースに固定されるリングギヤ(ハイポイドギヤ)であって、クロム鋼からなる。円筒状部2aの中心軸C(第2金属部材3の中心軸と略一致する)は、上記デフケース全体の中心軸であって、車両の左右の車輪にそれぞれ連結された左右のドライブシャフトの中心軸でもある。車両に搭載された上記車両用デファレンシャル装置において、上記デフケース及び上記リングギヤは、円筒状部2aの中心軸Cの回りに回転(自転)可能に支持され、この回転(自転)が、上記左右のドライブシャフトに同じ回転数又は異なる回転数でもって伝達されるように構成される。
溶接良否判定装置1は、第1金属部材2の円筒状部2aの外周面に第2金属部材3を嵌合した状態で、該第2金属部材3(詳細には、第2金属部材3におけるフランジ部2b側の側面(図1で右側の側面))が該第1金属部材2のフランジ部2bにおける円筒状部2a側の側面(図1で左側の側面)に当接するように、第1及び第2金属部材2,3を中心軸C方向に挟んでクランプする略円筒状の2つのクランプ部材(以下、第1クランプ部材7及び第2クランプ部材8という)を備えている。
第1クランプ部材7は、第1金属部材2と略同軸に配置されていて、そのクランプ面7aが第2金属部材3におけるフランジ部2bとは反対側の側面に当接した状態で、第2金属部材3をフランジ部2b側(図1の右側)へ押圧する。第2クランプ部材8は、第1金属部材2と略同軸に配置されていて、そのクランプ面8aがフランジ部2bにおける円筒状部2aとは反対側の側面に当接した状態で、フランジ部2bを第2金属部材3側(図1で左側)へ押圧する。これら押圧により、第1金属部材2のフランジ部2bにおける円筒状部2a側の側面(第1金属部材2の当接部)と第2金属部材3におけるフランジ部2b側の側面(第2金属部材の当接部)とが、所定のクランプ力(例えば数10kN)でもって当接することになる。これにより、第2金属部材3は、第1金属部材2のフランジ部2bに押し当てられて第1金属部材2に対して中心軸C方向に位置決めされることになる。
第1クランプ部材7のクランプ面7a側の内周部には、第1金属部材2において円筒状部2aに対してフランジ部2bとは反対側に設けられた円筒状部2c(円筒状部2aよりも僅かに径が小さい)に嵌合する嵌合部7bが形成されている。第1クランプ部材7のクランプ面7a側の端部及びその近傍部は、第2金属部材3における上記リングギヤの歯部の径方向内側に入り込んで、クランプ面7aが第2金属部材3におけるフランジ部2bとは反対側の側面に当接している。
第2クランプ部材8の内周部には、第1金属部材2の中心軸C方向の上記一側(第1クランプ部材7とは反対側)の端部に嵌合する嵌合部8bが形成されている。第2クランプ部材8は、電動モータ等を含む駆動装置11に連結されており、この駆動装置11は、第2クランプ部材8を介して、上記クランプした第1及び第2金属部材2,3を中心軸C回りに回転させる。尚、駆動装置11を第2金属部材3と連結して、上記クランプした第1及び第2金属部材2,3を中心軸C回りに回転させるようにしてもよい。
溶接良否判定装置1は、駆動装置11により、上記クランプした第1及び第2金属部材2,3を中心軸C回りに回転させながら、該両金属部材2,3の当接部間(第1金属部材2のフランジ部2bにおける円筒状部2a側の側面と第2金属部材3におけるフランジ部2b側の側面との間)を全周に亘ってレーザ溶接するレーザ溶接装置15を更に備えている。このレーザ溶接装置15は、不図示の支持部材に支持固定されている。本実施形態では、両金属部材2,3の当接部間に、径方向外側に開口する開先部を設けておき、この開先部にフィラー材を供給しつつレーザ溶接する。すなわち、レーザ溶接装置15は、両金属部材2,3の当接部間(開先部)に、ワイヤー状のフィラー材を供給するフィラー材供給装置(図示せず)を有しており、レーザ溶接の際、該フィラー材供給装置により供給されたフィラー材を、上記開先部に向けて照射されたレーザ光により溶融して、両金属部材2,3の当接部間(開先部)に充填する。上記フィラー材は、Niを主成分とし(70質量%以上含有)かつその他にCr等を含有する材料からなる。
図1及び図2に示すように、第1及び第2クランプ部材7,8のうち第2金属部材3をフランジ部2b側へ押圧する第1クランプ部材7のクランプ面7a近傍における外周面(凹部7cが形成された部分)には、該第1クランプ部材7の中心軸C方向の歪み量を測定する歪み測定手段としての複数(本実施形態では、4つ)の歪みゲージ21が周方向に略等間隔をあけて配設されている。これら4つの歪みゲージ21を区別しない場合には、単に歪みゲージ21といい、区別する場合には、第1歪みゲージ21a、第2歪みゲージ21b、第3歪みゲージ21c及び第4歪みゲージ21dという。尚、図2の矢印は、上記駆動装置11による第1及び第2金属部材2,3の中心軸C回りの回転の向きを示す。
上記歪みゲージ21の出力は、アンプ23を介して正常/異常判定装置24に入力される。この正常/異常判定装置24は、第1及び第2クランプ部材7,8による第1及び第2金属部材2,3のクランプ時に、各歪みゲージによる出力(歪み量)を0に初期化しておき、レーザ溶接の後、各歪みゲージ21により得られる中心軸C方向の残留歪み量(本実施形態では、クランプ時の歪み量に対する残留歪み量)に基づいて、第2金属部材3の中心軸C方向への変形量及び中心軸Cに対する傾斜度合いの少なくとも一方が正常であるか否かを判定する(本実施形態では、両方が正常であるか否かを判定する)。
第1〜第4歪みゲージ21a〜21dによる出力は、例えば図3に示すように変化する。すなわち、最初にレーザ光が照射される部分に対応した周方向の位置に位置する第1歪みゲージ21aが、圧縮を示す出力値(ここでは、負の出力値)を出力する。これは、第2金属部材3における、上記レーザ照射部分に対応する周方向部分、及び、第1クランプ部材7における第1歪みゲージ21aが配設された部分が中心軸C方向へ膨張しようとするが、第1及び第2クランプ部材7,8によるクランプにより膨張できずに圧縮力を受けるからである。その後、第1及び第2金属部材2,3の中心軸C回りの回転により、上記レーザ照射部分がレーザ光の照射を受けなくなると、第2金属部材3及び第1クランプ部材7の上記圧縮力を受けていた部分が、今度は冷却により収縮しようとするために、第1歪みゲージ21aの出力値は、元の出力値(本実施形態では、0)に戻ろうとする。また、上記回転により、今度は、第1歪みゲージ21aに隣接する第2歪みゲージ21bが、第1歪みゲージ21aと同様に、圧縮を示す出力値を出力し、その後、元の出力値(0)に戻ろうとする。第2歪みゲージ21bの出力は、第1歪みゲージ21aの出力に対して、第1及び第2金属部材2,3が1/4回転する時間分だけ遅れて出力することになる。次いで、同様に、次の第3歪みゲージ21cが、第1及び第2歪みゲージ21a,21bと同様の出力値を、第2歪みゲージ21bに対して遅れて出力し、最後に、第4歪みゲージ21dが、第1〜第3歪みゲージ21a〜21cと同様の出力値を、第3歪みゲージ21cに対して遅れて出力する。
レーザ溶接の終了後、各歪みゲージ21の出力値は、通常、0にはならず、正又は負の出力値(正の値となることが多い)を出力するようになる。この出力値が中心軸C方向の残留歪み量を表すことになる(出力値が正の値である場合には、引張の残留歪み量(ここでは、正の値で表す)であり、出力値が負の値である場合には、圧縮の残留歪み量(ここでは、負の値で表す)である)。上記出力値は、時間の経過に伴って安定するようになるので、例えば、レーザ溶接の開始から所定時間(全ての上記出力値が安定するような時間)経過後の出力値を、上記残留歪み量とすればよい。或いは、単位時間に対する出力値の変化率が、予め設定された設定値以下になったときの出力値を、上記残留歪み量としてもよい。
このように、第1クランプ部材7の歪みゲージ21が配設された部分の中心軸C方向の歪み量は、第2金属部材3における該歪みゲージ21配設部分に対応する周方向部分に生じる中心軸C方向の歪み量と対応しており、このことから、各歪みゲージ21により得られる上記残留歪み量は、第2金属部材3に生じる中心軸C方向の残留歪み量と対応していることになる。これにより、レーザ溶接後に歪みゲージ21により測定される中心軸C方向の残留歪み量に基づいて、第2金属部材3の中心軸C方向への変形量及び中心軸Cに対する傾斜度合いが分かることになる。
4つの歪みゲージ21よりそれぞれ得られる上記残留歪み量が同じであれば、第2金属部材3は、中心軸C方向に変形しているだけで、中心軸Cに対して傾斜していないことになるが、少なくとも1つの歪みゲージ21より得られる上記残留歪み量が、他の歪みゲージ21より得られる上記残留歪み量と異なる場合には、第2金属部材3は、中心軸Cに対して傾斜していることになる。
上記正常/異常判定装置24は、4つの歪みゲージ21よりそれぞれ得られる上記残留歪み量(ここでは、その絶対値とする)のうちの最大値が第1所定値以下であるときには、第2金属部材3の中心軸C方向への変形量が正常であると判定する一方、上記最大値が上記第1所定値よりも大きいときには、上記変形量が異常であると判定する。
また、正常/異常判定装置24は、4つの歪みゲージ21よりそれぞれ得られる上記残留歪み量(正の値及び負の値を含む)のうちの最大値と最小値との差が第2所定値以下であるときには、第2金属部材3の中心軸Cに対する傾斜度合いが正常であると判定する一方、上記差が上記第2所定値よりも大きいときには、上記傾斜度合いが異常であると判定する。
さらに、正常/異常判定装置24は、上記変形量及び上記傾斜度合いの正常/異常の判定結果を、該正常/異常判定装置24に設けたの表示部24aに表示する。
溶接良否判定装置1により第1金属部材2と第2金属部材3とをレーザ溶接して、該溶接の良否を判定するには、先ず、作業者が、第1金属部材2の円筒状部2aの外周面に第2金属部材3を嵌合する。
続いて、作業者が、上記嵌合した第2金属部材3が第1金属部材2のフランジ部2bにおける円筒状部2a側の側面に当接するように、第1及び第2クランプ部材7,8により、第1及び第2金属部材2,3を中心軸C方向に挟んでクランプする。
次いで、駆動装置11により、上記クランプした第1及び第2金属部材2,3を中心軸C回りに回転させながら、レーザ溶接装置15により該両金属部材2,3の当接部間を全周に亘ってレーザ溶接する。
上記レーザ溶接の後、正常/異常判定装置24が、第1及び第2クランプ部材7,8により第1及び第2金属部材2,3をクランプした状態にあるときに上記4つの歪みゲージ21よりそれぞれ得られる上記残留歪み量に基づいて、第2金属部材3の中心軸C方向への変形量及び中心軸Cに対する傾斜度合いが正常であるか否かを判定して、その判定結果を表示部24aに表示する。作業者は、この表示部24aの表示を見て、正常である溶接品のみを、次の組立て工程に供給するようにする。
したがって、本実施形態では、第1及び第2金属部材2,3の当接部間のレーザ溶接の後、該第1及び第2金属部材2,3をクランプした状態にある第1及び第2クランプ部材7,8のうち第2金属部材3を第1金属部材2のフランジ部2b側へ押圧する第1クランプ部材7のクランプ面7a近傍における外周面に周方向に間隔をあけて配設された4つの歪みゲージ21よりそれぞれ得られる中心軸C方向の残留歪み量に基づいて、第2金属部材3の中心軸C方向への変形量及び中心軸Cに対する傾斜度合いが正常であるか否かを判定するようにしたことにより、簡便な方法で、第1及び第2金属部材2,3の溶接良否を判定することができる。また、第1及び第2クランプ部材7,8により、第2金属部材3がフランジ部2bに押し当てられて第1金属部材2に対して中心軸C方向に位置決めされるので、レーザ光を両金属部材2,3の当接部間に確実に照射することができるとともに、第2金属部材3の中心軸C方向への変形量自体を小さくすることができる。よって、上記変形量及び/又は上記傾斜度合いの正常/異常判定と相俟って、溶接完了後の、両金属部材2,3からなる溶接品の品質を向上させることができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、円筒状部と該円筒状部の中心軸方向の一側に円筒状部の外周面から径方向外側に全周に亘って突出したフランジ部とを有する第1金属部材における該円筒状部の外周面に、リング状の第2金属部材を嵌合した状態で、該第2金属部材と上記フランジ部との上記中心軸方向の間を全周に亘ってレーザ溶接して、該溶接の良否を判定する、金属部材の溶接良否判定方法及び装置に有用である。
1 金属部材の溶接良否判定装置
2 第1金属部材(デフケース)
2a 円筒状部
2b フランジ部
3 第2金属部材(リングギヤ)
7 第1クランプ部材
7a 第1クランプ部材のクランプ面
8 第2クランプ部材
8a 第2クランプ部材のクランプ面
11 駆動装置
15 レーザ溶接装置
21 歪みゲージ
24 正常/異常判定装置
C 円筒状部の中心軸

Claims (5)

  1. 円筒状部と該円筒状部の中心軸方向の一側に円筒状部の外周面から径方向外側に全周に亘って突出したフランジ部とを有する第1金属部材における該円筒状部の外周面に、リング状の第2金属部材を嵌合した状態で、該第2金属部材と上記フランジ部との上記中心軸方向の間を全周に亘ってレーザ溶接して、該溶接の良否を判定する、金属部材の溶接良否判定方法であって、
    上記第1金属部材の上記円筒状部の外周面に上記第2金属部材を嵌合する嵌合ステップと、
    上記嵌合した第2金属部材が上記第1金属部材の上記フランジ部における円筒状部側の側面に当接するように、2つのクランプ部材により、第1及び第2金属部材を上記中心軸方向に挟んでクランプするクランプステップと、
    上記クランプした第1及び第2金属部材を上記円筒状部の中心軸回りに回転させながら、該両金属部材の当接部間を全周に亘ってレーザ溶接するレーザ溶接ステップと、
    上記レーザ溶接ステップの後、上記第1及び第2金属部材をクランプした状態にある上記2つのクランプ部材のうち上記第2金属部材を上記フランジ部側へ押圧するクランプ部材のクランプ面近傍における外周面に周方向に間隔をあけて配設されかつ該クランプ部材の上記中心軸方向の歪み量を測定する複数の歪み測定手段よりそれぞれ得られる上記中心軸方向の残留歪み量に基づいて、上記第2金属部材の上記中心軸方向への変形量及び上記中心軸に対する傾斜度合いの少なくとも一方が正常であるか否かを判定する正常/異常判定ステップと、を備えることを特徴とする金属部材の溶接良否判定方法。
  2. 請求項1記載の金属部材の溶接良否判定方法において、
    上記正常/異常判定ステップは、上記複数の歪み測定手段よりそれぞれ得られる上記残留歪み量のうちの最大値が第1所定値以下であるときには、上記変形量が正常であると判定する一方、上記最大値が上記第1所定値よりも大きいときには、上記変形量が異常であると判定するステップであることを特徴とする金属部材の溶接良否判定方法。
  3. 請求項1又は2記載の金属部材の溶接良否判定方法において、
    上記正常/異常判定ステップは、上記複数の歪み測定手段よりそれぞれ得られる上記残留歪み量のうちの最大値と最小値との差が第2所定値以下であるときには、上記傾斜度合いが正常であると判定する一方、上記差が上記第2所定値よりも大きいときには、上記傾斜度合いが異常であると判定するステップであることを特徴とする金属部材の溶接良否判定方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の金属部材の溶接良否判定方法において、
    上記第1金属部材は、車両用デファレンシャル装置のデフケースであり、
    上記第2金属部材は、上記デフケースに固定されるリングギヤであることを特徴とする金属部材の溶接良否判定方法。
  5. 円筒状部と該円筒状部の中心軸方向の一側に円筒状部の外周面から径方向外側に全周に亘って突出したフランジ部とを有する第1金属部材における該円筒状部の外周面に、リング状の第2金属部材を嵌合した状態で、該第2金属部材と上記フランジ部との上記中心軸方向の間を全周に亘ってレーザ溶接して、該溶接の良否を判定する、金属部材の溶接良否判定装置であって、
    上記第1金属部材の上記円筒状部の外周面に上記第2金属部材を嵌合した状態で、該第2金属部材が該第1金属部材の上記フランジ部における円筒状部側の側面に当接するように、第1及び第2金属部材を上記中心軸方向に挟んでクランプする2つのクランプ部材と、
    上記クランプした第1及び第2金属部材を上記円筒状部の中心軸回りに回転させるための駆動装置と、
    上記駆動装置により、上記クランプした第1及び第2金属部材を上記円筒状部の中心軸回りに回転させながら、該両金属部材の当接部間を全周に亘ってレーザ溶接するレーザ溶接装置と、
    上記2つのクランプ部材のうち上記第2金属部材を上記フランジ部側へ押圧するクランプ部材のクランプ面近傍における外周面に周方向に間隔をあけて配設され、該クランプ部材の上記中心軸方向の歪み量を測定する複数の歪み測定手段と、
    上記レーザ溶接装置による上記レーザ溶接の後、上記2つのクランプ部材により上記第1及び第2金属部材をクランプした状態にあるときに上記複数の歪み測定手段よりそれぞれ得られる上記中心軸方向の残留歪み量に基づいて、上記第2金属部材の上記中心軸方向への変形量及び上記中心軸に対する傾斜度合いの少なくとも一方が正常であるか否かを判定する正常/異常判定装置と、を備えていることを特徴とする金属部材の溶接良否判定装置。
JP2014138979A 2014-07-04 2014-07-04 金属部材の溶接良否判定方法及び装置 Expired - Fee Related JP6119687B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014138979A JP6119687B2 (ja) 2014-07-04 2014-07-04 金属部材の溶接良否判定方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014138979A JP6119687B2 (ja) 2014-07-04 2014-07-04 金属部材の溶接良否判定方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016016412A JP2016016412A (ja) 2016-02-01
JP6119687B2 true JP6119687B2 (ja) 2017-04-26

Family

ID=55232074

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014138979A Expired - Fee Related JP6119687B2 (ja) 2014-07-04 2014-07-04 金属部材の溶接良否判定方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6119687B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7226058B2 (ja) * 2019-04-18 2023-02-21 マツダ株式会社 レーザ溶接方法及びレーザ溶接装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07136787A (ja) * 1993-11-18 1995-05-30 Toshiba Corp レーザー溶接装置
JP3892747B2 (ja) * 2002-03-14 2007-03-14 富士通株式会社 レーザ溶接装置及び部品溶接方法
EP2700847B1 (en) * 2011-04-18 2017-10-11 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method and apparatus for manufacturing vehicle power transmission device

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016016412A (ja) 2016-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2536578B1 (en) Tire changer and method of measuring force variations acting between a roller and a tread surface of a tyre/wheel assembly
JP5252126B2 (ja) 車両用駆動力伝達装置の製造方法及び製造装置
JP6466223B2 (ja) ホイールナット緩み検出装置およびその緩み検出用のセンサユニット
EP2543980B1 (en) Wheel balancer with means for determining tyre uniformity
JP5633062B2 (ja) タイヤ試験機用の一対のリム
US11077485B2 (en) Rotary forge device testing device, testing tool, testing method, bearing unit manufacturing device, bearing unit manufacturing method, and vehicle manufacturing method
EP3006153B1 (en) System and method of making a welded assembly
JP6119687B2 (ja) 金属部材の溶接良否判定方法及び装置
JP5678680B2 (ja) ハブユニットの探傷検査装置
JP2009511325A (ja) 軸受装置特に自動車用車輪軸受装置及び軸受装置の製造方法
JP2019149874A (ja) 駆動モータ及び完成品の検査方法
JP7226058B2 (ja) レーザ溶接方法及びレーザ溶接装置
JP4703269B2 (ja) 車両検査装置の試験ローラ
JP2021194965A (ja) 車両用ホイール、および、車両用ホイールの製造方法
JP6178700B2 (ja) トレッドリングの剛性測定装置及びトレッドリングの均一性測定方法
JP2008531369A (ja) 車軸回転部分及び対応する装置の作製方法
JP6509348B2 (ja) 筒状部材の加工方法および加工装置
EP4283273A1 (en) High speed vibration optimization of a tyre wheel assembly
JP6187280B2 (ja) 差動歯車装置及びその製造方法
JP6874802B2 (ja) プレス加工方法及び機械装置の製造方法
JP5929507B2 (ja) 動力伝達チェーンの検査方法および検査装置
JP2017024599A (ja) 歯車減速装置のなじみ加工装置、並びに該なじみ加工装置による製造方法およびなじみ加工装置により作製された歯車減速装置
JP2013122265A (ja) 車両用ドライブプレートの溶接方法および溶接装置
RU127667U1 (ru) Линия ремонта литых колесных дисков "рлд"
JP2018154269A (ja) クロスメンバの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160323

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170228

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170313

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6119687

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees