(ナビシステムの構成)
本発明のナビクライアント、ナビサーバおよびナビシステムの実施形態について図面を用いて説明する。まず、本発明のナビシステムの構成について図1を用いて説明する。図1に示されているナビシステムはナビサーバ100と、ユーザ車両(四輪自動車)2に搭載されているナビクライアント200と通信端末300とにより構成されている。
(ナビサーバの構成)
ナビサーバ100は一または複数のサーバコンピュータ(CPU,ROM,RAM,I/O回路、A/D回路等により構成されている。)により構成されている。ナビサーバ100は、支援データベース102と、サーバ演算処理要素(サーバ認証演算処理要素を兼ねる)110と、サーバ通信装置130を備えている。
支援データベース(サーバ記憶要素)102には、個々のユーザの固有の情報である「ユーザ情報」、「第1情報」、道路またはこれを構成するリンクおよびメッシュの配置、リンクコスト等を表わす「サーバマップ情報」、並びに「要注意個所閾値」が保存または格納されている。
「ユーザ情報」は、各ナビクライアント200のユーザ固有の情報であり、より具体的には、ナビクライアント200のユーザを特定するためのユーザ識別子(ユーザID等)UID、ナビクライアント200のユーザを認証するためのユーザ認証子(パスワード、公開鍵、セッションキー等)Ukey、ユーザ車両2を特定するための車両識別子(車両ID等)CID、ナビクライアント200のユーザの運転形態の評価値の累計値(評価累計値)TPがそれぞれ関連付けられて保存されている。当該評価累計値TPは、ユーザの運転形態の評価値に限られず、ナビクライアント200の利用によって蓄積される評価値であってもよい。
「第1情報」は、サーバ認証演算処理要素がサーバ通信装置を介してナビクライアントから受信する当該ナビクライアントのユーザに固有の情報であり、例えば、初期状態でナビクライアントに設定されている情報(ナビクライアントを識別する識別子等)、メンテナンス時に作業者等によって更新される情報及び第2情報を含む。
「第2情報」は、ナビクライアント又はユーザ車両によって当該ユーザ車両の移動中又は停止中に収集される情報であり、例えば、「運転履歴」を含む情報である。
「運転履歴」は、後述するナビゲーション機能の際にナビクライアント200に備えられたセンサからの信号又はナビクライアント200と車両との通信により取得される車両の運転形態を示す各種の情報であり、具体的には車両識別子CIDと、車両の運転形態を表す運転データ(位置情報、走行経路情報、燃費・電費情報、時間情報、車速情報(車速、加速度、減速度、停止時間等)等)FCDとが対応付けられた情報である。
「道路またはこれを構成するリンク(交差点や右折点、左折点等の道路における任意の2つの点を結ぶ道路要素を意味する。)」は、(緯度、経度)または(緯度、経度、高度)により位置が定められている点群により配置態様が表わされている。メッシュは緯度および経度により配置が定められている線分により画定されている。リンクコストは、リンクに対応する道路区間の距離または道路区間の移動に要する時間を示す情報である。支援データベース102に保存されているサーバマップ情報は適宜更新されうる。なお、支援データベース102は、ナビサーバ100とは別個のデータベースサーバにより構成されていてもよい。
「要注意個所閾値」は、ユーザに対して要注意個所として報知するときに報知する要注意個所の抽出精度に関する閾値である。
サーバ演算処理要素110は、ユーザ車両2のユーザの運転を支援する運転支援処理(図8参照)、複数の車両の走行履歴に基づいてユーザ車両2が通過する際に注意喚起が必要な要注意個所(例えば、急ブレーキが多発する交差点等)を含む注意喚起情報を作成する要注意個所抽出処理(図4参照)、ユーザの運転形態の評価累計値に応じてユーザが使用できるサービスを選択するサービス選択処理(図14参照)を実行するように構成されている。
例えば、サーバ演算処理要素110はナビクライアント200との通信によりユーザ車両2の現在位置(または出発位置)P1および目的位置P2を認識する。サーバ演算処理要素110は支援データベース102に格納されているサーバマップ情報に基づき、現在位置P1および目的位置P2を結ぶユーザ車両2のサーバルートRを探索する。そして、サーバ演算処理要素110はナビクライアント200との通信によりこのナビクライアント200にサーバルートRを表示させる。
また、サーバ演算処理要素110は、サーバ通信装置130を介して受信した車両識別子CIDと運転データFCDとに基づいてナビクライアント200に送信するナビゲーション情報NIを作成する。そして、サーバ演算処理要素110は、車両の運転形態の指標値と運転データFCDとを比較することにより運転形態のサーバ評価値SPを決定する。サーバ演算処理要素110は、車両識別子CIDに対応するユーザ識別子UIDを支援データベース102から認識する。そしてサーバ演算処理要素110は、ユーザ識別子UIDに関連付けられた評価累計値TPにサーバ評価値SPを加算する。サーバ演算処理要素110は、評価累計値TPに応じて前記ユーザ識別子UIDに対応するユーザが利用できるサービスを決定するように構成されている。
また、サーバ演算処理要素110は、サーバ通信装置130を介して受信したクライアント評価値CP(後述)を車両識別子CIDに対応する評価累計値TPに加算して支援データベース102に記憶させるように構成されている。サーバ演算処理要素110は、サーバ通信装置130により認識された認証子が支援データベース102に記憶されているという第1条件をナビクライアント200が充足する場合にナビクライアント200のナビサーバ100に対するアクセスを許可するように構成されている。また、サーバ演算処理要素110は、当該アクセスの許可後に所定期間を経過したという第2条件を前記ナビクライアントが充足する場合に当該ナビクライアントの前記ナビサーバに対するアクセスを禁止するように構成されている。
サーバ通信装置130は、公衆通信網(例えばインターネット)に接続され、ナビクライアント200又は通信端末300と通信を行うように構成されている。サーバ通信装置130は、ナビクライアント200から、車両識別子CID、運転データFCD、及び後述するクライアント評価値CP等を受信し、適切なナビクライアント200にナビゲーション情報NI、注意喚起情報等を送信するように構成されている。また、サーバ通信装置130は、ナビクライアント200又は通信端末300に、そのユーザの運転データFCDを閲覧可能な運転履歴確認ページを送信するように構成されている。
また、サーバ通信装置130は、ナビクライアント200との通信に基づき、ナビクライアント200に最後に入力された認証子を認識するように構成されている。
また、サーバ通信装置130は、サーバ演算処理要素110によりナビサーバ100に対するアクセスが許可されたナビクライアント200との通信に基づき、ユーザ情報に関連付けられてサーバ記憶要素に記憶されている第1情報(運転データFCDを含む)を前記ナビクライアントに認識させるように構成されている。サーバ通信装置130はサーバ演算処理要素110によりナビサーバ100に対するアクセスが禁止されたナビクライアント200との通信に基づき、新たに認証子の入力を促すメッセージをナビクライアント200に出力させるように構成されている。
(ナビクライアントの構成)
ナビクライアント200はユーザ車両2に搭載されたハードウェアとしてのECU(電子制御ユニット(CPU,ROM,RAM,I/O等により構成されている。))により構成されている。ナビクライアント200はクライアント入力装置201と、クライアント出力装置202と、クライアント記憶要素(記憶装置)204と、クライアント演算処理要素210と、クライアント通信装置230と、を備えている。
クライアント入力装置201は、ユーザ車両2のセンターコンソール等に配置された入力スイッチまたはマイクロホン等により構成され、ユーザによる入力スイッチの操作態様またはマイクロホンに検知される発話に応じて目的位置P2等の入力を可能としている。
クライアント入力装置(クライアント入力要素)201は、ナビクライアント200における第1情報の収集時間を入力させるように構成されている。
クライアント出力装置(クライアント出力要素)202は、ユーザ車両2のセンターコンソール等に配置された画像表示装置またはスピーカ等により構成され、視覚または聴覚を通じて認識可能な形態で情報を出力する。
クライアント記憶要素204には、クライアントマップ情報等が格納されている。クライアントマップ情報により道路またはリンクの配置態様等が示され、このクライアントマップ情報は画像表示装置に表示される。サーバマップ情報におけるリンクと、クライアントマップ情報におけるリンクとには共通のリンク識別情報が付されている。
クライアント演算処理要素210は、ユーザ車両2の現在位置P1および目的位置P2を認識した上でナビサーバ100との通信によりサーバ演算処理要素110に認識させる。クライアント演算処理要素210はサーバ演算処理要素110により探索されたサーバルートRを認識かつクライアント出力装置202に出力させる。
また、クライアント演算処理要素210は、ユーザ車両2との通信を介して、ナビクライアント200に備えられたGPS受信機(不図示)、ユーザ車両2に備えられたジャイロセンサ(不図示)等から、ユーザ車両2の位置、車速、加速度、減速度等を取得し、クライアント通信装置230を介してナビサーバ100へ送信する。
クライアント演算処理要素210は、また、有線通信機能、Bluetooth(登録商標)通信機能、無線パケット通信機能等の機能を実行するために必要な演算処理を行うように構成されている。
クライアント演算処理要素210は、クライアント通信装置230を介して受信した注意喚起情報に基づき、ユーザ車両2が要注意個所を通行する際に警告をクライアント出力装置202に出力するように構成されている。
クライアント演算処理要素210は、ユーザ車両2が要注意個所を通行した後に、要注意個所における車両の運転形態の指標値と、要注意個所におけるユーザ車両2の運転形態を示す運転データFCDとを比較してクライアント評価値CPを決定する。クライアント演算処理要素210は、当該クライアント評価値CPに応じた評価情報(例えば、「安全運転ありがとうございます」等)をクライアント出力装置202に出力する。
また、クライアント演算処理要素210は、クライアント入力装置201へのユーザによって指定された収集時間に限ってナビクライアント200を搭載したユーザ車両2の運転形態を示す運転データFCDを、通信を介してナビサーバ100に記録させるように構成されている。
クライアント演算処理要素210は、収集時間において第1情報を前記クライアント出力装置202に出力可能な形態で支援データベース102に記憶させると共に、収集時間以外に第1情報を収集せず、又は収集時間以外に収集される第1情報をクライアント出力装置202に出力不能な形態で支援データベース102に記録させるように構成されている。
クライアント出力装置202で出力可能な形態で支援データベース102に記憶する方法としては、ナビクライアント200の要求によりデータが提供されるデータベース(クライアントアクセス可能データベース)に情報が記憶されてもよく、またはフラグ等により当該データが出力可能であることが記憶されてもよい。
クライアント出力装置202で出力不能な形態で支援データベース102に記憶する方法としては、ナビクライアント200の要求によってはデータが提供されないデータベース(クライアントアクセス不能データベース)に情報が記憶されてもよく、またはフラグ等により当該データが出力不能であることが記憶されてもよい。
クライアント通信装置230は、無線パケット通信機能、又はBluetooth通信機能を介して、携帯通信網、又は公衆通信網等を介してサーバ通信装置130と通信可能に構成されている。また、クライアント通信装置230は、有線通信機能、又はBluetooth通信機能により、車内通信網等を介して、車内に持ち込まれた又は車両の付近に存在する通信端末通信装置330と通信可能に構成されている。
クライアント通信装置230は、ナビサーバ100からナビクライアント200にナビゲーション情報、及び注意喚起情報等を受信し、ナビサーバ100へ車両識別子CID、運転データFCD、及び後述するクライアント評価値CP等を送信するように構成されている。
(通信端末の構成)
通信端末300は公衆通信網、又は携帯通信網等に接続された、パーソナルコンピュータ又はスマートフォン等の携帯電話等により構成されている。通信端末300は通信端末入力装置301と、通信端末出力装置302と、通信端末記憶要素304と、通信端末演算処理要素310と、通信端末通信装置330と、を備えている。
通信端末入力装置301は、例えばキーボード、マウス、タブレット、マイクロホン等により構成され、ユーザによるキーボードの入力態様、マウス、タブレットの操作態様、マイクロホンに検知される発語に応じてWEB閲覧、メール送受信等が可能に構成されている。
通信端末出力装置302は、例えば、通信端末300と一部を構成する画像表示装置、スピーカー等により構成され、視覚または聴覚を通じて認識可能な形態で情報を出力する。
通信端末記憶要素304は、RAM,ROM、I/O等で構成され、例えば、ユーザ識別子UIDなど、ナビサーバ100にアクセスするために必要な情報を記憶する。
通信端末演算処理要素310は、WEB閲覧、メール送受信、有線通信機能、Bluetooth通信機能、及び無線パケット通信機能等の機能を実行するために必要な演算処理を行うように構成されている。
通信端末通信装置330は、無線パケット通信機能、Bluetooth通信機能により、携帯通信網、又は公衆通信網等を介してサーバ通信装置130と通信可能に構成されている。また、通信端末通信装置330は、有線通信機能、Bluetooth通信機能により、車内通信網等を介して、クライアント通信装置230と通信可能に構成されている。
(全体的機能)
図2を参照して、本実施形態のナビシステムについて、その全体的機能を概略的に説明する。
ナビサーバ100は、定期的に、後述するコーチング機能及び運転形態評価機能の準備処理として、コーチング機能及び運転形態評価機能において使用する要注意箇所を抽出する要注意箇所抽出処理を実行する。詳細は後述する(図2/STEP100)。
ユーザは、運転開始前の任意のタイミングで、通信端末300を使用して、ナビサーバ100にアクセスし、ユーザ識別子UIDと車両識別子CIDとを登録する(図2/STEP200)。ナビサーバ100は、ユーザ識別子UIDと車両識別子CIDとを対応させて支援データベース102に記憶する。
ユーザがユーザ車両2の運転をしている間、ナビサーバ100とナビクライアント200との相互通信により、後述するナビゲーション機能、コーチング機能及び運転形態評価機能等の運転支援処理が実行される(図2/STEP300)。
ユーザは、ユーザ車両2の運転終了後、通信端末300を介してナビサーバ100にアクセスすることによって、図3(a)に示されるような運転履歴確認ページを閲覧することが出来る(図2/STEP400)。運転履歴確認ページには、、ユーザ名、ユーザ識別子、車両識別子、車両メーカー、車種、ナンバー等のユーザ情報の表示欄SC1、運転形態の評価及びアドバイスの表示欄SC2、自身の運転形態の評価に応じた第1評価マーク(例えば顔マーク)の表示欄SC3、運転形態の評価累計値の表示欄SC4、前回運転時の運転形態の評価値の表示欄SC5、利用できるサービスの表示欄SC6等が含まれる。また、運転履歴確認ページには、図3(b)のように、過去の運転履歴pr0が地図上に反映された過去の運転履歴確認ページが含まれる。この過去の運転履歴確認には、各地点における運転形態の評価に応じた第2評価マーク(例えば顔マーク)pr1〜pr4で反映されてもよい。第1評価マークSC3と第2評価マークpr1〜pr4とは、指標値よりよい場合にこにこマークであり、指標値より悪い場合泣き顔であるなど、同一又は対応する基準により定められ、かつ、同一のマークが使用されることが好ましい。
(要注意箇所抽出処理)
図4〜図7を参照して、図2/STEP100に記載された要注意個所抽出処理について説明する。ここでは、要注意点箇所抽出の一態様として、急ブレーキが多発する交差点の抽出処理について説明する。
まず、サーバ演算処理要素110は、支援データベース102から全てのユーザの運転データを読み出し、当該運転データから所定条件(例えば車速情報に含まれる減速度が第1閾値以上の減速度)に該当する急減速事象が生じた位置と、当該急減速事象が生じた際の車両の進行方向とを含む、急減速情報を抽出する(図4/STEP110)。当該第1閾値は、支援データベース102に「要注意個所閾値」として保存されている。
サーバ演算処理要素110は、図5に示されるように、サーバマップ情報に含まれるメッシュごとに、通行台数と急減速件数とから急減速確率を算出し、当該急減速確率が第2閾値(例えば50%)以上であるメッシュA1,A2、A3,A4を急減速多発メッシュとして推定する(図4/STEP120)。当該第2閾値は、支援データベース102に「要注意個所閾値」として保存されている。
サーバ演算処理要素110は、図6(a)〜(h)に示されるように、推定した急減速多発メッシュにおいて、例えば北、北東、東、南東、南、南西、西、北西の8方位のうち急減速事象の最も多い方位を急減速方位として推定する(図4/STEP130)。なお、図6の説明図G1における方位(北a、北東b、東c、南東d、南e、南西f、西g、北西h)と図6(a)〜(h)における各前方の複数メッシュM1〜M8における急減速方位H1〜H8とはそれぞれ対応している。
サーバ演算処理要素110は、急減速多発メッシュの急減速方位に基づいて、除外事由(例えば、信号機のある交差点であるとの事由)があるか否かを判定する(図4/STEP140)。信号機のある交差点は、サーバマップ情報に格納される信号機情報を参照することで得られる。サーバ演算処理要素110は、除外事由のあると判定された急減速多発メッシュを、以下の処理の対象から除外する(図4/STEP150)。
サーバ演算処理要素110は、処理対象(除外理由のない)の急減速多発メッシュTMに対し、図7に示されるように、急減速方位の方向の前方の複数メッシュ(例えば9個のメッシュ)FMのうち、当該急減速多発メッシュが存在する前方の複数メッシュの中央地点から最も距離の短い交差点を急ブレーキ多発交差点として推定し、当該急ブレーキ多発交差点の位置座標を抽出する(図4/STEP160)。
サーバ演算処理要素110は、支援データベース102から全てのユーザの運転データを参照し、当該急ブレーキ多発交差点における平均車速を算出し、当該平均車速に基づいて当該急ブレーキ多発交差点を走行する場合の目標車速を当該急ブレーキ多発交差点に付与する(図4/STEP170)。
(運転支援処理)
図8を参照して、図2/STEP300の運転支援処理の詳細を説明する。この処理は、ユーザがユーザ車両2を運転する際に、ユーザ車両2のイグニッションスイッチのONに伴って起動されたナビクライアント200と、ナビサーバ100との相互通信により、ユーザの運転を支援する処理であり、ナビゲーション処理、コーチング処理及び運転形態評価処理等を含む。
まず、本処理の概略を説明する。ナビクライアント200の電源ONがされると(図8/STEP310)、ナビクライアント200とナビサーバ100との相互通信により、利用要求、利用受付等の開始処理が行われる(図8/STEP320)。その後、ナビクライアント200が、ナビサーバ100から受信した情報に基づき、ナビゲーション、コーチング及び運転形態評価等のユーザの運転を支援する運転中処理を行う(図8/STEP340)。そして、運転終了後には、ナビサーバ100が、ナビクライアント200から受信した情報に基づき、ユーザの運転を評価等する終了処理を行う(図8/STEP360)。
以下、運転支援処理をより具体的に説明する。
ナビクライアント200の電源がONにされると(図8/STEP310)、クライアント演算処理要素210は、クライアント記憶要素204に記憶された前回の運転履歴を参照することにより、1日のうち初回の運転かどうかを判定する(図8/STEP321)。当該判定結果が肯定的である場合(図8/STEP321‥YES)、クライアント演算処理要素210は、前回の運転形態の評価、及びウェルカムメッセージ(「今日も安全運転を心掛けてください。」等)等をクライアント出力装置202に出力する(図8/STEP322)。
当該判定結果が否定的である場合(図8/STEP321‥NO)、又はSTEP322の処理の後、クライアント演算処理要素210は、クライアント記憶要素204に記憶された設定を参照し、ナビゲーション機能、コーチング機能、及び運転形態評価機能の自動開始設定がONかどうかを判定する(図8/STEP323)。
当該判定結果が否定的である場合(図8/STEP323‥NO)、クライアント演算処理要素210は、ユーザにナビゲーション機能、コーチング機能、及び運転形態評価機能を使用するか否かを選択させるための選択画面をクライアント出力装置202に出力する(不図示)。ユーザがナビゲーション機能等を使用しないことを選択した場合、クライアント演算処理要素210は、ナビゲーション機能等を実行せずに終了する(不図示)。
ユーザがナビゲーション機能等を使用することを選択した場合、クライアント演算処理要素210は、図3(c)に示されるように、ユーザにユーザ識別子UID、ユーザ認証子Ukey等を含むユーザ情報の入力ボックス(SC7,8)と、運転履歴等の第2情報の収集時間の入力ボックス(SC9)をクライアント出力装置202に出力する(図8/STEP324)。クライアント演算処理要素210は、図3(d)に示されるように、ユーザ名の入力ボックスSC10、ユーザ識別子の入力ボックスSC11、ユーザ車両2の情報SC12、ユーザ認証子の入力ボックスSC13などを含むユーザの情報を登録するための登録情報入力画面を表示させるようにしてもよい。この場合、クライアント演算処理要素210は、ユーザ車両2の情報について、ユーザ車両2との通信により車両識別子CIDを取得し、ナビサーバ100との通信により車両識別子CIDからメーカ、車種、ナンバー等のユーザ車両2の情報を取得して、クライアント出力装置202に出力してもよい。
図8/STEP324の後、クライアント演算処理要素210は、入力されたユーザ情報及び収集時間をナビサーバ100へクライアント通信装置230を介して送信する(図8/STEP325)。
サーバ演算処理要素110は、サーバ通信装置130を介して受信したユーザ認証情報に含まれるユーザ認証子Ukeyが支援データベース102に保存されているという第1条件をナビクライアント200が充足するか否かを判定する(図8/STEP326)。
当該判定結果が肯定的である場合(図8/STEP326‥YES)、サーバ演算処理要素110は、ユーザ識別子UIDの認証日時を記録すると共に、サーバ通信装置130を介して、ナビゲーション機能、コーチング機能、及び運転形態評価機能の利用を受け付けたことをナビクライアント200に通知する(図8/STEP327)。この通知を受けたクライアント演算処理要素210は、次回以降の利用の際に認証を省略するため、ナビゲーション機能、コーチング機能及び運転形態評価機能の自動開始設定をONにする。
当該判定結果が否定的である場合(図8/STEP326‥NO)、サーバ演算処理要素110は、サーバ通信装置130を介してナビクライアント200にナビサーバ100に対するアクセスを禁止する旨を通知する。当該通知を受けたクライアント演算処理要素210は、ナビサーバ100に対するアクセスが拒否された旨をクライアント出力装置202に出力し、開始処理を終了する(図8/STEP328)。クライアント演算処理要素210は、開始処理を終了せず、再度ユーザにユーザ情報入力画面(図3(c)参照)をクライアント出力装置202に出力してもよい。
ナビゲーション機能、コーチング機能及び運転形態評価機能の自動開始設定がONである場合(図8/STEP323‥YES)、クライアント演算処理要素210は、ユーザ情報入力画面を出力することなく、クライアント通信装置230を介してナビサーバ100にナビゲーション機能、コーチング機能及び運転形態評価機能のユーザ識別子UIDを含む利用要求を送信する。サーバ通信装置130を介して当該利用要求を受信したサーバ演算処理要素110は、ナビクライアント200との過去の通信内容から定まる第2条件をナビクライアント200が充足しているか否かを判定する(図8/STEP329)。
第2条件として、所定の第1期間にわたってナビクライアント200から受信した運転データに示されるユーザ車両2の最も駐車頻度が高い又は駐車時間が長い駐車位置と、第1期間と異なる所定の第2期間にわたってナビクライアント200から受信した運転データに示されるユーザ車両2の最も駐車頻度が高い又は駐車時間が長い駐車位置とが異なるという条件が採用され得る。例えば、過去7日間のナビクライアント200から受信したユーザ車両2の駐車頻度が最も高い位置(例えば、ナビクライアント200の電源が頻繁にON/OFFされる位置)が、8〜28日前のナビクライアント200から受信したユーザ車両2の駐車頻度が最も高い位置と異なる場合、ユーザ車両2(ナビクライアント200)のオーナーが変更された可能性がある。
また、第2条件として、所定の第3期間にわたってナビクライアント200から受信した運転データに示されるユーザ車両2の駐車位置のうち、頻度が高い又は駐車時間が長い複数の駐車位置に、所定の第4期間にわたってナビクライアント200から受信したユーザ車両2が駐車されなかったことという条件が採用され得る。例えば、過去1年間のナビクライアント200から受信したユーザ車両2の駐車位置のうち頻度が高い駐車位置が、位置L1(自宅)、L2(職場)、L3(レジャーランド)であった場合、過去1カ月のナビクライアント200から受信したユーザ車両2が位置L1〜L3のいずれにも駐車されない場合、ユーザ車両2(又はナビクライアント200)のオーナーが変更された可能性がある。
ここで、例えば、ナビクライアント200の電源がONにされた場所がユーザ車両2の駐車位置として計測され、前回電源がOFFにされてからONにされるまでの時間が、ユーザ車両2の駐車時間として計測され得る。また、ナビクライアント200が車両2から切り離して持ち出されうる場合、ナビクライアント200と車両2との物理的又は電気的な接続が解除された場所(又は接続された場所)がユーザ車両2の駐車位置として計測され、再び接続されるまでの時間がユーザ車両2の駐車時間として計測され得る。また、ユーザの操作によって、特定の場所がユーザ車両2の駐車位置として記憶され、当該駐車位置から移動しなかった時間がユーザ車両2の駐車時間として計測されてもよい。
第2条件としては、ナビクライアント200の通信に基づく当該ユーザ識別子UIDの前回の認証日時(前回の図8/STEP326でYESになった日時)から所定の第5期間(例えば1カ月)が経過していること、及び前回のナビクライアント200のナビサーバ100に対するアクセス日時(前回の図8/STEP327が実行された日時)から所定の第6期間(例えば1週間)が経過していることのうち少なくとも1つからなる条件が採用され得る。第1〜第6期間としては、試験、又は各車両などから収集されたデータから特定されたナビクライアント200のオーナーが変更されている蓋然性の高い期間(例えば、各車両から収集されたデータから、1%以上の可能性でナビクライアントが変更されている可能性があるような期間等)が採用され得る。
当該判定結果が否定的である場合(図8/STEP329‥NO)、サーバ演算処理要素110は、ユーザ情報の入力を求めることなく、STEP330〜STEP332の処理の後、アクセス日時をサーバ記憶要素102に記憶した上で、ナビゲーション機能、コーチング機能及び運転形態評価機能の利用を受け付けたことをナビクライアント200に通知する(図8/STEP327)。この場合、第2条件が充足しない間であっても、サーバ演算処理要素110は、サーバ通信装置130を介してユーザ認証子Ukeyの入力を促すメッセージをナビクライアント200へ送信し(図8/STEP330)、かつ、ナビクライアント200からユーザ認証子Ukeyを受信した場合(図8/STEP331‥YES)、特別評価値EPを評価累計値TPに加算して支援データベース102に記憶させる(図8/STEP332)。
STEP329の判定結果が肯定的である場合(図8/STEP329‥YES)、サーバ演算処理要素110は、サーバ通信装置130を介してユーザ情報の入力を求めるメッセージをナビクライアント200に送信する。クライアント通信装置230を介して当該メッセージを受信したクライアント演算処理要素210は、ナビゲーション機能、コーチング機能及び運転形態評価機能の自動開始設定をOFFにして、図8/STEP324以下の処理を行う。
利用受付通知処理(図8/STEP327)の後、ナビクライアント200とナビサーバ100とは、相互通信により、ナビゲーション処理(図8/STEP341)及びコーチング・運転評価処理(図8/STEP342)を実行する。
目的地に到着するなどしてナビゲーション処理が終了すると、クライアント演算処理要素210は、車両識別子CID及び運転データFCDとともに、コーチング・運転評価処理で決定したクライアント評価値CPをクライアント通信装置230を介してナビサーバ100に送信する(図8/STEP361)。
サーバ演算処理要素110は、車両の運転形態の指標値と、受信した運転データFCDとを比較することにより、ユーザ車両2の運転形態の評価値であるサーバ評価値SPを決定する。また、当該サーバ評価値SPと受信したクライアント評価値CPとを、車両識別子CIDに対応する評価累計値TPに加算して支援データベース102に記憶する(図8/STEP362)。
サーバ演算処理要素110は、当該評価累計値TPに応じて、ユーザが利用できるサービスを選択し、サーバ通信装置130を介してナビクライアント200にサービス情報を通知する(図8/STEP363)。
クライアント演算処理要素210は、通知されたサービス情報に基づき、図3(e)に示されるような評価値、及び利用可能サービスを確認するために必要なナビサーバ100へアクセスすることを案内するメッセージ、若しくは画像または音声等のアクセス情報の表示欄SC14を出力する(図8/STEP364)。当該アクセス情報は、例えば、HTTPアドレスのような評価累計値TPの所在に関する情報、Mailアドレスのような評価累計値TPの取得要求を送信するための情報及びアプリケーション等を使用した評価累計値TPの取得方法に関する情報等、当該アクセス情報を出力したナビクライアント200以外の端末(例えば通信端末300)でも使用できる情報である。
以上の一連の処理の終了により、運転支援処理が終了する。
(ナビゲーション機能)
図9及び図10を参照して、図8/STEP341のナビゲーション機能について説明する。本機能は、ナビサーバ100とナビクライアント200との相互通信により、主に運転中に実行される機能である。なお、ナビサーバ100およびナビクライアント200の通信に際して、ナビクライアント200またはユーザ車両2を識別するための車両識別子CIDが付加的に送受信されることにより送信元または送信先であるナビクライアント200が識別される。
まず、ナビクライアント200において、クライアント演算処理要素210によりユーザ車両2の現在位置P1および目的位置P2が認識される(図9/STEP3411、STEP3412)。ユーザ車両2の現在位置P1はナビクライアント200のGPS受信機により受信されたGPS信号、または、ユーザ車両2の方位または進行方向に応じたジャイロセンサの出力信号等に基づいて測定される。ユーザ車両2の目的位置P2はクライアント入力装置201を構成するボタンのユーザによる操作態様、または、マイクロホンにより検知されたユーザの音声または発話内容に基づいて認識される。さらに、クライアント演算処理要素210により、ユーザ車両2の(目的位置P2の入力時点における)現在位置P1および目的位置P2を表わすデータがナビクライアント200からナビサーバ100に送信される。
ナビサーバ100において、サーバ演算処理要素110によりユーザ車両2の現在位置P1および目的位置P2が認識され(図9/STEP3413)、かつ、支援データベース102からサーバマップ情報が読み出された上で、現在位置P1および目的位置P2を結ぶ一または複数のサーバルートRが探索される(図9/STEP3414)。これにより、たとえば図10(a)に示されているようにユーザ車両2の現在位置P1および目的位置P2を結ぶサーバルートRが探索される。ユーザ車両2の予測走行時間もしくは走行距離が短い一もしくは複数のルート、または、ユーザ車両2の予測燃費がよい一もしくは複数のルートがサーバルートRとして優先的に探索されうる。また、サーバ演算処理要素110によりVICS(登録商標)センター等の交通情報センターからナビサーバ100に配信された交通情報、および、フローティングカーから収集されたFCD(フローティングカーデータ。フローティングカーの位置の時間変化態様、または、これに加えてフローティングカーの燃費を表わす。)がサーバ演算処理要素110により支援データベース102から読み出された上で、サーバルートRの探索基礎とされうる。当該サーバルートRを受信したナビクライアント200において、クライアント演算処理要素210により図10(b)に示されているようにサーバルートRがクライアント出力装置202に表示される(図9/STEP3415)。なお、サーバルートRに代えて、クライアント演算処理要素210によりサーバルートRに基づいて探索されたクライアントルートr(図示略)がクライアント出力装置202に表示されてもよい。
また、ナビクライアント200が、ナビサーバ100に対し、随時ユーザ車両2の運転データFCDを送信し、ナビサーバ100は受け取った運転データFCDを基にサーバルートRを含むナビゲーション情報NI(例えば現在位置を更新することにより再探索されたサーバルートを含む情報)を作成してナビクライアント200に提供することにより、クライアント演算処理要素210は、適宜クライアント出力装置202の表示を更新する。
なお、クライアント入力装置201を介して、ユーザによって収集時間が指定されている場合、運転開始から当該指定された収集時間(例えば12時間)に限って運転データFCDを蓄積させるように構成されてもよい。
(コーチング機能)
図11を参照して、図8/STEP342のコーチング処理を説明する。本処理は、ナビゲーション処理と同様に、ナビサーバ100とナビクライアント200との相互通信により運転中、ナビゲーション処理と同時並行で実行される。
まず、サーバ演算処理要素110は、ナビクライアント200から随時受信した運転データFCDに基づき、要注意個所抽出処理により抽出した要注意箇所のうち、ユーザ車両2が通行する可能性のある要注意個所を抽出する(図11/STEP3421)。より具体的には、サーバ演算処理要素110は、運転データFCDから特定されるユーザ車両2の現在位置を中心とした所定距離(例えば10km)範囲以内に存在する要注意点箇所を第1要注意箇所として抽出する。そして、サーバ演算処理要素110は、抽出した第1要注意箇所について、運転データFCDから特定される車両の進行方向を中心とした所定角度範囲内に存在する要注意箇所を第2要注意個所として抽出する。サーバ演算処理要素110は、サーバマップ情報からリンクを抽出し、第2要注意個所のうち、車両の現在位置から所定角度範囲内のリンクを通行することにより到達可能な要注意個所を第3要注意個所として抽出する。第3要注意個所のうち、サーバ演算処理要素110は、サーバルートR上の要注意個所を第4要注意個所として抽出する。第1〜第3の要注意個所抽出処理は、省略されてもよい。
サーバ演算処理要素110は、抽出した要注意個所(第4要注意個所)と当該要注意箇所に付与された目標車速を含めた注意喚起情報をサーバ通信装置130を介してナビクライアント200に送信する(図11/STEP3422)。
クライアント演算処理要素210は、クライアント通信装置230を介して受信した注意喚起情報に含まれる要注意個所に基づき、ユーザ車両2が要注意個所を通過するか否かを判定する(図11/STEP3423)。より具体的には、クライアント演算処理要素210は、ユーザ車両2の現在位置と、要注意個所の位置とを比較して、ユーザ車両2の所定距離(例えば1km)の範囲内に要注意個所が存在するかを確認する。要注意個所がユーザ車両2の所定距離の範囲内に存在する場合、クライアント演算処理要素210は、ユーザ車両2の進行方向から所定角度以内に当該要注意個所が存在するか否かを判定する。当該要注意個所がユーザ車両2の進行方向に存在する場合、クライアント演算処理要素210は、ユーザ車両2が現在通行しているリンクに当該要注意個所が隣接しているかどうかを判定する。また、クライアント演算処理要素210は、サーバルートR上に要注意個所があるか否かを判定する。これらすべての判定結果が肯定的であった場合、ユーザ車両2が要注意個所を通過する可能性があると判定される。これらのいずれかの判定結果が否定的であった場合、ユーザ車両2が要注意個所を通過しないと判定される。当該判定結果が否定的であった場合(図11/STEP3423‥NO)、クライアント演算処理要素210は、本処理を終了する。
当該判定結果が肯定的であった場合(図11/STEP3423‥YES)、クライアント演算処理要素210は、注意喚起メッセージをクライアント出力装置202に出力する(図11/STEP3424)。例えば、クライアント演算処理要素210は、図12に示されるように、「急ブレーキ多発交差点があります。安全確認お願いします。」等のメッセージをスピーカから音声で出力させると共に、画像出力装置に表示されたサーバルート上に要注意個所を示す印(例えばびっくりマークを丸で囲んだような図形)を表示する。
図11/STEP3424の後、クライアント演算処理要素210は、要注意個所を通過したか否かを判定する(図11/STEP3425)。要注意個所を通過したか否かは、ユーザ車両2の現在位置、進行方向、及びユーザ車両2の運転データFCD等に基づいて判定される。
当該判定が肯定的であった場合(図11/STEP3425‥YES)、クライアント演算処理要素210は、ナビサーバ100から受信した要注意個所の目標車速を指標値として、要注意個所におけるユーザ車両2の運転データFCDと比較することにより、要注意個所におけるユーザ車両2の運転形態を評価する(図11/STEP350)。
クライアント演算処理要素210は、図12に示されるように、運転形態の評価をクライアント出力装置202に出力する(図11/STEP3426)。例えば、運転形態の評価値が高い(指標値との乖離度が小さい)場合、「安全運転ありがとうございます」とのメッセージがクライアント出力装置202のスピーカから出力され、当該運転形態に対応する点数がクライアント出力装置202の画像表示装置に表示される。運転形態の評価値が低い(指標値との乖離度が大きい)場合、安全運転をするように促す警告がスピーカ等のクライアント出力装置202に出力される。
(要注意箇所における運転形態評価機能)
図13を参照して、要注意個所として一時停止が必要な交差点を通行するときの図11/STEP350の運転評価処理を説明する。本処理は、コーチング処理において、ナビクライアント200により実行される。
まず、クライアント演算処理要素210は、要注意個所に至るまでの減速がスムーズか否かを評価する(図13/STEP3501)。より具体的には、ジャイロセンサ等から出力される車速、加速度、減速度を示す信号に基づき、クライアント演算処理要素210は、減速度が所定の減速度(例えば0.15G)以内かどうかを判定する。また、クライアント演算処理要素210は、減速度の平均値と分散を算出し、平均を大きく上回る減速度があるか否か等を判定する。これらの判定のうち、肯定的な判定が多いほど評価値が高く決定され、否定的な判定が多いほど評価値が低く決定される。
そして、クライアント演算処理要素210は、一定時間以上一時停止がなされたかを評価する(図13/STEP3502)。より具体的には、クライアント演算処理要素210は、ジャイロセンサ等から出力される車速、加速度、減速度を示す信号に基づき、車速が所定の車速(例えば4km/時)以下になるか否かを判定する。また、クライアント演算処理要素210は、車速が当該所定の車速以下となった時間が所定の時間(例えば2秒以上4秒以下)以上であるか否かを判定する。これらの判定のうち、肯定的な判定が多いほど評価値が高く決定され、否定的な判定が多いほど評価値が低く決定される。
クライアント演算処理要素210は、要注意個所通過後の加速がスムーズか否かを評価する(図13/STEP3503)。より具体的には、ジャイロセンサ等から出力される車速、加速度、減速度を示す信号に基づき、クライアント演算処理要素210は、加速度が所定の加速度(例えば0.15G)以内かどうかを判定する。また、クライアント演算処理要素210は、加速度の平均値と分散を算出し、平均を大きく上回る加速度があるか否か等を判定する。これらの判定のうち、肯定的な判定が多いほど評価値が高く決定され、否定的な判定が多いほど評価値が低く決定される。
(サービス選択機能)
図14を参照して、図8/STEP363のサービス選択処理を説明する。本処理は、ユーザ車両2の運転が終了した後に、ナビサーバ100で実行される処理である。
まず、サーバ演算処理要素110は、ユーザ識別子UIDの評価累計値TPが第1の値V1を超えているか否かを判定する(図14/STEP3631)。当該判定結果が否定的であった場合(図14/STEP3631‥NO)、サーバ演算処理要素110は、適用するサービスを選択せずに処理を終了する。
当該判定結果が肯定的であった場合(図14/STEP3631‥YES)、サーバ演算処理要素110は、ユーザ識別子UIDの評価累計値TPが第2の値V2(V2>V1)を超えているか否かを判定する(図14/STEP3632)。
当該判定結果が否定的であった場合、サーバ演算処理要素110は、ユーザ識別子UIDのユーザが利用できるサービスとして第1のサービス(例えばレンタカー費用の割引サービス)を選択する(図14/STEP3633)。
当該判定結果が肯定的であった場合、サーバ演算処理要素110は、ユーザ識別子UIDのユーザが利用できるサービスとして第1のサービスと内容又は程度が異なる第2のサービス(例えばメンテナンス費用の割引サービス)を選択する(図14/STEP3634)。
サーバ演算処理要素110は、適宜、評価累計値TPからサービス適用に係るポイント等(例えば第2の値V2)を減算した値を新たな評価累計値TPとして支援データベース102に記憶する。
ユーザは、後に通信端末300等を介してナビサーバ100にアクセスすることにより、アクセス時の評価累計値及び当該利用可能なサービスを確認することが出来る(図2/STEP400)。
(ナビシステムの作用効果)
本実施形態のナビサーバ100によれば、ナビクライアント200が「第1条件」を充足することにより当該ナビクライアント200のナビサーバ100に対するアクセスが許可される。「第1条件」とは「サーバ通信装置130により認識された認証子Ukeyがサーバ記憶要素102に記憶されている」という条件である。その後、ナビクライアント200が「第2条件」を充足することにより当該ナビクライアント200のナビサーバ100に対するアクセスが禁止される。「第2条件」とは「当該ナビクライアント200との過去の通信内容から定まる」条件である。
ナビクライアント200によるナビサーバ100へのアクセスが禁止された後、当該アクセスを許容状態に復帰させて当該ナビクライアント200がナビサーバ100との通信に基づいて自身に固有の第1情報の提供を含むサービスを享受するためには、ユーザはサーバ記憶要素102により事前に記憶されている当該ユーザに固有の認証子Ukeyをナビクライアント200に対して入力する必要がある。
このため、ナビクライアント200がいったん第1条件を充足したからといって無条件に当該ナビクライアント200によるサービス享受が許容され、その結果として第三者が他人の第1情報を取得する状態が無期限に継続する事態が回避される。その一方、ナビクライアント200が第1条件を充足した後の所定期間においては、当該ナビクライアント200の起動のたびに認証子Ukeyの入力が要求される事態も回避されている。これにより、利便性を低下させない範囲で当該ユーザに固有の情報が保護される。
当該構成のナビサーバ100によれば、ナビクライアント200にアクセス情報を出力させることにより、当該ナビクライアントのユーザに対し、当該アクセス情報を出力したナビクライアントとは別の端末の使用を促すことが出来る。この結果、利便性を低下させない範囲で当該ユーザに固有の情報が保護される。
当該構成のナビサーバ100によれば、第2条件が充足しない間の新たな認証子Ukeyの入力に対して評価値EPが付与されるので、ユーザに対して随時ナビクライアント200の設定の更新をするモチベーションを与えることが出来る。この結果、ユーザの意志によりナビクライアント200の設定が適切に更新され、ナビクライアント200に古いユーザの情報が残ったままになる事態が避けられうるので、利便性を低下させない範囲でユーザの固有の情報が保護される。
当該構成のナビサーバ100によれば、ナビクライアント200からナビサーバ100に対して送信されることが多い第2情報を含む情報が保護される。このため、ナビサーバ100は、第三者に対する第2情報を含む情報の保護を図りながら、適切なユーザに対して第2情報を活用したサービスを提供することが出来る。
ナビクライアント200との過去の通信内容に示される第1期間における駐車頻度が最も高い又は駐車時間が最も長い駐車位置と当該第1期間とは異なる第2期間における駐車頻度が最も高い又は駐車時間が最も長い駐車位置とが異なる場合、当該ナビクライアント200が第三者に譲渡又は貸与等された可能性がある。
また、ナビクライアント200との過去の通信内容に示される第3期間における駐車位置のうち、頻度が高い又は駐車時間がない複数の駐車位置のいずれもと、第3期間とは異なる所定の第4期間における駐車位置とが異なる場合、当該ナビクライアント200が第三者に譲渡又は貸与等された可能性がある。
また、ナビクライアント200との過去の通信内容に基づき特定される認証子Ukeyが最後に入力されたときから所定の第5期間を経過した場合、ナビクライアント200が第三者に譲渡又は貸与等された可能性がある。また、ナビクライアント200との過去の通信内容に基づき特定されるナビサーバ100への最後のアクセスがあったときから所定の第6期間を経過した場合もナビクライアントが第三者に譲渡又は貸与等された可能性がある。
これらの点に着目して構成された本実施形態のナビサーバ100によれば、ナビクライアント200が第三者に譲渡または貸与等された可能性がある場合にナビクライアント200からナビサーバ100へのアクセスが禁止され、認証子の入力を求めるメッセージがナビクライアント200に出力される。この結果、利便性を低下させない範囲で当該ユーザに固有の情報が保護される。
当該構成のナビサーバ100によれば、ナビクライアント200との通信に基づき認識された他人の第1情報を第三者が取得しうる状態が無期限に継続する事態が回避される。これにより、利便性を低下させない範囲で当該ユーザに固有の情報が保護される。
当該構成のナビクライアント200によれば、第1情報の収集時間がユーザによって指定されるので、ユーザの意図した第1情報が当該ナビクライアント200及びナビサーバ100等で活用されると共に、ユーザの意図と反する形で収集された第1情報が他のユーザに閲覧されることがない。この結果、利便性を低下させない範囲で当該ユーザに固有の情報が保護される。
(他の実施形態)
本実施形態では、ナビクライアント200と通信端末300とが別筐体であったが、これに代えて、図15(a)に示されるように、ナビアプリケーションがインストールされた通信端末300aがナビクライアントとして採用されてもよい。この場合、通信端末300aは、無線通信又は有線通信等によりユーザ車両2aと電気的に接続された上で、ユーザ車両2aから車速等の車両制御情報及び位置情報等を取得するように構成されていてもよい。
また、図15(b)に示されるように、ナビクライアント200bの一部の構成(例えばクライアント入力装置201b及びクライアント出力装置202b)と通信端末300bの一部の構成(通信端末記憶要素304b、通信端末演算処理要素310b、通信端末通信装置330b)とにより、新たなナビクライアントが構成されてもよい。
また、ナビクライアント200とナビアプリケーションがインストールされた通信端末300とが共に使用可能である場合、当該ナビクライアント200と通信端末300とのいずれを使用するかをユーザに選択させてもよい。
本実施形態では、クライアント演算処理要素210が要注意個所における運転形態の評価を行ったが(図11/STEP350)、これに代えて、図16に示されるように、クライアント演算処理要素210がクライアント通信装置230を介してサーバに運転データFCDを送信し(図16/STEP3427)、サーバ演算処理要素110が当該運転データFCDに基づき、要注意個所の運転形態を評価してもよい(図16/STEP3428)。図16/STEP3428における運転評価処理は、クライアント演算処理要素210が図11/STEP350で行う運転評価処理と同様の処理である。
また、本実施形態では、クライアント演算処理要素210により評価されたクライアント評価値CPが運転データFCDと共にナビサーバ100にアップロードされ(図8/STEP361)、サーバ演算処理要素110が当該運転データが評価されることによりサーバ評価値SPを算出し、サーバ評価値SPとクライアント評価値CPとを評価累計値TPに加算している(図8/STEP362)。これに代えて、運転データFCDがナビサーバ100にアップロードされ(図17(a)/STEP3611)、サーバ評価値SPのみが評価累計値TPに加算されてもよい(図17(a)/STEP3621)。
また、これに代えて、クライアント演算処理要素210により評価されたクライアント評価値CPが運転データFCDと共にナビサーバ100にアップロードされ(図17(b)/STEP3612)、クライアント評価値CPのみが評価累計値TPに加算されてもよい(図17(b)/STEP3622)。